JP2006207602A - 油圧クラッチの制御パラメータ決定方法 - Google Patents

油圧クラッチの制御パラメータ決定方法 Download PDF

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秀雄 仲山
Eiichi Sakai
栄一 酒井
Masami Higaki
正美 檜垣
Tetsuji Tanaka
哲二 田中
Eishin Tsukada
英信 束田
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Abstract

【課題】 油圧クラッチの制御パラメータを個別かつ適正に決定することができる油圧クラッチの制御パラメータ決定方法を提供する。
【解決手段】 変速機の油圧クラッチを緩衝係合させるのに必要な所定の制御パラメータを決定するための方法であって、トルクコンバータの入力駆動軸の回転中に出力軸を固定した状態で、油圧クラッチに対する油圧の昇圧試行を所定の油圧供給条件を変更した上で複数回行い、トルクコンバータの速度比が所定の判定基準値にまで低下するのに要した時間を測定データとして得るステップと(S1〜S4)、昇圧試行ごとに得られた複数の測定データに基づき、所定の制御パラメータとして、油圧クラッチの緩衝係合開始に当該油圧クラッチに作動油を急速的に充填するための急速充填時間Tbを算定するステップと(S5〜S7)を実行することを特徴としている。
【選択図】 図3

Description

本願発明は、たとえば産業車両用の自動変速機における油圧クラッチの自動制御に関し、この油圧クラッチを緩衝係合させるのに必要な所定の制御パラメータを決定するための油圧クラッチの制御パラメータ決定方法に関する。
産業車両用の自動変速機における油圧クラッチの自動制御としては、できる限り変速ショックが無く、かつ、スムーズに変速動作を行うように、油圧クラッチを緩衝係合させなければならない。一般に、油圧クラッチの緩衝係合開始前には、油圧クラッチの作動遅れを防止する観点から、油圧クラッチに対して作動油を急速的に充填しており、油圧クラッチを自動制御するためのプログラムには、そのための急速充填時間が設定されている。また、急速充填時間の経過後は、油圧クラッチに対する油圧の供給圧を一時的に低下させて一定に保つようになっており、上記プログラムには、その際の油圧供給圧となる待機圧や待機圧保持時間も設定されている。ところで、複数の油圧クラッチやこれらが組み込まれた自動変速機には、製造誤差などによる個体差があるため、上記急速充填時間や待機圧などの制御パラメータを一意に設定したのでは、個々の油圧クラッチや自動変速機を最適に制御することはできない。
そのため、従来の油圧クラッチの制御パラメータ決定方法には、たとえば特許文献1に開示されたものがある。この特許文献1に開示された方法では、トルクコンバータのタービン軸(変速機の入力軸)と変速機の出力軸(差動装置を介して車輪に連結された軸)との間に設けられた所望の油圧クラッチを対象とし、この油圧クラッチを車両停止状態で係合状態に推移させ、その際にタービン軸の回転数(タービン回転数)の変動を検出している。具体的には、油圧クラッチに対して予め設定されたレベルの油圧(プリチャージ圧)を急速供給し、その際、タービン回転数が低下し始めるまでに要した時間を計測し、これを急速充填時間として学習設定している。また、油圧クラッチに対する油圧をステップ状に漸増させ、その際、タービン回転数が低下し始めた時点における油圧を検出し、これを待機圧として学習設定している。
特開2003−287119号公報
しかしながら、上記従来の油圧クラッチの制御パラメータ決定方法では、タービン回転数の低下を検出した時点の時間(急速充填時間)や油圧(待機圧)を制御パラメータとし、たとえば急速充填時間については、油圧クラッチに対する油圧供給条件を変えることなく単に1回の試行により決定している。また、待機圧についても、油圧供給条件を変えることなく所定の試行を1回行うだけで決定している。これでは、油圧供給条件が連続的に変化するのに応じて制御パラメータがどのような変動値をとりうるのか把握できず、得られた制御パラメータの適正さを統計的には保証することができないため、この種の制御パラメータを決定するための方法としては、未だ改善すべき余地があった。
