JP2000104182A - ウェットエッチング方法および装置、インクジェットヘッドの振動板の製造方法、インクジェットヘッド、並びにインクジェット記録装置 - Google Patents

ウェットエッチング方法および装置、インクジェットヘッドの振動板の製造方法、インクジェットヘッド、並びにインクジェット記録装置

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JP2000104182A
JP2000104182A JP10278496A JP27849698A JP2000104182A JP 2000104182 A JP2000104182 A JP 2000104182A JP 10278496 A JP10278496 A JP 10278496A JP 27849698 A JP27849698 A JP 27849698A JP 2000104182 A JP2000104182 A JP 2000104182A
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Japan
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etching
etched
ink jet
etching solution
spraying
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JP10278496A
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Yuji Kayano
祐治 茅野
Yasushi Karasawa
康史 柄沢
Mitsuaki Atobe
光朗 跡部
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属箔又は金属板を低コストで寸法精度良く
形成可能なウェットエッチング方法及び装置を提供する 【解決手段】 被エッチング面が下方に向くように配置
された被加工物の被エッチング面に、スプレーによって
下方からエッチング液を噴霧してウェットエッチングす
るようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ウェットエッチン
グ方法及び装置、インクジェットヘッドの振動板の製造
方法、インクジェットヘッド、並びにインクジェット記
録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体製造やマイクロマシニング技術を
応用した製造の分野では、薄膜エッチング時に高い寸法
精度が要求されるため、ドライエッチングが多く用いら
れている。しかし、ドライエッチングは、装置コストや
装置の運転・維持コストが高く、製品のスループットが
低いため、量産性で有利なウェットエッチングが注目さ
れている。
【0003】ウェットエッチングは、エッチング液を満
たしたエッチング槽に、加工物を浸漬して行われる。し
かし、このようなウェットエッチングによれば通常等方
性エッチングが進行するため、高い寸法精度が要求され
る場合などでは、エッチングマスクが形成された被加工
物に対してエッチング液をスプレーによって噴霧する方
法が行われる。このウェットエッチングによれば、エッ
チング液の液滴あるいはミストが、被エッチング面に対
して垂直方向に大ききな物理エネルギーを持って衝突す
るため、被エッチング面に対する垂直方向のエッチング
速度が、水平方向のエッチング速度に比べ速くなる。そ
の結果、エッチングマスクの下がエッチングされるアン
ダーカットが小さくなり、高い寸法精度を得られてい
る。
【0004】さらに、寸法精度を向上させる技術とし
て、エッチング工程を2段階又は3段階に分割する方法
が、特開平7−22383号公報に開示されている。こ
の方法によれば、まず第一段階ではエッチングレートが
早いエッチング液によりエッチングを行ない、第二段階
ではエッチングレートが遅いエッチング液によりエッチ
ングを行っている。
【0005】また、第一段エッチング液としてエッチン
グ速度の比較的大きなエッチング液を用い、かつ、スプ
レー圧がない状態又は比較的小さい状態で途中までエッ
チングを行った後に、第二段エッチング液としてエッチ
ング速度の比較的小さなエッチング液を用い、かつ、ス
プレー圧が比較的大きな状態でエッチングを行う技術
が、特開平9−143760号公報に開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来技術に
