JP2004286062A - 自動変速機の特性補正システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】トルクコンバータの入力回転数Ninとタービン回転数Ntとの回転差を目標差回転ΔNと比較してフィードバックにより増減し(S6,S7)、回転差が目標差回転ΔNに収束したか否かを調べる(S8)。そして、目標差回転ΔNに収束したときの駆動デューティdutyが出荷判定規格内にあるとき、その値を記憶・保存する(S10)。この記憶・保存された個々の自動変速機の駆動デューティ値dutyと基準値との差分を個々の自動変速機の補正量としてTCUに書込むことで、出荷初期から自動変速機の個体毎の特性バラツキを補正することができ、実走行による学習促進を待つことなく、良好な変速品質を得ることができる。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、個体毎の特性バラツキを補正して良好な変速品質を得ることのできる自動変速機の特性補正システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動車等の車両に搭載される自動変速機には、各構成要素に部品公差が存在するため、最終的なアッセンブリの状態では個体差による若干の特性のバラツキが発生することは避けられない。このバラツキ量は、車両としての性能向上を図る上では極力抑えなければならない一方で、生産工場における工程能力を確保しつつ公差を縮小することは、コストアップ等の跳ね返りに繋がる可能性がある。
【0003】
特に、クラッチやブレーキ等の摩擦係合要素毎に、ソレノイドバルブを設け、各摩擦係合要素の係合制御(すなわち油圧の制御)を行う、いわゆるダイレクトAT方式の自動変速機では、ソレノイドバルブや摩擦係合要素の製造時のばらつきや経年変化、フリクション等に起因して変速品質にバラツキが発生することがある。
【0004】
このような変速品質のバラツキを低減し、安定した良好な変速品質を得るためには、自動変速機の入力回転数情報に基く学習制御が行われることが一般的であり、例えば、特開平10−184410号公報には、シフトアップ時のイナーシャ相で、入力回転数の変化率と目標回転数の変化率とに基づいて目標油圧(制御油圧)を学習補正する技術が開示されている。
【0005】
しかしながら、この学習制御によって良好な変速品質を確保するためには、相当時間の実走行が必要である。従って、工場のタスクタイムを考慮すると、製品出荷段階で学習を実施することは困難であり、このため、従来、自動変速機の出荷に際しては、自動変速機を領収運転(試運転)台で運転し、各クラッチ等の油圧を計測する出荷検査を行い、この出荷検査で計測した油圧が許容範囲内にあるか否かにより合否を判断していた。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−184410号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前述したように、従来の自動変速機の領収運転では、各クラッチ等の油圧を計測し、許容範囲内にあるか否かを調べ出荷可能か否かを判断している。従って、領収運転台毎の仕様差による機差や油圧を検出する油圧センサの校正値のズレや劣化、配管中のエア混入等の影響を受ける可能性があり、計測精度を高めるには限界がある。このため、自動変速機の個体バラツキを解消した良好な変速品質を得るためには、或る程度、市場における実走行の学習結果を待たねばならないという問題があった。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、実走行による学習促進を待つことなく個体毎の特性バラツキを補正し、良好な変速品質を得ることのできる自動変速機の特性補正システムを提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明による第1の自動変速機の特性補正システムは、トルクコンバータに連設される多段変速部の各摩擦係合要素を、各々の油圧制御バルブにより係合・解放させて変速動作を行う自動変速機の特性補正システムであって、上記自動変速機の組立後に行う試運転の結果に基づいて、上記自動変速機の基準特性に基づく制御データの補正量を算出する手段と、上記自動変速機を車両に組付けた後、上記補正量を上記自動変速機を制御する電子制御装置に記憶させる手段とを備えたことを特徴とする。
【0010】
