JP2004296437A - エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】エレクトロルミネッセンス素子の光取り出し効率を向上させる。
【解決手段】陰極1、エレクトロルミネッセンス層2、透明電極層3、光散乱粒子含有浸み出し光拡散層4’およびガラス基板等の透光性の基板5がこの順に積層配置されている。エレクトロルミネッセンス層2からの光は、そのまま、または陰極1で反射されエレクトロルミネッセンス層2を通って、透明電極層3側に出射し、その後光散乱粒子含有浸み出し光拡散層4’および基板5を通って取り出される。光散乱粒子含有浸み出し光拡散層4’を設けているので、透明電極層3側から光散乱粒子含有浸み出し光拡散層4’に浸み出した光の一部が光散乱粒子によって散乱され、透明電極層3内の全反射光に戻ることなく散乱後、直接、もしくは陰極1で反射された後、光散乱粒子含有浸み出し光拡散層4’中に拡散するようになる。全反射の反射率が低下し、より多くの光が透明電極層3から光散乱粒子含有浸み出し光拡散層4’側に侵入するようになり、光取り出し効率が向上する。
【選択図】図1

Description

本発明は、エレクトロルミネッセンス(EL)素子に係り、特にエレクトロルミネッセンス層からの光の取り出し効率が高いエレクトロルミネッセンス素子に関するものである。
ELディスプレイに用いられるエレクトロルミネッセンス素子は、図4(a)に示すように、少なくとも透明基板5、透明電極層(陽極)3、エレクトロルミネッセンス層2および陰極1を有する。このエレクトロルミネッセンス素子は、陽極である透明電極層3から注入された正孔と陰極1から注入された電子とがエレクトロルミネッセンス層2で再結合し、その再結合エネルギーによって発光中心が励起され、発光するという発光原理を有する。
ELディスプレイにおいては、エレクトロルミネッセンス層2で発光した光が透明基板5側に効率的に取り出されることが好ましいが、図4(b)に示すように、出射角の大きい光11は、透明基板5と空気7との界面で全反射し、透明基板2の内部を面方向に全反射しながら進む導波光12となる。また透明電極層と透明基板との界面で全反射し、透明電極内部、あるいは透明電極とエレクトロルミネッセンス層内部を面方向に進む導波光も存在し、この導波光は素子内部で吸収されて減衰してしまい外部へ取り出されない(非特許文献1,2)。
これらの導波光12により、透明基板2から取り出される光取り出し効率(エレクトロルミネッセンス層2で発生した光がエレクトロルミネッセンス素子の外部取り出される割合のこと。)は20%程度と低い。
こうした問題に対し、図5に示すように、透明基板5のエレクトロルミネッセンス層2側に低屈折率層4を設け、この低屈折率層4で出射角の大きい光11を屈折させて導波光の発生を低減し、光取り出し効率を向上させることが検討されている。例えば、下記特許文献1には、シリカエアロゲル膜技術により形成された屈折率1.01〜1.3の低屈折率層を有するエレクトロルミネッセンス素子が記載されている。
特開2002−278477号公報(段落番号0010〜0012) チュティナンら 「春季応物学会予稿」2003 27P-A-16 冨士田ら 「春季応物学会予稿」2003 29-YN-13
上記の特開2002−278477号公報のように、透明電極層3と透明基板5との間に低屈折率層4を設けることにより、透明基板5の空気層7との界面における全反射が低減されるが、同号公報では透明電極層3の低屈折率層4との界面における全反射については改善がなされていない。むしろ、低屈折率層4を設けることにより、透明電極層3の低屈折率層4との界面における全反射量は増加してしまうとの問題があった。
本発明は、透明基板の空気層との界面に加えて透明電極層の光取出側の界面における全反射が低減され、光の取り出し効率が十分に改善されたエレクトロルミネッセンス素子を提供することを目的とする。
本発明(請求項1)のエレクトロルミネッセンス素子は、陰極、エレクトロルミネッセンス層、透明電極層、および透光体がこの順に配置されてなるエレクトロルミネッセンス素子において、該透明電極層と透光体との間に、低屈折率材料からなるマトリックス中に光を散乱させる粒子を含有させた浸み出し光拡散層を設けたことを特徴とするものである。
このように透明電極層と透光体との間に、低屈折率材料からなるマトリックス中に光を散乱させる粒子を含有させた浸み出し光拡散層を設けると、エレクトロルミネッセンス層、透明電極層と低屈折率層との界面に入射した光の全反射量が低減される。
この理由については次の通り考えられる。即ち、エレクトロルミネッセンス層から透明電極層を通って低屈折率材料からなるマトリックス中に光を散乱させる粒子を含有させた浸み出し光拡散層との界面に光が臨界角よりも大きな入射角で入射した場合、この光は該界面で全反射される。しかし、後述の第1図(b)に示すように、この全反射に際しては、光の一部が該界面よりも低屈折率層側(低屈折率材料からなる層側)に浸み出す如き現象が生じる(この浸み出し光は、エバネッセント波、あるいは近接場光と呼ぶことがある)。即ち、入射光の電界および磁界が界面よりも低屈折率層側にまで存在することになる。
この浸み出し現象を利用し、光の浸み出し距離(深さ)内に低屈折率材料からなるマトリックスと屈折率の異なる粒子を存在させることにより、低屈折率層側に浸み出した光の一部が該粒子によって散乱され、最早透明電極層内の全反射光に戻ることなく散乱後、直接、もしくは陰極の例えばアルミ反射膜で反射された後、低屈折率層中に拡散するようになる。このようにして、光を散乱させる粒子(以下「光散乱粒子」と称す場合がある。)を透明電極層に接する低屈折率層に含有させることにより、全反射の反射率が低下し、より多くの光が透明電極層から低屈折率層側に侵入するようになり、この結果として、エレクトロルミネッセンス素子の光取り出し効率が向上する。光散乱粒子を用いること以外に、透明電極層と低屈折率層との間に、あるいは透明電極層と透光体(ガラス基板)との間に、または透明電極層とEL発光層との間にグレーティングや平面フォトニクス結晶、マイクロレンズを形成する等、制御された凹凸を設けるとの提案もあるが、これらはいずれも形成に手間とコストがかかり、工業的には不利である。
本発明(請求項2)のエレクトロルミネッセンス素子は、陰極、エレクトロルミネッセンス層、透明電極層、低屈折率層および透光体がこの順に配置されてなるエレクトロルミネッセンス素子において、該透明電極層と低屈折率層との間に、低屈折率材料からなるマトリックス中に光を散乱させる粒子を含有させた浸み出し光拡散層が設けられており、該浸み出し光拡散層のマトリックスは該低屈折率層の屈折率と同等であって、該透明電極層の屈折率より低い屈折率を有することを特徴とするものである。
なお、本明細書において、「屈折率が同等」とは、一方の屈折率と他方の屈折率との差が0.3未満、好ましくは0.2以下、とりわけ好ましくは0.1以下であることをいう。また屈折率が「低い」とは、測定上差が生じる程度に「低く」ければよいが、実際上は0.1を超えて、好ましくは0.2を超えて、より好ましくは0.3以上、更に好ましくは0.4以上、とりわけ好ましくは0.5以上差があって低いことを示す。
この透明電極層と低屈折率層との間に設けられた浸み出し光拡散層の界面では、上記と同様にして粒子を含有する浸み出し光拡散層の光散乱作用により、透明電極層から低屈折層側に浸み出した光の全反射を低減させる。即ち、透明電極層と浸み出し光拡散層との界面で全反射が生じる場合、全反射時に粒子含有浸み出し光拡散層に浸み出した光が粒子含有浸み出し光拡散層中の粒子によって散乱され、粒子含有層側に取り出される。これにより、透明電極層から直接、あるいは陰極の例えばアルミ反射膜で反射された後、透明電極層の粒子含有層側の界面で全反射せずに粒子含有層に進入する光量が増加する。
この粒子含有浸み出し光拡散層のマトリックスと低屈折率層とは屈折率が同等であるので、該粒子含有浸み出し光拡散層と低屈折率層との界面では全反射が生じにくい。この結果、透明電極層から粒子含有浸み出し光拡散層に進入し、該粒子含有浸み出し光拡散層と低屈折率層との界面に達した光は、ほとんどがそのまま低屈折率層に進入する。このようにして、エレクトロルミネッセンス素子からの光取り出し効率が向上する。