は、以下に述べるような課題があった。
【0007】被加工物の被エッチング面に対して、単純
にスプレーによってエッチング液を噴霧するエッチング
技術では、被エッチング面に対して垂直方向のエッチン
グは速く進行するが、水平方向のエッチングを十分に防
止できないという課題があった。
【0008】また、特開平7−22383号公報の技術
は、スプレーによって基板面と垂直な方向のエッチング
を促進する方法に比べてサイドエッチの防止、品質の維
持という点で優れているものの、エッチングレートが遅
いエッチング液でエッチングするためスループットが悪
いという課題があった。
【0009】また、特開平9−143760号公報の技
術も、特開平7−22383号公報の場合と同じくエッ
チングレートが遅いエッチング液を使用する必要がある
ためスループットが悪いという課題があった。
【0010】また、上記の全ての技術に共通して、エッ
チング量が大きい場合、寸法精度が悪化するという課題
があった。例えば厚さ25ミクロンのステンレス箔を塩
化第二鉄水溶液でエッチングした場合、寸法ばらつきは
プラスマイナス10ミクロン以内であるが、ステンレス
箔の厚みが35ミクロンの場合は寸法ばらつきがプラス
マイナス15ミクロン以上となり、厚さが増すほどばら
つきが大きくなってしまう。
【0011】本発明はこれらの課題を解決するものであ
り、その目的は、金属箔又は金属板を低コストで寸法精
度良く形成可能なウェットエッチング方法及び装置を提
供することである。また、本発明の目的は、高い寸法精
度のインクジェットヘッドの振動板を低コストで製造す
る方法を提供することである。さらにまた、本発明の目
的は、高い寸法精度で製造された振動板を用いた、イン
ク吐出特性のばらつきがないインクジェットヘッド及び
そのインクジェットヘッドを搭載したインクジェット記
録装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明のウェットエッチ
ング方法は、被エッチング面が下方に向くように配置さ
れた被加工物の被エッチング面に、スプレーによって下
方からエッチング液を噴霧することを特徴とする(請求
項1)。スプレーエッチング法で水平方向のエッチング
が十分防止できない原因は、スプレー領域から流れ出し
たエッチング液が滞留することによる等方性エッチング
が進行するからである。これに対して、本発明のウェッ
トエッチング方法によれば、被加工物に付着したエッチ
ング液が被エッチング面から落下しやすくエッチング液
の滞留を効果的に抑制することができるため、水平方向
のエッチングが十分低減可能になる。
【0013】本発明のウェットエッチング方法において
は、高圧ガスの噴射によりエッチング液を高スピードで
噴霧することが好ましい。上記構成によれば、エッチン
グ液を加圧して噴霧する場合よりも、噴霧されるエッチ
ング液滴の径が小さくなり、より微細なパターンをエッ
チング可能になるという効果を有する。
【0014】また、本発明のウェットエッチング方法に
おいては、高圧ガスの噴射によりエッチング液が被エッ
チング面に滞留しないようにすることが好ましい。上記
構成によれば、エッチング液の滞留というサイドエッチ
ングやアンダーカットの要因を排除することができるた
め、エッチングの寸法精度を高めることができる。
【0015】また、本発明のウェットエッチング方法に
おいては、エッチング液の噴霧を間欠的に行い、エッチ
ング液を噴霧した後の期間であってエッチング液の噴霧
が停止している期間に、高圧ガスの噴射により被加工物
の被エッチング面からエッチング液を除去することが好
ましい(請求項2)。このため、エッチング液の滞留と
いうサイドエッチングやアンダーカットの要因を排除す
ることができ、エッチングの寸法精度をさらに高めるこ
とができる。
【0016】本発明のウェットエッチング方法において
は、エッチング液を噴霧する際に被エッチング面に滞留
したエッチング液を中和することが好ましい。上記構成
によれば、滞留したエッチング液の化学的作用を無効に
するため、サイドエッチングやアンダーカットの要因が
排除され、エッチングの寸法精度を高めることができる
という効果を有する。
【0017】本発明のウェットエッチング装置は、被エ
ッチング面を下方に向けて被加工物を設置する設置機構
と、前記被加工物の被エッチング面に対して下方からエ
ッチング液を噴霧するスプレー噴霧機構と、を備えたこ
とを特徴とする(請求項3)。このため、被加工物に付
着したエッチング液が被エッチング面から落下しやす
く、エッチング液の滞留を効果的に抑制することができ
るため、水平方向のエッチングが十分低減可能になる。
