JP2004301672A - 無機系/有機系皮膜被覆金属材料の皮膜付着量測定装置 - Google Patents
無機系/有機系皮膜被覆金属材料の皮膜付着量測定装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】金属材料表面に形成された無機系化成皮膜の付着量測定と有機系樹脂皮膜の付着量測定とに供用することができる赤外分光光度法による測定装置を提供する。
【解決手段】赤外線照射部及び反射赤外線検出部からなり、赤外線照射部は、無機系化成皮膜の皮膜成分に特有の赤外吸収が生じる波長λAを含む赤外線、及び有機系樹脂皮膜の皮膜成分に特有の赤外吸収が生じる波長λBを含む赤外線を生成する赤外線フィルタ手段(2)を有し、反射赤外線検出部は、前記波長λA及び波長λBを含む検出波長域を有する反射赤外線検出器(4)を備えている。赤外線検出器(4)は例えばMCT素子で構成されている。
【選択図】図1
【解決手段】赤外線照射部及び反射赤外線検出部からなり、赤外線照射部は、無機系化成皮膜の皮膜成分に特有の赤外吸収が生じる波長λAを含む赤外線、及び有機系樹脂皮膜の皮膜成分に特有の赤外吸収が生じる波長λBを含む赤外線を生成する赤外線フィルタ手段(2)を有し、反射赤外線検出部は、前記波長λA及び波長λBを含む検出波長域を有する反射赤外線検出器(4)を備えている。赤外線検出器(4)は例えばMCT素子で構成されている。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属材料の表面に形成された皮膜の付着量(膜厚)を赤外分光光度法により測定する装置に係り、特に赤外吸収波長域が互いに異なる無機系化成皮膜および有機系樹脂皮膜のそれぞれの付着量測定に供用することができる皮膜測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ステンレス鋼板,めっき鋼板等の金属材料は、用途・要求特性等に応じ、耐食性、塗装密着性等を付与するためのりん酸塩,クロム酸塩等を含む処理液を表面に塗布して皮膜を形成する化成処理が施され、あるいはプレス成形加工等に必要な表面潤滑性や製品表面の外観性を付与するための有機系樹脂塗装が行なわれる。連続ラインで実施されるこれらの皮膜形成工程においては、所定の皮膜付着量(膜厚)が安定して確保されるように、オンラインでその付着量を迅速正確に測定することが必要である。
【0003】
従来、皮膜付着量を非接触で測定する方法として蛍光X線分析法が一般的に使用されているが、これには作業者をX線の被曝から保護する防曝対策のための設備・コストの負担を必要とする。近時、これに代えて赤外分光光度法による皮膜測定が試みられている。その測定原理は、皮膜表面に赤外線を照射すると、皮膜の構成分に特有の分子振動に対応して特定波長域の吸収が生じる現象を利用し、皮膜から反射される赤外線の吸収スペクトルをとって特定波長域の吸光度を検出し、予め実験的に求めておいた検量線(皮膜付着量と赤外吸光度との関係曲線)をもとに、検出された吸光度から皮膜の付着量を求めるものである。その測定法の改良について種々の提案がなされている(特公昭62−32405号公報,特開2002−310906号公報等)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ステンレス鋼,めっき鋼板等の金属材料を被覆する皮膜は、リン酸塩処理,クロム酸塩処理、その他の化成処理により形成される無機系化成皮膜と、アクリル樹脂,エポキシ樹脂,ポリエステル樹脂,その他の樹脂を皮膜成分として形成される有機系皮膜とに大別される。無機系皮膜と有機系皮膜とは、皮膜の構成成分が相違することにより互いに異なる赤外吸収波長域を有する。このため、無機系皮膜の付着量測定と有機系皮膜の付着量測定とについて、それぞれ専用の測定装置を必要とし、設備コスト及びメンテナンスに二重の負担を余儀なくされる。
