JPH03272441A - 合金皮膜の組成および付着量測定方法 - Google Patents

合金皮膜の組成および付着量測定方法

Info

Publication number
JPH03272441A
JPH03272441A JP2069555A JP6955590A JPH03272441A JP H03272441 A JPH03272441 A JP H03272441A JP 2069555 A JP2069555 A JP 2069555A JP 6955590 A JP6955590 A JP 6955590A JP H03272441 A JPH03272441 A JP H03272441A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
upper layer
film
ray
diffracted
composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2069555A
Other languages
English (en)
Inventor
Chizuko Gotou
千寿子 後藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kawasaki Steel Corp filed Critical Kawasaki Steel Corp
Priority to JP2069555A priority Critical patent/JPH03272441A/ja
Publication of JPH03272441A publication Critical patent/JPH03272441A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Analysing Materials By The Use Of Radiation (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、合金皮膜のA11威および付着量測定方法に
係わり、特に、下層にZn−FeまたはZn−Ni合金
めっき、上層にFeを主成分とするFe−Zn合金めっ
きを施した、二層合金めっき鋼板の分析に用いるのに好
適な、下地金属と同じ金属を含む合金を上層とし、上層
と同じ金属を少なくとも1つ以上含む合金を下層とする
二層合金皮膜の上層の膜厚および組成をそれぞれ測定す
る方法に関する。
〈従来の技術〉 Zn −Pe系、Zn−Ni系に代表される亜鉛系合金
めっき鋼板は、耐食性が優れているため、自動車車体を
はしめ、家電製品、建築材料用として広範に使用されて
いる。ところで亜鉛系合金めっき鋼板は、塗装仕上がり
性や塗膜密着性が冷延鋼板に比べて劣るため、車体外板
に使用するには、亜鉛系合金めっき鋼板上に、さらにF
eを主成分とするFe系のめっきが行われる。
このいわゆる二層合金めっきw4板上層(Fe系めっき
皮膜)の組成(a分含有率)は、化成処理性を通して塗
膜の耐水2次密着性に影響を及ぼし、また上層めっきの
厚さ(付着量)は、カチオン電着塗装時に生じる塗膜欠
陥の防止に影響を及ぼすといわれている。これらのめっ
き鋼板の生産に際して、狙いどおりの品質の製品を安定
に製造するためには、上層皮膜の組成と付着量を迅速に
分析して、工程管理することが不可欠である。
めっき皮膜の定量分析法としては、湿式化学分析法、グ
ロー放電発光分光分析法(GDS)、2次イオン質量分
析法(SIMS)、蛍光X線分析法、X線回折法などが
代表的である。
湿式化学分析法は、一般に測定に必要な層だけを化学的
な方法で抽出し分析するため、高い定量精度を有するが
、試料の抽出に1〜数時間程度かかるため、管理分析と
しては適切ではない。
SIMSやGDSでは、鉄と鋼、71 (1985)討
27”鉄と綱、71 (1985)討28”  ′°鉄
と綱、?2 (1986) 1751”鉄と鋼、72 
(1986) 1759”6鉄と鋼、72 (1986
) 176’l”などに述べられているように、イオン
スパッターで得られる皮膜構成元素のデップスプロフィ
ールから皮膜の組成と付着量を定置することができる。
しかし、たとえばZn −Peめっき鋼板上にFe −
Znめっきを施した二層合金めっき綱板のように、下層