【0018】また、本発明のウェットエッチング装置
は、被エッチング面を下方に向けて被加工物を設置する
設置機構と、前記被加工物の被エッチング面に対して下
方から間欠的にエッチング液を噴霧することのできるス
プレー噴霧機構と、エッチング液を噴霧した後の期間で
あってエッチング液の噴霧が停止している期間に、高圧
ガスの噴射により被加工物の被エッチング面からエッチ
ング液を除去することができるように構成された高圧ガ
ス噴射機構と、を備えていることを特徴とする(請求項
4)。このため、エッチング液の滞留というサイドエッ
チングやアンダーカットの要因を排除することができ、
エッチングの寸法精度をさらに高めることができる。
【0019】本発明のインクジェットヘッドの振動板の
製造方法は、(1)ノズルとなる貫通穴が開口されたノ
ズル基板、圧力発生室、共通のインク室及びインク供給
口を構成するための溝及び貫通穴が形成されたスペーサ
ー、及び前記圧力発生室となる溝又はノズルとなる貫通
穴に対向して配置されるアイランド部を備えた振動板、
から構成された流路ユニット、並びに(2)前記アイラ
ンド部に当接しインク滴に与える吐出エネルギーを発生
し縦振動モードで動作する圧電振動子、を備えたインク
ジェットヘッドの振動板を製造するための方法であっ
て、金属薄板と高分子延伸フィルムを接着剤により接合
したラミネート材の前記金属薄板の表面に、感光性樹脂
を露光現像することによってアイランド部等の所要のエ
ッチングパターンを形成する工程と、請求項1又は2に
記載のウェットエッチング方法を用いて前記金属薄板を
貫通するまでエッチングする工程と、を含むことを特徴
とする(請求項5)。このため、従来のウェットエッチ
ング方法によって製造する場合と比較して、製造される
振動板の寸法精度、特にアイランド部の寸法精度を向上
させることができる。
【0020】本発明のインクジェットヘッドは、(1)
ノズルとなる貫通穴が開口されたノズル基板、圧力発生
室、共通のインク室及びインク供給口を構成するための
溝及び貫通穴が形成されたスペーサー、及び前記圧力発
生室となる溝又はノズルとなる貫通穴に対向して配置さ
れるアイランド部を備えた振動板、から構成された流路
ユニット、並びに(2)前記アイランド部に当接しイン
ク滴に与える吐出エネルギーを発生し縦振動モードで動
作する圧電振動子、を備えたインクジェットヘッドであ
って、前記振動板が請求項5に記載のインクジェットヘ
ッドの振動板の製造方法によって製造された振動板であ
ることを特徴とする。このため、アイランド部の寸法精
度が高く、圧電振動子の変位を伝達する領域の寸法精度
が向上し、同一インクジェットヘッド内におけるノズル
ごとのインク吐出特性ばらつきを抑制することができ
る。さらに、異なるヘッド間のインク吐出特性ばらつき
も抑制することができる。
【0021】本発明のインクジェット記録装置は、請求
項6に記載のインクジェットヘッドを備えたことを特徴
とする(請求項7)。このため、インクジェットヘッド
記録装置ごとのインク吐出特性ばらつきが抑制されるの
で、均一な印刷性能を有するインクジェットヘッド記録
装置を提供できる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下に、実施例に基づいて本発明
を詳細に説明する。
【0023】(実施例)図1は、本発明のウェットエッ
チング装置を側面から見た模式図である。マスクパター
ン2を形成した被加工物1は、マスクパターン2が形成
された面を下に向けて移動機構部10に固定され、この
エッチング面に対向してエッチングノズル4が配置され
ている。エッチングノズル4からは高圧窒素ガス6が噴
射され、同時にエッチング液5、5’が噴霧され、これ
によって被エッチング部3が加工される。エッチング液
5、5’は、ポンプなどの手段によって加圧供給しても
良いし、高圧窒素ガス6噴射時に発生する負圧によって
吸い上げても良い。図1は、高圧窒素ガス6噴射時に発
生する負圧によって吸い上げる方式を示している。どち
らの場合であっても、エッチング液の流量を一定に保つ
機構が必要である。エッチング液5、5’をエッチング
ノズル4に供給するための配管の途中には、エッチング
液の流れを遮断するためのバルブ7が設置されており、
バルブ7を開閉することによりエッチング液5、5’を
間欠的に噴霧することが可能となる。そのため、バルブ
7を開いた場合にはエッチングノズル4からエッチング
液5、5’が噴霧され、エッチングが進行する。一方バ
ルブ7を閉じた場合にはエッチングノズル4から高圧窒
素ガス6のみが噴射され、被加工物1の表面に付着した
