JP2005206905A - 基板処理方法及び装置、並びに処理液 - Google Patents

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Abstract

【課題】 下地に最適化された処理液で触媒付与や前洗浄等の前処理を行うことで、特に、配線の電気特性を劣化させず、しかも高品質の配線保護膜を効率よく形成できるようにする。
【解決手段】 基板の表面に形成した下地金属の露出表面に無電解めっきにより金属膜を選択的に形成するに際し、下地金属と錯体を形成する成分、及び触媒金属イオンを含む処理液により下地金属表面の前処理を行う。
【選択図】 図6

Description

本発明は、基板処理方法及び装置、並びに処理液に係り、特に半導体ウエハ等の基板の表面に設けた配線用の微細な凹部に、銅や銀等の導電体を埋込んで構成する埋込み配線の底面及び側面、または露出表面に、配線材料の層間絶縁膜中への熱的拡散を防止する機能あるいは配線と層間絶縁膜の密着性を向上させる機能を有する導電膜や、配線を覆う磁性膜等の配線保護膜を無電解めっきで形成するのに使用される基板処理方法及び装置、並びに処理液に関する。
半導体装置の配線形成プロセスとして、配線溝及びコンタクトホールに金属(導電体)を埋込むようにしたプロセス(いわゆる、ダマシンプロセス)が使用されつつある。これは、層間絶縁膜に予め形成した配線溝やコンタクトホールに、アルミニウム、近年では銅や銀等の金属を埋込んだ後、余分な金属を化学機械的研磨(CMP)によって除去し平坦化するプロセス技術である。
従来、この種の配線、例えば配線材料として銅を使用した銅配線にあっては、信頼性向上のため、層間絶縁膜への配線材料(銅等)の熱的拡散を防止し、かつエレクトロマイグレーション耐性を向上させるためのバリア膜を配線の底面及び側面に形成したり、その後絶縁膜(酸化膜)を積層して多層配線構造の半導体装置を作る場合の酸化性雰囲気における配線(銅等)の酸化を防止したりするため酸化防止膜を形成するなどの方法が採用されている。従来、この種のバリア膜としては、タンタル、チタンまたはタングステンなどの金属あるいはその窒化物が一般に採用されており、また酸化防止膜としては、シリコンの窒化物などが一般に採用されていた。
これに代わるものとして、最近になってCo合金やNi合金等からなる配線保護膜で埋込み配線の底面及び側面、または露出表面を選択的に覆って、配線材料の熱拡散、エレクトロマイグレーション及び酸化を防止することが検討されている。
この埋込み配線の露出表面を配線保護膜で選択的に覆って該配線を保護した例を図1に示す。先ず、半導体ウエハ等の基板Wの表面に堆積したSiO等からなる絶縁膜(層間絶縁膜)2の内部に配線溝(トレンチ)等の微細凹部4を形成し、表面にTaN等からなるバリア層6を形成した後、例えば、銅めっきを施して、基板Wの表面に銅膜を成膜して微細凹部4の内部に銅を埋込む。しかる後、基板Wの表面にCMP(化学機械的研磨)を施して平坦化することで、絶縁膜2の内部に銅からなる配線8を形成する。そして、この配線(銅)8の表面に、例えば無電解めっきによって得られる、CoWP合金膜からなる配線保護膜(蓋材)9を選択的に形成して配線8を保護する。なお、この例は、一例であって、本発明は、これに限定されるものではないことは勿論である。
一般的な無電解めっきによって、このようなCoWP合金膜からなる配線保護膜(蓋材)9を配線8の表面に選択的に形成する工程を説明する。先ず、CMP処理を施した半導体ウエハ等の基板Wを、例えばHSO水溶液中に浸漬させ、配線8上の金属酸化膜やCMP残渣等のパーティクルをエッチング除去して配線8の表面を洗浄する。そして、必要に応じて、基板Wの表面を純水等の洗浄液で洗浄(リンス)した後、例えばPdSO/HSO混合溶液中に基板Wを浸漬させ、これにより、配線8の表面に触媒としてのPdを担持させる。次に、基板Wの表面を純水等で洗浄(リンス)した後、例えば液温が80℃のCoWPめっき液中に基板Wを浸漬させて、Pdを担持させた配線8の表面に選択的な無電解めっきを施し、しかる後、基板Wの表面を純水等の洗浄液で洗浄する。これによって、配線8の露出表面に、CoWP合金膜からなる配線保護膜9を選択的に形成して配線8を保護する。
また、不揮発磁気メモリにおいては、メモリセルが高密度化し設計ルールが小さくなるに従い、銅配線の電流密度が増大してエレクトロマイグレーションの問題が生じる。さらに、この書き込みの際には、セルが小さくなると書き込み電流が増大することに加え、セルが接近して、クロストークが課題となる。これを解決するために、銅配線の周囲にCo合金やNi合金等の磁性膜を付与したYOKE構造が有効であると考えられている。この磁性膜は、例えば無電解めっきによって得られる。
ところで、無電解めっきによって、CoWP合金膜からなる配線保護膜(蓋材)を形成する際には、前述のように、配線の表面に、Pd等の貴金属類からなる触媒を付与する触媒付与処理が施される。しかし、触媒付与工程は、下地金属(配線)の腐食を伴うので、配線の信頼性を下げることがある。つまり、Pd等の触媒付与は、原理的に配線(下地金属)のエッチングによって放出される電子(e)を反応の駆動力としており、一般的な「置換めっき」によって行われる。このため、図2に示すように、配線8の表面にPd等の触媒金属(核)40を付与する際に、下地金属である配線8の、特に脆弱な結晶粒界が過剰にエッチングされて、この配線8の過剰エッチングによって配線8中にボイドが発生したり、物性が劣化したりして、配線8の信頼性の低下や配線の抵抗の増加を招き、実用的なプロセス構築が困難である。
また、絶縁膜上に配線保護膜が形成されることを防止するため、例えば絶縁膜上に残った銅等からなるCMP残渣等を除去する必要があり、これは、一般にHF、HSOやHClなどの無機酸を使用して行われる。このため、処理液中の溶存酸素量が多いと、基板の表面が酸化しやすい状態になり、処理した配線の電気特性に悪影響を与えることがある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、下地に最適化された処理液で触媒付与や前洗浄等の前処理を行うことで、特に、配線の電気特性を劣化させず、しかも高品質の配線保護膜を効率よく形成できるようにした基板処理方法及び装置、並びに処理液を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、基板の表面に形成した下地金属の露出表面に無電解めっきにより金属膜を選択的に形成するに際し、下地金属と錯体を形成する成分、及び触媒金属イオンを含む処理液により下地金属表面の前処理を行うことを特徴とする基板処理方法である。
このように、下地金属と錯体を形成する成分、及び触媒金属イオンを含む処理液により下地金属表面の前処理を行うことで、下地金属表面に該金属と前記成分と錯体からなる保護層を形成して下地金属を保護しつつ、この保護層の表面に触媒金属を担持させることができ、これによって、エッチング等による下地金属の構造や物性の低下を伴うことなく、下地金属表面に触媒を付与することができる。
請求項2に記載の発明は、基板の表面に形成した下地金属の露出表面に無電解めっきにより金属膜を選択的に形成するに際し、下地金属と錯体を形成する成分、触媒金属イオン、及び下地金属表面を洗浄する機能を有する酸を含む処理液により下地金属表面の前処理を行うことを特徴とする基板処理方法である。
このように、下地金属と錯体を形成する成分、及び触媒金属イオンの他に、下地金属表面を洗浄する機能を有する酸を含む処理液により下地金属表面の前処理を行うことで、下地金属表面の金属酸化膜や下地金属表面上のCMP残渣等を除去(洗浄)すると同時に、下地金属表面に該金属の錯体からなる保護層を形成して下地金属を保護しつつ、この保護層の表面に触媒金属を担持させることができる。
