JP2005194585A - 基板の湿式処理方法及び基板処理装置 - Google Patents

基板の湿式処理方法及び基板処理装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2005194585A
JP2005194585A JP2004002862A JP2004002862A JP2005194585A JP 2005194585 A JP2005194585 A JP 2005194585A JP 2004002862 A JP2004002862 A JP 2004002862A JP 2004002862 A JP2004002862 A JP 2004002862A JP 2005194585 A JP2005194585 A JP 2005194585A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substrate
solution
catalyst
acidic solution
plating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004002862A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005194585A5 (ja
Inventor
Akira Fukunaga
明 福永
Akira Owatari
晃 尾渡
Masahiko Sekimoto
雅彦 関本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ebara Corp
Original Assignee
Ebara Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ebara Corp filed Critical Ebara Corp
Priority to JP2004002862A priority Critical patent/JP2005194585A/ja
Priority to US11/029,675 priority patent/US20050208774A1/en
Publication of JP2005194585A publication Critical patent/JP2005194585A/ja
Publication of JP2005194585A5 publication Critical patent/JP2005194585A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】 基板の表面に気体が残ったり、薬液濃度並びにその温度が基板の端部と中央部で異なったりすることを容易に回避しつつ、基板表面により均一に薬液処理を行うことができるようにする。
【解決手段】 基板表面に形成した金属の露出表面に、絶縁体被膜または金属乃至合金の被膜を形成するのに先だって、所定の濃度範囲に予め調製した酸性溶液を用意し、この所定の濃度に予め調整した酸性溶液を基板に向けて所定の圧力で連続的に噴霧して基板表面に接触させる。
【選択図】図10