エッチング液が除去される。エッチングノズル4の噴き
出し口形状は円形又は帯状であり、被加工物1の全面に
わたって均一にエッチングするため、噴き出し口形状に
応じて移動機構部10を移動させる。この機構は相対的
な動きがあれば良いので、被加工物1を固定してエッチ
ングノズル4を移動させても良い。図1ではエッチング
ノズル4は高圧窒素ガス6とエッチング液5、5’を個
別に供給する形状の例を示したが、ノズルの口を一つに
して一ヶ所から噴出させても良い。また高圧ガスは窒素
に限定されず、エッチング液や被加工物の種類に応じて
圧縮空気、その他の高圧ガスを利用しても良い。
【0024】次に、図1の装置を用いてインクジェット
ヘッドの振動板を製造する方法を説明する。図2は本発
明のインクジェットヘッドの振動板の製造方法を工程順
に示した断面図、図3はヘッド一つ分の振動板、図4は
振動板を多数作り込んだ大判のラミネート材である。
【0025】インクに対して耐久性を備えた厚さ60ミ
クロンの金属薄板11、例えばステンレス鋼の一方の面
に接着剤12を塗布し、接着剤をプレ乾燥させた後に厚
さ4ミクロン程度の高分子延伸フィルム13、例えばポ
リフェニレンサルフアイド(PPS)樹脂の延伸フィル
ムを接着してラミネート材を作製する(図2(a))。
【0026】このラミネート材を約10センチ角の大判
のサイズに切り出し、エッチングパターン露光時の基準
となる孔14、14と、プレスにセットする時の位置決
め用の基準孔15、16、17、18と、大判から切断
された単独の振動板19としての位置決め用の基準孔2
0、21と、インク供給口となる孔22等の通孔23を
予めプレス加工により形成しておく(図2(b))。
【0027】ついでラミネート材の金属薄板11が表面
となるようにガラス基板Bにセットし、端部がガラス基
板Bの表面に及ぶように金属薄板11の表面に感光性樹
脂フィルムFを貼り付け、ラミネート材全体をフィルム
Fによってガラス基板Bに固定する。
【0028】このような工程を採ることにより、感光性
樹脂フィルムFの密着工程と大判のラミネート材のガラ
ス基板Bへの固定とを1つの工程で済ませることが可能
となる。またプレス加工により予めラミネート材に穴が
形成されており、その端面をエッチング液から保護する
必要があるが、液体フォトレジストに比較してエッチン
グ液に対する保護能力が高い樹脂フィルムの使用によ
り、エッチング時の穴の変形を確実に防止できる。
【0029】この状態で、エッチングすべきパターンを
形成したフォトマスクを、基準孔14、14を用いて位
置決めして感光性樹脂フィルムFを露光後、現像する。
これにより、プレス加工により正確に形成された基準孔
14、14に対して可及的に小さな相対誤差でエッチン
グ用の窓W、Wが形成されることになる(図2
(c))。
【0030】ついで図1のエッチング装置に、ガラス基
板Bに固定されたままのラミネート材を、感光性樹脂フ
ィルムFのパターンが形成された面を下に向けて取り付
け、窓W、Wを用いて金属薄板11をエッチングするこ
とにより、金属薄板11が除去されて接着剤12が露出
し、ダイヤフラム部となる領域D、Dに囲まれたアイラ
ンド部24が形成されることになる(図2(d))。今
回は、エッチング液として比重1.35以上の塩化第二
鉄水溶液を使用した。
【0031】エッチングが終了した段階で、ラミネート
材をガラス基板Bから取り外し、大判としての位置決め
用の基準孔15、16、17、18をプレスの位置決め
ピンに挿入し、各振動板19を溝25で切断して、個々
の振動板19に切分ける。このように切断領域の金属薄
板がエッチングにより除去されているため、高分子延伸
フィルム13を切断するだけでよく、プレスのダイの寿
命が延長されることになる。
【0032】このようにして製造された振動板の各部寸
法を測定し、3シグマを計算すると5ミクロン以下だっ
た。
【0033】なお、上述の実施例においては、金属薄板
としてステンレス鋼を用いているが、エッチングが可能
で、しかも接着性の高い他の金属、例えば銅、ニッケ
ル、鉄、ステンレス、シリコンの薄板を用いることがで
きる。
【0034】また、高分子延伸フィルムとしてポリフェ
ニレンサルフアイド(PPS)樹脂を用いているが、延
伸可能な他の高分子材料、例えば、ポリイミド(PI)
樹脂、ポリエーテルイミド(PEI)樹脂、ボリアミド
イミド(PAI)樹脂、ポリバラバン酸(PPA)樹
脂、ボリサルホン(PSF)樹脂、ポリエーテルサルホ
ン(PES)樹脂樹脂、ポリエーテルケトン(PEK)
樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂、
