JP2002343797A - 配線形成装置及びその方法 - Google Patents

配線形成装置及びその方法

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JP2002343797A
JP2002343797A JP2001197328A JP2001197328A JP2002343797A JP 2002343797 A JP2002343797 A JP 2002343797A JP 2001197328 A JP2001197328 A JP 2001197328A JP 2001197328 A JP2001197328 A JP 2001197328A JP 2002343797 A JP2002343797 A JP 2002343797A
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substrate
polishing
film
electrolytic
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JP2001197328A
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Naoki Matsuda
尚起 松田
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Ebara Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 CMP処理そのものを省略したり、CMP処
理の負荷を極力低減しつつ、銅を埋込んで銅配線を形成
する一連の銅配線形成工程を連続的に行えるようにした
配線形成装置及び方法を提供する。 【解決手段】 基板の表面に銅を成膜して該銅を微細窪
み内に埋込んだ銅配線を形成する配線形成装置であっ
て、ハウジング10の内部に、基板を搬送する搬送経路
25を設け、この搬送経路25に沿って、銅めっき処理
部12、電解または化学研磨処理部18,20及びアニ
ール処理部16を配置した

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、配線形成装置及び
方法に係り、特に半導体基板の表面に形成した配線用の
窪みの内部に銅(Cu)を埋め込んで銅配線を形成する
のに使用される配線形成装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体基板上に配線回路を形成す
るための金属材料として、アルミニウムまたはアルミニ
ウム合金に代えて、電気抵抗率が低くエレクトロマイグ
レーション耐性が高い銅(Cu)を用いる動きが顕著に
なっている。この種の銅配線は、基板の表面に設けた微
細凹みの内部に銅を埋込むことによって一般に形成され
る。この銅配線を形成する方法としては、CVD、スパ
ッタリング及びめっきといった手法があるが、いずれに
しても、基板のほぼ全表面に銅を成膜し、化学機械的研
磨(CMP)により不要の銅を除去するようにしてい
る。
【0003】図18(a)〜(c)は、この種の銅配線
基板Wの製造例を工程順に示すもので、図18(a)に
示すように、半導体素子を形成した半導体基材1上の導
電層1aの上にSiOからなる酸化膜や他のLow−
K材膜2を堆積し、リソグラフィ・エッチング技術によ
りコンタクトホール3と配線用の溝4を形成し、その上
にTaN等からなるバリア膜5、更にその上に電解めっ
きの給電層としてシード層7を形成する。
【0004】そして、図18(b)に示すように、基板
Wの表面に銅めっきを施すことで、半導体基材1のコン
タクトホール3及び溝4内に銅を充填するとともに、酸
化膜2上に銅膜6を堆積する。その後、化学機械的研磨
(CMP)により、酸化膜2上の銅膜6を除去して、コ
ンタクトホール3及び配線用の溝4に充填させた銅膜6
の表面と酸化膜2の表面とをほぼ同一平面にする。これ
により、図18(c)に示すように銅膜6からなる配線
が形成される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図19に示
すように、例えば、直径dが0.2μm程度の微細穴
8と、直径dが100μm程度の大穴9とが混在する
基板Wの表面に銅めっきを施して銅膜6を形成すると、
めっき液や該めっき液に含有される添加剤の働きを最適
化したとしても、微細穴8の上ではめっきの成長が促進
されて銅膜6が盛り上がる傾向があり、一方、大穴9の
内部ではボトムアップ性を高めためっきの成長を行うこ
とができないため、結果として、基板W上に堆積した銅
膜6には、微細穴8上の盛り上がり高さaと、大穴9上
の凹み深さbとをプラスした段差a+bが残る。このた
め、微細穴8及び大穴9の内部に銅を埋込んだ状態で、
基板Wの表面を平坦化させるには、銅膜6の膜厚を十分
に厚くし、しかもCMPで前記段差a+b分余分に研磨
する必要があった。
【0006】しかし、めっき膜のCMP工程を考えた
時、めっき膜厚を厚くして研磨量を多くすればする程、
CMPの加工時間が延びてしまい、これをカバーするた
めにCMPレートを上げれば、CMP加工時に大穴での
ディッシングが生じるといった問題があった。
【0007】つまり、これらを解決するには、めっき膜
厚を極力薄くし、基板表面に微細穴と大穴が混在して
も、めっき膜の盛り上がりや凹みを無くして、平坦性を
上げる必要があるが、例えば硫酸銅浴で電解めっき処理
を行った場合、めっき液や添加剤の作用だけで盛り上が
りを減らすことと凹みを減らすことを両立することがで
きないのが現状であった。また、積層中のめっき電源を
一時逆電解としたり、PRパルス電源とすることで盛り
上がりを少なくすることは可能であるが、凹部の解消に
はならず、加えて表面の膜質を劣とすることになってい