本願発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、油圧クラッチの制御パラメータを各部品の公差に応じて個別の変速機ごとに適正に決定することができる油圧クラッチの制御パラメータ決定方法を提供することをその課題としている。
上記課題を解決するため、本願発明では、次の技術的手段を講じている。
本願発明によって提供される油圧クラッチの制御パラメータ決定方法は、トルクコンバータから駆動力が伝えられる変速機の入力軸と出力軸との間に設けられた油圧クラッチの自動制御に関し、この油圧クラッチを緩衝係合させるのに必要な所定の制御パラメータを決定するための油圧クラッチの制御パラメータ決定方法であって、上記トルクコンバータの入力駆動軸の回転中に上記出力軸を固定した状態で、上記油圧クラッチに対する油圧の昇圧試行を所定の油圧供給条件を変更した上で複数回行い、当該昇圧試行ごとに上記トルクコンバータの速度比が所定の判定基準値にまで低下するのに要した時間を測定データとして得る昇圧試行ステップと、上記昇圧試行ごとに得られた複数の測定データに基づき、上記所定の制御パラメータとして、上記油圧クラッチの緩衝係合開始前に当該油圧クラッチに作動油を急速的に充填するための急速充填時間を算定する急速充填時間算定ステップと、を実行することを特徴としている。
好ましい実施の形態としては、上記複数の測定データと急速充填時間とに基づき、さらに上記所定の制御パラメータに含まれるものとして、上記急速充填時間の経過後に上記油圧クラッチに対する油圧を一時的に低下させて一定に保つための待機圧を算定する待機圧算定ステップを実行する。
他の好ましい実施の形態としては、上記所定の油圧供給条件としては、上記油圧クラッチに対する油圧の最大供給圧が設定されており、当該最大供給圧が上記昇圧試行ごとに変更されるようになっている。
他の好ましい実施の形態としては、上記昇圧試行中には、上記トルクコンバータの入力駆動軸の回転数が所定の設定レベルで一定に保たれる。
他の好ましい実施の形態としては、上記各ステップは、上記トルクコンバータの入力駆動軸の回転数を2種類以上設定することで当該回転数の設定レベルごとに実行されるようになっている。
他の好ましい実施の形態としては、上記トルクコンバータの速度比に関する所定の判定基準値は、上記回転数の設定レベルごとに異なる。
他の好ましい実施の形態としては、上記トルクコンバータの入力駆動軸の回転数は、アイドリング状態で比較的低速回転となる単一の設定レベルに保たれ、かつ、上記トルクコンバータの速度比に関する所定の判定基準値は、当該速度比の半減値に相当する0.5に設定されている。
他の好ましい実施の形態としては、上記急速充填時間算定ステップでは、上記油圧クラッチに対する油圧を所定の供給圧とした場合に当該油圧クラッチが滑り接触を開始する時間が求められ、さらにこの時間を割り引くことで上記急速充填時間が求められる。
他の好ましい実施の形態としては、上記待機圧算定ステップでは、上記油圧クラッチに対する油圧を上記待機圧として一定に保つための待機圧保持時間についても算定しており、当該待機圧保持時間は、上記油圧クラッチが滑り接触を開始する時間として予め目標設定された接触開始時間から上記急速充填時間を減算することで求められる。
他の好ましい実施の形態としては、上記急速充填時間算定ステップでは、上記油圧クラッチに対する油圧が所定の供給圧から段階的に低下して上記急速充填時間の経過後に上記待機圧となるように、当該急速充填時間内における油圧の減圧パターンについても求めている。