請求項3に記載の発明は、基板の表面に形成した下地金属の露出表面に無電解めっきにより金属膜を選択的に形成するに際し、下地金属と錯体を形成する成分、及び下地金属表面を洗浄する機能を有する酸を含む処理液により下地金属表面を洗浄し、洗浄後の下地金属表面に触媒を付与することを特徴とする基板処理方法である。
このように、下地金属と錯体を形成する成分、及び下地金属表面を洗浄する機能を有する酸を含む処理液により下地金属表面を洗浄することで、下地金属表面の金属酸化膜や下地金属表面上のCMP残渣等を除去(洗浄)すると同時に、下地金属表面に該金属の錯体からなる保護層を形成することができる。これによって、洗浄後の下地金属表面に触媒を付与する時に、エッチング等によって下地金属の構造や物性が損なわれてしまうことを該下地金属の表面に予め形成した保護膜で防止し、しかも触媒金属を含んだ処理液への不純物の混入を防ぐことができる。
請求項4に記載の発明は、前記下地金属と錯体を形成する成分は、含窒素有機物及び/またはカルボキシル基を有する有機物であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の基板処理方法である。
含窒素有機物は、構造中の窒素が極性を持つため、下地金属に静電作用で吸着する。これにより、触媒金属が過度に下地金属と反応するのを防ぐことができる。
請求項5に記載の発明は、前記含窒素有機物は、ポリジアルキルアミノエチルアクリレート4級塩、ポリアリルジメチルアンモニウムクロライド、ポリエチレンイミン、ポリビニルピリジン4級塩、ポリビニルアミジン、ポリアリルアミン及びポリアミンスルホン酸よりなる群から選ばれる含窒素高分子ポリマー類であることを特徴とする請求項4記載の基板処理方法である。
含窒素高分子ポリマーは、処理液中に、0.01〜1000ppm程度、好ましくは、1〜100ppm程度添加される。また、含窒素高分子ポリマーの分子量は、100以上であることが好ましく、1000以上であることが更に望ましい。
請求項6に記載の発明は、前記カルボキシル基を有する有機物は、2個以上のカルボキシル基及び/または下地金属に対する錯化力を有することを特徴とする請求項4記載の基板処理方法である。
下地金属と錯体を形成する成分として、2個以上のカルボキシル基を有する有機物を使用した場合、少なくとも1個のカルボキシル基が下地金属に吸着して、触媒金属が下地金属と過度に反応するのを防ぐことができる。このカルボキシル基を有する有機物は、処理液中に、0.01〜100g/L程度、好ましくは、0.1〜10g/L程度添加される。
請求項7に記載の発明は、前記下地金属表面の処理液による処理を、溶存酸素量が3ppm以下の処理液中で行うことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の基板処理方法である。
このように、溶存酸素量が3ppm以下の処理液中で下地金属表面の前処理を行うことで、前処理中に下地金属と溶存酸素が反応することを低減して、下地金属の信頼性が損なわれることを防止することができる。
請求項8に記載の発明は、前記基板は、埋込み配線構造を有する半導体装置で、この半導体装置の配線を下地金属として、該配線の表面に配線保護膜となる金属膜を選択的に形成することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の基板処理方法である。
このように、埋込み配線構造を有する半導体装置に適用することで、配線の内部にボイドを生じさせることなく、配線の露出表面を金属膜(配線保護膜)で選択的に覆って配線を保護することができる。
請求項9に記載の発明は、基板の表面に形成した下地金属と錯体を形成する成分、及び触媒金属イオンを含む処理液で下地金属表面の前処理を行う前処理ユニットと、前処理後の下地金属表面に金属膜を選択的に形成する無電解めっきユニットを有することを特徴とする基板処理装置である。
請求項10に記載の発明は、基板の表面に形成した下地金属と錯体を形成する成分、触媒金属イオン、及び下地金属表面を洗浄する機能を有する酸を含む処理液で下地金属表面の前処理を行う前処理ユニットと、前処理後の下地金属表面に金属膜を選択的に形成する無電解めっきユニットを有することを特徴とする基板処理装置である。
請求項11に記載の発明は、基板の表面に形成した下地金属と錯体を形成する成分、及び下地金属表面を洗浄する機能を有する酸を含む処理液により下地金属表面の前洗浄を行う前洗浄ユニットと、前洗浄後の下地金属表面に触媒を付与する触媒付与ユニットと、触媒付与後の下地金属表面に金属膜を選択的に形成する無電解めっきユニットを有することを特徴とする基板処理装置である。
請求項12に記載の発明は、金属と錯体を形成する成分、及び触媒金属イオンを含む請求項1記載の事項を目的とする処理液である。
請求項13に記載の発明は、金属と錯体を形成する成分、触媒金属イオン、及び金属表面を洗浄する機能を有する酸を含む請求項2記載の事項を目的とする処理液である。
請求項14に記載の発明は、金属と錯体を形成する成分、及び金属表面を洗浄する機能を有する酸を含む請求項3記載の事項を目的とする処理液である。
請求項15に記載の発明は、前記金属と錯体を形成する成分は、含窒素有機物及び/またはカルボキシル基を有した有機物であることを特徴とする請求項12乃至14のいずれかに記載の処理液である。
請求項16に記載の発明は、前記含窒素有機物は、ポリジアルキルアミノエチルアクリレート4級塩、ポリアリルジメチルアンモニウムクロライド、ポリエチレンイミン、ポリビニルピリジン4級塩、ポリビニルアミジン、ポリアリルアミン及びポリアミンスルホン酸よりなる群から選ばれる含窒素高分子ポリマー類であることを特徴とする請求項15記載の処理液である。
請求項17に記載の発明は、前記カルボキシル基を有する有機物は、2個以上のカルボキシル基及び/または金属に対する錯化力を有すことを特徴とする請求項15記載の処理液である。
本発明によれば、下地金属に最適化された処理液で触媒付与や前洗浄等の前処理を行うことができ、これによって、例えば配線等の下地金属の電気特性を劣化させることなく、配線の表面に、高品質の配線保護膜(金属膜)を効率よく形成することができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、以下の例では、図1に示すように、下地金属としての配線8の露出表面を、CoWP合金膜からなる配線保護膜(蓋材)9で選択的に覆って、配線(下地金属)8を配線保護膜(金属膜)9で保護するようにした例を示す。なお、例えば銅や銀の表面に、Co合金膜やNi合金膜等の金属膜(めっき膜)を成膜して、銅や銀等の表面を金属膜で被覆するめっきに適用したり、バンプのパッドめっきに適用したりしてもよいことは勿論である。
図3は、本発明の実施の形態における基板処理装置の平面配置図を示す。図3に示すように、この基板処理装置には、表面に形成した配線用の微細凹部4の内部に銅等からなる配線(下地金属)8を形成した半導体装置等の基板Wを収容した基板カセット10を載置収容するロード・アンロードユニット12が備えられている。そして、排気系統を備えた矩形状ハウジング16の一方の長辺側に沿った位置に、基板Wの前洗浄(前処理)を行う第1前処理(前洗浄)ユニット18、前洗浄後の配線8の露出表面に、Pd等の触媒を付与する第2前処理(触媒付与)ユニット20及び基板Wの表面(被処理面)に無電解めっき処理を行う無電解めっきユニット22が直列に配置されている。
また、ハウジング16の他方の長辺側に沿った位置に、無電解めっき処理によって配線8の表面に形成された配線保護膜(金属膜)9の選択性を向上させるための基板Wのめっき後処理を行うめっき後処理ユニット24、後処理後の基板Wを乾燥させる乾燥ユニット26、乾燥後の基板Wに熱処理(アニール)を施す熱処理ユニット28及び配線8の表面に形成された配線保護膜9の膜厚を測定する膜厚測定ユニット30が直列に配置されている。更に、ハウジング16の長辺と平行にレール32に沿って走行自在で、これらの各ユニット及びロード・アンロードユニット12に搭載された基板カセット10との間で基板の受渡しを行う搬送ロボット34が、直線状に配置された各ユニットに挟まれた位置に配置されている。