すなわち、本発明は、光散乱粒子含有浸み出し光拡散層により、通常は透明電極層内に閉じこめられてしまう全反射光の一部を、全反射の際に生ずる浸み出しを利用して取り出し、さらに低屈折率層により透明基板内へ垂直に近づけて屈折入射(全反射を起こす量が少ない角度で入射)させることにより、透明基板の空気層界面での全反射を抑制する。これにより、光取り出し効率が格段に向上する。
なお、単なる散乱層(浸み出し光の到達しない範囲に散乱粒子が分散された、光の取りだしには関与しない光散乱のみを行う層)では、物理的には、単に全反射しなかった光が低屈折率層に移動し、この光を散乱する働きのみであるから、透明基板の空気層界面での全反射はほとんど低減されず、光取り出し効率向上はほとんど期待できない。
本発明によると、エレクトロルミネッセンス素子の光取り出し効率を著しく向上させることができる。本発明により、無機発光材料、有機発光材料にかかわらず、幅広くエレクトロルミネッセンス素子の光取り出し効率を向上させることができる。
以下、実施の形態を参照しながら、本発明についてさらに詳細に説明する。図1および図2はいずれも本発明の実施の形態に係るエレクトロルミネッセンス素子を示す断面図である。
図1(a)は請求項1の実施の形態に係るエレクトロルミネッセンス素子を示しており、陰極1、エレクトロルミネッセンス層2、透明電極層3、光散乱粒子含有浸み出し光拡散層4’およびガラス基板等の透光性の基板5がこの順に積層配置されている。
エレクトロルミネッセンス層2からの光は、そのまま、または陰極1で反射されエレクトロルミネッセンス層2を通って、透明電極層3側に出射し、その後光散乱粒子含有浸み出し光拡散層4’および基板5を通って取り出される。
このエレクトロルミネッセンス素子では、光散乱粒子含有浸み出し光拡散層4’を設けているので、透明電極層3側から光散乱粒子含有浸み出し光拡散層4’に侵入した光が基板5の基板面と垂直に近い入射角にて基板5と光散乱粒子含有浸み出し光拡散層4’との界面に入射するようになり、基板5の空気層側界面での全反射が減少する。
この実施の形態では、光散乱粒子含有浸み出し光拡散層4’に粒子を含有させているので、次のようにして透明電極層3の光散乱粒子含有浸み出し光拡散層4’との界面での全反射が減少し、光取り出し効率が向上する。
即ち、エレクトロルミネッセンス層2から透明電極層3を通って透明電極層3と低屈折率層(この場合、光散乱粒子含有浸み出し光拡散層4’は設けられていない場合を考える)との界面に光11が臨界角よりも大きな入射角で入射した場合、この光11は該界面で全反射される。この全反射に際しては、光の一部が該界面よりも低屈折率層側に浸み出す如き現象が生じる。即ち、入射光の電界および磁界が透明電極層3と低屈折率層との界面よりも低屈折率層側にまで浸み出して存在することになる。この浸み出し光の到達距離は、透明電極層厚100nm、光散乱粒子含有浸み出し光拡散層4’の屈折率1.3の場合、透明電極に垂直な方向へ500〜600nmにもなることが知られている。通常は、低屈折率層側に浸み出した光は全反射しての透明電極層3側に戻ることになる。
本発明は透明電極層3と低屈折率層の界面近傍の浸み出し光が存在する位置に、低屈折率層でもある光散乱粒子含有浸み出し光拡散層4’を設けている。このような構造とすることにより、透明電極層3と低屈折率層の界面近傍で低屈折率層に浸み出た光を粒子(低屈折率層と屈折率の異なる粒子)が散乱させることになる。
すなわち、光散乱粒子含有浸み出し光拡散層4’側に浸み出した光の一部が該粒子によって散乱され、最早透明電極層3内の全反射光に戻ることなく光散乱粒子含有浸み出し光拡散層4’側に入り込む(移送される、取り込まれる)。光散乱粒子含有浸み出し光拡散層4’側に入り込んだ光は光散乱粒子によって散乱され、拡散された後、直接、もしくは陰極1の例えばアルミ反射膜で反射された後、光散乱粒子含有浸み出し光拡散層4’中に拡散するようになる。
このようにして、光散乱粒子含有浸み出し光拡散層4’により、全反射の反射率が低下し、より多くの光が透明電極層3から光散乱粒子含有浸み出し光拡散層4’側に進入するようになり、この結果として、エレクトロルミネッセンス素子の光取り出し効率が向上する。
次に、基板5および各層1〜4’の好ましい構成について説明する。
A:基板について
基板としては、その屈折率が1.4〜1.9、好ましくは1.45〜1.70、更に好ましくは1.47〜1.65、最も好ましくは1.48〜1.60の範囲のものが用いられる。
基板の屈折率が1.9を越える場合は、基板と空気との屈折率差が大きいため、ここでの全反射量が大きくなってしまう。基板の厚さは通常100μm厚を越えるので特にELディスプレー用途の場合は、ここでの全反射が大きいと一度全反射した光線が拡散層まで戻り再び散乱されて出射される量が増えるため、通常100μm角以下のサイズである画素間で出射光が混ざり合ってしまい画素滲み、色滲み等の解像度を低下させる現象が発生するので好ましくない。
また基板の屈折率が1.9を越える場合には、基板表面への外光の映りこみが大きくなり、これもディスプレーの解像度を低下させるため好ましくない。
基板の屈折率が1.4を下回る場合には自己支持性の透明基板材料として適切な材料が無いため好ましくない。
この屈折率は、ASTM D−542に基づき、エリプソメーターによる測定で決定される全深さ方向の平均屈折率であり、23℃でのナトリウムD線(589.3nm)に対する値で表される。こうした屈折率を有する基板としては、汎用材料からなる透明基板を用いることができる。例えば、BK7、SF11、LaSFN9、BaK1、F2等の各種ショットガラス、合成フューズドシリカガラス、光学クラウンガラス、低膨張ボロシリケートガラス、サファイヤ、ソーダガラス、無アルカリガラス等のガラス、ポリメチルメタクリレートや架橋アクリレート等のアクリル樹脂、ビスフェノールAポリカーボネート等の芳香族ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン等のスチレン樹脂、ポリシクロオレフィン等の非晶性ポリオレフィン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレンテレフタラート等のポリエステル樹脂、ポリエーテルスルホン等のポリスルホン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂等の合成樹脂を挙げることができる。これらのうち、BK7、BaK1等のショットガラス、合成フューズドシリカガラス、光学クラウンガラス、低膨張ボロシリケートガラス、ソーダガラス、無アルカリガラス、アクリル樹脂、芳香族ポリカーボネート樹脂、非晶性ポリオレフィン樹脂が好ましく、BK7のショットガラス、合成フューズドシリカガラス、光学クラウンガラス、低膨張ボロシリケートガラス、ソーダガラス、無アルカリガラス、アクリル樹脂、芳香族ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂が特に好ましい。
基板の厚さは、通常、0.1〜10mmである。なお、基板の厚さの下限値としては、機械的強度とガスバリヤ性の観点から、0.2mmが好ましく、0.3mmがより好ましい。一方、基板の厚さの上限値としては、軽量性、コンパクト性と光線透過率の観点から、5mmが好ましく、3mmがより好ましい。
積層基板の透過率が、ナトリウムD線波長(589.3nm)において80%以上となることが好ましく、85%以上となることがより好ましく、90%以上となることが更に好ましい。
B:光散乱粒子含有浸み出し光拡散層について
粒子含有光散乱粒子含有浸み出し光拡散層4’は、低屈折率のマトリックス中に粒子を分散させたものである。このマトリックスとしては、シリカ、環状テフロン等のフッ化物樹脂、フッ化マグネシウムなどが好適であるが、特に多孔性シリカが好適である。シリカには、必要に応じて疎水化、柔軟性付与、クラック防止等のため有機成分を導入しても良い。
このマトリックスの屈折率は、透明電極層3の屈折率より低いことが重要であり、好ましくは透明基板5の屈折率よりも低いものが良い。本発明における「低屈折率材料」とは上述のように、透明電極層3よりも屈折率が低い材料であること(好ましくは透明基板5より屈折率が低い材料であること)を意味する。
マトリックスの屈折率は、具体的には1.1〜1.9未満、好ましくは1.1〜1.6特に1.2〜1.5、更には1.2〜1.35程度が好ましい。屈折率が低過ぎると、膜の機械的強度に不足が発生し易い。高過ぎると光散乱粒子含有浸み出し光拡散層4’の光線出射側での全反射光量が増加し、光の取り出し効率が低下する。