Description

本発明は、表面に配線金属等の金属を形成した基板を薬液に接触させて基板表面の薬液処理を行うようにした基板の湿式処理方法及び基板処理装置に係り、特に基板上に形成した配線金属等の金属表面に、CVD法や塗布法などで絶縁体被膜を形成したり、めっき法などにより金属乃至合金被膜を形成したりするのに先だって、金属表面に形成された自然酸化膜や金属表面以外の絶縁膜等の表面に存在する不純物を事前に取り除いたり、必要な前処理を施したりするのに使用される基板の湿式処理方法及び基板処理装置に関する。
半導体装置の配線形成プロセスとして、配線溝及びコンタクトホールに金属(導電体)を埋込むようにした配線形成プロセス(いわゆる、ダマシンプロセス)が使用されつつある。これは、層間絶縁膜に予め形成した配線溝やコンタクトホールに、アルミニウム、近年では銅や銀等の金属を埋め込んだ後、余分な金属を化学機械的研磨(CMP)によって除去し平坦化するプロセス技術である。
この種の配線、例えば配線材料として銅を使用した銅配線にあっては、平坦化後、銅からなる配線の表面が外部に露出しており、配線(銅等)の熱拡散を防止したり、例えばその後酸化性雰囲気下で絶縁膜(酸化膜)を積層して多層配線構造の半導体装置を作る場合等に、配線(銅等)の酸化を防止したりするため、シリコン系の絶縁体薄膜やCo合金やNi合金等からなる配線保護膜(蓋材)で露出配線の表面を選択的に覆って、配線材料の熱拡散及び酸化等を防止することが検討されている。このCo合金やNi合金等からなる配線保護膜は、例えば無電解めっきによって得られる。
例えば、図1に示すように、半導体ウエハ等の基板Wの表面に堆積したSiO等からなる絶縁膜(層間絶縁膜)2の内部に配線用の微細な凹部4を形成し、表面にTaN等からなるバリア層6を形成した後、例えば、銅めっきを施し、基板Wの表面に銅膜を成膜して凹部4の内部に銅を埋め込む。しかる後、基板Wの表面にCMP(化学機械的研磨)を施して平坦化することで、絶縁膜2の内部に銅からなる配線8を形成し、この配線(銅膜)8の露出表面に、例えば無電解めっきによって得られる、Co−W−P合金膜からなる配線保護膜(蓋材)9を選択的に形成して配線8を保護する。
一般的な無電解めっきによって、このようなCo−W−P合金膜からなる配線保護膜(蓋材)9を配線8の表面に選択的に形成する工程を説明する。先ず、CMP処理を施した半導体ウエハ等の基板Wを、例えば液温が25℃で、0.5MのHSO等の酸性溶液中に、例えば1分程度浸漬させて、配線8の表面に形成された自然酸化膜や絶縁膜2の表面に残った銅等のCMP残渣等を除去する。そして、基板Wの表面を超純水等の洗浄液で洗浄した後、例えば、液温が25℃で、0.005g/LのPdClと0.2ml/LのHCl等の混合溶液中に基板Wを、例えば1分間浸漬させ、これにより、配線8の表面に触媒金属としてのPdを付着させて配線8の露出表面を活性化させる。そして、基板Wの表面を超純水で水洗いした後、例えば液温が80℃のCo−W−Pめっき液中に基板Wを、例えば120秒程度浸漬させて、活性化させた配線8の表面に選択的な無電解めっき(無電解Co−W−P蓋めっき)を施し、しかる後、基板Wの表面を超純水等の洗浄液で洗浄する。これによって、配線8の表面に、Co−W−P合金膜からなる配線保護膜9を選択的に形成して配線8を保護する。
前述の基板表面に形成された自然酸化膜等の除去や基板表面に触媒金属を付与する等の処理には、表面(被処理面)を下向きにして保持した基板を、処理槽内に貯留した酸性溶液や触媒溶液等の等の薬液に浸漬させる、いわゆるディップ方式が一般に採用されている。このディップ方式を採用した湿式処理にあっては、基板の裏面や端面が薬液によって汚染されるのを防止しつつ、基板表面の必要箇所のみを薬液で処理するため、基板表面の周縁部をシール材でシールして基板を保持し、基板表面のシール材で囲まれた領域のみに薬液を接触させることが広く行われている。
前述のディップ方式を採用した湿式処理においては、基板を薬液中に浸漬させる時に同伴する気体や反応に伴って発生する気体が基板表面へ付着したり、基板全表面での薬液の組成並びにその温度の不均一性が発生したりする等、湿式処理における基板の面内均一性を妨げる様々な要素がある。
つまり、基板表面の周縁部をシール材でシールして基板を下向きで保持し、この基板を薬液中に浸漬させ基板表面のシール材で囲まれた領域のみに薬液を接触させて薬液処理するようにした従来の湿式処理にあっては、シール材及び該シール材を保持する保持部材が、基板表面で形成される平坦面からリング状に下方に出っ張り、この出っ張りによって、気体や薬液の流れが堰き止められて滞留し、この結果、反応が起こらない部分が生じたり、基板処理の面内均一性が悪化したりすることがある。また、このように面内均一性に問題があると、薬液そのものの反応性が高く薬液処理を短時間に終えなければならない場合には、浸漬処理では安定した処理が殆ど不可能となる。さらには、近年層間絶縁膜として、いわゆるLow−k材の導入が行われつつあるが、Low−k材によっては水に対する濡れ性が極めて悪いものがあり、基板を浸漬させただけでは、全面を薬液に対して濡らすことが出来ず、面内均一性の確保が一層困難となる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、基板の表面に気体が残ったり、薬液濃度並びにその温度が基板の端部と中央部で異なったりすることを容易に回避しつつ、基板表面により均一に薬液処理を行うことができるようにした基板の湿式処理方法及び基板処理装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、基板表面に形成した金属の露出表面に、絶縁体被膜または金属乃至合金の被膜を形成するのに先だって、所定の濃度範囲に予め調製した酸性溶液を用意し、前記所定の濃度に予め調整した酸性溶液を基板に向けて所定の圧力で連続的に噴霧して基板表面に接触させることを特徴とする基板の湿式処理方法である。
このように、所定の濃度に予め調整した酸性溶液を基板に向けて所定の圧力で連続的に噴霧して基板表面に接触させることにより、酸性溶液の濃度並びに噴霧条件の再現性を確保して、酸性溶液による処理を再現性良く行うことができる。しかも、ディップ方式を採用することなく、噴霧方式を採用することで、処理中に基板の表面に気体が残ったり、酸性溶液の濃度並びにその温度が基板の端部と中央部で異なったりすることを容易に回避しつつ、基板表面により均一に酸性溶液による処理を行うことができる。
酸性溶液を所定の濃度範囲に調製する方法としては、酸性溶液の消費状況や濃度変化を基板の処理枚数や酸性溶液の温度条件並びに操作時間等を基に事前に計算・予測し、その結果を基に、必要に応じて酸性溶液を構成する成分を個別乃至混合状態で追加する、いわゆるフィードフォワード方式と、酸性溶液をサンプリングして、該酸性溶液を構成する成分の濃度の分析を行い、その結果を基に、必要に応じて酸性溶液を構成する成分を個別乃至混合状態で追加する、いわゆるフィードバック方式がある。また、両者を併用しても良い。
請求項2に記載の発明は、表面を下向きにして基板を保持し、前記酸性溶液を前記基板の下方から該基板表面に向けて上向きで噴霧することを特徴とする請求項1記載の基板の湿式処理方法である。
基板表面の濡れ性が全面に亘って均一な場合には、ディップ方式によっても酸性溶液による処理が可能であるが、基板表面に親水性の部分と疎水性の部分が共存する場合には、酸性溶液の界面活性を調整しても濡れにくい部分が生じることがある。このような場合であっても、噴霧方式により強制的に基板に酸性溶液を接触させることにより、濡れ性を改善して、基板に接液ムラが生じることを防止することができる。なお、再現性良く処理するためには、酸性溶液の基板表面に向けた噴霧を安定的に行う必要がある。このため、基板と噴霧部(噴霧ノズル)との間の距離を150mm以下、噴霧圧力を0.5kg/cm以上、酸性薬液の流量を基板1cm当たり5ml/min以上とすることが好ましい。
請求項3に記載の発明は、前記酸性溶液の液温を、5〜50℃の所定の温度範囲に保った状態で該酸性溶液を基板表面に接触させることを特徴とする請求項1または2記載の基板の湿式処理方法である。
このように、酸性溶液の液温を、5〜50℃とし、例えばある種の有機酸溶液のように、自然酸化膜やCMP残渣等の不純物の除去速度が比較的遅いものを酸性溶液として使用した場合には、常温乃至それ以上の温度で比較的長時間処理し、無機酸溶液のように、除去速度が比較的早いものを酸性溶液として使用した場合は、常温乃至それ以下の温度で比較的短時間処理することで、実用的な処理速度を確保しつつ、過剰な処理を最小限に抑えることができる。また、酸性溶液の液温を所定の温度範囲に保つことで、処理状況を基板の全面に亘ってより一定にすることができる。
請求項4に記載の発明は、前記酸性溶液のpHを4以下に設定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の基板の湿式処理方法である。
このように、酸性溶液のpHを4以下に設定することで、実用的な処理速度を得ることができる。この酸性溶液としては、自然酸化膜やCMP残渣等の不純物の除去速度が比較的遅い有機酸溶液や、除去速度が比較的早い無機酸溶液を使用することができる。両者の特性を活かすため、無機酸と有機酸の混合液を使っても良く、また無機酸による処理と有機酸による処理の何れかを先に行った後、もう一方を引き続き行う2ステップ処理を行っても良い。
酸性溶液には、無機酸、有機酸または無機酸と有機酸の混合物以外に、上記不純物を溶液内で安定化させる安定化剤などを添加させても良い。また、例えば基板表面に共存する絶縁膜が疎水性のものであって、酸性溶液の濡れ性が金属表面と大きく異なる場合には、基板全体に対して均一に溶液を付与しにくい可能性がある。このような場合には、酸性溶液に界面活性剤を添加して、酸性溶液の濡れ性を改善して処理することが望ましい。
請求項5に記載の発明は、前記酸性溶液として、少なくとも炭素数が10以下の有機酸を含む水溶液を使用することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の基板の湿式処理方法である。
酸性溶液として無機酸溶液を使用すると、速度が速いだけに止まらず、局所的に下地の金属等をエッチングしてダメージを与える可能性があるが、無機酸溶液に代えて有機酸溶液で処理を行うと、一般に金属に対する保護膜形成作用により局所的に反応が進むことをなくして基板全体に亘って均一に反応が進むため、実質的に酸化物のみを除去することができる。有機酸としては、炭素数が10以下の、ある程度解離性を有するものが好ましいが、その場合であっても、液温を50℃以下とすることで、過剰な処理を生じることを防止することができる。この有機酸としては、具体的には、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、蓚酸、マロン酸、コハク酸、クエン酸、リンゴ酸等が挙げられる。
請求項6に記載の発明は、前記酸性溶液による処理に引き続いて、液温が5〜50℃の触媒溶液に基板表面を接触させて、前記金属の表面に無電解めっきの反応を促進するための触媒金属を付与することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の基板の湿式処理方法である。
例えば、酸処理により酸化物被膜や不純物を除去した基板上の金属表面に、無電解めっきにより金属乃至合金被膜を選択性良く形成するには、基板表面に触媒金属を付与することが好ましい。その際、液温が5〜50℃の触媒溶液に基板表面を接触させて触媒付与処理を行うことで、触媒付与に伴って下地の金属表面等にピッティングが生じることを防止することができる。
請求項7に記載の発明は、前記触媒溶液を所定の濃度範囲に予め調製し、前記濃度範囲を予め調整した前記触媒溶液を前記基板に向けて所定の圧力で連続的に噴霧して基板表面に接触させることを特徴とする請求項6記載の基板の湿式処理方法である。
このように、濃度範囲を予め調整した触媒溶液を基板に向けて所定の圧力で連続的に噴霧して基板表面に接触させることで、触媒溶液の濃度並びに噴霧条件の再現性を確保して、触媒溶液による処理を再現性良く行うことができる。
触媒溶液を所定の濃度範囲に調製する方法としては、触媒溶液の消費状況や濃度変化を基板の処理枚数や触媒溶液の温度条件並びに操作時間を基に事前に計算・予測し、その結果を基に、必要に応じて触媒溶液を構成する成分を個別乃至混合状態で追加する、いわゆるフィードフォワード方式と、触媒溶液をサンプリングして、該触媒溶液を構成する成分の濃度の分析を行い、その結果を基に、必要に応じて該有触媒溶液を構成する成分を個別乃至混合状態で追加する、いわゆるフィードバック方式がある。また、両者を併用しても良い。
請求項8に記載の発明は、表面を下向きにして基板を保持し、前記触媒溶液を前記基板の下方から該基板表面に向けて上向きで噴霧することを特徴とする請求項6または7記載の基板の湿式処理方法である。
このように、噴霧方式により強制的に基板に触媒溶液を接触させることにより、前述の酸性溶液の場合と同様に、基板表面の濡れ性の違いによる接液ムラを改善することができる。なお、再現性良く処理するためには、触媒溶液の基板表面に向けた噴霧を安定的に行う必要がある。このため、基板と噴霧部(噴霧ノズル)との間の距離を150mm以下、噴霧圧力を0.5kg/cm以上、触媒溶液の流量を基板1cm当たり5ml/min以上とすることが好ましい。
請求項9に記載の発明は、前記触媒溶液の液温を、5〜50℃の所定の温度範囲に保った状態で該触媒溶液を基板表面に接触させることを特徴とする請求項6乃至8のいずれかに記載の基板の湿式処理方法である。
このように、触媒溶液の液温を、5〜50℃とし、例えば触媒付与の速度やそれに伴う下地金属のダメージの状況に応じて、触媒溶液の液温を常温以上に加熱したり、常温以下に冷却したりしてもよく、これにより、実用的な処理速度を確保しつつ、前述のように、過剰な処理を最小限に抑えることができる。また、触媒溶液の液温を所定の温度範囲に保つことで、処理状況を基板の全面に亘ってより一定にすることができる。
請求項10に記載の発明は、前記触媒溶液は、触媒金属の無機塩からなり、かつ無機酸でpHを4以下に調整したものであることを特徴とする請求項6乃至9のいずれかに記載の基板の湿式処理方法である。