た。
【0008】更に、CMP工程は、一般にかなり複雑な
操作が必要で、制御も複雑であるばかりでなく、加工時
間もかなり長く、しかもめっき処理と別の装置で一般に
行われているため、これを省略することが強く求められ
ていた。今後、絶縁膜も誘電率の小さいLow−K材に
変わると予想され、Low−K材にあっては、強度が弱
くCMPによるストレスに耐えられなくなるため、非接
触で基板にストレスを与えることなく平坦化できるよう
にしたプロセスが望まれている。なお、化学機械的電解
研磨のように、めっきをしながらCMPで削るというプ
ロセスも発表されているが、めっき成長面に機械加工が
付加されることで、めっきの異常成長を促すことにもな
り、膜質に問題を起こしていた。
【0009】本発明は上記に鑑みて為されたもので、C
MP処理そのものを省略したり、CMP処理の負荷を極
力低減しつつ、銅を埋込んで銅配線を形成する一連の銅
配線形成工程を連続的に行えるようにした配線形成装置
及び方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、基板の表面に銅を成膜して該銅を微細窪み内に埋込
んだ銅配線を形成する配線形成装置であって、ハウジン
グの内部に、基板を搬送する搬送経路を設け、この搬送
経路に沿って、銅めっき処理部、電解または化学研磨処
理部及びアニール処理部を配置したことを特徴とする配
線形成装置である。
【0011】これにより、銅めっき処理後の平坦化プロ
セスを主に電解または化学研磨で行うことで、CMP処
理自体を省略するか、またはCMP処理の負荷を低減
し、アニールを含めた一連の平坦化プロセスを同一ハウ
ジング内で連続的に行うことができる。
【0012】請求項2に記載の発明は、基板の洗浄を行
う洗浄処理部を配置したことを特徴とする請求項1記載
の配線形成装置である。
【0013】請求項3に記載の発明は、第1段の電解ま
たは化学研磨処理と、第2段の電解または化学研磨処理
を行う少なくとも2つの研磨処理部を有することを特徴
とする請求項1または2記載の配線形成装置である。こ
れにより、銅の表面に研磨レートや、下地への選択性研
磨の異なる2段の電解研磨または化学研磨を施すこと
で、銅の表面をより平坦に研磨したり、また第1段の電
解研磨または化学研磨で銅の表面を研磨し、第2段の電
解研磨または化学研磨で表面が露出している銅と他の導
電性物質(例えば、TaN)を研磨レートで均一に研磨
するようにすることができる。
【0014】請求項4に記載の発明は、前記ハウジング
の内部に、前記銅配線の露出表面を選択的に覆って保護
する保護膜を形成する蓋めっき処理部を配置したことを
特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の配線形成
装置である。これにより、外部に露出した銅配線の表面
を保護膜で選択的に覆って保護する蓋めっき処理を同一
ハウジング内で連続して行うことができる。
【0015】請求項5に記載の発明は、基板の表面に銅
を成膜して該銅を微細窪み内に埋込んだ銅配線を形成す
るにあたり、基板の表面に銅を成膜する工程と、この銅
を成膜した基板の表面を研磨液中で電解または化学研磨
する研磨処理工程と、研磨処理工程後に銅膜を基板全面
に残した状態で基板に熱処理を施すアニール工程とを有
することを特徴とする配線形成方法である。このように
して、ウェット処理の後ドライ処理を行い、装置的にウ
ェットとドライ処理部分を分けることができるメリット
を有するが、成膜→アニール→電解/化学研磨→CMP
の順に処理することもできる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形態の配
線形成装置の平面配置図を示す。この配線形成装置は、
ハウジング10の内部に位置して、ロード・アンロード
部11と、このロード・アンロード部11の反対側から
順に配置された銅めっき処理部12、洗浄・乾燥処理部
14、アニール処理部16、第1の電解または化学研磨
処理部18、第2の電解または化学研磨処理部20及び
洗浄・乾燥処理部22とを有し、これらの各機器を挟ん
だ位置に、前処理部24a、Pd付着部24b、めっき
前処理部24c、無電解CoWPめっき処理部24d及
び洗浄・乾燥処理部24eを有する蓋めっき処理部24
が配置されている。更に、搬送経路25に沿って走行自
在で、これらの間で基板の受渡しを行う搬送装置26が
備えられている。
【0017】銅めっき処理部12は、図2に示すよう
に、上方に開口し内部にめっき液30を保持する円筒状
のめっき槽32と、基板Wを着脱自在に下向きに保持し
て該基板Wを前記めっき槽32の上端開口部を塞ぐ位置
に配置する基板保持部34とを有している。めっき槽3
2の内部には、めっき液30中に浸漬されてアノード電
極となる平板状の陽極板36が水平に配置され、基板W
が陰極板となるようになっている。更に、めっき槽32
の底部中央には、上方に向けためっき液の噴流を形成す
るめっき液噴射管38が接続され、めっき槽32の上部
外側には、めっき液受け40が配置されている。
【0018】これにより、めっき槽32の上部に基板W
を基板保持部34で下向きに保持して配置し、陽極板
(アノード)36と基板(カソード)Wの間に所定の電
圧を印加しつつ、めっき液30をめっき液噴射管38か
ら上方に向けて噴出させて、基板Wの下面(被めっき
面)に垂直にめっき液30の噴流を当てることで、陽極
板36と基板Wの間にめっき電流を流して、基板Wの下
面にめっき膜を形成するようにしている。
【0019】電解または化学研磨処理部18,20は、
図3に示すように、上方に開口し内部に研磨液(電解液
または化学薬品)50を保持する円筒状の研磨槽52
と、基板Wを静電チャック等の保持部54で着脱自在に
下向きに保持して該基板Wを研磨槽52の上端開口部を
