JP3754652B2 - 差動制限機構付き差動装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ベベルギヤ式差動機構と差動制限機構とを備えた差動制限機構付き差動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
差動制限機構付き差動装置として、一対のディファレンシャルサイドギヤの一方とディファレンシャルケースとの間に配置したクラッチを係合させ、一方のディファレンシャルサイドギヤをディファレンシャルケースに結合することで、他方のディファレンシャルサイドギヤを間接的に拘束して差動を制限するタイプ(shaft to housingタイプ)と、一対のディファレンシャルサイドギヤ間に配置したクラッチを係合させ、両ディファレンシャルサイドギヤを結合することで直接的に差動を制限するタイプ(shaft to shaftタイプ)とが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、後者のshaft to shaftタイプは前者のshaft to housingタイプに比べて、一対のディファレンシャルサイドギヤの各々に付与される差動制限力に偏りが生じ難く、また差動制限の応答性も高いという利点がある。しかしながら、差動制限機構で両ディファレンシャルサイドギヤの差動を制限するには、一方のディファレンシャルサイドギヤに連結される軸をピニオンシャフトを横切らせて他方のディファレンシャルサイドギヤ側(差動制限機構がある側)に取り回す必要があるため、構造が複雑になる問題がある。
【0004】
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、ディファレンシャルケースを介さずに、一対のディファレンシャルサイドギヤを結合して差動制限を行う差動制限機構付き差動装置を、簡単な構造で提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、原動機からの駆動力によって回転駆動されるディファレンシャルケースに固定されたピニオンシャフトと、ピニオンシャフトに回転自在に支持されたディファレンシャルピニオンと、ディファレンシャルピニオンに噛み合う一対のディファレンシャルサイドギヤとを備えたベベルギヤ式差動機構の差動機能を制限すべく、一対のディファレンシャルサイドギヤの相対回転を制限する差動制限機構付き差動装置において、ディファレンシャルピニオンに差動制限用ピニオンを同軸かつ一体に設け、この差動制限用ピニオンを何れか一方のディファレンシャルサイドギヤと同軸かつ相対回転自在に設けた差動制限用サイドギヤに噛み合わせ、ディファレンシャルピニオンおよびディファレンシャルサイドギヤ間のギヤ比と差動制限用ピニオンおよび差動制限用サイドギヤ間のギヤ比とを異ならせ、制限機構によりディファレンシャルサイドギヤと差動制限用サイドギヤとの相対回転を制限することを特徴とする差動制限機構付き差動装置が提案される。
【0006】
上記構成によれば、ディファレンシャルピニオンに同軸かつ一体に設けた差動制限用ピニオンと、一対のディファレンシャルサイドギヤの何れか一方に対して同軸かつ相対回転自在に設けた差動制限用サイドギヤとを噛み合わせ、ディファレンシャルピニオンおよびディファレンシャルサイドギヤ間のギヤ比と差動制限用ピニオンおよび差動制限用サイドギヤ間のギヤ比とを異ならせたので、制限機構によりディファレンシャルサイドギヤと差動制限用サイドギヤとの相対回転を制限することで、ディファレンシャルピニオンと前記一方のディファレンシャルサイドギヤとを回転不能にロックし、かつロックしたディファレンシャルピニオンに噛み合う他方のディファレンシャルサイドギヤを回転不能にロックすることができる。このように、ディファレンシャルケースを介さずに一対のディファレンシャルサイドギヤを直接的に結合して差動制限を行うので、両ディファレンシャルサイドギヤの各々に付与される差動制限力に偏りが生じ難く、また差動制限の応答性も高くなる。しかもピニオンシャフトを横切る軸を介して一対のディファレンシャルサイドギヤの差動制限を行う必要がないので、差動制限機構の構造が複雑化することがない。
【0007】
尚、実施例の摩擦クラッチ44は本発明の制限機構に対応し、実施例の内燃機関Eは本発明の原動機に対応する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0009】
