JP2010048401A - 自動変速機の特性補正システム - Google Patents

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Abstract

【課題】係合要素の係合開始点を正確に検出して変速機固有のデータを適正に取得し、実走行による学習促進を待つことなく個体毎の特性バラツキを補正して良好な変速品質を得る。
【解決手段】自動変速機の入力軸回転数を一定回転数とすると共に出力軸を固定して計測対象の係合要素への油圧を上昇させ(S2,S4)、タービン回転数Ntと入力軸回転数Niとの速度比が設定値以下であるか否かを調べる(S5)。速度比が設定値以下になったとき、そのときの油圧制御量を計測して保存し(S7)、この計測データに基づいて、車体に組み込まれた自動変速機毎の固有の特性バラツキに対する補正量を決定してTCUに書込む(S12)。これにより、係合要素の係合開始点を正確に検出して変速機固有のデータを適正に取得することができ、実走行による学習促進を待つことなく個体毎の特性バラツキを補正して良好な変速品質を得ることができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、個体毎の特性バラツキを補正して良好な変速品質を得ることのできる自動変速機の特性補正システムに関する。
一般に、自動車等の車両に搭載される自動変速機には、各構成要素に部品公差が存在するため、最終的なアッセンブリの状態では個体差による若干の特性のバラツキが発生することは避けられない。このバラツキ量は、車両としての性能向上を図る上では極力抑えなければならない一方で、生産工場における工程能力を確保しつつ公差を縮小することは、コストアップ等の跳ね返りに繋がる可能性がある。
特に、クラッチやブレーキ等の係合要素毎に、ソレノイドバルブを設け、各係合要素の係合制御(すなわち油圧の制御)を行う、いわゆるダイレクトAT方式の自動変速機では、ソレノイドバルブや係合要素の製造時のばらつきや経年変化、フリクション等に起因して変速品質にバラツキが発生することがある。このような変速品質のバラツキを低減し、安定した良好な変速品質を得るためには、実走行での学習制御によることが一般的であるが、この学習制御によって良好な変速品質を確保するためには、相当時間の実走行が必要である。
このため、本出願人は、特許文献1において、自動変速機の組立後に行う領収運転でトルクコンバータのタービン回転数の変化率がある閾値を超えた時点の油圧制御バルブの制御量を計測し、この制御量の計測値と基準値との差分に基づいて自動変速機の個体毎の特性バラツキを補正することで、実走行に寄る学習促進を待つことなく、良好な変速品質を得ることのできる技術を提案している。
特開2008−121834号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、係合要素の構成部品の想定外のバラツキや自動変速機の入力軸回転数の変化状態により、本来検出したい係合開始点、すなわち係合要素にトルク容量が発生し始める点を正確に捉えることが困難な場合があった。
例えば、係合要素がクラッチである場合、クラッチピストンに供給する油圧を制御する電磁制御弁の電流値(SOL出力電流値)を調整してピストンストロークを進ませると、通常の状態では、クラッチが接触した時点でタービン回転変化率が急激に変わるが、摩擦材の傾きによる偏当りや、油圧のリークによるピストンストローク終了時点の容積変化が鈍感になると言ったような状況が発生すると、タービン回転数の変化率が一様に変化してしまう。このため、図6に示すように、クラッチのトルク容量が十分過ぎる点において、ようやくタービン回転数の変化率が判定閾値を超えることになり、本来検出したい検出点がずれてしまう。
