JP4660366B2 - ピストンストロークエンド圧測定方法およびその装置 - Google Patents

ピストンストロークエンド圧測定方法およびその装置 Download PDF

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Description

本発明は、ピストンストロークエンド圧測定方法およびその装置、ならびにこれら測定方法および測定装置によって測定されたピストンストロークエンド圧を利用する自動変速機に関する。
この種の自動変速機のピストンストロークエンド圧測定方法および測定装置、ならびにこれら測定方法および測定装置によって測定されたピストンストロークエンド圧を利用する自動変速機の一形式として、特許文献1に示されている「自動変速機の特性補正システム」が知られている。この自動変速機の特性補正システムにおいては、変速機組立工場FCAで組立て完成された自動変速機1は、アセンブリ状態で領収運転台3で特性検査が行われていた。領収運転台3での領収運転は、識別番号読取装置4で読取られた識別番号2による各個体毎に、領収運転実行装置5により実行・制御され、自動変速機1内部に配設されたコントロールバルブの油圧調整用ソレノイドバルブや領収運転台3の制御、自動変速機1の特性バラツキに対する補正量の決定、出荷判定が一括して行われる。この自動変速機1の領収運転結果は、個々の自動変速機1毎に識別番号2と対応させて領収運転結果記憶装置6に記憶され、車両組立工場FCBに通信回線或いは記憶媒体を介して送られる。また、自動変速機1は、搭載される車種・エンジン型式等の種類別に異なる仕様を識別するためのバーコード等からなる識別番号2が各個体毎に貼付されて車両組立工場FCBに出荷される。
車両組立工場FCBでは、自動変速機1を車体100に組込み、ラインエンドのシャーシダイナモメータ7上でのフリーローラチェック工程でTCU50に特性バラツキを補正するデータを書込む。このフリーローラチェック工程には、識別番号2Aをバーコード等により読取ると共に、領収運転結果記憶装置6から対応する領収運転データを読込む識別番号読取装置8、各自動変速機1毎の特性バラツキに対する補正量を決定してTCU50に書込む補正量書込装置9が用いられる。
特開2004−286062号公報
上述した自動変速機の特性補正システムにおいては、領収運転台3での領収運転の一つの項目(検査項目)として、自動変速機1の特性バラツキに対する補正量の決定も行っているので、その分領収運転のサイクルタイムが長くなっていた。また、自動変速機をアセンブリ状態で検査するため領収運転台3を含む測定装置が大型・高コストであるという問題があった。
本発明の目的は、ピストンストロークエンド圧測定方法およびその装置、ならびにこれら測定方法および測定装置によって測定されたピストンストロークエンド圧を利用する自動変速機において、製造設備にかかるコストを抑制しつつ短時間かつ正確にピストンストロークエンド圧を測定することである。
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明の構成上の特徴は、自動変速機を構成する摩擦係合要素のピストンストロークエンド圧をアセンブリ状態で測定するピストンストロークエンド圧測定方法であって、摩擦係合要素を構成するピストンを加圧して所定圧に維持し、アセンブリ状態で設置位置に固定された摩擦係合要素を構成する摩擦部材から離れた第1位置にある、摩擦部材の押圧状態を検出する押圧状態検出手段の摩擦部材に向けての移動を開始し、押圧状態検出手段によって検出された押圧状態が第2所定状態を越えると、その時点で該押圧状態検出手段の移動を停止し、その停止位置を基準位置として該押圧状態検出手段を位置決め固定し、押圧状態検出手段を基準位置に位置決め固定した後に前記ピストンを減圧し、基準位置に位置決めされている押圧状態検出手段を摩擦部材に向けてさらに所定量だけ移動させ、摩擦部材の一側からの抜けを防止する抜け止め部材より突出させ、その位置を測定位置として位置決め固定し、摩擦部材の一側を押圧状態検出手段で支持し、ピストンを加圧して摩擦部材の他側から押圧し、押圧状態検出手段によって検出した押圧状態が第1所定状態を越えると、その時点のピストンへの加圧値をピストンストロークエンド圧として測定することである。
請求項2に係る発明の構成上の特徴は、請求項1において、ピストンを加圧して摩擦部材を押圧してピストンストロークエンド圧を測定する前に、ピストンを加減圧して往復動させて慣らし運転を行うことである。
請求項3に係る発明の構成上の特徴は、請求項1または請求項2において、ピストンは気体によって加圧されていることである。
請求項4に係る発明の構成上の特徴は、自動変速機を構成する摩擦係合要素のピストンストロークエンド圧をアセンブリ状態で測定するピストンストロークエンド圧測定装置であって、摩擦係合要素を構成するピストンを加圧して所定圧に維持し、アセンブリ状態で設置位置に固定された摩擦係合要素を構成する摩擦部材から離れた第1位置にある、摩擦部材の押圧状態を検出する押圧状態検出手段の摩擦部材に向けての移動を開始し、押圧状態検出手段によって検出された押圧状態が第2所定状態を越えると、その時点で該押圧状態検出手段の移動を停止し、その停止位置を基準位置として該押圧状態検出手段を位置決め固定し、押圧状態検出手段を基準位置に位置決め固定した後にピストンを減圧し、基準位置に位置決めされている押圧状態検出手段を摩擦部材に向けてさらに所定量だけ移動させ、摩擦部材の一側からの抜けを防止する抜け止め部材より突出させ、その位置を測定位置として位置決め固定し、摩擦部材の一側を押圧状態検出手段で支持するように制御する支持制御手段と、ピストンを加圧して摩擦部材の他側から押圧するように制御する押圧制御手段と、押圧状態検出手段によって検出した押圧状態が第1所定状態を越えると、その時点のピストンへの加圧値をピストンストロークエンド圧として測定する測定手段と、を備えたことである。
上記のように構成した請求項1に係る発明においては、摩擦係合要素を構成する摩擦部材の一側を該摩擦部材の押圧状態を検出する押圧状態検出手段で支持し、摩擦係合要素を構成するピストンを加圧して摩擦部材の他側から押圧し、押圧状態検出手段によって検出した押圧状態が第1所定状態を越えると、その時点のピストンへの加圧値をピストンストロークエンド圧として測定する。これにより、自動変速機を構成する摩擦係合要素のピストンストロークエンド圧をアセンブリ状態で短時間かつ的確に測定することができる。したがって、従来のように大型な測定装置を使用して全体として時間をかけて実施するのではなく、摩擦係合要素をアセンブリで検査する小型な測定装置を使用して全体として短時間で実施することができるので、製造設備にかかるコストを抑制しつつ短時間かつ正確に多数の自動変速機のピストンストロークエンド圧を測定することができる。
さらに、ピストンを加圧して所定圧に維持し、アセンブリ状態で設置位置に固定された摩擦係合要素の摩擦部材から離れた第1位置にある押圧状態検出手段の摩擦部材に向けての移動を開始し、押圧状態検出手段によって検出された押圧状態が第2所定状態を越えると、その時点で該押圧状態検出手段の移動を停止し、その停止位置を基準位置として該押圧状態検出手段を位置決め固定し、押圧状態検出手段を基準位置に位置決め固定した後にピストンを減圧し、基準位置に位置決めされている押圧状態検出手段を摩擦部材に向けてさらに所定量だけ移動させ、摩擦部材の一側からの抜けを防止する抜け止め部材より突出させ、その位置を測定位置として位置決め固定することにより、押圧状態検出手段で摩擦部材を支持するので、いわゆる押圧状態検出手段の0点出しを確実かつ短時間に行うことができ、さらに摩擦部材の抜け防止部材による支持を確実に排除して測定準備を確実に行うことができる。
上記のように構成した請求項2に係る発明においては、請求項1に係る発明において、ピストンを加圧して摩擦部材を押圧してピストンストロークエンド圧を測定する前に、ピストンを加減圧して往復動させて慣らし運転を行うので、ピストンストロークエンド圧の測定をより確実に行うことができる。
上記のように構成した請求項3に係る発明においては、請求項1または請求項2に係る発明において、ピストンは気体によって加圧されているので、簡便にピストンストロークエンド圧を測定することができる。
上記のように構成した請求項4に係る発明においては、支持制御手段が、摩擦係合要素を構成するピストンを加圧して所定圧に維持し、アセンブリ状態で設置位置に固定された摩擦係合要素を構成する摩擦部材から離れた第1位置にある、摩擦部材の押圧状態を検出する押圧状態検出手段の摩擦部材に向けての移動を開始し、押圧状態検出手段によって検出された押圧状態が第2所定状態を越えると、その時点で該押圧状態検出手段の移動を停止し、その停止位置を基準位置として該押圧状態検出手段を位置決め固定し、押圧状態検出手段を基準位置に位置決め固定した後にピストンを減圧し、基準位置に位置決めされている押圧状態検出手段を摩擦部材に向けてさらに所定量だけ移動させ、摩擦部材の一側からの抜けを防止する抜け止め部材より突出させ、その位置を測定位置として位置決め固定し、摩擦部材の一側を押圧状態検出手段で支持し、押圧制御手段が、摩擦係合要素を構成するピストンを加圧して摩擦部材の他側から押圧し、測定手段が、押圧状態検出手段によって検出した押圧状態が第1所定状態を越えると、その時点のピストンへの加圧値をピストンストロークエンド圧として測定する。これにより、自動変速機を構成する摩擦係合要素のピストンストロークエンド圧をアセンブリ状態で短時間かつ的確に測定することができる。したがって、従来のように大型な測定装置を使用して全体として時間をかけて実施するのではなく、摩擦係合要素をアセンブリで検査する小型な測定装置を使用して全体として短時間で実施することができるので、製造設備にかかるコストを抑制しつつ短時間かつ正確に多数の自動変速機のピストンストロークエンド圧を測定することができる。
以下、本発明によるピストンストロークエンド圧測定方法およびその装置について図面を参照して説明する。図1は、クラッチアセンブリおよびピストンストロークエンド圧測定装置を示す概要図である。図2は、図1に示す測定装置の制御装置で実行されるフローチャートであり、図3は、図1に示す測定装置の動作を示すタイムチャートである。なお、本実施形態におけるクラッチは、自動変速機において所定の変速段を達成するために係脱可能とされるクラッチに用いられると好適とされる。
クラッチアセンブリ10は、カップ状に形成されて内部にシリンダ11が一体的に形成されたドラム12と、シリンダ11に軸方向に摺動自在に嵌挿されているピストン13と、ピストン13にかかる遠心油圧を相殺するためにキャンセル油室を形成するキャンセルプレート14と、係合位置にあるピストン13を元の解除位置(図1にて実線にて示す位置)に戻す複数のリターンスプリング15とから構成されている。
ドラム12は、環状底部12a、環状底部12aの外周端および内周端にそれぞれ立設された外筒部12bおよび内筒部12cが一体的に接続された一体構造体である。また、環状底部12aの内壁面には、筒状凸部12a1が立設されており、環状底部12a、筒状凸部12a1および内筒部12cによってシリンダ11が形成されている。
