JP4673811B2 - 電磁クラッチ - Google Patents

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Description

本発明は、電磁石によりクラッチ機構を駆動する電磁クラッチに関するものである。
一般に、上記のような電磁クラッチは、電磁石に吸引されて移動するアーマチャを備え、該アーマチャの移動により生ずる軸方向の押圧力に基づいてクラッチ機構を作動させる。そして、多くの場合、駆動源である電磁石の周囲には、磁気回路を形成可能な磁性金属部材を配置することにより、その磁力を有効に利用する構成となっている。
例えば、特許文献1に記載の電磁クラッチでは、クラッチ機構は、同軸配置された筒状をなす二つの回転部材間に設けられており、アーマチャは、軸方向移動可能に同クラッチ機構と同軸に並置されている。また、外側に配置された第1回転体の開口端、クラッチ機構を挟んでアーマチャと反対側の端部には、同第一回転体の軸方向外側に開口する断面U字状の環状溝を有するハウジング部材が内嵌されており、電磁石は、その環状溝内に収容されることにより、軸方向において、アーマチャとの間にクラッチ機構を挟む位置に設けられている。つまり、この電磁クラッチでは、電磁石の磁力によりアーマチャを引寄せる(吸引する)ことで、同アーマチャとハウジング部材との間にクラッチ機構を挟み込み軸方向に押圧することによりクラッチ機構を駆動する。そして、電磁石を収容・包囲するハウジング部材を磁性金属により形成することで、同ハウジング部材内に磁気回路を形成、即ちヨーク(継鉄)として機能させ、これにより、その磁力を有効に利用する構成となっている。
このように、特許文献1に記載の電磁クラッチは、二つの回転部材間をトルク伝達可能に連結(結合)する駆動力伝達装置に用いられている。このため、非回転体である電磁石と同電磁石を収容する環状溝の内壁、即ちヨークとして機能するハウジング部材(ヨークハウジング)との間には、その相対回転を許容するための隙間が形成されている。しかしながら、電磁石の磁力を最大限に有効利用する観点からみた場合、当然、このような隙間(エアギャップ)は好ましいものではない。従って、例えば、特許文献2に示されるような、回転体と非回転体とを結合する電磁ブレーキとして機能するもの、即ち電磁石をヨークハウジングに直接固定可能な用途に適用する場合においては、こうした電磁石とヨークハウジングとの間のエアギャップは極力排除することが望ましい。
特開2003−14001号公報 特開2001−116063号公報
電磁石とヨークハウジングとの間のエアギャップを排除するためには、例えばヨークハウジングに設けた環状凹所に軸方向から電磁石を圧入することが考えられる。しかし、圧入後にヨークハウジングに対して電磁石が軸方向に移動しないようにするためには、電磁石を強い力で圧入しなければならない。この場合、電磁石に過大な圧力が加わり同電磁石(主としてその電磁コイル)に損傷を与えるおそれがあり、ひいては、これが製品の歩留まり低下につながるおそれがある。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、電磁石を傷めることなく同電磁石をヨークハウジング内に固定するとともに、同電磁石が形成する磁路の全経路においてエアギャップを排除して磁力の有効利用を図ることのできる電磁クラッチを提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、軸方向に押圧されることにより径方向外側及び内側に設けられた二つの部材間を結合するクラッチ機構と、前記クラッチ機構と同軸に並置され軸方向移動可能に設けられたアーマチャと、前記アーマチャとの間に前記クラッチ機構を挟む位置に設けられた電磁石と、前記電磁石を包囲するヨークハウジングとを備え、前記クラッチ機構は、筒状の非回転体と該非回転体の内側に回転自在に同軸配置された筒状の回転体との間に設けられるとともに、前記電磁石は、前記ヨークハウジングが前記非回転体に相対回転不能に固定されることにより、前記アーマチャとの間に前記クラッチ機構を挟む位置に設けられ、前記アーマチャは、前記電磁石に吸引され前記ヨークハウジングとの間に前記クラッチ機構を挟み込むことにより該クラッチ機構を軸方向に押圧する電磁クラッチであって、前記ヨークハウジングにおける前記電磁石の収容部の内径及び外径は、前記電磁石の内径及び外径と同等に設定されるとともに、前記ヨークハウジングにおける前記電磁石の収容部の軸方向長さが前記電磁石の軸方向長さと同等に設定されることにより前記電磁石の前記ヨークハウジングに対する軸方向移動が規制され、前記ヨークハウジングは、前記収容部を境界として分割されるように構成され、前記電磁石の軸方向の一方側において径方向内側に延設されたフランジ部を有する筒状の第1分割ハウジングと、前記第1分割ハウジングよりも小径に形成されるとともに前記電磁石の軸方向の他方側において径方向外側に延設されたフランジ部を有する第2分割ハウジングと同軸に連結してなるとともに、前記収容部は、これら第1及び第2分割ハウジングの筒部及びフランジ部の間に形成され、前記第1及び第2分割ハウジングの各フランジ部の少なくとも一方には、その周縁に他方の筒部の軸端が取着される環状凹部が形成され、前記環状凹部の底部と前記他方の筒部の前記軸端とが当接することによって前記第1分割ハウジングと第2分割ハウジングとが軸方向に位置決めされて前記収容部の軸方向長さが前記電磁石の軸方向長さと同等に設定されること、を要旨とする。
上記構成によれば、各分割ハウジングの間に電磁石を挟み込んだ状態で該各分割ハウジングを組み付けることにより、電磁石とヨークハウジングとを密着させて、その間の隙間、即ちエアギャップを排除することができる。そして、その組付けに際しては、電磁石に対して直接に圧力を加えることがないことから、同電磁石(の電磁コイル等)の損傷リスクを大きく低減することができる。
また、第1分割ハウジングと第2分割ハウジングとの間に電磁石を挟み込んだ状態で両者を組み付けることにより、電磁石は、その軸方向には両フランジ部が、その径方向には両筒部が当接された状態で、ヨークハウジング内に収容される。その結果、電磁石を傷めることなく容易にエアギャップを排除することができる。
また、第1分割ハウジングと第2分割ハウジングとの組付けに際し、その位置決めを容易なものとすることができる。即ち、両者を組み付けるだけで、両筒部間の間隔及び両フランジ部の間隔、つまり収容部の径方向長さ及び軸方向長さを一定とすることができる。そして、その組付けの際、第1分割ハウジング及び第2分割ハウジングに過剰な圧力が加えられた場合であっても、その圧力が電磁石に及ぶことを防止することができる。その結果、電磁石を傷めることなく容易且つ確実にエアギャップを排除することができる。
請求項に記載の発明は、軸方向前記クラッチ機構側に配置されるフランジ部の径方向長さは、両筒部間の間隔よりも短く設定され、該フランジ部と他方側の分割ハウジングの筒部との間に空隙が形成されること、を要旨とする。
上記構成によれば、両者を組み付けることにより、軸方向前記クラッチ機構側に配置されるフランジ部と、他方側の分割ハウジングの筒部との間に環状の空隙が形成される。これにより、簡素な構成にて、磁気回路がヨークハウジング内で閉じた回路となるのを防止することができ、その結果、より効果的に電磁石の磁力をアーマチャに導くことができるようになる。
本発明によれば、電磁石を傷めることなく同電磁石をヨークハウジング内に固定するとともに、同電磁石が形成する磁路の全経路においてエアギャップを排除して磁力の有効利用を図ることの可能な電磁クラッチを提供することにある。
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した第1の実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、車両1は、前輪駆動車をベースとする四輪駆動車であり、エンジン2の片側に組み付けられたトランスアクスル3には、一対のフロントアクスル4L,4Rが連結されており、エンジン2の駆動力は、これらフロントアクスル4L,4Rを介して前輪5L,5Rに伝達される。また、トランスアクスル3には、上記各フロントアクスル4L,4Rとともにプロペラシャフト6が連結されており、同プロペラシャフト6は、トルクカップリング7及びリヤディファレンシャル8を介して一対のリヤアクスル9L,9Rと連結されている。そして、これらプロペラシャフト6、リヤディファレンシャル8、及びリヤアクスル9L,9Rを介して、後輪10L,10Rにも駆動力が伝達されるようになっている。