触媒溶液としては、無機塩の溶液と有機酸塩の溶液が考えられる。無機酸でpHを4、好ましくは2以下に調整した触媒金属の無機塩の溶液は保存安定性があり、触媒の付与効率が高い。ただし無機酸の効果もあって、下地金属をエッチングする可能性がある。そこで、溶液中の触媒金属濃度を、1mM/L以下とし、かつ処理時間を1分以内とすることが好ましく、0.3mM/L以下、かつ30秒以内とすることが更に好ましい。また、下地金属表面に吸着しエッチングを抑制するようなキレート剤や界面活性剤などを共存させることにより、下地金属へのダメージを回避するようにしてもよい。
請求項11に記載の発明は、前記触媒溶液は、触媒金属の有機酸塩からなり、かつ有機酸でpHを4以下に調整したものであることを特徴とする請求項6乃至9のいずれかに記載の基板の湿式処理方法である。
有機酸塩の触媒溶液は、共存する有機酸自身が下地金属表面を保護する作用を有しており、これにより、エッチングによるダメージを生ずることなく金属表面に触媒を付与することができる。ここで使われる有機酸と触媒金属の有機酸塩は、必ずしも同一の有機酸で有る必要はない。また、前段の酸性溶液による処理に用いられる有機酸と同一であっても良いし、異なっていても良い。有機酸塩の場合は、下地金属との反応性が低いので、有機酸により溶液のpHを4、好ましくは2以下に調整し、かつ触媒金属の濃度を0.1〜10mM/L以下とし、処理時間を30秒以上とするのが好ましい。
有機酸塩は、保存安定性が乏しく、触媒金属塩の固体を析出することがある。このため、下地金属表面以外の絶縁膜等の上にも触媒が付与され、目的の下地金属表面のみに金属乃至合金被膜を無電解めっきで選択的に形成するという目的を実現できないことがある。ただし、下地金属表面以外に析出しためっき層は、下地と金属結合を形成していないので、例えばブラシ洗浄や薬液洗浄により容易に取り除くことができる。また、触媒金属塩を可溶化させる安定化剤などを添加して、触媒金属塩の固体の析出防止を図るようにしてもよい。
請求項12に記載の発明は、酸性溶液を基板表面に接触させて湿式処理を施す酸処理ユニットを備え、前記酸処理ユニットは、前記酸性溶液を所定の容量範囲及び濃度範囲に予め調製する酸性溶液貯槽と、前記酸性溶液貯槽内の前記酸性溶液を基板表面に向けて所定の圧力で連続的に噴霧する噴霧ノズルを有することを特徴とする基板処理装置である。
請求項13に記載の発明は、前記酸処理ユニットは、表面を下向きにして基板を保持する処理ヘッドを備え、前記噴霧ノズルは、前記処理ヘッドの下方に配置され該処理ヘッドで保持した基板表面に向けて前記酸性溶液を上向きで噴霧することを特徴とする請求項12記載の基板処理装置である。
請求項14に記載の発明は、前記酸性溶液貯槽内の前記酸性溶液の液温を、5〜50℃の所定の温度範囲に保つことを特徴とする請求項12または13記載の基板処理装置である。
請求項15に記載の発明は、前記酸性溶液のpHを4以下に設定することを特徴とする請求項12乃至14のいずれかに記載の基板処理装置である。
請求項16に記載の発明は、前記酸性溶液として、少なくとも炭素数が10以下の有機酸を含む水溶液を使用することを特徴とする請求項12乃至15のいずれかに記載の基板処理装置である。
請求項17に記載の発明は、前記酸性溶液による処理に引き続いて、液温が5〜50℃の触媒溶液に基板表面を接触させて、金属の表面に無電解めっきの反応を促進するための触媒金属を付与する触媒付与ユニットを有することを特徴とする請求項12乃至16のいずれかに記載の基板処理装置である。
請求項18に記載の発明は、前記触媒付与ユニットは、前記触媒溶液を所定の容量範囲及び濃度範囲に予め調製する触媒溶液貯槽と、前記触媒溶液貯槽内の前記触媒溶液を前記基板表面に向けて所定の圧力で連続的に噴霧する噴霧ノズルを有することを特徴とする請求項17記載の基板処理装置である。
請求項19に記載の発明は、前記触媒付与ユニットは、表面を下向きにして基板を保持する処理ヘッドを備え、前記噴霧ノズルは、前記処理ヘッドの下方に配置され該処理ヘッドで保持した基板表面に向けて前記触媒溶液を上向きで噴霧することを特徴とする請求項17記載の基板処理装置である。
請求項20に記載の発明は、前記触媒溶液貯槽内の前記触媒溶液の液温を、5〜50℃の所定の温度範囲に保つことを特徴とする請求項18または19記載の基板処理装置である。
請求項21に記載の発明は、前記触媒溶液は、触媒金属の無機塩からなり、かつ無機酸でpHを4以下に調整したものであることを特徴とする請求項12乃至20のいずれかに記載の基板処理装置である。
請求項22に記載の発明は、前記触媒溶液は、触媒金属の有機酸塩からなり、かつ有機酸でpHを4以下に調整したものであることを特徴とする請求項12乃至20のいずれかに記載の基板処理装置である。
本発明によれば、酸性溶液の濃度並びに噴霧条件の再現性を確保して、酸性溶液による処理を再現性良く行うことができる。しかも、ディップ方式を採用することなく、噴霧方式を採用することで、処理中に基板の表面に気体が残ったり、酸性溶液の濃度並びにその温度が基板の端部と中央部で異なったりすることを容易に回避しつつ、基板表面により均一に酸性溶液による処理を行うことができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、以下の例では、図1に示すように、基板Wの表面に無電解めっきを施して、配線8の露出表面を、無電解めっきによって得られるCo−W−P合金膜からなる保護膜(蓋材)9で選択的に覆って配線8を保護膜(合金膜)9で保護するようにした例を示す。
図2は、本発明の実施の形態における基板処理装置の平面配置図を示す。同図に示すように、この基板処理装置には、表面に形成した配線用の凹部4内に銅等からなる配線8を形成した基板W(図1参照、以下同じ)を収容した基板カセット10を載置収容するロード・アンロードユニット12が備えられている。そして、排気系統を備えた矩形状ハウジング16の一方の長辺側に沿った位置に、基板Wのめっき前処理、すなわち基板Wの表面を酸性溶液で清浄化する酸処理ユニット18、同じく清浄化後の配線8の露出表面に触媒を付与して活性化させる触媒付与ユニット20及び基板Wの表面(被処理面)に無電解めっき処理を行う無電解めっきユニット22が直列に配置されている。
また、ハウジング16の他方の長辺側に沿った位置に、無電解めっき処理によって配線8の表面に形成された保護膜(合金膜)9(図1参照、以下同じ)の選択性を向上させるための基板Wの後処理を行う後処理ユニット24、後処理後の基板Wを乾燥させる乾燥ユニット26、乾燥後の基板Wに熱処理(アニール)を施す熱処理ユニット28及び配線8の表面に形成された保護膜9の膜厚を測定する膜厚測定ユニット30が直列に配置されている。更に、ハウジング16の長辺と平行にレール32に沿って走行自在で、これらの各ユニット及びロード・アンロードユニット12に搭載された基板カセット10との間で基板の受渡しを行う搬送ロボット34が、直線状に配置された各ユニットに挟まれた位置に配置されている。
ここで、ハウジング16には遮光処理が施され、これによって、このハウジング16内での以下の各工程を遮光状態で、つまり、配線に照明光等の光が当たることなく行えるようになっている。このように、配線に光を当たることを防止することで、例えば銅からなる配線に光が当たって光電位差が生じ、この光電位差によって配線が腐食してしまうことを防止することができる。
次に、この基板処理装置による一連の無電解めっき処理について、図3を参照して説明する。
先ず、表面に配線8を形成し乾燥させた基板Wを該基板Wの表面を上向き(フェースアップ)で収納してロード・アンロードユニット12に搭載した基板カセット10から、1枚の基板Wを搬送ロボット34で取り出して酸処理ユニット18に搬送する。この酸処理ユニット18では、表面を下向き(フェースダウン)で基板Wを保持して、この表面に、めっき前処理としての酸性溶液による酸処理(清浄化処理)を行う。つまり、所定の濃度範囲に予め調製した酸性溶液を用意し、この所定の濃度に予め調整した酸性溶液を基板に向けて所定の位置から所定の圧力で連続的に噴霧して基板表面に接触させて、絶縁膜2(図1参照)の表面に残った銅等のCMP残渣や配線8(図1参照)上の酸化物等を除去する。しかる後、基板Wの表面に残った洗浄薬液を純水等のリンス液でリンス(洗浄)する。
このように、所定の濃度に予め調整した酸性溶液を基板に向けて所定の位置から所定の圧力で連続的に噴霧して基板表面に接触させることにより、酸性溶液の濃度並びに噴霧条件の再現性を確保して、酸性溶液による処理を再現性良く行うことができる。しかも、ディップ方式を採用することなく、噴霧方式を採用することで、処理中に基板の表面に気体が残ったり、酸性溶液の濃度並びにその温度が基板の端部と中央部で異なったりすることを容易に回避しつつ、基板表面により均一に酸性溶液による処理を行うことができる。
また、表面を下向きにして基板を保持し、酸性溶液を基板の下方から該基板表面に向けて上向きで噴霧して、強制的に基板に酸性溶液を接触させることにより、基板表面の濡れ性の良し悪し、あるいは不均一さにかかわらず、基板に接液ムラが生じることを防止することができる。つまり、基板表面の濡れ性が全面に亘って均一な場合には、ディップ方式によっても酸性溶液による処理が可能であるが、基板表面に親水性の部分と疎水性の部分が共存する場合には、酸性溶液の界面活性を調整しても濡れにくい部分が生じることがある。この例によれば、このような弊害を防止することができる。
酸性溶液は、その液温が5〜50℃の所定の温度範囲に設定されて維持されている。このように、酸性溶液の液温を、5〜50℃とし、例えば、ある種の有機酸溶液のように、自然酸化膜やCMP残渣等の不純物の除去速度が比較的遅いものを酸性溶液として使用した場合には、常温乃至それ以上の温度で比較的長時間処理し、無機酸溶液のように、除去速度が比較的早いものを酸性溶液として使用した場合は、常温乃至それ以下の温度で比較的短時間処理することで、実用的な処理速度を確保しつつ、過剰な処理を最小限に抑えることができる。また、酸性溶液の液温を所定の温度範囲に保つことで、処理状況を基板の全面に亘ってより一定にすることができる。
酸性溶液は、そのpHが4以下に設定されている。このように、酸性溶液のpHを4以下に設定することで、実用的な処理速度を得ることができる。この酸性溶液としては、自然酸化膜やCMP残渣等の不純物の除去速度が比較的遅い有機酸溶液や、除去速度が比較的早い無機酸溶液を使用することができる。両者の特性を活かすため、無機酸と有機酸の混合液を使っても良く、また無機酸による処理と有機酸による処理の何れかを先に行った後、もう一方を引き続き行う2ステップ処理を行っても良い。
酸性溶液には、無機酸、有機酸または無機酸と有機酸の混合物以外に、上記不純物を溶液内で安定化させる安定化剤などを添加させても良い。また、例えば基板表面に共存する絶縁膜2が疎水性のものであって、酸性溶液の濡れ性が配線8の表面と大きく異なる場合には、基板Wの全体に対して均一に溶液を付与しにくい可能性がある。このような場合には、酸性溶液に界面活性剤を添加して、酸性溶液の濡れ性を改善して処理することが望ましい。
酸溶液としては、例えば、少なくとも炭素数が10以下の有機酸を含む水溶液が使用される。酸性溶液として無機酸溶液を使用すると、速度が速いだけに止まらず、局所的に下地の金属等をエッチングしてダメージを与える可能性があるが、無機酸溶液に代えて有機酸溶液で処理を行うと、一般に金属に対する保護膜形成作用により局所的に反応が進むことをなくして基板全体に亘って均一に反応が進むため、実質的に酸化物のみを除去することができる。有機酸としては、炭素数が10以下の、ある程度解離性を有するものが好ましいが、その場合であっても、液温を50℃以下とすることで、過剰な処理を生じることを防止することができる。この有機酸としては、具体的には、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、蓚酸、マロン酸、コハク酸、クエン酸、リンゴ酸等が挙げられる。
このように、酸性溶液を使用した酸処理を施すことによって、絶縁膜2上に残った銅等からなるCMP残渣や配線表面の酸化物を除去し、めっきの選択性や下地との密着性を向上させることができる。また、CMP工程に一般に使用される防食剤は、通常めっき膜の析出の阻害因子となるが、配線に付着した防食剤を除去する能力を有するアルカリ薬液、例えば水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)を使用することで、このような防食剤を有効に除去することができる。なお、前記酸類と同一の効果を、グリシン、システイン、メチオニン等のアミノ酸のアルカリ溶液でも実現することが可能である。
また、酸処理後に基板Wの表面をリンス液でリンス処理(洗浄)することで、酸処理に使用した酸溶液が基板Wの表面に残留していて、次の活性化工程の障害となることを防止することができる。このリンス液としては、一般には超純水を用いるが、配線表面の材料構成によっては、超純水を使ったとしても、配線材料が局部電池作用などにより腐食することがある。そのような場合には、リンス液として、超純水に水素ガスを溶解した水素ガス溶解水、あるいは超純水を隔膜式電気分解して得られる電解カソード水のような、不純物を含まずしかも還元力の高い水を使うことが望ましい。また清浄化処理に用いる薬品が配線材料等に対して何がしかの腐食性を有することがあるので、清浄化処理とリンス処理の間の時間はなるべく短いことが好ましく、清浄化処理後例えば1分以内、さらに好ましくは30秒以内にリンス処理を行うのが良い。
次に、この酸処理及びリンス処理後の基板Wを搬送ロボット34で触媒付与ユニット20に搬送し、ここで表面を下向き(フェースダウン)にして基板Wを保持して、この表面に触媒付与処理を行う。つまり、例えば、液温が5〜50℃の触媒溶液に基板Wの表面を接触させて、配線8の表面に無電解めっきの反応を促進するための、例えばPdからなる触媒金属を付与する。つまり配線8の表面に触媒核(シード)としての、たとえばPd核を形成して、配線8の表面配線の露出表面を活性化させる。しかる後、基板Wの表面に残った触媒薬液を純水等のリンス液でリンス(洗浄)する。
例えば、酸処理により酸化物被膜や不純物を除去した基板上の金属表面に、無電解めっきにより金属乃至合金被膜を選択性良く形成するには、基板表面に触媒金属を付与することが好ましい。その際、液温が5〜50℃の触媒溶液に基板Wの表面を接触させて触媒付与処理を行うことで、触媒付与に伴って配線8の表面にピッティングが生じることを防止することができる。
