JP2002206569A - 電磁クラッチの制御装置 - Google Patents

電磁クラッチの制御装置

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JP2002206569A
JP2002206569A JP2001004802A JP2001004802A JP2002206569A JP 2002206569 A JP2002206569 A JP 2002206569A JP 2001004802 A JP2001004802 A JP 2001004802A JP 2001004802 A JP2001004802 A JP 2001004802A JP 2002206569 A JP2002206569 A JP 2002206569A
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electromagnetic clutch
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JP2001004802A
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English (en)
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Tatsuhiro Tomari
辰弘 泊
Shinji Okuma
信司 大熊
Masakatsu Hori
昌克 堀
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Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電磁クラッチの締結力を目標締結力に一致さ
せる制御の精度を向上させる。 【解決手段】 電流検出手段Sbで電磁クラッチCL,
CRを流れる実励磁電流Iaを検出し、目標締結力算出
手段M1で電磁クラッチの目標締結力Tを算出し、目標
励磁電流算出手段M2で前記目標締結力Tに基づいて電
磁クラッチの目標励磁電流Iを算出し、電流フィードバ
ック制御手段M3で前記目標励磁電流Iおよび前記実励
磁電流Iaの偏差に基づいて電磁クラッチの締結力をフ
ィードバック制御する。その際に、荷重検出手段Saで
電磁クラッチの摩擦係合部材に加わる荷重を検出し、実
締結力算出手段M5で前記荷重に基づいて電磁クラッチ
の実締結力Tsを算出し、目標励磁電流補正手段M6で
前記実締結力Tsに基づいて目標励磁電流Iを補正する
ので、電磁クラッチの実締結力Tsを目標締結力Tに一
致させる制御の精度を向上させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁クラッチの締
結力をその励磁コイルに供給する電流を制御することに
より目標締結力に制御するための制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】2個のクラッチを備えた駆動力配分装置
を介してエンジンの駆動力を左右の駆動輪に配分可能に
し、旋回外輪に配分する駆動力を増加させて旋回内輪に
配分する駆動力を減少させることにより、旋回方向のヨ
ーモーメントを発生させて旋回性能を高める技術は公知
である。特開2000−255441号公報には、前記
2個のクラッチを電磁クラッチで構成したものが記載さ
れている。このものは、電磁クラッチの目標締結力から
目標磁束密度を算出し、この目標磁束密度から電磁クラ
ッチの励磁コイルに供給する目標励磁電流を算出するよ
うになっており、励磁コイルを流れる実励磁電流が目標
励磁電流に一致するように電流フィードバック制御が行
われる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで上記従来のも
のは、電磁クラッチの締結力を目標締結力に一致させる
べく電流フィードバック制御を行っているが、エンジン
の運転状態や駆動力配分装置の運転状態によっては、電
流フィードバック制御だけで電磁クラッチの締結力を目
標締結力に充分な精度で一致させることが困難であっ
た。
【0004】本発明は前述の事情に鑑みてなされたもの
で、電磁クラッチの締結力を目標締結力に一致させる制
御の精度を向上させることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載された発明によれば、電磁クラッチ