めっき皮膜中に上層と同じ金属が少なくとも1つ以上台
まれる場合は、デップスプロフィールから上層めっきと
下層めっきを区別する際に、誤差を生じやすい、とくに
合金化処理等により下層めっきに凹凸を生じている場合
には、上層と下層が同時にスパッターされるため、デツ
ブスプロフィールから上層めっき中のFeと下層めっき
中のFeを区別することは全く不可能である。また、Z
n−Fe系めっき皮膜のようにめっきを構成する合金成
分間のスパッター効率の差が大きい場合には、スパッタ
ー層の組成および厚みへの換算が複雑で、定量精度があ
まり良いとはいえない。
蛍光XvA分析法は、測定精度、再現性、迅速性に優れ
、また非破壊かつ装置の構成が簡単であるため、各種め
っき皮膜のオフライン分析は熱論、オンライン分析にも
最も広く適用されている。ところで二層合金めっきw4
板の皮膜の定量を蛍光X線分析法で行うには、上層めっ
き皮膜の構成元素の含有量に応して変化する構成元素の
蛍光X線の量を直接測定するか、あるいは下層めっきか
らの蛍光X線の吸収特性を測定する。しかし、皮膜の構
成元素が不均一に分布する場合や、二層めっき*Fiの
上層と下層の界面に凹凸がある場合は、SIMSやGD
Sと同様、定量精度が悪い、また皮膜組成と付着量の2
つを定量するためには、特開昭58−223047号公
報に開示されているように、2組の(入射/取り出し)
角、または2種類のX線波長による測定を行い、皮膜組
成と付着量を未知数とする連立方程式をたてて解かなけ
ればならないが、連立させることにより、個々の測定の
誤差が相乗されるため、定量精度は著しく悪くなる。
X線回折法は、めっき皮膜および下地金属の結晶構造の
違いから試料の層構造を区別でき、しかも蛍光X線分析
法同様、測定精度、再現性、迅速性に優れているので、
めっき鋼板の皮膜の定量分析に適用されてきた。ところ
で、定量測定に用いられるX線回折法は、角度分解能が
よい対称反射光学系に限られている。この測定手法は、
第7図に示すように、試料4の表面に対して入射X線2
と回折X線5がつねに鏡面対称となるように、回折角2
θの走査に対して入射角θが変化する。このため、測定
される情報の深さは、入射角θの増大とともに増大する
。第8図は、対称反射光学系で測定したZn −Fe合
金めっき鋼板上にFe −Znめっきをした二層合金め
っき綱板のX491回折パターンである。◎印のピーク
は、上層めっきを構成するα−Fe、○印のピークは、
下地鋼板のα−Feである。上層めっきのFe −Zn
合金は、下地金属であるFeを主成分とするため、金属
間化合物の形態をとらず、α−Feの中にZnを置換固
溶したα−Pe (Zn)の形態をとる。このため上層
めっきからの回折ピークは、Vegardの法則に従い
、下地鋼板のα−FeピークからZnの固溶量に比例し
てシフトした角度位置に現れる。上層めっき皮膜の組成
と付着量を定量するには、上層めっきのX線回折ピーク
(O印)の位置と強度が必要であるが、いま述べた理由
により、このピークには下地鋼板からのα−Fe(O印
)が重なるため、ピーク位置とピーク強度を正しく求め
ることはできない。
〈発明が解決しようとする課題〉 本発明は、上記従来の問題点を解消するべくなされたも
ので、下地金属と同じ金属を主成分とする合金を上層と
し、上層と同じ金属を少なくとも1つ以上含む合金を下
層とする二層合金皮膜の上層のM戚および付着量を測定
する方法を提供することを目的とする。
<!laを解決するための手段〉 本発明は、下地金属と同じ金属を主成分とする合金を上
層とし、上層と同じ金属を少なくとも1つ以上含む合金
を下層とする二層合金皮膜の上層の+tlItcおよび
付着量を測定するに際して、上層皮膜からの回折X線を
すべて検出し、かつ下地金属からの回折XIを検出しな
いように、入射角を、上層皮膜の定量範囲における最大
付W量および最小付着量と、回折X線の波長に対する上
層皮膜の質量吸収係数と、回折XvAの波長に対する下
層皮膜の質量吸収係数と、下地金属の回折角とから制限
される範囲における特定の角度に固定し、上層皮膜から
のX線回折特性を測定し、あらかじめ求めておいたX線
回折特性と上層皮膜の組成および付着量との関係から、
測定対象の組成および付着量を定量することを特徴とす
る合金皮膜の組成および付着量測定方法である。
