JP3628982B2 - 電磁クラッチの潤滑構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ソレノイドコイルと、ソレノイドコイルを囲んで配設されたコイルハウジングと、コイルハウジングの側面に対向して配設されたアーマチュアプレートと、クラッチ機構とを有して構成される電磁クラッチに関する。さらに詳しくは、コイルハウジングとアーマチュアプレートとの対向部(対向間隙)に潤滑油を供給するための潤滑構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
このような電磁クラッチは従来から種々のものが知られており、特開平10−194004号や、特開2000−240685号等に開示のものがある。これら公報に開示の電磁クラッチは、自動車のアクスル装置におけるディファレンシャル機構として用いられている。例えば、特開平10−194004号には、リアアクスル装置におけるハイポイドギヤからなる終減速機構の左右に電磁クラッチからなるディファレンシャルクラッチ機構を配設し、これら左右ディファレンシャルクラッチ機構の係脱制御を行ってディファレンシャル作用を行わせるとともに2−4輪駆動切換を行わせるように構成されている。
【0003】
このディファレンシャルクラッチ機構は、湿式多板クラッチ機構と、ソレノイド機構と、ボールカム機構とを有して構成される。ソレノイド機構は、ソレノイドコイルの周囲に配設したコイルハウジングに対向してアーマチュアプレートを配設して構成され、アーマチュアプレートはクラッチ機構の入力側に連結され、コイルハウジングはボールカム機構の一端側に連結される。ボールカム機構の他端側はクラッチ機構の出力側に連結されるとともにクラッチ機構を係合させるスラスト力を与えるように構成されている。
【0004】
このディファレンシャルクラッチ機構において、ソレノイドコイルに通電して発生する磁力によりコイルハウジングにアーマチュアプレートを吸着させると、これによりコイルハウジングがアーマチュアプレートと同一回転してボールカム機構の一端側をクラッチ機構の入力側と同一回転させる。ここでボールカム機構の他端側はクラッチ機構の出力側に連結されているため、クラッチ機構の入出力間に回転差があると(アクスル駆動側回転に対して後輪回転が相違するような場合)ボールカム機構の一端側に対して他端側が回転駆動され、他端側からクラッチ機構に係合方向のスラスト力が付与されてディファレンシャルクラッチ機構が係合されるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来のディファレンシャルクラッチ機構においては、ソレノイドの磁力によりコイルハウジングにアーマチュアプレートを吸着させる制御を行う場合に、両者は金属接触であり、滑り接触させると異音が発生するといった問題があり、ほとんどオン・オフ制御しか行えなかった。このため、ディファレンシャルクラッチ機構の係脱もオン・オフ制御しかできず、部分的な係合制御を行うことが非常に難しかった。
【0006】
本発明は、電磁クラッチにおいてコイルハウジングとアーマチュアプレートとの完全係合のみならず、両者を滑り接触させて部分係合させる制御を可能にすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明においては、ソレノイドコイルと、このソレノイドコイルを囲んで配設されたコイルハウジングと、このコイルハウジングの側面に対向して配設されたアーマチュアプレートと、クラッチ機構(例えば、実施形態において、クラッチハウジング52、セパレータプレート53、クラッチプレート54、プレッシャプレート55等から構成される機構)とを有して電磁クラッチが構成され、ソレノイドコイルへの通電電流を制御してコイルハウジングにアーマチュアプレートを吸着させる制御を行い、アーマチュアプレートに作用する吸着力を用いてクラッチ機構の係合制御を行う。さらに、半径方向内方からコイルハウジングとアーマチュアプレートとが対向する間隙に潤滑油を供給する潤滑油供給路(例えば、実施形態における第1潤滑孔61および第3潤滑孔63)を有し、コイルハウジングとアーマチュアプレートとの対向する部分の内周部に上記間隙に供給する潤滑油を溜める油溜部を形成している。この構造においてはさらに、アーマチュアプレートの内周面にオイルフェンスリングを装着し、オイルフェンスリングにより潤滑油供給路から供給される潤滑油を堰き止め、油溜部を形成している。
【0008】
このような構成の電磁クラッチの潤滑構造によれば、油溜部に溜められた潤滑油がコイルハウジングとアーマチュアプレートとが対向する間隙に十分に且つ効果的に供給され、両者を異音を発生させることなくスムーズに滑り接触させるような制御が可能である。このため、クラッチ機構をオン・オフ制御するだけでなく、部分係合させる制御が簡単に行える。