ピストン13の内周端部13aは、シール部材(例えばOリング)17aを介して液密かつ摺動可能に内筒部12cの外周面に当接している。ピストン13の外周端部13bは、シール部材(例えばOリング)17bを介して液密かつ摺動可能に筒状凸部12a1の外周面に当接している。また、シリンダ11とピストン13との間に油圧室16が形成されている。この油圧室16への油圧(圧力)の給排は、入力軸およびスリーブ軸にそれぞれ形成された油路、および内筒部12cに形成した油路12c1を介して行われる。また、ピストン13の外周端部にはさらに外方に延在する環状の押圧部13cが設けられている。これにより、油圧室16に油圧(圧力)が供給されると、押圧部13cが摩擦部材20に向けて移動し摩擦部材20を押圧するようになっている。
摩擦部材20は複数のアウタクラッチプレート21およびインナクラッチプレート22から構成されており、両クラッチプレート21,22は交互に軸方向に並設されている。アウタクラッチプレート21は、ドラム12の外筒部12bの内周面にスプライン係合されている。インナクラッチプレート22は、例えば図示しないサンギヤに連結されている駆動力伝達先であるハブ25の外周面にスプライン係合されている。油圧(圧力)が供給されてピストン13が摩擦部材20を押圧すると、アウタクラッチプレート21およびインナクラッチプレート22が圧接され、ドラム12とハブ25が駆動連結される。
摩擦部材20は、摩擦部材20の一側(図1にて右側)のドラム12の外筒部12bに固定されている抜け止め部材(例えばスナップリング)12b1によって抜けないようになっている。なお、摩擦部材20の他側(図1にて左側)は、フリーである。
また、キャンセルプレート14の内周端部14aは、シール部材17dを介して液密に内筒部12cの外周面に当接している。キャンセルプレート14の内周端部14aは、抜け止め部材17eによって内筒部12cから抜けないようになっている。キャンセルプレート14は、一端がピストン13に当接するリターンスプリング15の付勢力によって抜け止め部材17eに常に当接して位置決め固定されている。キャンセルプレート14の外周端部14bは、シール部材17cを介してピストン13の外周端部13bに凸設された環状筒部13b1の内周面に液密かつ相対摺動可能に当接している。また、ピストン13とキャンセルプレート14の間にキャンセル室18が形成されている。このキャンセル室18への油圧(圧力)の給排は、入力軸およびスリーブ軸にそれぞれ形成された油路、および内筒部12cに形成した油路12c2を介して行われる。
このように構成されたクラッチアセンブリ10においては、図略の自動変速機の油圧制御装置から作動油圧が油圧室16に供給されると、ピストン13がリターンスプリング15の付勢力に抗して摩擦部材20に向けて(係合方向に)移動され、最終的に摩擦部材20が完全係合状態となる。逆に、油圧室16の作動油圧が排出されると、ピストン13がリターンスプリング15の付勢力によって摩擦部材20から離れる方向(解放方向)に移動され、最終的に摩擦部材20が完全解放状態(図1に示す状態)となる。なお、本実施の形態において、ピストン13のストロークが終了して、トルク伝達が開始される直前の状態に維持できる油圧のことをピストンストロークエンド圧と呼称する。
ピストンストロークエンド圧測定装置30は、摩擦係合要素であるクラッチのピストンストロークエンド圧をアセンブリ状態で測定する測定装置である。この測定装置30は、油圧室16に気体である空気(エア圧)を供給してピストン13を加圧するエア供給ユニット31と、摩擦部材20の押圧状態を検出するための押圧状態検出ユニット32と、エア供給ユニット31および押圧状態検出ユニット32を駆動制御してピストン13への加圧値および押圧状態を検出する制御装置33を備えている。
エア供給ユニット31は、設置されたクラッチアセンブリ10に供給路34を介して連通している。エア供給ユニット31からのエア圧は、供給路34および油路12c1を通って油圧室16に供給される。エア供給ユニット31は、クラッチアセンブリ10の油圧室16に供給されるエア圧(圧力)を調整することができるものであり、制御装置33の指令に応じたエア圧(圧力)を供給することができる。エア供給ユニット31は、クラッチアセンブリ10の油圧室16に供給されるエア圧(圧力)を検出するエア圧(圧力)センサ31aを内蔵しており、検出したエア圧(圧力)を制御装置33に送信している。
押圧状態検出ユニット32は、押圧状態として荷重(力)を検出するものであり、本体32aと、本体32aに進退自在に取り付けられたロッド32bと、ロッド32bの先端に取り付けられた荷重センサ(例えばロードセル)32cを備えている。本体32aは測定装置30の本体に固定されており、ロッド32bを駆動させる駆動機構を備えている。駆動機構は駆動源であるモータ(例えばステッピングモータ)を有しており、ロッド32bを所定の移動量ずつ移動させるとともに停止したその位置に位置決めが可能である。荷重センサ32cは、摩擦部材20の一側に当接して他側から押圧されている摩擦部材20の荷重を検出するものであり、その検出結果を制御装置33に送信している。
なお、本実施形態においては、押圧状態として荷重を検出するようにし、押圧状態検出手段として荷重センサ32cを使用したが、これに限らず、摩擦部材20の押圧状態を示す他の物理量を検出するようにし、押圧状態検出手段としてその物理量を検出するセンサを使用するようにしてもよい。例えば、摩擦部材20の移動状態(移動量)を検出するようにし、押圧状態検出手段としてストロークセンサを使用するようにすればよい。
制御装置33は、マイクロコンピュータ(図示省略)を有しており、マイクロコンピュータは、バスを介してそれぞれ接続された入出力インターフェース、CPU、RAMおよびROM(いずれも図示省略)を備えている。CPUは、図2のフローチャートに対応したプログラムを実行して、クラッチアセンブリ10のピストンストロークエンド圧を測定する。RAMは同プログラムの実行に必要な変数を一時的に記憶するものであり、ROMは前記プログラムを記憶するものであり、測定したピストンストロークエンド圧を記憶するものである。
