JP2002174267A - 駆動力配分装置における電磁クラッチ構造 - Google Patents

駆動力配分装置における電磁クラッチ構造

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JP2002174267A
JP2002174267A JP2000373261A JP2000373261A JP2002174267A JP 2002174267 A JP2002174267 A JP 2002174267A JP 2000373261 A JP2000373261 A JP 2000373261A JP 2000373261 A JP2000373261 A JP 2000373261A JP 2002174267 A JP2002174267 A JP 2002174267A
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electromagnetic clutch
coil
clutch
electromagnetic
driving force
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JP2000373261A
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Akihiro Iwasaki
明裕 岩崎
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Honda Motor Co Ltd
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Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 第1、第2電磁クラッチを選択的に作動させ
て一対の軸間でトルクを配分する駆動力配分装置におい
て、前記電磁クラッチの部品点数を削減する。 【解決手段】 共通のアマチュア23の一側および他側
にそれぞれ隣接して第1電磁クラッチCLのコイル22
Lおよび第2電磁クラッチCRのコイル22Rを配置
し、かつ第1電磁クラッチCLのコイル22Lおよび第
2電磁クラッチCRのコイル22Rの軸方向外側にそれ
ぞれ第1電磁クラッチCLの摩擦係合部材27L,33
Lおよび第2電磁クラッチCRの摩擦係合部材27R,
33Rを配置する。アマチュア23に接続された左右の
伝達部材25L,25Rのプレッシャプレート25b
で、第1電磁クラッチCLの摩擦係合部材27L,33
Lおよび第2電磁クラッチCRの摩擦係合部材27R,
33Rをそれぞれ係合させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一方の軸から他方
の軸にトルクを配分する第1電磁クラッチと、他方の軸
から一方の軸にトルクを配分する第2電磁クラッチとを
備え、第1、第2電磁クラッチを選択的に作動させて前
記両軸間でトルクを配分する駆動力配分装置に関し、特
にその電磁クラッチの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】2個のクラッチを備えた駆動力配分装置
を介してエンジンの駆動力を左右の駆動輪に配分可能に
し、旋回外輪に配分する駆動力を増加させて旋回内輪に
配分する駆動力を減少させることにより、旋回方向のヨ
ーモーメントを発生させて旋回性能を高める技術は公知
である。かかる駆動力配分装置において、前記2個のク
ラッチを電磁クラッチで構成したものが本出願人により
既に提案されている(特願平11−293467号参
照)。
【0003】上記特願平11−293467号において
第1実施例として提案されたものは左右の電磁クラッチ
が軸方向に並置されており、左右のコイルの軸方向外側
に左右のアマチュアを配置するとともに、その軸方向外
側に左右の摩擦係合部材を配置し、左右の摩擦係合部材
の軸方向外側に配置した左右のプレッシャプレートを左
右の伝達部材で左右のアマチュアに接続した構造を有し
ている。また第2実施例として提案されたものは、左右
のコイルの軸方向内側に左右のアマチュアを配置し、左
右のコイルの軸方向外側に配置した左右の摩擦係合部材
を、左右のアマチュアに接続された左右の伝達部材の軸