第2の自動変速機の特性補正システムは、トルクコンバータに連設される多段変速部の各摩擦係合要素を、各々の油圧制御バルブにより係合・解放させて変速動作を行う自動変速機の特性補正システムであって、設定条件下で上記トルクコンバータの入力回転数と上記トルクコンバータのタービン回転数との差を一定に保つ上記油圧制御バルブの制御量を計測する手段と、上記油圧制御バルブの制御量の計測値と基準値との差分を、上記自動変速機の特性を学習した学習結果に反映させる手段とを備えたことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1〜図3は本発明の実施の第1形態に係わり、図1は領収運転による自動変速機の特性補正システムを示す説明図、図2は領収運転による自動変速機の特性バラツキの計測処理を示すフローチャート、図3は出荷判定規格の説明図である。
【0012】
図1は、工場での生産・出荷ラインに構築した自動変速機の特性補正システムを示し、符号FCAは変速機組立工場、符号FCBは変速機組立工場FCAから搬送された自動変速機1を電子制御装置(TCU)50と共に車体100に組付け、艤装を行う車両組立工場である。自動変速機1は、クラッチやブレーキ等の摩擦係合要素毎にソレノイドバルブを設け、各摩擦係合要素の係合制御(すなわち油圧の制御)を行う、いわゆるダイレクトAT方式の自動変速機であり、本出願人による特開2003−004130号公報に開示の自動変速機と同様のものである。
【0013】
すなわち、概略的には、自動変速機1は、エンジン出力軸からの駆動力が入力されるトルクコンバータと、このトルクコンバータに連設される多段変速部とを備えている。多段変速部は、入力軸上に配設されたプラネタリギヤユニットを備え、摩擦係合要素として、入力軸とプラネタリキャリヤとの間の動力伝達を係脱するハイクラッチ、入力軸とサンギヤとの間の動力伝達を係脱するリバースクラッチ、サンギヤと自動変速機ケースとの間を係脱する2−4ブレーキ、プラネタリキャリヤとリングギヤとの間を係脱するロークラッチ、プラネタリキャリヤと一体回転するロークラッチドラムと自動変速機ケースとの間を一方向に係脱するローワンウェイクラッチ、ロークラッチドラムと自動変速機ケースとの間を係脱するローアンドリバース(L−R)ブレーキ等を有しており、コントロールバルブの油圧調整用デューティソレノイドバルブをデューティ駆動することで、各摩擦係合要素の係合制御(油圧制御)を行うことができる。
【0014】
変速機組立工場FCAで組立て完成された自動変速機1は、領収運転台3で特性検査が行われ、搭載される車種・エンジン型式等の種類別に異なる仕様を識別するためのバーコード等からなる識別番号2が各個体毎に貼付されて車両組立工場FCBに出荷される。
【0015】
領収運転台3での領収運転は、識別番号読取装置4で読取られた識別番号2による各個体毎に、領収運転実行装置5により実行・制御され、自動変速機1内部に配設されたコントロールバルブの油圧調整用ソレノイドバルブや領収運転台3の制御、自動変速機1の特性バラツキに対する補正量の決定、出荷判定が一括して行われる。この自動変速機1の領収運転結果は、個々の自動変速機1毎に識別番号2と対応させて領収運転結果記憶装置6に記憶され、車両組立工場FCBに通信回線或いは記憶媒体を介して送られる。
【0016】
車両組立工場FCBでは、自動変速機1を車体100に組込み、ラインエンドのシャーシダイナモメータ7上でのフリーローラチェック工程でTCU50に特性バラツキを補正するデータを書込む。このフリーローラチェック工程には、識別番号2Aをバーコード等により読取ると共に、領収運転結果記憶装置6から対応する領収運転データを読込む識別番号読取装置8、各自動変速機1毎の特性バラツキに対する補正量を決定してTCU50に書込む補正量書込装置9が用いられる。
【0017】
尚、識別番号2Aは、 自動変速機1に貼付された識別番号でも良いが、通常、自動変速機1が車体100に搭載された後は、自動変速機1の識別番号を読み取ることは容易ではないため、車体100に搭載される段階で自動変速機1の識別番号2を車両の車体番号等に置き換えたものとしても良い。この場合、車体番号と自動変速機1の識別番号2との対応関係は、識別番号読取装置8内に保存される。
【0018】
以上の構成による自動変速機の補正システムでは、自動変速機1の領収運転時に、自動変速機オイル(ATF)の温度や入力回転数等を実走行状態に対して、比較的安定した状態に保ち、良好な変速品質を得ることができる特性への補正量を把握する。そして、把握した補正量を、自動変速機1を制御するTCU50に書込んで記憶させることにより、実走行による学習促進の時間を省き、出荷時初期より良好な変速品質を得る。