このような構成によれば、たとえば急速充填時間については、異なる油圧供給条件に応じて得られた複数の測定データに基づき、たとえば所定の供給圧とした場合の急速充填時間を推計することができ、さらには、上記で得られた複数の測定データと急速充填時間とを用いて待機圧を推計することができる。したがって、本願発明によれば、急速充填時間や待機圧といった制御パラメータの適正さを統計的に保証することができ、このような制御パラメータを各部品の公差に応じて個別の変速機ごとに適正に決定することができる。
本願発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
以下、本願発明の好ましい実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。図1〜7は、本願発明に係る油圧クラッチの制御パラメータ決定方法の一実施形態を示している。
図1に示されているように、本実施形態に係る制御パラメータ決定方法は、一例として産業車両用の自動変速機Aを対象としたものであり、この自動変速機Aにおける油圧クラッチF,R,C1〜C4の自動制御に必要な制御パラメータを決定するためのものである。自動変速機Aは、トルクコンバータ10から駆動力が伝えられるものであって、クラッチシャフトS1〜S3、出力軸S4、複数のギヤG1〜G13、前進用の油圧クラッチF、後進用の油圧クラッチR、1〜4速用の油圧クラッチC1〜C4、油圧制御回路20、および電子制御部30を基本的な構成要素として備えている。トルクコンバータ10の入力駆動軸11は、図外のエンジンの駆動軸に固定されており、トルクコンバータ10の出力駆動軸(タービン軸)12は、自動変速機Aの入力軸となるクラッチシャフトS1に固定されている。トルクコンバータ10の入力駆動軸11および出力駆動軸12の回転数は、E/G回転数およびタービン回転数として回転数検出センサ40,41により検出される。図外となる出力軸S4の両端部には、車両の前後に各々配置された差動装置などを介してフロントアクスルおよびリヤアクスルが連結されている。油圧クラッチF,R,C1〜C4は、油圧制御回路20によって油圧が供給されない状態(油圧の供給圧が0の状態)では非係合状態にあり、油圧の供給圧が上昇すると、いわゆる半クラッチ状態(緩衝係合状態)を経て完全に係合した状態になる。電子制御部30は、所定の電子制御プログラムを含むマイクロコンピュータからなり、この電子制御部30は、油圧制御回路20による油圧の供給圧を制御するとともに、油圧制御回路20の内部における油圧伝達経路を切り替えることで油圧クラッチF,R,C1〜C4の係合・非係合状態を選択する。
図1に一例として示すように、前進用の油圧クラッチFと1速用の油圧クラッチC1とが係合状態とされ、その他の油圧クラッチR,C2〜C4が非係合状態となる速度段が選択された場合には、ギヤG1とクラッチシャフトS1とが一体になって回転するとともに、ギヤG6とクラッチシャフトS2とが一体になって回転する。これにより、エンジンの駆動トルクは、トルクコンバータ10の入力駆動軸11、出力駆動軸12、クラッチシャフトS1、前進用の油圧クラッチF、ギヤG1,G3,G5,G6、1速用の油圧クラッチC1、クラッチシャフトS2、ギヤG8,G12を順に経て出力軸S4に伝わる(図1の太線参照)。その他の速度段を選択した場合には、各速度段に対応する組み合わせのクラッチのみが係合状態となり(前進2速で油圧クラッチF,C2、前進3速で油圧クラッチF,C3、前進4速で油圧クラッチF,C4、後進1速で油圧クラッチR,C1、後進2速で油圧クラッチR,C2、後進3速で油圧クラッチR,C3、後進4速で油圧クラッチR,C4)、それぞれ所定の伝達経路を経てエンジンの駆動トルクが出力軸S4に伝わる(図示略)。なお、すべてのギヤG1〜G13は、常に噛み合った状態になっており、図1では便宜上省略しているが、ギアG6,G9やギアG7,G10についても、常に噛み合った状態にある。油圧クラッチが非係合状態の場合には、その油圧クラッチに対応するギヤが空転するため、そのような空転するギヤでは駆動トルクが伝えられない。