方向外端に設けた左右のプレッシャプレートでそれぞれ
係合させる構造を有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで上記従来のも
のは、左右のコイルに対応して左右のアマチュアを設け
ているため、2個のアマチュアが必要になって部品点数
の削減が制限されるという問題があった。
【0005】本発明は前述の事情に鑑みてなされたもの
で、駆動力配分装置に使用される電磁クラッチの部品点
数を削減することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載された発明によれば、一方の軸から
他方の軸にトルクを配分する第1電磁クラッチと、他方
の軸から一方の軸にトルクを配分する第2電磁クラッチ
とを備え、第1、第2電磁クラッチを選択的に作動させ
て前記両軸間でトルクを配分する駆動力配分装置におい
て、共通のアマチュアの軸方向一側および軸方向他側に
それぞれ隣接して第1電磁クラッチのコイルおよび第2
電磁クラッチのコイルを配置し、かつ第1電磁クラッチ
のコイルおよび第2電磁クラッチのコイルの軸方向外側
にそれぞれ第1電磁クラッチの摩擦係合部材および第2
電磁クラッチの摩擦係合部材を配置し、第1電磁クラッ
チのコイルまたは第2電磁クラッチのコイルの励磁によ
るアマチュアの軸方向の移動を、該アマチュアから軸方
向一側に延びる第1伝達部材で第1電磁クラッチの摩擦
係合部材に伝達するとともに、該アマチュアから軸方向
他側に延びる第2伝達部材で第2電磁クラッチの摩擦係
合部材に伝達することを特徴とする駆動力配分装置にお
ける電磁クラッチ構造が提案される。
【0007】上記構成によれば、共通のアマチュアの軸
方向一側および軸方向他側にそれぞれ隣接して第1電磁
クラッチのコイルおよび第2電磁クラッチのコイルを配
置し、かつ第1電磁クラッチのコイルおよび第2電磁ク
ラッチのコイルの軸方向外側にそれぞれ第1電磁クラッ
チの摩擦係合部材および第2電磁クラッチの摩擦係合部
材を配置したので、第1電磁クラッチのコイルの励磁に
よりアマチュアを軸方向一側に移動させて第1伝達部材
で第1電磁クラッチの摩擦係合部材を係合させ、また第
2電磁クラッチのコイルの励磁によりアマチュアを軸方
向他側に移動させて第2伝達部材で第2電磁クラッチの
摩擦係合部材を係合させることができる。第1電磁クラ
ッチおよび第2電磁クラッチの一方が締結すると他方が
締結解除されるが、駆動力配分装置では第1、第2電磁
クラッチが同時に締結することがないために支障は生じ
ない。
【0008】このように、第1、第2電磁クラッチを共
通のアマチュアで支障なく作動させることができるの
で、第1、第2電磁クラッチが各々アマチュアを備える
ものに比べて部品点数を削減することができる。しかも
コイルの励磁により形成される磁路が摩擦係合部材を通
らないため、摩擦係合部材にフェーシングを設けて金属
どうしの接触を回避し、クラッチジャダーの発生および
焼き付きの発生を防止することができるだけでなく、磁
気回路の効率を高めて消費電力を削減することができ
る。
【0009】尚、実施例の左電磁クラッチCLおよび右
電磁クラッチCRはそれぞれ本発明の第1電磁クラッチ
および第2電磁クラッチに対応し、実施例の左出力軸9
Lおよび右出力軸9Rはそれぞれ本発明の一方の軸およ
び他方の軸に対応し、実施例の伝達部材25L,25R
はそれぞれ本発明の第1伝達部材および第2伝達部材に
対応し、実施例のクラッチプレート27L,27Rおよ
びクラッチディスク33L,33Rは本発明の摩擦係合
部材に対応する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添
付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0011】図1〜図6は本発明の一実施例を示すもの
で、図1は駆動力配分装置の構造を示す図、図2は中低
車速域での右旋回時における駆動力配分装置の作用を示
す図、図3は中低車速域での左旋回時における駆動力配
分装置の作用を示す図、図4は図1の要部拡大図、図5
は図4の5−5線断面図、図6は図4の6−6線断面図
である。
【0012】図1に示すように、フロントエンジン・フ
ロントドライブの車両の車体前部に横置きに搭載したエ
ンジンEの右端にトランスミッションMが接続されてお