【0019】
すなわち、従来の領収運転では、各クラッチの油圧を計測し、許容範囲内にあるか否かを調べて出荷可能か否かを判断しており、領収運転台毎の仕様差による機差や油圧を検出する油圧センサの校正値のズレや劣化、配管中のエア混入等の影響を受け、計測精度を高めることが困難であったが、本実施の形態における領収運転では、誤差を多く含むアナログ計測を廃止し、より高精度な出荷検査を可能としている。
【0020】
具体的には、自動変速機1の出力軸を領収運転台3に固定して所定の変速位置に設定し、トルクコンバータに一定の入力回転数を与える。その状態で、締結している2つのクラッチ(ブレーキ)のうち、1つの油圧をトルクコンバータの入力回転数とトルクコンバータのタービン回転数との差が基準値となるように、クラッチ油圧を調整する油圧制御弁としてのデューティソレノイドバルブの制御量(駆動デューティ)を調整する。つまり、2つのクラッチにより半クラッチ状態を意図的に作り出し、油圧を低下させた方のクラッチが入力回転数とタービン回転数との差を基準値に保つ一定のトルクを作り出すために必要な駆動デューティを計測する。
【0021】
この場合、コントロールバルブのデューティソレノイドバルブに対する駆動デューティは、自動変速機1を構成する各構成要素の特性、例えば、コントロールバルブの油圧特性、クラッチの摩擦係数、トルクコンバータの出力トルク特性、クラッチピストンのリターンスプリングの付勢力、クラッチクリアランス等の各要因のバラツキによって左右され、これらのバラツキは、入力回転数とタービン回転数との差を一定に保つデューティソレノイドバルブの駆動デューティのバラツキとして現れる。従って、計測した駆動デューティと基準値との差分を補正量としてTCU50に記憶させておくことで、出荷時から良好な変速品質を確保することができる。
【0022】
次に、この自動変速機1の領収運転による特性バラツキの計測処理について、図2のフローチャートを用いて説明する。
【0023】
この処理では、先ず、ステップS1において、トルクコンバータの入力回転数Ninとタービン回転数Ntとの回転差の目標値(目標差回転)ΔNを設定する。この目標差回転ΔNは、自動変速機1を所定のギヤ位置に設定した状態で、対象とするクラッチやブレーキの油圧を制御するコントロールバルブのデューティソレノイドバルブを基準デューティ値で駆動したときの回転差であり、例えば、2−4ブレーキを対象とした計測時は700rpm、ハイクラッチ及びロークラッチを対象とした計測時は140rpmである。
【0024】
次に、ステップS2へ進み、領収運転台3へ自動変速機1の入力回転数を一定回転数(例えば、1000rpm)とする指示を出力し、ステップS3で、コントロールバルブの指定クラッチやブレーキを制御するためのデューティソレノイドバルブの駆動デューティdutyを、基準値(クラッチ・ブレーキ毎に異なる)とする出力指示を行い、ステップS4へ進む。
【0025】
ステップS4では、自動変速機1に備えられているタービン回転数センサによりタービン回転数Ntを計測し、ステップS5で、既に一定に保っている入力回転数Ninとタービン回転数Ntとの回転差(Nin−Nt)を算出し、目標差回転ΔNと比較する。
【0026】
その結果、ΔN>Nin−Ntで回転差(Nin−Nt)が目標差回転ΔNよりも大きい場合には、ステップS5からステップS6へ進んでデューティソレノイドバルブの駆動デューティdutyを、偏差に応じた設定値αだけ減少させる(duty←duty−α)。また、ΔN<Nin−Ntであり、回転差(Nin−Nt)が目標差回転ΔNよりも小さい場合には、ステップS5からステップS7へ進んでデューティソレノイドバルブの駆動デューティdutyを、偏差に応じた設定値αだけ増大させる(duty←duty+α)。
【0027】
以上によりデューティソレノイドの駆動デューティdutyを、目標差回転ΔNとの偏差に基づくフィードバックにより増減した後、ステップS8へ進み、回転差(Nin−Nt)が目標差回転ΔNに収束したか否かを調べる。その結果、ΔN≠(Nin−Nt)であり、未だ目標差回転ΔNに収束していない場合には、ステップS8からステップS5へ戻って上述の処理を継続し、ΔN=(Nin−Nt)で目標差回転ΔNに収束した場合には、ステップS8からステップS9へ進む。
【0028】