本発明は上記に鑑み、無機系皮膜の測定と有機系皮膜の測定とに供用することができる赤外分光光度法による皮膜付着量の測定装置を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の皮膜付着量測定装置は、無機系化成皮膜で被覆された金属材料又は樹脂成分を含む有機系皮膜で被覆された金属材料の皮膜付着量を赤外分光光度法により測定する、赤外線照射部及び反射赤外線検出部を有する皮膜付着量測定装置において、赤外線照射部は、無機系化成皮膜の皮膜成分に特有の赤外吸収が生じる波長λAを含む赤外線、及び有機系樹脂皮膜の皮膜成分に特有の赤外吸収が生じる波長λBを含む赤外線を生成する赤外線フィルタ手段を有し、反射赤外線検出部は、前記波長λA及び波長λBを含む検出波長域を有する反射赤外線検出器を備えている。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明について、実施例を示す図面を参照して以下に具体的に説明する。
図1は、本発明の測定装置の構成例を模式的に示している。この測定装置は、赤外線光源(1)、測定対象材料(10)の皮膜(11)に照射される赤外線の波長域を選択するフィルタ手段(2)、皮膜(11)で反射される赤外線を受光する反射赤外線検出器(4)、該検出器(4)の出力信号をデジタル信号に変換するA/D変換器(5)、およびA/D変換器(5)からの出力信号を処理する信号処理部(6)等で構成されている。
【0007】
上記干渉フィルタ(2)は、特定の波長域の赤外線を生成する複数のバンドパスフィルタ(21,22,23,…)を備えている。干渉フィルタ(2)は回転型であり、バンドパスフィルタ(21,22,23,…)は軸心まわりの回転駆動により選択される。測定対象皮膜(11)の種類(皮膜構成成分の種類)に応じてバンドパスフィルタ(21,22,23,…)を選択することにより、測定対象皮膜に特有の赤外吸収が生じる波長域を含む赤外線が得られる。なお、干渉フィルタ(2)は、バンドパスフィルタの1つとして、参照赤外線(皮膜付着量の測定値を補正するための皮膜付着量に影響されない波長域の赤外線)を生成するバンドパスフィルタを有するのが好ましい。
【0008】
光源(1)から干渉フィルタ(2)を透過して照射される赤外線は、皮膜(11)で反射されて赤外線検出器(4)に受光される。赤外線検出器(4)は受光した反射赤外線の強度に応じた電気信号を出力する。この赤外線検出器(4)は、無機系皮膜の構成成分に特有の赤外吸収が生じる波長域と有機系皮膜の構成成分に特有の赤外吸収が生じる波長域とを含む比較的広い検出波長域を有する検出素子(例えばMCT素子)で構成されている。
【0009】
赤外線検出器(4)から出力された信号(アナログ信号である)は、A/D変換器(5)によりデジタル信号に変換されたうえ、マイクロコンピュータで構成された信号処理部(6)に入力される。信号処理部(6)において反射赤外線の赤外吸収スペクトルが得られ、吸光度が求められる。該信号処理部(6)には、無機系化成皮膜および有機系皮膜のそれぞれについて、予め実験で求められた検量線(吸光度−皮膜付着量の関係曲線)が記憶されており、検出された吸光度から測定対象皮膜の付着量が演算され出力される。
【0010】
本発明は、ステンレス鋼板,めっき鋼板(亜鉛めっき鋼板,亜鉛合金めっき鋼板,アルミニウムめっき鋼板等)、その他の金属材料の表面に形成された無機系化成皮膜及び有機系樹脂皮膜を測定対象としている。
無機系皮膜は、無機系化成処理により形成されるリン酸塩(リン酸亜鉛,リン酸マンガン,リン酸鉄等)からなる皮膜、クロム酸塩(硫酸クロム,クロム酸ナトリウム等)からなる皮膜,あるいはバルブメタル(Ti,Hf,V,Nb,Mo,W等)系化成皮膜,マンガン−チタン系複合化成皮膜などの非クロム系化成処理皮膜等である。無機系皮膜の付着量を測定する赤外線として、例えば対象皮膜がリン酸塩皮膜である場合は、リン酸分子のP−O結合の振動に対応した赤外吸収が生じる波長(λ:8.7μm)を含む赤外線が使用される。リン酸塩皮膜以外の無機系皮膜であって、皮膜の構成成分としてリン酸分子を含むものであれば、この波長(λ:8.7μm)を含む赤外線を使用して皮膜付着量の測定を行なうことができる。