を流れる実励磁電流を検出する電流検出手段と、電磁ク
ラッチの目標締結力を算出する目標締結力算出手段と、
目標締結力算出手段で算出した目標締結力に基づいて電
磁クラッチの目標励磁電流を算出する目標励磁電流算出
手段と、目標励磁電流算出手段で算出した目標励磁電流
および電流検出手段で検出した実励磁電流の偏差に基づ
いて電磁クラッチの締結力をフィードバック制御する電
流フィードバック制御手段とを備えた電磁クラッチの制
御装置において、電磁クラッチの摩擦係合部材に加わる
荷重を検出する荷重検出手段と、荷重検出手段で検出し
た荷重に基づいて電磁クラッチの実締結力を算出する実
締結力算出手段と、実締結力算出手段で算出した実締結
力に基づいて目標励磁電流を補正する目標励磁電流補正
手段とを備えたことを特徴とする電磁クラッチの制御装
置が提案される。
【0006】上記構成によれば、電流検出手段で電磁ク
ラッチを流れる実励磁電流を検出し、目標締結力算出手
段で電磁クラッチの目標締結力を算出し、目標励磁電流
算出手段で前記目標締結力に基づいて電磁クラッチの目
標励磁電流を算出し、電流フィードバック制御手段で前
記目標励磁電流および前記実励磁電流の偏差に基づいて
電磁クラッチの締結力をフィードバック制御する際に、
荷重検出手段で電磁クラッチの摩擦係合部材に加わる荷
重を検出し、実締結力算出手段で前記荷重に基づいて電
磁クラッチの実締結力を算出し、目標励磁電流補正手段
で前記実締結力に基づいて前記目標励磁電流を補正する
ので、電磁クラッチの実締結力を目標締結力に一致させ
る制御の精度を向上させることができる。
【0007】また請求項2に記載された発明によれば、
電磁クラッチを流れる実励磁電流を検出する電流検出手
段と、電磁クラッチの目標締結力を算出する目標締結力
算出手段と、目標締結力算出手段で算出した目標締結力
に基づいて電磁クラッチの目標励磁電流を算出する目標
励磁電流算出手段と、目標励磁電流算出手段で算出した
目標励磁電流および電流検出手段で検出した実励磁電流
の偏差に基づいて電磁クラッチの締結力をフィードバッ
ク制御する電流フィードバック制御手段と備えた電磁ク
ラッチの制御装置において、電磁クラッチの摩擦係合部
材に加わる荷重を検出する荷重検出手段と、荷重検出手
段で検出した荷重に基づいて電磁クラッチの実締結力を
算出する実締結力算出手段と、実締結力算出手段で算出
した実締結力に基づいて目標締結力を補正する目標締結
力補正手段とを備えたことを特徴とする電磁クラッチの
制御装置が提案される。
【0008】上記構成によれば、電流検出手段で電磁ク
ラッチを流れる実励磁電流を検出し、目標締結力算出手
段で電磁クラッチの目標締結力を算出し、目標励磁電流
算出手段で前記目標締結力に基づいて電磁クラッチの目
標励磁電流を算出し、電流フィードバック制御手段で前
記目標励磁電流および前記実励磁電流の偏差に基づいて
電磁クラッチの締結力をフィードバック制御する際に、
荷重検出手段で電磁クラッチの摩擦係合部材に加わる荷
重を検出し、実締結力算出手段で前記荷重に基づいて電
磁クラッチの実締結力を算出し、目標締結力補正手段で
前記実締結力に基づいて前記目標締結力を補正するの
で、電磁クラッチの実締結力を目標締結力に一致させる
制御の精度を向上させることができる。
【0009】尚、実施例の左電磁クラッチCLおよび右
電磁クラッチCRは本発明の電磁クラッチに対応し、実
施例のクラッチプレート27L,27Rおよびクラッチ
ディスク33L,33Rは本発明の摩擦係合部材に対応
し、実施例ロードセルSaは本発明の荷重検出手段に対
応し、実施例の電流センサSbは本発明の電流検出手段
に対応する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添
付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0011】図1〜図10は本発明の第1実施例を示す
もので、図1は駆動力配分装置の構造を示す図、図2は
中低車速域での右旋回時における駆動力配分装置の作用
を示す図、図3は中低車速域での左旋回時における駆動
力配分装置の作用を示す図、図4は図1の要部拡大図、
図5は図4の5−5線断面図、図6は図4の6−6線断
面図、図7は制御系のブロック図、図8は電磁クラッチ
の目標締結力から目標励磁電流を検索するマップ、図9
は電磁クラッチのロードセルの出力電圧から実締結力を
検索するマップ、図10は電磁クラッチの実締結力から