【0009】
上記構造において、オイルフェンスリングの内周端にリング状ゴム製リップを設けるのが好ましい。
【0010】
また、アーマチュアプレートの内周端の少なくとも一部を内径側にリング状に突出させてリング状突出部を形成し、リング状突出部により潤滑油供給路から供給される潤滑油を堰き止め、油溜部を形成しても良い。
【0011】
さらに、本発明においては、ソレノイドコイルと、ソレノイドコイルを囲んで配設されたコイルハウジングと、コイルハウジングの側面に対向して配設されたアーマチュアプレートと、クラッチ機構とを有して電磁クラッチが構成され、ソレノイドコイルへの通電電流を制御してコイルハウジングにアーマチュアプレートを吸着させる制御を行い、アーマチュアプレートに作用する吸着力をクラッチ機構の係合力に変換するカム機構(例えば、実施形態のボールカム機構65)が設けられて動力伝達装置が構成される。この場合には、アーマチュアプレートに作用する吸着力をカム機構を介して用いてクラッチ機構の係合制御を行うように構成され、半径方向内方からコイルハウジングとアーマチュアプレートとが対向する間隙に潤滑油を供給する潤滑油供給路を有し、コイルハウジングとアーマチュアプレートとの対向する部分の内周部に上記間隙に供給する潤滑油を溜める油溜部を形成している。この構造においてはさらに、アーマチュアプレートの内周面にオイルフェンスリングを装着し、オイルフェンスリングにより潤滑油供給路から供給される潤滑油を堰き止め、油溜部を形成している。
【0012】
このような構成の電磁クラッチの潤滑構造によっても、油溜部に溜められた潤滑油がコイルハウジングとアーマチュアプレートとが対向する間隙に十分に且つ効果的に供給され、両者を異音を発生させることなくスムーズに滑り接触させるような制御が可能である。このため、クラッチ機構をオン・オフ制御するだけでなく、部分係合させる制御が簡単に行える。
【0013】
なお、この構成において、潤滑油供給路をカム機構を通って形成し、カム機構も十分に潤滑するように構成するのが好ましい。
【0014】
上記構造において、オイルフェンスリングの内周端にリング状ゴム製リップを設けるのが好ましい。
【0015】
また、アーマチュアプレートの内周端の少なくとも一部を内径側にリング状に突出させてリング状突出部を形成し、リング状突出部により潤滑油供給路から供給される潤滑油を堰き止め、油溜部を形成しても良い。
【0016】
上記カム機構を、コイルハウジングに連結された第1カムプレートと、クラッチ機構の出力側部材に連結されるとともにクラッチに係合スラスト力を付与する第2カムプレートと、第1および第2カムプレートに形成されたカム溝内に配設されて第1および第2カムプレートにより挟持されたカムボールとから構成することかできる。この場合に、コイルハウジングの内周面に装着され第1カムプレートの側面に対向するリップ部を有したオイルシールにより潤滑油供給路から供給される潤滑油を堰き止め、油溜部を形成するのが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。まず、本発明に係る電磁クラッチを、アクスル装置におけるディファレンシャル作用を行うディファレンシャルクラッチ機構として用いる場合を説明する。このようなディファレンシャルクラッチ機構を用いて構成されるアクスル装置を有する車両の動力伝達系を図1に示している。
【0018】
この車両は四輪駆動車両であり、車体前部に横置きにエンジンENが配設され、エンジンENの出力端に一体に繋がってトランスミッションTMが取り付けられている。このトランスミッションTM内にはフロントディファレンシャル機構DFとトランスファー機構TFとが設けられている。トランスミッションTMにより変速されたエンジンENの動力(パワー)は、フロントディファレンシャル機構DFにおいて左右のフロントアクスルシャフトSFAに分割されて伝達され、左右の前輪WFを駆動する。上記エンジン動力はトランスファー機構TFにも分割されてフロントカップリングFCからプロペラシャフトPSに伝達される。このプロペラシャフトPSはリアカップリングRCを介してリアアクスル装置ARに繋がる。
【0019】
リアアクスル装置ARは、プロペラシャフトPSの回転をこれと直交するリアアクスルシャフトSRAに伝達できるように回転方向を変換するとともにこの回転を減速するハイポイドギヤ機構HG(終減速機構)と、ハイポイドギヤ機構HGの左右に位置してハイポイドギヤ機構HGの回転動力を左右のリアアクスルシャフトSRAに伝達する制御を行う左右一対のリアディファレンシャルクラッチ機構DRL,DRRとを有する。リアアクスル装置ARにおいては、プロペラシャフトPSを介して伝達されるエンジン動力が、ハイポイドギヤ機構HGを介して回転方向の変換がなされるとともに減速され、左右のリアディファレンシャルクラッチ機構DRL,DRRにより伝達制御されて左右のリアアクスルシャフトSRAに分割されて伝達され、左右の後輪WRを駆動可能となっている。