また、自動変速機を台上で試験する場合には、自動変速機をモータで駆動させることから入力軸回転数を安定化させることができ、特に問題はないものの、自動変速機を実車に組み付けた状態では、タービン回転がほぼエンジン回転に同期して変化するため、図7に示すように、電気負荷等による負荷変動に起因するエンジンの回転変動がタービン回転の変動となって現れ、クラッチトルク発生によるタービン回転数の変化と見誤ってしまう可能性がある。この場合、図8に示すように、タービン回転数の絶対値に対して、所定の下限の閾値を設け、タービン回転数が下限の閾値を超えた場合には異常と判定することも考えられるが、エンジン回転変化を伴った場合には誤判定する可能性がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、係合要素の係合開始点を正確に検出して変速機固有のデータを適正に取得し、実走行による学習促進を待つことなく個体毎の特性バラツキを補正して良好な変速品質を得ることのできる自動変速機の特性補正システムを提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明による自動変速機の特性補正システムは、トルクコンバータに連設される多段変速部の各係合要素を、各々の油圧制御バルブにより係合・解放させて変速動作を行う自動変速機の特性補正システムであって、上記任意の係合要素を解放し、且つ上記自動変速機の出力軸を固定して入力軸回転数を一定とした状態で、解放した係合要素への油圧を対応する油圧制御バルブを介して上昇させ、上記トルクコンバータのタービン回転数と上記入力軸回転数との速度比が設定値以下となる時点の油圧制御量を計測する手段と、上記油圧制御量の計測値から基準制御量に対する補正量を求め、該補正量を上記自動変速機を制御する電子制御装置に記憶させる手段とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、係合要素の係合開始点を正確に検出して変速機固有のデータを適正に取得することができ、実走行による学習促進を待つことなく個体毎の特性バラツキを補正して良好な変速品質を得ることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1〜図5は本発明の実施の一形態に係り、図1は自動変速機の特性補正システムを示す説明図、図2は自動変速機の特性計測及び補正量算出処理を示すフローチャート、図3は速度比の温度依存性を示す説明図、図4はATF温度に対する許容範囲を示す説明図、図5は油圧制御量と油圧補正量との相関を示す説明図である。
図1は、自動車等の車両に搭載される自動変速機の個体毎の特性バラツキを補正する特性補正システムであり、車両搭載のシステム、或いは工場での生産・出荷ラインにおけるシステムとして構築することができる。本形態においては、工場での生産・出荷ラインに自動変速機の特性補正システムを構築する例について説明する。図1に示す符号FCAは、変速機組立ラインにおいて組み立て完成された自動変速機1の特性検査を行う領収運転工程、符号FCBは、変速機組立ラインから搬送された自動変速機1を電子制御装置(TCU)50と共に車体100に組付け、艤装を行う車両組立工程である。
自動変速機1は、クラッチやブレーキ等の係合要素毎にソレノイドバルブを設け、各係合要素の係合制御(すなわち油圧の制御)を行う、いわゆるダイレクトAT方式の自動変速機であり、本出願人による特開2003−004130号公報に開示の自動変速機と同様のものである。この自動変速機1は、概略的には、エンジン出力軸からの駆動力が入力されるトルクコンバータと、このトルクコンバータに連設される多段変速部とを備えている。
多段変速部は、入力軸上に配設されたプラネタリギヤユニットを備え、係合要素として、入力軸とプラネタリキャリヤとの間の動力伝達を係脱するハイクラッチ、入力軸とサンギヤとの間の動力伝達を係脱するリバースクラッチ、サンギヤと自動変速機ケースとの間を係脱する2−4ブレーキ、プラネタリキャリヤとリングギヤとの間を係脱するロークラッチ、プラネタリキャリヤと一体回転するロークラッチドラムと自動変速機ケースとの間を一方向に係脱するローワンウェイクラッチ、ロークラッチドラムと自動変速機ケースとの間を係脱するローアンドリバース(L−R)ブレーキ等を有している。この多段変速部の各係合要素は、コントロールバルブの油圧調整用ソレノイドバルブを駆動することで、係合制御(油圧制御)される。
