JP2004308681A - トルク断続装置 - Google Patents

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torque
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Shinji Yamazaki
伸司 山崎
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GKN Driveline Japan Ltd
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Tochigi Fuji Sangyo KK
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Abstract

【課題】回転アクチュエータの小型化と摩擦係合部の摩擦係合解除の応答性向上との両立を可能とする。
【解決手段】ラッチハウジング57及びクラッチハブ59と、クラッチハウジング57及びクラッチハブ59間のトルク伝達を行う摩擦多板クラッチ129と、推力により摩擦多板クラッチ129を締結するための加圧部材セット137と、加圧部材セット137の部材141を回転駆動して部材139,141間の相対回転を発生させる電動モータ171とを備え、回転アクチュエータ233と加圧部材セット137との間に、回転断続手段235を設け、回転アクチュエータ233の回転駆動により部材141を回転駆動するときに回転断続手段235を回転接続状態とし回転断続手段235を回転遮断状態として加圧部材セット137の推力を解放するように断続制御する制御手段を設けたことを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車のトルク断続装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のトルク断続装置としては、例えば図5に示すようなものがある。図5は、トルク断続装置の要部断面図である。
【0003】
図5のように、トルク断続装置301は、クランクシャフト303に対して出力軸305が相対回転可能に配置されている。出力軸305には、クラッチプレッシャプレート307が一体に設けられ、クラッチプレート309を介してクラッチハウジング311が回転軸芯に沿った方向に対向している。
【0004】
前記クラッチハウジング311に対して、スラスト軸受313を介し、押圧リング315が隣接して配置されている。押圧リング315は、固定側であるケーシング317に回転方向に係合し、回転軸芯に沿った方向に移動可能となっている。押圧リング315に対し、支持リング319が対向している。
【0005】
前記押圧リング315と支持リング319との間には、ボール321を備えたカム機構が設けられている。支持リング319は、スラスト軸受323を介して、ケーシング317側に支持された支持リング325に当接している。
【0006】
前記支持リング319には、軸327の一端に設けられた歯車329が噛み合っている。軸327の他端には、歯車331が設けられ、電動機333側のピニオン335に噛み合っている。
【0007】
従って、電動機333の駆動によって、ピニオン335、歯車331、軸327、歯車329を介して、支持リング319が回転する。この支持リング319は押圧リング315に対して相対回転し、ボール121を有したカム機構が働いて推力が発生する。この推力は、支持リング325に対する反力として、押圧リング315を移動させ、クラッチハウジング311を回転軸芯に沿った方向へ押圧する。
【0008】
この押圧によって、クラッチハウジング311が移動し、プレッシャプレート307との間でクラッチプレート309が締結される。この締結によって、クランクシャフト303からクラッチプレート309を介し、出力軸305側へトルク伝達が行われる(例えば、特許文献1参照)。
【0009】
【特許文献1】
特開平6−264978号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、前記トルク断続装置301では、前記電動機333の回転が、ピニオン335、歯車331、歯車329を介し、支持リング319へ大きく減速されて伝達される。このため、小さな電動機333を用いてクラッチプレート309を確実に締結制御することができる。
【0011】
しかし、クラッチプレート309の締結を解除するときに、前記電動機333を逆転させて各部の連動により支持リング319を動作させると、前記ピニオン335、歯車331、歯車329の減速があるため、電動機333の逆転に対してクラッチプレート309の締結解除動作の応答遅れを招き易くなる。このため、電動機333のさらなる小型化を図るためにより大きな減速を行うことにも無理がある。
【0012】
本発明は、回転アクチュエータの小型化と摩擦係合部の摩擦係合解除の応答性向上との両立が可能なトルク断続装置の提供を課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、固定側に対して回転可能に支持され入出力伝達を行うためのクラッチハウジング及びクラッチハブと、前記クラッチハウジング及びクラッチハブ間に設けられ、締結力に応じて両者間のトルク伝達を行う摩擦係合部と、相対回転可能な一対の部材を備え該部材間の相対回転により推力を発生して前記摩擦係合部を摩擦係合させるための加圧部材セットと、前記固定側に支持され前記加圧部材セットの少なくとも一方の部材を回転駆動して前記相対回転を起こす回転アクチュエータとを備え、前記回転アクチュエータと前記加圧部材セットとの間に、回転断続手段を設け、前記回転アクチュエータの回転駆動により前記部材を回転駆動して推力を発生させるときに前記回転断続手段を回転接続状態とすると共に前記回転断続手段を回転遮断状態として前記推力を解放するように断続制御する制御手段を設けたことを特徴とする。