上記電子制御部30における電子制御プログラムには、各油圧クラッチF,R,C1〜C4を緩衝係合させるためのプログラムが含まれており、このプログラムには、通常の運転モードとは異なる学習設定モードが用意されている。学習設定モードの選択時には、学習設定プログラムを実行し、油圧クラッチF,R,C1〜C4ごとに図2に示されるような油圧制御パターンを設定するようになっている。油圧制御パターンは、クラッチに対して作動油を急速的に充填するための油圧の急速充填圧Pb、その際の急速充填時間Tb、急速充填時間Tbの経過後にクラッチに対する油圧の供給圧を一時的に低下させて一定とするための待機圧Pa、その際の待機圧保持時間Ta、待機圧保持時間Taの経過後にクラッチに対する油圧の供給圧を漸増させるための増圧波形といった制御パラメータによって規定される。本実施形態の制御パラメータ決定方法は、上記制御パラメータのうち、急速充填圧Pb、急速充填時間Tb、待機圧Pa、および待機圧保持時間Taについて、自動変速機やクラッチごとに最適な固有値を求めるためのものである。このような制御パラメータ決定方法は、エンジンやトルクコンバータ10などとともに上記自動変速機Aを車両に組み付けた後、出荷する前の段階で車両ごとに学習設定プログラムを実行することで行われる。なお、学習設定プログラムについては、トルクコンバータを変速機に組み付けて完成した後、当該変速機を車両に取り付ける前のベンチテストの段階で実行するようにしてもよい。
図3は、制御パラメータを決定するための処理手順を表したフローチャートであって、この図を主に参照して制御パラメータ決定方法の具体的内容について説明する。
たとえば1速用の油圧クラッチC1を対象としてその制御パラメータを求める場合、出力軸S4は常に固定状態とされ、電子制御部30のマイクロコンピュータは、E/G回転数を所定の設定レベルで一定に保つように制御する(S1)。なお、前進用の油圧クラッチFあるいは後進用の油圧クラッチRのいずれか一方については、常に係合状態とされる。
そうした状態において、電子制御部30のマイクロコンピュータは、油圧クラッチC1に対する油圧の供給圧を予め設定された最大供給圧まで昇圧させるといった昇圧試行を複数回行い、各回の昇圧試行ごとに所定の測定データを取得する(S2〜S4)。このようなS1〜S4のステップが昇圧試行ステップとなる。
たとえば第1回昇圧試行としては、図4に一例として示されているように、油圧クラッチC1に対する油圧の供給圧が所定時間tで最大供給圧p1となるように油圧供給条件が設定されている。このような油圧供給条件の下でE/G回転数およびタービン回転数の時間的変動が測定される。このタービン回転数をE/G回転数で除算した値は、トルクコンバータ10の速度比eとして求められ、第1回昇圧試行においては、最大供給圧p1において速度比eが0.85(判定基準値)になるまでの充填時間が測定データとして得られる。
また、第2回昇圧試行としては、図5に一例として示されているように、油圧クラッチC1に対する油圧の供給圧が上記第1回昇圧試行と同じ所定時間tとしつつも最大供給圧p2となるように油圧供給条件が設定されている。このような油圧供給条件の下でE/G回転数およびタービン回転数の時間的変動が測定される。そして、第1回昇圧試行と同様にしてトルクコンバータ10の速度比eが求められ、第2回昇圧試行においては、最大供給圧p2において速度比eが0.85になるまでの充填時間が測定データとして得られる。
このように最大供給圧を変更して第n回まで昇圧試行を行い、第n回昇圧試行では、図6に一例として示されているように、最大供給圧pnにおいて速度比eが0.85になるまでの充填時間が測定データとして得られる。ここで、速度比eを一例として0.85に設定したのは、速度比eが1から0.85にまで減じると油圧クラッチC1が滑り接触し始めるためである。なお、油圧クラッチC1が滑り接触する状態とは、クラッチピストンがクラッチディスクに接触するとともに、クラッチディスクがエンドプレートに接触し、かつ、クラッチディスクとエンドプレートとの間に回転速度差がある状態を意味し、このような状態になると、エンジンの駆動トルクが出力軸S4に伝わる。