領収運転工程FCAには、自動変速機1の特性検査を行う領収運転台3、自動変速機1が搭載される車種・エンジン型式等の種類別に異なる仕様を識別するための識別コード2を読取るための識別コード読取装置4、領収運転台3を制御して自動変速機1の領収運転を実行するための領収運転実行装置5が備えられている。識別コード2は、数字や文字等のデータを一元或いは二次元の図形パターンとして形成されるものであり、各個体毎に貼付され車両組立工程FCBに搬送される。
領収運転台3での領収運転は、識別コード読取装置4で読取られた識別コード2による各個体毎に、領収運転実行装置5により実行・制御され、自動変速機1内部に配設されたコントロールバルブの油圧調整用ソレノイドバルブや領収運転台3の制御、自動変速機1の特性バラツキに対する補正量の決定、出荷判定が一括して行われる。この自動変速機1の領収運転結果は、個々の自動変速機1毎に識別コード2と対応させて領収運転結果記憶装置6に記憶され、車両組立工程FCBに通信回線或いは記憶媒体を介して送られる。
一方、車両組立工程FCBには、領収運転結果記憶装置6から識別コード2に対応した自動変速機1の領収運転結果や、自動変速機1をTCU50と共に組付けた車体100の車両コード2Aを読込む車両情報読取装置8、TCU50に自動変速機1の特性バラツキを補正するデータを書込む補正量書込装置9が備えられている。
車両組立工程FCBでは、自動変速機1を車体100に組込み、ラインエンドのシャーシダイナモメータ上でのフリーローラチェック工程で、TCU50に補正量書込装置9を介して特性バラツキを補正するデータを書込む。このフリーローラチェック工程では、車両情報読取装置8を介して車体100の車両コード2Aを読取ると共に、領収運転結果記憶装置6から対応する領収運転データを読込み、各自動変速機1毎の特性バラツキに対する補正量を決定してTCU50に書込む。
尚、車両コード2Aは、自動変速機1に貼付された識別コード2でも良いが、通常、自動変速機1が車体100に搭載された後は、自動変速機1の識別コード2を読取ることは容易ではないため、車体100に搭載される段階で自動変速機1の識別コード2を車両の車体番号等に置き換えたものとしても良い。この場合、車体番号と自動変速機1の識別コード2との対応関係は、車両情報読取装置8内に保存される。
以上の特性補正システムによる個々の自動変速機1毎の特性バラツキの補償は、自動変速機1の各係合要素に対する油圧制御量の基準値(基準制御量)とのズレを補正する補正量をTCU50内のメモリに記憶させることで実現される。この基準制御量とのズレを補正する補正量は、自動変速機1を設定条件下で運転して計測される実油圧制御量に基づいて算出される。
すなわち、自動変速機1の変速品質を向上するためには、各係合要素に入力トルクに見合った適正な油圧を印加することが重要であり、クラッチクリアランス、クラッチピストンのリターンスプリング、摺動抵抗のバラツキ、油圧調整用ソレノイドバルブの制御特性のバラツキによる制御指示値に対する実油圧のズレ等の各要因のバラツキを解消する必要がある。
本形態においては、自動変速機1の領収運転時に、自動変速機オイル(ATF)の温度や入力軸回転数等を実走行状態に対して、比較的安定した状態に保ち、生産上の公差による各要因のバラツキを解消して良好な変速品質を得ることができる補正量を把握する。そして、把握した補正量を、自動変速機1を制御するTCU50に書込んで記憶させることにより、実走行による学習促進の時間を省き、出荷時初期より良好な変速品質を得る。
具体的には、自動変速機1の出力軸を領収運転台3に固定して、計測対象となる任意の係合要素が係合した状態で達成される所定の変速位置に設定し、計測対象外の係合要素を当該所定の変速位置を達成する係脱状態とし、計測対象となる任意の係合要素を解放状態とする。そして、自動変速機1の出力軸を固定状態としてトルクコンバータに一定の入力軸回転数を与え、その状態で、計測対象の係合要素に供給する油圧を、コントロールバルブのデューティソレノイドバルブやリニアソレノイドバルブ等からなる油圧調整用ソレノイドバルブを介して徐々に上昇させる。