【0014】
請求項2の発明は、請求項1記載のトルク断続装置であって、前記回転断続手段は、前記回転アクチュエータに設けられ、前記回転断続手段により、前記回転アクチュエータの回転駆動軸の回転駆動を断続することを特徴とする。
【0015】
請求項3の発明は、請求項2記載のトルク断続装置であって、前記回転断続手段は、電磁クラッチであることを特徴とする。
【0016】
請求項4の発明は、請求項1〜3の何れかに記載のトルク断続装置であって、前記回転アクチュエータは、減速歯車機構を備え、前記回転断続手段は、前記減速歯車機構と前記回転駆動軸との間の回転駆動を断続することを特徴とする。
【0017】
請求項5の発明は、請求項4記載のトルク断続装置であって、前記減速機構は、ウォームギヤ及びウォームホイールであり、前記回転断続手段は、前記回転駆動軸に一体又は一体的に設けられ前記ウォームホイールに対向するフランジ部と、該ウォームホイール及びフランジ部間に設けられ両者間の締結により摩擦係合を行わせるアクチュエータ摩擦係合部と、前記ウォームホイール及びフランジ部間を通電制御により締結させる電磁石とを備えたことを特徴とする。
【0018】
請求項6の発明は、請求項1〜5の何れかに記載のトルク断続装置であって、エンジンの出力側に配置された発進クラッチ、又は四輪駆動車のトランスファの出力側、リヤデファレンシャル装置への入力側、トランスファとリヤデファレンシャルとの間のプロペラシャフト、前輪側アクスルシャフト、後輪側アクスルシャフトの何れかに配置されたトルク伝達装置として構成されたことを特徴とする。
【0019】
【発明の効果】
請求項1の発明では、ハウジング等の固定側に対して回転可能に支持され、入出力伝達を行うためのクラッチハウジング及びクラッチハブと、前記クラッチハウジング及びクラッチハブ間に設けられ締結力に応じて両者間のトルク伝達を行う摩擦係合部と、相対回転可能な一対の部材を備え該部材間の相対回転により推力を発生して前記摩擦係合部を締結するための加圧部材セットと、前記固定側に支持され前記加圧部材セットの少なくとも一方の部材を回転駆動して前記相対回転を起こす回転アクチュエータとを備えたため、回転アクチュエータにより加圧部材セットの少なくとも一方の部材を回転駆動することにより、一対の部材間が相対回転して推力を発生し、摩擦係合部を摩擦係合させることができる。従って、クラッチハウジング及びクラッチハブ間のトルク断続を行うことが可能となる。
【0020】
しかも、前記回転アクチュエータと前記加圧部材セットとの間に、回転断続手段を設け、前記回転アクチュエータの回転駆動により前記部材を回転駆動して推力を発生させるときに前記回転断続手段を回転接続状態とすると共に前記回転断続手段を回転遮断状態として前記推力を解放するように断続制御する制御手段を設けたため、前記摩擦係合部を摩擦係合させるときは、前記回転断続手段を回転接続状態とし、前記回転アクチュエータから大きく減速して加圧部材セットの部材を回転駆動することができる。この回転駆動により加圧部材セットは推力を発生させ、摩擦係合部を摩擦係合させることができる。
【0021】
従って、小型の回転アクチュエータにより摩擦係合部を確実に摩擦係合させることができ、全体的により小型、軽量化を図ることができる。
【0022】
前記摩擦係合部の摩擦係合を解除するときは、前記回転断続手段を回転遮断状態として前記推力を解放すると摩擦係合部の摩擦係合もこれに応じて直ちに解除される。
【0023】
従って、前記回転アクチュエータから大きく減速して加圧部材セットの部材を回転駆動する構成としても、摩擦係合部の摩擦係合解除の応答性を著しく向上させることができる。
【0024】
請求項2の発明は、請求項1の発明の効果に加え、前記回転断続手段は、前記回転アクチュエータに設けられ、前記回転断続手段により、前記回転アクチュエータの回転駆動軸の回転駆動を断続するため、回転アクチュエータ及び回転断続手段を一体的に取り扱うことが可能となり、部品点数が少なくなり、組み付け、部品管理が容易となる。
【0025】
請求項3の発明は、請求項2の発明の効果に加え、前記回転断続手段は、電磁クラッチであるため、電磁クラッチの通電制御により、摩擦係合部の摩擦係合及びその解除を的確に行うことができる。
【0026】
請求項4の発明は、請求項1〜3の発明の効果に加え、前記回転アクチュエータは、減速歯車機構を備え、前記回転断続手段は、前記減速歯車機構と前記回転駆動軸との間の回転駆動を断続するため、回転アクチュエータから減速歯車機構により減速して回転駆動することができながら、摩擦係合部の摩擦係合解除の応答性を確実に向上させることができる。
【0027】
すなわち、回転断続手段を回転遮断状態としたとき減速歯車機構に対し回転駆動軸が回転自由となるため、加圧部材セットの戻り力で回転駆動軸側の回転が容易に戻され、加圧部材セットの推力を瞬時に解放することができる。この推力の解放に応じて摩擦係合部の摩擦係合も直ちに解除される。従って、解除応答性が向上する。
【0028】