図1〜図7は本発明の一実施例を示すもので、図1は自動車用内燃機関の後面図、図2は差動機構およびアクチュエータの拡大断面図、図3は差動機構の構造を示す図2の要部拡大図、図4はアクチュエータの構造を示す図2の要部拡大図、図5は図3の5−5線断面図、図6は図3の6−6線断面図、図7は差動機構の構成要素の分解斜視図である。
【0010】
図1に示すように、フロントエンジン・フロントドライブの自動車の車体前部に横置きに搭載された内燃機関Eは、その左側面に変速機Tが一体に結合され、変速機Tの後面に差動機構Dが設けられる。車体中心線から左方向にずれて配置された差動機構Dから右方向にハーフシャフト11(インターミディエイトシャフト)が延びており、ハーフシャフト11に右駆動輪(図示せず)を駆動する右車軸12が接続され、また差動機構Dから左方向に延びる左車軸13を介して左駆動輪(図示せず)が駆動される。ハーフシャフト11の右端はエンジンブロック22に固定したステー10に支持される。
【0011】
図2を併せて参照すると明らかなように、差動機構Dを収納するハウジング14は、トランスミッションTのケーシングと一体に形成されたハウジング本体15と、ハウジング本体15の左端開口部を覆うように複数本のボルト16…で固定されたカバープレート17とを備える。差動機構Dの右側に取り付けられたアクチュエータAは、差動機構Dのハウジング本体15の右端開口部に嵌合するアクチュエータケース18と、アクチュエータケース18の右端開口部を覆うように3本のボルト19…で固定されたアクチュエータカバー20とを備えており、アクチュエータケース18を貫通する2本のボルト21,21でエンジンブロック22に固定される。差動機構DおよびアクチュエータAは本発明の差動装置を構成する。
【0012】
ハウジング14の内部に収納された差動機構Dは、ハウジング本体15にボールベアリング23で支持された右側の第1ケース24と、カバープレート17にボールベアリング25で支持された左側の第2ケース26とを複数本のボルト27…で結合したディファレンシャルケース28を備えており、第1ケース24の外周にトランスミッションTにより駆動されるアクスルドライブギヤ29が複数本のボルト30で固定される。
【0013】
次に、図3および図5〜図7を参照して差動機構Dの構造を説明する。
【0014】
ハウジング14内に収納される差動機構Dは、十字状に組み合わされた2本のピニオンシャフト31,32を備えており、それらのピニオンシャフト31,32は第1ケース24に固定される。一体に形成された4対のディファレンシャルピニオン35…および差動制限用ピニオン35′…がピニオンシャフト31,32に回転自在に支持される。ピニオンシャフト31,32の交点から見て、ディファレンシャルピニオン35…はピニオンシャフト31,32の軸方向内側に位置し、差動制限用ピニオン35′…は軸方向外側に位置している。
【0015】
第1ケース24に相対回転自在に嵌合するハーフシャフト11の左端外周にインナーガイド66がスプライン結合されており、右側のディファレンシャルサイドギヤ37Rがストッパプレート38およびボルト39を介してハーフシャフト11の軸端に固定される。インナーガイド66の外周にアウターガイド67がウエーブ68(図5および図6参照)を介して軸方向摺動自在かつ相対回転不能に嵌合しており、アウターガイド67と一体に形成されたディファレンシャルサイドギヤ37Rは4個のディファレンシャルピニオン35…に噛み合っている。インナーガイド66の右端面はスラストワッシャ69を介して第1ケース24の内端面に相対回転自在に当接する。ディファレンシャルサイドギヤ37Rの外周に同軸かつ相対回転自在に配置された環状の差動制限用サイドギヤ37R′が第1ケース24の内周面に回転自在に支持されており、この差動制限用サイドギヤ37R′が4個の差動制限用ピニオン35′…に噛み合っている。
【0016】
ディファレンシャルピニオン35…およびディファレンシャルサイドギヤ37R間のギヤ比は、差動制限用ピニオン35′…および差動制限用サイドギヤ37R′間のギヤ比と異なっている。
【0017】