触媒溶液は、所定の濃度範囲に予め調製されており、この濃度範囲を予め調整した触媒溶液を基板Wに向けて所定の圧力で連続的に噴霧して基板Wの表面に接触させる。このように、濃度範囲を予め調整した触媒溶液を基板に向けて所定の圧力で連続的に噴霧して基板表面に接触させることで、触媒溶液の濃度並びに噴霧条件の再現性を確保して、触媒溶液による処理を再現性良く行うことができる。
表面を下向きにして基板Wを保持し、触媒溶液を基板Wの下方から該基板Wの表面に向けて上向きで噴霧することが好ましく、このように、噴霧方式により強制的に基板に触媒溶液を接触させることにより、前述の酸性溶液の場合と同様に、基板表面の濡れ性の違いによる接液ムラを改善することができる。
前記触媒溶液は、その液温が5〜50℃の所定の温度範囲に設定されて維持されている。このように、触媒溶液の液温を、5〜50℃とし、例えば触媒付与の速度やそれに伴う下地金属のダメージの状況に応じて、触媒溶液の液温を常温以上に加熱したり、常温以下に冷却したりしてもよく、これにより、実用的な処理速度を確保しつつ、前述のように、過剰な処理を最小限に抑えることができる。また、触媒溶液の液温を所定の温度範囲に保つことで、処理状況を基板の全面に亘ってより一定にすることができる。
前記触媒溶液は、触媒金属の無機塩からなり、かつ無機酸でpHを4以下に調整されている。触媒溶液としては、無機塩の溶液と有機酸塩の溶液が考えられる。無機酸でpHを4、好ましくは2以下に調整した触媒金属の無機塩の溶液は保存安定性があり、触媒の付与効率が高い。ただし無機酸の効果もあって、下地金属をエッチングする可能性がある。そこで、溶液中の触媒金属濃度を、1mM/L以下、かつ処理時間を1分以内、好ましくは0.3mM/L以下、かつ30秒以内とする。また、下地金属表面に吸着しエッチングを抑制するようなキレート剤や界面活性剤などを共存させことにより、下地金属へのダメージを回避するようにしてもよい。
触媒溶液として、触媒金属の有機酸塩からなり、かつ有機酸でpHを4以下に調整したものを使用してもよい。有機酸塩の触媒溶液は、共存する有機酸自身が下地金属表面を保護する作用を有しており、これにより、エッチングによるダメージを生ずることなく金属表面に触媒を付与することができる。ここで使われる触媒金属の有機酸塩は、共存する有機酸と必ずしも同一の有機酸の金属塩で有る必要はない。また、ここで使われる有機酸は前段の有機酸による処理に用いられる有機酸と同一であっても良いし、異なっていても良い。有機酸塩の場合は、下地金属との反応性が低いので、有機酸により溶液のpHを4、好ましくは2以下に調整し、かつ触媒金属の濃度を0.1〜10mM/L以下とし、処理時間を30秒以上とするのが好ましい。
有機酸塩は、保存安定性が乏しく、触媒金属塩の固体を析出することがある。このため、配線8の表面以外の絶縁膜2等の上にも触媒が付与され、目的の配線8の表面のみに金属乃至合金被膜を無電解めっきで選択的に形成するという目的を実現できないことがある。ただし、絶縁膜2上に析出しためっき層は、絶縁膜2と金属結合を形成していないので、例えばブラシ洗浄や薬液洗浄により容易に取り除くことができる。また、触媒金属塩を可溶化させる安定化剤などを添加して、触媒金属塩の固体の析出防止を図るようにしてもよい。
基板全体に均一かつ連続な無電解めっき膜を形成するためには、配線表面への触媒付与量がある程度以上なければならないが、触媒としてPdを使う場合には、少なくとも配線表面1cmあたり0.4μg以上Pdが付与されていれば、この要求に応えられることが実験的に確認されている。また、Pdを一定以上付与していくと、配線の浸食が進み、配線を合わせた抵抗値が上昇することが知られている。配線表面1cmあたり8μg以上Pdを付与するとこういった傾向が顕著になることも、実験的に確認されている。
このように、基板Wの表面に触媒を付与することによって、無電解めっきの選択性を高めることができる。ここで、触媒金属としては、様々な物質があるが、反応速度、その他制御のし易さなどの点からPdを使うことが好ましい。
選択性を向上させるために、絶縁膜2および配線8上の残留Pdを除去する必要があり、一般的には、超純水リンスが使用される。なお、酸処理の場合と同様に、触媒溶液が基板表面に残留していると、配線材料等の腐食やめっき工程へ悪影響の可能性があるので、触媒付与処理とリンス処理の間の時間はなるべく短くすることが望ましく、触媒付与処理後例えば1分以内、さらに好ましくは30秒以内にリンス処理を行うのが良い。リンス液としては、酸処理の場合と同様に、超純水、水素ガス溶解水、電解カソード水のいずれかを用いることも可能であるが、次のめっき工程に先だって基板を馴染ませておくため、無電解めっき液を構成する成分を含む水溶液を用いることも可能である。
そして、この触媒を付与しリンス処理した基板Wを搬送ロボット34で無電解めっきユニット22に搬送し、ここで表面を下向き(フェースダウン)にして基板Wを保持して、この表面に無電解めっき処理を施す。つまり、例えば、液温が80℃のCo−W−Pめっき液中に基板Wを、例えば120秒程度浸漬させて、活性化させた配線8の表面に選択的な無電解めっき(無電解Co−W−P蓋めっき)を施して、配線保護膜(蓋材)9を選択的に形成する。
そして、めっき終了後、基板Wをめっき液から引き上げた後、pHが6〜7.5の中性液からなる停止液を基板Wの表面に接触させて、無電解めっき処理を中止させる。これにより、基板Wをめっき液から引き上げた直後にめっき反応を迅速に停止させて、めっき膜にめっきむらが発生することを防止することができる。この処理時間は、例えば1〜5秒であることが好ましい。この停止液としては、純水、水素ガス溶解水、または電解カソード水が挙げられる。前述と同様に、表面の材料構成によっては配線材料が局部電池作用などにより腐食することがあり、このような場合に、還元性を持たせた超純水でめっきを停止させることで、このような弊害を回避することができる。
これによって、配線8の表面に、Co−W−P合金膜からなる配線保護膜9を選択的に形成して配線8を保護する。
次に、この無電解めっき処理後の基板Wを搬送ロボット34で後処理ユニット24に搬送し、ここで、基板Wの表面に形成された保護膜(めっき膜)9の選択性を向上させて歩留りを高めるための基板後処理を施す。つまり、基板Wの表面に、例えばロールスクラブ洗浄やペンシルスクラブ洗浄による物理的な力を加えつつ、超純水あるいは界面活性剤、有機アルカリあるいはキレート剤のいずれか一種または二種以上を含む薬液を基板Wの表面に供給し、これにより、層間絶縁膜2上の金属微粒子等のめっき残留物を完全に除去して、めっきの選択性を向上させる。これらの薬液を用いることで、無電解めっきの選択性を一層効率良く向上させることができる。なお、界面活性剤としては非イオン性のものが、有機アルカリとしては第4級アンモニウムないしアミン類が、またキレート剤としてはエチレンジアミン類が好ましい。
そして、このように薬液を使用した場合には、基板Wの表面に残った薬液を超純水等のリンス液でリンス(洗浄)する。このリンス液としては、超純水、水素ガス溶解水、または電解カソード水が挙げられる。前述と同様に、表面の材料構成によっては配線材料が局部電池作用などにより腐食することがあるが、このような場合に、還元性を持たせた超純水でリンスすることで、このような弊害を回避することができる。
なお、前述の、例えばロールスクラブ洗浄やペンシル洗浄による物理的な力による洗浄の他に、錯化剤による洗浄、更にはエッチング液による均一エッチングバック等により、更にはこれらを任意に組み合わせて絶縁膜上の残留物を完全に取り除くようにしてもよい。
そして、この後処理後の基板Wを搬送ロボット34で乾燥ユニット26に搬送し、ここで必要に応じてリンス処理を行う、しかる後、基板Wを高速で回転させてスピン乾燥させる。
これにより、基板Wの表面に形成した埋込み配線8の露出表面に、無電解めっきによって保護膜9を形成する一連の処理を連続して行うことができ、しかも乾燥状態まで基板を仕上げるので、そのまま次工程に搬送することが可能となるばかりでなく、次工程にかかるまでの間での保護膜(めっき膜)9の劣化を抑えることができる。
この基板Wを乾燥状態にする乾燥処理(スピン乾燥)を行う際に、乾燥空気または乾燥不活性ガスを用いて基板の周囲における雰囲気の湿度を制御することが好ましい。通常の雰囲気下で乾燥を行うと、基板上の水分が雰囲気中に飛散して湿度が高まり、乾燥処理をしたとはいえ基板表面には多量の水分が吸着ししており、このままでは、吸着水分によって配線部分が酸化されるなど新たな問題を引き起こす可能性がある。またスピンドライヤでのミストバックによる、ウォータ・マーク発生などの問題も想定される。このため、乾燥時の雰囲気湿度を乾燥空気または乾燥窒素を用いて制御することで、このような弊害を回避することができる。
このスピン乾燥後の基板Wを搬送ロボット34で熱処理ユニット28に搬送し、ここで、後処理後の基板Wに保護膜9を改質する熱処理(アニール)を施す。保護膜9の改質に必要な温度としては、処理時間の現実性も含めて考えると、少なくとも120℃以上であり、かつデバイスを構成する材料の耐熱性を考慮すると450℃を超えないことが望ましい。このため、この熱処理(アニール)の温度は、例えば120〜450℃である。このように基板Wに熱処理を施すことで、配線の露出表面に形成した保護膜(めっき膜)のバリア性及び配線との密着性を向上させることができる。
次に、熱処理後の基板Wを搬送ロボット34で、例えば光学式、AFM、EDX等の膜厚測定ユニット30に搬送し、この膜厚測定ユニット30で配線8の表面に形成された配線保護膜9の膜厚を測定し、この膜厚測定後の基板Wを搬送ロボット34でロード・アンロードユニット12に搭載された基板カセット10に戻す。
そして、この配線8の露出表面に形成した保護膜9の膜厚をオンライン又はオフラインで測定した測定結果を無電解めっき処理の前にフィードバックし、これにより、この膜厚の変動に応じて、例えば次の基板に対するめっき処理の処理時間を調整する。このように、配線8の露出表面に形成した保護膜9の膜厚を測定し、この膜厚の変動に応じて、例えば次の基板に対するめっき処理の処理時間を調整することで、配線8の露出表面に形成される保護膜9の膜厚を一定に制御することができる。
なお、配線8の露出表面に保護膜9を選択的に形成するに際して、配線8の露出表面を清浄化する工程に先だって、化学機械的研磨、電気化学的研磨または複合電気化学的研磨のいずれかにより配線8の露出表面の平坦化を行うことが好ましく、これによって、保護膜9のより平坦化を図ることができる。
次に、図2に示す基板処理装置に備えられている各種ユニット等の詳細を以下に説明する。
酸処理ユニット18及び触媒付与ユニット20は、使用される処理液(薬液)が異なるのみで、同じ構成の、異なる液体の混合を防ぐ2液分離方式を採用したもので、フェースダウンで搬送された基板Wの処理面(表面)である下面の周縁部をシールし、裏面側を押圧して基板Wを固定するようにしている。つまり、酸処理ユニット18にあっては、処理液(薬液)として前述の酸性溶液が、触媒付与ユニット20にあっては、処理液(薬液)として前述の触媒溶液がそれぞれ使用される。
酸処理ユニット18及び触媒付与ユニット20は、図4乃至図7に示すように、フレーム50の上部に取付けた固定枠52と、この固定枠52に対して相対的に上下動する移動枠54を備えており、この移動枠54に、下方に開口した有底円筒状のハウジング部56と基板ホルダ58とを有する処理ヘッド60が懸架支持されている。つまり、移動枠54には、ヘッド回転用サーボモータ62が取付けられ、このサーボモータ62の下方に延びる出力軸(中空軸)64の下端に処理ヘッド60のハウジング部56が連結されている。
この出力軸64の内部には、図7に示すように、スプライン66を介して該出力軸64と一体に回転する鉛直軸68が挿着され、この鉛直軸68の下端に、ボールジョイント70を介して処理ヘッド60の基板ホルダ58が連結されている。この基板ホルダ58は、ハウジング部56の内部に位置している。また鉛直軸68の上端は、軸受72及びブラケットを介して、移動枠54に固定した固定リング昇降用シリンダ74に連結されている。これにより、この昇降用シリンダ74の作動に伴って、鉛直軸68が出力軸64とは独立に上下動するようになっている。
また、固定枠52には、上下方向に延びて移動枠54の昇降の案内となるリニアガイド76が取付けられ、ヘッド昇降用シリンダ(図示せず)の作動に伴って、移動枠54がリニアガイド76を案内として昇降するようになっている。
処理ヘッド60のハウジング部56の周壁には、この内部に基板Wを挿入する基板挿入窓56aが設けられている。また、処理ヘッド60のハウジング部56の下部には、図8及び図9に示すように、例えばPEEK製のメインフレーム80と、ガイドフレーム82との間に周縁部を挟持されてシールリング84aが配置されている。このシールリング84aは、基板Wの下面の周縁部に当接し、ここをシールするためのものである。
一方、基板ホルダ58の下面周縁部には、基板固定リング86が固着され、この基板ホルダ58の基板固定リング86の内部に配置したスプリング88の弾性力を介して、円柱状のプッシャ90が基板固定リング86の下面から下方に突出するようになっている。更に、基板ホルダ58の上面とハウジング部56の上壁部との間には、内部を気密的にシールする、例えばテフロン(登録商標)製で屈曲自在な円筒状の蛇腹板92が配置されている。
これにより、基板ホルダ58を上昇させた状態で、基板Wを基板挿入窓56aからハウジング部56の内部に挿入する。すると、この基板Wは、ガイドフレーム82の内周面に設けたテーパ面82aに案内され、位置決めされてシールリング84aの上面の所定位置に載置される。この状態で、基板ホルダ58を下降させ、この基板固定リング86のプッシャ90を基板Wの上面に接触させる。そして、基板ホルダ58を更に下降させることで、基板Wをスプリング88の弾性力で下方に押圧し、これによって基板Wの表面(下面)の周縁部にシールリング84aで圧接させて、ここをシールしつつ、基板Wをハウジング部56と基板ホルダ58との間で挟持して保持するようになっている。