請求項5の発明では、請求項4の発明の効果に加え、前記減速歯車機構は、ウォームギヤ及びウォームホイールであり、前記回転断続手段は、前記回転駆動軸に一体又は一体的に設けられ前記ウォームホイールに対向するフランジ部と、該ウォームホイール及びフランジ部間に設けられ両者間の締結により摩擦係合を行わせるアクチュエータ摩擦係合部と、前記ウォームホイール及びフランジ部間を通電制御により締結させる電磁石とを備えたため、回転アクチュエータからウォームギヤ及びウォームホイールにより減速して回転駆動することができながら、摩擦係合部の摩擦係合解除の応答性を確実に向上させることができる。
【0029】
すなわち、電磁石の通電制御によりウォームホイール及びフランジ部間をアクチュエータ摩擦係合部を介して摩擦係合させ、ウォームギヤ及びウォームホイールによる大きな減速を介して回転駆動軸を回転駆動することができる。
【0030】
また、電磁石により前記摩擦係合を解除するとウォームホイールに対して回転駆動軸が回転自由となる。この回転自由により、加圧部材セットの戻り力で回転駆動軸側の回転が容易に戻され、加圧部材セットの推力を瞬時に解放することができる。この推力の解放に応じて摩擦係合部の摩擦係合も直ちに解除される。従って、解除応答性が向上する。
【0031】
請求項6の発明では、請求項1〜5の何れかの発明の効果に加え、エンジンの出力側に配置された発進クラッチまたは四輪駆動車のトランスファの出力側、リヤデファレンシャル装置への入力側、トランスファとリヤデファレンシャルとの間のプロペラシャフト、前輪側アクスルシャフト、後輪側アクスルシャフトの何れかに配置されたトルク伝達装置として構成されたため、発進クラッチ、各トルク伝達装置の何れかとしてトルク断続を的確に行うことができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一実施形態に係るトルク断続装置として発進クラッチの配置を示す四輪駆動車のスケルトン平面図である。
【0033】
図1のように、本発明のトルク断続装置としての発進クラッチ1は、エンジン3の出力側に配置されている。発進クラッチ1の出力側には、トランスミッション5が結合されている。トランスミッション5としては、自動変速機(AT)、複数の駒からなる金属チェーンを用いた無断変速機(CVT)、多段ギヤを持った変速機(MT)等が採用されている。
【0034】
前記トランスミッション5の出力トルクは、フロントデファレンシャル7のリングギヤ9に入力されるようになっている。フロントデファレンシャル7には、左右のアクスルシャフト11,13を介して、左右の前輪15,17が連動連結されている。
【0035】
前記フロントデファレンシャル7のデフケース19には、トランスファ21側において平歯車23が結合されている。平歯車23は、伝導軸25の平歯車26に噛み合っている。伝導軸25には、傘歯車27が取り付けられ、後輪側への出力軸29に取り付けられた傘歯車31に噛み合っている。
【0036】
前記後輪側への出力軸29は、プロペラシャフト33を介してドライブピニオンシャフト35に結合されている。ドライブピニオンシャフト35に設けられたドライブピニオンギヤ37は、リヤデファレンシャル39のリングギヤ41に噛み合っている。リヤデファレンシャル39には、左右のアクスルシャフト43,45を介して、左右の後輪47,49が連動連結されている。
【0037】
そして、前記発進クラッチ1がトルク伝達状態であるとき、エンジン3からトランスミッション5を介して、フロントデファレンシャル7のリングギヤ9にトルク伝達が行われる。リングギヤ9へのトルク伝達により、一方ではフロントデファレンシャル7から左右のアクスルシャフト11,13を介し、左右の前輪15,17へトルク伝達が行われる。
【0038】
他方では、フロントデファレンシャル7のデフケース19からトランスファ21側の平歯車23へトルク伝達が行われ、平歯車26、伝導軸25、傘歯車27,31、出力軸29、プロペラシャフト33、ドライブピニオンシャフト35、ドライブピニオンギヤ37を介して、リヤデファレンシャル39のリングギヤ41へトルク伝達が行われる。リヤデファレンシャル39からは、左右のアクスルシャフト43,45を介して左右の後輪47,49へトルク伝達が行われる。
【0039】
従って、自動車は、前輪15,17及び後輪47,49での四輪駆動状態で走行することができる。
【0040】
また、自動車が駐停車状態などであるとき、発進クラッチ1がトルク非伝達状態とされ、エンジン3のトルクは、トランスミッション5へ伝達されることがなくなる。従って、トランスミッション5側の部材が無駄に回されることがなく、燃費向上を図ることができる。
【0041】
前記発進クラッチ1の詳細は、図2,図3のようになっている。図2は一実施形態に係る発進クラッチの断面図、図3は要部の拡大断面図である。
【0042】
図2,図3のように、発進クラッチ1は、固定側であるハウジング51内に収容配置されている。ハウジング51は、前記エンジン3のシリンダブロック及びトランスミッション5のミッションケース53間に介設され、例えばボルト55等により、複数箇所で締結固定されている。
【0043】
前記発進クラッチ1は、クラッチハウジング57及びクラッチハブ59を備えている。クラッチハウジング57及びクラッチハブ59は、前記ハウジング51側に回転可能に支持され、トルクの入出力伝達を行うものである。
【0044】
前記クラッチハウジング57は、本体部61と、端板部63とからなっている。本体部61及び端板部63共に板金等のプレス成形によって形成されている。
【0045】
前記本体部61は、回転半径に沿った方向外周側の係合周壁65と、回転軸芯に沿った方向前後一方の外側壁67とを備えている。
【0046】
前記係合周壁65の内面には、スプライン部69が設けられている。係合周壁65の外周面には、係合溝71が周方向へ所定間隔で設けられている。係合周壁65には、回転半径方向内外に貫通する複数の貫通孔が形成され、係合周壁65の内周側と外周側との間で潤滑オイルを通すことができるようになっている。