推定励磁電流を検索するマップである。
【0012】図1に示すように、フロントエンジン・フ
ロントドライブの車両の車体前部に横置きに搭載したエ
ンジンEの右端にトランスミッションMが接続されてお
り、これらエンジンEおよびトランスミッションMの後
部に駆動力配分装置Tが配置される。駆動力配分装置T
の左端および右端から左右に延びる左ドライブシャフト
ALおよび右ドライブシャフトARには、それぞれ左前
輪WFLおよび右前輪WFRが接続される。
【0013】駆動力配分装置Tは、トランスミッション
Mから延びる入力軸1に設けた入力ギヤ2に噛み合う外
歯ギヤ3から駆動力が伝達される差動装置Dを備える。
差動装置Dはダブルピニオン式の遊星歯車機構よりな
り、前記外歯ギヤ3と一体に形成されたリングギヤ4
と、このリングギヤ4の内部に同軸に配設されたサンギ
ヤ5と、前記リングギヤ4に噛み合うアウタプラネタリ
ギヤ6および前記サンギヤ5に噛み合うインナプラネタ
リギヤ7を、それらが相互に噛み合う状態で支持するプ
ラネタリキャリヤ8とから構成される。差動装置Dは、
そのリングギヤ4が入力要素として機能するとともに、
一方の出力要素として機能するサンギヤ5が左出力軸9
Lを介して左前輪WFLに接続され、また他方の出力要
素として機能するプラネタリキャリヤ8が右出力軸9R
を介して右前輪WFRに接続される。
【0014】左出力軸9Lの外周に回転自在に支持され
たキャリヤ部材11は、円周方向に90°間隔で配置さ
れた4本のピニオン軸12を備えており、第1ピニオン
13、第2ピニオン14および第3ピニオン15を一体
に形成した3連ピニオン部材16が、各ピニオン軸12
にそれぞれ回転自在に支持される。
【0015】左出力軸9Lの外周に回転自在に支持され
て前記第1ピニオン13に噛み合う第1サンギヤ17
は、差動装置Dのプラネタリキャリヤ8に連結される。
また左出力軸9Lの外周に固定された第2サンギヤ18
は前記第2ピニオン14に噛み合う。更に、左出力軸9
Lの外周に回転自在に支持された第3サンギヤ19は前
記第3ピニオン15に噛み合う。
【0016】実施例における第1ピニオン13、第2ピ
ニオン14、第3ピニオン15、第1サンギヤ17、第
2サンギヤ18および第3サンギヤ19の歯数は以下の
とおりである。
【0017】第1ピニオン13の歯数 Zb=17 第2ピニオン14の歯数 Zd=17 第3ピニオン15の歯数 Zf=34 第1サンギヤ17の歯数 Za=32 第2サンギヤ18の歯数 Zc=28 第3サンギヤ19の歯数 Ze=32 第3サンギヤ19は左電磁クラッチCLを介してハウジ
ング20に結合可能であり、左電磁クラッチCLの係合
によってキャリヤ部材11の回転数が増速される。また
キャリヤ部材11は右電磁クラッチCRを介してハウジ
ング20に結合可能であり、右電磁クラッチCRの係合
によってキャリヤ部材11の回転数が減速される。そし
て前記右電磁クラッチCRおよび左電磁クラッチCL
は、マイクロコンピュータを含む電子制御ユニットUに
より制御される。
【0018】電子制御ユニットUは、エンジントルクT
e、エンジン回転数Ne、車速Vおよび操舵角θに加え
て、左右の電磁クラッチCL,CRを流れる実電流およ
び摩擦係合部材に作用する荷重を所定のプログラムに基
づいて演算処理し、前記左電磁クラッチCLおよび右電
磁クラッチCRの作動を制御する。
【0019】而して、車両の中低車速域での右旋回時に
は、図2に示すように電子制御ユニットUからの指令に
より右電磁クラッチCRが係合し、キャリヤ部材11を
ハウジング20に結合して停止させる。このとき、左前
輪WFLと一体の左出力軸9Lと、右前輪WFRと一体
の右出力軸9R(即ち、差動装置Dのプラネタリキャリ
ヤ8)とは、第2サンギヤ18、第2ピニオン14、第
1ピニオン13および第1サンギヤ17を介して連結さ
れているため、左前輪WFLの回転数NLは右前輪WF
Rの回転数NRに対して次式の関係で増速される。
【0020】 NL/NR=(Zd/Zc)×(Za/Zb) =1.143 …(1) 上述のようにして、左前輪WFLの回転数NLが右前輪
WFRの回転数NRに対して増速されると、図2に斜線
を施した矢印で示したように、旋回内輪である右前輪W
FRのトルクの一部を旋回外輪である左前輪WFLに伝
達することができる。
【0021】尚、キャリヤ部材11を右電磁クラッチC
Rにより停止させる代わりに、右電磁クラッチCRの締