〈作 用〉 第1図に本発明で用いるXwA回折光学系の一実施例を
示す、この図において、Xis源1から照射される入射
X線2は、ゴニオメータ3の中心軸に設置した2層合金
皮膜を有する試料4の表面に対して一定の角度αに固定
される。 )LXが試料に浸入すると回折が生じ、ブラ
ッグの条件を満足する方向に回折X線5が散乱されるの
で、これをゴニオメータ3の円周上に設置された検出器
6で測定する。xlIA回折パターンは、通常、固有(
特性)xwAの回折を検出する角度分散法か、または連
続(白色>XUの回折を検出するエネルギー(波長)分
散法で測定する。角度分散法のときは、検出器6を一定
の角速度でゴニオメータの円周上を走査させる必要があ
るが、エネルギー(波長)分散法のときは、検出器6を
入射X線2に対して適当な角度に固定することにより、
角度走査することなくX線回折パターンが測定できる0
本発明は、こ°れらのどちらを用いてもよい。
ここで、入射角αの限定範囲を示すとともに、限定範囲
を設けた理由について説明する。
まず、入射角αの下限について説明する。
回折X線の波長λに対する上層皮膜の質量吸収係数を〃
マ、下地金属の回折角を20とすれば、入射角をαに固
定して回折X線特性を測定したとき、定量可能な上層皮
膜付着量の最大値x、(gm)は、(1)式で算定され
る。
xl(m) −−1n (1−に+ ) /u+(1/
^α+115in(2θ−α))−1、・−・・・−・
−(1) ここで、K1はバルクの厚みと等しいと見なすことので
きる皮膜の厚み(付着It)を示す上層皮膜のトランケ
ージジン定数で、試料形状に依存するため、実測で決め
る。
(1)式において、定量可能な上層皮膜付着量の最大値
x、(g)は、入射角αの増加とともに単調増加する。
定量範囲の全体にわたり上層皮膜の付着量を正しく求め
るには、定量可能な上層皮膜の付着量の最大41 x 
+ (m )が、実際の定量範囲における最大付着量X
、□8以上でなければならない、すなわち、x、(m)
≧X、□8が成立しなければならない、このことから、
(+)式でx+(賦) = x I□、であるときのα
が入射角の下限αlli、lであることがわかる。もし
、入射角αがα□、に満たなければ、上層皮膜の厚み全
体からの回折X線を検出したことにはならず、よって付
着量を正しく測定したとはいえないことは明らかである
つぎに、入射角αの上限について説明する。
回折X1tlの波長λに対する下層皮膜の質量吸収係数
をμ8とすれば、入射角をαに固定して回折X線特性を
測定したとき、付着量X、の上層皮膜を通して検出され
る下層皮膜付着量の最大4axt(鯨)は、(2)式で
算定される。
x、(m)= 11nP−In (1−Kg ))/μ
、・ (1/石lα+]/幽(2θ 。) ) −’            (2)ここで
、Kgはバルクの厚みと等しいと見なすことのできる皮
膜の厚み(付着量)を示す下層皮膜のトランケーシッン
定数で、Pは(3)式で表される関数である。
P−(1+μg/μ+ (exp(μ+x+/ (1/
=α+ I / !im (2θ−α)))−17)−
’−・−・−・−(3) (2)式において、検出される下層皮膜の付着量の最大
値χ、(W)は、入射角αの増加とともに単調増加する
。定量範囲の全体にわたり上層皮膜の付着量を正しく求
めるには、すでに述べたように上層皮膜のX線回折パタ
ーンに重なる下地金属からの回折パターンを、いかなる
場合にも検出してはならない、このためには、上層皮膜
の付着量が定量範囲の最小値χ1.87のときに、検出
される下層皮膜の付着量の最大値Xl直)が下層皮膜の
付着1ix=を超えてはならない、すなわち、X、=X
’+a+i++のときに、xz(π)≦X2が成立しな
ければならない。このことから、(2)式でX z(m
) w X 。
であるときのαが入射角の上限α。8であることがわか
る。もし、入射角αがα01.lより大きいときは、下
地金属からの回折X線も検出するため、付着量が正しく
測定できないことは明らかである。
次に、X線回折特性から上層皮膜の付着量と組成を定量
する方法について説明する。
(1)組成の定量方法 すでに述べたように、上層皮膜が下地金属を主成分とす
る合金のとき、この合金は下地金属を溶媒とする置換型
固溶体である。 Vegardの法則から、上層皮膜の