以上のようにして複数の測定データを得ると、電子制御部30のマイクロコンピュータは、これらの測定データを図7に示されるような座標系におけるプロットデータとして処理し、これらのプロットデータから回帰曲線P−Tを求める(S5)。
そして、電子制御部30のマイクロコンピュータは、油圧クラッチC1に対する油圧として物理的に最大となる油圧供給圧Pmaxのたとえば70%を急速充填圧Pbとして求め、この急速充填圧Pbに対応する充填時間Tbbを図7に示す回帰曲線P−Tから求める(S6)。この充填時間Tbbは、油圧クラッチC1に対する油圧を急速充填圧Pbとした場合に油圧クラッチC1が滑り接触し始める時間に相当する。
そこで、電子制御部30のマイクロコンピュータは、油圧クラッチC1が滑り接触には未だ至らない時間として、充填時間Tbbのたとえば60%割引いた時間を急速充填時間Tbとして決定する(S7)。このような急速充填時間Tbは、たとえば0.12sec程度の時間として求められ、S5〜S7のステップが急速充填時間算定ステップとなる。
こうして急速充填時間Tbを決定した後、さらに電子制御部30のマイクロコンピュータは、待機圧保持時間Taを求める(S8)。ここで、油圧クラッチC1が滑り接触し始める時間としては、たとえば0.23〜0.33sec程度が経験的に許容範囲とされるため、これに対応する接触開始目標時間(増圧開始目標時間)Tとしては、たとえば0.28secが予め目標設定されている。このような接触開始目標時間Tは、急速充填時間Tbと待機圧保持時間Taとの合計時間に相当するため、待機圧保持時間Taは、接触開始目標時間Tから急速充填時間Tbを差し引くことで求められる。具体的に急速充填時間Tbがたとえば0.12secの場合、待機圧保持時間Taが0.16secとして求められる。
上記で求められた待機圧保持時間Taは、油圧クラッチC1に対する油圧を最初から一定の待機圧Paで保持するようにした場合に油圧クラッチC1が滑り接触し始めることになる充填時間Taaよりも小さくなる。これは、先述したように急速充填時間Tbを充填時間Tbbの60%として求めたからである。つまり、待機圧保持時間Taは、上記充填時間Taaの40%程度に相当するものとなる。これにより、電子制御部30のマイクロコンピュータは、待機圧保持時間Taを0.4で除算した値を上記充填時間Taaとして決定する(S9)。これにより、たとえば待機圧保持時間Taが0.16secの場合、充填時間Taaが0.4secとして求められる。
その後、電子制御部30のマイクロコンピュータは、上記充填時間Taaに対応する待機圧Paを図7に示す回帰曲線P−Tから求める(S10)。この待機圧Paは、上記急速充填圧Pbよりも低いものとして求められる。こうして得られた急速充填圧Pb、急速充填時間Tb、待機圧Pa、および待機圧保持時間Taについては、油圧クラッチC1に関する固有の制御パラメータとしてプログラムに設定される。他の油圧クラッチF,R,C2〜4についても、上記S1〜S10のステップを実行することで固有の制御パラメータを適正に決定することができ、それらをプログラムに設定することができる。このようなS8〜S10のステップが待機圧算定ステップとなる。
たとえば、上記のようにして決定された急速充填圧Pb、急速充填時間Tb、待機圧Pa、および待機圧保持時間Taを図2に示す制御パターンに適用し、この制御パターンに基づいて油圧クラッチC1に対する油圧の供給圧を制御した場合には、増圧波形による制御の開始時点で油圧クラッチC1が滑り接触し始めることとなり、油圧クラッチC1が非係合状態から滑り接触する状態へと速やかに移行して係合状態に至る。これにより、変速ショックが無く、かつ、スムーズに変速動作を行うことができる。たとえば、急速充填時間や待機圧保持時間、待機圧が最適値よりも小さい場合には、増圧波形による制御の開始時点になっても油圧クラッチが滑り接触しないために、増圧波形による制御中にサージ圧が発生し、これにより変速ショックが感じられることになる。また、待機圧保持時間や待機圧が最適値よりも大きい場合には、増圧波形による制御の開始前に油圧クラッチが滑り接触してしまい、これによっても変速ショックが感じられることになる。本実施形態によれば、急速充填圧Pb、急速充填時間Tb、待機圧Pa、および待機圧保持時間Taが最適値として求められることからそのようなことがない。