【0011】
有機系皮膜は、水溶性又は水分散性樹脂、例えばアクリル樹脂,エポキシ樹脂,ウレタン樹脂,ポリエステル樹脂,ポリオレフィン樹脂,アクリル−シリカ系樹脂等を皮膜成分として形成された樹脂皮膜である。有機系皮膜は、前記無機系皮膜を介して積層成膜され、又は無機系皮膜を介することなく金属材料表面に形成される。有機系皮膜の付着量の測定は、その皮膜成分である樹脂のC−H結合の振動に対応した赤外吸収が生じる波長(λ:6.9μm)を含む赤外線を使用して行なうことができる。
【0012】
上記のように、無機系皮膜の測定に波長λA8.7μmを含む赤外線(IA)、有機系皮膜の測定に波長λB6.9μmの赤外線(IB)がそれぞれ使用される場合において、反射赤外線を受光する赤外線検出器(4)として、例えばMCT素子で構成された検出器が使用される。この赤外線検出器は、上記波長λA及びλBを含む広い検出波長域を有するので、赤外線(IA)による無機系皮膜の測定においてλAの波長域を含む吸光スペクトル、赤外線(IB)による有機系皮膜の測定においてλBの波長域を含む吸収スペクトルを、それぞれ得ることができ、従って1台の測定装置を、無機系皮膜の測定と無機系皮膜の測定との両方に供用することができる。
【0013】
なお、測定対象皮膜(11)から反射される赤外線には、皮膜表面での反射光や膜内多重反射光が含まれるのが通常であり、これらの反射光は皮膜付着量(膜厚)の正確な情報をもたず、膜厚(付着量)の測定精度を損なう要因となる。このような不都合を回避するには、赤外線検出器(4)の前に偏光子(3)を設けてP偏光を赤外線検出器(4)に受光させるのがよい。この場合、皮膜(11)に対する赤外線をP偏光の偏向角で入射させれば、P偏光の反射率が抑えられ(S偏光は偏光子3で除去される)ので、膜厚情報をもつ反射光のみ赤外線検出器(4)に受光されることになり、皮膜付着量(膜厚)の測定精度が高められる。
【0014】
また、皮膜(11)に照射される赤外線や皮膜の表面性状のバラツキ、その他の要因により、皮膜付着量(膜厚)の測定精度が低くなるような場合には、その補正手段として、皮膜の付着量の影響(赤外吸収)を受けない波長域の赤外線(参照光)を皮膜に照射し、その反射赤外線の吸光度を参照吸光度として皮膜の吸光度を補正するようにすればよく、これにより皮膜付着量(膜厚)の測定精度を高めることができる。
【0015】
【実施例】
溶融亜鉛合金めっき鋼板(めっき原板:ステンレス鋼板、めっき層:Zn−Al−Mg合金溶融めっき)を母材鋼板とし、これに無機系皮膜(a)又は有機系皮膜(b)を形成した被覆鋼板について、図1の測定装置により皮膜付着量を測定する。無機系皮膜(a)はリン酸亜鉛化成皮膜であり、皮膜付着量の測定は、波長8.7μm(リン酸分子のP−O結合の振動に対応)を含む赤外線を使用して行う。
他方有機系皮膜(b)はアクリル樹脂皮膜であり、皮膜付着量の測定には、波長8.7μm(リン酸分子のP−O結合の振動に対応)を含む赤外線を使用した。
いずれも場合も、皮膜からの反射赤外線の受光はMCT検出器で行なった。
【0016】
図2は、リン酸亜鉛化成皮膜(a)について、従来の蛍光X線分析による皮膜付着量TFX(g/m2)と本発明により検出される赤外吸光度との相関を示している。この皮膜付着量TFX(g/m2)と赤外吸光度との関係は、式:y=5017.1x2+225.53x+0.5948で表わされる(相関係数R2=0.9988)。
図3は、アクリル系樹脂皮膜(b)について、従来の蛍光X線分析による皮膜付着量TFX(g/m2)と本発明により検出される赤外吸光度との相関を示している。この皮膜付着量TFX(g/m2)と赤外吸光度との関係は、式:y=1300.1x+0.9375で表される(相関係数R2=0.9974)。
【0017】