ステップS9では、目標差回転ΔNに収束する駆動デューティdutyが出荷判定規格を満足するか否かを調べ、出荷可能か否かの出荷判定を行う。出荷判定規格は、図3に示すように、ATF温度を設定範囲(略40°C〜60°C)に保って領収運転を実行したとき、目標差回転ΔNに収束する駆動デューティdutyが、設計上の公差を積み上げていった場合の上限値duty_upperと下限値duty_lowerとの間の許容領域として設定され、この領域内にあるか否かを調べることで出荷判定を行う。
【0029】
そして、計測した駆動デューティdutyが、出荷判定規格の領域内にあれば、出荷可能と判断してステップS10で駆動デューティ値dutyを記憶・保存して処理を終了し、領域内に無い場合、出荷不可と判断してステップS11でNG内容を記録し、処理を終了する。出荷可能と判定されて記憶・保存された個々の自動変速機1の駆動デューティ値dutyは、車両組込み後のフリーローラ工程において、基準値との差分が個々の自動変速機1の補正量としてTCU50に書き込まれる。
【0030】
このように、本実施の形態においては、自動変速機の出荷段階において、誤差を多く含むアナログ計測を行うことなく、入力回転数とタービン回転数との差が基準値となるデューティソレノイドバルブの駆動デューティを計測して個体毎の特性バラツキを求めるため、出荷時の領収運転における計測精度を高めて本来必要としている公差に近づけることができ、しかも、自動変速機の油圧バラツキのみでなく、クラッチ摩擦係数、クラッチクリアランス、クラッチピストンのリターンスプリング等のバラツキを含め、自動変速機全体としての性能を管理することができる。そして、この高精度の計測によって求めた特性バラツキの補正量をTCU50に記憶させておくため、実走行による学習促進を待つことなく、製品出荷初期から良好な変速品質を得ることができる。
【0031】
更には、領収運転に際して、領収運転台毎の機差が生じないため、出荷判定のための領収運転台間の相関設定が不要となり、作業効率を向上して工数削減に寄与することができる。
【0032】
次に、本発明の実施の第2形態について説明する。図4〜図6は本発明の実施の第2形態に係わり、図4は車両における自動変速機の特性バラツキ補正処理のフローチャート、図5は補正量と学習値との相関を示す説明図、図6は基準特性と上下限特性との関係を示す説明図である。
【0033】
第2形態は、自動変速機の補正システムを車両側にも構築するものであり、図4に示す処理をTCU50で実行することで、領収運転に準じた条件下で自動変速機1のデューティソレノイドバルブに対する駆動デューティdutyのバラツキを計測し、このバラツキを学習値に反映させる。
【0034】
すなわち、図4に示す処理では、先ず、ステップS21,S22で、それぞれ、エンジン回転数Neが規定範囲内にあるか否か、ATF温度が規定範囲内にあるか否かを調べる。これは、第1形態における自動変速機1の領収運転と同様の条件にあるか否かを調べるものであり、エンジン回転数Ne及びATF温度が規定範囲内にあるとき、ステップS23へ進んで、コントロールバルブの指定クラッチやブレーキを制御するためのデューティソレノイドバルブの駆動デューティdutyを、基準値とする出力指示を行い、ステップS24へ進む。
【0035】
ステップS24では、自動変速機1に備えられているタービン回転数センサによりタービン回転数Ntを計測し、ステップS25で、自動変速機の入力回転数であるエンジン回転数Neとタービン回転数Ntとの回転差(Ne−Nt)を算出し、目標差回転ΔNと比較する。
【0036】
その結果、ΔN>Ne−Ntのときには、ステップS25からステップS26へ進んでデューティソレノイドバルブの駆動デューティdutyを、偏差に応じた設定値αだけ減少させ(duty←duty−α)、ΔN<Ne−Ntのときには、ステップS25からステップS27へ進んでデューティソレノイドバルブの駆動デューティdutyを、偏差に応じた設定値αだけ増大させる(duty←duty+α)。
【0037】
その後、ステップS28へ進み、回転差(Ne−Nt)が目標差回転ΔNに収束したか否かを調べる。そして、ΔN≠(Ne−Nt)のときには、ステップS28からステップS25へ戻って上述の処理を継続し、ΔN=(Ne−Nt)で目標差回転ΔNに収束した場合、ステップS28からステップS29へ進んで、このときの駆動デューティdutyの基準値からのズレをTCU50内での学習値に反映させる演算を行う。この学習値への反映は、図5に示すように、駆動デューティdutyが基準値のときを学習値補正量0とし、計測された駆動デューティdutyの基準値に対する増減割合に応じて学習値補正量を増減させる。