結力を適宜調整してキャリヤ部材11の回転数を減速す
れば、その減速に応じて左前輪WFLの回転数NLを右
前輪WFRの回転数NRに対して増速し、旋回内輪であ
る右前輪WFRから旋回外輪である左前輪WFLに任意
のトルクを伝達することができる。
【0022】一方、車両の中低車速域での左旋回時に
は、図3に示すように電子制御ユニットUからの指令に
より左電磁クラッチCLが係合し、第3ピニオン15が
第3サンギヤ19を介してハウジング20に結合され
る。その結果、左出力軸9Lの回転数に対してキャリヤ
部材11の回転数が増速され、右前輪WFRの回転数N
Rは左前輪WFLの回転数NLに対して次式の関係で増
速される。
【0023】 NR/NL={1−(Ze/Zf)×(Zb/Za)} ÷{1−(Ze/Zf)×(Zd/Zc)} =1.167 …(2) 上述のようにして、右前輪WFRの回転数NRが左前輪
WFLの回転数NLに対して増速されると、図3に斜線
を施した矢印で示したように、旋回内輪である左前輪W
FLのトルクの一部を旋回外輪である右前輪WFRに伝
達することができる。この場合にも、左電磁クラッチC
Lの締結力を適宜調整してキャリヤ部材11の回転数を
増速すれば、その増速に応じて右前輪WFRの回転数N
Rを左前輪WFLの回転数NLに対して増速し、旋回内
輪である左前輪WFLから旋回外輪である右前輪WFL
に任意のトルクを伝達することができる。而して、車両
の中低速走行時には旋回外輪に旋回内輪よりも大きなト
ルクを伝達して旋回性能を向上させることが可能であ
る。尚、高速走行時には前記中低速走行時に比べて旋回
外輪に伝達されるトルクを少なめにしたり、逆に旋回外
輪から旋回内輪にトルクを伝達して走行安定性能を向上
させることが可能である。
【0024】(1)式および(2)式を比較すると明ら
かなように、第1ピニオン13、第2ピニオン14、第
3ピニオン15、第1サンギヤ17、第2サンギヤ18
および第3サンギヤ19の歯数を前述の如く設定したこ
とにより、右前輪WFRから左前輪WFLへの増速率
(約1.143)と、左前輪WFLから右前輪WFRへ
の増速率(約1.167)とを略等しくすることができ
る。
【0025】次に、図4〜図7に基づいて左右の電磁ク
ラッチCL,CRの構造を説明する。尚、左右の電磁ク
ラッチCL,CRは、左右の出力軸9L,9Rの軸線L
に直交する対称面Pに関して実質的に左右対称な構造を
有しているため、その代表として左電磁クラッチCLの
構造を説明する。右電磁クラッチCRの構成要素の符号
は、左電磁クラッチCLの構成要素の符号の添字「L」
を「R」に変えたものである。
【0026】アルミ合金等の非磁性材で形成されたハウ
ジング20の内部に収納された左電磁クラッチCLは、
磁性材で概略円筒状に形成されたコア21Lを備える。
コア21Lはハウジング20の内周面に回転不能かつ軸
方向(左右方向)移動不能に固定されており、このコア
21Lの内部に励磁コイル22Lが収納されるととも
に、この励磁コイル22Lの右端面に直接対峙するよう
に磁性材で環状に形成されたアマチュア23Lが左右移
動自在に配置される。左出力軸9Lの外周に第3サンギ
ヤ19(図1参照)と一体のスリーブ31が同軸かつ相
対回転可能に嵌合しており、アマチュア23Lの内周面
に溶接W1により固定された伝達部材25Lの円筒部2
5aが、前記スリーブ31の外周面とコア21Lの内周
面との間に軸方向移動可能に配置される。
【0027】ハウジング20の内周面に、伝達部材25
Lに一体に形成されたプレッシャプレート25bと、5
枚のクラッチプレート27L…と、1枚のストッパプレ
ート28Lとが回転不能かつ軸方向移動可能にスプライ
ン嵌合S1する。伝達部材25Lのプレッシャプレート
25bの左側面は、最右端のクラッチプレート27Lの
右側面に当接可能に対向する。またスリーブ31の左端
に一体に設けられたガイド部32Lの外周面に5枚のク
ラッチディスク33L…が回転不能かつ軸方向移動可能
にスプライン嵌合S2する。これら5枚のクラッチディ
スク33L…は、5枚のクラッチプレート27L…およ
び1枚のストッパプレート28Lに対して交互に重ね合
わされる。最右端のクラッチプレート27Lの右側面に
当接するプレッシャプレート25bの左側面には、それ
らクラッチプレート27Lおよびプレッシャプレート2
5b間に作用する荷重、つまりクラッチプレート27L
…およびクラッチディスク33L…間に作用する荷重を
検出する荷重検出手段としてのロードセルSaが設けら