【0020】
このリアディファレンシャルクラッチ機構DRL,DRRは電磁クラッチを有して構成され、車輪の回転速度、車両の減速度等に応じて係合制御が行われる。このため、左右のリアディファレンシャルクラッチ機構DRL,DRRをともに解放させれば後輪WRにはエンジン動力は伝達されず、前輪WFのみ駆動される二輪駆動状態となる。一方、左右のリアディファレンシャルクラッチ機構DRL,DRRを係合させればエンジン動力を前輪WFおよび後輪WRに伝達する四輪駆動状態となる。この四輪駆動状態においては、後述するように駆動側回転と車輪回転とに差が発生するときにリアディファレンシャルクラッチ機構DRL,DRRが係合するように構成されている。また、左右のリアディファレンシャルクラッチ機構DRL,DRRの係合を適宜制御することにより、左右の後輪WRへの動力分割比率を適宜制御でき、いわゆるディファレンシャル機構としての機能を発揮させることもできる。
【0021】
上記リアアクスル装置ARについて図2〜図6を参照して説明する。なお、上述のようにリアアクスル装置AR内には左右一対のリアディファレンシャルクラッチ機構DRL,DRRが配設されるが、これらは左右対称の構造を有しているため、左右対称部分については同一符号を付して、重複する説明は省略する。
【0022】
リアアクスル装置ARは、センターハウジング1と、このセンターハウジング1の左右端部に結合配設された左右サイドハウジング2L,2Rとを有する。そして、センターハウジング1内に形成されたセンター空間1a内にハイポイドギヤ機構HGが配設され、左サイドハウジング2L内に形成された左サイド空間2a内に左ディファレンシャルクラッチ機構DRLが配設され、右サイドハウジング2R内に形成された右サイド空間2b内に右ディファレンシャルクラッチ機構DRRが配設されている。
【0023】
センターハウジング1内に配設されるハイポイドギヤHGは、回転軸が直行して配設されるとともに互いに噛合するドライブピニオン11とドリブンギヤ15とから構成される。ドライブピニオン11は車体前後方向に延びる回転軸を中心として回転可能であり、車体前後方向に延びるとともにテーパローラベアリング13a,13bによりセンターハウジング1に対して回転自在に支持されたピニオンシャフト12を有し、ピニオンシャフト12の先端がセンターハウジング1の外方に突出する。
【0024】
ピニオンシャフト12におけるこのように外方に突出した部分にコンパニオンフランジ30が保持ナット14により締結されてスプライン結合されている。コンパニオンフランジ30はボス部31に形成されたスプライン31aによりピニオンシャフト12と連結され、外端部に図5に示す形状の端面フランジ部32を有する。端面フランジ部32には締結ボルト取付用ネジ32aが形成されている。一方、プロペラシャフトPSは車体前後に延びて回転自在に支持されたドライブチューブ36の後端にユニバーサルジョイント37を介して取り付けられたヨークフランジ38を有し、このヨークフランジ38とコンパニオンフランジ30とが締結ボルト35により結合されている。これらヨークフランジ38およびコンパニオンフランジ30によりリアカップリングRCが構成され、プロペラシャフトPSの回転がピニオンシャフト12に伝達され、ハイポイドギヤ機構HGを回転駆動させる。
【0025】
ハイポイドギヤ機構HGを構成するドリブンギヤ15は、ボールベアリング16により車幅方向に延びる回転軸(ピニオンギヤ11の回転軸と直交する回転軸)を中心として回転自在となって、センターハウジング1により支持されている。ドリブンギヤ15には回転軸を中心とするインターナルスプライン15aが形成されており、左端部においてこのインターナルスプライン15aと噛合するセンターシャフト21がドライブギヤ15と同軸上を延びてセンターハウジング1内に配設されている。センターシャフト21の右端部はボールベアリング17を介してセンターハウジング1により回転自在に支持されており、センターシャフト21はドリブンギヤ15と一体回転する。
【0026】
ドリブンギヤ15の左端部15bは、外周部において左連結リング51とスプライン結合されており、この左連結リング51を介してドリブンギヤ15が左ディファレンシャルクラッチ機構DRLと連結されている。また、センターシャフト21の右端部21aは、外周部において右連結リング51とスプライン結合されており、この右連結リング51を介してセンターシャフト21が左ディファレンシャルクラッチ機構DRLと連結されている。ここで、センターシャフト21はドリブンギヤ15とスプライン結合されており、ドリブンギヤ15(すなわち、ハイポイドギヤ機構HG)は、左右のディファレンシャルクラッチ機構DRL,DRRと連結されている。