ここで、ハウジング16には遮光処理が施され、これによって、このハウジング16内での以下の各工程を遮光状態で、つまり、配線に照明光等の光が当たることなく行えるようになっている。このように、配線に光を当たることを防止することで、例えば銅からなる配線に光が当たって光電位差が生じ、この光電位差によって配線が腐食してしまうことを防止することができる。
次に、この基板処理装置による一連の基板処理(無電解めっき処理)について、図4乃至図6を参照して説明する。
先ず、表面に配線8を形成し乾燥させた基板Wを該基板Wの表面を上向き(フェースアップ)で収納してロード・アンロードユニット12に搭載した基板カセット10から、1枚の基板Wを搬送ロボット34で取り出して第1前処理ユニット18に搬送する。この第1前処理ユニット18では、基板Wをフェースダウンで保持して、この表面に、めっき前処理としての前洗浄処理(薬液洗浄)を行う。つまり、例えば液温が25℃で、希釈HSO等の処理液(洗浄薬液)を基板Wの表面に向けて噴射して、図5(a)〜図5(b)に示すように、絶縁膜2の表面に残った銅等のCMP残渣44や配線8上の金属(銅)酸化膜42等を除去し、しかる後、基板Wの表面に残った洗浄楽液を純水等のリンス液でリンス(洗浄)する。
ここで使われる処理液としては、pHが2以下のふっ酸、硫酸、塩酸等の無機酸や、蟻酸、酢酸、蓚酸、酒石酸、クエン酸、マレイン酸、サリチル酸等のpH5以下のキレート能力を有する酸、pH5以下の酸であってハロゲン化物、カルボン酸、ジカルボン酸、オキシカルボン酸ならびにその水溶性塩等のキレート剤が添加されているもの等があげられる。これらの処理液を使用した前洗浄処理を施すことによって、絶縁膜2上に残った銅等からなるCMP残渣44や配線8の表面の金属酸化膜42を除去し、めっきの選択性や配線8との密着性を向上させることができる。また、CMP工程に一般に使用される防食剤は、通常めっき膜の析出の阻害因子となるが、配線8に付着した防食剤を除去する能力を有するアルカリ薬液、例えば水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)を使用することで、このような防食剤を有効に除去することができる。なお、前記酸類と同一の効果を、グリシン、システイン、メチオニン等のアミノ酸のアルカリ溶液でも実現することが可能である。
この処理液(洗浄薬液)として、溶存酸素量が3ppm以下のものを使用して、溶存酸素量が3ppm以下の処理液中で、配線8の表面を含む基板Wの表面の前洗浄(前処理)を行うことが望ましく、これによって、前処理中に配線8と溶存酸素が反応することを低減して、配線8の信頼性が損なわれることを防止することができる。
なお、リンス処理や触媒付与処理等の各処理にあっても、溶存酸素量が3ppm以下の処理液を使用して、溶存酸素量が3ppm以下の処理液中で各処理を行うことが好ましく、これによって、各処理中に配線8と溶存酸素が反応することを低減することができる。
また、前洗浄後に基板Wの表面をリンス液でリンス処理(洗浄)することで、前洗浄に使用した薬品が基板Wの表面に残留していて、次の活性化工程の障害となることを防止することができる。このリンス液としては、一般には超純水を用いるが、配線表面の材料構成によっては、超純水を使ったとしても、配線材料が局部電池作用などにより腐食することがある。そのような場合には、リンス液として、超純水に水素ガスを溶解した水素ガス溶解水、あるいは超純水を隔膜式電気分解して得られる電解カソード水のような、不純物を含まずしかも還元力の高い水を使うことが望ましい。また前洗浄処理に用いる薬品が配線材料等に対して何がしかの腐食性を有することがあるので、前洗浄処理とリンス処理の間の時間はなるべく短いことが好ましい。
次に、この前洗浄処理後の基板Wを搬送ロボット34で第2前処理ユニット20に搬送し、ここで基板Wをフェースダウンで保持して、配線8の表面に、Pd等の触媒を担持させる触媒付与処理(前処理)を行う。つまり、例えば、液温が25℃で、PdCl/HCl等の処理液(触媒液)を、例えば1分間、基板Wの表面に向けて噴射し、これにより、図5(c)に示すように、配線8の表面に触媒金属(核)40としてのPdを付着させる。つまり配線8の表面に触媒金属核(シード)としてのPd核を形成して、配線8の表面配線の露出表面を活性化させる。しかる後、基板Wの表面に残った処理液(触媒液)を純水等のリンス液でリンス(洗浄)する。
この処理液(触媒液)として、触媒金属イオンの他に下地金属として配線8と錯体を形成する成分を添加したものを使用する。この触媒金属イオンとしては、この例におけるPdイオンの他に、Snイオン、Agイオン、Ptイオン、Auイオン、Cuイオン、CoイオンまたはNiイオンが使用されるが、反応速度、その他制御のし易さなどの点からPdイオンを使うことが特に好ましい。また、配線(下地金属)8と錯体を成形する成分としては、含窒素有機物やカルボキシル基を有する有機物が挙げられる。
含窒素有機物は、構造中の窒素が極性を持つため、配線8の表面に静電作用で吸着する。これにより、下記のように、触媒金属(核)40が過度に配線8と反応するのを防ぐことができる。含窒素有機物は、例えば、ポリジアルキルアミノエチルアクリレート4級塩、ポリアリルジメチルアンモニウムクロライド、ポリエチレンイミン、ポリビニルピリジン4級塩、ポリビニルアミジン、ポリアリルアミン及びポリアミンスルホン酸よりなる群から選ばれる含窒素高分子ポリマー類である。この含窒素高分子ポリマーは、処理液中に、0.01〜1000ppm程度、好ましくは、1〜100ppm程度添加される。また、含窒素高分子ポリマーの分子量は、100以上であることが好ましく、1000以上であることが更に望ましい。
処理液としてカルボキシル基を有する有機物を使用する場合は、2個以上のカルボキシル基を有するか、または下地金属に対する錯化力を有する有機物を使用することが好ましい。2個以上のカルボキシル基を有する有機物を使用することで、少なくとも1個のカルボキシル基を配線8に吸着させて、触媒金属(核)40が配線8と過度に反応するのを防ぐことができる。このカルボキシル基を有する有機物は、処理液中に、0.01〜100g/L程度、好ましくは、0.1〜10g/L程度添加される。
このように、配線8と錯体を形成する成分、例えば含窒素高分子ポリマー類と触媒金属イオンを含む処理液(触媒液)により配線8の表面の触媒付与処理(前処理)を行うことで、図6に示すように、配線8の表面に該配線8の材料である銅等と含窒素高分子ポリマー類との錯体からなる保護層46を形成して配線8の表面を保護しつつ、この保護層46の表面に触媒金属(核)40を担持させることができる。この錯体は、配線8の表面の、特に腐食し易い部分に優先的に吸着され、これによって、エッチング等による配線8の構造や物性の低下を伴うことなく、配線8の表面に触媒を付与することができる。
このように、配線8の表面に触媒を付与することによって、無電解めっきの選択性を高めることができる。ここで、触媒金属としては、様々な物質があるが、反応速度、その他制御のし易さなどの点からPdを使うことが好ましい。触媒付与の方法としては、基板全体を触媒液に浸漬する場合と、スプレーなどによって触媒液を基板表面に向けて噴射する場合があり、めっき膜の組成や必要膜厚などによって、そのいずれかを選択することができる。一般に薄膜形成に際しては、スプレー法による方が再現性などの点で優れている。