【0047】
前記外側壁67は、回転半径に沿った方向の内周側へ延びて形成されている。この外側壁67には、前記クラッチハブ59の内周側へ入り込むように形成された収容凹部73が設けられている。外側壁67には、収容凹部73側で回転半径方向内外に貫通する複数の貫通孔100(図2)が形成され、収容凹部73側とその外周側との間で潤滑オイルを通すことができるようになっている。前記外側壁67には、ボス部75が一体的に設けられている。ボス部75は、鍛造等によって形成され、回転半径に沿った方向のフランジ部77を周回状に備えている。フランジ部77は、前記外側壁67の内縁側に収容凹部73において溶接79により固着されている。従って、フランジ部77は、前記外側壁67の一部を構成し、収容凹部73を形成している。
【0048】
前記フランジ部77には、回転軸芯に沿った方向に貫通する貫通部81が設けられている。貫通部81は、例えば周方向に所定間隔で複数設けられている。
【0049】
前記ボス部75には、回転半径方向に沿った油孔83,85が回転軸芯に沿った方向で間隔を有して設けられ、それぞれ周方向に所定間隔で複数備えられている。ボス部75の端部には、係合部87が設けられている。
【0050】
前記端板部63は、結合周壁89と外側壁91とからなっている。
【0051】
前記結合周壁89は、回転半径に沿った方向外周側に周回状に設けられ、内周面に回転軸芯に沿った方向の係合突条93が周方向へ所定間隔で設けられている。結合周壁89には、回転半径方向内外に貫通する複数の貫通孔100(図2)が形成され、結合周壁89の内周側と外周側との間で潤滑オイルを通すことができるようになっている。結合周壁89は、前記係合周壁65の外周側に回転軸芯に沿った方向から嵌合し、係合突条93が係合溝71に係合している。
【0052】
前記外側壁91は、前記一方の外側壁67に回転軸芯に沿った方向に対向している。従って、クラッチハウジング57は、概ね閉断面に形成されている。外側壁91の内周縁側には、ボス部95が備えられている。ボス部95には、結合体96が溶接等によって一体的に結合されている。
【0053】
前記クラッチハブ59は、板金等のプレス成形によって形成され、係合周壁97と結合壁99と押圧部102とを備えている。
【0054】
前記係合周壁97には、その外周面にスプライン部101が設けられている。係合周壁97には、回転半径方向内外に貫通する貫通孔が複数設けられ、係合周壁97の内周側と外周側との間で潤滑オイルを通すことができるようになっている。
【0055】
前記結合壁99は、前記クラッチハウジング57の外側壁67,91間に位置し、外側壁67,91に沿って回転半径方向に延びている。結合壁99の内周縁には、鍛造等によって形成されたボス部103が一体的に結合されている。ボス部103には、フランジ部104とリング支持部106が一体に設けられている。
【0056】
前記フランジ部104は、前記結合壁99に圧入、溶接等によって一体的に固着され、結合壁99の一部を構成している。前記リング支持部106は、周回状に設けられ、このリング支持部106には、潤滑オイル通過用の凹部108が周方向に所定間隔で複数設けられている。
【0057】
前記押圧部102は、周回状に形成されている。
【0058】
そして、前記クラッチハウジング57の一方のボス部75は、ニードルベアリング105を介して、前記ミッションケース53側の支持筒107に回転自在に支持されている。ボス部75の係合部87は、オイルポンプ109に係合している。オイルポンプ109は、ポンプハウジング111に設けられている、ポンプハウジング111は、ミッションケース53側に設けられた壁部材112に取り付けられている。
【0059】
前記クラッチハウジング57の他方のボス部95は、ベアリング113によってクラッチハブ59側のボス部103に相対回転自在に支持されている。ボス部95とハウジング51との間には、シール115が介設されている。ボス部95の結合体96の先端は、クランクシャフト118の端部に相対回転自在に嵌合している。結合体96には、ダンパー120の一側が噛み合っている。ダンパー120の他側は、クランクシャフト118に結合されている。
【0060】
前記クラッチハブ59のボス部103は、前記トランスミッション5側への入力軸117にスプライン嵌合している。入力軸117は、ニードルベアリング119を介して、前記支持筒107内周面に回転自在に支持されている。
【0061】
前記入力軸117には、回転軸芯に沿った方向の油孔121と、回転半径方向に沿った油孔123,125とが設けられている。油孔123は、前記オイルポンプ109側に連通している。油孔125は、油孔121側からのオイルを回転半径方向に排出して、後述する摩擦多板クラッチ側へ供給するためのものである。
【0062】
前記油孔121の端部は、貫通孔128を有した蓋部材127で閉じられている。
【0063】
前記クラッチハウジング57及びクラッチハブ59間には、摩擦係合部として摩擦多板クラッチ129が設けられている。摩擦多板クラッチ129は、締結力に応じて摩擦係合し、クラッチハウジング57及びクラッチハブ59間のトルク伝達を行うものである。
【0064】
前記摩擦多板クラッチ129のアウタープレート131は、前記クラッチハウジング57側のスプライン部69にスプライン係合し、インナープレート133は、前記クラッチハブ59側のスプライン部101にスプライン係合している。
【0065】