次に、このように構成したピストンストロークエンド圧測定装置30の作動について図2のフローチャートに沿って説明する。以下に説明するピストンストロークエンド圧の測定は自動変速機の組立後に行う試運転(例えば完成品検査)前にアセンブリ状態で実施される。クラッチアセンブリ10がピストンストロークエンド圧測定装置30に設置された後、図示しないスタートスイッチがオンされると、制御装置33は、ステップ100にてプログラムを起動しプログラムをステップ102に進める。
まず、制御装置33は、荷重センサ32cの0点(零点)出しを実行する。制御装置33は、ステップ102において、時刻t1からエア供給ユニット31からピストン13へのエア圧の供給を開始して、0点出しが完了するまでエア圧P[kPa]を所定圧aに維持するように指示する。これにより、ピストン13が所定圧にて加圧され、リターンスプリング15の付勢力に抗して摩擦部材20(キャンセルプレート14)に向けて移動して摩擦部材20に当接する。そして、摩擦部材20が他側がわから押圧される一方で摩擦部材20の一側がわが抜け止め部材12b1に当接して移動が規制される。その後、リターンスプリング15の付勢力とバランスがとれると、その位置で停止する。
次に、制御装置33は、時刻t2にて第1位置P1にある荷重センサ32cの送りを開始する。すなわち、制御装置33は、ステップ104において、押圧状態検出ユニット32を作動させてロッド32bの摩擦部材20に向けての移動を開始する。なお、第1位置P1は、荷重センサ32cの初期位置であり、アセンブリ状態で設置位置に固定された摩擦部材20から離れた位置である。
このように移動中の荷重センサ32cが時刻t3にて摩擦部材20に当接すると、それ以降、他側(図1にて左側)がピストン13に当接して位置決めされている摩擦部材20が荷重センサ32cに押圧されるので、荷重センサ32cによって検出される荷重が荷重センサ32cの移動に伴って上昇する。
制御装置33は、ステップ106において、時刻t2にて荷重センサ32cによる荷重の測定を開始する。荷重がb[N]未満であれば、「NO」と判定しステップ106の処理を繰り返し実行する。荷重がb[N]となった時点で「YES」と判定し、プログラムをステップ108に進める。これにより、時刻t4にて荷重センサ32cによって検出された荷重(ロードセル荷重)が第2所定状態である所定値bを越えると(に到達すると)、制御装置33は、ステップ108において、その時点で押圧状態検出ユニット32を作動させて荷重センサ32cの移動を停止して荷重センサ32cの送りを停止し、その停止位置を基準位置P2として荷重センサ32cを位置決め固定する。この基準位置P2は、抜け止め部材12b1より図1にて左方向に若干突出した位置である。
その後、制御装置33はピストン13を元の位置に戻す。具体的には、制御装置33は、ステップ110において、エア供給ユニット31を作動させてエア圧を排気することにより、ピストン13に加えられているエア圧を0に減圧する(時刻t5)。これにより、油圧室16が減圧されるので、ピストン13はリターンスプリング15の付勢力により押圧されて環状底部12aの内壁面に当接した位置(元の位置)に戻される。したがって、摩擦部材20と当接していたピストン13は摩擦部材20から離れることになる。
次に、制御装置33は荷重センサ32cを測定位置P3に送る。すなわち、制御装置33は、基準位置P2に位置決めされている荷重センサ32cを摩擦部材20に向けてさらに所定量cだけ移動させ、その位置を測定位置P3として位置決め固定する。具体的には、制御装置33は、ステップ112において、押圧状態検出ユニット32を作動させてロッド32bの摩擦部材20に向けての移動を開始する(時刻t6)。制御装置33は、ステップ114において、荷重センサ32cの送り量を検出し、送り量がc[mm]となったか否かを判定する。送り量cは、抜け止め部材12b1より荷重センサ32cの先端が突出するように設定されている。送り量がc[mm]未満であれば、「NO」と判定しステップ114の処理を繰り返し実行する。送り量がc[mm]となった時点で「YES」と判定し、プログラムをステップ116に進める。なお、荷重センサ32cの送り量は、ロッド32bの送り量を検出することにより検出している。ロッド32bの送り量は、押圧状態検出ユニット32に内蔵されたストロークセンサによって検出されたり、押圧状態検出ユニット32のモータの回転数を検出しその検出結果に基づいて算出したりしている。制御装置33は、ステップ116において、押圧状態検出ユニット32を作動させてロッド32bの摩擦部材20に向けての移動を停止して(送りを終了して)位置決め固定する(時刻t7)。これにより、摩擦部材20の一側を測定位置P3に位置決め固定した荷重センサ32cで支持することができる。
次に、制御装置33は、時刻t7から所定時間だけ経過した時刻t8になると、ピストン13の慣らし運転(素振り運転)を実行する。具体的には、制御装置33は、ステップ118において、エア供給ユニット31からのエア圧の給排(オン/オフ)を所定の短時間周期T1で複数回(本実施形態においては5回)繰り返し実行する。これにより、ピストン13を加減圧して往復動させ、これにより、ピストン13がスムーズに摺動することを確実に確保することができるので、この後実施するピストンストロークエンド圧の本測定を確実かつ正確に実施することができる。
制御装置33は、引き続いてピストンストロークエンド圧の本測定を開始する(時刻t9)。具体的には、制御装置33は、時刻t9から時刻t10までの間において、エア供給ユニット31を作動させてエア供給ユニット31からピストン13へのエア圧を所定圧eとなるように指示し維持する(ステップ120)。なお、所定圧eは所定圧aより小さい値、かつピストン13の移動量が送り量cより小さい値となるように設定されており、本実施形態においてはa/2に設定されている。これにより、ピストン13を摩擦部材20により接近させることができるので、ピストンストロークエンド圧の本測定の測定時間を短縮することができる。