ポリオレフィン(APO)樹脂、ポリエチレンナフタレ
ート(PEN)樹脂、アラミド樹脂、ポリプロピレン樹
脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリカーネート樹脂等を用い
ることもできる。
【0035】また、エッチング液に比重1.35以上の
塩化第二鉄水溶液を用いているが、金属薄板の材質をエ
ッチング可能なものならば、どのような成分、組成でも
使用することができる。
【0036】このようにして製造された振動板は、図
5、図6に示すインクジェットヘッド50に組み込まれ
る。図5はインクジェットヘッド50の組み立て斜視
図、図6は断面図である。
【0037】ノズル26−1が多数並んでいるノズル列
26が形成されたノズルプレート27と、圧力発生室2
8及びインク供給路29及び共通のインク室であるリザ
ーバー30となる溝あるいは貫通穴が形成されたスペー
サー31と、アイランド部24が形成された振動板19
の3部品から流路ユニットが構成されている。
【0038】高分子延伸フィルム12の表面に形成され
たアイランド部24は、圧力発生室28の幅方向の中心
領域に、圧力発生室28の長手方向に長く形成されてお
り、高分子延伸フィルム12はこのアイランド部24を
介して、後述する圧電振動子32による変位を受けるよ
うになっている。
【0039】縦振動モードを有する複数の圧電振動子3
2を固定板33に固定して構成された振動子ユニット3
4は、基台35に形成された振動子ユニット収容孔36
に収容され、先端をアイランド部24に当接するように
位置決めされて、固定板33を介して基台35に固定さ
れている。
【0040】基台35には、インクタンクに接続するイ
ンク供給管37が設けられており、その先端を振動板1
9に開口されたインク供給口38を介してスペーサ31
により構成されたリザーバー30に連通されている。な
おノズルプレート27、スペーサ31及び振動板19に
より構成される流路ユニットは、枠体39によって基台
35に固定され、ヘッド全体は基板40を介してキャリ
ッジに固定される。
【0041】図7はキャリッジ機構の概略図であるが、
図5のインクジェットヘッドは図7に示されるようにキ
ャリッジ41に取り付けられ、そして、このキャリッジ
41はガイドレール42に移動自在に取り付けられてお
り、ローラー43により送り出される用紙44の幅方向
にその位置が制御される。この図7の機構は図8に示さ
れるインクジェット記録装置60に装備される。
【0042】図5に示したインクジェットヘッドの印刷
試験を行った結果、良好な印刷性能を示した。
【0043】(比較例)実施例と比較するために、従来
のエッチング法によってインクジェットヘッドの振動板
を作製した。
【0044】実施例と同様に、厚さ60ミクロンのステ
ンレス鋼と高分子延伸フィルムを接着するラミネート材
工程、プレス工程、感光性樹脂フィルムによってガラス
基板に固定する工程、感光性樹脂フィルムを露光、現像
する工程を経たサンプルを、図9に示す二段階に分かれ
たエッチング装置を用いて金属薄板をエッチングした。
サンプルは、搬送機構74によって左から右へ搬送さ
れ、その間にエッチングされる。エッチング液は、ポン
プ71、71’によって加圧供給される。第一段階のエ
ッチングノズル72からはエッチング速度が速いエッチ
ング液73を0.1メガパスカルの圧力で、第二段階階
のエッチングノズル72’からはエッチング速度が低い
エッチング液73’を0.3メガパスカルの圧力で供給
した。第一段目ではステンレス鋼の残り厚さが30ミク
ロンとなるまでエッチングし、第二段目では目標寸法に
なるまでエッチングした。
【0045】このようにして製造された振動板の各部寸
法を測定し、3シグマを計算すると20ミクロン以下に
はならなかった。
【0046】また実施例と同じく、インクジェットヘッ
ドを作製して印刷試験を行った結果、実施例に比べて印
刷性能が劣った。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のウェットエッチング装置側面図。
【図2】本発明のインクジェットヘッドに組み込まれる
1ヘッド分の振動板。
【図3】大判のラミネート材全体図。
【図4】本発明のインクジェットヘッドの振動板の製造
工程断面図。
【図5】本発明のインクジェットヘッドの組み立て斜視
図。
【図6】本発明のインクジェットヘッドの断面図。
【図7】本発明のインクジェットヘッドを搭載するキャ
リッジ機構概略図。
【図8】本発明のインクジェット記録装置。
【図9】比較例で用いたエッチング装置の概略図。
【符号の説明】