り、これらエンジンEおよびトランスミッションMの後
部に駆動力配分装置Tが配置される。駆動力配分装置T
の左端および右端から左右に延びる左ドライブシャフト
ALおよび右ドライブシャフトARには、それぞれ左前
輪WFLおよび右前輪WFRが接続される。
【0013】駆動力配分装置Tは、トランスミッション
Mから延びる入力軸1に設けた入力ギヤ2に噛み合う外
歯ギヤ3から駆動力が伝達される差動装置Dを備える。
差動装置Dはダブルピニオン式の遊星歯車機構よりな
り、前記外歯ギヤ3と一体に形成されたリングギヤ4
と、このリングギヤ4の内部に同軸に配設されたサンギ
ヤ5と、前記リングギヤ4に噛み合うアウタプラネタリ
ギヤ6および前記サンギヤ5に噛み合うインナプラネタ
リギヤ7を、それらが相互に噛み合う状態で支持するプ
ラネタリキャリヤ8とから構成される。差動装置Dは、
そのリングギヤ4が入力要素として機能するとともに、
一方の出力要素として機能するサンギヤ5が左出力軸9
Lを介して左前輪WFLに接続され、また他方の出力要
素として機能するプラネタリキャリヤ8が右出力軸9R
を介して右前輪WFRに接続される。
【0014】左出力軸9Lの外周に回転自在に支持され
たキャリヤ部材11は、円周方向に90°間隔で配置さ
れた4本のピニオン軸12を備えており、第1ピニオン
13、第2ピニオン14および第3ピニオン15を一体
に形成した3連ピニオン部材16が、各ピニオン軸12
にそれぞれ回転自在に支持される。
【0015】左出力軸9Lの外周に回転自在に支持され
て前記第1ピニオン13に噛み合う第1サンギヤ17
は、差動装置Dのプラネタリキャリヤ8に連結される。
また左出力軸9Lの外周に固定された第2サンギヤ18
は前記第2ピニオン14に噛み合う。更に、左出力軸9
Lの外周に回転自在に支持された第3サンギヤ19は前
記第3ピニオン15に噛み合う。
【0016】実施例における第1ピニオン13、第2ピ
ニオン14、第3ピニオン15、第1サンギヤ17、第
2サンギヤ18および第3サンギヤ19の歯数は以下の
とおりである。
【0017】 第1ピニオン13の歯数 Zb=17 第2ピニオン14の歯数 Zd=17 第3ピニオン15の歯数 Zf=34 第1サンギヤ17の歯数 Za=32 第2サンギヤ18の歯数 Zc=28 第3サンギヤ19の歯数 Ze=32 第3サンギヤ19は左電磁クラッチCLを介してハウジ
ング20に結合可能であり、左電磁クラッチCLの係合
によってキャリヤ部材11の回転数が増速される。また
キャリヤ部材11は右電磁クラッチCRを介してハウジ
ング20に結合可能であり、右電磁クラッチCRの係合
によってキャリヤ部材11の回転数が減速される。そし
て前記右電磁クラッチCRおよび左電磁クラッチCL
は、マイクロコンピュータを含む電子制御ユニットUに
より制御される。
【0018】電子制御ユニットUは、エンジントルクT
e、エンジン回転数Ne、車速Vおよび操舵角θを所定
のプログラムに基づいて演算処理し、前記左電磁クラッ
チCLおよび右電磁クラッチCRを制御する。
【0019】而して、車両の中低車速域での右旋回時に
は、図2に示すように電子制御ユニットUからの指令に
より右電磁クラッチCRが係合し、キャリヤ部材11を
ハウジング20に結合して停止させる。このとき、左前
輪WFLと一体の左出力軸9Lと、右前輪WFRと一体
の右出力軸9R(即ち、差動装置Dのプラネタリキャリ
ヤ8)とは、第2サンギヤ18、第2ピニオン14、第
1ピニオン13および第1サンギヤ17を介して連結さ
れているため、左前輪WFLの回転数NLは右前輪WF
Rの回転数NRに対して次式の関係で増速される。
【0020】 NL/NR=(Zd/Zc)×(Za/Zb) =1.143 …(1) 上述のようにして、左前輪WFLの回転数NLが右前輪
WFRの回転数NRに対して増速されると、図2に斜線
を施した矢印で示したように、旋回内輪である右前輪W
FRのトルクの一部を旋回外輪である左前輪WFLに伝
達することができる。
【0021】尚、キャリヤ部材11を右電磁クラッチC
Rにより停止させる代わりに、右電磁クラッチCRの締
結力を適宜調整してキャリヤ部材11の回転数を減速す
れば、その減速に応じて左前輪WFLの回転数NLを右
前輪WFRの回転数NRに対して増速し、旋回内輪であ
る右前輪WFRから旋回外輪である左前輪WFLに任意
のトルクを伝達することができる。