なお、このように、基板Wを処理ヘッド60で保持した状態で、ヘッド回転用サーボモータ62を駆動すると、この出力軸64と該出力軸64の内部に挿着した鉛直軸68がスプライン66を介して一体に回転し、これによって、ハウジング部56と基板ホルダ58も一体に回転する。
処理ヘッド60の下方に位置して、該処理ヘッド60の外径よりもやや大きい内径を有する上方に開口した、外槽100aと内槽100bを有する処理槽100が備えられている。この処理槽100の外周部には、蓋体102に取付けた一対の脚部104が回転自在に支承されている。更に、脚部104には、クランク106が一体に連結され、このクランク106の自由端は、蓋体移動用シリンダ108のロッド110に回転自在に連結されている。これにより、蓋体移動用シリンダ108の作動に伴って、蓋体102は、処理槽100の上端開口部を覆う処理位置と、側方の待避位置との間を移動するように構成されている。この蓋体102の表面(上面)には、下記のように、例えば還元力を有する電解イオン水を外方(上方)に向けて噴霧する多数の噴霧ノズル112aを有するノズル板112が備えられている。
更に、図10に示すように、処理槽100の内槽100bの内部には、薬液貯槽120から薬液ポンプ122の駆動に伴って供給された薬液を上方に向けて噴霧する複数の噴霧ノズル124aを有するノズル板124が、該噴霧ノズル124aが内槽100bの横断面の全面に亘ってより均等に分布した状態で配置されている。この薬液貯槽120は、酸処理ユニット18にあっては、前述の酸性溶液を溜める酸性溶液貯槽として使用され、この薬液貯槽(酸性溶液貯槽)120内に溜めた酸性溶液を噴霧ノズル124aから処理ヘッド60で保持した基板の表面(下面)に噴霧し、触媒付与ユニット20にあっては、前述の触媒溶液を溜める触媒溶液貯槽として使用され、この薬液貯槽(触媒溶液貯槽)120内に溜めた触媒溶液を噴霧ノズル124aから処理ヘッド60で保持した基板の表面(下面)に向けて噴霧するようになっている。
処理槽100の内槽100bの底面には、薬液(排液)を外部に排出する排水管126が接続されている。この排水管126の途中には、三方弁128が介装され、この三方弁128の一つの出口ポートに接続された戻り管130を介して、必要に応じて、この薬液(排液)を薬液貯槽120に戻して再利用できるようになっている。更に、この例では、蓋体102の表面(上面)に設けられたノズル板112は、例えば超純水等のリンス液を供給するリンス液供給源132に接続されている。また、外槽100aの底面にも、排水管127が接続されている。
これにより、基板を保持した処理ヘッド60を下降させて、処理槽100の上端開口部を処理ヘッド60で塞ぐように覆い、この状態で、処理槽100の内槽100bの内部に配置したノズル板124の噴霧ノズル124aから薬液(酸処理ユニット18にあっては酸性溶液、触媒付与ユニット20にあっては触媒溶液)を基板Wに向けて噴霧することで、基板Wの下面(表面)の全面に亘って薬液を均一に噴霧し、しかも薬液の外部への飛散を防止しつつ薬液を排水管126から外部に排出できる。更に、処理ヘッド60を上昇させ、処理槽100の上端開口部を蓋体102で閉塞した状態で、処理ヘッド60で保持した基板Wに向けて、蓋体102の上面に配置したノズル板112の噴霧ノズル112aからリンス液を噴霧することで、基板表面に残った薬液のリンス処理(洗浄処理)を行い、しかもこのリンス液は外槽100aと内槽100bの間を通って、排水管127を介して排出されるので、内槽100bの内部に流入することが防止され、リンス液が薬液に混ざらないようになっている。
この酸処理ユニット18及び触媒付与ユニット20によれば、図4に示すように、処理ヘッド60を上昇させた状態で、この内部に基板Wを挿入して保持し、しかる後、図5に示すように、処理ヘッド60を下降させて処理槽100の上端開口部を覆う位置に位置させる。そして、処理ヘッド60を回転させて、処理ヘッド60で保持した基板Wを回転させながら、処理槽100の内部に配置したノズル板124の噴霧ノズル124aから薬液(酸性溶液または触媒溶液)を基板Wに向けて噴霧することで、基板Wの全面に亘って薬液を均一に噴霧する。また、処理ヘッド60を上昇させて所定位置で停止させ、図6に示すように、待避位置にあった蓋体102を処理槽100の上端開口部を覆う位置まで移動させる。そして、この状態で、処理ヘッド60で保持して回転させた基板Wに向けて、蓋体102の上面に配置したノズル板112の噴霧ノズル112aからリンス液を噴霧する。これにより、基板Wの薬液による処理と、リンス液によるリンス処理とを、2つの液体が混ざらないようにしながら行うことができる。
なお、処理ヘッド60の下降位置を調整して、この処理ヘッド60で保持した基板Wとノズル板124との距離を調整することで、ノズル板124の噴霧ノズル124aから噴霧された薬液が基板Wに当たる領域や噴霧圧を任意に調整することができる。ここで、再現性良く処理するためには、薬液(酸性溶液または触媒溶液)の噴霧を安定的に行う必要がある。このため、処理ヘッド60で保持して所定の位置まで下降させた基板と噴霧ノズル124a先端との間の距離を150mm以下、噴霧圧力を0.5kg/cm以上、薬液(酸性溶液または触媒溶液)の流量を基板1cm当たり5ml/min以上とすることが好ましい。
ここで、薬液(酸性溶液または触媒溶液)を循環させて使用すると、処理に伴って有効成分が減少するとともに、基板に付着することによる薬液の持出しがある。このため、この例では、図10に示すように、薬液貯槽120内の薬液をサンプリングして薬液の成分の濃度を分析する濃度分析計500と、薬液貯槽120内の薬液の液面を計測する液面計502が備えられ、更に、薬液貯槽120には、例えば純水供給源から延びる純水供給ライン504と、薬液に含まれる成分を所定の濃度で含む補給液供給ライン506が接続されている。そして、この濃度分析計500及び液面計502からの信号に基づいて、純水供給ライン504から供給される純水の量と、補給液供給ライン506から補給される補給液の量を制御し、これによって、薬液貯槽120内の薬液(酸性溶液または触媒溶液)を所定の濃度範囲及び容量範囲に予め調製し、この所定の濃度に予め調整した薬液を、薬液ポンプ122の駆動に伴って、基板Wに向けて所定の圧力で連続的に噴霧ノズル124aから噴霧して基板Wの表面に接触させるようにしている。
具体的には、酸処理ユニット18で酸処理に使われる酸性溶液は、酸が主体であるので、例えば酸性溶液のpHを測定し、所定の値との差から減少分を補給するとともに、薬液貯槽120に設けた液面計502の信号により、酸性溶液の減少量を補給する。また、触媒付与ユニット20で触媒付与処理に使われる触媒溶液については、例えば酸性のパラジウム溶液の場合には、pHにより酸の量を、また滴定法ないし比濁法によりパラジウムの量をそれぞれ測定し、前述と同様にして減少分や減少量を補給する。
このように、所定の濃度に予め調整した酸性溶液を基板に向けて所定の圧力で連続的に噴霧して基板表面に接触させることにより、酸性溶液の濃度並びに噴霧条件の再現性を確保して、酸性溶液による処理を再現性良く行うことができる。しかも、ディップ方式を採用することなく、噴霧方式を採用することで、処理中に基板の表面に気体が残ったり、酸性溶液の濃度並びにその温度が基板の端部と中央部で異なったりすることを容易に回避しつつ、基板表面により均一に酸性溶液による処理を行うことができる。
なお、この例では、薬液をサンプリングして、該薬液を構成する成分の濃度の分析を行い、その結果を基に、必要に応じて薬液を構成する成分を個別乃至混合状態で追加する、いわゆるフィードバック方式を採用した例を示している。薬液貯槽120内の薬液の消費状況や濃度変化を基板の処理枚数や薬液の温度条件並びに操作時間等を基に事前に予測し、その結果を基に、必要に応じて薬液を構成する成分を個別乃至混合状態で追加する、いわゆるフィードフォワード方式を採用してもよく、また、両者を併用しても良い。
更に、この例では、薬液貯槽120内の薬液の温度を、例えば、5〜50℃の所定の温度範囲に保った状態で該酸性溶液を基板表面に接触させるため、以下の構成が備えられている。すなわち、薬液貯槽120には、この内部の薬液の温度を測定する温度測定器510が配置され、更に、別置きのヒータまたはクーラ512を使用して昇温または降温させ流量計514を通過させた水を熱媒体に使用し、熱交換器516を薬液貯槽120内の薬液中に設置して該薬液を間接的に加熱または冷却する液温調整装置518が備えられている。この方法によれば、インライン・ヒーティング方式等に比べ、非常にデリケートな薬液に不要物等が混入するのを防止しつつ、薬液貯槽120内の薬液を一定の温度に維持することができる。
これにより、酸性溶液にあっては、この液温を5〜50℃とし、例えばある種の有機酸溶液のように、自然酸化膜やCMP残渣等の不純物の除去速度が比較的遅いものを酸性溶液として使用した場合には、常温乃至それ以上の温度で比較的長時間処理し、無機酸溶液のように、除去速度が比較的早いものを酸性溶液として使用した場合は、常温乃至それ以下の温度で比較的短時間処理することで、実用的な処理速度を確保しつつ、過剰な処理を最小限に抑えることができる。
また、触媒溶液にあっては、この液温を5〜50℃とし、例えば触媒付与の速度やそれに伴う下地金属のダメージの状況に応じて、触媒溶液の液温を常温以上に加熱したり、常温以下に冷却したりしてもよく、これにより、実用的な処理速度を確保しつつ、過剰な処理を最小限に抑えることができる。
無電解めっきユニット22を図11乃至図16に示す。この無電解めっきユニット22は、めっき槽200と、このめっき槽200の上方に配置されて基板Wを着脱自在に保持する基板ヘッド204を有している。
基板ヘッド204は、図11に詳細に示すように、ハウジング部230とヘッド部232とを有し、このヘッド部232は、吸着ヘッド234と該吸着ヘッド234の周囲を囲繞する基板受け236から主に構成されている。そして、ハウジング部230の内部には、基板回転用モータ238と基板受け駆動用シリンダ240が収納され、この基板回転用モータ238の出力軸(中空軸)242の上端はロータリジョイント244に、下端はヘッド部232の吸着ヘッド234にそれぞれ連結され、基板受け駆動用シリンダ240のロッドは、ヘッド部232の基板受け236に連結されている。更に、ハウジング部230の内部には、基板受け236の上昇を機械的に規制するストッパ246が設けられている。
ここで、吸着ヘッド234と基板受け236との間には、同様なスプライン構造が採用され、基板受け駆動用シリンダ240の作動に伴って基板受け236は吸着ヘッド234と相対的に上下動するが、基板回転用モータ238の駆動によって出力軸242が回転すると、この出力軸242の回転に伴って、吸着ヘッド234と基板受け236が一体に回転するように構成されている。
吸着ヘッド234の下面周縁部には、図12乃至図14に詳細に示すように、下面をシール面として基板Wを吸着保持する吸着リング250が押えリング251を介して取付けられ、この吸着リング250の下面に円周方向に連続させて設けた凹状部250aと吸着ヘッド234内を延びる真空ライン252とが吸着リング250に設けた連通孔250bを介して互いに連通するようになっている。これにより、凹状部250a内を真空引きすることで、基板Wを吸着保持するのであり、このように、小さな幅(径方向)で円周状に真空引きして基板Wを保持することで、真空による基板Wへの影響(たわみ等)を最小限に抑え、しかも吸着リング250をめっき液(処理液)中に浸すことで、基板Wの表面(下面)のみならず、エッジについても、全てめっき液に浸すことが可能となる。基板Wのリリースは、真空ライン252にNを供給して行う。
一方、基板受け236は、下方に開口した有底円筒状に形成され、その周壁には、基板Wを内部に挿入する基板挿入窓236aが設けられ、下端には、内方に突出する円板状の爪部254が設けられている。更に、この爪部254の上部には、基板Wの案内となるテーパ面256aを内周面に有する突起片256が備えられている。
これにより、図12に示すように、基板受け236を下降させた状態で、基板Wを基板挿入窓236aから基板受け236の内部に挿入する。すると、この基板Wは、突起片256のテーパ面256aに案内され、位置決めされて爪部254の上面の所定位置に載置保持される。この状態で、基板受け236を上昇させ、図13に示すように、この基板受け236の爪部254上に載置保持した基板Wの上面を吸着ヘッド234の吸着リング250に当接させる。次に、真空ライン252を通して吸着リング250の凹状部250aを真空引きすることで、基板Wの上面の周縁部を該吸着リング250の下面にシールしながら基板Wを吸着保持する。そして、めっき処理を行う際には、図14に示すように、基板受け236を数mm下降させ、基板Wを爪部254から離して、吸着リング250のみで吸着保持した状態となす。これにより、基板Wの表面(下面)の周縁部が、爪部254の存在によってめっきされなくなることを防止することができる。
図15及び図16は、めっき槽200の詳細を示す。このめっき槽200は、底部において、めっき液供給管308(図17参照)に接続され、周壁部にめっき液回収溝260が設けられている。めっき槽200の内部には、ここを上方に向かって流れるめっき液の流れを安定させる2枚の整流板262,264が配置され、更に底部には、めっき槽200の内部に導入されるめっき液の液温を測定する温度測定器266が設置されている。また、めっき槽200の周壁外周面のめっき槽200で保持しためっき液の液面よりやや上方に位置して、直径方向のやや斜め上方に向けてめっき槽200の内部に、pHが6〜7.5の中性液からなる停止液、例えば純水を噴霧する噴霧ノズル268が設置されている。これにより、めっき終了後、ヘッド部232で保持した基板Wをめっき液の液面よりやや上方まで引き上げて一旦停止させ、この状態で、基板Wに向けて噴霧ノズル268から超純水(停止液)を噴霧して基板Wを直ちに冷却し、これによって、基板Wに残っためっき液によってめっきが進行してしまうことを防止することができる。
更に、めっき槽200の上端開口部には、アイドリング時等のめっき処理の行われていない時に、めっき槽200の上端開口部を閉じて該めっき槽200からのめっき液の無駄な蒸発を防止するとともに、超純水等のリンス液を基板に向けて噴霧する噴霧ノズル280を設けたノズル板282を上面に取付けためっき槽カバー270が開閉自在に設置されている。