塞ぐ位置に配置する基板保持部56とを有している。研
磨槽52の内部には、研磨液50中に浸漬されてカソー
ドとなる平板状の板体58が水平に配置され、基板Wが
アノードとなるようになっている。更に、基板保持部5
6は、その中央部でモータ60に接続された駆動軸62
の下端に連結されて基板Wと一体に回転し、板体58
は、シリンダ等の往復駆動部64の往復ロッド66の先
端に連結されて、この往復駆動部64の駆動に伴って水
平方向に沿って往復動するよう構成されている。
【0020】これにより、基板Wを基板保持部56で下
向きに保持して基板Wの下面(研磨面)を研磨液50に
接触させた状態で、基板Wを基板保持部56と一体に回
転させ、同時に板体58を往復運動させながら、板体
(カソード)58と基板(アノード)Wの間に所定の電
圧を印加して板体58と基板Wの間にめっき電流を流す
ことで、基板Wに形成されためっき膜を電解研磨し、電
流を止めることで化学研磨するようにしている。
【0021】なお、電解または化学研磨処理部18,2
0において、研磨液(化学薬品)に基板の表面を単に浸
漬させることで、研磨液の腐食作用により基板の表面を
化学研磨することができ、板体58と基板Wとを研磨液
(電解液)に浸漬させ、これらの間に所定の電圧を印加
することで基板の表面を電解研磨することができる。
【0022】図4は、電解または化学研磨処理部18,
20の他の例を示すもので、これは、板体58として基
板Wより大径のものを使用するとともに、この板体58
の中央をモータ68を備えた駆動軸70の上端に連結し
て、このモータ68の駆動に伴って板体58が回転する
ようにしたものである。
【0023】次に、図5及び図6を参照して配線形成処
理について説明する。この例は、前記図18(b)に示
す銅膜6を堆積させた基板Wの表面を、CMP工程を経
ることなく平坦化して銅配線を形成し、更に銅配線の表
面を蓋めっきするようにした例を示す。
【0024】先ず、表面にシード層7を形成した基板W
(図18(a)参照)をロード・アンロード部11から
搬送装置26で一枚ずつ取り出し、銅めっき処理部12
に搬入する(ステップ1)。
【0025】次に、この銅めっき処理部12で、例えば
電解銅めっき処理を行って、図6(a)に示すように、
基板Wの表面に銅膜6を形成する(ステップ2)。この
時、大穴の存在に伴う銅膜の凹みの軽減を第一優先に考
え、図2に示すめっき液30として、ボトムアップ性の
優れたもの、例えば硫酸銅の濃度が高く、硫酸の濃度が
低いボトムアップ性の優れた組成、例えば、硫酸銅10
0〜300g/l、硫酸10〜100g/lの組成を有
し、ボトムアップ性を向上させる添加剤を含有したもの
を使用する。ここで、ボトムアップ性とは、穴中のボト
ムアップ成長に優れた性質を意味する。
【0026】そして、この銅めっき処理後の基板Wを洗
浄・乾燥処理部14に搬送し洗浄して乾燥させ(ステッ
プ3)、しかる後、洗浄・乾燥後の基板Wをアニール処
理部16に搬送する。そして、銅膜6を堆積させた状態
で基板Wに熱処理を施して銅膜6をアニールし(ステッ
プ4)、しかる後、アニール後の基板Wを第1の電解ま
たは化学研磨処理部18に搬送する。
【0027】次に、この第1の電解または化学研磨処理
部18で基板Wの表面(被めっき面)に第1段の電解ま
たは化学研磨処理を施して、基板Wの表面に形成された
銅膜6の研磨除去する(ステップ5)。この時、電解研
磨にあっては、図3及び図4に示す研磨液(電解液)5
0として、銅を溶解する無機酸及び/または有機酸のい
ずれか1種類以上と、増粘剤としての多価アルコール
類、高分子多価アルコール類またはアルキレングリコー
ルアルキルエーテル類のいずれか1種類以上を含むこと
で、粘性を増加させた研磨液を使用する。
【0028】このように、基板Wの表面に成膜した銅膜
6の表面を、増粘剤を介して粘性を増加させた研磨液5
0を用いて電解研磨することで、基板表面の銅の錯体が
存在する拡散層を増大させることにより、分極電位をア
ップさせ、基板表面全面の液中導電性を抑制することが
できる。これにより、基板Wの表面全面に渡って銅の溶
解及び/又は、銅イオンの液中移動を抑制し、微細な電
流密度の変動に対して敏感に反応しないようにして、高
い平坦性を得ることができる。すなわち、これら拡散層
の増大、分極電位アップ及び導電性抑制は、研磨液の粘
度の値に大きく左右され、研磨液の粘度を上げることで
研磨の際の平坦性を向上させることができる。この研磨
液50としては、粘度が10〜100cP、より好まし
くは20〜60cPで、導電率が1〜20mS/cm、
より好ましくは5〜18mS/cmであるものを使用す
ることが、十分な平坦性を得る上で好ましい。また、研
磨液50の温度は、0〜30℃であることが好ましく、
5〜25℃であることが更に好ましい。
【0029】これにより、図6(b)に示すように、バ
リア膜5上のシード層7と該シード層7の上の銅膜6を
除去して、バリア膜5の表面を露出させ、このバリア膜
5の表面とコンタクトホール3及び配線用の溝4に充填
した銅膜6の表面を平坦化させて電解研磨を完了する。
同一処理部で電解研磨から化学研磨に切り換えることも
ある。
【0030】この銅の溶解する無機酸としては、例えば
リン酸が、同じく有機酸としては、例えばクエン酸、シ
ュウ酸またはグルコン酸が挙げられる。増粘剤としての
多価アルコール類としては、例えば、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、グリセリン等が、同じく高
分子多価アルコール類としては、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール等が、同じくアルキレン
グリコールアルキルエーテル類としては、エチレングリ
コール−エチルエーテル、エチレングリコール−メチル