光散乱粒子含有浸み出し光拡散層4’に含有させる光散乱粒子としては、シリカ(屈折率1.46)、コロイダルシリカ(屈折率1.3〜1.4製造条件により幅がある)、チタニア(屈折率2.4〜2.7結晶形態により幅がある)、ジルコニア(屈折率2.0)、ITO(インジウムティンオキサイド)(屈折率1.9)、ATO(アンチモンティンオキサイド)(屈折率1.9)、アルミナ(屈折率1.8)などが好ましい。特に、可視領域での光線吸収ができるだけ少なく(すなわち、無色透明で)、また光散乱粒子含有浸み出し光拡散層4’のマトリックスとの屈折率差ができるだけ大きいことが好ましい。
屈折率差はマトリックスと分散される光散乱粒子の屈折率の差であって、いずれの屈折率が大きいかは問わない。マトリックスより屈折率が小さい粒子の例としては微細な気泡が挙げられる。散乱率の波長依存性を抑制する目的では、微細な気泡が望ましい場合もある。通常はマトリックスより屈折率の大きな粒子が用いられることが多い。このマトリックスと光散乱粒子の屈折率の差は0.1以上、好ましくは0.3以上、より好ましくは0.5以上、更に好ましくは0.9以上であるのが良い。屈折率差の上限は原理上は無いが、入手が容易な物質から考え、通常1.5程度である。
このような光散乱粒子を上記マトリックスに分散させた光散乱粒子含有浸み出し光拡散層を形成するには、例えば後述の原料液を準備する工程(1)において原料液に光散乱粒子を添加しておけばよい。
粒子のサイズや形状は、浸み出し光を拡散する、すなわち浸み出し光が透明電極側に戻るのを防止して光取り出し側(透光体側)へ散乱・拡散させる機能を有することが必要であり、浸み出し光の浸み出し光量(浸み出し距離)が実質的に存在するのは界面(透明電極層と低屈折率層の界面)から低屈折率層側に100〜600nm程度であるので、この範囲に存在し得、光を拡散する機能を有する径であることが必要である。
光散乱粒子は、特にミー散乱を起すものが好ましく、そのために粒子サイズは、光学的サイズとして、散乱させる光の波長(通常は可視光なので400〜700nm)をλとした場合、1/20λ、好ましくは1/10λよりも大であることが望まれる。なお、光散乱粒子の粒子径が大きくなり過ぎると光散乱粒子含有浸み出し光拡散層の平坦性に問題が出易くなるので好ましくない。光散乱粒子含有浸み出し光拡散層の平坦性に問題が発生するとEL発光層内の電界が不均一となり、素子の輝度低下、寿命低下等の問題が発生し易くなる。また小さ過ぎる粒子は散乱効果が少ない上に、光散乱粒子含有浸み出し光拡散層のマトリクスの屈折率を上げてしまうので好ましくない。以上の理由より、物理的な粒子径として、粒子の重量比(重量百分率)で60%以上(「60%重量粒子径」という事がある)が20〜400nm、好ましくは40〜200nm、最も好ましくは60〜120nmの範囲にあることが望まれる。
なお、本発明において、光散乱粒子の60%重量粒子径の測定は以下のようにして実施される。
[1]FIB−SEMで拡散層の断面観察を実施した。
FIB(focused ion beam)は収束イオンビーム加工観察装置の略であり、装置は日立製作所製「FB−2000A」を用いた。断面加工条件は次の通りである。
(1) FIB加工前にPt(プラチナ)スパッタ膜を製膜した。
(2) FIBにて断面作製前に当該箇所にW(タングステン)膜を局所製膜した。
(3) FIBで観察用の穴(20μ×30μ角程度)を開け、観察に用いる面をイオンビーム電流を下げて仕上げた。イオン種はGa、イオンビーム加速電圧は30kVとした。
SEM観察は、日立製作所製「S4100」で実施した。観察条件は加速電圧5.0kVとして、試料膜垂直方向より約80度傾斜(膜断面をほぼその正面から観察することに相当)させてFIBにて作製した穴の観察面を画像を撮影した。倍率は×10000であった。
上記の断面観察画像について、下記要領で観察を実施した。
試料膜の面方向に20μ幅の画像を試料膜よりランダムに20箇所採集し、その画像中の観察される粒子について粒子径を観察した。粒子断面形状がいびつな形状である場合は、ほぼ同面積の円形断面の粒子とみなした場合の粒子径を以って該粒子の粒子径とした。
ここで観察された各粒子について、粒子径の3乗が粒子の重量に比例するとして重量換算し、全粒子についてその60重量%以上が上記に規定する粒子径換算でどの範囲にあるかを導いた。
粒子が凝集して塊り状になっている場合には、これを一つの粒子として扱った(基本的に本法による測定を採用する)。
試料膜が脆い、あるいはSEMやTEMで粒子形状がわかりにくい等の理由で上記手法が適用できない場合には、次の手段を用いて粒子径を測定した。
[2]試料膜を形成する前の塗液を調合する段階において粒子の懸濁液を粒度分布計に通して粒度分布を測定した。
粒度分布計は、日機装株式会社のMICROTEC粒度分布計型式「9230 UPA」を使用した。粒子を懸濁させる溶媒については懸濁させることができれば特に制限されるものでは無いが、チタニア粒子をシリケート溶液に分散させゾルゲル法で製膜する場合には、アルコール系溶媒が望ましい。
測定された粒度分布からは、粒子径と頻度と累積比率のデータが得られる。このデータから粒子径をほぼ球状粒子の径であるとみなして上記と同様にして60%重量粒子径がどの範囲にあるかを導いた。
浸み出し光拡散層の厚さは、上記光散乱粒子の平均粒子径の2倍以上の厚さとされていることが好ましい。このように光散乱粒子の粒子径と浸み出し光拡散層の厚さを設定することにより光散乱粒子が効率的に散乱効果を発揮する。
なお、光散乱粒子の平均粒子径は、上記に示す方法(FIB−SEM、適用しない場合は、塗布前の粒子分散液の粒度分布測定)によって粒度分布を測定し、その50体積%となる値を用いた。
光散乱粒子含有浸み出し光拡散層4’中の光散乱粒子の含有量は1〜40体積%特に5〜20体積%程度が好ましい。光散乱粒子含有量が少な過ぎる場合は十分な散乱効果が得られない。多過ぎる場合は隠蔽効果が高くなり、光を取り出せる割合が減少する。
光散乱粒子含有浸み出し光拡散層4’の厚さは100〜1000nm特に300〜700nm程度が好ましい。これは、光散乱粒子含有浸み出し光拡散層4’が浸み出し光の到達範囲に位置することが前提となることは云うまでもない。光散乱粒子含有浸み出し光拡散層4’の膜厚、利用波長にもよるが通常は透明電極層3の表面から1μm(1000nm)以内、好ましくは600nm以内に光散乱粒子を存在させて浸み出し光拡散機能を付与することが好ましく、光散乱粒子の1/3以上が透明電極層3の表面から600nm以内に配置されていることは好ましい態様の一つである。
この光散乱粒子含有浸み出し光拡散層4’が薄過ぎると、光の浸み出し距離に対して散乱層厚(浸み出し部内の粒子の存在量)が少なくなり、散乱効果が不十分となる。厚過ぎると、散乱には問題無いが、平坦化やクラック防止の点で不利になる。
なお、光散乱粒子含有浸み出し光拡散層4’の透明電極層3側界面は平坦であることが望ましいが、その理由は、光散乱粒子含有浸み出し光拡散層4’上に真空法(真空蒸着法等を意味する)によって形成された透明電極層3は下地の凹凸をほぼそのまま反映するためである。
すなわち、均一で安定した光を発生させるためにはエレクトロルミネッセンス層内の電界は出来るだけ均一に保たれることが望ましく、もし透明電極層3に凹凸が大きいと、電界が不均一になってEL色素の劣化を引き起し、ダークスポットなどの欠陥が発生し易くなる等の問題が発生するためである。
光散乱粒子含有浸み出し光拡散層4’のマトリックスとしての多孔性シリカ膜は、例えば以下の(1)〜(5)の工程により形成される。
(1) 多孔性シリカ膜形成用の原料液を準備する工程
(2) その原料液を基板上に塗布して一次膜を形成する工程
(3) 塗布された一次膜が高分子量化して中間体膜が形成される工程
(4) 中間体膜に水溶性有機溶媒を接触させて多孔性シリカ膜を形成する工程
(5) 多孔性シリカ膜を乾燥する工程
以下、各工程について説明する。
ただし、目的は低屈折率膜を形成することにあるので、本発明において、低屈折率層4の形成方法は、要件を満たす限り特にこの製法に限定されるものではない。例えば、下記文献に示すような製造プロセスによる多孔膜(メソポーラス膜)も膜の要件を満たす限り用いることができる。
特開2002−278477
USP Pat.No.US6592764B1(BLOCK COPOLYMER PROCESSING FOR MESOSTRUCTURED INORGANIC
OXIDE MATERIALS Inventors; Galen D.Stucky et al.)