【0027】
これら左右ディファレンシャルクラッチ機構DRL,DRRについて、左ディファレンシャルクラッチ機構DRLを示す図4を参照して説明する。なお、前述したように、左ディファレンシャルクラッチ機構DRLは右ディファレンシャルクラッチ機構DRRと左右対称形状であり、その構造および作動は同一であるため、左ディファレンシャルクラッチ機構DRLのみについて説明し、右ディファレンシャルクラッチ機構DRRについての説明は省略する。
【0028】
左ディファレンシャルクラッチ機構DRLは、円筒形状のクラッチハウジング52と、このクラッチハウジング52内に配設された複数のセパレータプレート53および複数のクラッチプレート54とを有する。クラッチハウジング52は右端ハブ部52aにおいて連結リング51の外周51bとスプライン結合される。セパレータプレート53は金属製の円盤状部材からなり外周部においてクラッチハウジング52の内面と係合しており、クラッチハウジング52と一体回転する。クラッチプレート54は金属製の円盤状部材の両側面にクラッチフェーシング材を貼り付けて構成され、それぞれセパレータプレート53の間に配設されている。すなわち、セパレータプレート53とクラッチプレート54とが軸方向に交互に並んで配設されている。このようにして交互に位置してクラッチハウジング52内に配設された両プレート53,54を外側から覆うようにして円盤状のプレッシャプレート55が配設されている。
【0029】
このようにクラッチハウジング52内に配設されたセパレータプレート53、クラッチプレート54およびプレッシャプレート55の内周側にクラッチハブ56が配設されている。クラッチプレート54の内周がクラッチハブ56の外周と係合しており、クラッチプレート54とクラッチハブ56とが一体回転する。このクラッチハブ56は内周部においてスプライン結合して左サイドシャフト60の上に配設されている。クラッチハウジング52は、ラジアルベアリング64bおよびスラストベアリング74により左サイドシャフト60上に回転自在に取り付けられている。
【0030】
左サイドシャフト60は、右端部60aがドリブンギヤ15の右端部に形成された支持孔内に挿入されてラジアルベアリング64aにより回転自在に支持され、左側部においてボールベアリング70を介して左サイドハウジング2Lにより回転自在に支持されている。なお、右サイドシャフト60の場合は、右端部がセンターシャフト21の左端部に形成された支持孔内に挿入されてラジアルベアリング64aにより回転自在に支持される。この左シャフト60は左後輪WRに繋がっており、左側リアアクスルシャフトSRAを構成する。
【0031】
プレッシャプレート55の内径側側面が左側に突出して押圧部55aが形成されており、この押圧部55aに当接するようにしてボールカム機構65が配設されている。ボールカム機構65は、左サイドシャフト60の上に回転自在に配設された第1カムプレート66と、左サイドシャフト60にスプライン結合されて配設された第2カムプレート68と、両カムプレート66,68に形成された複数のカム溝66a,68a内に位置して配設された複数のカムボール67とから構成される(図6Aおよび図6B参照)。
【0032】
第1カムプレート66はリテーニングリング71およびスラストベアリング72により左サイドシャフト60に対して軸方向の位置決めがなされている。このため、後述するようにボールカム機構65により発生するスラスト力は第1カムプレート66により受け止められ、カムボール67を介して第2カムプレート68に作用し、第2カムプレート68を右方向に移動させて、プレッシャプレート55の押圧部55aを右に押圧する。
【0033】
第1カムプレート66の外周側に左端が開口した矩形断面を有するドーナッツ状のコイルハウジング81が配設されている。このコイルハウジング81は、左サイドシャフト60の回転中心を中心とするドーナッツ形状をしており、内周部が第1カムプレート66の外周とスプライン結合されており、第1カムプレート66と一体となって左サイドシャフト60の上を回転自在となっている。
【0034】
コイルハウジング81における左端が開口した断面矩形状の空間内にソレノイドコイル80が突出して配設されている。このソレノイドコイル80はソレノイドカバー80aにより覆われてドーナッツ形状に形成され、左サイドハウジング2Lに固設されている。ソレノイドカバー80aの外面とコイルハウジング81の矩形断面空間の内面との間には間隙を有しており、コイルハウジング81は固定保持されたソレノイドコイル80に対して自由に回転可能である。
【0035】