れる。
【0028】図5から明らかなように、スリーブ31と
一体のガイド部32Lの外周面にスプライン嵌合S2す
る5枚のクラッチディスク33L…は、その両側面に円
周方向に整列するように張り付けられた多数のフェーシ
ング33a…を備える。一方、図6から明らかなよう
に、ハウジング20の内周面にスプライン嵌合S1する
5枚のクラッチプレート27L…はフェーシングを持た
ない金属板から構成されており、前記クラッチディスク
33L…のフェーシング33a…に直接接触可能であ
る。
【0029】而して、電子制御ユニットUからの指令で
左電磁クラッチCLを締結すべく励磁コイル22Lに給
電すると、図4に破線で示すように、磁性材のコア21
Lおよびアマチュア23Lよりなる閉じた磁路に沿って
磁束が形成され、アマチュア23Lが励磁コイル22L
に向けて図中左方向に吸引される。するとアマチュア2
3Lに接続された伝達部材25Lが左方向に移動し、伝
達部材25Lに設けたプレッシャプレート25bとスト
ッパプレート28Lとの間にクラッチプレート27L…
およびクラッチディスク33L…が挟まれる。その結
果、ハウジング20にスプライン嵌合S1するクラッチ
プレート27L…と、ガイド部32Lにスプライン嵌合
S2するクラッチディスク33L…とが一体化され、ガ
イド部32Lを支持するスリーブ31がハウジング20
に結合される。
【0030】同様にして、電子制御ユニットUからの指
令で右電磁クラッチCRを締結すべく励磁コイル22R
に給電すると、図4に破線で示すように、磁性材のコア
21Rおよびアマチュア23Rよりなる閉じた磁路に沿
って磁束が形成され、アマチュア23Rが励磁コイル2
2Rに向けて右方向に吸引される。するとアマチュア2
3Rに接続された伝達部材25Rが右方向に移動し、伝
達部材25Rに設けたプレッシャプレート25bとスト
ッパプレート28Rとの間にクラッチプレート27R…
およびクラッチディスク33R…が挟まれる。その結
果、ハウジング20にスプライン嵌合S1するクラッチ
プレート27R…と、ガイド部32Rにスプライン嵌合
S2するクラッチディスク33R…とが一体化され、ガ
イド部32Rを支持するキャリヤ部材11がハウジング
20に結合される。
【0031】図7に示すように、電子制御ユニットUは
目標締結力算出手段M1と、目標励磁電流算出手段M2
と、電流フィードバック制御手段M3と、駆動回路M4
と、実締結力算出手段M5と、目標励磁電流補正手段M
6とを備える。
【0032】目標締結力算出手段M1は、エンジントル
クTe、エンジン回転数Ne、車速Vおよびスロットル
開度θに基づいて、左右の駆動輪WFL,WFR間で所
定のトルクを配分するための電磁クラッチCL,CRの
目標締結力Tを算出する。電磁クラッチCL,CRの励
磁コイル22L,22Rに供給する電流と、電磁クラッ
チCL,CRが発生する締結力との間には図8のマップ
に示す一定の関係が存在することから、目標励磁電流算
出手段M2は電磁クラッチCL,CRの前記目標締結力
Tから励磁コイル22L,22Rに供給する目標励磁電
流Iを前記図8のマップに基づいて検索する。
【0033】電磁クラッチCL,CRが作動したとき
に、その摩擦係合部材に作用する荷重はロードセルSa
により検出される。ロードセルSaにより検出された荷
重、つまりロードセルSaの出力電圧vは、その電磁ク
ラッチCL,CRが実際に発生している締結力に対して
図9のマップに示す一定の関係を有することから、実締
結力算出手段M5は図9のマップに基づいてロードセル
Saの出力電圧vから電磁クラッチCL,CRの実締結
力Tsを検索する。そして目標励磁電流補正手段M6
は、図10のマップに基づいて電磁クラッチCL,CR
の実締結力Tsから励磁コイル22L,22Rに流れる
推定励磁電流Isを検索する。図10のマップは前記図
8のマップと同じマップである。
【0034】目標励磁電流補正手段M6は、目標励磁電
流Iと推定励磁電流Isとの偏差I−Isを算出し、加
算手段34は目標励磁電流Iに前記偏差I−Isを加算
することにより、補正された目標励磁電流I′を算出す
る。電磁クラッチCL,CRの励磁コイル22L,22
Rに供給される実励磁電流Iaを電流センサSbで検出
し、減算手段35で前記補正された目標励磁電流I′と
前記実励磁電流Iaとの偏差I′−Iaを算出した後、
この偏差I′−Iaを0に収束させるべく、電流フィー
ドバック制御手段M3が駆動回路M4を介して電磁クラ
