JP2004299057A - 二軸配向ポリエステルフィルム - Google Patents

二軸配向ポリエステルフィルム Download PDF

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Abstract

【課題】フィルム表面のうねりを特定の範囲に制御することにより優れた巻取り性、電磁変換特性を発揮することを特徴とする二軸配向ポリエステルフィルムを提供する。
【解決手段】少なくとも片面の幅方向における空間周波数10 (1/mm)のRelative Power I10 TDが、−25 〜 −5 dBであり、かつフィルム長手方向におけるI10 TDのばらつきが6dB以下であることを特徴とする二軸配向ポリエステルフィルム。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気記録材料、電子材料、製版フィルム、包装材料に用いられるポリエステルフィルムに関する。詳しくは、高密度磁気記録媒体、特にリニア記録方式のデジタル記録媒体用(例えば、100GB以上の容量を有するLTO、SDLTなど)ベースフィルムとして用いたときに優れた電磁変換特性、巻取り性を発揮する二軸配向ポリエステルフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、デ−タストレージ用やデジタルビデオテープ用などの磁気記録媒体においては、高密度化、高容量化が進んでいる。一般にこのような磁気記録媒体に用いられる記録方式には図2に示すようなヘリカル記録方式とリニア記録方式があり、ヘリカル記録方式は2つのリールを持つカートリッジからテープを引き出して、高速回転する円筒型のヘッドをスキャンさせ、テープに対して斜めに読み書きを行うのに対し、リニア記録方式は1つのリールを持つカートリッジからテープをヘッドに誘導しテープに対して長手方向に一直線に読み書きを行う。リニア記録方式はヘリカル記録方式と比較して記録密度は低いが、テープの巻き込みが緩やかであるためテープへのダメージが少なく、テープのデータストレージ用としての信頼性が高いという特徴を持つ。
【0003】
近年このようなリニア記録方式を採用するLTOやSDLTにおいて1巻で100GB以上の高容量を有するものが開発されているが、高密度化に伴い新たな問題が発生してきた。リニア記録方式においてはテープの巻き込みが緩やかで、ヘッドがテープを垂直方向に押す力が弱いために、ヘリカル記録方式の場合よりも更にごく微小なテープ表面のうねりがテープとヘッドのスペーシングロスに大きな影響を与えることが分かってきたのである。これまでにうねり状突起に関する検討がなされている(特許文献1、2)。それらは8mmテープで評価していることや、うねり状突起を長手方向から5〜10度傾けて測定していることから明らかなようにヘリカル記録方式を対象にしたものであり、本願発明のようにリニア記録方式の高密度・高容量化と共に問題となってきた精密な表面制御を対象としたものとは全く異なる。
【0004】
一方では、粗面及び平滑面に添加する粒子の粒径および添加量をそれぞれ制御することで、フィルム表面に存在する波長5μmのうねりを小さくし、巻取り性および電磁変換特性を両立させることも提案されている(特許文献3)。しかしながら後述するようにこのような波長5μmのうねりは本願発明の100μmレベルのうねりとは発生原因、解決の手段等本質的に全く異なるものである。また、該特許文献3においてもヘリカル記録方式(8mmテープ)を対象とした評価がなされており、磁性層厚みが0.5μmよりも薄い高密度のリニア記録方式の磁気記録媒体において、フィルム表面の幅方向に存在する微小なうねりが電磁変換特性に及ぼす影響を検討した例はない。
【0005】
発明者らが鋭意検討した結果、これはフィルム表面の極度の平滑化に伴い、延伸ロールとフィルムとの密着度が増大し、熱の影響によりフィルム表面に100μmレベルの長波長のごく微小なうねりが発生、ひいてはこの微小なうねりが磁性層の塗布厚みムラ、電磁変換特性を悪化させていることを突き止めた。特にリニア記録方式の場合、記録再生時に幅方向へはほとんど張力がかからない。そのため、幅方向のうねりを本願発明のように制御しスペーシングロスを抑えることが、電磁変換特性を向上させるために不可欠である。
【0006】
空間周波数とうねり強度(Relative Power)の概略図を図2に示す。従来公知の技術で得られたフィルムはAのような関係を示していた。磁気記録媒体の高密度化に対応して、フィルムに添加する粒子の粒径および添加量を少なくし表面を平滑化したフィルムがBである。平滑化に伴い、添加粒子により形成される波長5μmレベルのうねり強度は減少しているものの、フィルム表面の熱ダメージにより100μmレベルのうねりが急激に増大した。波長5μmレベルのうねり強度を小さく保ったまま100μmレベルのうねりを小さくすることで、リニア記録方式における高密度磁気記録媒体の電磁変換特性を向上させたフィルムが本発明のCである。
【0007】