エーテル、エチレングリコール−プロピルエーテル、エ
チレングリコール−フェニルエーテル、プロピレングリ
コール−エチルエーテル、プロピレングリコール−メチ
ルエーテル、プロピレングリコール−フェニルエーテ
ル、ジプロピレングリコール−モノメチルエーテル等が
挙げられる。
【0031】この時、電解研磨の際に印加される電流波
形パルスとして、パルス波形またはPRパルス波形を使
用することで、研磨液中に含まれる添加剤の拡散を改善
することができる。
【0032】ここで、研磨液を使用して電解または化学
研磨を行った時の実験結果例を図7〜図9に示す。ここ
で、図7は、研磨液の粘度及び導電率と研磨効果の関係
を、図8は、液温と研磨効果の関係を、図9は、電流波
形と研磨効果の関係をそれぞれ示す。これらの図におい
て、a−1,a−2,c−1,c−2は、下記の表1の
電荷条件を示している。
【0033】
【表1】 図7は、基本液にリン酸を使用し、増粘剤としてジプロ
ピレングリコール−モノメチルエーテルを添加し、水の
混合で粘度を変えた研磨液を使用して研磨した時の結果
を示す。この図7から、液の粘度の上昇と導電率の下降
に伴って、研磨効果は上がり、粘度20〜60cp、導
電率17〜9mS/cmの範囲で研磨効果指数がピーク
を示していることが判る。
【0034】図8は、リン酸100ml、ジプロピレン
グリコール−モノメチルエーテル150ml、水150
mlを混合した液組成を有し、温度を変えた研磨液を使
用して研磨した時の結果を示す。この図8から、各電解
条件によって研磨効果が変化し、液温が30℃以下、特
に25℃以下で研磨効率が上昇することが判る。
【0035】図9は、リン酸100ml、ジプロピレン
グリコール−モノメチルエーテル150ml、水50m
lを混合した液組成を有しする研磨液を使用し、パルス
波形の変化させた時の結果を示す。ここで、10/10
Secは、ONが10Sec、OFFが10Secを示
している。これにより、1mSec〜1Sec、より好
ましくは1mSec〜100mSecのON/OFFパ
ルス波形が望ましいことが判る。
【0036】ここで、図3に示す電解または化学研磨処
理部18にあっては、電解研磨処理中に基板Wを回転さ
せ、同時に板体58を往復動させる。図4に示す電解ま
たは化学研磨処理部18にあっては、基板Wと板体58
を共に同方向に回転させる。これによって、基板Wと板
体58とを相対移動させ、しかも基板上の各ポイントに
おける板体58との相対速度をより均一にして、基板W
と板体58との間の極間を流れる研磨液50の流れの状
態をより均一に、すなわち研磨液50の流れに特異点が
生じなくすることで、基板Wの局部的な研磨が増幅され
て平坦性が悪くなることを防止する。なお、このこと
は、次の電解または化学研磨処理部における化学研磨処
理にあっても同様である。
【0037】次に、第1の電解または化学研磨処理部1
8で第1段の電解また化学研磨処理を施した基板を第2
の電解または化学研磨処理部20に搬送し、ここで基板
の表面に第2段の電解または化学研磨処理を施す(ステ
ップ6)。この時、化学研磨処置にあっては、研磨液
(化学薬品)として、前記電解または化学研磨処理(ス
テップ5)に使用した粘性を上げた研磨液に、銅の表面
に吸着し、銅の溶解を化学的に抑制する添加剤、または
銅と強固な錯体を形成するか、または銅表面に不動態化
皮膜を生成させることを助長する基本液や添加剤を添加
したものを使用する。
【0038】これにより、銅膜6の表面とTaN等の導
電性物質からなるバリア膜5の表面を、この基本液や添
加剤を添加した研磨液を用いて電解または化学研磨する
ことで、銅膜6とバリア膜(TaN,Ta,WN,Ti
Nなど)5とを同じ研磨レートで均一に研磨することが
できる。これによって、図6(c)に示すように、酸化
膜2上のバリア膜5を除去して酸化膜2の表面を露出さ
せ、この酸化膜2の表面とコンタクトホール3及び配線
用の溝4に充填した銅膜6の表面を平坦化させて第2段
の第2の電解または化学研磨処理を完了する。
【0039】ここで、銅の溶解を電気化学的に抑制する
添加剤としては、例えば、イミダゾール、ベンズイミダ
ゾール、ベンゾトリアゾール、フェナセチン等が挙げら
れる。また、銅表面に不動態化皮膜を生成させることを
助長する基本液としては、例えば、クロム酸が、銅と強
固な錯体を形成させる添加剤としては、例えば、EDT
Aやキナルジン等が、銅と強固な錯体を形成させる基本
液としては、例えばピロリン酸が挙げられる。
【0040】このようにして、酸化膜またはLow−K
材膜2上の不要な銅膜6とバリア膜5を電解研磨処理及
び/または化学研磨処理によって除去し、酸化膜2の表
面とコンタクトホール3及び配線用の溝4に充填した銅
膜6の表面を平坦化させることで、CMP処理自体を省
略することができる。
【0041】次に、第2段の電解または化学研磨処理後
の基板Wを洗浄・乾燥処理部22に搬送し、ここで洗浄
し乾燥させ(ステップ7)、蓋めっき処理部24の前処
理部24aに搬送し、ここで、基板に、例えば基板表面
を再度洗浄する前処理を施す(ステップ8)。そして、
銅膜6の表面にPd付着部24bでPdを付着させて銅
膜6の露出表面を活性化させ(ステップ9)、しかる
後、めっき前処理部24cでめっき前処理、例えば中和
処理を施す(ステップ10)。次に、無電解CoWPめ
っき処理部24dに搬送し、ここで、活性化した銅膜6
の表面にCoWPによる選択的な無電解めっきを施し、
これによって、図6(d)に示すように、銅膜6の露出
表面をCoWP膜Pで保護する(ステップ11)。この
めっき液としては、例えば、コバルトの塩とタングステ
ンの塩に、還元剤、錯化剤、pH緩衝剤及びpH調整剤
を添加したものがあげられる。なお、研磨後に露出した
表面に、例えば無電解Ni−Bめっきを施して、配線6