前記係合周壁65の内周面には、前記摩擦多板クラッチ129の締結を受け止めるストッパリング135が固定されている。
【0066】
前記ボス部75上には、加圧部材セット137が配置されている。加圧部材セット137は、前記クラッチハウジング57の収容凹部73に配置され、前記クラッチハウジング57の係合周壁65及びクラッチハブ59の係合周壁97の内周側に位置している。
【0067】
前記加圧部材セット137は、相対回転可能な一対の部材139,141を備えている。部材139,141は、ドーナツ板状に形成され、両者間にボール143を備えたカム機構145が設けられている。カム機構145は、部材139,141間の相対回転により、回転軸芯に沿った方向の推力を発生するものである。加圧部材セット137は、前記推力によって前記摩擦多板クラッチ129を加圧締結するものである。
【0068】
前記部材139の外周面には、係合部150が設けられ、前記固定側であるポンプハウジング111の係止部152に回転方向に係止されている。部材139の背面は、ニードルベアリング147を介して、ストッパリング149に支持され、ストッパリング149はスナップリング151によってボス部75に回転軸芯に沿った方向に位置決められている。ニードルベアリング147は、ボス部75の外周において前記一方の油孔85と位置的に対応している。
【0069】
前記加圧部材セット137と前記クラッチハブ59側のフランジ部104との間に伝達部材153が介設されている。伝達部材153は、前記加圧部材セット137と前記クラッチハブ59の結合壁を構成するフランジ部104との間に介設され前記加圧部材セット137の推力を前記クラッチハブ59へ伝達するためのものである。
【0070】
前記伝達部材153は、前記貫通部81に貫通配置されている。伝達部材153は、リング状の基部155と、該基部155に一体に設けられ前記貫通部81を貫通する当接部157とからなっている。当接部157は、前記貫通部81に対応して周方向に所定間隔で複数個設けられている。
【0071】
前記基部155の背面は、ニードルベアリング159を介して、前記部材141側に当接している。ニードルベアリング159は、ボス部75の外周において前記他方の油孔83と位置的に対応している。
【0072】
前記当接部157は、前記フランジ部104のリング支持部106に支持されたリング161に当接している。リング161は、ニードルベアリング163を介して、フランジ部104側に当接している。
【0073】
前記部材141の外周部には、歯車プレート165の内周縁側がリベット167の締結によって固定されている。歯車プレート165は、断面が屈曲形成され、前記収容凹部73から外周側へ延設されている。
【0074】
前記歯車プレート165には、ダンパー機構191が設けられている。ダンパー機構191は、後述する回転アクチュエータ233側の慣性力をダンピングするものであり、慣性力によってカム機構145で発生する推力が一時的に大きく立ち上がるのを抑制する。
【0075】
前記歯車プレート165には、折曲部193が設けられている。折曲部193の根元部において、補助プレート195がスポット溶接等によって固定され、折曲部193と補助プレート195との間に、間隔を空けた支持部を構成している。折曲部193と補助プレート195とには、それぞれスプリング係合窓が設けられている。
【0076】
前記折曲部193及び補助プレート195間には、遊動プレート199が介設されている。遊動プレート199にもスプリング係合窓201が設けられている。
【0077】
前記各スプリング係合窓に係合するように、ダンピング用のコイルスプリング203が介設されている。前記遊動プレート199の外周端縁には、ギヤ169が設けられている。
【0078】
前記ミッションケース53側には、電動モータを備えた前記回転アクチュエータ233が取り付けられている。回転アクチュエータ233の回転駆動軸173は、ハウジング51内に突設して配置されている。回転駆動軸173には、ギヤ175が設けられ、前記歯車プレート165のギヤ169に噛み合っている。ギヤ175,169は、大きなギヤ比を持っている。
【0079】
ここで、本実施形態では、回転アクチュエータ233と、加圧部材セット137との間に、回転断続手段として電磁クラッチ235を設けたことを特徴とする。また、前記回転アクチュエータ233の回転駆動により加圧部材セット137を駆動し、前記推力を発生させるときは、前記電磁クラッチ235を回転接続状態とし、前記推力を解放するときは、同回転遮断状態とする制御手段としてコントローラを設けている。
【0080】
前記電磁クラッチ235は、本実施形態において回転アクチュエータ233のアクチュエータハウジング236に取り付けられた電磁石238を備えている。前記回転アクチュエータ233は、電動モータによって正逆回転駆動されるウォームギヤ237と、該ウォームギヤ237に噛み合うウォームホイール239とを備え、減速歯車機構を構成している。従って、ウォームギヤ237とウォームホイール239との間で大きな減速が行われる。
【0081】
前記ウォームホイール239には、ビス241によってプレート243が締結固定されている。プレート243の内周縁244は、回転駆動軸173の端部側に設けられた周溝246に嵌合支持されている。これにより、ウォームホイール239は、回転駆動軸173側に相対回転自在に支持されている。プレート243は可撓構造であり、ウォームホイール239はウォームギヤ237と噛み合ったまま、電磁石238側へ若干移動できるようになっている。
【0082】