ここで、公知の技術で述べられてきた波長5μmのうねりはフィルムに添加する粒子により形成されるのに対し、本発明の特徴とする100μmのうねりはフィルム地肌への熱ダメージにより発生する。従って本発明のフィルムは、B面に添加する粒子の粒径および添加量等を調整してA面のうねりを制御する公知の技術とは異なり、単層フィルムにおいても効果が十分に発揮される。それぞれの発生原因は全く異なるものであり、積層の両面に添加する粒子径を制御しても、本発明のような長波長のうねりは制御できない。
【0008】
【特許文献1】
特開平9−207290号公報(7〜8ページ)
【0009】
【特許文献2】
特開平9−220795号公報(7ページ)
【0010】
【特許文献3】
特開2001−341265号公報(10〜11ページ)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述の問題を解決し、ベースフィルムの幅方向に存在する100μmレベルの比較的長波長のうねり強度を特定の範囲に制御し、かつ長手方向においてうねりのムラを制御することで、特にリニア記録方式の磁気記録媒体において優れた電磁変換特性、巻取り性を発揮する二軸配向ポリエステルフィルムを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記した本発明の課題は、少なくとも片面の幅方向における空間周波数10 (1/mm)のRelative Power I10 TDが、−25 〜−5 dBであり、かつフィルム長手方向においてI10 TDのばらつきが6 dB以下であることを特徴とする二軸配向ポリエステルフィルムによって達成できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明におけるポリエステルフィルムの少なくとも片面の幅方向における空間周波数10 (1/mm)のRelative Power I10 TDが、−25〜−5 dB、好ましくは−23〜−6dB、更に好ましくは−20〜−8dBである。Relative Powerは、1nmの表面うねりを0dBと表記するよう解析ソフト上基準化された値であり、値がプラス側に大きいほどフィルム表面のうねりが強いことを示す。I10 TDは幅方向に存在する100μmレベルの長波長のうねりの強度を表す。I10 TDが−5dBよりも大きいと長波長のうねりが強くなり過ぎ、磁性層を塗布した際に塗布厚みムラを引き起こし、電磁変換特性を悪化させるため好ましくない。また、I10 TDは小さいほど長波長のうねりが少なくなり好ましいが、フィルム製造上ごく弱いうねりの発生は避けられず実質的には−25dB以上の値である。リニア記録方式においては、システム内で幅方向にほとんど張力がかからない。そのため、テープとヘッドのスペーシングロス低減には、幅方向に存在するうねりを制御することが重要である。さらに、フィルム長手方向に一定間隔で測定したI10 TDのばらつきは6 dB以下であることが好ましく、更に好ましくは5 dB以下である。6 dBよりも大きいとテープにした際にヘッドとテープのスペーシングロスが安定せず電磁変換特性が悪化するばかりでなく、フィルムを巻取る際エアーが均一に抜けないためシワが入りやすく好ましくない。また、磁性層の塗布厚みムラを抑える観点から、長手方向に存在する長波長のうねりI10 MDについても幅方向と同様、−25〜−5 dB、更には−23〜−6dBであることが好ましい。
【0014】
また、空間周波数10(1/mm)の強度により表される100μmの長波長のうねりと、空間周波数200(1/mm)により表される5μmの短波長の幅方向におけるうねりの強度差I10200 TDが5〜26 dBであると、本発明の効果がより一層顕著となるので好ましい。I10−200 TDは、更に好ましくは6〜20dBである。前述したように空間周波数200(1/mm)で表される波長5μmの短波長のうねりは、フィルムに添加される粒子径と強い相関がある。I10−200 TDが26dBよりも大きい場合、フィルム表面では添加粒子により形成される短波長のうねりよりも、100μレベルの長波長のうねりが支配的になる。この状態では、磁性層を塗布した際に塗布厚みムラを引き起こしやすく、電磁変換特性が悪化する場合がある。逆に、I10−200 TDが5〜26dBの場合には、フィルム表面に形成される長波長のうねりよりも添加粒子により形成される短波長のうねりの方が支配的になる。言い換えれば添加粒子径・添加量に応じた突起が適切に形成されており、磁性層の塗布厚みムラも低減される。一方で、フィルム製造上ごく小さな長波長のうねりの発生は現時点では避けられず、実質的にI10−200 TDは5dB以上の値となる。また、長手方向におけるI10−200 TDのムラは6dB以下、好ましくは5 dB以下である。6 dB以上となると、安定した電磁変換特性が得られにくい。
【0015】
長手方向における長波長と短波長のうねりの強度差I10−200 MDについても同様で、5〜26dB、好ましくは6〜20dBである。うねりの方向が長手もしくは幅方向に極端に方向性を持った形であると、テープとした際に安定した出力が得られにくいため、好ましくはI10200 TD−15≦I10200 MD≦I10200 TD+15であり、更に好ましくはI10200 TD≦I10200 MD≦I10200 TD+15である。
【0016】