【0022】一方、車両の中低車速域での左旋回時に
は、図3に示すように電子制御ユニットUからの指令に
より左電磁クラッチCLが係合し、第3ピニオン15が
第3サンギヤ19を介してハウジング20に結合され
る。その結果、左出力軸9Lの回転数に対してキャリヤ
部材11の回転数が増速され、右前輪WFRの回転数N
Rは左前輪WFLの回転数NLに対して次式の関係で増
速される。
【0023】 NR/NL={1−(Ze/Zf)×(Zb/Za)} ÷{1−(Ze/Zf)×(Zd/Zc)} =1.167 …(2) 上述のようにして、右前輪WFRの回転数NRが左前輪
WFLの回転数NLに対して増速されると、図3に斜線
を施した矢印で示したように、旋回内輪である左前輪W
FLのトルクの一部を旋回外輪である右前輪WFRに伝
達することができる。この場合にも、左電磁クラッチC
Lの締結力を適宜調整してキャリヤ部材11の回転数を
増速すれば、その増速に応じて右前輪WFRの回転数N
Rを左前輪WFLの回転数NLに対して増速し、旋回内
輪である左前輪WFLから旋回外輪である右前輪WFL
に任意のトルクを伝達することができる。而して、車両
の中低速走行時には旋回外輪に旋回内輪よりも大きなト
ルクを伝達して旋回性能を向上させることが可能であ
る。尚、高速走行時には前記中低速走行時に比べて旋回
外輪に伝達されるトルクを少なめにしたり、逆に旋回外
輪から旋回内輪にトルクを伝達して走行安定性能を向上
させることが可能である。
【0024】(1)式および(2)式を比較すると明ら
かなように、第1ピニオン13、第2ピニオン14、第
3ピニオン15、第1サンギヤ17、第2サンギヤ18
および第3サンギヤ19の歯数を前述の如く設定したこ
とにより、右前輪WFRから左前輪WFLへの増速率
(約1.143)と、左前輪WFLから右前輪WFRへ
の増速率(約1.167)とを略等しくすることができ
る。
【0025】次に、図4〜図6に基づいて左右の電磁ク
ラッチCL,CRの構造を説明する。尚、左右の電磁ク
ラッチCL,CRは、左右の出力軸9L,9Rの軸線L
に直交する対称面Pに関して実質的に左右対称な構造を
有しているため、その代表として左電磁クラッチCLの
構造を説明する。右電磁クラッチCRの構成要素の符号
は、左電磁クラッチCLの構成要素の符号の添字「L」
を「R」に変えたものである。
【0026】アルミ合金等の非磁性材で形成されたハウ
ジング20の内部に収納された左電磁クラッチCLは、
磁性材で概略円筒状に形成されたコア21Lを備える。
コア21Lはハウジング20の内周面に回転不能かつ軸
方向(左右方向)移動不能に固定されており、このコア
21Lの内部にコイル22Lが収納されるとともに、こ
のコイル22Lの右端面に直接対峙するように磁性材で
環状に形成されたアマチュア23が左右移動自在に配置
される。アマチュア23は左電磁クラッチCLおよび右
電磁クラッチCRに対して共用されており、左右のコア
21L,21R間に挟まれるように配置される。左出力
軸9Lの外周に第3サンギヤ19(図1参照)と一体の
スリーブ31が同軸かつ相対回転可能に嵌合しており、
アマチュア23の内周面に溶接W1により固定された伝
達部材25Lの円筒部25aが、前記スリーブ31の外
周面とコア21Lの内周面との間に軸方向移動可能に配
置される。
【0027】ハウジング20の内周面に、伝達部材25
Lに一体に形成されたプレッシャプレート25bと、5
枚のクラッチプレート27L…と、1枚のストッパプレ
ート28Lとが回転不能かつ軸方向移動可能にスプライ
ン嵌合S1する。伝達部材25Lのプレッシャプレート
25bの左側面は、最右端のクラッチプレート27Lの
右側面に当接可能に対向する。またスリーブ31の左端
に一体に設けられたガイド部32Lの外周面に5枚のク
ラッチディスク33L…が回転不能かつ軸方向移動可能
にスプライン嵌合S2する。これら5枚のクラッチディ
スク33L…は、5枚のクラッチプレート27L…およ
び1枚のストッパプレート28Lに対して交互に重ね合
わされる。
【0028】図5から明らかなように、スリーブ31と
一体のガイド部32Lの外周面にスプライン嵌合S2す
る5枚のクラッチディスク33L…は、その両側面に円
周方向に整列するように張り付けられた多数のフェーシ
ング33a…を備える。一方、図6から明らかなよう