ディファレンシャルサイドギヤ37Rと一体のアウターガイド67の外周に形成したスプライン67aに係合する複数枚(実施例では5枚)のフリクションディスク41…と、差動制限用サイドギヤ37R′に形成したスプライン37aに係合する複数枚(実施例では6枚)のフリクションプレート42…とが、差動制限用サイドギヤ37R′に形成した当接面37bの右側に交互に重ね合わされ、更に右端のフリクションプレート42の右側にプレッシャプレート70が配置される。フリクションプレート42…に当接するフリクションディスク41…の両面には摩擦材41a…(図5参照)が貼り付けられる。第1ケース24の内面に複数本(実施例では3本)の溝24c…が放射状に形成されており、各々の溝24cにレバー71が収納される。レバー71は半径方向中間に形成した支点71aが溝24cの底面に当接し、半径方向内端に形成した力点71bがインナーガイド66に形成した押圧部66aに当接し、半径方向外端に形成した作用点71cがプレッシャプレート70の右側面に当接する。
【0018】
このようにして、インナーガイド66、レバー71…、プレッシャプレート70、フリクションディスク41…およびフリクションプレート42…によって摩擦クラッチ44が構成される。
【0019】
一方、第2ケース26に相対回転自在に嵌合する左車軸13の右端外周に左側ディファレンシャルサイドギヤ37Lがスプライン結合されており、そのディファレンシャルサイドギヤ37Lと第2ケース26との間にスラストワッシャ45が配置される。左側のディファレンシャルサイドギヤ37Lは右側のディファレンシャルサイドギヤ37Rと同じ歯数を有しており、4個のディファレンシャルピニオン35…に噛み合っている。
【0020】
次に、図2および図4に基づいてアクチュエータAの構造を説明する。
【0021】
アクチュエータケース18およびアクチュエータカバー20の内部にヨーク51が収納されており、ボビン52に巻き付けられたコイル53がヨーク51に形成された凹部に収納される。ヨーク51およびボビン52はノックピン54でアクチュエータカバー20に対して回り止めされる。半径方向内外に分割された2個のヨークプレート55,55がヨーク51の左端面に複数本のボルト56…で固定されており、これらのヨークプレート55,55の左端面に微小なエアギャップ(例えば0.5mm)を介して対向するアマチュア57は、ハーフシャフト11の段部11aに当接してクリップ58で固定される。このとき、ハーフシャフト11の外周に形成したテーパー面11bにアマチュア57の内周面に形成したテーパー面57aが密着し、かつハーフシャフト11に対してアマチュア57が複数個(実施例では3個)のキー72…で回転方向に結合される。アクチュエータケース18の内部に塵埃が侵入しないように、アクチュエータカバー20とハーフシャフト11との間にシール部材59が配置される。各々のヨークプレート55,55には、コイル53の励磁によりヨーク51に発生した磁束密度を検出する磁束密度センサ60,60が設けられる。アクチュエータAの外部からエアギャップの大きさを確認できるようにアクチュエータケース18に覗き窓18aが形成されており、この覗き窓18aは着脱自在なカバー61で覆われる。
【0022】
第1ケース24を支持する右側のボールベアリング23は潤滑油が自由に通過できる開放型で構成されるのに対し、第2ケース26を支持する左側のボールベアリング25は潤滑油の通過を阻止する密封型で構成される。従って、差動機構Dのハウジング14内に封入された潤滑油は、開放型のボールベアリング23を介してアクチュエータケース18の内部空間との間を自由に行き来することが可能となり、アクチュエータA全体を潤滑油に漬けることで通電により発熱するヨーク51、ボビン52およびコイル53を冷却することができる。しかも第2ケース26を支持する左側のボールベアリング25を潤滑油の通過を阻止する密封型で構成したので、このボールベアリング25を通してハウジング14の外部に潤滑油が漏れるのを防止することができる。
【0023】
このように、差動機構Dのハウジング14の内部空間とアクチュエータケース18の内部空間とを連通させたので、ハウジング14に潤滑油を注入するだけでアクチュエータケース18に潤滑油を供給することが可能となり、ハウジング14およびアクチュエータケース18に別個に潤滑油を供給する場合に比べて作業性を高めることができる。
【0024】
次に、上記構成を備えた本発明の実施例の作用について説明する。
【0025】
差動機構Dは通常の差動機能に加えて、アクチュエータAの作動により差動制限機能を発揮する。
【0026】
先ず、差動機構Dの通常の差動機能について説明する。
【0027】