選択性を向上させるために、絶縁膜2および配線8上の残留Pdを除去する必要があり、一般的には、超純水リンスが使用される。なお、前洗浄処理の場合と同様に、処理液(触媒液)が基板表面に残留していると、配線材料等の腐食やめっき工程へ悪影響の可能性があるので、触媒付与処理とリンス処理の間の時間はなるべく短くすることが望ましい。リンス液としては、前洗浄処理の場合と同様に、超純水、水素ガス溶解水、電解カソード水のいずれかを用いることも可能であるが、次のめっき工程に先だって基板を馴染ませておくため、無電解めっき液を構成する成分の水溶液を用いることも可能である。
そして、この配線8の表面に触媒金属(核)40を担持させリンス処理した基板Wを搬送ロボット34で無電解めっきユニット22に搬送し、ここでこの表面に無電解めっき処理を施す。つまり、例えば、液温が85℃のCoWPめっき液中に基板Wを、例えば120秒程度浸漬させ、Pd等の触媒金属(核)40を担持させた配線8の表面に、選択的な無電解めっき(無電解CoWP蓋めっき)を施して、図5(d)に示すように、配線保護膜(蓋材)9を選択的に形成する。このめっき液の組成は、例えば以下の通りである。
・CoSO・7HO:14g/L
・Na・2HO:80g/L
・HBO:30g/L
・NaHPO:20g/L
・NaWO・2HO:40g/L
・pH:9.2(NaOH水溶液で調整)
そして、基板Wをめっき液から引き上げた後、pHが6〜7.5の中性液からなる停止液を基板Wの表面に接触させて、無電解めっき処理を停止させる。これにより、基板Wをめっき液から引き上げた直後にめっき反応を迅速に停止させて、めっき膜にめっきむらが発生することを防止する。この処理時間は、例えば1〜5秒であることが好ましく、この停止液としては、純水、水素ガス溶解水、または電解カソード水が挙げられる。
しかる後、基板の表面に残っためっき液を純水等のリンス液でリンス(洗浄)する。これによって、配線8の表面に、CoWP合金膜からなる配線保護膜9を選択的に形成して配線8を保護する。
次に、この無電解めっき処理後の基板Wを搬送ロボット34で後処理ユニット24に搬送し、ここで、配線8の表面に形成された配線保護膜(金属膜)9の選択性を向上させて歩留りを高めるための後処理を施す。つまり、基板Wの表面に、例えばロールスクラブ洗浄やペンシル洗浄による物理的な力を加えつつ、界面活性剤、有機アルカリ及びキレート剤のいずれか一種または二種以上を含む薬液を基板Wの表面に供給し、これにより、絶縁膜2上の金属微粒子等のめっき残留物を完全に除去して、めっきの選択性を向上させる。これらの薬液を用いることで、無電解めっきの選択性を一層効率良く向上させることができる。なお、界面活性剤としては非イオン性のものが、有機アルカリとしては第4級アンモニウムないしアミン類が、またキレート剤としてはエチレンジアミン類が好ましい。
そして、このように薬液を使用した場合には、基板Wの表面に残った薬液を超純水等のリンス液でリンス(洗浄)する。このリンス液としては、超純水、水素ガス溶解水、または電解カソード水が挙げられる。前述と同様に、表面の材料構成によっては配線材料が局部電池作用などにより腐食することがあるが、このような場合に、還元性を持たせた超純水でリンスすることで、このような弊害を回避することができる。
なお、前述の、例えばロールスクラブ洗浄やペンシル洗浄による物理的な力による洗浄の他に、錯化剤による洗浄、更にはエッチング液による均一エッチングバック等により、更にはこれらを任意に組み合わせて絶縁膜上の残留物を完全に取り除くようにしてもよい。
そして、この後処理後の基板Wを搬送ロボット34で乾燥ユニット26に搬送し、ここで必要に応じてリンス処理を行い、しかる後、基板Wを高速で回転させてスピン乾燥させる。
これにより、基板Wの表面に形成した埋込み配線8の露出表面に、無電解めっきによって配線保護膜9を形成する一連の処理を連続して行うことができ、しかも乾燥状態まで基板を仕上げるので、そのまま次工程に搬送することが可能となるばかりでなく、次工程にかかるまでの間での配線保護膜9の劣化を抑えることができる。
この基板Wを乾燥状態にする乾燥処理(スピン乾燥)を行う際に、乾燥空気または乾燥不活性ガスを用いて基板周囲の雰囲気の湿度を制御することが好ましい。通常の雰囲気下で乾燥を行うと、基板上の水分が雰囲気中に飛散して湿度が高まり、乾燥処理をしたとはいえ基板表面には多量の水分が吸着しており、このままでは、吸着水分によって配線部分が酸化されるなど新たな問題を引き起こす可能性がある。またスピンドライヤでのミストバックによる、ウォータ・マーク発生などの問題も想定される。このため、乾燥時の雰囲気湿度を乾燥空気または乾燥窒素を用いて制御することで、このような弊害を回避することができる。
このスピン乾燥後の基板Wを搬送ロボット34で熱処理ユニット28に搬送し、ここで、後処理後の基板Wに配線保護膜9を改質する熱処理(アニール)を施す。配線保護膜9の改質に必要な温度としては、処理時間の現実性も含めて考えると、少なくとも120℃以上であり、かつデバイスを構成する材料の耐熱性を考慮すると450℃を超えないことが望ましい。このため、この熱処理(アニール)の温度は、例えば120〜450℃である。このように基板Wに熱処理を施すことで、配線の露出表面に形成した配線保護膜9のバリア性及び配線との密着性を向上させることができる。
次に、熱処理後の基板Wを搬送ロボット34で、例えば光学式、AFM、EDX等の膜厚測定ユニット30に搬送し、この膜厚測定ユニット30で配線8の表面に形成された配線保護膜9の膜厚を測定し、この膜厚測定後の基板Wを搬送ロボット34でロード・アンロードユニット12に搭載された基板カセット10に戻す。
なお、上記の例では、配線材料として銅(Cu)を使用し、この銅からなる配線8の表面に、CoWP合金膜からなる配線保護膜9を選択的形成した例を示しているが、配線材料として、Cu合金、AgまたはAg合金を使用してもよく、また配線保護膜9として、CoWB、CoP、CoB、Co合金、NiWP、NiWB、NiP、NiBまたはNi合金からなる膜を使用してもよい。
なお、各ユニットと搬送ロボットとの間の基板の受け渡しは、基板を乾燥させた状態で行うことが好ましい。
次に、図3に示す基板処理装置に備えられている各種ユニット等の詳細を以下に説明する。
第1前処理(前洗浄)ユニット18及び第2前処理(触媒付与)ユニット20は、使用される処理液(薬液)が異なるのみで、同じ構成の、異なる液体の混合を防ぐ2液分離方式を採用したもので、フェースダウンで搬送された基板Wの処理面(表面)である下面の周縁部をシールし、裏面側を押圧して基板Wを固定するようにしている。
この前処理ユニット18,20は、図7乃至図10に示すように、フレーム50の上部に取付けた固定枠52と、この固定枠52に対して相対的に上下動する移動枠54を備えており、この移動枠54に、下方に開口した有底円筒状のハウジング部56と基板ホルダ58とを有する処理ヘッド60が懸架支持されている。つまり、移動枠54には、ヘッド回転用サーボモータ62が取付けられ、このサーボモータ62の下方に延びる出力軸(中空軸)64の下端に処理ヘッド60のハウジング部56が連結されている。
この出力軸64の内部には、図10に示すように、スプライン66を介して該出力軸64と一体に回転する鉛直軸68が挿着され、この鉛直軸68の下端に、ボールジョイント70を介して処理ヘッド60の基板ホルダ58が連結されている。この基板ホルダ58は、ハウジング部56の内部に位置している。また鉛直軸68の上端は、軸受72及びブラケットを介して、移動枠54に固定した固定リング昇降用シリンダ74に連結されている。これにより、この昇降用シリンダ74の作動に伴って、鉛直軸68が出力軸64とは独立に上下動するようになっている。
また、固定枠52には、上下方向に延びて移動枠54の昇降の案内となるリニアガイド76が取付けられ、ヘッド昇降用シリンダ(図示せず)の作動に伴って、移動枠54がリニアガイド76を案内として昇降するようになっている。