X線回折ピークの位置は、溶質金属の重量分率に比例し
てシフトする。このことから、あらかじめ化学分析等で
上層皮膜の組成がわかっている試料について、X線回折
パターンの測定を行い、組成に対してXvA回折回折回
折ピー9保成の定量を行うことができる。すなわち、上
層皮膜の組*(たとえば下地金属に等しい溶媒金属の重
量分率)をwlとすれば、上層皮膜からの回折ピーク位
fYは、(4)式で表される。
Yxa+ +at W+  (ただしal、atは定数
)・−−−一−−−−・・−(4ン 化学分析等でW、が既知の試料について回折ピーク位置
を測定し、最小2乗法等でa、とatを決めれば、これ
を検量線として、上層皮膜の定量が行えるのである。
あるいは、Xi回折特性(IYとして回折ピークの半価
幅を用いて、組成の定量を行うこともできる。これは、
溶質金属の固i! (重量分率)に比例して、結晶格子
に微視的な歪みが生しることを利用したものである。こ
の場合も検量線は(4)式と同じwlの1次式であるか
ら、X線回折特性として回折ピーク位置を用いるときと
全く同じ方法で作成することができる。
(2)付着量の定量方法 一般に、配向性のない付着量XIの試料に、入射角αで
照射された単位断面積あたりの平行X線により生しる回
折X線の強度は、(5)式で表される。
I h*+ = K I eh F F ”Mhh +
 L T A  ・−−−−−(5)ここで、Ich(
θ〕は電子1ケによる干渉性散乱強度、Fは結晶構造因
子、M、□は(hkl)回折面の多重度、L(θ)ばロ
ーレンツ因子、T(θ)は温度因子、A(θ、Xl)は
X線吸収補正項、Kは定数である。上層皮膜の組成の変
化による回折角2θ、□のシフトは、1°程度であるか
ら、(5)式で上層皮膜の付着i1x+に依存する吸収
補正項A(θ、x、)以外は、すべて定数項とみなすこ
とができる。
1/lhα+I /sfs (2θ−α)=bとおけば
、吸収補正項は、 A (X+)−(1−e、xp(−bpt x+)1/
bμ、ρ、 sfα   ・−・−・−・・・・(6)
(ただし、ρ、は上層皮膜の密度) となるから、上層皮膜の組成定量範囲で、質量吸収係数
μmが一定とみなせるなら、(5)式は、(8)式に簡
略化できる。
■、□ =  (K’  /bμ、ρI thα)(1
exp(but  XI)l  −−−−−(7)=b
g  +bs exp(b+  x+)(y〜b、は定
数)−・・−・−(8)化学分析等でχ1が既知の試料
について回折ピーク強度を測定し、最小2乗法等でb1
〜b、を決めれば、これを検量線として、上層皮膜の付
着量の定量を行うことができる。
ただし、回折X線の波長λに対する上層皮膜の構成元素
間の質量吸収係数が大きく異なるとき、上述のようにμ
、を一定と仮定すると、付着量を精度よく定量すること
はできない。この理由は、上層皮膜の組成に依存して上
層皮膜の質量吸収係数が変化するからである。前項で求
められる上層皮膜中の溶媒金属の重量分率W、を用い、
(7)式のexp(−btI+  x+)をx、につい
て展開すれば、(7)式は付着量x1について線形の(
9)式に変形することができる。
Ihk+ = (K’ /b pr  ρ、弓カα)・
(X、−bμ、x、”) =b++bzx+ +b=x、”+baW+XI”(b
、〜b、は定数)    −−−一−−−・−(9)化
学分析等でχ1が既知の試料について回折ピーク強度を
測定し、本発明、あるいは化学分析等で求めたそれぞれ
の試料のW、を用いて、(9)式の定数す、−b、を線
形重回帰分析で決めれば、上層皮膜の付着量の検量線を
作成することができる。
このように本方法では、回折X線の波長に対する上層皮
膜の構成元素間の質量吸収係数が大きく異なるときでも
、(9)式の検量線を用いれば上層皮膜の付着量を精度
よく定量することができる。
なお、付着量の定量のための回折X線強度は、単独の回
折ピークの強度を用いてもよいが、皮膜に結晶配向性が
依存する場合があるため、複数の回折ピークの強度の合
計、あるいは複数の回折ピークの強度の平均、あるいは
複数の回折ピークの強度を各ピークの多重度で規格化し
た強度の合計等で行う方がよい。
〈実施例〉 本発明による二層合金皮膜の上層の組成と付着量の定量
を、実施例により具体的に説明する。
試料は、Zn −Fe合金めっき鋼板(めっき皮膜のM