前記回転駆動軸173には、フランジ部245が設けられている。フランジ部245には、非磁性体部247が周回状又は周方向へ所定間隔で設けられている。フランジ部245とウォームホイール239との対向面には、所定の摩擦係数を有したアクチュエータ摩擦係合部として摩擦クラッチプレート249が介設されている。摩擦クラッチプレート249は、省略することもでき、フランジ部245とウォームホイール239との対向面をそれぞれ所定の摩擦係数を有するように形成することもできる。
【0083】
従って、本実施形態では、前記電磁石238、ウォームホイール239、フランジ部245、摩擦クラッチプレート249が、前記電磁クラッチ235を構成している。
【0084】
前記フランジ部245の外周側には、鍔部251が設けられている。鍔部251は、前記電磁石238とアクチュエータハウジング236との間に介在してアクチュエータハウジング236側に回転ガイドされる。
【0085】
前記アクチュエータハウジング236には、嵌合部255が突設され、前記回転駆動軸173は、該嵌合部255を貫通している。嵌合部255には、Oリング等のシール253が備えられている。嵌合部255は、ミッションケース53側の嵌合凹部257内に嵌合保持されている。
【0086】
そして、コントローラにより、電磁石238を通電制御すると、電磁石238から回転駆動軸173側のフランジ部245を通り、ウォームホイール239との間で磁界が形成される。この磁界によってウォームホイール239及び回転駆動軸173のフランジ部245が電磁石238側に引き付けられる。
【0087】
この引き付けにより、フランジ部245とウォームホイール239との間の摩擦クラッチプレート249が締結され、ウォームホイール239からフランジ部245を介し回転駆動軸173側へ回転力が伝達される。
【0088】
従って、電動モータの回転によりウォームギヤ237を回転駆動することにより、回転駆動軸173を大きく減速しながら回転駆動することができる。
【0089】
前記電磁石238の通電制御が停止されると、プレート243の戻り力によって、フランジ部245からウォームホイール239が離れ、摩擦クラッチプレート249の締結が解除される。従って、ウォームホイール239のプレート243に対し回転駆動軸173が相対回転可能となり、回転駆動軸173は自由に回転することができる。
【0090】
すなわち、フランジ部245とウォームホイール239とが結合されている状態では、電動モータによってウォームギヤ237が回転駆動されると、ウォームホイール239が大きく減速回転する。ウォームホイール239からは、摩擦クラッチプレート249、フランジ部245を介して回転駆動軸173が回転駆動される。前記回転駆動軸173からは、ギヤ175,169間で再び減速され、歯車プレート165が減速回転駆動される。
【0091】
前記歯車プレート165の減速回転により加圧部材セット137の部材141が同方向へ回転する。加圧部材セット137の部材139は、係合部150及び係止部152を介して、固定側であるポンプハウジング111側に回転方向に係止されている。このため、前記部材141の回転によって部材139,141間で所定角度の相対回転を生じる。
【0092】
この相対回転によって、カム機構145が働き、加圧部材セット137は、回転軸芯に沿った方向に推力を発生する。この推力は、部材139、ニードルベアリング147、ストッパリング149、スナップリング151を介して、ボス部75側で受けられる。ボス部75からの反力として部材141に推力が作用し、部材141が伝達部材153側へ移動する。
【0093】
この部材141の移動によって、ニードルベアリング159、伝達部材153、リング161、ニードルベアリング163を介して、フランジ部104が押圧される。このフランジ部104の押圧によって、結合壁99全体が同方向に移動し、押圧部102によって摩擦多板クラッチ129がストッパリング135に対して締結される。
【0094】
この摩擦多板クラッチ129の締結に際して、ストッパリング135で受けられた力は、クラッチハウジング57の本体部61側で受けられ、外側壁67を介してボス部75側に入力される。従って、前記カム機構145の推力による摩擦多板クラッチ129の締結力は、クラッチハウジング57の本体部61とボス部75との間で吸収することができる。
【0095】
そして、前記摩擦多板クラッチ129の締結によって、摩擦多板クラッチ129は締結力に応じて摩擦係合し、発進クラッチ1はトルク伝達状態となる。
【0096】
従って、エンジン3のクランクシャフト118からダンパー120を介して、クラッチハウジング57にトルクが伝達され、摩擦多板クラッチ129からクラッチハブ59を介し、トランスミッション5側の入力軸117へトルク伝達を行うことができる。
【0097】
前記トランスミッション5からは、前記のようにトルク伝達が行われ、前輪15,17、後輪47,49による四輪駆動状態での走行を行うことができる。
【0098】
前記摩擦多板クラッチ129の締結を、自動車の走行状態等に応じて解除するとき、前記電動モータ171の通電制御を停止させ前記加圧部材セット137,137Bの戻り力のみで行うことには無理がある。特にウォームギヤ237及びウォームホイール239を用いると、小さな電動モータを用いて摩擦多板クラッチ129を確実に締結制御することはできるが、加圧部材セット137側の戻り力でウォームホイール239を逆転させることは困難だからである。
【0099】
本実施形態では、走行状態等の検出信号をコントローラに入力し、コントローラが電磁石238の通電制御を遮断する。これによって、回転駆動軸137はウォームホイール239に対して回転自由となる。加圧部材セット137による推力が、回転駆動軸137の自由回転により瞬時に解放される。この推力解放に応じて摩擦多板クラッチ129の締結も直ちに解除される。従って、摩擦多板クラッチ129の締結解除の応答性が著しく向上する。