処理ヘッド60のハウジング部56の周壁には、この内部に基板Wを挿入する基板挿入窓56aが設けられている。また、処理ヘッド60のハウジング部56の下部には、図11及び図12に示すように、例えばPEEK製のメインフレーム80と、ガイドフレーム82との間に周縁部を挟持されてシールリング84aが配置されている。このシールリング84aは、基板Wの下面の周縁部に当接し、ここをシールするためのものである。
一方、基板ホルダ58の下面周縁部には、基板固定リング86が固着され、この基板ホルダ58の基板固定リング86の内部に配置したスプリング88の弾性力を介して、円柱状のプッシャ90が基板固定リング86の下面から下方に突出するようになっている。更に、基板ホルダ58の上面とハウジング部56の上壁部との間には、内部を気密的にシールする、例えばテフロン(登録商標)製で屈曲自在な円筒状の蛇腹板92が配置されている。
これにより、基板ホルダ58を上昇させた状態で、基板Wを基板挿入窓56aからハウジング部56の内部に挿入する。すると、この基板Wは、ガイドフレーム82の内周面に設けたテーパ面82aに案内され、位置決めされてシールリング84aの上面の所定位置に載置される。この状態で、基板ホルダ58を下降させ、この基板固定リング86のプッシャ90を基板Wの上面に接触させる。そして、基板ホルダ58を更に下降させることで、基板Wをスプリング88の弾性力で下方に押圧し、これによって基板Wの表面(下面)の周縁部にシールリング84aで圧接させて、ここをシールしつつ、基板Wをハウジング部56と基板ホルダ58との間で挟持して保持するようになっている。
なお、このように、基板Wを基板ホルダ58で保持した状態で、ヘッド回転用サーボモータ62を駆動すると、この出力軸64と該出力軸64の内部に挿着した鉛直軸68がスプライン66を介して一体に回転し、これによって、ハウジング部56と基板ホルダ58も一体に回転する。
処理ヘッド60の下方に位置して、該処理ヘッド60の外径よりもやや大きい内径を有する上方に開口した、外槽100aと内槽100bを有する処理槽100が備えられている。処理槽100の外周部には、蓋体102に取付けた一対の脚部104が回転自在に支承されている。更に、脚部104には、クランク106が一体に連結され、このクランク106の自由端は、蓋体移動用シリンダ108のロッド110に回転自在に連結されている。これにより、蓋体移動用シリンダ108の作動に伴って、蓋体102は、処理槽100の上端開口部を覆う処理位置と、側方の待避位置との間を移動するように構成されている。この蓋体102の表面(上面)には、下記のように、例えば還元力を有する電解イオン水を外方(上方)に向けて噴射する多数の噴射ノズル112aを有するノズル板112が備えられている。
更に、図13に示すように、処理槽100の内槽100bの内部には、処理液タンク120から処理液ポンプ122の駆動に伴って供給された処理液を上方に向けて噴射する複数の噴射ノズル124aを有するノズル板124が、該噴射ノズル124aが内槽100bの横断面の全面に亘ってより均等に分布した状態で配置されている。この内槽100bの底面には、処理液(排液)を外部に排出する排水管126が接続されている。この排水管126の途中には、三方弁128が介装され、この三方弁128の一つの出口ポートに接続された戻り管130を介して、必要に応じて、この処理液(排液)を処理液タンク120に戻して再利用できるようになっている。更に、この例では、蓋体102の表面(上面)に設けられたノズル板112は、例えば超純水等のリンス液を供給するリンス液供給源132に接続されている。また、外槽100aの底面にも、排水管127が接続されている。
これにより、基板を保持した処理ヘッド60を下降させて、処理槽100の上端開口部を処理ヘッド60で塞ぐように覆い、この状態で、処理槽100の内槽100bの内部に配置したノズル板124の噴射ノズル124aから処理液を基板Wに向けて噴射することで、基板Wの下面(処理面)の全面に亘って処理液を均一に噴射し、しかも処理液の外部への飛散を防止しつつ処理液を排水管126から外部に排出できる。更に、処理ヘッド60を上昇させ、処理槽100の上端開口部を蓋体102で閉塞した状態で、処理ヘッド60で保持した基板Wに向けて、蓋体102の上面に配置したノズル板112の噴射ノズル112aからリンス液を噴射することで、基板表面に残った処理液のリンス処理(洗浄処理)を行い、しかもこのリンス液は外槽100aと内槽100bの間を通って、排水管127を介して排出されるので、内槽100bの内部に流入することが防止され、リンス液が処理液に混ざらないようになっている。
この前処理ユニット18,20によれば、図7に示すように、処理ヘッド60を上昇させた状態で、この内部に基板Wを挿入して保持し、しかる後、図8に示すように、処理ヘッド60を下降させて処理槽100の上端開口部を覆う位置に位置させる。そして、処理ヘッド60を回転させて、処理ヘッド60で保持した基板Wを回転させながら、処理槽100の内部に配置したノズル板124の噴射ノズル124aから処理液を基板Wに向けて噴射することで、基板Wの全面に亘って処理液を均一に噴射する。また、処理ヘッド60を上昇させて所定位置で停止させ、図9に示すように、待避位置にあった蓋体102を処理槽100の上端開口部を覆う位置まで移動させる。そして、この状態で、処理ヘッド60で保持して回転させた基板Wに向けて、蓋体102の上面に配置したノズル板112の噴射ノズル112aからリンス液を噴射する。これにより、基板Wの処理液による処理と、リンス液によるリンス処理とを、2つの液体が混ざらないようにしながら行うことができる。
なお、処理ヘッド60の下降位置を調整して、この処理ヘッド60で保持した基板Wとノズル板124との距離を調整することで、ノズル板124の噴射ノズル124aから噴射された処理液が基板Wに当たる領域や噴射圧を任意に調整することができる。ここで、処理液を循環させて使用すると、処理に伴って有効成分が減少するとともに、基板に付着することによる処理液の持出しがあるので、処理液の組成を分析し、不足分を添加するための処理液管理ユニット(図示せず)を併置することが好ましい。具体的には、前洗浄に使われる処理液は、酸乃至アルカリが主体であるので、例えばpHを測定し、所定の値との差から減少分を補給するとともに、処理液貯槽に設けた液面計により減少量を補給することができる。また、触媒付与処理に使用される触媒液については、たとえば酸性のパラジウム溶液の場合には、pHにより酸の量を、また滴定法ないし比濁法によりパラジウムの量を測定し、同様にして減少量を補給することができる。
無電解めっきユニット22を図14乃至図19に示す。この無電解めっきユニット22は、めっき槽200と、このめっき槽200の上方に配置されて基板Wを着脱自在に保持する基板ヘッド204を有している。
基板ヘッド204は、図14に詳細に示すように、ハウジング部230とヘッド部232とを有し、このヘッド部232は、吸着ヘッド234と該吸着ヘッド234の周囲を囲繞する基板受け236から主に構成されている。そして、ハウジング部230の内部には、基板回転用モータ238と基板受け駆動用シリンダ240が収納され、この基板回転用モータ238の出力軸(中空軸)242の上端はロータリジョイント244に、下端はヘッド部232の吸着ヘッド234にそれぞれ連結され、基板受け駆動用シリンダ240のロッドは、ヘッド部232の基板受け236に連結されている。更に、ハウジング部230の内部には、基板受け236の上昇を機械的に規制するストッパ246が設けられている。
ここで、吸着ヘッド234と基板受け236との間には、同様なスプライン構造が採用され、基板受け駆動用シリンダ240の作動に伴って基板受け236は吸着ヘッド234と相対的に上下動するが、基板回転用モータ238の駆動によって出力軸242が回転すると、この出力軸242の回転に伴って、吸着ヘッド234と基板受け236が一体に回転するように構成されている。