内燃機関Eの出力トルクが変速機Tを介して差動機構Dのアクスルドライブギヤ29に入力されると、アクスルドライブギヤ29にボルト30…で結合されたディファレンシャルケース28が回転する。車両が直進状態にあるとき、4個のディファレンシャルピニオン35…はピニオンシャフト31,32に対して回転せず、ディファレンシャルピニオン35…に噛み合う左側のディファレンシャルサイドギヤ37Lと一体の左車軸13と、ディファレンシャルピニオン35…に噛み合う右側のディファレンシャルサイドギヤ37Rと一体のハーフシャフト11とは同速で回転し、左右の駆動輪にトルクが均等に配分される。
【0028】
例えば、車両が左旋回状態にあるとき、左側の駆動輪に連なる左車軸13が減速されて右側の駆動輪に連なるハーフシャフト11が増速されるため、左右のディファレンシャルサイドギヤ37L,37Rに差回転が発生するが、その差回転は左右のディファレンシャルサイドギヤ37L,37Rに噛み合うディファレンシャルピニオン35…の回転により吸収される。同様に、車両が右旋回状態にあるとき、左側の駆動輪に連なる左車軸13が増速されて右側の駆動輪に連なるハーフシャフト11が減速されるため、左右のディファレンシャルサイドギヤ37L,37Rに差回転が発生するが、その差回転は左右のディファレンシャルサイドギヤ37L,37Rに噛み合うディファレンシャルピニオン35…の回転により吸収される。
【0029】
ディファレンシャルピニオン35…と一体の差動制限用ピニオン35′…に噛み合う差動制限用サイドギヤ37R′が回転しても、差動制限用サイドギヤ37R′とディファレンシャルサイドギヤ37Rとの間に配置された摩擦クラッチ44は非係合状態にあるため、差動機構Dは支障なく差動機能を発揮することができる。
【0030】
次に、アクチュエータAの作動により発生する差動制限機能について説明する。
【0031】
アクチュエータAのコイル53に通電すると0.5mmのエアギャップの範囲内でアマチュア57がヨーク51に吸引され、アマチュア57に段部11aが係合するハーフシャフト11が右方向に付勢される。このとき、ハーフシャフト11の外周に形成したテーパー面11bにアマチュア57の内周面に形成したテーパー面57aが密着することでアマチュア57がハーフシャフト11に強く係合し、ハーフシャフト11の段部11aに加わる荷重を軽減することができる。ハーフシャフト11の右端はステー10に支持されており、サスペンションに支持された右駆動輪の移動に伴って右車軸12が傾斜しても、ハーフシャフト11の軸線の方向は変化しないため、アクチュエータAによるハーフシャフト11の駆動を確実に行うことができる。
【0032】
ハーフシャフト11が右方向に付勢されると、このハーフシャフト11の左端に固定されたストッパプレート38がインナーガイド66を右方向に付勢するため、インナーガイド66の押圧部66aに力点71b…を押されたレバー71…が支点71a…まわりに揺動し、作用点71c…がプレッシャプレート70を左方向に付勢する。その結果、プレッシャプレート70に押圧されたフリクションディスク41…およびフリクションプレート42…が差動制限用サイドギヤ37R′の当接面37bが押し付けられて摩擦クラッチ44が係合する。このとき、レバー71…の支点71a…から力点71b…までの距離と作用点71c…までの距離とを変化させることで、つまり梃子として機能するレバー71…のレバー比を変化させることで、アクチュエータAの駆動力を任意の比率で拡大して摩擦クラッチ44を係合させることができる。
【0033】
このようにして、摩擦クラッチ44が係合して差動制限用サイドギヤ37R′がディファレンシャルサイドギヤ37Rに一体化されると、ディファレンシャルピニオン35…およびディファレンシャルサイドギヤ37R間のギヤ比が、差動制限用ピニオン35′…および差動制限用サイドギヤ37R′間のギヤ比と異なっていることから、ディファレンシャルピニオン35…と右側のディファレンシャルサイドギヤ37Rとは回転不能にロックされ、ディファレンシャルピニオン35…に噛み合う左側のディファレンシャルサイドギヤ37Lも回転不能にロックされる。
【0034】
以上のようにして、アクチュエータAを作動させることで、左右のディファレンシャルサイドギヤ37L,37Rの回転を拘束して差動機構Dに差動制限トルクを発生させることができ、またアクチュエータAのコイル53に供給する電流の大きさを制御すれば差動機構Dに任意の大きさの差動制限トルクを発生させることができる。またディファレンシャルケース28を介さずに一対のディファレンシャルサイドギヤ37L,37Rの差動制限を行うので、両ディファレンシャルサイドギヤ37L,37Rの各々に付与される差動制限力に偏りが生じ難いだけでなく、差動制限の応答性も高くなる。しかも、ピニオンシャフト31,32を横切る軸を介して一対のディファレンシャルサイドギヤ37L,37Rの差動制限を行う必要がないので、差動制限機構の構造が複雑化することがない。