本発明の特徴は、長波長および短波長のうねりを示す空間周波数を明確に定義することで、後述するWRaのように長波長および短波長のうねりを合計したマクロな値では説明が困難であった現象を改善することを狙ったものである。従ってWRaが同じでもI10 TDが大きいものは本発明の効果が得られない。上記の範囲とすることで初めて本発明の効果が得られる。
【0017】
本発明におけるポリエステルフィルムとは、分子配向により高強度フィルムとなるポリエステルであれば特に限定しないが、主としてポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートからなることが好ましい。特に好ましくはその構成成分の80%以上がエチレンテレフタレート、エチレンナフタレートであるポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートである。エチレンテレフタレート、エチレンナフタレート以外のポリエステル共重合体成分としては、例えばジエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール、p−キシリレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどのジオール成分、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸などのジカルボン成分、トリメリット酸、ピロメリット酸などの多官能ジカルボン酸成分、p−オキシエトキシ安息香酸などが使用できる。
【0018】
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、単層でも2層以上の積層構造であっても良いが、2層構造の場合は磁性層を塗布する層(A)と反対側の層(B)の表面突起形成を容易に制御できるため、本発明の効果がより一層良好となるので好ましい。
【0019】
前記二軸配向ポリエステルフィルムの層(A)の、非接触3次元粗さ計(WYKO)を用いて面積測定倍率41.6倍で測定した表面粗さWRaは、0.3〜3.0nmで、好ましくは0.5〜2.0nmである。表面粗さWRaを0.3nm未満にすることは上述したフィルム表面への熱の影響から現時点では実質的に困難であり、3.0nmを超えると表面が粗くなり過ぎ、高密度磁気記録媒体用として十分な電磁気変換特性が得られにくい。一方、反対面の層(B)の表面粗さWRaは1.0〜8.0nm、好ましくは、2.0〜6.0nmである。表面粗さが1.0nmよりも小さいとフィルムの巻き取り中にしわなどが入り、巻き姿が不良となる場合がある。一方、WRaが8.0nmよりも大きくなると、表面が粗くなり過ぎるためフィルムロールとして巻き取った際、磁性層を塗布する層(A)に転写するなどの悪影響を及ぼすため好ましくない。
【0020】
次に、上記表面粗さを満足するためには層内に不活性粒子を添加することが好ましく、本発明において層(A)に用いられる不活性粒子Iは、平均粒径dIは好ましくは0.04〜0.15μm、より好ましくは0.05〜0.10μmで、含有量は好ましくは0.001〜0.30重量%、より好ましくは0.01〜0.25重量%である。
【0021】
前記ポリエステルフィルムにおいて、層(B)の厚みは好ましくは0.1〜2.0μmであり、より好ましくは0.2〜1.5μmである。この厚みが、0.1μmよりも小さくなると粒子が脱落しやすくなり、3.0μmよりも大きくなると添加粒子の突起形成効果が減少し、好ましくない。
【0022】
本発明において層(B)に含まれる粒子は1種類であっても2種類以上であってもよく、ポリエステルB層の積層厚みtとB層に添加する最も大きい不活性粒子の平均粒径dIIの比(t/dII)は好ましくは0.3以上1.0未満、より好ましくは0.4以上0.8未満である。t/dIIが1.0以上であるとB層表面が粗くなりすぎ、磁性層へ転写して電磁変換特性が悪化しやすい。不活性粒子IIの平均粒径は好ましくは0.3μm〜1.0μmで、より好ましくは0.4μm〜0.9μm、含有量は好ましくは0.002重量%〜0.08重量%、より好ましくは0.005〜0.05重量%であり、粒子IIIの平均粒径は粒子IIよりも小さく平均粒径は好ましくは0.1μm〜0.5μm、より好ましくは0.2μm〜0.4μmで、含有量は好ましくは0.1重量%〜0.4重量%、より好ましくは0.15〜0.3重量%である。
【0023】
層(A)および層(B)に含まれる不活性粒子は、球状シリカ、ケイ酸アルミニウム、二酸化チタン、炭酸カルシウムなどの無機粒子、またその他有機系高分子粒子としては、架橋ポリスチレン樹脂粒子、架橋シリコーン樹脂粒子、架橋アクリル樹脂粒子、架橋スチレン−アクリル樹脂粒子、架橋ポリエステル粒子、ポリイミド粒子、メラミン樹脂粒子等が好ましい。これらの内の1種もしくは2種以上を選択して用いる。いずれについても、粒子形状・粒子分布は均一なものが好ましく、体積形状係数fは好ましくは0.3〜π/6であり、より好ましくはf=0.4〜π/6である。体積形状係数fは、次式で表される。
【0024】
f=V/D
ここで、Vは粒子体積(μm),Dmは粒子の投影面における最大径(μm)である。
【0025】