表1に、上記リン酸亜鉛化成皮膜(a)について、本発明により検出された赤外吸光度および該吸光度から演算された皮膜付着量(TIS)、並びに従来の蛍光X線分析による皮膜付着量(TFX)と両者の皮膜付着量の差(TIS−TFX)を示す。図4は、リン酸亜鉛化成皮膜(a)の本発明による皮膜付着量(TIS)と蛍光X線分析による皮膜付着量(TFX)との関係を示している。
【0018】
表2に、上記アクリル系樹脂皮膜(b)について、本発明により検出された赤外吸光度および該吸光度から演算された皮膜付着量(TIS)、並びに従来の蛍光X線分析による皮膜付着量(TFX)と両者の皮膜付着量の差(TIS−TFX)を示す。図5は、アクリル系樹脂皮膜(b)の本発明による皮膜付着量(TIS)と蛍光X線分析による皮膜付着量(TFX)との関係を示している。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】
上記のように、本発明装置により測定される無機系及び有機系皮膜の付着量は、従来の蛍光X線分析法による測定値と良好な対応関係を有し、1台の測定装置で無機系皮膜と有機系皮膜のそれぞれに対し信頼性のある測定が可能であることを示している。
【0022】
【発明の効果】
本発明によれば、1台の測定装置を無機系皮膜の付着量(膜厚)測定と有機系皮膜の付着量(膜厚)測定とに供用することができる。従って、従来のように皮膜の種類ごとに専用の測定装置を必要とする無駄が解消され、設備コスト・メンテナンス等の負担を大幅に軽減することができ、更には無機系皮膜被覆材料及び有機系皮膜被覆材料の製造コストの削減に寄与するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の測定装置の構成を模式的に示す光学系ブロック図である。
【図2】無機系皮膜の蛍光X線による皮膜付着量と赤外吸光度との相関を例示するグラフである。
【図3】有機系系皮膜の蛍光X線による皮膜付着量と赤外吸光度との相関を例示するグラフである。
【図4】無機系皮膜の皮膜付着量について本発明による測定値(TIS)と蛍光X線による測定値(TFX)との関係を示すグラフである。
【図5】有機系皮膜の皮膜付着量について本発明による測定値(TIS)と蛍光X線による測定値(TFX)との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1:赤外線光源
2:干渉フィルタ
3:偏光子
4:赤外線検出器
5:A/D変換器
6:信号処理部
10:皮膜被覆材料
11:皮膜
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属材料の表面に形成された皮膜の付着量(膜厚)を赤外分光光度法により測定する装置に係り、特に赤外吸収波長域が互いに異なる無機系化成皮膜および有機系樹脂皮膜のそれぞれの付着量測定に供用することができる皮膜測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ステンレス鋼板,めっき鋼板等の金属材料は、用途・要求特性等に応じ、耐食性、塗装密着性等を付与するためのりん酸塩,クロム酸塩等を含む処理液を表面に塗布して皮膜を形成する化成処理が施され、あるいはプレス成形加工等に必要な表面潤滑性や製品表面の外観性を付与するための有機系樹脂塗装が行なわれる。連続ラインで実施されるこれらの皮膜形成工程においては、所定の皮膜付着量(膜厚)が安定して確保されるように、オンラインでその付着量を迅速正確に測定することが必要である。
【0003】
従来、皮膜付着量を非接触で測定する方法として蛍光X線分析法が一般的に使用されているが、これには作業者をX線の被曝から保護する防曝対策のための設備・コストの負担を必要とする。近時、これに代えて赤外分光光度法による皮膜測定が試みられている。その測定原理は、皮膜表面に赤外線を照射すると、皮膜の構成分に特有の分子振動に対応して特定波長域の吸収が生じる現象を利用し、皮膜から反射される赤外線の吸収スペクトルをとって特定波長域の吸光度を検出し、予め実験的に求めておいた検量線(皮膜付着量と赤外吸光度との関係曲線)をもとに、検出された吸光度から皮膜の付着量を求めるものである。