吸着ヘッド234の下面周縁部には、図15乃至図17に詳細に示すように、下面をシール面として基板Wを吸着保持する吸着リング250が押えリング251を介して取付けられ、この吸着リング250の下面に円周方向に連続させて設けた凹状部250aと吸着ヘッド234内を延びる真空ライン252とが吸着リング250に設けた連通孔250bを介して互いに連通するようになっている。これにより、凹状部250a内を真空引きすることで、基板Wを吸着保持するのであり、このように、小さな幅(径方向)で円周状に真空引きして基板Wを保持することで、真空による基板Wへの影響(たわみ等)を最小限に抑え、しかも吸着リング250をめっき液(処理液)中に浸すことで、基板Wの表面(下面)のみならず、エッジについても、全てめっき液に浸すことが可能となる。基板Wのリリースは、真空ライン252にNを供給して行う。
一方、基板受け236は、下方に開口した有底円筒状に形成され、その周壁には、基板Wを内部に挿入する基板挿入窓236aが設けられ、下端には、内方に突出する円板状の爪部254が設けられている。更に、この爪部254の上部には、基板Wの案内となるテーパ面256aを内周面に有する突起片256が備えられている。
これにより、図15に示すように、基板受け236を下降させた状態で、基板Wを基板挿入窓236aから基板受け236の内部に挿入する。すると、この基板Wは、突起片256のテーパ面256aに案内され、位置決めされて爪部254の上面の所定位置に載置保持される。この状態で、基板受け236を上昇させ、図16に示すように、この基板受け236の爪部254上に載置保持した基板Wの上面を吸着ヘッド234の吸着リング250に当接させる。次に、真空ライン252を通して吸着リング250の凹状部250aを真空引きすることで、基板Wの上面の周縁部を該吸着リング250の下面にシールしながら基板Wを吸着保持する。そして、めっき処理を行う際には、図17に示すように、基板受け236を数mm下降させ、基板Wを爪部254から離して、吸着リング250のみで吸着保持した状態となす。これにより、基板Wの表面(下面)の周縁部が、爪部254の存在によってめっきされなくなることを防止することができる。
図18及び図19は、めっき槽200の詳細を示す。このめっき槽200は、底部において、めっき液供給管308(図20参照)に接続され、周壁部にめっき液回収溝260が設けられている。めっき槽200の内部には、ここを上方に向かって流れるめっき液の流れを安定させる2枚の整流板262,264が配置され、更に底部には、めっき槽200の内部に導入されるめっき液の液温を測定する温度測定器266が設置されている。また、めっき槽200の周壁外周面のめっき槽200で保持しためっき液の液面よりやや上方に位置して、直径方向のやや斜め上方に向けてめっき槽200の内部に、pHが6〜7.5の中性液からなる停止液、例えば純水を噴射する噴射ノズル268が設置されている。これにより、めっき終了後、ヘッド部232で保持した基板Wをめっき液の液面よりやや上方まで引き上げて一旦停止させ、この状態で、基板Wに向けて噴射ノズル268から超純水(停止液)を噴射して基板Wを直ちに冷却し、これによって、基板Wに残っためっき液によってめっきが進行してしまうことを防止することができる。
更に、めっき槽200の上端開口部には、アイドリング時等のめっき処理の行われていない時に、めっき槽200の上端開口部を閉じて該めっき槽200からのめっき液の無駄な蒸発を防止するとともに、超純水等のリンス液を基板に向けて噴射する噴射ノズル280を設けたノズル板282を上面に取付けためっき槽カバー270が開閉自在に設置されている。
このめっき槽200は、図20に示すように、底部において、めっき液貯槽302から延び、途中にめっき液供給ポンプ304と三方弁306とを介装しためっき液供給管308に接続されている。これにより、めっき処理中にあっては、めっき槽200の内部に、この底部からめっき液を供給し、溢れるめっき液をめっき液回収溝260からめっき液貯槽302へ回収することで、めっき液が循環できるようになっている。また、三方弁306の一つの出口ポートには、めっき液貯槽302に戻るめっき液戻り管312が接続されている。これにより、めっき待機時にあっても、めっき液を循環させることができるようになっており、これによって、めっき液循環系が構成されている。このように、めっき液循環系を介して、めっき液貯槽302内のめっき液を常時循環させることにより、フィルタリングを実施してパーティクルをコントロールすることができる。
特に、この例では、めっき液供給ポンプ304を制御することで、めっき待機時及びめっき処理時に循環するめっき液の流量を個別に設定できるようになっている。すなわち、めっき待機時のめっき液の循環流量は、例えば2〜20L/minで、めっき処理時のめっき液の循環流量は、例えば0〜10L/minに設定される。これにより、めっき待機時にめっき液の大きな循環流量を確保して、セル内のめっき浴の液温を一定に維持し、めっき処理時には、めっき液の循環流量を小さくして、より均一な膜厚の保護膜(めっき膜)を成膜することができる。
めっき槽200の底部付近に設けられた温度測定器266は、めっき槽200の内部に導入されるめっき液の液温を測定して、この測定結果を元に、下記のヒータ316及び流量計318を制御する。
つまり、この例では、別置きのヒータ316を使用して昇温させ流量計318を通過させた水を熱媒体に使用し、熱交換器320をめっき液貯槽302内のめっき液中に設置して該めっき液を間接的に加熱する加熱装置322と、めっき液貯槽302内のめっき液を循環させて攪拌する攪拌ポンプ324が備えられている。これは、めっきにあっては、めっき液を高温(約80℃程度)にして使用することがあり、これと対応するためであり、この方法によれば、インライン・ヒーティング方式に比べ、非常にデリケートなめっき液に不要物等が混入するのを防止することができる。
この例によれば、めっき液は、基板Wと接触してめっきを行うときに、基板Wの温度が70〜90℃となるように設定され、液温のばらつき範囲が±2℃以内となるように制御される。
この無電解めっきユニット22にあっては、基板ヘッド204を上昇させた位置で、前述のようにして、基板ヘッド204のヘッド部232で基板Wを吸着保持し、めっき槽200のめっき液を循環させておく。
そして、めっき処理を行うときには、めっき槽200のめっき槽カバー270を開き、基板ヘッド204を回転させながら下降させ、ヘッド部232で保持した基板Wをめっき槽200内のめっき液に浸漬させる。
そして、基板Wを所定時間めっき液中に浸漬させた後、基板ヘッド204を上昇させて、基板Wをめっき槽200内のめっき液から引き上げ、必要に応じて、前述のように、基板Wに向けて噴射ノズル268から超純水(停止液)を噴射して基板Wを直ちに冷却し、更に基板ヘッド204を上昇させて基板Wをめっき槽200の上方位置まで引き上げて、基板ヘッド204の回転を停止させる。
次に、めっき槽200の上端開口部をめっき槽カバー270で覆い、基板ヘッド204を回転させながら噴射ノズル280から純水等の洗浄液(リンス液)を噴射して基板Wを洗浄(リンス)する。
この基板Wの洗浄が終了した後、基板ヘッド204の回転を停止させ、基板ヘッド204を上昇させて基板Wを洗浄槽202の上方位置まで引き上げ、更に基板ヘッド204を搬送ロボット34との受渡し位置まで移動させ、この搬送ロボット34に基板Wを受渡して次工程に搬送する。
めっき液を貯め、めっき液を無電解めっきユニット22のめっき槽200に供給し循環させるめっき液貯槽302には、めっき液貯槽302内のめっき液の液面を計測してめっき液の液位減少量を測定する液面センサ342が備えられている。