なお、体積形状係数fは粒子が球の時、最大のπ/6(=0.52)をとる。必要に応じて濾過などを行うことが好ましい。中でも、球状シリカは単分散性に優れ、突起形成を容易に制御でき、本発明の効果がより良好となるため好ましい。また必要に応じて、地肌補強の観点から一次粒径が0.005〜0.10μm、好ましくは0.01〜0.05μmのα型アルミナ、γ型アルミナ、δ型アルミナ、θ型アルミナ、ジルコニア、シリカ、チタン粒子などから選ばれる不活性粒子を表面突起形成に影響を及ぼさない範囲で含有してもよい。
【0026】
また、本発明におけるポリエステルフィルムは、フィルムの長手方向および幅方向のヤング率がそれぞれ3500〜10000MPaで両者の比(長手/幅)が1.0〜2.5であり、好ましくは1.2〜2.2、更に好ましくは1.5〜2.0である。一般にリニア記録方式においてはトラックずれを防止する観点から長手方向に張力がかかったときの幅方向の寸法変化率が小さいことが好ましい。長手方向の強度が大きいほど幅方向の寸法変化率は小さくなる傾向があり、好ましくは長手方向のヤング率は6000MPa以上、更に好ましくは6500MPa以上である。しかし、長手方向のヤング率が10000MPaよりも大きくなると、フィルム製膜時の延伸倍率が高くなり、フィルム破断が多発し、製品歩留まりが著しく悪くなるため好ましくない。一方、長手方向の強度が3500MPaよりも小さくなると、十分な磁気テープの強度が得られず、記録・再生時に強い力がかかると、容易に破断するため好ましくない。
【0027】
長手方向および幅方向のヤング率の比(長手方向/幅方向)が1.0よりも小さくなると、トラックズレが発生し電磁変換特性が悪化しやすい。
【0028】
本発明におけるポリエステルフィルムは、本発明の効果を阻害しない範囲で少なくとも片面に水溶性塗剤、あるいは有機溶剤系の塗剤を塗布することにより易接着層を設けても良い。
【0029】
本発明に用いられるポリエステルフィルムの厚さは、高容量化に伴い薄膜化が進んでおり、2.0〜7.0μmが好ましく、より好ましくは4.0〜6.5μmである。7.0μmよりも厚いとカセットに入るテープ長が短くなり、十分な記録容量が得られない。
【0030】
なお本発明のフィルム中には、発明を阻害しない範囲で、耐熱性ポリマを20重量%以下の割合でブレンドしても良い。耐熱性ポリマとしては、溶融成形性及びポリエステルとの相溶性を有する熱可塑性樹脂であれば特に限定されず、ポリイミド系樹脂(ポリエーテルイミドを含む)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアリレートが例示される。
【0031】
この中でも、ポリエステルとの親和性が良好であり、ガラス転移温度(Tg)が150〜350℃で溶融成形性に優れている点から、ポリイミド系樹脂、ポリスルホン、ポリエーテルスルホンから選ばれる熱可塑性ポリマが好ましい。親和性が良好とは、例えばポリエステルと耐熱性ポリマからなるポリマ−アロイを用い、未延伸または2軸延伸フィルムを作成し、該フィルム断面を透過型電子顕微鏡で3万〜50万倍の倍率で観察した場合、外部添加粒子などの添加物に起因しない直径200nm以上の構造(例えば分散不良のポリマードメインなど)が観察されないことをいう。ただし、親和性を判定する方法は特にこれに限定されるものではなく、温度変調型DSC(MDSC)によって、単一のガラス転移点が観察される場合には良好な親和性があると判定してもよい。このような熱可塑性ポリマの中でも、相溶性、コスト、溶融成形性の観点から、2,2−ビス[4−(2,3−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物と、m−フェニレンジアミンまたはp−フェニレンジアミンとの縮合物が特に好ましい。このポリエーテルイミドは、”ウルテム”(登録商標)の商標名で、General Electric(GE)社より入手可能である。また、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、紫外線吸収剤などの有機添加剤が通常と同等量添加されても良い。
【0032】
次に本発明の二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法について説明する。まず、ポリエステルに不活性粒子を含有せしめる方法としては、例えばジオール成分であるエチレングリコールに不活性粒子Iを所定割合にてスラリーの形で分散せしめ、このエチレングリコールスラリーをポリエステル重合完結前の任意段階で添加する。ここで、粒子を添加する際には、例えば、粒子を合成時に得られる水ゾルやアルコールゾルを一旦乾燥させることなく添加すると粒子の分散性が良好であり、滑り性、電磁変換特性を共に良好とすることができる。また粒子の水スラリーを直接所定のポリエステルペレットと混合し、ベント方式の2軸混練押出機に供給しポリエステルに練り込む方法も本発明の効果に有効である。
【0033】
粒子の含有量を調節する方法としては、上記方法で高濃度の粒子マスターを作っておき、それを製膜時に粒子を実質的に含有しないポリエステルで希釈して粒子の含有量を調節する方法が有効である。
【0034】