コイルハウジング81の右端面を形成する摺接面81aに対向して円盤状のアーマチュアプレート82が配設されている。アーマチュアプレート82は外周部においてクラッチハウジング52に係合しており、クラッチハウジング52と一体回転する。
【0036】
コイルハウジング81の内周面81bにオイルシール75が圧入されて取り付けられており、そのリップ部が第1カムプレート66の左側面に摺接している。また、アーマチュアプレート82の内周面にオイルフェンスリング76が圧入されて取り付けられている。このため、コイルハウジング81の内周面およびアーマチュアプレート82の内周面の内周側に、オイルシール75とオイルフェンスリング76に挟まれて油溜部77が形成される。この油溜部77はコイルハウジングの摺接面81aとアーマチュアプレート82の左端面を形成する摺接面82aとの間隙に連通する。
【0037】
オイルフェンスリング76は、リング状の金属心材の内周端にゴム製のリップを取り付けて構成している。このため、オイルフェンスリング76の内周端が第2カムプレート68の外周面と近接しているが、両者が回転中に接触してもゴムと金属の接触であり、接触により異音が発生したり、傷ついたりする問題はない。なお、オイルフェンスリング76はアーマチュアプレート82の内周面に圧入されて取り付けられているが、このように圧入すれば溶接もしくはボルト締結による取付に比べ、取付が簡単である。また、圧入の場合は、アーマチュアプレート82を通る磁束を乱すことがなく、コイルハウジングによるアーマチュアプレートの磁気吸着力を低下させるという問題が発生しにくい。
【0038】
左サイドシャフト60内に右端面から軸方向に延びる第1潤滑孔61が形成され、この第1潤滑孔61から径方向に延びる第2および第3潤滑孔62,63が形成されている。第1潤滑孔61には、センターシャフト21の上に取り付けられたトロコイドポンプPTから潤滑油が供給される。この潤滑油が、第2潤滑孔62からクラッチハブ56に形成された潤滑孔56aを通ってセパレータプレート53とクラッチプレート54との間に供給され、第3潤滑孔63からボールカム機構65を通って(第1カムプレート66および第2カムプレート68の間を通って)油溜部77に供給される。このため、ボールカム機構65の潤滑も十分に行われる。
【0039】
油溜部77内の潤滑油は、ここに連通するコイルハウジング81の摺接面81aとアーマチュアプレート82の摺接面82aとの間隙に効果的に供給される。このため、コイルハウジング81の摺接面81aとアーマチュアプレート82の摺接面82aとが滑り接触する場合にも異音を発生させることなく、スムーズな滑り接触となる。
【0040】
なお、第3潤滑孔63の位置は上記の位置に限定されるものではなく、例えば、図4の位置より左側に位置させてスラストベアリング72を介して外周側に供給するようにしても良い。但し、この場合には、スラストベアリング72を通った潤滑油を油溜部77に導くようにオイルシール75の位置を左側に移動させる必要がある。第3潤滑孔63を図4の位置より右側に位置させ、第2カムプレート68の右側に潤滑油を供給させるようにしても良い。但し、この場合には、このように供給される潤滑油を油溜部77に導くようにオイルフェンスリング76の位置および形状を設定する必要がある。
【0041】
以上のように構成された左リアディファレンシャルクラッチ機構DRLの作動を以下に説明する。
【0042】
上述のように、プロペラシャフトPSからハイポイドギヤ機構HGに伝達され、ドリブンギヤ15が回転駆動されると、その回転動力は連結リング51を介してクラッチハウジング52に伝達され、クラッチハウジング52が回転駆動される。ここで、ボールカム機構65を介してプレッシャプレート55にスラスト力が作用していない場合、すなわち、プレッシャプレート55がフリーな状態にある場合には、セパレータプレート53はクラッチハウジング52と一体回転し、クラッチプレート54はクラッチハブ56と一体回転するだけで、両プレート53,54間での動力伝達は行われない。このため、後輪WRには駆動力は伝達されず、車両は二輪駆動状態となる。
【0043】
一方、ボールカム機構65からプレッシャプレート55を右方向に押圧するスラスト力を作用させると、プレッシャプレート55がセパレータプレート53およびクラッチプレート54をクラッチハウジング52に押し付け、両者の摩擦力により両プレート53,54を係合させる。これによりクラッチハウジング52とクラッチハブ56とが一体回転し、後輪WRに駆動力が伝達される四輪駆動状態となる。
【0044】
このようにボールカム機構65を介してプレッシャプレート55にスラスト力を付与する制御は、ソレノイドコイル80への通電制御により行われる。ソレノイドコイル80が通電されるとこれを囲むコイルハウジング81に磁力が発生し、アーマチュアプレート82がコイルハウジング81に吸着される。これにより、コイルハウジング81の摺接面81aがアーマチュアプレート82の摺接面82aと摺接し、コイルハウジング81を、クラッチハウジング52と一体回転するアーマチュアプレート82と同一回転させようとする回転力Fがコイルハウジング81に作用する。