ッチCL,CRの励磁コイル22L,22Rに対する通
電を制御する。
【0035】例えば、目標励磁電流Iがデューティ比に
換算して50%であるとき、ロードセルSaの検出値か
ら推定した推定励磁電流Isがデューティ比に換算して
40%であるとする。この状態は、制御系の誤差により
励磁コイル22L,22Rに供給される励磁電流が、本
来の目標励磁電流Iである50%に対して10%少ない
40%しか供給されていない状態である。このとき、目
標励磁電流補正手段M6は、目標励磁電流Iの50%と
推定励磁電流Isの40%との偏差である10%を加算
手段34に出力し、加算手段34は目標励磁電流算出手
段M2が出力する40%に10%を加算した50%を補
正された目標励磁電流I′として出力することにより、
制御系の誤差を補償して電磁クラッチCL,CRに目標
締結力算出手段M1で算出した目標締結力Tを発生させ
ることができる。
【0036】次に、図11に基づいて本発明の第2実施
例を説明する。
【0037】第2実施例は、電磁クラッチCL,CRの
実締結力Tsに基づいて目標励磁電流Iを補正する第1
実施例の目標励磁電流補正手段M6に代えて、電磁クラ
ッチCL,CRの実締結力Tsに基づいて目標締結力T
を補正する目標締結力補正手段M6′を備える。即ち、
実締結力算出手段M5がロードセルSaの出力vに基づ
いて電磁クラッチCL,CRの実締結力Tsを算出し、
目標締結力補正手段M6′が目標締結力Tと実締結力T
sとの偏差T−Tsを算出し、加算手段34′が目標締
結力Tに前記偏差T−Tsを加算して算出した補正後の
目標締結力T′を目標励磁電流算出手段M2に出力す
る。
【0038】本第2実施例によっても、前記第1実施例
と同様の作用効果を達成することができる。
【0039】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行う
ことが可能である。
【0040】例えば、実施例では駆動力配分装置T用の
電磁クラッチCL,CRを例示したが、本発明は他の任
意の用途の電磁クラッチに対して適用することができ
る。
【0041】
【発明の効果】以上のように請求項1に記載された発明
によれば、電流検出手段で電磁クラッチを流れる実励磁
電流を検出し、目標締結力算出手段で電磁クラッチの目
標締結力を算出し、目標励磁電流算出手段で前記目標締
結力に基づいて電磁クラッチの目標励磁電流を算出し、
電流フィードバック制御手段で前記目標励磁電流および
前記実励磁電流の偏差に基づいて電磁クラッチの締結力
をフィードバック制御する際に、荷重検出手段で電磁ク
ラッチの摩擦係合部材に加わる荷重を検出し、実締結力
算出手段で前記荷重に基づいて電磁クラッチの実締結力
を算出し、目標励磁電流補正手段で前記実締結力に基づ
いて前記目標励磁電流を補正するので、電磁クラッチの
実締結力を目標締結力に一致させる制御の精度を向上さ
せることができる。
【0042】また請求項2に記載された発明によれば、
電流検出手段で電磁クラッチを流れる実励磁電流を検出
し、目標締結力算出手段で電磁クラッチの目標締結力を
算出し、目標励磁電流算出手段で前記目標締結力に基づ
いて電磁クラッチの目標励磁電流を算出し、電流フィー
ドバック制御手段で前記目標励磁電流および前記実励磁
電流の偏差に基づいて電磁クラッチの締結力をフィード
バック制御する際に、荷重検出手段で電磁クラッチの摩
擦係合部材に加わる荷重を検出し、実締結力算出手段で
前記荷重に基づいて電磁クラッチの実締結力を算出し、
目標締結力補正手段で前記実締結力に基づいて前記目標
締結力を補正するので、電磁クラッチの実締結力を目標
締結力に一致させる制御の精度を向上させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】駆動力配分装置の構造を示す図
【図2】中低車速域での右旋回時における駆動力配分装
置の作用を示す図
【図3】中低車速域での左旋回時における駆動力配分装
置の作用を示す図
【図4】図1の要部拡大図
【図5】図4の5−5線断面図
【図6】図4の6−6線断面図
【図7】制御系のブロック図
【図8】電磁クラッチの目標締結力から目標励磁電流を
検索するマップ
【図9】電磁クラッチのロードセルの出力電圧から実締
結力を検索するマップ
【図10】電磁クラッチの実締結力から推定励磁電流を
検索するマップ
【図11】本発明の第2実施例に係る制御系のブロック
【符号の説明】