上記の方法にて得られたポリエステルのペレットを所定の割合で混合し、乾燥したのち、公知の溶融積層用押出機に供給し、ポリマーをフィルターにより濾過する。非常に薄い磁性層を塗布する高密度磁気記録媒体用途においては、ごく小さな異物もDOの原因となるため、フィルターには例えば1.5μm以上の異物を95%以上捕集する高精度のものを用いることが有効である。続いてスリット状のスリットダイからシート状に押し出し、キャスティングロール上で冷却固化せしめて未延伸フィルムすなわち、1から3台の押出機、1から3層のマニホールドまたは合流ブロック(例えば矩形合流部を有する合流ブロック)を用いて必要に応じて積層し、口金からシートを押し出し、キャスティングロールで冷却して未延伸フィルムこの場合、背圧の安定化および厚み変動の抑制の観点からポリマ流路にスタティックミキサー、ギヤポンプを設置する方法は有効である。
【0035】
次にこの未延伸フィルムの延伸方法は逐次延伸であっても同時二軸延伸であってもよいが、逐次延伸の場合最初の長手方向の延伸が重要であり、延伸温度は90〜130℃、好ましくは100〜120℃である。延伸温度が90℃よりも低くなるとフィルムが破断しやすく、延伸温度が130℃よりも高くなるとフィルム表面が熱ダメージを受けやすくなるため好ましくない。また、延伸ムラを防止する観点からは延伸は2段階以上に分けて行うことが好ましく、トータル倍率は2.5〜4.0、好ましくは2.8〜3.5倍である。延伸倍率が2.5倍よりも小さいと磁気記録媒体用として必要な強度が得られにくい。一方、倍率が4.0倍よりも大きくなると、フィルム破断が起こりやすく、安定したフィルムの製造が難しい。さらに、延伸ロールの材質としては、表面の粗さなどを制御しやすい非粘着性のシリコーンもしくはフッ素系樹脂からなるロール等が好ましい。金属製のロールを用いて可能であるが、ロールとフィルムが密着してフィルムに熱ダメージを与えやすく、本発明の特徴とするフィルム表面を製造することは難しい。さらに延伸ロールの表面粗さRaは、0.005〜1.0μm、好ましくは0.01〜0.6μmである。Raが1.0μmよりも大きいと延伸時ロール表面の凸凹がフィルム表面に転写するため好ましくなく、一方0.005μmよりも小さいとロールとフィルム地肌が密着し、フィルムが熱ダメージを受けやすくなるため好ましくない。さらに、長手方向のムラを制御するためには延伸ロール円周方向の表面粗さのばらつきは表面粗さの1/4以下、好ましくは1/5以下に制御する必要がる。表面粗さをこの範囲に制御するためには、研磨剤の粒度、研磨回数などを適宜調整することが有効である。さらに、長手方向のムラを制御するためにはロールの振れ、円筒度は共に0.10mm以下、好ましくは0.05mm以下であることが好ましい。振れ、円筒度が0.10mmを超えると、延伸ムラを引き起こし、表面性のムラが発生しやすくなるため好ましくない。振れ、円筒度を上記の範囲にするためには、ロールの軸の調整、研磨剤の粒度、研磨回数を適宜調整することが有効である。さらに、延伸部におけるロールとフィルムのトータルの接触時間は0.1秒以下、好ましくは0.08秒以下にすることがフィルムを製造する上で特に有効である。ロールとフィルムの接触時間が0.1秒よりも大きくなると、延伸ロールの熱によりフィルム表面にうねりが発生し、本発明の特徴とするフィルムが得られにくい。
【0036】
その後、85〜140℃、好ましくは90〜120℃で幅方向に2.5〜4.5倍、好ましくは3.0〜4.0倍延伸する。かかる温度、倍率範囲をはずれると延伸ムラあるいは熱ダメージによる表面性の悪化、フィルム破断などの問題を引き起こし、本発明の特徴とするフィルムが得られにくいため好ましくない。2軸延伸されたフィルムをさらに、温度110℃〜160℃で1.1〜2.5倍再縦延伸する。本発明の目的とする表面を得るためには、120〜150℃で、1.2〜2.0倍程度再縦延伸することが好ましい。かかる温度、倍率の範囲を外れると、熱ダメージによる表面性悪化、さらにはフィルム破断を引き起こすため好ましくない。その後1.0〜1.5倍再横延伸した後、190〜225℃好ましくは200〜220℃で0.5〜20秒、好ましくは1〜15秒熱固定を行う。特に熱固定温度はフィルム表面性に大きく影響を与えるため、本発明の目的を達するためには上記範囲に制御しなければならない。また、熱処理後に弛緩処理を施す工程を設けるとさらに好ましい。このようにして得られたフィルムを繊維強化プラスチック(FWP)コアA(天龍工業(株)製FWP−10)にサーフェースセンターワインド方式のスリッタを用いて、幅1m、長さ10000mのフィルムロールに巻取張力5kg/m、巻取接圧40kg/m、巻取速度160m/分で巻上げた。
【0037】
【実施例】
以下、実施例で本発明を詳細に説明する。
【0038】
本発明の特性値の測定方法、並びに効果の評価方法は次の通りである。
(1)粒子の平均粒径
フィルムからポリマをプラズマ低温灰化処理法で除去し、粒子を露出させる。処理条件は、ポリマは灰化されるが粒子は極力ダメージを受けない条件を選択する。その粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、粒子画像をイメージアナライザで処理する。SEMの倍率はおよそ5000〜20000倍から適宜選択する。観察箇所をかえて粒子数5000個以上で粒径とその体積分率から、次式で体積平均径dを得る。粒径の異なる2種類以上の粒子を含有している場合には、それぞれの粒子について同様の測定を行い、粒径を求めた。