【0100】
前記トランスミッション5のギヤのポジションが、例えばニュートラルN位置かパーキングP位置である場合には、制御手段であるコントローラがこれを読み込み、該コントローラの制御により発進クラッチ1をトルク非伝達状態とする。これによってエンジン3とトランスミッション5との間のトルク伝達を遮断し、トランスミッション5側の部材が無駄に回転しないようにして、燃費向上を図ることができる。
【0101】
また、前記トランスミッション5のギヤポジションがN,P以外であるときには、発進クラッチ1をトルク伝達状態とし、クランクシャフト118から入力軸117へのトルク伝達を行わせ、自動車の走行を円滑に行わせることができる。
【0102】
本実施形態では、大きな減速を行うことでより小型の電動モータにより摩擦多板クラッチ129を確実に摩擦係合させることができ、全体的により小型、軽量化を図ることができる。
【0103】
また、前記回転アクチュエータ233により大きく減速して加圧部材セット137の部材141を回転駆動する構成としても、締結解除の応答性が著しく向上する。
【0104】
前記電磁クラッチ235は、前記回転アクチュエータ233に設けられ、前記電磁クラッチ235により、前記回転アクチュエータ233の回転駆動軸137の回転駆動を断続するため、回転アクチュエータ233及び電磁クラッチ235を一体的に取り扱うことが可能となり、部品点数が少なくなり、組み付け、部品管理が容易となる。
【0105】
前記回転アクチュエータ233からウォームギヤ237及びウォームホイール239により減速して回転駆動することができながら、摩擦多板クラッチ129の締結解除の応答性を確実に向上させることができる。
【0106】
なお、前記エンジン3が回転しているときには、クランクシャフト118からクラッチハウジング57側へ常時回転が伝達されており、クラッチハウジング57と共に回転するボス部75の係合部87を介し、オイルポンプ109が回転駆動される。
【0107】
前記オイルポンプ109の駆動によって、油孔123から油孔121へオイルが流入し、油孔121から油孔125及び貫通孔128からそれぞれオイルが流出する。
【0108】
前記油孔125から流出したオイルは、入力軸117とボス部75との間に流入し、さらにその外側の油孔83,85、凹部108から各ニードルベアリング147,159,163へ至り、該ニードルベアリング149,159,163を潤滑しつつ、さらに外周側へ移動する。
【0109】
外周側へ移動したオイルは、外側壁67の収容凹部167側及びクラッチハブ59に形成された貫通孔、クラッチハウジング57の係合周壁65及び結合周壁89に形成された貫通孔100(図2)等によって、摩擦多板クラッチ129の部分を通過し、さらに外周側へ移動する。
【0110】
このようなオイルの移動によって、摩擦多板クラッチ129等の部分を的確に潤滑することができる。
【0111】
また、前記貫通孔128から流出したオイルは、外周側のベアリング113等を潤滑する。
【0112】
本実施形態では、前記ダンパー機構191を設けることによって、各部のガタが詰められ摩擦多板クラッチ129が締結を開始するとき電動モータ171側の慣性力が遊動プレート199に作用し、誘導プレート199が折曲部193及び補助プレート195に対して相対移動する。このときスプリング係合窓197,201間でコイルスプリング203が圧縮され、前記電動モータ171側の慣性力が緩衝されつつ回転駆動力が伝達される。
【0113】
従って、電動モータ171側の慣性力が歯車プレート165を介して加圧部材ユニット137側へ伝達されるのを抑制することができる。
【0114】
この場合の電動モータ171の印加電流に対する前記摩擦多板クラッチ129の伝達トルクの立ち上がりは、一時的な増大を抑制して滑らかな立ち上がりとすることができ、ショックの少ない円滑なトルク断続を行うことができる。
【0115】
なお、上記各実施形態では、加圧部材セット137の一方の部材139を固定側に係合させ、他方の部材141を回転駆動するようにしたが、双方をギヤ比が僅かに異なるギヤで各別に駆動し、あるいは噛み合い半径が僅かに異なるギヤでそれぞれ駆動し、相対回転を発生させる構成にすることもできる。
【0116】
前記摩擦係合部としての摩擦多板クラッチ129は、コーンクラッチなど押圧力によって締結されるその他のもので構成することもできる。
【0117】
本発明のトルク断続装置は、図1のトルク伝達カップリング1H,1I,1J,1K,1L,1M,1Nのように適宜選択して配置することも可能である。
【0118】
前記トルク伝達カップリング1Hは、プロペラシャフト33に介設されたもので、その締結調整によって後輪47,49側へのトルク伝達を行うことができる。トルク伝達カップリング1Hをトルク非伝達状態としたときには、後輪47,49からの回転がトルク伝達カップリング1H上流側の出力軸29等へ伝達されることがなく、二輪駆動時のエネルギー損失を抑制することができる。
【0119】
前記トルク伝達カップリング1Iは、リヤデファレンシャル39側のドライブピニオンシャフト39に設けられたもので、その締結調整によってプロペラシャフト33からリヤデファレンシャル39へのトルク伝達を行うことができる。トルク伝達カップリング1Iでは、トルク非伝達状態のとき、後輪47,49側からの回転が上流側のプロペラシャフト33などへ伝達されることがなく、二輪駆動時のエネルギー損失をより抑制することができる。