図21は、図3における後処理ユニット24と乾燥ユニット26を示す。この後処理ユニット24は、内部にロール・ブラシが、乾燥ユニット26は、内部にスピンドライがそれぞれ装備されている。
図22は、後処理ユニット24を示す。後処理ユニット24は、基板W上のパーティクルや不要物をロール状ブラシで強制的に取り除くようにしたユニットで、基板Wの外周部を挟み込んで基板Wを保持する複数のローラ410と、ローラ410で保持した基板Wの表面に処理液(2系統)を供給する処理液用ノズル412と、基板Wの裏面に純水(1系統)を供給する純水用ノズル(図示せず)がそれぞれ備えられている。
これにより、基板Wをローラ410で保持し、ローラ駆動モータを駆動してローラ410を回転させて基板Wを回転させ、同時に処理液用ノズル412及び純水ノズルから基板Wの表裏面に所定の処理液を供給し、図示しない上下ロールスポンジ(ロール状ブラシ)で基板Wを上下から適度な圧力で挟み込んで洗浄するようになっている。なお、ロールスポンジを単独にて回転させることにより、洗浄効果を増大させることもできる。
更に、後処理ユニット24は、基板Wのエッジ(外周部)に当接しながら回転するスポンジ(PFR)419が備えられ、このスポンジ419を基板Wのエッジに当てて、ここをスクラブ洗浄するようになっている。
図23は、乾燥ユニット26を示す。この乾燥ユニット26は、先ず化学洗浄及び純水洗浄を行い、しかる後、スピンドル回転により洗浄後の基板Wを完全乾燥させるようにしたユニットで、基板Wのエッジ部を把持するクランプ機構420を備えた基板ステージ422と、このクランプ機構420の開閉を行う基板着脱用昇降プレート424を有している。この基板ステージ422は、スピンドル回転用モータ426の駆動に伴って高速回転するスピンドル428の上端に連結されている。
更に、クランプ機構420で把持した基板Wの上面側に位置して、超音波発振器により特殊ノズルを通過する際に超音波を伝達して洗浄効果を高めた純水を供給するメガジェットノズル430と、回転可能なペンシル型洗浄スポンジ432が、旋回アーム434の自由端側に取付けられて配置されている。これにより、基板Wをクランプ機構420で把持して回転させ、旋回アーム434を旋回させながら、メガジェットノズル430から純水を洗浄スポンジ432に向けて供給しつつ、基板Wの表面に洗浄スポンジ432を擦り付けることで、基板Wの表面を洗浄するようになっている。なお、基板Wの裏面側にも、純水を供給する洗浄ノズル(図示せず)が備えられ、この洗浄ノズルから噴射される純水で基板Wの裏面も同時に洗浄される。
そして、このようにして洗浄した基板Wは、スピンドル428を高速回転させることでスピン乾燥させられる。
また、クランプ機構420で把持した基板Wの周囲を囲繞して処理液の飛散を防止する洗浄カップ436が備えられ、この洗浄カップ436は、洗浄カップ昇降用シリンダ438の作動に伴って昇降するようになっている。
なお、この例では、異なる処理液を使用する同一構成の第1前処理ユニット18と第2前処理ユニット20とを備え、第1前処理ユニット18で前洗浄を、第2前処理ユニット20で触媒付与処理をそれぞれ行うようにした例を示している。しかしながら、処理液として、配線(下地金属)8と錯体を形成する成分、触媒金属イオン、及び配線8の表面を洗浄する機能を有する酸を含む処理液を使用した前処理を行うことで、この前洗浄と触媒付与処理を同時に行うようにしてもよい。
この場合にあっても、配線(下地金属)8と錯体を形成する成分、及び触媒金属イオンの他に、配線8の表面を洗浄する機能を有する酸を含む処理液により配線8の表面の前処理を行うことで、図5(a)〜図5(c)の図5(b)をスキップした状態に示すように、配線8の表面の金属酸化膜42や配線8上のCMP残渣44等を除去(洗浄)し、同時に、図6に示すように、配線8の表面に該配線材料の銅等と前記成分との錯体からなる保護層46を形成して配線8の表面を保護しつつ、この保護層46の表面に、Pd等の触媒金属(核)40を担持させることができる。これによって、エッチング等による配線8の構造や物性の低下を伴うことなく、配線8の表面に触媒を付与することができる。
また、第1前処理ユニット18による前洗浄に使用する処理液(洗浄薬液)として、配線8の表面を洗浄する機能を有する酸の他に、基板8と錯体を形成する成分を含むものを使用して前洗浄を行い、リンス処理後に、第2前処理ユニット20による触媒付与処理に使用する処理液(触媒液)として、通常の触媒金属イオンを含み、基板8と錯体を形成する成分を含まないものを使用して触媒付与処理を行うようにしてもよい。
このように、配線8の表面を洗浄する機能を有する酸の他に、配線8と錯体を形成する成分を含む処理液により配線8の表面を洗浄することで、図5(a)〜図5(b)に示すように、配線8の表面の金属酸化膜42や配線8の表面上のCMP残渣44等を除去(洗浄)し、同時に、配線8の表面に、図6に示す、該配線8を構成する銅等と前記成分との錯体からなる保護層46を形成することができる。そして、この予め保護層46を形成した配線8の表面に、図5(c)及び図6に示すように、Pd等からなる触媒金属(核)40を担持させることで、配線8の表面に触媒を付与する時に、エッチング等によって配線8の構造や物性が損なわれてしまうことを保護層46で防止し、しかも触媒金属を含んだ処理液への不純物の混入を防ぐことができる。
なお、上記の例では、基板に形成した埋込み配線8の表面に配線保護膜9を形成するようにした例を示しているが、この埋込み配線8の底面及び側部に、配線材料の層間絶縁膜中への拡散を防止する機能を有する導電膜(金属膜)を前述と同様にして形成するようにしてもよい。
シリコン基板の表面に、幅0.25μm、深さ0.45μm、長さ3185μmの埋込み配線(孤立配線)を形成した試料を用意した。そして、試料の表面に希釈した0.5Mシュウ酸を60秒間接触(浸漬)させて試料表面を洗浄し、純水で60秒間リンスした。そして、試料の表面に、触媒イオン(Pdイオン)の他に、窒素含有ポリマー(50ppm)を含む処理液(触媒液)を60秒間接触(浸漬)させて触媒付与処理を行い、純水で60秒間リンスした。次に、試料の表面にCoWPの無電解めっき液を120秒間接触(浸漬)させて無電解めっき処理を行った。
そして、この一連の無電解めっき処理(蓋めっき処理)を行う前と後における配線の抵抗値を測定し、その変化率を求めた。この変化率δは、処理後の抵抗値Rと処理前の抵抗値Rとの差の処理前の抵抗Rに対する比(δ=(R−R)/R)とした。
実施例1と同様な試料を用意した。そして、試料の表面に希釈した0.5Mシュウ酸を60秒間接触(浸漬)させて試料表面を洗浄し、純水で60秒間リンスした。そして、試料の表面に、触媒イオン(Pdイオン)の他に、2級カルボン酸(10g/L)を含む処理液(触媒液)を60秒間接触(浸漬)させて触媒付与処理を行い、純水で60秒間リンスした。次に、試料の表面にCoWPの無電解めっき液を120秒間接触(浸漬)させて無電解めっき処理を行った。
そして、実施例1と同様に、この一連の無電解めっき処理を行う前と後における配線の抵抗値を測定し、その変化率を求めた。
(比較例)
実施例1と同様な試料を用意した。そして、試料の表面に希釈した無機酸を60秒間接触(浸漬)させて試料表面を洗浄し、純水で60秒間リンスした。そして、試料の表面に、触媒イオン(Pdイオン)を含む処理液(触媒液)を60秒間接触(浸漬)させて触媒付与処理を行い、純水で60秒間リンスした。次に、試料の表面にCoWPの無電解めっき液を120秒間浸漬させて無電解めっき処理を行った。
そして、実施例1と同様に、この一連の無電解めっき処理を行う前と後における配線の抵抗値を測定し、その変化率を求めた。
比較例における抵抗の変化率を1.0とした時の実施例1及び実施例2における抵抗の変化率の割合を図24に示す。図24から、実施例1及び実施例2にあっては、比較例に比較して、一連の無電解めっき処理を行う前後での配線の抵抗値の上昇が大幅に改善されていることが判る。