の外部への露出表面に、Ni−B合金膜からなる保護膜
(めっき膜)Pを選択的に形成して配線6を保護するよ
うにしてもよい。この保護膜Pの膜厚は、0.1〜50
0nm、好ましくは、1〜200nm、更に好ましく
は、10〜100nm程度である。この保護膜Pを形成
する無電解Ni−Bめっき液としては、例えばニッケル
イオン、ニッケルイオンの錯化剤、ニッケルイオンの還
元剤としてのアルキルアミンボランまたは硼素化水素化
合物を含有し、pH調整にTMAH(水酸化テトラメチ
ルアンモニウム)を使用して、pHを5〜12に調整し
たものが使用される。
【0042】次に、この蓋めっき処理後の基板Wを洗浄
・乾燥処理部24eに搬送して洗浄・乾燥処理を行い
(ステップ12)、この洗浄・乾燥後の基板Wを搬送装
置26でロード・アンロード部11のカセットに戻す
(ステップ13)。なお、この例では、蓋めっき処理と
して、CoWP無電解めっき処理を施す前に、Pdを付
着することによって活性化させた銅膜6の露出表面をC
oWP膜で選択的に被覆するようにした例を示している
が、これに限定されないことは勿論である。
【0043】ここで、図10に示すように、前記ステッ
プ5における電解または化学研磨処理とステップ6にお
ける電解または化学研磨処理との間に、化学研磨処理ま
たは電解研磨処理(ステップ5−1)を、ステップ6に
おける電解または化学研磨処理とステップ7における洗
浄・乾燥処理との間に、化学研磨処理または複合電解研
磨処理(ステップ6−1)を行うことが好ましい。
【0044】すなわち、基板Wの表面に電解研磨処理を
施して、基板Wの表面に形成された銅膜6を研磨除去す
ると(ステップ5)、研磨条件等によっては、図11
(a)に示すように、バリア膜5の表面に銅6aが残る
ことがある。この状態で電解研磨処理を続けると穴や配
線溝中の銅のみが研磨され、バリア膜上の銅が残ってし
まう。
【0045】そこで、このような場合に、例えば電源を
切って板体58と基板Wとの間に所定の電圧を印加する
ことを止め、電解研磨処理(ステップ6)に使用した研
磨液を化学薬品とした化学研磨処理に切り換える(ステ
ップ6−1)。これによって、図11(b)に示すよう
に、バリア膜5の表面に残った銅6aを除去する。
【0046】なお、この例にあっては、電解研磨処理
(ステップ6)と化学研磨処理(ステップ6−1)を同
じ研磨液を使用し同じ研磨槽内で行うようにしている
が、別の研磨槽内に、例えば電流密度の高いエリアに多
く吸着した添加剤の効果により、残った銅6aを優先的
に除去する添加剤を添加した研磨液(化学薬品)による
化学研磨処理または同様な研磨液(電解液)による電解
研磨処理を行うようにしてもよい。この添加剤として
は、例えばイミダゾール、ベンズイミダゾール、ベンゾ
トリアゾール、フェナセチン等が挙げられる。
【0047】また、基板Wの表面にバリア膜5と銅膜6
を同時に除去する化学研磨処理または電解研磨処理を施
すと(ステップ6)、研磨条件等によっては、図11
(c)に示すように、酸化膜またはLow−K材膜2の
表面にTaN等バリア層の残存の導電性物質5aが残る
ことがある。これでは、CMP処理工程自体を省略する
ことができない。
【0048】そこで、このような場合に、例えば、前記
電解研磨処理(ステップ5)に使用した電解液に添加し
た添加剤より効果の強い添加剤を添加した研磨液で電解
または化学研磨を施したり、または銅を不動態化させる
基本液を使用したり、不動態化電解条件により、電解研
磨処理を施すことで、図6(c)に示すように、酸化膜
またはLow−K材膜(絶縁膜)2の表面とコンタクト
ホール3及び配線用の溝4に充填した銅膜6の表面を平
坦化させる。
【0049】なお、この電解または化学研磨処理の代わ
りに、銅膜6とTaN等の導電性物質からなるバリア膜
5の全面を不動態化させて全面を同時に複合電解研磨処
理で研磨除去するようにしてもよく、また電解または化
学研磨処理に引き続いて、このような複合電解研磨処理
を行うようにしてもよい。
【0050】この複合電解研磨処理は、研磨液の中に研
磨砥粒を加えることで、図12に示すように、この砥粒
Gが基板Wの表面に残り、不動態化された銅やTaN等
の突起部Pを研磨除去し、同時に砥粒Gにより研磨除去
された不動態層の下に存在するTaN等の導電性物質か
らなるバリア膜5を電解及び化学研磨で優先的に研磨除
去するようにしたもので、これにより、銅膜とTaN等
の導電性物質からなるバリア膜5を同時研磨することが
できる。例えば、研磨仕上げ面の面粗さを100Å以下
とするならば、砥粒粒度は#5000以上が好ましい。
【0051】図13は、本発明の他の実施の形態の配線
形成装置の平面配置図を示す。この配線形成装置は、ハ
ウジング10の内部に位置して、ロード・アンロード部
11と、このロード・アンロード部11の反対側から順
に配置された銅めっき処理部12、洗浄・乾燥処理部1
4、第1の電解または化学研磨処理部18、第2の電解
または化学研磨処理部20、洗浄・乾燥処理部22及び
アニール処理部16とを有し、更に搬送経路25に沿っ
て走行自在で、これらの間で基板の受渡しを行う搬送装
置26が備えられている。銅めっき処理部12、電解ま
たは化学研磨処理部18,20等の構成は、前述したも
のと同様である。
【0052】次に、図14を参照して配線形成処理につ
いて説明する。この例は、前記図18(b)に示す銅膜
6を堆積させた基板Wの表面を、CMP工程を経て平坦
化して銅配線を形成するのであるが、このCMP工程に
おける負荷を低減するようにした例を示す。仕上げの平
坦化はCMP工程で行う。
【0053】先ず、表面にシード層7を形成した基板W
(図18(a)参照)をロード・アンロード部11から
搬送装置26で一枚ずつ取り出し、銅めっき処理部12
に搬入する(ステップ1)。
【0054】次に、この銅めっき処理部12で、例えば