アルバック社技報 57号 2002年9月発行 34〜36頁
IDW2002予稿集 1163〜1166頁
Application of Low Refractive Materials for Optical Windows of Displays T.Nakayama
Et al.ULVAC
(1)多孔性シリカ膜形成用の原料液を準備する工程;
多孔性シリカ膜形成用の原料液は、アルコキシシラン類を主体とするものであり、加水分解反応および脱水縮合反応により高分子量化を起こすことができる原料化合物を含む含水有機溶液である。
原料液である含水有機溶液は、アルコキシシラン類、親水性有機溶媒、水、および、必要に応じて加えられる触媒を含有する。
アルコキシシラン類としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ(n−プロポキシ)シラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ(n−ブトキシ)シラン等のテトラアルコキシシラン類、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン等のトリアルコキシシラン類、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン等のジアルコキシシラン類、ビス(トリメトキシシリル)メタン、ビス(トリエトキシシリル)メタン、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン、1,2−ビス(トリエトキシシリル)エタン、1,4−ビス(トリメトキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(トリエトキシシリル)ベンゼン、1,3,5−トリス(トリメトキシシリル)ベンゼン等の有機残基が2つ以上のトリアルコキシシリル基を結合したもの、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロイロキシプロピルトリメトキシシラン、3−カルボキシプロピルトリメトキシシランなどのケイ素原子に置換するアルキル基が反応性官能基を有するものが挙げられ、更にこれらの部分加水分解物やオリゴマーであってもよい。
これらの中でも特に好ましいのが、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、テトラメトキシシラン若しくはテトラエトキシシランのオリゴマーである。特に、テトラメトキシシランのオリゴマーは、反応性とゲル化の制御性から最も好ましく用いられる。
さらに、前記アルコキシシラン類には、ケイ素原子上に2〜3個の水素、アルキル基またはアリール基を持つモノアルコキシシラン類を混合することも可能である。モノアルコキシシラン類を混合することにより、得られる多孔性シリカ膜を疎水化して耐水性を向上させることができる。モノアルコキシシラン類としては、例えば、トリエチルメトキシシラン、トリエチルエトキシシラン、トリプロピルメトキシシラン、トリフェニルメトキシシラン、トリフェニルエトキシシラン、ジフェニルメチルメトキシシラン、ジフェニルメチルエトキシシラン、等が挙げられる。モノアルコキシシラン類の混合量は、全アルコキシシラン類の70モル%以下となるようにすることが望ましい。その混合量が70モル%を超えると、ゲル化しない場合がある。
また、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリエトキシシラン、ペンタフルオロフェニルトリメトキシシラン、ペンタフルオロフェニルトリエトキシシラン等のフッ化アルキル基やフッ化アリール基を有するアルコキシシラン類を併用すると、優れた耐水性、耐湿性、耐汚染性等が得られる場合がある。
この原料液において、オリゴマーとは、架橋、カゴ型分子(シルセスキオキサンなど)でもよい。実用的には、含水有機溶液が含む縮合物の程度の上限として、溶液の透明性が、例えば波長400nm、23℃、光路長10mmの光線透過率として、90〜100%の範囲のものが好ましく用いられる。溶液の光線透過率の下限値は、好ましくは92%以上、更に好ましくは95%以上である。
なお、上記した原料液を塗布する際には、すでにある程度の高分子量化(つまり縮合がある程度進んだ状態)が達成されていることが必要であり、その高分子量化の程度としては、見た目に不溶物ができない程度の高分子量化が達成されていることが好ましい。その理由としては、塗布前の原料液中に目視可能な不溶物が存在していると、大きな表面凹凸が確実にでき膜質を低下させてしまうからである。
有機溶媒は、原料液を構成するアルコキシシラン類、水、および後述する、沸点80℃以上の親水性有機化合物を混和させる能力を持つものが好ましく用いられる。使用可能な有機溶媒としては、炭素数1〜4の一価アルコール、炭素数1〜4の二価アルコール、グリセリンやペンタエリスリトールなどの多価アルコール等のアルコール類;ジエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、2−エトキシエタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート等、前記アルコール類のエーテルまたはエステル化物;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N−エチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、N−ホルミルモルホリン、N−アセチルモルホリン、N−ホルミルピペリジン、N−アセチルピペリジン、N−ホルミルピロリジン、N−アセチルピロリジン、N,N’−ジホルミルピペラジン、N,N’−ジホルミルピペラジン、N,N’−ジアセチルピペラジンなどのアミド類;γ−ブチロラクトンのようなラクトン類;テトラメチルウレア、N,N’−ジメチルイミダゾリジンなどのウレア類;ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。これらの水溶性有機溶媒を、単独または混合物として用いてもよい。この中で、基板への成膜性(特に、揮発性)の点で好ましい有機溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、炭素数1〜4の一価アルコールなどが挙げられる。中でも、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロピルアルコール、アセトンが更に好ましく、メタノールまたはエタノールが最も好ましい。
沸点が80℃以上の親水性有機化合物とは、水酸基、カルボニル基、エーテル結合、エステル結合、カーボネート結合、カルボキシル基、アミド結合、ウレタン結合、尿素結合等の親水性官能基を分子構造中に有する有機化合物のことである。この親水性有機化合物には、これらのうちの複数個の親水性官能基を分子構造中に有していてもよい。ここでいう沸点とは、760mmHgの圧力下での沸点である。沸点が80℃に満たない親水性有機化合物を用いた場合には、多孔性シリカ膜の空孔率が極端に減少することがある。沸点が80℃以上の親水性有機化合物としては、炭素数3〜8のアルコール類、炭素数2〜6の多価アルコール類、フェノール類を好ましく挙げることができる。より好ましい親水性有機化合物としては、炭素数3〜8のアルコール類、炭素数2〜8のジオール類、炭素数3〜8のトリオール類、炭素数4〜8のテトラオール類が挙げられる。更に好ましい親水性有機化合物としては、n−ブタノール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール、n−ペンタノール、シクロペンタノール、n−ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等の炭素数4〜7のアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール等の炭素数2〜4のジオール類、グリセロールやトリスヒドロキシメチルエタン等の炭素数3〜6のトリオール類、エリスリトールやペンタエリストール等の炭素数4〜5のテトラオール類が挙げられる。この親水性有機化合物において、炭素数が大すぎると、親水性が低下しすぎる場合がある。
触媒は、必要に応じて配合される。触媒としては、上述したアルコキシシラン類の加水分解および脱水縮合反応を促進させる物質を挙げることができる。具体例としては、塩酸、硝酸、硫酸、ギ酸、酢酸、シュウ酸、マレイン酸などの酸類;アンモニア、ブチルアミン、ジブチルアミン、トリエチルアミン等のアミン類;ピリジンなどの塩基類;アルミニウムのアセチルアセトン錯体などのルイス酸類;などが挙げられる。
触媒として用いる金属キレート化合物の金属種としては、チタン、アルミニウム、ジルコニウム、スズ、アンチモン等が挙げられる。具体的な金属キレート化合物としては、例えば以下のようなものが挙げられる。
アルミニウム錯体としては、ジ−エトキシ・モノ(アセチルアセトナート)アルミニウム、ジ−n−プロポキシ・モノ(アセチルアセトナート)アルミニウム、ジ−イソプロポキシ・モノ(アセチルアセトナート)アルミニウム、ジ−n−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)アルミニウム、ジ−sec−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)アルミニウム、ジ−tert−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)アルミニウム、モノエトキシ・ビス(アセチルアセトナート)アルミニウム、モノ−n−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)アルミニウム、モノイソプロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)アルミニウム、モノ−n−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)アルミニウム、モノ−sec−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)アルミニウム、モノ−tert−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)アルミニウム、トリス(アセチルアセトナート)アルミニウム、ジエトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)アルミニウム、ジ−n−プロポキシ・モノ(エチルアセトアセテート)アルミニウム、ジイソプロポキシ・モノ(エチルアセトアセテート)アルミニウム、ジ−n−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)アルミニウム、ジ−sec−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)アルミニウム、ジ−tert−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)アルミニウム、モノエトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、モノ−n−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、モノイソプロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、モノ−n−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、モノ−sec−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、モノ−tert−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム等のアルミニウムキレート化合物等を挙げることができる。