図2に示すように、本実施形態のリヤディファレンシャル8は、その差動機構として遊星歯車11を備えている。この遊星歯車11は、外歯ギヤ12と一体に形成されたリングギヤ13と、該リングギヤ13の内側に同軸配置されたサンギヤ14と、これらリングギヤ13及びサンギヤ14に噛合された複数のプラネタリギヤ15と、これらの各プラネタリギヤ15を自転可能且つ公転可能に支承するプラネタリキャリヤ16とにより構成されている。本実施形態では、トルクカップリング7を介してプロペラシャフト6に連結された入力軸17の一端には、ドライブピニオン18が設けられており、リングギヤ13は、その外周に形成された外歯ギヤ12が、このドライブピニオン18に噛合されることにより同ドライブピニオン18と駆動連結されている。そして、サンギヤ14は、左側のリヤアクスル9Lの軸端に、プラネタリキャリヤ16は、右側のリヤアクスル9Rの軸端に固定されることにより、対応する各リヤアクスル9L,9Rとともに一体回転可能に設けられている。
即ち、プロペラシャフト6の回転は、トルクカップリング7及び入力軸17からドライブピニオン18を介してリングギヤ13へと伝達され、同リングギヤ13とともにサンギヤ14及びプラネタリキャリヤ16が一体的に回転することにより、その駆動力が両リヤアクスル9L,9Rから左右の後輪10L,10Rへと伝達される。そして、車両旋回時等、左右の後輪10L,10Rに生ずる回転差は、各プラネタリギヤ15が自転しつつサンギヤ14の周りを公転することにより、これを許容する構成となっている。
また、本実施形態のリヤディファレンシャル8は、エンジン2の駆動力を左右の後輪10L,10Rに対し任意の比率で配分可能な駆動力配分装置としての機能を有している。
詳述すると、本実施形態では、左側のリヤアクスル9Lの径方向外側には、中空状の第1スリーブ20が回転自在に同軸配置されており、同第1スリーブ20は、一端がプラネタリキャリヤ16に連結されるとともに、その他端には第1サンギヤ21が固定されている。また、第1サンギヤ21の軸方向、左の後輪10L側(同図中左側)には、第2サンギヤ22及び第3サンギヤ23が同軸配置されている。第2サンギヤ22は、リヤアクスル9Lに固定されることにより同リヤアクスル9Lとともに一体回転可能に設けられ、第3サンギヤ23は、上記第1スリーブ20と同様に中空状に形成された第2スリーブ24の一端に固定されることにより同第2スリーブ24とともに一体回転可能に設けられている。また、これら第1サンギヤ21、第2サンギヤ22、及び第3サンギヤ23には、該各サンギヤに対応する第1プラネタリギヤ25、第2プラネタリギヤ26、及び第3プラネタリギヤ27が一体に形成されてなる複数の三連プラネタリギヤ28が噛合されている。そして、これら各三連プラネタリギヤ28は、リヤアクスル9Lの径方向外側において回転自在に同軸配置されたプラネタリキャリヤ29により自転可能且つそれぞれが対応する各サンギヤの周りを公転可能に支承されている。
また、本実施形態では、非回転部位であるデフハウジング30には、上記第2スリーブ24及びプラネタリキャリヤ29をそれぞれ同デフハウジング30に結合可能な第1及び第2の電磁クラッチ31,32が設けられている。即ち、第1の電磁クラッチ31を作動させて第2スリーブ24(第3サンギヤ23)の回転を減速することで、プラネタリキャリヤ29の回転速度は増速し、第2の電磁クラッチ32を作動させることで、プラネタリキャリヤ29の回転速度は減速する。そして、こうした第1及び第2の電磁クラッチ31,32の作動を通じてプラネタリキャリヤ29の回転速度を制御することにより、各リヤアクスル9L,9Rに伝達される駆動力を任意の比率で配分することが可能な構成となっている。尚、このような駆動力配分制御の原理及びその詳細は、例えば上記特許文献2の記載を参照されたい。
[電磁クラッチ]