このめっき槽200は、図17及び図18に示すように、底部において、めっき液貯槽302から延び、途中にめっき液供給ポンプ304と三方弁306とを介装しためっき液供給管308に接続されている。これにより、めっき処理中にあっては、めっき槽200の内部に、この底部からめっき液を供給し、溢れるめっき液をめっき液回収溝260からめっき液貯槽302へ回収することで、めっき液が循環できるようになっている。また、三方弁306の一つの出口ポートには、めっき液貯槽302に戻るめっき液戻り管312が接続されている。これにより、めっき待機時にあっても、めっき液を循環させることができるようになっており、これによって、めっき液循環系が構成されている。このように、めっき液循環系を介して、めっき液貯槽302内のめっき液を常時循環させることにより、フィルタリングを実施してパーティクルをコントロールすることができる。
特に、この例では、めっき液供給ポンプ304を制御することで、めっき待機時及びめっき処理時に循環するめっき液の流量を個別に設定できるようになっている。すなわち、めっき待機時のめっき液の循環流量は、例えば2〜20L/minで、めっき処理時のめっき液の循環流量は、例えば0〜10L/minに設定される。これにより、めっき待機時にめっき液の大きな循環流量を確保して、セル内のめっき浴の液温を一定に維持し、めっき処理時には、めっき液の循環流量を小さくして、より均一な膜厚の保護膜(めっき膜)を成膜することができる。
めっき槽200の底部付近に設けられた温度測定器266は、めっき槽200の内部に導入されるめっき液の液温を測定して、この測定結果を元に、下記のヒータ316及び流量計318を制御する。
つまり、この例では、別置きのヒータ316を使用して昇温させ流量計318を通過させた水を熱媒体に使用し、熱交換器320をめっき液貯槽302内のめっき液中に設置して該めっき液を間接的に加熱する加熱装置322と、めっき液貯槽302内のめっき液を循環させて攪拌する攪拌ポンプ324が備えられている。これは、めっきにあっては、めっき液を高温(約80℃程度)にして使用することがあり、これと対応するためであり、この方法によれば、インライン・ヒーティング方式に比べ、非常にデリケートなめっき液に不要物等が混入するのを防止することができる。
この例によれば、めっき液は、基板Wと接触してめっきを行うときに、基板Wの温度が70〜90℃となるように設定され、液温のばらつき範囲が±2℃以内となるように制御される。
この無電解めっきユニット22にあっては、基板ヘッド204を上昇させた位置で、前述のようにして、基板ヘッド204のヘッド部232で基板Wを吸着保持し、めっき槽200のめっき液を循環させておく。
そして、めっき処理を行うときには、めっき槽200のめっき槽カバー270を開き、基板ヘッド204を回転させながら下降させ、ヘッド部232で保持した基板Wをめっき槽200内のめっき液に浸漬させる。
そして、基板Wを所定時間めっき液中に浸漬させた後、基板ヘッド204を上昇させて、基板Wをめっき槽200内のめっき液から引き上げ、必要に応じて、前述のように、基板Wに向けて噴霧ノズル268から超純水(停止液)を噴霧して基板Wを直ちに冷却し、更に基板ヘッド204を上昇させて基板Wをめっき槽200の上方位置まで引き上げて、基板ヘッド204の回転を停止させる。
次に、めっき槽200の上端開口部をめっき槽カバー270で覆い、基板ヘッド204を回転させながら噴霧ノズル280から純水等の洗浄液(リンス液)を噴霧して基板Wを洗浄(リンス)する。
この基板Wの洗浄が終了した後、基板ヘッド204の回転を停止させ、基板ヘッド204を上昇させて基板Wを洗浄槽202の上方位置まで引き上げ、更に基板ヘッド204を搬送ロボット34との受渡し位置まで移動させ、この搬送ロボット34に基板Wを受渡して次工程に搬送する。
めっき液を貯め、めっき液を無電解めっきユニット22のめっき槽200に供給し循環させるめっき液貯槽302には、めっき液貯槽302内のめっき液の液面を計測してめっき液の液位減少量を測定する液面センサ342が備えられ、更に、めっき液貯槽302内のめっき液をサンプリングして、めっき液の組成を、例えば吸光光度法、滴定法、電気化学的測定などで分析するめっき液組成分析部520が付設されている。
このめっき液組成分析部520は、例えばCoイオンまたはNiイオン濃度にあっては、めっき液の吸光度分析、イオンクロマトグラフ分析、キャピラリー電気泳動分析またはキレート滴定分析により、タングステン酸イオン及び/またはタングステンリン酸イオンのタングステン換算濃度にあっては、キャピラリー電気泳動分析により、次亜リン酸イオン及び/またはジメチルアミンボラン濃度にあっては、酸化還元滴定分析またはキャピラリー電気泳動分析により、キレート剤濃度にあっては、キレート滴定分析またはキャピラリー電気泳動分析により、まためっき液のpHにあっては、電極法によりそれぞれ計測するようになっている。なお、前記タングステン換算濃度にあっては、CoイオンまたはNiイオンの消費量から算出して求めるようにしてもよい。
更に、めっき液貯槽302内のめっき液に、超純水、めっきに必要な全ての有効成分を所定の濃度で含む建浴液、及びめっきに必要な個別または複数の有効成分を所定以上の濃度で含む補給液を任意に補給する成分補給系522が備えられている。
これにより、前述の薬液貯槽120の場合とほぼ同様に、めっき液貯槽302内のめっき液の各成分及び容量を予め調製し、成分が一定のめっき液をめっき槽200に供給してめっきを行うようになっている。
図18は、図2における後処理ユニット24と乾燥ユニット26を示す。この後処理ユニット24は、内部にロール・ブラシが、乾燥ユニット26は、内部にスピンドライがそれぞれ装備されている。
図19は、後処理ユニット24を示す。後処理ユニット24は、基板W上のパーティクルや不要物をロール状ブラシで強制的に取り除くようにしたユニットで、基板Wの外周部を挟み込んで基板Wを保持する複数のローラ410と、ローラ410で保持した基板Wの表面に処理液(2系統)を供給する薬液用ノズル412と、基板Wの裏面に純水(1系統)を供給する純水用ノズル(図示せず)がそれぞれ備えられている。
これにより、基板Wをローラ410で保持し、ローラ駆動モータを駆動してローラ410を回転させて基板Wを回転させ、同時に薬液用ノズル412及び純水ノズルから基板Wの表裏面に所定の処理液を供給し、図示しない上下ロールスポンジ(ロール状ブラシ)で基板Wを上下から適度な圧力で挟み込んで洗浄するようになっている。なお、ロールスポンジを単独にて回転させることにより、洗浄効果を増大させることもできる。
更に、後処理ユニット24は、基板Wのエッジ(外周部)に当接しながら回転するスポンジ(PFR)419が備えられ、このスポンジ419を基板Wのエッジに当てて、ここをスクラブ洗浄するようになっている。
図20は、乾燥ユニット26を示す。この乾燥ユニット26は、先ず化学洗浄及び純水洗浄を行い、しかる後、スピンドル回転により洗浄後の基板Wを完全乾燥させるようにしたユニットで、基板Wのエッジ部を把持するクランプ機構420を備えた基板ステージ422と、このクランプ機構420の開閉を行う基板着脱用昇降プレート424を有している。この基板ステージ422は、スピンドル回転用モータ426の駆動に伴って高速回転するスピンドル428の上端に連結されている。
更に、クランプ機構420で把持した基板Wの上面側に位置して、超音波発振器により特殊ノズルを通過する際に超音波を伝達して洗浄効果を高めた純水を供給するメガジェットノズル430と、回転可能なペンシル型洗浄スポンジ432が、旋回アーム434の自由端側に取付けられて配置されている。これにより、基板Wをクランプ機構420で把持して回転させ、旋回アーム434を旋回させながら、メガジェットノズル430から純水を洗浄スポンジ432に向けて供給しつつ、基板Wの表面に洗浄スポンジ432を擦り付けることで、基板Wの表面を洗浄するようになっている。なお、基板Wの裏面側にも、純水を供給する洗浄ノズル(図示せず)が備えられ、この洗浄ノズルから噴霧される純水で基板Wの裏面も同時に洗浄される。
そして、このようにして洗浄した基板Wは、スピンドル428を高速回転させることでスピン乾燥させられる。
また、クランプ機構420で把持した基板Wの周囲を囲繞して処理液の飛散を防止する洗浄カップ436が備えられ、この洗浄カップ436は、洗浄カップ昇降用シリンダ438の作動に伴って昇降するようになっている。
なお、この乾燥ユニット26にキャビテーションを利用したキャビジェット機能も搭載するようにしてもよい。
また、リンス液として、水素ガス溶解水や電解カソード水を使用する場合には、前記各ユニットに、超純水に水素ガスを溶解する装置または超純水を電解する装置を付設し、これらの装置から水素ガス溶解水または電解カソード水を基板に供給するようにすることができる。
ここで、この例では、配線保護膜9として、Co−W−P合金膜を使用した例を示しているが、Co−P、Ni−PまたはNi−W−Pからなる配線保護膜を使用するようにしてもよい。また、配線材料として、銅を使用した例を示しているが、銅の他に、銅合金、銀、銀合金、金及び金合金等を使用しても良い。
また、この例では、基板に形成した埋込み配線8の表面に保護膜9を形成するようにした例を示しているが、この埋込み配線8の底面及び側部に、配線材料の層間絶縁膜中への拡散を防止する機能を有する導電膜(保護膜)を前述と同様にして形成するようにしてもよい。
なお、前述の保護膜(めっき膜)9の形成にあたっては、膜厚、膜質、選択性に対する高い精度が要求されるので、各プロセスステップ間の時間を制御することが必要であり、それを実現するために、全てのプロセスステップを同一装置内で行うことが有効であるが、この基板処理装置によれば、この要請に応えることができる。
また、薬液処理やめっき処理後に基板の表面に薬液やめっき液が残ると、保護膜(めっき膜)の面内均一性や配線の電気特性等の成膜状態に悪影響を及ぼす。そのために、薬液処理と純水リンス処理を同じユニット内で行って、基板の表面に残った薬液やめっき液を素早く除去することで、装置のフットプリントを低減させるとともに、高い歩留りで半導体装置等を製造することができる。
ここで、噴霧方式の薬液処理またはリンス処理を採用することにより、基板表面へ常にフレッシュな液体をより均一に分散させて供給して、処理時間が短縮できる。また、噴霧点の位置を調整することで、保護膜の面内処理の均一性を容易に改善することができる。
噴霧ノズルからの液体の噴霧角には制限があるので、一つの噴霧ノズルからの噴霧では、限られる範囲にしかカバーできない。噴霧距離が短すぎると、基板全面に向けて薬液等を噴霧するために、噴霧ノズルの数が多く要求される。一方、噴霧距離が長すぎると、過大な加圧装置が要るし、めっき装置全体の高さが増える。このため、一つの工程に使用する噴霧ノズルの数は、例えば1〜25個で、噴霧ノズルから基板までの距離は、例えば10〜150mm程度が好ましい。また、一つの噴霧ノズルから噴霧される薬液等の流量は、0.2〜1.2L/minで、噴霧圧力は10〜100kPa程度が好ましい。
無電解めっきによって配線保護膜を形成した状態を示す断面図である。 本発明の実施の形態における基板処理装置の平面配置図である。 図2に示す基板処理装置におけるプロセスフロー図である。 酸処理ユニット及び触媒付与ユニットの基板受渡し時における正面図である。 酸処理ユニット及び触媒付与ユニットの薬液処理時における正面図である。 酸処理ユニット及び触媒付与ユニットのリンス時における正面図である。 酸処理ユニット及び触媒付与ユニットの基板受渡し時における処理ヘッドを示す断面図である。 図7のA部拡大図である。 酸処理ユニット及び触媒付与ユニットの基板固定時における図8相当図である。 酸処理ユニット及び触媒付与ユニットの系統図である。 無電解めっきユニットの基板受渡し時における基板ヘッドを示す断面図である。 図11のB部拡大図である。 無電解めっきユニットの基板固定時における基板ヘッドを示す図12相当図である。 無電解めっきユニットのめっき処理時における基板ヘッドを示す図12相当図である。 無電解めっきユニットのめっき槽カバーを閉じた時のめっき槽を示す一部切断の正面図である。 無電解めっきユニットの基板ヘッドのヘッド部を上方に位置させた時のめっき槽を示す断面図である。 無電解めっきユニットの系統図である。 後処理ユニットと乾燥ユニットを示す斜視図である。 後処理ユニットを示す平面図である。 乾燥ユニットを示す縦断正面図である。
符号の説明
8 配線
9 保護膜
12 ロード・アンロードユニット
18 酸処理ユニット
20 触媒付与ユニット
22 無電解めっきユニット
24 後処理ユニット
26 乾燥ユニット
28 熱処理ユニット
30 膜厚測定ユニット
34 搬送ロボット
56 ハウジング部
58 基板ホルダ
60 処理ヘッド
74 昇降用シリンダ
80 メインフレーム
84a シールリング
86 基板固定リング
100 処理槽
102 蓋体
112 ノズル板
112a 噴霧ノズル
120 薬液貯槽(酸性溶液貯槽,触媒溶液貯槽)
122 薬液ポンプ
124 ノズル板
124a 噴霧ノズル
126 排水管
128 三方弁
132 リンス液供給源
200 めっき槽
202 洗浄槽
204 基板ヘッド
230 ハウジング部
232 ヘッド部
234 吸着ヘッド
250 吸着リング
254 爪部
260 めっき液回収溝
268 噴霧ノズル
280 噴霧ノズル
282 ノズル板
302 めっき液貯槽
304 めっき液供給ポンプ
306 三方弁
308 めっき液供給管
316 ヒータ
318 流量計
320 熱交換器
322 加熱装置
324 攪拌ポンプ
342 液面センサ
410 ローラ
412 薬液用ノズル
419 スポンジ
420 クランプ機構
422 基板ステージ
424 基板着脱用昇降プレート
426 スピンドル回転用モータ
428 スピンドル
430 メガジェットノズル
432 ペンシル型洗浄スポンジ
434 旋回アーム
436 洗浄カップ
438 洗浄カップ昇降用シリンダ
500 濃度分析計
502 液面計
504 純水供給ライン
506 補給液供給ライン
510 温度測定器
512 ヒータ又はクーラ
514 流量計
516 熱交換器
518 液温調整装置
520 めっき液組成分析部
522 めっき成分補給系