チタン錯体としては、トリエトキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−n−プロポキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリイソプロポキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−n−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−sec−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−tert−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、ジエトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−n−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジイソプロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−n−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−sec−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−tert−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、モノエトキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−n−プロポキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノイソプロポキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−n−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−sec−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−tert−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、テトラキス(アセチルアセトナート)チタン、トリエトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−n−プロポキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリイソプロポキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−n−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−sec−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−tert−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、ジエトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−n−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジイソプロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−n−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−sec−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−tert−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、モノエトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−n−プロポキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノイソプロポキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−n−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−sec−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−tert−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、テトラキス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ(アセチルアセトナート)トリス(エチルアセトアセテート)チタン、ビス(アセチルアセトナート)ビス(エチルアセトアセテート)チタン、トリス(アセチルアセトナート)モノ(エチルアセトアセテート)チタン等を挙げることができる。
また、これらの触媒以外に、弱アルカリ性の化合物、例えばアンモニアなどの塩基性の触媒を使用してもよい。この際には、シリカ濃度調整、有機溶媒種等を適宜調整することが好ましい。また、含水有機溶液を調整する際には、溶液中の触媒濃度を急激に増加させないことが好ましい。具体例としては、アルコキシシラン類と有機溶媒の一部を混合し、次いでこれに水を混合し、最後に残余の有機溶媒、および塩基を混合するという順序にて混合する方法が挙げられる。
特に、高揮発性で除去が容易な塩酸や、アルミニウムのアセチルアセトン錯体などのルイス酸類が好ましい。触媒の添加量は、アルコキシシラン類1モルに対して、通常0.001〜1モル、好ましくは0.01〜0.1モルである。触媒の添加量が1モルを超えると、粗大ゲル粒子からなる沈殿物が生成し、均一な多孔性シリカ膜が得られない場合がある。
多孔性シリカ膜形成用の原料液は、上述した原料を配合して形成される。アルコキシシラン類の配合割合は、原料液全体に対して、10〜60重量%であることが好ましく、20〜40重量%であることがより好ましい。アルコキシシラン類の配合割合が60重量%を超える場合には、成膜時に多孔性シリカ膜が割れることがある。一方、アルコキシシラン類の配合割合が10重量%未満の場合は、加水分解反応および脱水縮合反応が極端に遅くなり、成膜性の悪化(膜ムラ)が起きることがある。
水は、使用するアルコキシシラン類の重量の0.01〜10倍、好ましくは0.05〜7倍、更に好ましくは0.07〜5倍配合される。水の配合量がアルコキシシラン類の重量の0.01倍未満の場合には、加水分解縮合反応の進行度が不十分となり、膜が白濁することがある。一方、水の配合量がアルコキシシラン類の重量の10倍を超える場合には、原料液の表面張力が極端に大きくなり、成膜性が悪く(液のハジキ等)なることがある。
水は、アルコキシシラン類の加水分解に必要であり、目的である多孔性シリカ膜の造膜性向上という観点から重要である。よって好ましい水の量をアルコキシド基量に対するモル比で規定すると、アルコキシシラン中のアルコキシド基1モルに対して0.1〜1.6モル倍量、中でも0.3〜1.2モル倍量、特に0.5〜0.7モル倍量であることが好ましい。
水の添加はアルコキシシラン類を有機溶媒に溶解させた後であればいつでもよいが、望ましくはアルコキシシラン類、触媒およびその他の添加物を十分、溶媒に分散させた後、水を添加する方が最も好ましい。
用いる水の純度は、イオン交換、蒸留、いずれか一方または両方の処理をしたものを用いればよい。本発明の多孔性シリカ膜を半導体材料や光学材料など、微小不純物を特に嫌う用途分野に用いる際には、より純度の高い多孔性シリカ膜が必要とされるため、蒸留水をさらにイオン交換した超純水を用いるのが望ましく、この際には例えば0.01〜0.5μmの孔径を有するフィルターを通した水を用いればよい。
含水有機溶液に沸点80℃以上の親水性有機化合物を用いる際には、沸点80℃以上の親水性有機化合物の含有量が、有機溶媒と沸点80℃以上の親水性有機化合物の合計含有量に対して、特定量以下であることが重要である。この合計含有量に対する、沸点80℃以上の親水性有機化合物の含有量は90重量%以下であり、好ましくは85重量%以下である。
沸点80℃以上の親水性有機化合物の配合割合が少なすぎると、多孔性シリカ膜の空孔率が極端小さくなり、多孔性シリカ膜の低屈折率化を達成することが困難な場合があるので、一般的には有機溶媒と沸点80℃以上の親水性有機化合物の合計含有量の30重量%以上、中でも50重量%以上、特に60重量%以上であることが好ましい。一方、親水性有機化合物の配合割合が該合計含有量の90重量%を超える場合には、成膜途中で塗膜が白濁したり、多孔性シリカ膜が割れることがある。よって含水有機溶液における沸点80℃以上の親水性有機化合物の含有量は、該合計含有量の30重量%以上90重量%以下、中でも50重量%以上85重量%以下、特に60重量%以上85重量%以下であることが好ましい。
塗布液の調製における雰囲気温度や、混合順序は任意であるが、塗布液中での均一な構造形成を得るため、水は最後に混合するのが好ましい。また、塗布液中でのシリコンアルコキシドの極端な加水分解や縮合反応を抑えるため、塗布液の調整は0〜60℃、中でも15〜40℃、特に15〜30℃の温度範囲条件下で行うことが好ましい。
調液時においては、塗布液の攪拌操作は任意であるが、混合毎にスターラーにより攪拌を行うのがより好ましい。
さらに塗布液調製後、シリコンアルコキシド類を加水分解、脱水縮合反応を進行させるため、溶液の熟成をすることが好ましい。この熟成期間中においては、生成するシリコンアルコキシド類の加水分解縮合物が、塗布液内においてより均一に分散した状態であることが好ましいので、液を攪拌することが好ましい。
熟成期間中の温度は任意であり、一般的には室温、若しくは連続的または断続的に加熱してもよい。中でも、シリコンアルコキシド類の加水分解縮合物による3次元ナノポーラス構造を形成させるために、急速な加熱熟成を行うことが好ましい。さらに、加熱熟成する際には、塗布液調整直後の加熱熟成が好ましく、塗布液調整後15日以内、更には12日以内、中でも3日以内、特に1日以内の加熱熟成開始が好ましい。
具体的には、40〜70℃で1〜5時間の加速熟成が好ましく、その際、均一なポーラス構造を得るため、攪拌を行うことが好ましい。特に多孔化という観点では、60℃近傍の温度で2〜3時間の加速熟成が好ましい。
原料液の粘度は、0.1〜1000センチポイズ、好ましくは0.5〜500センチポイズ、さらに好ましくは1〜100センチポイズであり、この範囲の粘度の原料液を用いることが製造上の観点から好ましい。
なお、本発明において、光散乱粒子含有浸み出し光拡散層4’を形成するためには、上記のようにして調製される原料液に所定量の光散乱粒子を配合する。
(2)原料液から一次膜を形成する工程;
一次膜は、原料液である含水有機溶液を基板上に塗布して形成される。基板としては、シリコン、ゲルマニウム等の半導体、ガリウム−砒素、インジウム−アンチモン等の化合物半導体、セラミックス、金属等の基板、さらにはガラス基板、合成樹脂基板等の透明基板等が挙げられる。
本発明の多孔性シリカ膜を基板上に形成する際、基板表面の性質が多孔性シリカ膜の性質を左右する可能性がある。よって基板表面の洗浄だけではなく、場合によっては基板の表面処理を行ってもよい。基板表面洗浄としては、硫酸、塩酸、硝酸、燐酸等の酸類、水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリ類、過酸化水素と濃硫酸、塩酸、アンモニア等の酸化性を有する混合液への浸漬処理が挙げられる。特に多孔性シリカ膜との密着性という観点からは、シリコン基板、透明ガラス基板に対して硫酸、硝酸等の酸類による表面処理を行うことがより好ましい。
原料液を塗布する手段としては、原料液をバーコーター、アプリケーターまたはドクターブレードなどを使用して基板上に延ばす流延法、原料液に基板を浸漬し引き上げるディップ法、または、スピンコート法などの周知を挙げることができる。これらの手段のうち、流延法とスピンコート法が原料液を均一に塗布することができるので好ましく採用される。
流延法で原料液を塗布する場合における流延速度は、0.1〜1000m/分、好ましくは0.5〜700m/分、更に好ましくは1〜500m/分である。
スピンコート法で原料液を塗布形成する場合における回転速度は、10〜100000回転/分、好ましくは50〜50000回転/分、更に好ましくは100〜10000回転/分である。
ディップコート法においては、任意の速度で、基板を塗布液に浸漬し引き上げればよい。この際の引き上げ速度は0.01〜50mm/秒、中でも0.05〜30mm/秒、特に0.1〜20mm/秒の速度で引き上げるのが好ましい。基板を塗布液中に浸漬する速度に制限はないが、引き上げ速度と同程度の速度で基板を塗布液中に浸漬することが好ましい場合がある。基板を塗布液中に浸漬し引き上げるまでの間、適当な時間浸漬を継続してもよく、この継続時間は通常1秒〜48時間、好ましくは3秒〜24時間、更に好ましくは5秒〜12時間である。また、塗布中の雰囲気は、空気中または窒素やアルゴン等の不活性気体中でもよく、温度は通常0〜60℃、好ましくは10〜50℃、更に好ましくは20〜40℃であり、雰囲気の相対湿度は通常5〜90%、好ましくは10〜80%、更に好ましくは15〜70%である。なお、ディップコート法ではスピンコート法に比べ、乾燥速度が遅いため、塗布後のゾルーゲル反応でより歪みの少ない安定な膜を形成する傾向にある。従って、基板の表面処理により好ましく膜構造を制御できる場合がある。
成膜温度は、0〜100℃、好ましくは10〜80℃、更に好ましくは20〜70℃である。
(3)塗布された膜が高分子量化されて中間体膜が形成される工程;
塗布された膜は高分子量化され、中間体膜が形成される。この反応はいわゆるゾル−ゲル法と呼ばれ、その素反応は、アルコキシシラン類の加水分解反応、その加水分解反応で生成するシラノール基同士の脱水縮合反応の二つの素反応からなる。
加水分解反応は、水を添加することによって引き起こされるが、水は液体のまま、アルコール水溶液として、または、水蒸気として加えることができ特に限定されない。水の添加を急激に行うと、アルコキシシランの種類によっては加水分解反応と脱水縮合反応とが速く起こりすぎ、沈殿が生じることがある。そのため、そのような沈殿が起こらないように、水の添加に十分な時間をかけること、アルコール溶媒を共存させて水を均一に添加する状態にすること、水を低温で添加して添加時の反応を抑制すること、等の手段を単独でまたは組み合わせて用いることが好ましい。
ゾル−ゲル法によるアルコキシシラン類の加水分解縮合反応が進行すると、アルコキシシラン類の縮合物が徐々に高分子量化する。加水分解縮合反応においては、相平衡の変化に起因すると考えられる相分離が起こる場合があるが、本発明においては、原料液の組成、使用するアルコキシシラン類および沸点80℃以上の親水性有機化合物の親水性の程度の兼ね合いにより、相分離がナノメートルスケールで起こるように制御される。その結果、親水性有機化合物の分離相が、アルコキシシラン類縮合物のゲル網目の中に保持されたまま基板上に成膜され、中間体膜を構成する。
このようなことから、沸点が80℃以上の親水性有機化合物の親水性の制御は重要であり、その親水性有機化合物を比誘電率で表すと、好ましくは10〜20、更に好ましくは13〜19と規定できる。
こうした親水性の程度の兼ね合いの観点から、原料液である含水有機溶液が、比誘電率23以上の有機溶媒(具体的には、メタノール、エタノール等)を含有することが望ましい。特に、比誘電率が23以上の有機溶媒と沸点80℃以上の親水性有機化合物との重量比(有機溶媒の重量/親水性有機化合物の重量)を5/5〜2/8の範囲にすると、更に望ましい相分離挙動を達成する。この重量比については、4/6〜2/8が最も好ましい。
(4)中間体膜に水溶性有機溶媒を接触させて多孔性シリカ膜を形成する工程(抽出工程);
中間体膜に水溶性有機溶媒を接触させることにより、中間体膜中の上記親水性有機化合物が抽出除去されると共に、中間体膜中の水が除去される。中間体膜中に存在する水は、有機溶媒に溶けているだけでなく膜構成物質の内壁にも吸着しているので、中間体膜中の水を効果的に除去するためには、有機溶媒中の水の含有量をコントロールする。したがって、有機溶媒中の水の含有量は、0〜10重量%、好ましくは0〜5重量%、更に好ましくは0〜3重量%である。脱水が十分に行われない場合には、その後に行われる膜の加熱または乾燥工程で空孔が崩壊して消滅または小さくなることがある。
中間体膜中の親水性有機化合物の抽出除去手段としては、例えば、中間体膜を水溶性有機溶媒に浸漬すること、中間体膜の表面を水溶性有機溶媒で洗浄すること、中間体膜の表面に水溶性有機溶媒を噴霧すること、中間体膜の表面に水溶性有機溶媒の蒸気を吹き付けること等の手段を挙げることができる。これらのうち、浸漬手段と洗浄手段が好ましい。中間体膜と水溶性有機溶媒との接触時間は、1秒〜24時間の範囲で設定できるが、生産性の観点から、接触時間の上限値は、12時間が好ましく、6時間がより好ましい。一方、接触時間の下限値は、前記の沸点80℃以上の親水性有機化合物および水の除去が十分に行われることが必要であることから、10秒が好ましく、30秒がより好ましい。
(5)多孔性シリカ膜を乾燥する工程;
乾燥工程は、多孔性シリカ膜に残存する揮発成分を除去する目的および/またはアルコキシシラン類の加水分解縮合反応を促進する目的で行われる。乾燥温度は、20〜500℃、好ましくは30〜400℃、更に好ましくは50〜350℃であり、乾燥時間は、1分〜50時間、好ましくは3分〜30時間、更に好ましくは5分〜15時間である。乾燥方式は、送風乾燥、減圧乾燥等の公知の方式で行うことができ、それらを組み合わせてもよい。なお、乾燥が強すぎて揮発成分を急激に除去すると多孔性シリカ膜に割れが発生するので、送風乾燥のような緩やかな乾燥方式が好ましい。送風乾燥の後は、揮発成分の十分な除去を目的とした減圧乾燥を追加することもできる。
なお、この乾燥工程を、上述した抽出工程の代わりとすることもできる。すなわち、上記(3)の工程で形成された中間体膜から沸点80℃以上の親水性有機化合物を除去する工程として、上述の(4)の抽出工程によらず、ここで説明した乾燥工程で実施することができる。
こうした乾燥工程で上記親水性有機化合物を除去することができる積層基板の製造方法は、加水分解反応および脱水縮合反応を起こすアルコキシシラン類を主体とした原料化合物と沸点80℃以上の親水性有機化合物とを含む含水有機溶液を基板上に塗布して一次膜を形成する工程、前記一次膜を形成する含水有機溶液が加水分解反応および脱水縮合反応を起こして中間体膜が形成される工程、前記中間体膜に加水分解反応および脱水縮合反応を促進させる触媒物質を接触させて当該中間体膜の表層領域に緻密層を形成する工程、および、前記中間体膜を乾燥させて前記の沸点80℃以上の親水性有機化合物を除去して多孔性シリカ膜を形成する工程、を少なくとも含む構成で特定できる。
C:透明電極層3について
透明電極層3は、エレクトロルミネッセンス素子の陽極として作用する。透明電極層3としては、錫を添加した酸化インジウム(通称ITOと呼ばれている。)、アルミニウムを添加した酸化亜鉛(通称AZOと呼ばれている。)、インジウムを添加した酸化亜鉛(通称IZOと呼ばれている。)等の複合酸化物薄膜が好ましく用いられる。特にITOであることが好ましい。
透明電極層3は、蒸着やスパッタリング等の真空成膜プロセスにより形成される。透明電極層3は、また、塗膜法によっても形成することができる。
形成された透明電極の可視光波長領域における光線透過率は大きいほど好ましく、例えば50〜99%である。好ましい下限値としては60%、更に好ましくは70%である。透明電極の電気抵抗は、面抵抗値として小さいほど好ましいが、通常1〜100Ω/□(=1cm)であり、その上限値は好ましくは70Ω/□、更に好ましくは50Ω/□である。
また、透明電極の厚さは、上述した光線透過率および面抵抗値を満足する限りにおいて、通常0.01〜10μm、導電性の観点からその下限値は、0.03μm(30nm)が好ましく、0.05μm(50nm)が更に好ましい。一方、光線透過率の観点からその上限値は、1μmが好ましく、0.5μmが更に好ましい。こうした透明電極は、フォトリソグラフィ法等により、エレクトロルミネッセンス素子の電極として必要なパターンに形成される。
D:エレクトロルミネッセンス層2について
エレクトロルミネッセンス層2は、電界が印加されることにより発光現象を示す物質により成膜されたものであり、その物質としては、付活酸化亜鉛ZnS:X(但し、Xは、Mn、Tb、Cu,Sm等の付活元素である。)、CaS:Eu、SrS:Ce,SrGa:Ce、CaGa:Ce、CaS:Pb、BaAl:Eu等の従来より使用されている無機EL物質、8−ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体、芳香族アミン類、アントラセン単結晶等の低分子色素系の有機EL物質、ポリ(p−フェニレンビニレン)、ポリ[2−メトキシ−5−(2−エチルヘキシルオキシ)−1,4−フェニレンビニレン]、ポリ(3−アルキルチオフェン)、ポリビニルカルバゾールなどの共役高分子系の有機EL物質等、従来より使用されている有機EL物質を用いることができる。エレクトロルミネッセンス層の厚さは、通常10〜1000nm、好ましくは30〜500nm、更に好ましくは50〜200nmである。エレクトロルミネッセンス層は、蒸着やスパッタリング等の真空成膜プロセス、あるいはクロロフォルム等を溶媒とする塗布プロセスにより形成することができる。
E:陰極について
陰極1は、上述した透明電極層3と対向し、エレクトロルミネッセンス層2を挟むように設けられている。この陰極1は、アルミニウム、錫、マグネシウム、インジウム、カルシウム、金、銀、銅、ニッケル、クロム、パラジウム、白金、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、アルミニウム−リチウム合金等で形成される。特にアルミニウムで形成することが好ましい。陰極の厚さは、通常10〜1000nm、好ましくは30〜500nm、更に好ましくは50〜300nmである。陰極は、蒸着やスパッタリング等の真空成膜プロセスにより形成することができる。
F:その他の層について