このような制御パラメータの決定方法によれば、複数回の昇圧試行によって得られた複数の測定データを推計処理することにより、油圧クラッチごとに適正な制御パラメータを求めることができ、特に急速充填時間Tbおよび待機圧Paについては、統計的に最適値として求められる点からその適正さを確実に保証することができ、自動変速機や油圧クラッチごとに適正な制御パラメータを決定することができる。
なお、本願発明は、上記の実施形態に限定されるものではない。
他の実施形態としては、次のようにしてもよい。すなわち、図8に示すように、トルクコンバータの速度比eは、油圧クラッチに対する油圧の供給圧とE/G回転数に応じて変化することが知られている。これによれば、E/G回転数が高くなるにつれて半クラッチ範囲が広がるため、E/G回転数をアイドリング状態で比較的低速回転の一定レベルLoとなるように設定した上で各昇圧試行を行うのが望ましい。この場合、速度比eの判定基準値としては、当該速度比eの半減値に相当する0.5程度に設定しておけばよい。これは、速度比eの判定基準値によってはE/G回転数が高回転域で所定の油圧クラッチが滑り接触状態になっても、当該油圧クラッチがE/G回転数の低回転域では係合状態になってしまうことがあるからである。速度比eの判定基準値が0.5程度であれば、油圧クラッチが確実に滑り接触状態となり、E/G回転数が高回転域で速度比eの判定基準値を0.7〜0.9程度に設定した場合と同等とみなすことができる。このようにすれば、E/G回転数の低回転域から高回転域に対応した制御パラメータを容易に決定することができる。
もちろん、E/G回転数を2種類以上設定するとともに、その設定レベルごとに速度比eの判定基準値を異なるように設定し、そうした上で図3に示されるような一連のステップをE/G回転数の設定レベルごとに実行するようにしてもよい。この場合、E/G回転数に応じた制御パラメータをきめ細かく決定することができる。
さらに他の実施形態としては、図9に示されるように、油圧クラッチに対する油圧が急速充填圧Pbから段階的にPb2,Pb3へと低下して急速充填時間(Tb1+Tb2+Tb3)の経過後に待機圧Paとなるように、急速充填時間内における油圧の減圧パターンを求めるようにしてもよい。これらTb1〜Tb3については、先述した実施形態で説明した接触開始目標時間Tとの関係では、Tb1+Tb2+Tb3<T、かつ、Tb1+Tb2+Tb3+Ta≧Tを満たしていればよい。すなわち、待機圧保持時間Taについては、先述した実施形態よりも延長した時間として求められるようにしてもよい。このように急速充填圧Pbから待機圧Paへと段階的に減圧するようにすれば、油圧クラッチを非係合状態から係合状態へとより安定して移行させることができる。もちろん、図9に示されるような態様に限らず、単に2段階や3段階以上で減圧するようにしてもよい。
制御パラメータ決定方法が適用される自動変速機としては、産業車両用に限らず、その他各種の車両用のものでもよい。
本願発明に係る油圧クラッチの制御パラメータ決定方法の一実施形態において、当該制御パラメータ決定方法が適用される自動変速機の模式図である。 制御パラメータ決定方法を説明するための説明図である。 制御パラメータを決定するための処理手順を表したフローチャートである。 制御パラメータ決定方法の具体的内容を説明するための説明図である。 制御パラメータ決定方法の具体的内容を説明するための説明図である。 制御パラメータ決定方法の具体的内容を説明するための説明図である。 制御パラメータ決定方法の具体的内容を説明するための説明図である。 本願発明に係る油圧クラッチの制御パラメータ決定方法の他の実施形態を説明するための説明図である。 本願発明に係る油圧クラッチの制御パラメータ決定方法の他の実施形態を説明するための説明図である。