1 被加工物 27 ノスルプレート 31 スペーサー 19 振動板 32 圧電振動子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 跡部 光朗 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 Fターム(参考) 2C057 AF24 AF93 AG14 AG44 AP02 AP13 AP33 AP47 BA04 BA14 4K057 WA11 WB02 WC05 WE08 WK10 WM04 WM11 WN01 5E339 BE13 BE16 GG02 5F043 AA26 BB18 DD10 EE07 GG10

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被エッチング面が下方に向くように配置さ
    れた被加工物の被エッチング面に、スプレーによって下
    方からエッチング液を噴霧することを特徴とするウェッ
    トエッチング方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のウェットエッチング方法
    において、 エッチング液の噴霧を間欠的に行い、エッチング液を噴
    霧した後の期間であってエッチング液の噴霧が停止して
    いる期間、は高圧ガスの噴射により被加工物の被エッチ
    ング面からエッチング液を除去することを特徴とするウ
    ェットエッチング方法。
  3. 【請求項3】被エッチング面を下方に向けて被加工物を
    設置する設置機構と、 前記被加工物の被エッチング面に対して下方からエッチ
    ング液を噴霧するスプレー噴霧機構と、を備えたことを
    特徴とするウェットエッチング装置。
  4. 【請求項4】被エッチング面を下方に向けて被加工物を
    設置する設置機構と、 前記被加工物の被エッチング面に対して下方から間欠的
    にエッチング液を噴霧することのできるスプレー噴霧機
    構と、 エッチング液を噴霧した後の期間であってエッチング液
    の噴霧が停止している期間に、高圧ガスの噴射により被
    加工物の被エッチング面からエッチング液を除去するこ
    とができるように構成された高圧ガス噴射機構と、を備
    えたことを特徴とするウェットエッチング装置。
  5. 【請求項5】(1)ノズルとなる貫通穴が開口されたノ
    ズル基板、 圧力発生室、共通のインク室及びインク供給口を構成す
    るための溝及び貫通穴が形成されたスペーサー、及び前
    記圧力発生室となる溝又はノズルとなる貫通穴に対向し
    て配置されるアイランド部を備えた振動板、から構成さ
    れた流路ユニット、並びに(2)前記アイランド部に当
    接しインク滴に与える吐出エネルギーを発生し縦振動モ
    ードで動作する圧電振動子、を備えたインクジェットヘ
    ッドの振動板を製造するための方法であって、 金属薄板と高分子延伸フィルムを接着剤により接合した
    ラミネート材の前記金属薄板の表面に、感光性樹脂を露
    光現像することによってアイランド部等の所要のエッチ
    ングパターンを形成する工程と、 請求項1又は2に記載のウェットエッチング方法を用い
    て前記金属薄板を貫通するまでエッチングする工程と、
    を含むことを特徴とするインクジェットヘッドの振動板
    の製造方法。
  6. 【請求項6】(1)ノズルとなる貫通穴が開口されたノ
    ズル基板、 圧力発生室、共通のインク室及びインク供給口を構成す
    るための溝及び貫通穴が形成されたスペーサー、及び前
    記圧力発生室となる溝又はノズルとなる貫通穴に対向し
    て配置されるアイランド部を備えた振動板、から構成さ
    れた流路ユニット、並びに(2)前記アイランド部に当
    接しインク滴に与える吐出エネルギーを発生し縦振動モ
    ードで動作する圧電振動子、を備えたインクジェットヘ
    ッドであって、 前記振動板が請求項5に記載のインクジェットヘッドの
    振動板の製造方法によって製造された振動板であること
    を特徴とするインクジェットヘッド。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載のインクジェットヘッド
    を備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
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