制御装置33は、時刻t10から時刻t12までの間において、エア供給ユニット31からピストン13へのエア圧を所定の傾きで増圧するように指示する(ステップ122、128)。なお、所定の傾きは、所定圧fと所定圧eの差(f−e)を時刻t10と時刻t12の時間差kで除した値である。所定圧fは所定圧eより大きい値、かつ押圧状態が確実かつ短時間で測定できる値に設定されている。これにより、ピストン13は摩擦部材20に向けて徐々に移動する。ピストン13が時刻t11にて摩擦部材20の他側に当接すると、摩擦部材20が荷重センサ32cに押圧されるので、荷重センサ32cによって検出される荷重がピストン13の移動に伴って上昇する。
一方、制御装置33は、時刻t10から時刻t12までの間において、荷重センサ32cにより荷重を測定する(ステップ124)。荷重が第1所定状態である所定圧0[N]以下であれば、「NO」と判定しステップ124の処理を繰り返し実行する。荷重が0[N]より大きくなった時点で「YES」と判定し、プログラムをステップ126に進める。これにより、時刻t11にて荷重センサ32cによって検出された荷重(ロードセル荷重)が第1所定状態である所定値0を越えると、制御装置33は、ステップ126において、その時点のピストン13への加圧値Ppeをピストンストロークエンド圧として測定し、記憶する。
制御装置33は、測定した後もエア圧の所定の傾きでの増圧を続ける一方で、ステップ128において、エア圧が所定圧fに到達したか否かを判定する。エア圧がf[kPa]未満であれば、「NO」と判定しステップ128の処理を繰り返し実行する。エア圧がf[kPa]となった時点で「YES」と判定し、プログラムをステップ130に進める。これにより、時刻t12にてエア圧がf[kPa]を越えると(に到達すると)、制御装置33は、ステップ130において、エア圧供給ユニット31を作動させてエア圧の供給を停止する。その後、制御装置33はプログラムをステップ132に進めて本フローチャートを終了する。
なお、支持制御手段は上述したステップ102〜116の処理のことであり、押圧制御手段は上述したステップ122、128の処理のことであり、測定手段は上述したステップ124、126の処理のことである。
ここで、自動変速機の組み立てから車両への搭載までの流れをまとめると、下記のようになる。
1.クラッチアセンブリ、バルブボディアセンブリを製造する。
2.上述した方法および装置によってクラッチアセンブリのピストンストロークエンド圧を測定、およびバルブボディアセンブリの電流−油圧特性を測定する。
3.2.で測定したピストンストロークエンド圧および電流−油圧特性から、実機でのピストンストロークエンド圧における実電流値を算出する。この算出は、2.でそれぞれ測定したデータを入力して管理する管理コンピュータで実行されている。
具体的には、実電流値は、下記数1から算出される。
(数1)
実電流値=f(基準バルブボディ圧+差ピストンストロークエンド圧)
関数f(x)は電流−油圧特性を示す関数である。基準バルブボディ圧は、経験値に基づいて決定される理想バルブボディ圧である。バルブボディ圧は、バルブボディから摩擦係合要素に出力される油圧のことである。差ピストンストロークエンド圧は、下記数2から算出されるものである。
Figure 0004660366
実測ピストンストロークエンド圧は、上述したように実際に測定したピストンストロークエンド圧のことを言っている。実測ピストンストロークエンド圧の代わりに推定して導出したピストンストロークエンド圧を使用するようにしてもよい。基準ピストンストロークエンド圧は、経験値に基づいて決定される理想ピストンストロークエンド圧である。
4.クラッチアセンブリ、バルブボディアセンブリなどを組み付けて自動変速機を完成させる。
5.完成品検査を行って出荷判定を行う。ここでは、規格を満たしているかの判定のみを行い、規格を満たしているものを車両工場へ出荷する。
6.出荷前に3.で算出した実電流値をバーコード(例えばQRコード)に書き込み、そのバーコードを自動変速機のケースなどに貼り付けておく。
7.車両工場では、自動変速機を車両に組み付ける。自動変速機はECUと接続される。
8.自動変速機に添付のバーコードのデータを自動変速機のECUに書き込む。このとき、クラッチの油圧制御の待機圧の値を実電流値(上述のように測定したピストンストロークエンド圧に対応した電流値)に置き換える。
上述した説明から明らかなように、本実施形態によれば、摩擦係合要素であるクラッチアセンブリ10を構成する摩擦部材20の一側を該摩擦部材20の押圧状態を検出する押圧状態検出手段である荷重センサ32cで支持し、クラッチアセンブリ10を構成するピストン13を加圧してこのピストン13で摩擦部材20の他側から押圧し、荷重センサ32cによって検出した押圧状態である荷重が第1所定状態である所定圧0を越えると、その時点のピストン13への加圧値Ppeをピストンストロークエンド圧として測定する。これにより、自動変速機を構成する摩擦係合要素のピストンストロークエンド圧をアセンブリ状態で短時間かつ的確に測定することができる。したがって、従来のように大型な測定装置を使用して一連の検査の一環としてピストンストロークエンド圧を検査するのではなく、摩擦係合要素のピストンストロークエンド圧をアセンブリでその項目のみ検査するので、摩擦係合要素をアセンブリで検査する小型な測定装置を使用して全体として短時間で実施することができる。これにより、製造設備にかかるコストを抑制しつつ短時間かつ正確に多数の自動変速機のピストンストロークエンド圧を測定することができる。