Claims (22)

  1. 基板表面に形成した金属の露出表面に、絶縁体被膜または金属乃至合金の被膜を形成するのに先だって、
    所定の濃度範囲に予め調製した酸性溶液を用意し、
    前記所定の濃度に予め調整した酸性溶液を基板に向けて所定の圧力で連続的に噴霧して基板表面に接触させることを特徴とする基板の湿式処理方法。
  2. 表面を下向きにして基板を保持し、
    前記酸性溶液を前記基板の下方から該基板表面に向けて上向きで噴霧することを特徴とする請求項1記載の基板の湿式処理方法。
  3. 前記酸性溶液の液温を、5〜50℃の所定の温度範囲に保った状態で該酸性溶液を基板表面に接触させることを特徴とする請求項1または2記載の基板の湿式処理方法。
  4. 前記酸性溶液のpHを4以下に設定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の基板の湿式処理方法。
  5. 前記酸性溶液として、少なくとも炭素数が10以下の有機酸を含む水溶液を使用することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の基板の湿式処理方法。
  6. 前記酸性溶液による処理に引き続いて、液温が5〜50℃の触媒溶液に基板表面を接触させて、前記金属の表面に無電解めっきの反応を促進するための触媒金属を付与することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の基板の湿式処理方法。
  7. 前記触媒溶液を所定の濃度範囲に予め調製し、
    前記濃度範囲を予め調整した前記触媒溶液を前記基板に向けて所定の圧力で連続的に噴霧して基板表面に接触させることを特徴とする請求項6記載の基板の湿式処理方法。
  8. 表面を下向きにして基板を保持し、
    前記触媒溶液を前記基板の下方から該基板表面に向けて上向きで噴霧することを特徴とする請求項6または7記載の基板の湿式処理方法。
  9. 前記触媒溶液の液温を、5〜50℃の所定の温度範囲に保った状態で該触媒溶液を基板表面に接触させることを特徴とする請求項6乃至8のいずれかに記載の基板の湿式処理方法。
  10. 前記触媒溶液は、触媒金属の無機塩からなり、かつ無機酸でpHを4以下に調整したものであることを特徴とする請求項6乃至9のいずれかに記載の基板の湿式処理方法。
  11. 前記触媒溶液は、触媒金属の有機酸塩からなり、かつ有機酸でpHを4以下に調整したものであることを特徴とする請求項6乃至9のいずれかに記載の基板の湿式処理方法。
  12. 酸性溶液を基板表面に接触させて湿式処理を施す酸処理ユニットを備え、
    前記酸処理ユニットは、
    前記酸性溶液を所定の容量範囲及び濃度範囲に予め調製する酸性溶液貯槽と、
    前記酸性溶液貯槽内の前記酸性溶液を基板表面に向けて所定の圧力で連続的に噴霧する噴霧ノズルを有することを特徴とする基板処理装置。
  13. 前記酸処理ユニットは、表面を下向きにして基板を保持する処理ヘッドを備え、前記噴霧ノズルは、前記処理ヘッドの下方に配置され該処理ヘッドで保持した基板表面に向けて前記酸性溶液を上向きで噴霧することを特徴とする請求項12記載の基板処理装置。
  14. 前記酸性溶液貯槽内の前記酸性溶液の液温を、5〜50℃の所定の温度範囲に保つことを特徴とする請求項12または13記載の基板処理装置。
  15. 前記酸性溶液のpHを4以下に設定することを特徴とする請求項12乃至14のいずれかに記載の基板処理装置。
  16. 前記酸性溶液として、少なくとも炭素数が10以下の有機酸を含む水溶液を使用することを特徴とする請求項12乃至15のいずれかに記載の基板処理装置。
  17. 前記酸性溶液による処理に引き続いて、液温が5〜50℃の触媒溶液に基板表面を接触させて、金属の表面に無電解めっきの反応を促進するための触媒金属を付与する触媒付与ユニットを有することを特徴とする請求項12乃至16のいずれかに記載の基板処理装置。
  18. 前記触媒付与ユニットは、
    前記触媒溶液を所定の容量範囲及び濃度範囲に予め調製する触媒溶液貯槽と、
    前記触媒溶液貯槽内の前記触媒溶液を前記基板表面に向けて所定の圧力で連続的に噴霧する噴霧ノズルを有することを特徴とする請求項17記載の基板処理装置。
  19. 前記触媒付与ユニットは、表面を下向きにして基板を保持する処理ヘッドを備え、前記噴霧ノズルは、前記処理ヘッドの下方に配置され該処理ヘッドで保持した基板表面に向けて前記触媒溶液を上向きで噴霧することを特徴とする請求項17記載の基板処理装置。
  20. 前記触媒溶液貯槽内の前記触媒溶液の液温を、5〜50℃の所定の温度範囲に保つことを特徴とする請求項18または19記載の基板処理装置。
  21. 前記触媒溶液は、触媒金属の無機塩からなり、かつ無機酸でpHを4以下に調整したものであることを特徴とする請求項12乃至20のいずれかに記載の基板処理装置。
  22. 前記触媒溶液は、触媒金属の有機酸塩からなり、かつ有機酸でpHを4以下に調整したものであることを特徴とする請求項12乃至20のいずれかに記載の基板処理装置。
JP2004002862A 2004-01-08 2004-01-08 基板の湿式処理方法及び基板処理装置 Pending JP2005194585A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004002862A JP2005194585A (ja) 2004-01-08 2004-01-08 基板の湿式処理方法及び基板処理装置
US11/029,675 US20050208774A1 (en) 2004-01-08 2005-01-06 Wet processing method and processing apparatus of substrate