電解銅めっき処理を行って、基板Wの表面に銅膜6(図
18(b)参照)を形成する(ステップ2)。そして、
この銅めっき処理後の基板Wを洗浄・乾燥処理部14に
搬送し洗浄して乾燥させ(ステップ3)、しかる後、第
1の電解または化学研磨処理部18に搬送する。
【0055】次に、この第1の電解または化学研磨処理
部18で基板Wの表面(被めっき面)に第1段の電解ま
たは化学研磨処理を施して、基板Wの表面に形成された
銅膜6の研磨除去する(ステップ4)。この時、電解研
磨にあっては、図3及び図4に示す研磨液(電解液)5
0として、前述と同様に、銅を溶解する無機酸及び/ま
たは有機酸のいずれか1種類以上と、増粘剤としての多
価アルコール類、高分子多価アルコール類またはアルキ
レングリコールアルキルエーテル類のいずれか1種類以
上を含むことで、粘性を増加させた研磨液を使用し、こ
れによって、基板表面の拡散層を増大させるとともに、
分極電位をアップさせ、更に基板全面の液中導電性を抑
制して、高い平坦性を得る。
【0056】次に、第1段の電解研磨処理後の基板を第
2の電解または化学研磨処理部20に搬送し、ここで基
板の表面に第2段の電解または化学研磨処理を施す(ス
テップ5)。この時、化学研磨にあっては、研磨液(化
学薬品)として、前述と同様に、前記電解研磨処理に使
用した粘性を上げた研磨液に、銅の表面に吸着し、銅の
溶解を化学的に抑制する添加剤、または銅と強固な錯体
を形成するか、または銅表面に不動態化皮膜を生成させ
ることを助長する基本材または添加剤を添加したものを
使用し、これによって、銅膜6(図18(b)参照)の
平坦度を更に向上させる。ここで、化学研磨処理を省略
しても良い。
【0057】なお、この化学研磨処理の代わりに、同様
な添加剤を添加した研磨液を使用した電解研磨処理を行
ってよく、また電解研磨電源を切って、電解研磨処理
(ステップ4)に使用した研磨液を使用した化学研磨処
理を行うようにしてもよいことは、前述と同様である。
そして、銅膜6の膜厚がアニールに必要な最低膜厚、例
えば300nmに達した時に、化学研磨を完了し、洗浄
・乾燥処理部22に搬送する。
【0058】この洗浄・乾燥処理部22で基板を洗浄し
乾燥させ(ステップ6)、洗浄・乾燥後の基板Wをアニ
ール処理部16に搬送する。そして、銅膜6を堆積させ
た状態で基板Wに熱処理を施して銅膜6をアニールし
(ステップ7)、しかる後、アニール後の基板Wを搬送
装置26でロード・アンロード部11のカセットに戻す
(ステップ8)。
【0059】そして、別の装置で基板Wの表面にCMP
処理を施し(ステップ9)、これによって、コンタクト
ホール3及び配線用の溝4に充填させた銅膜6の表面と
酸化膜2の表面とをほぼ同一平面にして、銅膜6からな
る配線を形成し(図18(c)参照)、必要に応じて、
前述と同様な蓋めっき処理を施す(ステップ10)。
【0060】この例によれば、例えば基板の表面に微細
穴と大穴が混在するように場合にあっても、電解研磨処
理1段、または電解研磨処理と化学研磨処理または電解
研磨処理の少なくとも2段の研磨処理を行うことで、銅
膜の平坦性を向上させ、これによって、その後のCMP
加工をディッシングの発生を防止しつつ短時間で行うこ
とができる。
【0061】なお、電解研磨により、基板の被めっき面
を平坦化させるには、基板を限りなく平らに保持すると
ともに、板体(カソード)を限りなく平らに加工して、
両者を限りなく近接させた状態で相対運動を行わせ、同
時に基板面内に研磨液の流れと電場の特異点を生じさせ
ないことが重要である。
【0062】図15及び図16は、この要請に応えた電
解または化学研磨処理部18,20の更に他の例を示
す。これは、上方に開口して内部に研磨液50を保持す
る円筒状の研磨槽52と、基板Wを着脱自在に下向きに
保持して該基板Wを前記研磨槽52の上端開口部を塞ぐ
位置に配置する基板保持部56とを有している。
【0063】研磨槽52は、略円板状の底板部72と、
この底板部72の外周端部に固着した円筒状の溢流堰部
74と、この溢流堰部74の外周を囲繞して該溢流堰部
74との間に研磨液排出部76を形成する外殻部78と
を有しており、この研磨槽52の底板部72の上面に、
研磨液50中に浸漬されてカソードとなる平板状の板体
(陰極板)58が水平に配置されている。
【0064】研磨槽52の底板部72の下面中央には、
円筒状のボス部72aが一体に連接され、このボス部7
2aは、軸受80を介して回転軸82の上端のクランク
部82aに回転自在に連接されている。つまり、このク
ランク部82aの軸心Oは、回転軸82の軸心O
ら偏心量eだけ偏心した位置に位置し、このクランク部
82aの軸心Oとボス部72aの軸心が一致するよう
になっている。また、回転軸82は、軸受85a,85
bを介して外殻部78に回転自在に支承され、更に、図
示していないが、底板部72と外殻部78との間に、底
板部72の自転を防止する自転防止機構が備えられてい
る。
【0065】これによって、回転軸82の回転に伴っ
て、クランク部82aが偏心量eを半径とした公転運動
を行い、このクランク部82aの公転運動に伴って、底
板部72も板体58と一体に偏心量eを半径としたスク
ロール運動(並進回転運動)、即ち、自転運動を阻止さ
れた偏心量eを半径とした公転運動を行うようになって
いる。
【0066】ここで、図16に示すように、板体58の
直径dは、直径dの基板Wがスクロール運動を行っ
ても、この板体58の表面から基板Wが食み出すことが
ない大きさに設定され、また下記の研磨液供給孔58b
を内包する研磨液噴射領域の直径dは、直径dの基
板Wがスクロール運動を行っても、この基板Wから研磨
液噴射領域が食み出すことがない大きさにそれぞれ設定
されている。
【0067】底板部72の内部には、循環槽84から延
び、途中に圧送ポンプ86を有する研磨液供給配管88