また、ピストン13を加圧して所定圧aに維持し、アセンブリ状態で設置位置に固定された摩擦係合要素の摩擦部材20から離れた第1位置P1にある押圧状態検出手段である荷重センサ32cの摩擦部材20に向けての移動を開始し、荷重センサ32cによって検出された押圧状態である荷重が第2所定状態である所定圧bを越えると、その時点で荷重センサ32cの移動を停止し、その停止位置を基準位置P2として荷重センサ32cを位置決め固定するので、いわゆる荷重センサ32cの0(零)点出しを確実かつ短時間に行うことができる。
また、荷重センサ32cを基準位置P2に位置決め固定した後にピストン13を減圧し、基準位置P2に位置決めされている荷重センサ32cを摩擦部材20に向けてさらに所定量cだけ移動させ、摩擦部材20の一側からの抜けを防止する抜け止め部材12b1より突出させ、その位置を測定位置P3として位置決め固定することにより、荷重センサ32cで摩擦部材20を支持するので、摩擦部材20の抜け止め部材12b1による支持を確実に排除して測定準備を確実に行うことができる。
また、ピストン13を加圧して摩擦部材20を押圧してピストンストロークエンド圧を測定する前に、ピストン13を加減圧して往復動させて慣らし運転を行うので、ピストンストロークエンド圧の測定をより確実に行うことができる。
また、ピストン13は気体である空気によって加圧されているので、簡便にピストンストロークエンド圧を測定することができる。
また、支持制御手段(ステップ102〜116)が、摩擦係合要素であるクラッチアセンブリ10を構成する摩擦部材20の一側を該摩擦部材20の押圧状態である荷重を検出する押圧状態検出手段である荷重センサ32cで支持するように制御し、押圧制御手段(ステップ122,128)が、クラッチアセンブリ10を構成するピストン13を加圧して摩擦部材20の他側から押圧するように制御し、測定手段(ステップ124,126)が、荷重センサ32cによって検出した荷重が第1所定状態である所定圧0を越えると、その時点のピストン13への加圧値Ppeをピストンストロークエンド圧として測定する。したがって、自動変速機を構成する摩擦係合要素のピストンストロークエンド圧をアセンブリ状態で測定することができるので、ピストンストロークエンド圧を短時間で測定することができ、また一回の測定工程で測定誤差の上積みなく精度よく測定することができる。
次に、摩擦係合要素のピストンストロークエンド圧を測定する他の方法について図4から図6を参照して説明する。上述した実施形態においては、摩擦部材20の一側を押圧状態検出手段(荷重センサ)で支持して押圧状態(荷重)を検出するとともにピストン13へのエア圧を検出してピストンストロークエンド圧を測定するようにしたが、これに代えてピストン13の移動量(ストローク量)を移動量検出手段(ストロークセンサ)で検出するとともにピストン13へのエア圧を検出してピストンストロークエンド圧を測定(計算)するようにしている。
図4に示すように、ピストンストロークエンド圧測定装置40は、油圧室16に気体である空気(エア圧)を供給してピストン13を加圧するエア供給ユニット31と、ピストン13の移動量(ストローク量)を検出する移動量検出ユニット42と、エア供給ユニット31および移動量検出ユニット42を駆動制御してピストン13への加圧値および移動量を検出する制御装置43を備えている。
移動量検出ユニット42は、本体42aと、本体42aに進退自在に取り付けられたロッド42bと、本体42aに内蔵されてロッド42bのストローク量を検出するストロークセンサ42cを備えている。本体42aは測定装置40の本体に固定されており、ロッド42bを駆動させる駆動機構を備えている。駆動機構は駆動源であるモータ(例えばステッピングモータ)を有しており、ロッド42bを所定の移動量ずつ移動させるとともに停止したその位置に位置決めが可能である。ストロークセンサ42cは、ロッド42bの先端が当接するピストン13の移動量を検出するものであり、その検出結果を制御装置43に送信している。
制御装置43は、マイクロコンピュータ(図示省略)を有しており、マイクロコンピュータは、バスを介してそれぞれ接続された入出力インターフェース、CPU、RAMおよびROM(いずれも図示省略)を備えている。CPUは、クラッチアセンブリ10のピストンストロークエンド圧を測定する。RAMは同プログラムの実行に必要な変数を一時的に記憶するものであり、ROMは前記プログラムを記憶するものであり、測定したピストンストロークエンド圧を記憶するものである。なお、クラッチアセンブリ10は上述した実施形態と同一構成であるので、同一部材に同一符号を付してその説明を省略する。
このように構成されたピストンストロークエンド圧測定装置40の作動について簡単に説明する。クラッチアセンブリ10がピストンストロークエンド圧測定装置40に設置された後、図示しないスタートスイッチがオンされると、制御装置43は、移動量検出ユニット42を作動させてロッド42bの先端をピストン13の所定部位(例えば、環状筒部13b1の先端)に当接させてその位置(基準位置)に位置決め固定する。
次に、制御装置43は、エア供給ユニット31からのエア圧の供給を開始する。エア圧が供給されると、ピストン13はリターンスプリング15の付勢力に抗して図4の右方向に移動するので、ロッド42bはピストン13に押圧されて同一方向に移動する。そのままエア圧の供給を続けると、ピストン13が摩擦部材20に当接するが、制御装置43は当接するまでに適当な2つのストローク量に対するエア圧を測定する。例えばストローク量がストローク量S1およびストローク量S2の時に、それぞれエア圧を測定する。例えばストローク量S1に対するエア圧がPαであり、ストローク量S2に対するエア圧がPβであるとする。なお、S1は後述する隙間Saより小さい値に、S2は後述する隙間Saより大きい値に設定されている。