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004002862A JP2005194585A (ja) 2004-01-08 2004-01-08 基板の湿式処理方法及び基板処理装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005194585A true JP2005194585A (ja) 2005-07-21
JP2005194585A5 JP2005194585A5 (ja) 2007-02-15

Family

ID=34817929

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004002862A Pending JP2005194585A (ja) 2004-01-08 2004-01-08 基板の湿式処理方法及び基板処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005194585A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007250915A (ja) * 2006-03-16 2007-09-27 Ebara Corp 基板処理方法および基板処理装置
JP2010232520A (ja) * 2009-03-27 2010-10-14 Dainippon Screen Mfg Co Ltd 処理液供給装置および処理液供給方法
JP2012129525A (ja) * 2010-12-15 2012-07-05 Siltronic Ag シリコンからなる半導体ウェハを半導体ウェハの研磨のプロセス直後に洗浄するための方法
JP2018011087A (ja) * 2017-10-20 2018-01-18 株式会社荏原製作所 基板洗浄装置
US10192757B2 (en) 2013-07-03 2019-01-29 Ebara Corporation Substrate cleaning apparatus and substrate cleaning method
CN111441040A (zh) * 2018-12-26 2020-07-24 株式会社杰希优 树脂膜的湿式处理装置

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05148658A (ja) * 1991-11-22 1993-06-15 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 無電解錫めつき方法
JPH0770767A (ja) * 1993-09-01 1995-03-14 Mitsubishi Gas Chem Co Inc 銅張積層板用表面処理液および表面処理法
JPH11335858A (ja) * 1998-05-27 1999-12-07 Yuji Shikamata 銀鏡面の形成方法及びその溶液
JP2000104182A (ja) * 1998-09-30 2000-04-11 Seiko Epson Corp ウェットエッチング方法および装置、インクジェットヘッドの振動板の製造方法、インクジェットヘッド、並びにインクジェット記録装置
JP2003303804A (ja) * 2002-04-10 2003-10-24 Dainippon Screen Mfg Co Ltd 基板処理装置

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05148658A (ja) * 1991-11-22 1993-06-15 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 無電解錫めつき方法
JPH0770767A (ja) * 1993-09-01 1995-03-14 Mitsubishi Gas Chem Co Inc 銅張積層板用表面処理液および表面処理法
JPH11335858A (ja) * 1998-05-27 1999-12-07 Yuji Shikamata 銀鏡面の形成方法及びその溶液
JP2000104182A (ja) * 1998-09-30 2000-04-11 Seiko Epson Corp ウェットエッチング方法および装置、インクジェットヘッドの振動板の製造方法、インクジェットヘッド、並びにインクジェット記録装置
JP2003303804A (ja) * 2002-04-10 2003-10-24 Dainippon Screen Mfg Co Ltd 基板処理装置

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007250915A (ja) * 2006-03-16 2007-09-27 Ebara Corp 基板処理方法および基板処理装置
JP2010232520A (ja) * 2009-03-27 2010-10-14 Dainippon Screen Mfg Co Ltd 処理液供給装置および処理液供給方法
JP2012129525A (ja) * 2010-12-15 2012-07-05 Siltronic Ag シリコンからなる半導体ウェハを半導体ウェハの研磨のプロセス直後に洗浄するための方法
US10192757B2 (en) 2013-07-03 2019-01-29 Ebara Corporation Substrate cleaning apparatus and substrate cleaning method
JP2018011087A (ja) * 2017-10-20 2018-01-18 株式会社荏原製作所 基板洗浄装置
CN111441040A (zh) * 2018-12-26 2020-07-24 株式会社杰希优 树脂膜的湿式处理装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20050208774A1 (en) Wet processing method and processing apparatus of substrate
JP4425801B2 (ja) 基板処理装置
WO2005071138A1 (ja) 基板処理方法及び触媒処理液及び基板処理装置
EP1496542A2 (en) Method and apparatus for forming capping film
US20090000549A1 (en) Substrate processing method and apparatus
JP2007051346A (ja) 無電解めっき装置及びめっき液
JP2005264245A (ja) 基板の湿式処理方法及び処理装置
US20040219298A1 (en) Substrate processing method and substrate processing apparatus
JP2005133187A (ja) めっき装置及びめっき方法
US7878144B2 (en) Electroless plating apparatus and electroless plating method
JP2005194585A (ja) 基板の湿式処理方法及び基板処理装置
US20040258848A1 (en) Method and apparatus for processing a substrate
WO2006028260A1 (ja) 金属膜の成膜方法及び装置
JP2007270224A (ja) 無電解めっき方法及び装置
JP2005194613A (ja) 基板の湿式処理方法及び処理装置
JP2005060722A (ja) 基板処理方法及び基板処理装置
JP4663965B2 (ja) 基板処理方法及び基板処理装置
US20050022909A1 (en) Substrate processing method and substrate processing apparatus
JP2004304021A (ja) 半導体装置の製造方法及び製造装置
JP2004300576A (ja) 基板処理方法及び基板処理装置
JP2005206905A (ja) 基板処理方法及び装置、並びに処理液
JP2004346399A (ja) 基板処理方法及び基板処理装置
JP2006241580A (ja) 基板処理方法及び基板処理装置
JP2005243845A (ja) 基板処理方法及び基板処理装置
JP2005002443A (ja) めっき方法及びめっき装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061226

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061226

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070531

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090915

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100126