エレクトロルミネッセンス層2と透明電極層3との間には、正孔注入層や正孔輸送層を更に積層することができ、エレクトロルミネッセンス層2と陰極1との間には、電子注入層や電子輸送層を更に積層することができる。また、これら以外の公知の層を適用しても構わない。
次に、図2を参照して請求項2の実施の形態について説明する。
この実施の形態では、透明電極層3と基板5との間に、粒子を含有しない低屈折率層4が設けられており、この低屈折率層4と透明電極層3との間に光散乱粒子含有浸み出し光拡散層4''が設けられている。低屈折率層4および光散乱粒子含有浸み出し光拡散層4''のマトリックス成分はほぼ同等の屈折率を有するのが好ましい。なお、低屈折率層4の屈折率と光散乱粒子含有浸み出し光拡散層4''のマトリックス成分の屈折率との差は0.3未満であり、好ましくは0.2以下、特に好ましくは0.1以下である。
図2のエレクトロルミネッセンス素子のその他の構成は図1と同じであり、同一符号は同一部分を示している。
図2の低屈折率層4は、図1の光散乱粒子含有浸み出し光拡散層4’のマトリックス成分(粒子以外の組成)と同様のものを用いることができ、その形成工程も光散乱粒子を用いないこと以外は前述の光散乱粒子含有浸み出し光拡散層4''の形成工程と同様である。光散乱粒子含有浸み出し光拡散層4''のマトリックス成分も図1の光散乱粒子含有浸み出し光拡散層4’のマトリックス成分と同様のものを用いることができる。この光散乱粒子含有浸み出し光拡散層4''のマトリックス成分は、低屈折率層4と同一組成であることが好ましいが、異なっていてもよい。
低屈折率層4の厚さは、界面での全反射時の浸み出し距離、および膜の平坦化やクラックの防止の観点より、100〜1000nm特に300〜700nmであることが好ましい。光散乱粒子含有浸み出し光拡散層4''の厚さは100〜1000nm特に300〜700nmであることが好ましい。
なお、後述の図3の態様(トップエミッション型)に限っては、粒子を含まない低屈折率層4について、この層はエアー層(空隙)であってもデバイス構成上問題無く、この場合、屈折率は1.0となる。厚さについても、膜の平坦化やクラックの問題が解消されるので、特に上限の制約を受けなくなる。
光散乱粒子含有浸み出し光拡散層4''の好ましい光散乱粒子とその好ましい含有率は、前記光散乱粒子含有浸み出し光拡散層4’のそれと同様であり、光散乱粒子含有浸み出し光拡散層4''は光散乱粒子含有浸み出し光拡散層4’と同様に形成することができる。
このように構成されたエレクトロルミネッセンス素子においては、次のようにして透明電極層3と光散乱粒子含有浸み出し光拡散層4''との界面での全反射量が低減する。
即ち、エレクトロルミネッセンス層2から透明電極層3を通って透明電極層3と光散乱粒子含有浸み出し光拡散層4''との界面に光が臨界角よりも大きな入射角で入射した場合、この光は該界面で全反射される。この全反射に際しては、図1(b)の場合と全く同様に、光の一部が該界面よりも光散乱粒子含有浸み出し光拡散層4''側に浸み出す如き現象が生じる。即ち、入射光の電界および磁界が界面よりも光散乱粒子含有浸み出し光拡散層4''側にまで存在することになる。
光散乱粒子含有浸み出し光拡散層4''中の該界面近傍には、この浸み出た光を散乱させる粒子が存在するので、光散乱粒子含有浸み出し光拡散層4''側に浸み出した光の一部が該光散乱粒子によって散乱され、最早透明電極層3側の全反射光に戻ることなく直接あるいは間接に粒子含有光散乱粒子含有浸み出し光拡散層4''中に拡散するようになる。このようにして、光散乱粒子を光散乱粒子含有浸み出し光拡散層4''に含有させることにより、全反射の反射率が低下し、より多くの光が透明電極層3から光散乱粒子含有浸み出し光拡散層4''側に侵入するようになる。
この光散乱粒子含有浸み出し光拡散層4''のマトリックスと低屈折率層4とは屈折率がほぼ同等であるので、該光散乱粒子含有浸み出し光拡散層4''と低屈折率層4との界面では全反射が生じない。この結果、透明電極層3から光散乱粒子含有浸み出し光拡散層4''に侵入し、該光散乱粒子含有浸み出し光拡散層4''と低屈折率層4との界面に達した光は、ほぼそのまま低屈折率層4に進入する。このようにして、エレクトロルミネッセンス素子からの光取り出し効率が向上する。
上記図1,2の実施の形態では、基板5がエレクトロルミネッセンス層2から見て最表層に設けられているが、陰極の外側に基板が設けられ、エレクトロルミネッセンス層から見て最表層となる層には保護カバーが設けられてもよい。
図3は、図1の態様においてかかる構成とした実施の形態を示すものであり、陰極1が基板5上に形成され、その上に順次にエレクトロルミネッセンス層2、透明電極層3、光散乱粒子含有浸み出し光拡散層4’が形成され、この光散乱粒子含有浸み出し光拡散層4’の上に保護カバー6が形成されている。図1の態様をボトムエミッション型有機ELと称するのに対して図3の態様をトップエミッション型有機ELと称する場合もある。この保護カバー6の材料としては、透明で平坦化できる材料であれば用いることができるが、前記基板に用いられる各種ガラス、樹脂材料に加えて、自己支持性の無い透明コーティング材料、例えばUVまたは熱硬化性アクリル樹脂、ゾルゲル反応材料(シリケート材料)などが例示される。保護カバー6の厚さは10〜1000μm特に100〜200μm程度が好ましい。なお、この場合、基板5は必ずしも透明である必要はなく、この態様においては保護カバーが図1の態様における透明基板の光学的機能を果す。
図3は図1の実施の形態において基板5を陰極1側に配置したものであるが、図2においても同様に基板5を陰極1側に配置してもよい。
さらに本発明においては、透明電極層中の導波光を光の散乱現象を利用して取り出すので、散乱率の波長依存性を積極的に利用して、特定の色の取り出し効率を向上させたり、その色の発光色素の寿命を上げることができる。
例えば、光散乱粒子の粒子サイズや粒子屈折率を工夫することにより、レイリー散乱を利用したり、ミー散乱とレイリー散乱とを併用したりすることにより、十分な散乱率を確保した上で青色をより高効率に取り出すことが可能となる。
また、光散乱粒子の組成について例えばチタニアのように可視光領域の青色付近で急激に屈折率が上昇するような材料を選定すれば、他の色に対して、青色をより高効率に取り出すことが可能となる。
なお、逆に例えば粒子相当の大きさを有する気泡を分散させた場合には、空気の屈折率は波長によりほとんど変化しないので、光取り出し効率の波長依存性を抑制する目的の場合には使用することができる。
白色やフルカラーのエレクトロルミネッセンス素子においては、一般に短波長側の色素の輝度が低く、あるいは同じ輝度を光らせた場合の輝度半減寿命が短い。そのため例えば青色の取り出し率が向上できれば、青色画素の面積だけ増やすような設計が不要であり、面積あたりの輝度向上に繋がったり、また青色画素に流す電流を低減できるので寿命を向上させることが可能となる。白色光源用途においても、青色の取り出し率、寿命を改善することにより、計時での白色からのズレ幅を最小限に抑えることが可能となる。
なお、図3の態様に示すトップエミッションタイプにおいては、エレクトロルミネッセンス層を形成した後に透明電極層並びに光散乱粒子含有浸み出し光拡散層を形成する必要がある。この場合、エレクトロルミネッセンス層は、100℃以上の高温においては結晶化あるいは劣化により発光輝度が低下する可能性があるため、光取り出し層の形成については、処理温度は150℃以下、好ましくは120℃以下、さらに100℃以下であることがより好ましい。雰囲気の圧力についても常圧であることが好ましい。
従ってこの態様においては、ポーラスシリカ材料により低屈折率層を形成する場合、例えば前述の(1)〜(5)の多孔性シリカ膜形成工程のような高沸点親水性有機化合物を鋳型として比較的低温で多孔化させるような膜形成プロセスが好ましい。
また別の方法として、予めプラスチックフィルム等別の透明基材上に必要に応じて低屈折率層、また光散乱粒子含有浸み出し光拡散層をこの順に形成し、この光学フィルムを透明電極上に貼り付けて光取り出しフィルムとすることも可能である。貼り付ける場合には光散乱粒子含有浸み出し光拡散層が粘着層あるいは接着層を兼ねることになる。この場合は加熱や有機溶媒等が必要となるプロセスをフィルム製造の際に完了させることが可能であるので、エレクトロルミネッセンス層にダメージを与えること無く、光散乱粒子含有浸み出し光拡散層の形成が可能であり、本態様にとって好ましい方式である。
プラスチックフィルムの基材としては、透明で可とう性のある基材であれば好適に用いることができる。例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム、PEN(ポリエチレンナフタレート)フィルム、PES(ポリエーテルスルホン)フィルム、PC(ポリカーボネート)フィルム、APO(アモルファスポリオレフィン、環状ポリオレフィン)フィルムなどを好適に用いることができるがこれに限定されるものでは無い。
この基材を図3における保護カバーとして代用しても構わない。またこの基材フィルムには必要に応じ、主として光線の出射側にガスバリア層、反射防止層、円偏向子層などの機能層を設けることができる。
このフィルム上に必要に応じてまず低屈折率層を形成するが、基材がプラスチックフィルムの場合、その上にポーラスシリカ膜を形成する際には、200℃を越える高温で処理することが困難であるので本発明に記載するような膜合成法を好適に用いることができる。
以下、実施例に相当する参考例1〜6と比較例1〜6について説明する。なお、以下の参考例1〜6と比較例1〜6においては陰極およびエレクトロルミネッセンス層を形成せず、透明電極層上に蛍光色素層を形成し、この蛍光色素層に励起光を蛍光色素層側から照射し、蛍光を基板側から取り出した。
〈参考例1(図1の実施の形態に相当)〉
旭硝子(株)製無アルカリガラスAN100よりなる厚さ0.7mm厚、75mm角のガラス基板の表面を0.1N硝酸に1時間程浸漬して脱脂処理した上で、純水で洗浄し、60℃オーブン中で乾燥した。
一方、三菱化学(株)製MS51(テトラメトキシシランのオリゴマー)30wt%、BtOH50wt%、脱塩水8wt%、MeOH12wt%に酸触媒(アルミアセチルアセトナート)を少量加えると共に、その60重量%以上が粒径70〜150nmの範囲にあり、平均粒子径120nmのシリカ微粒子を、対MS51重量比で10%となるように加え、60℃で3時間撹拌し、一週間放置して熟成した。
これを上述のガラス基板1上にディップコーターで塗布、15分乾燥後メタノール中に5分浸漬、引き上げて5分乾燥後、150℃オーブン中で15分加熱して光散乱粒子含有浸み出し光拡散層4’を得た。なおディップコート時には裏面に保護フィルムを貼り、塗布後に剥離して、片側にのみ塗膜が形成されるようにした。
得られた光散乱粒子含有浸み出し光拡散層4’は厚さが600nm、光散乱粒子がほぼ5段分に重なった構造が観察された。
ソプラ社のエリプソメーターで光散乱粒子含有浸み出し光拡散層4’のマトリクス部分の屈折率を測定したところ、波長550nmにおいて1.27であった。また米国メトリコン社のプリズムカプラーモデル2010でも屈折率測定を実施した。波長633nmのレーザーで測定したところ、屈折率は1.29であった。
以下、屈折率測定は、原則D542に基づきソプラ社のエリプソメーターで実施したが、メソ(ナノ)ポーラス材料あるいは粒子分散材料のマトリクス部分の屈折率はエリプソメーターでは測定が難しい場合、米国メトリコン社のプリズムカプラーモデル2010を用いて波長633nmのレーザーにより25℃で屈折率測定を実施した。