【0120】
前記トルク伝達カップリング1Nは、トランスファ21の出力軸29に設けられたものであり、その締結調整によってトランスファ21から出力軸29へのトルク伝達を行うことができる。トルク伝達カップリング1Nでは、トルク非伝達状態のとき、後輪47,49側からの回転が、トランスファ21側へ伝達されることがなく、二輪駆動時のエネルギー損失を抑制することができる。
【0121】
前記トルク伝達カップリング1J,1Kは、それぞれアクスルシャフト43,45に介設されたもので、その締結調整によりリヤデファレンシャル39から左右の後輪47,49へトルク伝達を行うことができる。トルク伝達カップリング1J,1Kは、何れか一方にのみ設けることも可能である。このようにアクスルシャフト43,45にトルク伝達カップリング1J,1Kを介設した場合、トルク伝達カップリング1J,1Kをトルク非伝達状態としたときに、後輪47,49からの回転がリヤデファレンシャル39側へ伝達されることがなく、二輪駆動時のエネルギー損失をより抑制することができる。
【0122】
前記トルク伝達カップリング1L,1Mは、前輪15,17側のアクスルシャフト11,13に介設されたものである。このトルク伝達カップリング1L,1Mの機能は、前記トルク伝達カップリング1J,1Kとほぼ同様である。
【0123】
トルク断続装置の構造は特に限定されるものではなく、図5のような構造等、種種適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る発進クラッチの配置状態を示す四輪駆動車のスケルトン平面図である。
【図2】一実施形態に係り、発進クラッチ及びその周辺の断面図である。
【図3】一実施形態に係り、要部の拡大断面図である。
【図4】一実施形態に係り、要部の拡大断面図である。
【図5】従来例のトルク断続装置の一部省略断面図である。
【符号の説明】
1 発進クラッチ(トルク断続装置)
1H,1I,1J,1K,1L,1M,1N トルク伝達カップリング(トルク断続装置)
3 エンジン
5 トランスミッション
7 フロントデファレンシャル
11,13,43,45 アクスルシャフト
15,17 前輪
21 トランスファ
33 プロペラシャフト
47,49 後輪
51 ハウジング(固定側)
57 クラッチハウジング
59 クラッチハブ
129 摩擦多板クラッチ(摩擦係合部)
137 加圧部材セット
139,141 部材
173 回転駆動軸
233 回転アクチュエータ
235 電磁クラッチ(回転断続手段)
237 ウォームギヤ(歯車減速歯車機構)
238 電磁石(電磁クラッチ)
239 ウォームホイール(歯車減速歯車機構、電磁クラッチ)
245 フランジ部(電磁クラッチ)
249 摩擦クラッチプレート(アクチュエータ摩擦係合部、電磁クラッチ)

Claims (6)

  1. 固定側に対して回転可能に支持され入出力伝達を行うためのクラッチハウジング及びクラッチハブと、
    前記クラッチハウジング及びクラッチハブ間に設けられ、締結力に応じて両者間のトルク伝達を行う摩擦係合部と、
    相対回転可能な一対の部材を備え該部材間の相対回転により推力を発生して前記摩擦係合部を摩擦係合させるための加圧部材セットと、
    前記固定側に支持され前記加圧部材セットの少なくとも一方の部材を回転駆動して前記相対回転を起こす回転アクチュエータとを備え、
    前記回転アクチュエータと前記加圧部材セットとの間に、回転断続手段を設け、
    前記回転アクチュエータの回転駆動により前記部材を回転駆動して推力を発生させるときに前記回転断続手段を回転接続状態とすると共に前記回転断続手段を回転遮断状態として前記推力を解放するように断続制御する制御手段を設けたことを特徴とするトルク断続装置。
  2. 請求項1記載のトルク断続装置であって、
    前記回転断続手段は、前記回転アクチュエータに設けられ、
    前記回転断続手段により、前記回転アクチュエータの回転駆動軸の回転駆動を断続することを特徴とするトルク断続装置。
  3. 請求項2記載のトルク断続装置であって、
    前記回転断続手段は、電磁クラッチであることを特徴とするトルク断続装置。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載のトルク断続装置であって、
    前記回転アクチュエータは、減速歯車機構を備え、
    前記回転断続手段は、前記減速歯車機構と前記回転駆動軸との間の回転駆動を断続することを特徴とするトルク断続装置。
  5. 請求項4記載のトルク断続装置であって、
    前記減速機構は、ウォームギヤ及びウォームホイールであり、
    前記回転断続手段は、前記回転駆動軸に一体又は一体的に設けられ前記ウォームホイールに対向するフランジ部と、該ウォームホイール及びフランジ部間に設けられ両者間の締結により摩擦係合を行わせるアクチュエータ摩擦係合部と、前記ウォームホイール及びフランジ部間を通電制御により締結させる電磁石とを備えたことを特徴とするトルク断続装置。
  6. 請求項1〜5の何れかに記載のトルク断続装置であって、
    エンジンの出力側に配置された発進クラッチ、又は四輪駆動車のトランスファの出力側、リヤデファレンシャル装置への入力側、トランスファとリヤデファレンシャルとの間のプロペラシャフト、前輪側アクスルシャフト、後輪側アクスルシャフトの何れかに配置されたトルク伝達装置として構成されたことを特徴とするトルク断続装置。
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