制御装置43は、これら測定した値に基づいてクラッチアセンブリ10のストローク−エア圧特性を示す演算式(またはマップ)を導出する。この演算式(またはマップ)を図5に示す。一方、クラッチアセンブリ10におけるピストン13と、摩擦部材20との隙間Saを別途測定しておく。隙間Saは図6に示すように摩擦部材20の一側が抜け止め部材1b1に当接した状態でのピストン13と摩擦部材20との隙間である。そして、制御装置43は、図5に示す演算式(またはマップ)に基づいて、前述の隙間Saに対応するエア圧をピストンストロークエンド圧として算出する。
また、摩擦係合要素がブレーキアセンブリである場合においても、前述したクラッチアセンブリと同様に、ピストン113の移動量(ストローク量)を移動量検出手段(ストロークセンサ)で検出するとともにピストン113へのエア圧を検出してピストンストロークエンド圧を測定(計算)することができる。
ブレーキアセンブリ110は、回転体111と、回転体111に軸方向に摺動自在に嵌挿されているピストン113と、係合位置にあるピストン113を元の解除位置(図6にて実線にて示す位置)に戻す複数のリターンスプリング115から構成されている。このように構成されたブレーキアセンブリ110を前述したピストンストロークエンド圧測定装置40に設置した後、前述した測定と同様に測定するようにすればよい。以上より、第1実施例と同様に自動変速機を構成する摩擦係合要素のピストンストロークエンド圧をアセンブリ状態で短時間かつ的確に測定することができる。したがって、従来のように大型な測定装置を使用して一連の検査の一環としてピストンストロークエンド圧を検査するのではなく、摩擦係合要素のピストンストロークエンド圧をアセンブリでその項目のみ検査するので、摩擦係合要素をアセンブリで検査する小型な測定装置を使用して全体として短時間で実施することができる。これにより、製造設備にかかるコストを抑制しつつ短時間かつ正確に多数の自動変速機のピストンストロークエンド圧を測定することができる。
また、自動変速機50は、駆動源(例えばエンジン)からの駆動力を入力し必要に応じて変速して出力しその出力を駆動輪に伝達するものである。自動変速機50は、図8に示すように、ケーシング51を備えている。ケーシング51内には、エンジンからの駆動力をプラネタリギヤトレーン54への伝達を断続するトルクコンバータ52と、トルクコンバータ52からの駆動力を入力する入力軸53と、制御機構60からの指示を受けてギヤを切り替えて(変速や逆回転)トルクコンバータ52から入力した駆動力を変速して出力するプラネタリギヤトレーン54と、プラネタリギヤトレーン54からの変速された駆動力を駆動輪に出力する出力軸55と、プラネタリギヤトレーン54の切り替え(変速や逆回転)のために油路を切り替えるバルブボディ(油圧制御装置)61が配設されている。
プラネタリギヤトレーン54は、複数のプラネタリギヤと、複数のプラネタリギヤの回転要素(サンギヤ、ピニオンギヤ(遊星ギヤ)、プラネタリキャリア、リングギヤ)の接続を切り換えて、複数の変速段の達成を可能とする複数のクラッチおよびブレーキ(摩擦係合要素)で構成されている。
バルブボディ61は、複数のクラッチおよびブレーキを作動させるソレノイドバルブである油圧制御バルブを有している。ソレノイドバルブは、ECU62(電子制御装置)からの指令に応じた駆動電流によって制御され、バルブボディ61から所望の油圧が供給され、クラッチおよびブレーキが係合・解放されるようになっている。なおこのECU62(電子制御装置)は自動変速機とは別体であり、離れた位置で車両に取り付けられている。
ECU62は、上述したように測定されたピストンストロークエンド圧を記憶する記憶手段と、記憶手段に記憶されているピストンストロークエンド圧に基づいて摩擦係合要素への制御指令値を導出する導出手段と、導出手段によって導出された制御指令値に応じて油圧制御バルブを制御する制御手段と、を備えている。記憶手段が、測定されたピストンストロークエンド圧を記憶し、導出手段が、記憶手段に記憶されているピストンストロークエンド圧に基づいて摩擦係合要素への制御指令値を導出し、制御手段が、導出手段によって導出された制御指令値に応じて油圧制御バルブを制御する。
具体的に、クラッチの場合を説明する。図9に示すように、
1.クラッチのピストンストロークをすばやくつめるために、所定時間T1だけ高油圧を供給する(ファストフィル)。
2.一旦リターンスプリング圧相当まで油圧を低下させ、所定時間T2待機させる(ピストンストロークエンド圧で待機)。このピストンストロークエンド圧がクラッチアセンブリで測定した値である。
3.ピストンストロークエンド圧から油圧を所定勾配でスイープアップさせて、クラッチを係合させていく。
4.クラッチの係合が達成されると、油圧を完全係合保持できる圧まで高める。
このように、所定時間T2の待機圧を補正することで、初期の変速ショックを抑えることができる。
したがって、油圧制御バルブにより係合・解放される摩擦係合要素を備えた自動変速機において、記憶手段が、上述した自動変速機のピストンストロークエンド圧測定方法また、自動変速機のピストンストロークエンド圧測定装置によって測定されたピストンストロークエンド圧を記憶し、導出手段が、記憶手段に記憶されているピストンストロークエンド圧に基づいて摩擦係合要素への制御指令値を導出し、制御手段が、導出手段によって導出された制御指令値に応じて油圧制御バルブを制御し、変速段の切替を行う。したがって、出荷初期から自動変速機の個体毎の特性バラツキをより短時間で補正することができ、実走行による学習促進を待つことなく、良好な変速品質を得ることができる。