【0045】
ここで、コイルハウジング81は第1カムプレート66に結合され、第1カムプレート66は左サイドシャフト60に結合されており、後輪WRと一体に回転する。一方、アーマチュアプレート82はクラッチハウジング52に係合され、クラッチハウジング52はドリブンギヤ15に連結されており、エンジンENの回転と対応する。このことから分かるように、エンジンENにより駆動されるドリブンギヤ15の回転と後輪WRの回転とが同一回転のときには、上記回転力Fは発生しないが、回転差が発生したときに上記回転力Fが発生する。
【0046】
このようにエンジンENにより駆動されるドリブンギヤ15の回転と後輪WRの回転とに回転差が発生したときに上記回転力Fが発生し、この回転力Fはボールカム機構65において、図6Bに示すように第1カムプレート66に対して第2カムプレート68を回転させる力として作用する。ここで、両カムプレート66,68の間にはテーパ面を有したカム溝66a,68a内に位置してカムボール67が配設されている。このため、上記回転力Fにより第1カムプレート66に対して第2カムプレート68を相対回転させ、図6Bに示すように、第2カムプレート68が矢印Aで示すように、軸方向右に移動する。
【0047】
このように第2カムプレート68が右方向に移動するとこれがプレッシャプレート55の押圧部55aを右方向に押圧し、プレッシャプレート55がセパレータプレート53およびクラッチプレート54をクラッチハウジング52に押し付ける。この結果、両者の摩擦力により両プレート53,54が係合し、上記回転差が抑えられる。この場合におけるプレッシャプレート55に加わる押圧力は、上記回転力Fに対応し、この回転力Fはソレノイドコイル80の磁力によるアーマチュアプレート82の吸引力に対応する。
【0048】
このことから分かるように、ソレノイドコイル80に通電する電流を制御して、左ディファレンシャルクラッチ機構DRLにおけるクラッチ係合力を自由に制御可能であり、コイルハウジング81の摺接面81aに対してアーマチュアプレート82の摺接面82aが滑りながらアーマチュアプレート82を吸着させる制御となる。このとき、両摺接面81a,82aの間には油溜部77から潤滑油が効果的に供給されるため、スムーズな制御が可能である。
【0049】
このように油溜部77を形成することにより十分且つ効果的な潤滑油供給を行わせることが可能になるのであるが、この油溜部の形成は上記の構成に限られるものではない。例えば、アーマチュアプレート82の内周端を下方に突出させて油溜部を形成しても良い。但し、ソレノイドコイル80に通電したときにコイルハウジング81内とアーマチュアプレート82内を磁束が流れて吸引磁力が発生するものであるため、アーマチュアプレート82の内周端をそのまま内周に延ばしたのでは磁束が乱れ磁力が弱くなると言う問題がある。このため、図7に示すように、アーマチュアプレート82の内周端に幅の狭いリング状の突起82bを形成して油溜部を形成するのが好ましい。
【0050】
以上説明したように、上記のディファレンシャルクラッチ機構DRL,DRRは、電磁力を、ボールカム機構によりクラッチプレートを軸方向に押圧する力に変換してクラッチの係合制御を行っているが、アーマチュアプレートに作用する電磁力を直接クラッチの係合力として作用させてクラッチの係合制御を行わせても良い。
【0051】
上記リアアクスル装置ARにおいては、ハイポイドギヤ機構HGを構成するドリブンギヤ15の両側に左右ディファレンシャルクラッチ機構DRL,DRRを配設しているが、図8に示すように、ハイポイドギヤ機構HGの前に本発明に係る電磁クラッチ機構を配設しても良い。なお、図8において図1の動力伝達系と同一部分には同一番号を付して説明を省略する。
【0052】
図8の動力伝達系では、リヤカップリングRCとハイポイドギヤ機構HGとの間に電磁クラッチ機構を配設し、この電磁クラッチ機構により2−4切換機構CTを構成している。これにより、プロペラシャフトPSからハイポイドギヤ機構HGへの動力伝達を遮断して二輪駆動状態としたり、この動力伝達を行わせて四輪駆動状態とすることができる。このハイポイドギヤ機構HGからリヤディファレンシャル機構DRにより動力が分割されて左右の後輪WRに伝達される。このリヤディファレンシャル機構DRは従来から一般的に用いられている機構でも良いが、上述した左右リヤディファレンシャルクラッチ機構DRL,DRRを用いて構成しても良い。