【0038】
ステップS29での学習値反映化演算を行った後は、ステップS30へ進み、図6に示すように、駆動デューティdutyがATF温度に応じて予め設定された基準値に対する上限値duty_upperと下限値duty_lowerとの間にあるか否かを調べる。そして、上下限の範囲内にあるときには、TCU50内の制御用データメモリに補正量を記憶し、範囲外のときには、異常と判断してデータを故障診断用のバックアップメモリに記憶すると共に運転者に警告を発し、処理を終了する。
【0039】
第2形態では、自動変速機1の特性補正システムを、車両側のTCU50により構築して特性バラツキを予め補正しておくことにより、例えば、市場におけるディーラでの点検・修理の際に、自動変速機1やTCU50を交換した場合、或いはTCU50の電源を遮断して学習値がリセットされた場合等においても、学習値のリセットによる変速品質の悪化を生じることがなく、学習促進を待たずに良好な変速品質を得ることができる。
【0040】
尚、以上の特性補正システムは、自動変速機の変速クラッチ以外にも、4輪駆動用のトランスファーにおける制御クラッチに適用することが可能であり、制御量と伝達トルクとの関係を補正することで、トラクション性能を向上させると共に、タイトコーナブレーキ現象の防止を可能とする領域を拡大することができる。
【0041】
また、上述した実施の各形態では、油圧制御弁をデューティソレノイドバルブで説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、他のソレノイドバルブ例えばリニヤソレノイドバルブを備えるものにも適用できる。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、実走行による学習促進を待つことなく個体毎の特性バラツキを補正し、良好な変速品質を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第1形態に係わり、領収運転による自動変速機の特性補正システムを示す説明図
【図2】同上、領収運転による自動変速機の特性バラツキの計測処理を示すフローチャート
【図3】同上、出荷判定規格の説明図
【図4】本発明の実施の第2形態に係わり、車両における自動変速機の特性バラツキ補正処理のフローチャート
【図5】同上、補正量と学習値との相関を示す説明図
【図6】同上、基準特性と上下限特性との関係を示す説明図
【符号の説明】
1 自動変速機
5 領収運転実行装置
6 領収運転結果記憶装置
9 補正量書込装置
50 電子制御装置(
Ne エンジン回転数
Nin 入力回転数
Nt タービン回転数
duty 駆動デューティ
ΔN 目標差回転
Claims (5)
- トルクコンバータに連設される多段変速部の各摩擦係合要素を、各々の油圧制御バルブにより係合・解放させて変速動作を行う自動変速機の特性補正システムであって、
上記自動変速機の組立後に行う試運転の結果に基づいて、上記自動変速機の基準特性に基づく制御データの補正量を算出する手段と、
上記自動変速機を車両に組付けた後、上記補正量を上記自動変速機を制御する電子制御装置に記憶させる手段とを備えたことを特徴とする自動変速機の特性補正システム。 - 上記試運転で上記トルクコンバータの入力回転数と上記トルクコンバータのタービン回転数との差を一定に保つ上記油圧制御バルブの制御量を計測し、
上記補正量を、上記油圧制御バルブの制御量の計測値と基準値との差分として記憶させることを特徴とする請求項1記載の自動変速機の特性補正システム。 - 上記油圧制御バルブの制御量の計測値が、予め設定した許容範囲内にあるか否かにより、上記自動変速機の出荷判定を行うことを特徴とする請求項2記載の自動変速機の特性補正システム。
- 上記出荷判定を、上記自動変速機のオイル温度を考慮して行うことを特徴とする請求項3記載の自動変速機の特性補正システム。
- トルクコンバータに連設される多段変速部の各摩擦係合要素を、各々の油圧制御バルブにより係合・解放させて変速動作を行う自動変速機の特性補正システムであって、
設定条件下で上記トルクコンバータの入力回転数と上記トルクコンバータのタービン回転数との差を一定に保つ上記油圧制御バルブの制御量を計測する手段と、
上記油圧制御バルブの制御量の計測値と基準値との差分を、上記自動変速機の特性を学習した学習結果に反映させる手段とを備えたことを特徴とする自動変速機の特性補正システム。
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