制御装置33は、記憶したピストンストロークエンド圧をクラッチアセンブリ10と関連付けて記憶する。そして、その情報をバーコードなどの記憶媒体に書き込む。この記憶媒体はクラッチアセンブリ10に貼り付けるなどして一緒に移動させる。自動変速機の組み立てラインにおいて記憶媒体の情報を自動変速機のECU62に書き込むようにしてもよい。自動車組み立てラインにおいて記憶媒体の情報を自動変速機のECU62に書き込むようにしてもよい。また、記憶されているピストンストロークエンド圧を記憶媒体でなく通信回線を介して自動変速機の組み立てラインの管理コンピュータに記憶させ、検査時に転送するようにしてもよい。
本発明の一実施形態のピストンストロークエンド圧測定装置およびクラッチアセンブリを示す概要図である。 図1に示す測定装置の制御装置で実行されるフローチャートである。 図1に示す測定装置の動作を示すタイムチャートである。 他の実施形態のピストンストロークエンド圧測定装置およびクラッチアセンブリを示す概要図である。 図4に測定装置の制御装置で算出されるストロークとエア圧の相関関係を示すグラフである。 図4の測定装置で測定されるクラッチアセンブリの完成状態を示す概要図である。 他の実施形態のピストンストロークエンド圧測定装置およびブレーキアセンブリを示す概要図である。 本発明によるピストンストロークエンド圧測定装置および測定方法によって測定されたピストンストロークエンド圧を利用する自動変速機を示す概要図である。 自動変速機のクラッチへの作動を示す図である。
符号の説明
10…クラッチアセンブリ、11…シリンダ、12…ドラム、13,113…ピストン、14…キャンセルプレート、15…リターンスプリング、12a…環状底部、12b…外筒部、12c…内筒部、12a1…筒状凸部、13a…内周端部、13b…外周端部、13b1…環状筒部、17a,17b,17c,17d…シール部材、16…油圧室、12c1,12c2…油路、13c…押圧部、20…摩擦部材、21…アウタクラッチプレート、22…インナクラッチプレート、14a…内周端部、14b…外周端部、17e…抜け止め部材、18…キャンセル室、30,40…ピストンストロークエンド圧測定装置、31…エア供給ユニット、32…押圧状態検出ユニット、33,43…制御装置、42…移動量検出ユニット、50…自動変速機、110…ブレーキアセンブリ。

Claims (4)

  1. 自動変速機を構成する摩擦係合要素のピストンストロークエンド圧をアセンブリ状態で測定するピストンストロークエンド圧測定方法であって、
    前記摩擦係合要素を構成するピストンを加圧して所定圧に維持し、
    前記アセンブリ状態で設置位置に固定された前記摩擦係合要素を構成する摩擦部材から離れた第1位置にある、前記摩擦部材の押圧状態を検出する押圧状態検出手段の前記摩擦部材に向けての移動を開始し、
    前記押圧状態検出手段によって検出された押圧状態が第2所定状態を越えると、その時点で該押圧状態検出手段の移動を停止し、その停止位置を基準位置として該押圧状態検出手段を位置決め固定し、
    前記押圧状態検出手段を前記基準位置に位置決め固定した後に前記ピストンを減圧し、
    前記基準位置に位置決めされている前記押圧状態検出手段を前記摩擦部材に向けてさらに所定量だけ移動させ、前記摩擦部材の一側からの抜けを防止する抜け止め部材より突出させ、その位置を測定位置として位置決め固定し、
    記摩擦部材の一側を前記押圧状態検出手段で支持し、
    記ピストンを加圧して前記摩擦部材の他側から押圧し、
    前記押圧状態検出手段によって検出した押圧状態が第1所定状態を越えると、その時点の前記ピストンへの加圧値を前記ピストンストロークエンド圧として測定することを特徴とするピストンストロークエンド圧測定方法。
  2. 請求項1において、前記ピストンを加圧して前記摩擦部材を押圧してピストンストロークエンド圧を測定する前に、前記ピストンを加減圧して往復動させて慣らし運転を行うことを特徴とするピストンストロークエンド圧測定方法。
  3. 請求項1または請求項2において、前記ピストンは気体によって加圧されていることを特徴とするピストンストロークエンド圧測定方法。
  4. 自動変速機を構成する摩擦係合要素のピストンストロークエンド圧をアセンブリ状態で測定するピストンストロークエンド圧測定装置であって、
    前記摩擦係合要素を構成するピストンを加圧して所定圧に維持し、
    前記アセンブリ状態で設置位置に固定された前記摩擦係合要素を構成する摩擦部材から離れた第1位置にある、前記摩擦部材の押圧状態を検出する押圧状態検出手段の前記摩擦部材に向けての移動を開始し、
    前記押圧状態検出手段によって検出された押圧状態が第2所定状態を越えると、その時点で該押圧状態検出手段の移動を停止し、その停止位置を基準位置として該押圧状態検出手段を位置決め固定し、
    前記押圧状態検出手段を前記基準位置に位置決め固定した後に前記ピストンを減圧し、
    前記基準位置に位置決めされている前記押圧状態検出手段を前記摩擦部材に向けてさらに所定量だけ移動させ、前記摩擦部材の一側からの抜けを防止する抜け止め部材より突出させ、その位置を測定位置として位置決め固定し、
    記摩擦部材の一側を前記押圧状態検出手段で支持するように制御する支持制御手段と、
    記ピストンを加圧して前記摩擦部材の他側から押圧するように制御する押圧制御手段と、
    前記押圧状態検出手段によって検出した押圧状態が第1所定状態を越えると、その時点の前記ピストンへの加圧値を前記ピストンストロークエンド圧として測定する測定手段と、を備えたことを特徴とするピストンストロークエンド圧測定装置。
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