Wi : Fe 10et%、Zn 9ht%、付着1
:30g/ポ)上にFeを主とするPe−Znめっきを
した二層合金めっき鋼板である。上層皮膜の付着量の定
量範囲は2g/rrf以上、8g/m以下である。X線
源はCuを使用した。
入射角αに対して、第2図のAは、(1)式を用いて計
算した定量可能な上層皮膜付着量の最大値x、(WIx
)の変化を、第2図のBは、(2)、(3)弐を用いて
計算した上層皮膜を通して検出される下層皮膜付着量の
最大値x=(m)を示す、上層皮膜からの回折X線をす
べて検出し、かつ下地金属からの回折XvAを検出しな
いために、xvA入射角αは、付着量定量範囲の上11
18 g/rrfを貫通する2、3゜以上、かつ付着量
定量範囲の下riFi2g/rdで、下層皮膜の付着j
t30 g /ボを貫通しない3°5°以下としなけれ
ばならない。第3図は、入射角3,5゜で測定した上層
付着量が2g/rI′fの試料のX線回折パターンであ
る。◎印の回折ピークはすべて、α−Peのピーク位置
よりわずかに低角度側に存在するので、これは下地su
iではなく上層皮膜のα−Fe (Zn)の回折ピーク
であることは明らかである。
第4図は、本発明の方法で定量した上層のα−Fe (
Zn)皮膜中のFeの重量分率を化学分析値に対してプ
ロットしたものである。定量に使用した回折ピークは、
第4図で最も高い角度の(220)ピークである。これ
は、格子定数の変化に対する回折角の変化(格子定数の
測定分解能)が、回折角の増大とともに大きくなるため
である。したがって、組成の定量は、測定した角度範囲
に現れる最も高回折角(高指数面)のピークで行う方が
定量精度が向上することはいうまでもない。
第5図は、本発明の方法で上層皮膜の1rii吸収係数
μ、を一定と仮定して定量した上層のα−Fe(Zn)
皮膜の付着量を化学分析値に対してプロットしたもので
ある。定量は、(200)ピークと(211)ピークと
(220)ピークの各回折強度の合計で行った。ところ
で、CuK αに対するFeの質量吸収係数が324c
ii/ g 、 Znの質量吸収係数が59cd/gと
大きく異なるため、第5図の&lI戒の定量範囲でα−
Fe (Zn)の質量吸収係数が約20%も変化する。
第6図は、上層皮膜の質量吸収係数μmを一定とせず、
付着IXIについて線形に展開した方法で定量した上層
のα−Fe(Zn)皮膜の付着量を、化学分析値に対し
てプロットしたものである。明らかにμ、一定法より定
量精度がよいことがわかる。
一方、従来技術である蛍光X線分析方法を採用して、前
述の本発明例と同一の試料で測定した結果を、上層のα
−Fe(Zn)皮膜中のFeの重量分率を化学分析値に
対してプロットしたものが第9図であり、上層のα−F
e (Zn)皮膜の付着量を化学分析値に対してプロッ
トしたものが第10図である。
これらの結果から、本発明の第4図、第5図、第6図の
測定結果と各々対比すると容易に判るように、定量精度
が劣り、工程管理には使用できない。
〈発明の効果〉 以上説明したように、本発明によれば、下地金属と同じ
金属を主成分とする合金を上層とし、上層と同じ金属を
少なくとも1つ以上含む合金を下層とする二層合金皮膜
の上層の組成および付着量を測定するに際して、上層皮
膜からの回折X線をすべて検出し、かつ下地金属からの
回折XNIAを検出しないように、入射角を上層皮膜の
定量範囲における最大付着量および最小付着量と、回折
X線の波長に対する上層皮膜の質量吸収係数と、回折X
線の波長に対する下層皮膜の質量吸収係数と、下地金属
の回折角とから制限される範囲における特定の角度に固
定し、上層皮膜からのX線回折特性を測定し、あらかじ
め求めておいたX1111回折特性と上層皮膜の&lI
威および付着量との関係から、測定対象の組成および付
着量を定量するようにしたので、Zn−Fe合金めっき
綱板に、Feを主成分とするFe −Znめっきをした
二層合金めっき鋼板、Zn−Ni合金めっき鋼板に、F
eを主成分とするFe −Znめっきを施した二層合金
めっき綱板等の分析を精度よく行うことができるから、
製品の品質管理に大きく貢献する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明が採用されるX線回折測定装置の光学系
の一実施例を示す概略図、第2図は本発明によって得ら