例えば、計測対象とする係合要素がクラッチである場合、クラッチ解放状態から供給油圧を徐々に上昇させると、クラッチピストンが締結方向にストロークを開始し、やがてクラッチピストンのストロークが終了してクラッチのトルク容量が発生し始める係合開始点に達する。従って、このクラッチピストンのストローク終了による係合開始点を認識し、係合開始点の実油圧指示量と基準値とのズレに基づく補正量をTCU50に記憶させて学習制御に反映させることで、出荷時から個体毎の特性バラツキを補償して良好な変速品質を確保することができる。
クラッチの係合開始点を認識するには、トルクコンバータのタービン回転数の変化率を調べ、タービン回転数の変化率が所定の閾値を超えた時点で係合開始点に達した判断することも可能であるが、摩擦部材の傾きによる摩擦面の偏当りや、油圧リークによるピストンストローク終了時点の容積変化が鈍感になる等といったように、何らかの原因によりタービン回転数の変化率が一様に変化した場合や、自動変速機1を組み込んだ実車でのエンジンの回転変動に伴ってタービンの回転変動が発生した場合には、一義的にタービン回転数の変化率を閾値と比較するのみでは、ピストンストローク終了点を正確に認識することは困難である。
このため、本実施の形態においては、入力軸回転数とタービン回転数との比(すなわち速度比)を用いて係合開始点を判定することで、ピストンストローク終了点以外の検出点を係合開始点として誤検出することを回避するようにしている。すなわち、ピストンストロークが終了し、タービン回転数変化として現れる点は、トルクコンバータのトルク比が変化する点(速度比で0.8〜0.9前後)の極低トルクの付近であり、このトルク比が変化する点を入力軸回転数とタービン回転数との速度比で捉えることにより、制御上の狙いとするピストンストローク終了点を正確に検出することができ、ピストンストローク終了点以外の誤った油圧指示量で個体差を認識することを排除することができる。
この場合、ATF温度により、構成品のフリクション変化、摩擦材の摩擦特性変化等で、トルク容量を持ち始める速度比が変化する場合がある。従って、後述するように、速度比の温度依存性を予め把握しておくことで、精度良く個体差を把握することができる。
以下、自動変速機1の特性計測及び補正量算出処理について、図2のフローチャートを用いて説明する。尚、図2のフローチャートは、領収運転工程FCAから車両組立工程FCBに至る処理の流れを表している。
この特性計測及び補正量算出処理においては、先ず、最初のステップS1で、自動変速機1の入力軸回転数、シフトレンジ位置、前進段又は後進段等の各種設定を行い、ステップS2で、自動変速機1の入力軸回転数Niを一定回転数(例えば、900rpm)とすると共に出力軸を固定する指示を領収運転台3へ出力する。
次に、ステップS3へ進み、計測対象となる係合要素の油圧を抜いて解放状態にすると共に、計測対象以外の係合要素に印加する油圧を指示し、ステップS4で、計測対象の係合要素への油圧を上昇させる指示を出力する。この油圧上昇の指示は、係合要素の動特性に悪影響を与えないよう、実油圧が指示油圧に近い状態を維持可能な上昇勾配に設定され、例えば油圧調整用ソレノイドバルブに対する駆動デューティや駆動電流を設定値に制御する指示として出力される。
その後、ステップS4からステップS5へ進み、タービン回転数センサによりトルクコンバータのタービン回転数Ntを計測し、タービン回転数Ntと入力軸回転数Niとの速度比(Nt/Ni)を算出して設定値と比較することにより、係合開始点に達したか否かを判断する。
尚、係合要素を構成する部材間のフリクションや摩擦材の摩擦特性がATF温度に依存して変化し、係合要素がトルク容量を持ち始める速度比(Nt/Ni)が変化する場合がある。このため、図3に示すように、予め実験或いはシミュレーションにより速度比のATF温度に対する依存性を予め把握しておき、入力軸回転数Niとセンサによって計測したタービン回転数Ntとから算出される速度比を補正することで、精度良く係合開始点を判断することができる。