無電解めっきによって配線保護膜を形成した状態を示す断面図である。 従来の無電解めっきにおける触媒付与後の下地金属の状態を模式的に示す図である。 本発明の実施の形態における基板処理装置の平面配置図である。 図3に示す基板処理装置における処理フローを示すブロック図である。 図3に示す基板処理装置における処理フローを模式的に示す断面図である。 図5における触媒付与後の下地金属の状態を模式的に拡大して示す図である。 前処理ユニットの基板受渡し時における正面図である。 前処理ユニットの処理液処理時における正面図である。 前処理ユニットのリンス時における正面図である。 前処理ユニットの基板受渡し時における処理ヘッドを示す断面図である。 図10のA部拡大図である。 前処理ユニットの基板固定時における図11相当図である。 前処理ユニットの系統図である。 無電解めっきユニットの基板受渡し時における基板ヘッドを示す断面図である。 図14のB部拡大図である。 無電解めっきユニットの基板固定時における基板ヘッドを示す図15相当図である。 無電解めっきユニットのめっき処理時における基板ヘッドを示す図15相当図である。 無電解めっきユニットのめっき槽カバーを閉じた時のめっき槽を示す一部切断の正面図である。 無電解めっきユニットの基板ヘッドのヘッド部を上方に位置させた時のめっき槽を示す断面図である。 無電解めっきユニットの系統図である。 後処理ユニットと乾燥ユニットを示す斜視図である。 後処理ユニットを示す平面図である。 乾燥ユニットを示す縦断正面図である。 実施例1,実施例2及び比較例における抵抗の変化率を示すグラフである。
符号の説明
8 配線
9 配線保護膜
12 ロード・アンロードユニット
18,20 前処理ユニット
22 無電解めっきユニット
24 後処理ユニット
26 乾燥ユニット
28 熱処理ユニット
30 膜厚測定ユニット
34 搬送ロボット
40 触媒金属(核)
42 金属酸化膜
44 残渣
46 保護層
56 ハウジング部
58 基板ホルダ
60 処理ヘッド
74 昇降用シリンダ
80 メインフレーム
84a シールリング
86 基板固定リング
100 処理槽
102 蓋体
112 ノズル板
112a 噴射ノズル
120 処理液タンク
122 処理液ポンプ
124 ノズル板
124a 噴射ノズル
126 排水管
128 三方弁
132 リンス液供給源
200 めっき槽
202 洗浄槽
204 基板ヘッド
230 ハウジング部
232 ヘッド部
234 吸着ヘッド
250 吸着リング
254 爪部
260 めっき液回収溝
268 噴射ノズル
280 噴射ノズル
282 ノズル板
302 めっき液貯槽
304 めっき液供給ポンプ
306 三方弁
308 めっき液供給管
316 ヒータ
318 流量計
320 熱交換器
322 加熱装置
324 攪拌ポンプ
342 液面センサ
410 ローラ
412 処理液用ノズル
419 スポンジ
420 クランプ機構
422 基板ステージ
424 基板着脱用昇降プレート
426 スピンドル回転用モータ
428 スピンドル
430 メガジェットノズル
432 ペンシル型洗浄スポンジ
434 旋回アーム
436 洗浄カップ
438 洗浄カップ昇降用シリンダ

Claims (17)

  1. 基板の表面に形成した下地金属の露出表面に無電解めっきにより金属膜を選択的に形成するに際し、
    下地金属と錯体を形成する成分、及び触媒金属イオンを含む処理液により下地金属表面の前処理を行うことを特徴とする基板処理方法。
  2. 基板の表面に形成した下地金属の露出表面に無電解めっきにより金属膜を選択的に形成するに際し、
    下地金属と錯体を形成する成分、触媒金属イオン、及び下地金属表面を洗浄する機能を有する酸を含む処理液により下地金属表面の前処理を行うことを特徴とする基板処理方法。
  3. 基板の表面に形成した下地金属の露出表面に無電解めっきにより金属膜を選択的に形成するに際し、
    下地金属と錯体を形成する成分、及び下地金属表面を洗浄する機能を有する酸を含む処理液により下地金属表面を洗浄し、
    洗浄後の下地金属表面に触媒を付与することを特徴とする基板処理方法。
  4. 前記下地金属と錯体を形成する成分は、含窒素有機物及び/またはカルボキシル基を有する有機物であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の基板処理方法。
  5. 前記含窒素有機物は、ポリジアルキルアミノエチルアクリレート4級塩、ポリアリルジメチルアンモニウムクロライド、ポリエチレンイミン、ポリビニルピリジン4級塩、ポリビニルアミジン、ポリアリルアミン及びポリアミンスルホン酸よりなる群から選ばれる含窒素高分子ポリマー類であることを特徴とする請求項4記載の基板処理方法。
  6. 前記カルボキシル基を有する有機物は、2個以上のカルボキシル基及び/または下地金属に対する錯化力を有することを特徴とする請求項4記載の基板処理方法。
  7. 前記下地金属表面の処理液による処理を、溶存酸素量が3ppm以下の処理液中で行うことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の基板処理方法。
  8. 前記基板は、埋込み配線構造を有する半導体装置で、この半導体装置の配線を下地金属として、該配線の表面に配線保護膜となる金属膜を選択的に形成することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の基板処理方法。
  9. 基板の表面に形成した下地金属と錯体を形成する成分、及び触媒金属イオンを含む処理液で下地金属表面の前処理を行う前処理ユニットと、
    前処理後の下地金属表面に金属膜を選択的に形成する無電解めっきユニットを有することを特徴とする基板処理装置。
  10. 基板の表面に形成した下地金属と錯体を形成する成分、触媒金属イオン、及び基板表面を洗浄する機能を有する酸を含む処理液で下地金属表面の前処理を行う前処理ユニットと、
    前処理後の下地金属表面に金属膜を選択的に形成する無電解めっきユニットを有することを特徴とする基板処理装置。
  11. 基板の表面に形成した下地金属と錯体を形成する成分、及び基板表面を洗浄する機能を有する酸を含む処理液により下地金属表面の前洗浄を行う前洗浄ユニットと、
    前洗浄後の下地金属表面に触媒を付与する触媒付与ユニットと、
    触媒付与後の下地金属表面に金属膜を選択的に形成する無電解めっきユニットを有することを特徴とする基板処理装置。
  12. 金属と錯体を形成する成分、及び触媒金属イオンを含む請求項1記載の事項を目的とする処理液。
  13. 金属と錯体を形成する成分、触媒金属イオン、及び金属表面を洗浄する機能を有する酸を含む請求項2記載の事項を目的とする処理液。
  14. 金属と錯体を形成する成分、及び金属表面を洗浄する機能を有する酸を含む請求項3記載の事項を目的とする処理液。
  15. 前記金属と錯体を形成する成分は、含窒素有機物及び/またはカルボキシル基を有する有機物であることを特徴とする請求項12乃至14のいずれかに記載の処理液。
  16. 前記含窒素有機物は、ポリジアルキルアミノエチルアクリレート4級塩、ポリアリルジメチルアンモニウムクロライド、ポリエチレンイミン、ポリビニルピリジン4級塩、ポリビニルアミジン、ポリアリルアミン及びポリアミンスルホン酸よりなる群から選ばれる含窒素高分子ポリマー類であることを特徴とする請求項15記載の処理液。
  17. 前記カルボキシル基を有する有機物は、2個以上のカルボキシル基及び/または金属に対する錯化力を有すことを特徴とする請求項15記載の処理液。
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