d=Σ(di・Nvi)
ここで、diは粒径、Nviはその体積分率である。粒子がプラズマ低温灰化処理法で大幅にダメージを受ける場合には、フイルム断面を透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、3000〜100000倍で観察する。TEMの切片厚さは約100nmとし、場所をかえて500視野以上測定し、上記式から体積平均径dを求める。
(2)粒子の体積形状係数
走査型電子顕微鏡で、粒子の写真を例えば5000倍で10視野撮影した上、画像解析処理装置を用いて、投影面最大径および粒子の平均体積を算出し、下記式により体積形状係数を得た。
【0039】
f = V / D
ここで、Vは粒子の平均体積(μm)、Dは投影面の最大径(μm)である。
(3)フィルム積層厚み
表面からエッチングしながらXPS(X線光電子光法)、IR(赤外分光法)あるいはコンフォーカル顕微鏡などで、その粒子濃度のデプスプロファイルを測定する。片面に積層したフイルムにおける表層では、表面という空気−樹脂の界面のために粒子濃度は低く、表面から遠ざかるにつれて粒子濃度は高くなる。本発明の片面に積層したフイルムの場合は、深さ[I]で一旦極大値となった粒子濃度がまた減少し始める。この濃度分布曲線をもとに極大値の粒子濃度の1/2になる深さ[II](ここで、II>I)を積層厚さとした。さらに、無機粒子などが含有されている場合には、二次イオン質量分析装置(SIMS)を用いて、フイルム中の粒子のうち最も高濃度の粒子の起因する元素とポリエステルの炭素元素の濃度比(M+ /C+ )を粒子濃度とし、層(A)の表面からの深さ(厚さ)方向の分析を行う。そして上記同様の手法から積層厚さを得る。
(4)Relative Power、および中心面平均粗さ WRa
WYKO社製 非接触3次元粗さ計TOPO−3Dを用いて、測定面積倍率41.6倍、測定面積 239×239μm(0.057mm)で測定した。該粗さ計に内蔵された表面解析ソフト(ver. 4.90)により、各空間周波数におけるRelative Powerおよび中心面平均粗さ(WRa)を求めた。測定は10回行い、平均値をもってRelative Power およびWRaの値とした。
また、フィルム長手方向のI10 TDのばらつきについては、延伸ロールの粗さ測定間隔に再縦延伸の倍率を乗じた長さ毎に6点測定した。例えば延伸ロールの粗さ測定位置が50mmおき、再縦倍率が1.7倍の場合、長手方向に85mmおきに6カ所評価してそれぞれの位置におけるRelative Powerを測定し、それらの中の最大値と最小値の差をばらつきとして評価した。
【0040】
なお、Relative Powerは、各空間周波数におけるパワースペクトラムP(fx, fy)を対数スケール(dB)で表した値であり、P(fx, fy)=1nmを0dBと表記するよう解析ソフト中で基準化されている。xをフィルム幅方向、yをフィルム長手方向として測定した。P(fx, fy)およびWRaは、それぞれ下記式により計算される。
【0041】
【数1】
Figure 2004299057
【0042】
式中、P(fx,fy)はパワースペクトラムであり、Aは測定面積、FTは∬h(x,y)exp[i2π(xfx+yfy)]で表されるフーリエ変換の演算、h(x,y)は表面形状データ、fx, fyは空間上の周波数座標である。
【0043】
【数2】
Figure 2004299057
【0044】
また、Zjkは、測定方向とそれと直交する方向をそれぞれM,N分割したときの各方向のj番目、k番目の位置における3次元粗さチャート上の高さである。
【0045】
測定機器はWYKOに特定するもでのはなく、同様の測定が可能なZYGO等を用いても良い。
(5)フィルムのヤング率
JIS−K7127の方法に従い、インストロンタイプの引張り試験機を用いて測定した。
(6)延伸ロールの表面粗さ
Mitutoyo(株)製の表面粗さ計サーフテスト301を使用して、カットオフ0.25mmにて中心面平均粗さを幅方向に5回測定し平均値を採用した。さらに、円周方向に6等分してそれぞれの位置で表面粗さを測定し、円周方向における表面粗さの最大値と最小値の差をばらつきとして採用した。ロールの表面粗さは円周方向6カ所の平均値を採用した。
(7)延伸ロールの振れ
延伸ロールを回転させたときの振れを、幅方向に3等分した各領域の中央部においてダイヤルゲージにて測定し、それらの平均値を採用した。
(8)延伸ロールの円筒度
延伸ロールを固定し、ダイヤルゲージをコア幅方向に移動させ、最大値と最小値の差を円筒度とした。円筒度は後述の原反形状測定器により測定した値から計算してもよい。
(9)巻取性
巻取り性を下記基準で評価した。
【0046】
150m/分以上でスリット可能である : ○○
100〜150m/分でスリット可能である : ○
100m/分以下の速度でもシワが発生し巻き取れない : ×