膜厚については蒸着膜やスパッタ膜の膜厚は、検量線からの時間管理もしくは水晶発振式膜厚計により確認した。塗布膜の膜厚は、光干渉式膜厚計もしくは膜に傷をつけて段差測定することにより測定した。ガラス基板等の厚い基材についてはマイクロノギス等により厚さを測定した。
また、平均粒子径はFIB−SEM法により測定した。
なお、形成された光散乱粒子含有浸み出し光拡散層4’中の光散乱粒子の含有量は7体積%であった。
この光散乱粒子含有浸み出し光拡散層4’上にITOを1000Å厚で常温スパッタして透明電極層3を形成し、さらにALQ3(アルミキノリン錯体:緑色の蛍光を発する色素)を1000Å厚で蒸着した。ITO層の屈折率を測定したところ1.9であった。
この積層体の裏面(蛍光色素蒸着側)に400nm以下の波長の励起光を照射し、ガラス基板側表面の出射角45度の方向に設置したディテクターで420〜750nmの取り出し光強度を測定し、全波長で積分した発光エネルギーを求めた。測定には日立製作所製の蛍光分光輝度計F−4500型を使用した。
取り出し光量を以下の比較例1の場合を100%として、相対的に求めたところ、170%であった。
〈比較例1(図5の従来例に相当)〉
上記参考例1において光散乱粒子含有浸み出し光拡散層形成用の塗布液にシリカ微粒子を添加しなかったこと以外は全く同様にして、図5に相当する層構成の蛍光発光素子を製造し、同一の取り出し光量測定を行った。
この比較例1の取り出し光量を100%とした。
〈比較例2(図4の従来例に相当)〉
光散乱粒子含有浸み出し光拡散層4’を省略し、図4(a)に示す層構成としたこと以外は比較例1と同様にして蛍光発光素子を製造し、同一の取り出し光量測定を行った。
この比較例2の取り出し光量は比較例1の91%であった。
〈参考例2(図2の実施の形態に相当)〉
比較例1のシリカ微粒子を含有しない塗布液を用いて厚さ500nmの低屈折率層4を形成し、その上に、上記参考例1のシリカ微粒子含有塗布液を用いて厚さ600nmの光散乱粒子含有浸み出し光拡散層4''を形成した。
この上にITOの透明電極層3を形成した。参考例1と同様にして常温スパッタにより製膜した。膜厚は1000Åであった。さらに同様にALQ3を1000Å厚で蒸着した。
この参考例2について同一の取り出し光量測定を行ったところ、比較例1の190%であった。
〈参考例3〉
参考例1と同様にしてガラス基板を準備した。また塗液は次のようにして準備した。三菱化学製MS51(テトラメトキシシランのオリゴマー)30wt%、ブチルアルコール50wt%、脱塩水8wt%、メタノール12wt%に酸触媒(アルミアセチルアセトナート)を少量加えた。この際ブチルアルコール中に平均粒径200nmのチタニア粒子(60%重量粒子径は160〜220nm)を出来上がった粒子含有層中の重量百分率で8wt%となるように予め分散させた。粒子含有層中の重量百分率は前述の膜中の粒度分布を求めるのと同様の方法で実施した。体積の重量換算は粒子およびマトリクスの密度を調べて実施した。マトリクスが多孔体である場合の密度は屈折率はX線反射率を求めることまたは屈折率を求めることから算定した。この混合液を60℃で3時間攪拌し、一週間放置して熟成した。
これを参考例1と同様にしてガラス基板上に塗布し製膜した。形成された光散乱粒子含有浸み出し光拡散層の厚さは500nm、マトリクス部分の屈折率を測定したところ、1.40であった。また、光散乱粒子の含有量は4体積%であった。
この状態で基板に対して垂直方向の光線透過量を測定し、参考例1に記載のガラス基板に対して垂直方向の光線透過量と比較することにより、散乱された光量の割合を調べた。光線透過率の測定にはヒューレッドパッカード社製の紫外可視吸光光度計HP8453型を用いた。
また、表面そのものが平滑である(散乱性の表面では無い)ことを確認するために、触針式の表面粗さ計により表面粗さを測定した。測定にはケーエルエー・テンコール社製P−15型を使用した。0.5μスキャンさせて測定したところ、Ra=4nmであった。
この積層体の光線透過量に対する散乱ロス光量は、波長450nmにおいて39%、波長550nmにおいて28%であった。
この積層体に参考例1と同様にしてITOを常温でスパッタして1000Å厚の透明電極層を形成した。さらにこの上に各々、緑色の蛍光色素ALQ3(8−ヒドロキシキノリンアルミニウム)、青色の蛍光色素PPD(フェナンティルフェニレンジアミン)を1000Å厚で蒸着により形成した試料を一つずつ準備した。
本積層体を使用し参考例1と同様にして蛍光強度を測定した。ただし、ガラス基板の出射側鉛直方向よりも30°方向(出射角30°)のピーク蛍光強度を測定した。ALQ3を蒸着した試料は波長550nmでピーク蛍光強度を測定し、PPDを蒸着した試料は波長450nmでピーク蛍光強度を測定した。
このようにして測定した光取り出し光量を、各々、以下の比較例3の場合を100%として相対値で示したところ以下の通りであり、可視光全域における光取り出し効率の向上と共に、特に青色において緑色に対する顕著な取り出し効率向上を確認することができた。
ALQ3(緑色)蒸着試料:190%(550nm)
PPD(青色)蒸着試料:240%(450nm)
〈比較例3〉
上記参考例3において塗液にチタニア粒子を添加しなかったこと以外は全く同様にして蛍光発光素子を試作し、各々、同一の取り出し光量測定を行い、それぞれ取り出し光量を100%とした。なお、表面粗さを参考例3と同様にして測定したところ、Ra=2nmであった。
〈参考例4〉
三菱エンジニアリングプラスチック社製ポリカーボネート樹脂7020AD2をメチレンクロライド中に溶解し粒径200nmのチタニア粒子(二酸化チタン)(60%重量粒子径は150〜220nm)を出来上がった粒子含有層中の重量百分率で10wt%(3体積%)となるように分散させた。これを参考例1と同様にして準備したガラス基板上にディップコーターで溶媒塗布した後、室温で乾燥させ、光散乱粒子含有浸み出し光拡散層を得た。
形成された光散乱粒子含有浸み出し光拡散層の膜の厚さは600nmであり、マトリクス部分の屈折率を測定したところ1.59であった。なお、表面粗さを参考例3と同様にして測定したところ、Ra=4nmであった。
この基板を使用し参考例3と同様にしてITO膜並びに色素層を形成し、さらに蛍光強度測定を実施した。ただし、ガラス基板の出射側鉛直方向よりも30°方向の蛍光強度を測定した。
取り出し光量を以下の比較例4の場合を100%として相対的に求めたところ、170%(550nm)であった。
〈比較例4〉
上記参考例4においてチタニア粒子を添加しなかったこと以外は全く同様にして蛍光発光素子を試作し、同一の取り出し光量測定を行い、測定された取り出し光量を100%とした。また、表面粗さを参考例3と同様にして測定したところ、Ra=2nmであった。
〈参考例5〉
参考例4において、光散乱粒子含有浸み出し光拡散層の膜厚を1000nmとした他は、参考例4と同様に素子を形成し、光量測定を実施したところ、比較例4の場合の取り出し光量に対する相対値は150%(550nm)であった。
〈比較例5〉
参考例4において、光散乱粒子含有浸み出し光拡散層の膜厚を2700nmとした他は、参考例4と同様に素子を形成し、光量測定を実施した(本参考例に限らないが厚肉化は必要ならば複数回塗布工程を繰り返すことで達成した。)ところ、比較例4の場合の取り出し光量に対する相対値は80%(550nm)であった。この結果は、光散乱粒子含有浸み出し光拡散層が厚すぎて不透明化したことによるものと考えられる。
〈参考例6〉
三菱化学ポリエステルフィルム社製のPETフィルム125(μm厚さ)上にアンカーコート兼バリアコート膜としてシリカ蒸着膜を200Å厚で形成後、参考例4と同様にして光散乱粒子含有浸み出し光拡散層を形成した。なお、この光散乱粒子含有浸み出し光拡散層が完全に乾燥する前にITO付ガラス基板に密着させることで本フィルムとITO面との接着が可能であった。
本フィルムの光散乱粒子含有浸み出し光拡散層上に参考例3と同様にしてITO膜およびALQ3層を形成し、さらに評価を行った。
光散乱粒子含有浸み出し光拡散層の膜の厚さは600nmで、マトリクス部分の屈折率を測定したところ、1.59であった。また触針式の表面粗さ計(ケーエルエー・テンコール社製P−15)で表面粗さを測定したところRa=4nmであった。
この基板を使用し参考例3と同様にして蛍光強度を測定した。ガラス基板の出射側鉛直方向よりも30°方向(出射角30°)のピーク蛍光強度を測定した。
取り出し光量を以下の比較例6の場合を100%として相対的に求めたところ、160%(550nm)であった。
この結果より、トップエミッションタイプにおいて光取り出し用の光学フィルムとして使用しても取り出し効率の向上が期待されることが分かる。
〈比較例6〉
上記参考例6においてチタニア粒子を添加しなかったこと以外は全く同様にして蛍光発光素子を試作し、同様の取り出し光量測定を実施し、測定された取り出し光量を100%とした。なお、透明導電膜形成前の表面について触針式の表面粗さ計(ケーエルエー・テンコール社製P−15)で表面粗さを測定したところ、Ra=3nmであった。
実施の形態に係るエレクトロルミネッセンス素子の断面図である。 実施の形態に係るエレクトロルミネッセンス素子の断面図である。 実施の形態に係るエレクトロルミネッセンス素子の断面図である。 従来例に係るエレクトロルミネッセンス素子の断面図である。 従来例に係るエレクトロルミネッセンス素子の断面図である。
符号の説明
1 陰極
2 エレクトロルミネッセンス層
3 透明電極層
4 低屈折率層
4’,4'' 光散乱粒子含有浸み出し光拡散層
5 ガラス基板
6 保護カバー

Claims (7)

  1. 陰極、エレクトロルミネッセンス層、透明電極層、および透光体がこの順に配置されてなるエレクトロルミネッセンス素子において、該透明電極層と透光体との間に、低屈折率材料からなるマトリックス中に光を散乱させる粒子を含有させた浸み出し光拡散層を設けたことを特徴とするエレクトロルミネッセンス素子。
  2. 陰極、エレクトロルミネッセンス層、透明電極層、低屈折率層および透光体がこの順に配置されてなるエレクトロルミネッセンス素子において、
    該透明電極層と低屈折率層との間に、低屈折率材料からなるマトリックス中に光を散乱させる粒子を含有させた浸み出し光拡散層が設けられており、該浸み出し光拡散層のマトリックスは、該低屈折率層の屈折率と同等であって、該透明電極層の屈折率より低い屈折率を有することを特徴とするエレクトロルミネッセンス素子。
  3. 請求項1または2において、該光を散乱させる粒子のうち、粒子径20〜400nmの粒子の重量百分率が60%以上であることを特徴とするエレクトロルミネッセンス素子。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項において、該浸み出し光拡散層の厚さが、該光を散乱させる粒子の平均粒子径の2倍以上であることを特徴とするエレクトロルミネッセンス素子。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項において、該光を散乱させる粒子の1/3以上が、該透明電極層の表面から600nm以内に配置されていることを特徴とするエレクトロルミネッセンス素子。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項において、該透光体は透明基板であることを特徴とするエレクトロルミネッセンス素子。
  7. 請求項1ないし5のいずれか1項において、該陰極は透明基板上に形成されており、前記透光体は保護カバーであることを特徴とするエレクトロルミネッセンス素子。
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