その測定法の改良について種々の提案がなされている(特公昭62−32405号公報,特開2002−310906号公報等)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ステンレス鋼,めっき鋼板等の金属材料を被覆する皮膜は、リン酸塩処理,クロム酸塩処理、その他の化成処理により形成される無機系化成皮膜と、アクリル樹脂,エポキシ樹脂,ポリエステル樹脂,その他の樹脂を皮膜成分として形成される有機系皮膜とに大別される。無機系皮膜と有機系皮膜とは、皮膜の構成成分が相違することにより互いに異なる赤外吸収波長域を有する。このため、無機系皮膜の付着量測定と有機系皮膜の付着量測定とについて、それぞれ専用の測定装置を必要とし、設備コスト及びメンテナンスに二重の負担を余儀なくされる。
本発明は上記に鑑み、無機系皮膜の測定と有機系皮膜の測定とに供用することができる赤外分光光度法による皮膜付着量の測定装置を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の皮膜付着量測定装置は、無機系化成皮膜で被覆された金属材料又は樹脂成分を含む有機系皮膜で被覆された金属材料の皮膜付着量を赤外分光光度法により測定する、赤外線照射部及び反射赤外線検出部を有する皮膜付着量測定装置において、赤外線照射部は、無機系化成皮膜の皮膜成分に特有の赤外吸収が生じる波長λAを含む赤外線、及び有機系樹脂皮膜の皮膜成分に特有の赤外吸収が生じる波長λBを含む赤外線を生成する赤外線フィルタ手段を有し、反射赤外線検出部は、前記波長λA及び波長λBを含む検出波長域を有する反射赤外線検出器を備えている。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明について、実施例を示す図面を参照して以下に具体的に説明する。
図1は、本発明の測定装置の構成例を模式的に示している。この測定装置は、赤外線光源(1)、測定対象材料(10)の皮膜(11)に照射される赤外線の波長域を選択するフィルタ手段(2)、皮膜(11)で反射される赤外線を受光する反射赤外線検出器(4)、該検出器(4)の出力信号をデジタル信号に変換するA/D変換器(5)、およびA/D変換器(5)からの出力信号を処理する信号処理部(6)等で構成されている。
【0007】
上記干渉フィルタ(2)は、特定の波長域の赤外線を生成する複数のバンドパスフィルタ(21,22,23,…)を備えている。干渉フィルタ(2)は回転型であり、バンドパスフィルタ(21,22,23,…)は軸心まわりの回転駆動により選択される。測定対象皮膜(11)の種類(皮膜構成成分の種類)に応じてバンドパスフィルタ(21,22,23,…)を選択することにより、測定対象皮膜に特有の赤外吸収が生じる波長域を含む赤外線が得られる。なお、干渉フィルタ(2)は、バンドパスフィルタの1つとして、参照赤外線(皮膜付着量の測定値を補正するための皮膜付着量に影響されない波長域の赤外線)を生成するバンドパスフィルタを有するのが好ましい。
【0008】
光源(1)から干渉フィルタ(2)を透過して照射される赤外線は、皮膜(11)で反射されて赤外線検出器(4)に受光される。赤外線検出器(4)は受光した反射赤外線の強度に応じた電気信号を出力する。この赤外線検出器(4)は、無機系皮膜の構成成分に特有の赤外吸収が生じる波長域と有機系皮膜の構成成分に特有の赤外吸収が生じる波長域とを含む比較的広い検出波長域を有する検出素子(例えばMCT素子)で構成されている。
【0009】
赤外線検出器(4)から出力された信号(アナログ信号である)は、A/D変換器(5)によりデジタル信号に変換されたうえ、マイクロコンピュータで構成された信号処理部(6)に入力される。信号処理部(6)において反射赤外線の赤外吸収スペクトルが得られ、吸光度が求められる。該信号処理部(6)には、無機系化成皮膜および有機系皮膜のそれぞれについて、予め実験で求められた検量線(吸光度−皮膜付着量の関係曲線)が記憶されており、検出された吸光度から測定対象皮膜の付着量が演算され出力される。