に、ハウジング20の内周面にスプライン嵌合S1する
5枚のクラッチプレート27L…はフェーシングを持た
ない金属板から構成されており、前記クラッチディスク
33L…のフェーシング33a…に直接接触可能であ
る。
【0029】右電磁クラッチCRは前記左電磁クラッチ
CLと対称面Pを挟んで対称な構造であるが、左電磁ク
ラッチCLのガイド部32Lが第3サンギヤ19と一体
のスリーブ31に一体に設けられているのに対し、右電
磁クラッチCRのガイド部32Rはキャリヤ部材11に
一体に設けられている点でのみ異なっている。
【0030】ハウジング20を貫通する磁束密度センサ
取付孔20aに磁束密度センサ35Lが外部から嵌合し
て固定される。内部にホール素子を収納した検出部35
aが磁束密度センサ35Lの先端に設けられており、こ
の検出部35aはコア21Lに形成された切欠21a内
に嵌合する。またコイル22Lに給電するためのコネク
タ36Lがハウジング20の磁束密度センサ35Lに隣
接する位置に設けられる。
【0031】而して、電子制御ユニットUからの指令で
左電磁クラッチCLを締結すべくコイル22Lに給電す
ると、図4に破線で示すように、磁性材のコア21Lお
よびアマチュア23よりなる閉じた磁路に沿って磁束が
形成され、アマチュア23がコイル22Lに向けて図中
左方向に吸引される。するとアマチュア23に接続され
た伝達部材25Lが左方向に移動し、伝達部材25Lに
設けたプレッシャプレート25bとストッパプレート2
8Lとの間にクラッチプレート27L…およびクラッチ
ディスク33L…が挟まれる。その結果、ハウジング2
0にスプライン嵌合S1するクラッチプレート27L…
と、ガイド部32Lにスプライン嵌合S2するクラッチ
ディスク33L…とが一体化され、ガイド部32Lを支
持するスリーブ31がハウジング20に結合される。
【0032】同様にして、電子制御ユニットUからの指
令で右電磁クラッチCRを締結すべくコイル22Rに給
電すると、図4に破線で示すように、磁性材のコア21
Rおよびアマチュア23よりなる閉じた磁路に沿って磁
束が形成され、アマチュア23がコイル22Rに向けて
右方向に吸引される。するとアマチュア23に接続され
た伝達部材25Rが右方向に移動し、伝達部材25Rに
設けたプレッシャプレート25bとストッパプレート2
8Rとの間にクラッチプレート27R…およびクラッチ
ディスク33R…が挟まれる。その結果、ハウジング2
0にスプライン嵌合S1するクラッチプレート27R…
と、ガイド部32Rにスプライン嵌合S2するクラッチ
ディスク33R…とが一体化され、ガイド部32Rを支
持するキャリヤ部材11がハウジング20に結合され
る。
【0033】このように、左右の電磁クラッチCL,C
Rのコイル22L,22Rの間に共通のアマチュア23
を配置したので、1個のアマチュア23を左右の電磁ク
ラッチCL,CRに共用して部品点数を削減することが
できる。またアマチュアをクラッチプレート27L…,
27R…およびクラッチディスク33L…,33R…を
挟んでコイル22L,22Rの反対側に配置する場合に
比べて、コア21L,21Rおよびアマチュア23を通
る磁路の長さを最小限に抑えることができる。しかも前
記磁路に介在するエアギャップは、コア21L,21R
およびアマチュア23間のエアギャップだけに抑えられ
るため、磁気回路の効率が高められる。これにより、コ
イル22L,22Rを大型化することなく、またコイル
22L,22Rの消費電力を節減しながら、コイル22
L,22Rでアマチュア23を確実に吸引して左右の電
磁クラッチCL,CRを確実に締結することができる。
【0034】更に、左右の電磁クラッチCL,CRのコ
イル22L,22Rが発生する磁束がクラッチプレート
27L…,27R…およびクラッチディスク33L…,
33R…を通過しないので、クラッチディスク33L
…,33R…にフェーシング33a…を設けることが可
能となり、これによりクラッチプレート27L…,27
R…およびクラッチディスク33L…,33R…が金属
どうしの接触となるのを回避し、クラッチジャダーの発
生や焼き付きの発生を効果的に防止することができる。
【0035】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行う
ことが可能である。
【0036】例えば、実施例の左電磁クラッチCLおよ