(10)電磁変換特性
本発明のポリエステルフィルムの表面に、下記組成の磁性塗料を乾燥・カレンダ後の厚さが下塗層厚さ1.8μm、磁性層厚さ0.18μmになるよう塗布し、磁気配向させ、乾燥させる。次いで反対面に下記組成のバックコートを乾燥・カレンダ後の厚さが0.5μmになるよう塗布し、カレンダー処理した後、65℃で、72時間キュアリングする。上記テープ原反を1/2インチ幅にスリットし、磁気テープとしてカセットに組み込んでカセットテープとした。
(下塗層用塗料成分)
・酸化鉄粉末(粒径:0.10×0.02μm) : 70重量部
・α−アルミナ(粒径:0.07μm) : 8重量部
・カーボンブラック(粒径25nm) : 25重量部
・ステアリン酸 : 1.9重量部
・塩化ビニル共重合体 : 8.8重量部
・ポリエステルポリウレタン樹脂 : 4.5重量部
・シクロヘキサノン : 105重量部
・メチルエチルケトン : 105重量部
・トルエン : 38重量部
・ステアリン酸ブチル : 1重量部
・ポリイソシアナート : 4.5重量部
(磁性層用塗料成分)
・強磁性鉄系金属粉 :100重量部
・塩化ビニル−ヒドロキシプロピルアクリレート共重合体
:12.4重量部
・ポリエステルポリウレタン樹脂 :5.5重量部
・α−アルミナ(平均粒径:0.12μm) : 10重量部
・カーボンブラック(平均粒径:75nm) : 1重量部
・メタルアシッドホスフェート : 2重量部
・パルミチン酸アミド :1.6重量部
・ステアリン酸n−ブチル : 1重量部
・テトラヒドロフラン : 64重量部
・メチルエチルケトン :243重量部
・トルエン : 85重量部
・ポリイソシアナート : 2重量部
・シクロヘキサノン :168重量部
(バックコートの組成)
・カーボンブラック(平均粒径:25nm) : 82重量部
・カーボンブラック(平均粒径:370nm) : 10重量部
・酸化鉄(長軸長:0.4μm、軸比10) : 10重量部
・ニトロセルロース : 45重量部
・ポリウレタン樹脂 : 30重量部
・シクロヘキサノン : 260重量部
・メチルエチルケトン : 530重量部
・トルエン : 260重量部
記録トラック幅を20.5μm、再生トラック幅を12μmとしたリニア記録方式であるLTOドライブを用いて、記録(記録波長0.37μm)・再生し、下記基準により判定した。
【0047】
+3dB以上 :○○
+1dB以上、+3dB未満のもの :○
+1dB未満のもの :×
判定ランクの内、○○および○を合格とした。
実施例1
平均粒径0.06μm、体積形状係数f=0.51の球状シリカ粒子を含有するポリエチレンテレフタレートと実質上粒子を含有しないポリエチレンテレフタレートのペレットを作り、球状シリカ粒子の含有量が0.2重量%となるよう2種のペレットを混合することにより熱可塑性樹脂Aを調製した。また、平均粒径0.3μm、体積形状係数f=0.52のジビニルベンゼン/スチレン共重合架橋粒子を含有するポリエチレンテレフタレートと、平均粒径0.8μm、体積形状係数f=0.52のジビニルベンゼン/スチレン共重合架橋粒子を含有するポリエチレンテレフタレート、および実質上粒子を含有しないポリエチレンテレフタレートのペレットを、0.3μmの粒子含有量が0.26重量%、0.8μmの粒子含有量が0.01重量%となるよう混合した熱可塑性樹脂Bを調製した。これらの熱可塑性樹脂をそれぞれ160℃で8時間減圧乾燥した後、別々の押出機に供給し、275℃で溶融押出して高精度濾過した後、矩形の2層用合流ブロックで合流積層し、2層積層とした。その後、285℃に保ったスリットダイを介し冷却ロール上に静電印可キャスト法を用いて表面温度25℃のキャスティングドラム巻き付け冷却固化して未延伸積層フィルムを得た。この未延伸積層フィルムを延伸温度110℃で2段階に分けて長手方向に延伸した。このとき接触する延伸ロールには非粘着性のシリコーンロールを用い、表面粗さRaは0.40μm、表面粗さのばらつきは0.06μm、振れは0.02mm、円筒度は0.01mm、更に2段階の延伸部のフィルムとロールのトータルの接触時間は0.05秒とした。その後、この一軸延伸フィルムをテンタにより温度95℃で幅方向に3.2倍延伸した後、140℃で1.7倍再縦延伸し、定長下で210℃で3秒間熱処理し、弛緩処理を施し、総厚み6μm、層(B)の厚み0.4μmのフィルム原反を得た。
【0048】
実施例2
層(B)へ添加する粒子の粒径及び添加量を変更し、延伸温度を125℃、再縦延伸の倍率を1.4倍、熱処理ゾーンにおいて1.4倍の再横延伸を行う以外は、実施例1と同様にして二軸配向積層ポリエステルフィルムを得た。
【0049】
実施例3
層(A)に添加する粒子の添加量、及び層(B)に添加する粒子の粒径及び添加量、さらに全厚を5μ(層(B)の厚みは0.4μm)に変更する以外は実施例1と同様にして二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0050】
実施例4