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、第1の本発明によれば、ソレノイドコイルを囲んでコイルハウジングを配設し、このコイルハウジングの側面に対向してアーマチュアプレートを配設し、ソレノイドコイルへの通電電流を制御してコイルハウジングにアーマチュアプレートを吸着させる制御を行い、アーマチュアプレートに作用する吸着力を用いてクラッチ機構の係合制御を行うように電磁クラッチが構成され、半径方向内方からコイルハウジングとアーマチュアプレートとが対向する間隙に潤滑油を供給する潤滑油供給路を有し、コイルハウジングとアーマチュアプレートとの対向する部分の内周部に上記間隙に供給する潤滑油を溜める油溜部を形成しているので、油溜部に溜められた潤滑油がコイルハウジングとアーマチュアプレートとが対向する間隙に十分に且つ効果的に供給され、両者を異音を発生させることなくスムーズに滑り接触させるような制御が可能であり、クラッチ機構をオン・オフ制御するだけでなく、部分係合させる制御が簡単に行える。
【0054】
さらに、第2の本発明によれば、ソレノイドコイルを囲んでコイルハウジングを配設し、このコイルハウジングの側面に対向してアーマチュアプレートを配設し、ソレノイドコイルへの通電電流を制御してコイルハウジングにアーマチュアプレートを吸着させる制御を行い、アーマチュアプレートに作用する吸着力をクラッチ機構の係合力に変換するカム機構が設けられており、アーマチュアプレートに作用する吸着力をカム機構を介して用いてクラッチ機構の係合制御を行うように構成され、半径方向内方からコイルハウジングとアーマチュアプレートとが対向する間隙に潤滑油を供給する潤滑油供給路を有し、コイルハウジングとアーマチュアプレートとの対向する部分の内周部に上記間隙に供給する潤滑油を溜める油溜部を形成しているので、油溜部に溜められた潤滑油がコイルハウジングとアーマチュアプレートとが対向する間隙に十分に且つ効果的に供給され、両者を異音を発生させることなくスムーズに滑り接触させるような制御が可能である。このため、クラッチ機構をオン・オフ制御するだけでなく、部分係合させる制御が簡単に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電磁クラッチを有して構成される四輪駆動車の動力伝達系を示す概略図である。
【図2】上記動力伝達系を構成するリアアクスル装置の構成を示す断面図である。
【図3】プロペラシャフトと上記リアアクスル装置との連結部の構成を示す部分断面図である。
【図4】上記リアアクスル装置における左ディファレンシャルクラッチ機構を示す断面図である。
【図5】リアアクスル装置に用いられるコンパニオンフランジの端面形状を示す図である。
【図6】上記左ディファレンシャルクラッチ機構を構成するボールカム機構を示す断面図である。
【図7】上記リアアクスル装置における左ディファレンシャルクラッチ機構の変形例を示す断面図である。
【図8】本発明に係る電磁クラッチを有して構成される四輪駆動車の異なる例に係る動力伝達系を示す概略図である。
【符号の説明】
52 クラッチハウジング(クラッチ機構)
53 セパレータプレート(クラッチ機構)
54 クラッチプレート(クラッチ機構)
55 プレッシャプレート(クラッチ機構)
61 第1潤滑孔(潤滑油供給路)
63 第3潤滑孔(潤滑油供給路)
65 ボールカム機構
66 第1カムプレート
67 カムボール
68 第2カムプレート
75 オイルシール
76 オイルフェンスリング
77 油溜部
80 ソレノイドコイル
81 コイルハウジング
82 アーマチュアプレート
Claims (7)
- ソレノイドコイルと、前記ソレノイドコイルを囲んで配設されたコイルハウジングと、前記コイルハウジングの側面に対向して配設されたアーマチュアプレートと、クラッチ機構とを有して電磁クラッチが構成され、
前記ソレノイドコイルへの通電電流を制御して前記コイルハウジングに前記アーマチュアプレートを吸着させる制御を行い、前記アーマチュアプレートに作用する吸着力を用いて前記クラッチ機構の係合制御を行うように構成され、
半径方向内方から前記コイルハウジングと前記アーマチュアプレートとが対向する間隙に潤滑油を供給する潤滑油供給路を有し、
前記アーマチュアプレートの内周面にオイルフェンスリングを装着し、前記オイルフェンスリングにより前記潤滑油供給路から供給される潤滑油を堰き止め、前記コイルハウジングと前記アーマチュアプレートとの対向する部分の内周部に前記間隙に供給する潤滑油を溜める油溜部を形成したことを特徴とする電磁クラッチの潤滑構造。 - 前記オイルフェンスリングの内周端にリング状ゴム製リップが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電磁クラッチの潤滑構造。