に連通する研磨液室72bと、この研磨液室72bから
上方に貫通して延びる複数の研磨液吐出孔72cが設け
られている。循環槽84は、戻り配管90を介して研磨
槽52の研磨液排出部76に連通している。
【0068】一方、板体58は、例えば銅めっき膜を電
解研磨する時に使用する場合には、表面の酸化膜の影響
で銅との密着力が悪い材料、例えばチタンで構成されて
いる。これにより、例えば銅めっき膜に電解研磨を施す
と、溶解した銅イオンは板体(カソード)58側に析出
するが、板体58をチタンのような表面の酸化膜の影響
で銅との密着力が悪い材料で構成することで、銅イオン
を析出すると同時に銅粒子として研磨液中に浮遊させ、
しかも、水素ガスの発生を防止して、平坦度に優れた研
磨を行うことができる。
【0069】更に、板体58の表面には、面内を縦及び
横方向に全長に亘って直線状に延びる格子状に溝58a
が設けられ、内部の各研磨液吐出孔72cに対応する位
置には、この溝58aの内部に開口する複数の研磨液供
給孔58bが設けられている。
【0070】これによって、電解研磨の際に、研磨液を
板体58の表面に設けた溝58aから板体58と基板W
との間の極間に供給し、この研磨液中に浮遊する粒子を
遠心力の作用で溝58aの中を通過させて外方にスムー
ズに流出させることで、極間部には常に新たな研磨液が
存在するようにすることができる。しかも、銅めっき膜
を電解研磨する時に、板体58として、チタンのような
表面の酸化膜の影響で銅との密着力が悪い材料を選択す
ることで、溶解して板体側に析出する銅イオンを、析出
すると同時に銅粒子として研磨液中に浮遊させ、この研
磨液を溝58aを通過させてスムーズに外部に流出させ
ることで、板体58の表面の平坦度が経時的に劣化する
ことを防止して、板体58の平坦度を確保することがで
きる。
【0071】なお、この溝58aの形状は、板体58の
中央部と外周部とで電流密度に差が生じてしまうことを
防止するとともに、研磨液が溝58aに沿ってスムーズ
に流れるようにするため、基板Wがスクロール運動を行
う場合には、格子状であることが好ましく、また基板W
が往復動を行う場合には、この移動方向に沿った平行で
あることが好ましい。
【0072】基板保持部56は、下方に開口したハウジ
ング92の内部に、昇降ロッド94を介して昇降自在
で、かつモータ60を介してハウジング92と一体に回
転するように収容されており、この基板保持部56の内
部には、真空源に連通する真空室56aと、該真空室5
6aから下方に貫通する多数の真空吸着穴56bが設け
られている。これによって、基板保持部56は、真空吸
着方式で基板Wを保持するようになっている。
【0073】基板Wには、通常小さなうねりが有り、基
板の保持の仕方によっては更に変形し、この変形した状
態で電界研磨による平坦化処理をしても、0.1μm以
下の平坦化は不可能となるが、このように、真空吸着方
式を採用して、基板Wをその全面に亘って吸着保持する
ことで、基板に存在するうねりを吸収して、基板をより
平坦に保持し、これによって、電界研磨による平坦化処
理によって、0.1μm以下の平坦化が可能となる。な
お、この真空吸着方式の代わりに、静電チャック方式を
採用して基板を保持するようにしても良い。
【0074】ここで、基板Wを基板保持部56で吸着保
持して、基板Wを研磨処理を行う処理位置まで下降させ
た時、この基板Wの下面と板体58の上面との極間距離
Sが、機構的に可能な限り小さく、好ましくは、1.0
mm以下、更に好ましくは、0.5mm以下となるよう
になっている。このように、極間距離Sを、機構的に可
能な限り小さく、好ましくは、1.0mm以下、更に好
ましくは、0.5mm以下とすることで、基板Wの表面
の研磨されるべき凸部への電流の集中を促進し、しか
も、基板Wと板体58との間に面に垂直な電界を形成し
て、基板Wの表面(被めっき面)全面にわたって均一な
平坦性を得ることができる。
【0075】ハウジング92には、基板保持部56で基
板Wを吸着保持した時、この基板Wのベベル部または周
縁部と接触して、基板Wを陽極(アノード)にする電気
接点96が設けられ、更に基板保持部56の下面には、
基板Wを保持した時に該基板Wの上面と圧接してここを
シールするパッキン98が設けられている。
【0076】次に、電解または化学研磨処理部18,2
0で電解研磨処理を行う時の動作について説明する。先
ず、研磨槽52内に研磨液50を供給し、この研磨液5
0を溢流堰部74からオーバフローさせた状態で、底板
部72を板体58と共にスクロール運動させる。この状
態で、前述のようにして、銅めっき等のめっき処理を施
した基板Wを下向きで吸着保持した基板保持部56を基
板Wを回転させつつ、電解研磨処理を行う処理位置まで
下降させる。
【0077】これにより、基板W上の各ポイントにおけ
る板体58との相対速度をより均一にして、基板Wと板
体58との間の極間を流れる研磨液50の流れの状態を
より均一に、すなわち研磨液の流れに特異点が生じない
ようにする。
【0078】この状態で、例えば図17に示すように、
印加時間tが、1mSec〜20mSec、好ましく
は10mSecで、印加電流密度が2〜20A/dm
のパルス電流を、例えば印加時間と同じ停止時間t
おいて、複数回に亘って印加する。すると、研磨電源投
入時は、酸化溶出はまず基板上の凸部より起こり、平坦
部へ降りてくる。従って、投入後、瞬時に電源をOFF
にし、これを繰り返せば凸部のみの選択研磨が可能とな
る。
【0079】この時、板体58の表面に設けた溝58a
から板体58と基板Wとの間の極間に研磨液を供給し、
この研磨液中に浮遊する粒子を遠心力の作用で溝58a
の中を通過させて外方にスムーズに流出させることで、
極間部には常に新たな研磨液が存在するようにする。し
かも、銅めっきを電解研磨する時に、板体58として、