れたX線入射角の範囲の一例を示す特性図、第3図は本
発明によって得られたX111回折パターンの一例を示
す特性図、第4図は本発明によって得られたFe−Zn
/Zn−Fe二層合金めっき綱板の上層皮膜(Pe−Z
nめっき皮膜)の&[I底定量結果を化学分析値に対し
て示す特性図、第5図は本発明によって得られた同二層
合金めっき綱板の上層皮膜の質量吸収係数を一定とみな
して定量した上層皮膜の付着量の結果を化学分析値に対
して示す特性図、第6図は本発明によって得られた同二
層合金めっき鋼板の上層皮膜の質量吸収係数を一定とし
ない場合の、上層皮膜の付着量定量結果を化学分析値に
対して示す特性図、第7図は従来の対称反射法によるX
線回折測定装置の光学系を示す概略図、第8図は従来の
方法によるX線回折パターンの一例を示す特性図、第9
図は従来の蛍光X線分析による同二層合金めっき鋼板の
上層皮膜の組成定量結果を化学分析値に対して示す特性
図、第10図は従来の蛍光X線分析による同二層合金め
っき鋼板の上層皮膜の付着量定量結果を化学骨Fr(i
に対して示す特性図である。 1・・・X線源、       2・・・入射X線、3
・・・ゴニオメータ、     4・・・試 料、5・
・・回折X線、      6・・・検出器、◎・・・
α−Fe (Zn)のxwA回折ピーク、○・・・α−
FeのXvA回折ピーク。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 下地金属と同じ金属を主成分とする合金を上層とし、上
    層と同じ金属を少なくとも1つ以上含む合金を下層とす
    る二層合金皮膜の上層の組成および付着量を測定するに
    際して、上層皮膜からの回折X線をすべて検出し、かつ
    下地金属からの回折X線を検出しないように、入射角を
    、上層皮膜の定量範囲における最大付着量および最小付
    着量と、回折X線の波長に対する上層皮膜の質量吸収係
    数と、回折X線の波長に対する下層皮膜の質量吸収係数
    と、下地金属の回折角とから制限される範囲における特
    定の角度に固定し、上層皮膜からのX線回折特性を測定
    し、あらかじめ求めておいたX線回折特性と上層皮膜の
    組成および付着量との関係から、測定対象の組成および
    付着量を定量することを特徴とする合金皮膜の組成およ
    び付着量測定方法。
JP2069555A 1990-03-22 1990-03-22 合金皮膜の組成および付着量測定方法 Pending JPH03272441A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2069555A JPH03272441A (ja) 1990-03-22 1990-03-22 合金皮膜の組成および付着量測定方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2069555A JPH03272441A (ja) 1990-03-22 1990-03-22 合金皮膜の組成および付着量測定方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH03272441A true JPH03272441A (ja) 1991-12-04

Family

ID=13406106

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2069555A Pending JPH03272441A (ja) 1990-03-22 1990-03-22 合金皮膜の組成および付着量測定方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH03272441A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013040874A (ja) * 2011-08-18 2013-02-28 Jfe Steel Corp 膜厚均一性評価方法
JP2013040875A (ja) * 2011-08-18 2013-02-28 Jfe Steel Corp 膜厚均一性評価方法
JP2014235815A (ja) * 2013-05-31 2014-12-15 住友電気工業株式会社 アルミニウム成形体の製造方法、アルミニウムの分析方法及びアルミニウムめっきシステム