ステップS5における速度比(Nt/Ni)と設定値との比較の結果、速度比(Nt/Ni)が設定値を超えている場合には、ステップS4へ戻って、計測対象の係合要素への油圧を上昇させ続ける。一方、ステップS5において、速度比(Nt/Ni)が設定値以下になった場合、計測対象の係合要素が係合開始点に達したと判断してステップS5からステップS6へ進み、そのときの油圧制御量を計測する。
例えば、計測対象の係合要素として、摩擦部材の接触によって締結するクラッチに印加する油圧を上昇させてゆくと、リターンスプリング力や摺動抵抗に打ち勝ってピストンがストロークし、やがてピストンストロークの終了点に達してトルクコンバータのトルク比が変化し、クラッチがトルク容量を持ち始める。従って、トルクコンバータのトルク比が変化する点を、コンバータ出力側のタービン回転数Ntとコンバータ入力側の入力軸回転数Niとの速度比(Nt/Ni)が変化する点で把握し、速度比(Nt/Ni)が予め設定した設定値以下になったときの油圧制御量(例えば、デューティソレノイドバルブの駆動デューティやリニアソレノイドバルブの駆動電流)を計測することにより、個体毎に異なるピストンストロークの終了点すなわち係合開始点を把握することができる。
尚、係合開始点の判定として、速度比による判定に先立ち、係合要素への油圧を上昇させた前後におけるタービン回転数の変化率( Nt−Nt-1 )が設定値以上である条件を加えるようにしても良い。
ステップS6では、計測した油圧制御量が上下限の範囲内にあり、リターンスプリング力、ピストンストローク量、油圧指示値に対する実油圧量、温度依存性等の設計的なパラメータの集積による許容幅の範囲内にあるか否かを判定する。例えば、タービン回転数の変化点での油圧制御量を取得したときのATF温度が、図4に示す許容範囲(略40°C〜60°C)内にあれば、油圧制御量は正常運転の上下限範囲内にあり、出荷可能と判断する。
そして、計測した油圧制御量が上下限の範囲内にある場合には、正常と判断してステップS6からステップS7へ進み、計測した駆動デューティや駆動電流等の制御量を、自動変速機1の識別コード及び計測対象の係合要素等に対応させて領収運転結果記憶装置6に記憶・保存し、ステップS8へ進む。一方、ステップS6において、計測した制御量が上下限の範囲内に無い場合、NGと判断し、領収運転結果記憶装置6にNG内容を記憶・保存して処理を終了する。
ステップS8では、自動変速機1の全ての係合要素についての計測が終了したか否かを調べる。この場合、計測対象の1つの係合要素に対しては、入力軸回転数を変えて2回以上の計測を行うことが望ましく、1つの係合要素につき、少なくとも2点以上の計測点で油圧制御量の計測データを取得することで、油圧指示に対する実油圧のズレと係合部材の摩擦特性のバラツキとを含めて把握することができ、走行状態によって異なる入力トルクに応じて適切な油圧制御量を与え、変速品質を向上することが可能となる。
そして、全係合要素についての計測が終了していない場合には、ステップS8からステップS3へ戻り、次の計測対象を設定して以上の処理を繰り返す。一方、全係合要素についての計測が終了した場合には、ステップS8からステップS9へ進んで、計測時のATF温度や油圧制御量等の変速機毎の固有データを含む識別コードをプリントアウトし、プリントアウトした識別コードのラベルを、ステップS10で自動変速機(T/M)1に貼り付ける。
以上のステップS1〜S10が領収運転工程FCAにおける処理であり、次のステップS11から車両組立工程FCBにおける処理となる。ステップS11では、領収運転工程FCAから搬送されてきた自動変速機(T/M)1を車体に組み付けて車載し、ステップS12において、車体100に組み込まれた自動変速機1毎の固有の特性バラツキに対する補正量を決定してTCU50に書込み、本処理を終了する。