上述の実質的に粒子を含有しないポリエチレンテレフタレート(50重量%)とGE社製の”ウルテム”(50重量%)を、290℃に加熱した同方向ベント式2軸混練押出機に供給して、”ウルテム”を50重量%含有したブレンドチップを作成した。上記ペレタイズ操作により得たブレンドチップを層(A)および層(B)共に20重量%になるよう混合し、延伸温度を120℃、再縦延伸の倍率を1.6倍、熱処理ゾーンにおいて1.2倍の再横延伸を行う以外は実施例1と同様にして二軸配向積層ポリエステルフィルムを得た。
【0051】
実施例5
層(A)に添加する粒子の粒径及び添加量を変更する以外は、実施例4と同様にして二軸配向積層ポリエステルフィルムを得た。
【0052】
実施例6
平均粒径0.10μm、体積形状係数f=0.51の球状シリカ粒子を含有するポリエチレンテレフタレートと実質上粒子を含有しないポリエチレンテレフタレートのペレットを作り、球状シリカ粒子の含有量が0.1重量%となるよう2種のペレットを混合することにより熱可塑性樹脂を調製し、単層のフィルムとする以外は実施例1と同様にして二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0053】
実施例7
ポリエステルB層の厚みを1.0μm、表面粗さのばらつきを0.10μmとする以外は、実施例1と同様にして二軸配向積層ポリエステルフィルムを得た。
【0054】
比較例1
延伸ロールに表面粗さRa 0.6μm、円周方向のRaのばらつきは0.2μm、振れ0.02mm、円筒度0.04mのセラミックスロールを用い、延伸温度を125℃、接触時間を0.15秒に変更する以外は、実施例1と同様にして二軸積層ポリエステルフィルムを得た。
【0055】
比較例2
延伸部の非粘着シリコーンロール温度を130℃、接触時間を0.15秒、再縦延伸の倍率を1.1倍とし、熱処理ゾーンにおいて1.3倍の再横延伸を行った以外は、実施例1と同様にして二軸積層ポリエステルフィルムを得た。
【0056】
比較例3
延伸部に鏡面仕上げの金属ロールを用いる以外は、実施例1と同様にして二軸配向積層ポリエステルフィルムを得た。
【0057】
比較例4
延伸部に鏡面仕上げの金属ロールを用いる以外は、実施例6と同様にして二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0058】
比較例5
延伸ロール円周方向のRaのばらつきが0.15μmである非粘着性のシリコーンロールを使用する以外は、実施例1と同様にして二軸配向積層ポリエステルフィルムを得た。
【0059】
比較例6
層(A)に添加する粒子の添加量および延伸部の非粘着シリコーンロール温度を135℃とする以外は、実施例2と同様にして二軸積層ポリエステルフィルムを得た。
【0060】
【表1】
Figure 2004299057
【0061】
【表2】
Figure 2004299057
【0062】
【発明の効果】
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、優れた巻取り性、電磁変換特性を発揮するためその工業価値は高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の特徴とする空間周波数とRelative Powerの関係を示す概略図である。
【図2】一般的なヘリカル記録方式とリニア記録方式を概略図である。

Claims (7)

  1. 少なくとも片面の幅方向における空間周波数10 (1/mm)のRelative Power I10 TDが、−25 〜−5 dBであり、かつフィルム長手方向におけるI10 TDのばらつきが6 dB以下であることを特徴とする二軸配向ポリエステルフィルム。
  2. 少なくとも片面の幅方向における空間周波数10と200 (1/mm)のRelative Powerの強度差I10−200 TD が5〜26 dBであることを特徴とする請求項1に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
  3. ポリエステルA層の片面にポリエステルB層を積層することを特徴とする請求項1または2項に記載の二軸配向積層ポリエステルフィルム
  4. ポリエステルA層に平均粒径dIが0.04〜0.15μmの不活性粒子Iを含有することを特徴とする請求項1〜3項のいずれか1項に記載の二軸配向積層ポリエステルフィルム
  5. ポリエステルB層に単独または大きさの異なる2種の不活性粒子II、IIIを含有し、ポリエステルB層の積層厚みtとB層に添加する最も大きい不活性粒子の平均粒径dIIの比(t/dII)が0.3以上1.0未満であることを特徴とする請求項1〜4項のいずれか1項に記載の二軸配向積層ポリエステルフィルム
  6. リニア記録方式の磁気記録媒体用ベースフィルムとして用いられることを特徴とする請求項1〜5項のいずれか1項に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
  7. 重層メタル塗布型デジタル記録方式の磁気記録媒体用ベースフィルムとして用いられることを特徴とする請求項1〜6項のいずれか1項に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
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