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013040874A (ja) * 2011-08-18 2013-02-28 Jfe Steel Corp 膜厚均一性評価方法
JP2013040875A (ja) * 2011-08-18 2013-02-28 Jfe Steel Corp 膜厚均一性評価方法
JP2014235815A (ja) * 2013-05-31 2014-12-15 住友電気工業株式会社 アルミニウム成形体の製造方法、アルミニウムの分析方法及びアルミニウムめっきシステム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4262734B2 (ja) 蛍光x線分析装置および方法
KR900008955B1 (ko) 합금피막의 피막두께 및 조성 측정방법
Putz et al. Methods for the measurement of ferrite content in multipass duplex stainless steel welds
US5414747A (en) Method and apparatus for in-process analysis of polycrystalline films and coatings by x-ray diffraction
EP0473154B1 (en) System for making an on-line determination of degree of alloying in galvannealed steel sheets
US5289266A (en) Noncontact, on-line determination of phosphate layer thickness and composition of a phosphate coated surface
KR101572765B1 (ko) 합금화 용융 아연 도금 강판의 Fe-Zn 합금상 두께의 측정 방법 및 측정 장치
CA1052479A (en) Method of measuring the degree of alloying of galvannealed steel sheets
JPH03272441A (ja) 合金皮膜の組成および付着量測定方法
JPH0933455A (ja) 合金化めっき層の合金化度測定方法
Genzel et al. Some new aspects in X-ray stress analysis of thin layers
KR101818350B1 (ko) 고내식 아연-마그네슘-알루미늄 합금 용융도금강판 도금층 상함량 측정방법
Withers Use of synchrotron X-ray radiation for stress measurement
JP4302852B2 (ja) 金属材表面酸化物の測定方法およびx線回折装置
JPH06347247A (ja) めっき層合金相厚さの測定方法
JP2004301672A (ja) 無機系/有機系皮膜被覆金属材料の皮膜付着量測定装置
CN109563606B (zh) 镀锌钢板的合金化度和/或镀覆附着量测定方法
JPS6058537A (ja) Fe−Ζn合金メツキ鋼板のメツキ定量方法
KR20040056207A (ko) ×선 회절을 이용한 합금화 용융 아연 도금 강판의합금화도 측정 방법
JP2861598B2 (ja) 金属上の塗膜厚測定方法及び装置並びに塗装金属体の製造方法及び装置
Mashin et al. X-ray fluorescence method for determining the thickness of an aluminum coating on steel.
KR102110677B1 (ko) 합금화 용융아연도금 강판의 합금화도 예측 방법
JPS6014109A (ja) めつき鋼板のめつき付着量測定装置
JPH068791B2 (ja) 合金化亜鉛めつき鋼板の合金化度の測定方法
JPH09159428A (ja) Zn−Mg系めっき鋼板のMg付着量及び表層Zn付着量の測定方法