この補正量の書込み処理では、先ず、領収運転結果記憶装置6に保存されたデータと自動変速機1を組み付けた車体100の車両コード2Aとを車両情報読取装置8で読取り、互いに照合する。そして、個々の自動変速機1固有の油圧制御量と基準制御量との差分を補正量として、或いは、図5に示すような油圧制御量と油圧補正量との相関から得られる補正量を学習値として、補正量書込装置9を介してTCU50に書込む。
以上のように、本実施の形態においては、自動変速機の出力軸を固定して係合を解放した状態から徐々に油圧を上昇させてタービン回転数と入力軸回転数との速度比が設定値以下となる点の油圧制御量を計測するため、個々の自動変速機の係合要素に固有の係合開始点を正確に把握することができ、しかも、迅速且つ安定して計測を行うことができる。これにより、実走行による学習促進を待つことなく、自動変速機の特性バラツキを補正して良好な変速品質を得ることができる。
また、本実施の形態においては、自動変速機1の特性補正システムを、工場での生産・出荷ラインにおけるシステムとして構築する例について説明したが、車両搭載のシステムとして構築することもできる。その場合には、上述した図2の処理におけるステップS2の領収運転台による入力指示をエンジン制御装置等への指示に変更し、ステップS9,S10,S11を削除した検査プログラムを予めTCU50に格納させておけば良い。
このように、車両側のTCU50に特性補正システムを構築しておくことにより、例えば、市場におけるディーラでの点検・修理の際に、自動変速機1やTCU50を交換した場合、或いはTCU50の電源を遮断して学習値がリセットされた場合等においても、固有データの計測を迅速且つ安定して行うことができ、それまでのバラツキ補正の学習結果を回復することが可能となり、変速品質の悪化を回避することができる。
尚、以上の特性補正システムは、自動変速機の変速クラッチ等の係合要素以外にも、4輪駆動用のトランスファーにおける制御クラッチ等に適用することが可能であり、制御量と伝達トルクとの関係を補正することで、トラクション性能を向上させると共に、タイトコーナブレーキ現象の防止を可能とする領域を拡大することができる。
自動変速機の特性補正システムを示す説明図 自動変速機の特性計測及び補正量算出処理を示すフローチャート 速度比の温度依存性を示す説明図 ATF温度に対する許容範囲を示す説明図 油圧制御量と油圧補正量との相関を示す説明図 従来技術における係合開始検出点のずれを示す説明図 従来技術における入力軸回転数の変化による誤検出の可能性を示す説明図 従来技術における異常判定の説明図
符号の説明
1 自動変速機
5 領収運転実行装置
6 領収運転結果記憶装置
9 補正量書込装置
50 電子制御装置
Ni 入力軸回転数
Nt タービン回転数
Nt/Ni 速度比

Claims (4)

  1. トルクコンバータに連設される多段変速部の各係合要素を、各々の油圧制御バルブにより係合・解放させて変速動作を行う自動変速機の特性補正システムであって、
    上記任意の係合要素を解放し、且つ上記自動変速機の出力軸を固定して入力軸回転数を一定とした状態で、解放した係合要素への油圧を対応する油圧制御バルブを介して上昇させ、上記トルクコンバータのタービン回転数と上記入力軸回転数との速度比が設定値以下となる時点の油圧制御量を計測する手段と、
    上記油圧制御量の計測値から基準制御量に対する補正量を求め、該補正量を上記自動変速機を制御する電子制御装置に記憶させる手段と
    を備えたことを特徴とする自動変速機の特性補正システム。
  2. 上記補正量は、上記基準値との差分、または学習値の少なくともいずれか一方に置き換えられることを特徴とする請求項1に記載の自動変速機の特性補正システム。
  3. 上記速度比が設定値以下となる点の油圧制御量を、入力軸回転数が異なる少なくとも2点以上の計測点で計測することを特徴とする請求項1または2に記載の自動変速機の特性補正システム。
  4. 上記補正量を上記自動変速機の特性を学習する学習制御に反映させることを特徴とする請求項1〜3の何れか一に記載の自動変速機の特性補正システム。
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