【0010】
本発明は、ステンレス鋼板,めっき鋼板(亜鉛めっき鋼板,亜鉛合金めっき鋼板,アルミニウムめっき鋼板等)、その他の金属材料の表面に形成された無機系化成皮膜及び有機系樹脂皮膜を測定対象としている。
無機系皮膜は、無機系化成処理により形成されるリン酸塩(リン酸亜鉛,リン酸マンガン,リン酸鉄等)からなる皮膜、クロム酸塩(硫酸クロム,クロム酸ナトリウム等)からなる皮膜,あるいはバルブメタル(Ti,Hf,V,Nb,Mo,W等)系化成皮膜,マンガン−チタン系複合化成皮膜などの非クロム系化成処理皮膜等である。無機系皮膜の付着量を測定する赤外線として、例えば対象皮膜がリン酸塩皮膜である場合は、リン酸分子のP−O結合の振動に対応した赤外吸収が生じる波長(λ:8.7μm)を含む赤外線が使用される。リン酸塩皮膜以外の無機系皮膜であって、皮膜の構成成分としてリン酸分子を含むものであれば、この波長(λ:8.7μm)を含む赤外線を使用して皮膜付着量の測定を行なうことができる。
【0011】
有機系皮膜は、水溶性又は水分散性樹脂、例えばアクリル樹脂,エポキシ樹脂,ウレタン樹脂,ポリエステル樹脂,ポリオレフィン樹脂,アクリル−シリカ系樹脂等を皮膜成分として形成された樹脂皮膜である。有機系皮膜は、前記無機系皮膜を介して積層成膜され、又は無機系皮膜を介することなく金属材料表面に形成される。有機系皮膜の付着量の測定は、その皮膜成分である樹脂のC−H結合の振動に対応した赤外吸収が生じる波長(λ:6.9μm)を含む赤外線を使用して行なうことができる。
【0012】
上記のように、無機系皮膜の測定に波長λA8.7μmを含む赤外線(IA)、有機系皮膜の測定に波長λB6.9μmの赤外線(IB)がそれぞれ使用される場合において、反射赤外線を受光する赤外線検出器(4)として、例えばMCT素子で構成された検出器が使用される。この赤外線検出器は、上記波長λA及びλBを含む広い検出波長域を有するので、赤外線(IA)による無機系皮膜の測定においてλAの波長域を含む吸光スペクトル、赤外線(IB)による有機系皮膜の測定においてλBの波長域を含む吸収スペクトルを、それぞれ得ることができ、従って1台の測定装置を、無機系皮膜の測定と無機系皮膜の測定との両方に供用することができる。
【0013】
なお、測定対象皮膜(11)から反射される赤外線には、皮膜表面での反射光や膜内多重反射光が含まれるのが通常であり、これらの反射光は皮膜付着量(膜厚)の正確な情報をもたず、膜厚(付着量)の測定精度を損なう要因となる。このような不都合を回避するには、赤外線検出器(4)の前に偏光子(3)を設けてP偏光を赤外線検出器(4)に受光させるのがよい。この場合、皮膜(11)に対する赤外線をP偏光の偏向角で入射させれば、P偏光の反射率が抑えられ(S偏光は偏光子3で除去される)ので、膜厚情報をもつ反射光のみ赤外線検出器(4)に受光されることになり、皮膜付着量(膜厚)の測定精度が高められる。
【0014】
また、皮膜(11)に照射される赤外線や皮膜の表面性状のバラツキ、その他の要因により、皮膜付着量(膜厚)の測定精度が低くなるような場合には、その補正手段として、皮膜の付着量の影響(赤外吸収)を受けない波長域の赤外線(参照光)を皮膜に照射し、その反射赤外線の吸光度を参照吸光度として皮膜の吸光度を補正するようにすればよく、これにより皮膜付着量(膜厚)の測定精度を高めることができる。
【0015】
【実施例】
溶融亜鉛合金めっき鋼板(めっき原板:ステンレス鋼板、めっき層:Zn−Al−Mg合金溶融めっき)を母材鋼板とし、これに無機系皮膜(a)又は有機系皮膜(b)を形成した被覆鋼板について、図1の測定装置により皮膜付着量を測定する。無機系皮膜(a)はリン酸亜鉛化成皮膜であり、皮膜付着量の測定は、波長8.7μm(リン酸分子のP−O結合の振動に対応)を含む赤外線を使用して行う。
他方有機系皮膜(b)はアクリル樹脂皮膜であり、皮膜付着量の測定には、波長8.7μm(リン酸分子のP−O結合の振動に対応)を含む赤外線を使用した。
いずれも場合も、皮膜からの反射赤外線の受光はMCT検出器で行なった。