27L クラッチプレート(摩擦係合部材) 27R クラッチプレート(摩擦係合部材) 33L クラッチディスク(摩擦係合部材) 33R クラッチディスク(摩擦係合部材) CL 左電磁クラッチ(電磁クラッチ) CR 右電磁クラッチ(電磁クラッチ) I 目標励磁電流 Ia 実励磁電流 M1 目標締結力算出手段 M2 目標励磁電流算出手段 M3 電流フィードバック制御手段 M5 実締結力算出手段 M6 目標励磁電流補正手段 M6′ 目標締結力補正手段 Sa ロードセル(荷重検出手段) Sb 電流センサ(電流検出手段) T 目標締結力 Ts 実締結力
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀 昌克 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 Fターム(参考) 3J057 AA01 GA21 GB21 GE05 GE07 HH01 JJ01

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電磁クラッチ(CL,CR)を流れる実
    励磁電流(Ia)を検出する電流検出手段(Sb)と、 電磁クラッチ(CL,CR)の目標締結力(T)を算出
    する目標締結力算出手段(M1)と、 目標締結力算出手段(M1)で算出した目標締結力
    (T)に基づいて電磁クラッチ(CL,CR)の目標励
    磁電流(I)を算出する目標励磁電流算出手段(M2)
    と、 目標励磁電流算出手段(M2)で算出した目標励磁電流
    (I)および電流検出手段(Sb)で検出した実励磁電
    流(Ia)の偏差に基づいて電磁クラッチ(CL,C
    R)の締結力をフィードバック制御する電流フィードバ
    ック制御手段(M3)と、を備えた電磁クラッチの制御
    装置において、 電磁クラッチ(CL,CR)の摩擦係合部材(27L,
    27R;33L,33R)に加わる荷重を検出する荷重
    検出手段(Sa)と、 荷重検出手段(Sa)で検出した荷重に基づいて電磁ク
    ラッチ(CL,CR)の実締結力(Ts)を算出する実
    締結力算出手段(M5)と、 実締結力算出手段(M5)で算出した実締結力(Ts)
    に基づいて目標励磁電流(I)を補正する目標励磁電流
    補正手段(M6)と、を備えたことを特徴とする電磁ク
    ラッチの制御装置。
  2. 【請求項2】 電磁クラッチ(CL,CR)を流れる実
    励磁電流(Ia)を検出する電流検出手段(Sb)と、 電磁クラッチ(CL,CR)の目標締結力(T)を算出
    する目標締結力算出手段(M1)と、 目標締結力算出手段(M1)で算出した目標締結力
    (T)に基づいて電磁クラッチ(CL,CR)の目標励
    磁電流(I)を算出する目標励磁電流算出手段(M2)
    と、 目標励磁電流算出手段(M2)で算出した目標励磁電流
    (I)および電流検出手段(Sb)で検出した実励磁電
    流(Ia)の偏差に基づいて電磁クラッチ(CL,C
    R)の締結力をフィードバック制御する電流フィードバ
    ック制御手段(M3)と、を備えた電磁クラッチの制御
    装置において、 電磁クラッチ(CL,CR)の摩擦係合部材(27L,
    27R;33L,33R)に加わる荷重を検出する荷重
    検出手段(Sa)と、 荷重検出手段(Sa)で検出した荷重に基づいて電磁ク
    ラッチ(CL,CR)の実締結力(Ts)を算出する実
    締結力算出手段(M5)と、 実締結力算出手段(M5)で算出した実締結力(Ts)
    に基づいて、目標締結力(T)を補正する目標締結力補
    正手段(M6′)と、を備えたことを特徴とする電磁ク
    ラッチの制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007154921A (ja) * 2005-11-30 2007-06-21 Aisin Aw Co Ltd ピストンストロークエンド圧測定方法およびその装置、ならびにこれら測定方法および測定装置によって測定されたピストンストロークエンド圧を利用する自動変速機
WO2011049132A1 (ja) * 2009-10-23 2011-04-28 株式会社ユニバンス クラッチ制御装置

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