【0035】
また差動機構Dの外部に設けたアクチュエータAが発生する係合力をハーフシャフト11を介して摩擦クラッチ44に伝達するので、既存の差動機構Dをそのまま利用して、あるいは僅かな設計変更を施すだけで、差動機構Dに任意の大きさの差動制限トルクを発揮させることができ、新たな差動機構Dを新規に設計する場合に比べてコストの削減に寄与することができる。
【0036】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
【0037】
例えば、実施例では制限機構として摩擦クラッチ44を例示したが、摩擦クラッチ44に代えてビスカスカップリングを採用することができる。
【0038】
【発明の効果】
以上のように請求項1に記載された発明によれば、ディファレンシャルピニオンに同軸かつ一体に設けた差動制限用ピニオンと、一対のディファレンシャルサイドギヤの何れか一方に対して同軸かつ相対回転自在に設けた差動制限用サイドギヤとを噛み合わせ、ディファレンシャルピニオンおよびディファレンシャルサイドギヤ間のギヤ比と差動制限用ピニオンおよび差動制限用サイドギヤ間のギヤ比とを異ならせたので、制限機構によりディファレンシャルサイドギヤと差動制限用サイドギヤとの相対回転を制限することで、ディファレンシャルピニオンと前記一方のディファレンシャルサイドギヤとを回転不能にロックし、かつロックしたディファレンシャルピニオンに噛み合う他方のディファレンシャルサイドギヤを回転不能にロックすることができる。このように、ディファレンシャルケースを介さずに一対のディファレンシャルサイドギヤを直接的に結合して差動制限を行うので、両ディファレンシャルサイドギヤの各々に付与される差動制限力に偏りが生じ難く、また差動制限の応答性も高くなる。しかもピニオンシャフトを横切る軸を介して一対のディファレンシャルサイドギヤの差動制限を行う必要がないので、差動制限機構の構造が複雑化することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】自動車用内燃機関の後面図
【図2】差動機構およびアクチュエータの拡大断面図
【図3】差動機構の構造を示す図2の要部拡大図
【図4】アクチュエータの構造を示す図2の要部拡大図
【図5】図3の5−5線断面図
【図6】図3の6−6線断面図
【図7】差動機構の構成要素の分解斜視図
【符号の説明】
28 ディファレンシャルケース
31 ピニオンシャフト
32 ピニオンシャフト
35 ディファレンシャルピニオン
35′ 差動制限用ピニオン
37L ディファレンシャルサイドギヤ
37R ディファレンシャルサイドギヤ
37R′ 差動制限用サイドギヤ
44 摩擦クラッチ(制限機構)
D 差動機構
E 内燃機関(原動機)

Claims (1)

  1. 原動機(E)からの駆動力によって回転駆動されるディファレンシャルケース(28)に固定されたピニオンシャフト(31,32)と、ピニオンシャフト(31,32)に回転自在に支持されたディファレンシャルピニオン(35)と、ディファレンシャルピニオン(35)に噛み合う一対のディファレンシャルサイドギヤ(37L,37R)とを備えたベベルギヤ式差動機構(D)の差動機能を制限すべく、一対のディファレンシャルサイドギヤ(37L,37R)の相対回転を制限する差動制限機構付き差動装置において、
    ディファレンシャルピニオン(35)に差動制限用ピニオン(35′)を同軸かつ一体に設け、この差動制限用ピニオン(35′)を何れか一方のディファレンシャルサイドギヤ(37R)と同軸かつ相対回転自在に設けた差動制限用サイドギヤ(37R′)に噛み合わせ、ディファレンシャルピニオン(35)およびディファレンシャルサイドギヤ(37R)間のギヤ比と差動制限用ピニオン(35′)および差動制限用サイドギヤ(37R′)間のギヤ比とを異ならせ、制限機構(44)によりディファレンシャルサイドギヤ(37R)と差動制限用サイドギヤ(37R′)との相対回転を制限することを特徴とする差動制限機構付き差動装置。
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