び右電磁クラッチCRは回転部材であるキャリヤ部材1
1およびスリーブ31を固定部材であるハウジング20
に締結するものであるが、回転部材どうしを締結するも
のであっても良い。
【0037】
【発明の効果】以上のように請求項1に記載された発明
によれば、共通のアマチュアの軸方向一側および軸方向
他側にそれぞれ隣接して第1電磁クラッチのコイルおよ
び第2電磁クラッチのコイルを配置し、かつ第1電磁ク
ラッチのコイルおよび第2電磁クラッチのコイルの軸方
向外側にそれぞれ第1電磁クラッチの摩擦係合部材およ
び第2電磁クラッチの摩擦係合部材を配置したので、第
1電磁クラッチのコイルの励磁によりアマチュアを軸方
向一側に移動させて第1伝達部材で第1電磁クラッチの
摩擦係合部材を係合させ、また第2電磁クラッチのコイ
ルの励磁によりアマチュアを軸方向他側に移動させて第
2伝達部材で第2電磁クラッチの摩擦係合部材を係合さ
せることができる。第1電磁クラッチおよび第2電磁ク
ラッチの一方が締結すると他方が締結解除されるが、駆
動力配分装置では第1、第2電磁クラッチが同時に締結
することがないために支障は生じない。
【0038】このように、第1、第2電磁クラッチを共
通のアマチュアで支障なく作動させることができるの
で、第1、第2電磁クラッチが各々アマチュアを備える
ものに比べて部品点数を削減することができる。しかも
コイルの励磁により形成される磁路が摩擦係合部材を通
らないため、摩擦係合部材にフェーシングを設けて金属
どうしの接触を回避し、クラッチジャダーの発生および
焼き付きの発生を防止することができるだけでなく、磁
気回路の効率を高めて消費電力を削減することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】駆動力配分装置の構造を示す図
【図2】中低車速域での右旋回時における駆動力配分装
置の作用を示す図
【図3】中低車速域での左旋回時における駆動力配分装
置の作用を示す図
【図4】図1の要部拡大図
【図5】図4の5−5線断面図
【図6】図4の6−6線断面図
【符号の説明】
CL 左電磁クラッチ(第1電磁クラッチ) CR 右電磁クラッチ(第2電磁クラッチ) 9L 左出力軸(一方の軸) 9R 右出力軸(他方の軸) 23 アマチュア 22L コイル 22R コイル 25L 伝達部材(第1伝達部材) 25R 伝達部材(第2伝達部材) 27L,27R クラッチプレート(摩擦係合部
材) 33L,33R クラッチディスク(摩擦係合部
材)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方の軸(9L)から他方の軸(9R)
    にトルクを配分する第1電磁クラッチ(CL)と、他方
    の軸(9R)から一方の軸(9L)にトルクを配分する
    第2電磁クラッチ(CR)とを備え、第1、第2電磁ク
    ラッチ(CL,CR)を選択的に作動させて前記両軸
    (9L,9R)間でトルクを配分する駆動力配分装置に
    おいて、 共通のアマチュア(23)の軸方向一側および軸方向他
    側にそれぞれ隣接して第1電磁クラッチ(CL)のコイ
    ル(22L)および第2電磁クラッチ(CR)のコイル
    (22R)を配置し、かつ第1電磁クラッチ(CL)の
    コイル(22L)および第2電磁クラッチ(CR)のコ
    イル(22R)の軸方向外側にそれぞれ第1電磁クラッ
    チ(CL)の摩擦係合部材(27L,33L)および第
    2電磁クラッチ(CR)の摩擦係合部材(27R,33
    R)を配置し、 第1電磁クラッチ(CL)のコイル(22L)または第
    2電磁クラッチ(CR)のコイル(22R)の励磁によ
    るアマチュア(23)の軸方向の移動を、該アマチュア
    (23)から軸方向一側に延びる第1伝達部材(25
    L)で第1電磁クラッチ(CL)の摩擦係合部材(27
    L,33L)に伝達するとともに、該アマチュア(2
    3)から軸方向他側に延びる第2伝達部材(25R)で
    第2電磁クラッチ(CR)の摩擦係合部材(27R,3
    3R)に伝達することを特徴とする、駆動力配分装置に
    おける電磁クラッチ構造。
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