チタンのような表面の酸化膜の影響で銅との密着力が悪
い材料を選択することで、溶解して板体側に析出する銅
イオンを析出すると同時に銅粒子として研磨液中に浮遊
させ、この研磨液を溝58aを通過させてスムーズに外
部に流出させることで、板体58の表面の平坦度が経時
的に劣化することを防止して、板体58の平坦度を確保
することができる。これにより、極間距離Sが変化せ
ず、しかも水素ガスが発生することはないので、平坦性
に優れた研磨が可能となる。
【0080】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
銅めっき処理後の平坦化プロセスを主に電解または化学
研磨で行うことで、CMP処理自体を省略するか、また
はCMP処理の負荷を低減し、しかも、最後の仕上げの
みをCMP処理に依存する場合を除き、アニールを含め
た一連の平坦化プロセスを同一ハウジング内で連続的に
行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の配線形成装置の平面配置
図である。
【図2】図1に使用されている銅めっき処理部の概要図
である。
【図3】図1に使用されている電解または化学研磨処理
部の概要図である。
【図4】電解または化学研磨処理部の他の例を示す概要
図である。
【図5】図1に示す配線形成装置における処理工程の流
れを示す図である。
【図6】図5に示す処理工程によって銅配線を形成する
時の状態を工程順に示す断面図である。
【図7】研磨液を使用して電解または化学研磨を行った
時の研磨液の粘度及び導電率と研磨効果の関係を示すグ
ラフである。
【図8】同じく、液温と研磨効果の関係を示すグラフで
ある。
【図9】同じく、電流波形と研磨効果の関係を示すグラ
フである。
【図10】図2に示す処理工程に付加される処理工程の
流れを示す図である。
【図11】図10によって銅配線を形成する時の状態を
工程順に示す断面図である。
【図12】複合電解研磨処理の説明に付する図である。
【図13】本発明の他の実施の形態の配線形成装置の平
面配置図である。
【図14】図13に示す配線形成装置における処理工程
の流れを示す図である。
【図15】電解または化学研磨処理部の更に他の例を断
面図である。
【図16】図15の電解または化学研磨処理部に使用さ
れている板体の平面図である。
【図17】図15に示す電解または化学研磨処理部に印
加する電流パルスの例を示す図である。
【図18】銅めっき処理によって銅配線を形成する例を
工程順に示す断面図である。
【図19】従来の基板に銅めっき処理を施した時の問題
点の説明に付する断面図である。
【符号の説明】
2 酸化膜 3 コンタクトホール 4 溝 5 バリア膜 5a 導電性物質 6 銅膜 6a 銅 7 シード層 10 ハウジング 11 ロード・アンロード部 12 銅めっき処理部 14,22 洗浄・乾燥処理部 16 アニール処理部 18,20 電解または化学研磨処理部 24 蓋めっき処理部 25 搬送経路 26 搬送装置 30 めっき液 32 めっき槽 50 研磨液 52 研磨槽
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C25D 7/12 C25F 3/22 C25F 3/22 3/30 3/30 7/00 M 7/00 H01L 21/288 Z H01L 21/288 21/304 622N 21/304 622 622Q 21/88 M Fターム(参考) 4K024 AA09 AB01 AB15 BA11 BB12 BC10 CA01 DB01 DB10 GA02 GA16 4K057 WA04 WB04 WE04 WF04 WK01 WK06 WM11 WM13 WM18 WN01 4M104 BB04 BB17 BB30 BB32 BB33 DD52 DD53 DD64 DD75 DD78 FF22 HH12 5F033 HH07 HH11 HH15 HH19 HH21 HH32 HH33 HH34 JJ11 JJ21 JJ32 JJ33 JJ34 MM02 MM05 MM12 MM13 NN06 NN07 PP27 PP28 QQ46 QQ73 RR04

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板の表面に銅を成膜して該銅を微細窪
    み内に埋込んだ銅配線を形成する配線形成装置であっ
    て、 ハウジングの内部に、基板を搬送する搬送経路を設け、
    この搬送経路に沿って、銅めっき処理部、電解または化
    学研磨処理部及びアニール処理部を配置したことを特徴
    とする配線形成装置。
  2. 【請求項2】 基板の洗浄を行う洗浄処理部を配置した
    ことを特徴とする請求項1記載の配線形成装置。
  3. 【請求項3】 第1段の電解または化学研磨処理と、第
    2段の電解または化学研磨処理を行う少なくとも2つの
    研磨処理部を有することを特徴とする請求項1または2
    記載の配線形成装置。
  4. 【請求項4】 前記ハウジングの内部に、前記銅配線の
    露出表面を選択的に覆って保護する保護膜を形成する蓋
    めっき処理部を配置したことを特徴とする請求項1乃至
    3のいずれかに記載の配線形成装置。
  5. 【請求項5】 基板の表面に銅を成膜して該銅を微細窪
    み内に埋込んだ銅配線を形成するにあたり、 基板の表面に銅を成膜する工程と、 この銅を成膜した基板の表面を研磨液中で電解または化
    学研磨する研磨処理工程と、 研磨処理工程後に銅膜を基板全面に残した状態で基板に
    熱処理を施すアニール工程とを有することを特徴とする
    配線形成方法。
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