- ソレノイドコイルと、前記ソレノイドコイルを囲んで配設されたコイルハウジングと、前記コイルハウジングの側面に対向して配設されたアーマチュアプレートと、クラッチ機構とを有して電磁クラッチが構成され、
前記ソレノイドコイルへの通電電流を制御して前記コイルハウジングに前記アーマチュアプレートを吸着させる制御を行い、前記アーマチュアプレートに作用する吸着力を用いて前記クラッチ機構の係合制御を行うように構成され、
半径方向内方から前記コイルハウジングと前記アーマチュアプレートとが対向する間隙に潤滑油を供給する潤滑油供給路を有し、
前記アーマチュアプレートの内周端の少なくとも一部を内径側にリング状に突出させてリング状突出部を形成し、前記リング状突出部により前記潤滑油供給路から供給される潤滑油を堰き止め、前記コイルハウジングと前記アーマチュアプレートとの対向する部分の内周部に前記間隙に供給する潤滑油を溜める油溜部を形成したことを特徴とする電磁クラッチの潤滑構造。 - ソレノイドコイルと、前記ソレノイドコイルを囲んで配設されたコイルハウジングと、前記コイルハウジングの側面に対向して配設されたアーマチュアプレートと、クラッチ機構とを有して電磁クラッチが構成され、
前記ソレノイドコイルへの通電電流を制御して前記コイルハウジングに前記アーマチュアプレートを吸着させる制御を行い、前記アーマチュアプレートに作用する吸着力を前記クラッチ機構の係合力に変換するカム機構が設けられ、
前記アーマチュアプレートに作用する吸着力を前記カム機構を介して用いて前記クラッチ機構の係合制御を行うように構成され、
半径方向内方から前記コイルハウジングと前記アーマチュアプレートとが対向する間隙に潤滑油を供給する潤滑油供給路を有し、
前記アーマチュアプレートの内周面にオイルフェンスリングを装着し、前記オイルフェンスリングにより前記潤滑油供給路から供給される潤滑油を堰き止め、前記コイルハウジングと前記アーマチュアプレートとの対向する部分の内周部に前記間隙に供給する潤滑油を溜める油溜部を形成したことを特徴とする電磁クラッチの潤滑構造。 - 前記オイルフェンスリングの内周端にリング状ゴム製リップが設けられていることを特徴とする請求項4に記載の電磁クラッチの潤滑構造。
- ソレノイドコイルと、前記ソレノイドコイルを囲んで配設されたコイルハウジングと、前記コイルハウジングの側面に対向して配設されたアーマチュアプレートと、クラッチ機構とを有して電磁クラッチが構成され、
前記ソレノイドコイルへの通電電流を制御して前記コイルハウジングに前記アーマチュアプレートを吸着させる制御を行い、前記アーマチュアプレートに作用する吸着力を前記クラッチ機構の係合力に変換するカム機構が設けられ、
前記アーマチュアプレートに作用する吸着力を前記カム機構を介して用いて前記クラッチ機構の係合制御を行うように構成され、
半径方向内方から前記コイルハウジングと前記アーマチュアプレートとが対向する間隙に潤滑油を供給する潤滑油供給路を有し、
前記アーマチュアプレートの内周端の少なくとも一部を内径側にリング状に突出させてリング状突出部を形成し、前記リング状突出部により前記潤滑油供給路から供給される潤滑油を堰き止め、前記コイルハウジングと前記アーマチュアプレートとの対向する部分の内周部に前記間隙に供給する潤滑油を溜める油溜部を形成したことを特徴とする電磁クラッチの潤滑構造。 - ソレノイドコイルと、前記ソレノイドコイルを囲んで配設されたコイルハウジングと、前記コイルハウジングの側面に対向して配設されたアーマチュアプレートと、クラッチ機構とを有して電磁クラッチが構成され、
前記ソレノイドコイルへの通電電流を制御して前記コイルハウジングに前記アーマチュアプレートを吸着させる制御を行い、前記アーマチュアプレートに作用する吸着力を前記クラッチ機構の係合力に変換するカム機構が設けられ、
前記アーマチュアプレートに作用する吸着力を前記カム機構を介して用いて前記クラッチ機構の係合制御を行うように構成され、
前記カム機構が、前記コイルハウジングに連結された第1カムプレートと、前記クラッチ機構の出力側部材に連結されるとともに前記クラッチに係合スラスト力を付与する第2カムプレートと、前記第1および第2カムプレートに形成されたカム溝内に配設されて前記第1および第2カムプレートにより挟持されたカムボールとから構成され、
半径方向内方から前記コイルハウジングと前記アーマチュアプレートとが対向する間隙に潤滑油を供給する潤滑油供給路を有し、
前記コイルハウジングの内周面に装着され前記第1カムプレートの側面に対向するリップ部を有したオイルシールにより前記潤滑油供給路から供給される潤滑油を堰き止め、前記コイルハウジングと前記アーマチュアプレートとの対向する部分の内周部に前記間隙に供給する潤滑油を溜める油溜部を形成したことを特徴とする電磁クラッチの潤滑構造。
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