符号の説明
A 自動変速機
10 トルクコンバータ
11 トルクコンバータの入力駆動軸
12 トルクコンバータの出力駆動軸
S1 クラッチシャフト(自動変速機の入力軸)
S4 自動変速機の出力軸
G1〜G13 ギヤ
F,R,C1〜C4 油圧クラッチ
20 油圧制御回路
30 電子制御部
40,41 回転数検出センサ

Claims (10)

  1. トルクコンバータから駆動力が伝えられる変速機の入力軸と出力軸との間に設けられた油圧クラッチの自動制御に関し、この油圧クラッチを緩衝係合させるのに必要な所定の制御パラメータを決定するための油圧クラッチの制御パラメータ決定方法であって、
    上記トルクコンバータの入力駆動軸の回転中に上記出力軸を固定した状態で、上記油圧クラッチに対する油圧の昇圧試行を所定の油圧供給条件を変更した上で複数回行い、当該昇圧試行ごとに上記トルクコンバータの速度比が所定の判定基準値にまで低下するのに要した時間を測定データとして得る昇圧試行ステップと、
    上記昇圧試行ごとに得られた複数の測定データに基づき、上記所定の制御パラメータとして、上記油圧クラッチの緩衝係合開始に当該油圧クラッチに作動油を急速的に充填するための急速充填時間を算定する急速充填時間算定ステップと、
    を実行することを特徴とする、油圧クラッチの制御パラメータ決定方法。
  2. 上記複数の測定データと急速充填時間とに基づき、さらに上記所定の制御パラメータに含まれるものとして、上記急速充填時間の経過後に上記油圧クラッチに対する油圧を一時的に低下させて一定に保つための待機圧を算定する待機圧算定ステップを実行する、請求項1に記載の油圧クラッチの制御パラメータ決定方法。
  3. 上記所定の油圧供給条件としては、上記油圧クラッチに対する油圧の最大供給圧が設定されており、当該最大供給圧が上記昇圧試行ごとに変更されるようになっている、請求項1または2に記載の油圧クラッチの制御パラメータ決定方法。
  4. 上記昇圧試行中には、上記トルクコンバータの入力駆動軸の回転数が所定の設定レベルで一定に保たれる、請求項1ないし3のいずれかに記載の油圧クラッチの制御パラメータ決定方法。
  5. 上記各ステップは、上記トルクコンバータの入力駆動軸の回転数を2種類以上設定することで当該回転数の設定レベルごとに実行されるようになっている、請求項4に記載の油圧クラッチの制御パラメータ決定方法。
  6. 上記トルクコンバータの速度比に関する所定の判定基準値は、上記回転数の設定レベルごとに異なる、請求項5に記載の油圧クラッチの制御パラメータ決定方法。
  7. 上記トルクコンバータの入力駆動軸の回転数は、アイドリング状態で比較的低速回転となる単一の設定レベルに保たれ、かつ、上記トルクコンバータの速度比に関する所定の判定基準値は、当該速度比の半減値に相当する0.5に設定されている、請求項4に記載の油圧クラッチの制御パラメータ決定方法。
  8. 上記急速充填時間算定ステップでは、上記油圧クラッチに対する油圧を所定の供給圧とした場合に当該油圧クラッチが滑り接触を開始する時間が求められ、さらにこの時間を割り引くことで上記急速充填時間が求められる、請求項1ないし7のいずれかに記載の制御パラメータ決定方法。
  9. 上記待機圧算定ステップでは、上記油圧クラッチに対する油圧を上記待機圧として一定に保つための待機圧保持時間についても算定しており、当該待機圧保持時間は、上記油圧クラッチが滑り接触を開始する時間として予め目標設定された接触開始時間から上記急速充填時間を減算することで求められる、請求項8に記載の制御パラメータ決定方法。
  10. 上記急速充填時間算定ステップでは、上記油圧クラッチに対する油圧が所定の供給圧から段階的に低下して上記急速充填時間の経過後に上記待機圧となるように、当該急速充填時間内における油圧の減圧パターンについても求めている、請求項2ないし9のいずれかに記載の制御パラメータ決定方法。
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