【0016】
図2は、リン酸亜鉛化成皮膜(a)について、従来の蛍光X線分析による皮膜付着量TFX(g/m2)と本発明により検出される赤外吸光度との相関を示している。この皮膜付着量TFX(g/m2)と赤外吸光度との関係は、式:y=5017.1x2+225.53x+0.5948で表わされる(相関係数R2=0.9988)。
図3は、アクリル系樹脂皮膜(b)について、従来の蛍光X線分析による皮膜付着量TFX(g/m2)と本発明により検出される赤外吸光度との相関を示している。この皮膜付着量TFX(g/m2)と赤外吸光度との関係は、式:y=1300.1x+0.9375で表される(相関係数R2=0.9974)。
【0017】
表1に、上記リン酸亜鉛化成皮膜(a)について、本発明により検出された赤外吸光度および該吸光度から演算された皮膜付着量(TIS)、並びに従来の蛍光X線分析による皮膜付着量(TFX)と両者の皮膜付着量の差(TIS−TFX)を示す。図4は、リン酸亜鉛化成皮膜(a)の本発明による皮膜付着量(TIS)と蛍光X線分析による皮膜付着量(TFX)との関係を示している。
【0018】
表2に、上記アクリル系樹脂皮膜(b)について、本発明により検出された赤外吸光度および該吸光度から演算された皮膜付着量(TIS)、並びに従来の蛍光X線分析による皮膜付着量(TFX)と両者の皮膜付着量の差(TIS−TFX)を示す。図5は、アクリル系樹脂皮膜(b)の本発明による皮膜付着量(TIS)と蛍光X線分析による皮膜付着量(TFX)との関係を示している。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】
上記のように、本発明装置により測定される無機系及び有機系皮膜の付着量は、従来の蛍光X線分析法による測定値と良好な対応関係を有し、1台の測定装置で無機系皮膜と有機系皮膜のそれぞれに対し信頼性のある測定が可能であることを示している。
【0022】
【発明の効果】
本発明によれば、1台の測定装置を無機系皮膜の付着量(膜厚)測定と有機系皮膜の付着量(膜厚)測定とに供用することができる。従って、従来のように皮膜の種類ごとに専用の測定装置を必要とする無駄が解消され、設備コスト・メンテナンス等の負担を大幅に軽減することができ、更には無機系皮膜被覆材料及び有機系皮膜被覆材料の製造コストの削減に寄与するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の測定装置の構成を模式的に示す光学系ブロック図である。
【図2】無機系皮膜の蛍光X線による皮膜付着量と赤外吸光度との相関を例示するグラフである。
【図3】有機系系皮膜の蛍光X線による皮膜付着量と赤外吸光度との相関を例示するグラフである。
【図4】無機系皮膜の皮膜付着量について本発明による測定値(TIS)と蛍光X線による測定値(TFX)との関係を示すグラフである。
【図5】有機系皮膜の皮膜付着量について本発明による測定値(TIS)と蛍光X線による測定値(TFX)との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1:赤外線光源
2:干渉フィルタ
3:偏光子
4:赤外線検出器
5:A/D変換器
6:信号処理部
10:皮膜被覆材料
11:皮膜
Claims (1)
- 無機系化成皮膜で被覆された金属材料又は樹脂成分を含む有機系皮膜で被覆された金属材料の皮膜付着量を赤外分光光度法により測定する、赤外線照射部及び反射赤外線検出部を有する皮膜付着量測定装置において、
赤外線照射部は、無機系化成皮膜の皮膜成分に特有の赤外吸収が生じる波長λAを含む赤外線、及び有機系樹脂皮膜の皮膜成分に特有の赤外吸収が生じる波長λBを含む赤外線を生成する赤外線フィルタ手段を有し、反射赤外線検出部は、前記波長λA及び波長λBを含む検出波長域を有する反射赤外線検出器を備えてなる無機系/有機系皮膜被覆金属材料の皮膜付着量測定装置。
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