次に、本実施形態の電磁クラッチの構成について説明する。尚、本実施形態では、第1及び第2の電磁クラッチ31,32は、略同一の構造を有しているため、以下、第1の電磁クラッチ31の構成についてのみ「電磁クラッチ40」として説明するものとする。
図3に示すように、本実施形態では、非回転体である上記デフハウジング30は、略筒状に形成されており、回転体としての第2スリーブ24は、その径方向内側において回転自在に同軸配置されている。そして、電磁クラッチ40は、これらデフハウジング30及び第2スリーブ24の間に設けられている。尚、本実施形態では、第2スリーブ24は、デフハウジング30の内周及び電磁クラッチ40の後述するヨークハウジング47内周に設けられたすべり軸受41a,41bにより回転自在に支承されている。
本実施形態の電磁クラッチ40は、そのクラッチ機構42として、複数のアウタクラッチプレート43及びインナクラッチプレート44を軸方向に交互に配置してなる周知の多板式摩擦クラッチを備えている。各アウタクラッチプレート43はデフハウジング30の内周に、各インナクラッチプレート44は第2スリーブ24の外周に、それぞれスプライン嵌合されており、これにより軸方向移動可能、且つ各インナクラッチプレート44については第2スリーブ24とともに一体回転可能に設けられている。そして、本実施形態のクラッチ機構42は、これら各アウタクラッチプレート43及びインナクラッチプレート44が軸方向に押圧され、互いに摩擦係合することにより、径方向外側及び内側に配置された二つの部材間、即ちデフハウジング30と第2スリーブ24とを結合する構成となっている。
また、電磁クラッチ40は、磁性金属からなるアーマチャ45を備えており、同アーマチャ45は、上記クラッチ機構42と同軸に並置されるとともに軸方向移動可能に設けられている。そして、駆動源である電磁石46は、このアーマチャ45との間にクラッチ機構を挟む位置に設けられている。
詳述すると、本実施形態では、アーマチャ45は環状に形成されるとともに、クラッチ機構42よりも反開口部側(同図中右側)において、デフハウジング30の内周にスプライン嵌合されることにより、クラッチ機構42と同軸且つ軸方向に移動可能に設けられている。また、電磁クラッチ40は、磁性金属からなるヨークハウジング47を備えており、電磁石46は、このヨークハウジング47内に収容されている。尚、本実施形態では、電磁石46は、環状に形成されており、これに合わせ、ヨークハウジング47もまた略環状に形成されている。そして、電磁石46は、その周囲を包囲するヨークハウジング47がデフハウジング30の開口部30a(同図中左側の端部)に内嵌され、同デフハウジング30に対して相対回転不能に固定されることにより、アーマチャ45との間にクラッチ機構を挟む位置に配置されている。
即ち、電磁石46に通電することにより、同電磁石46を包囲するヨークハウジング47にはアーマチャ45へとつながる磁気回路Sが形成され、これにより、アーマチャ45は、その磁力に吸引されて電磁クラッチ40側(同図中左方向)に軸方向移動する。そして、アーマチャ45とヨークハウジング47との間にクラッチ機構42を挟み込み、軸方向に押圧することにより、クラッチ機構42が作動、デフハウジング30と第2スリーブ24とが結合される構成となっている。
次に、本実施形態の電磁クラッチの組付け構造について説明する。
図4及び図5(a)(b)に示すように、本実施形態では、電磁石46を包囲するヨークハウジング47において、その電磁石46を収容する空間、即ち収容部50の外径及び内径は、電磁石46の外径及び内径と同等に設定されている。本実施形態では、収容部50の径方向長さW1及び軸方向長さL1は、電磁石46の径方向長さW0及び軸方向長さL0と略等しく設定されている。そして、本実施形態のヨークハウジング47は、この収容部50を境界として分割された第1分割ハウジング51及び第2分割ハウジング52を連結することにより形成されている。
詳述すると、第1分割ハウジング51は、略筒状に形成されるとともに、その一端には、径方向内側に延びるフランジ部53が設けられている。一方、第2分割ハウジング52は、第1分割ハウジング51よりも小径の略筒状に形成されるとともに、その一端には、径方向外側に延びるフランジ部54が設けられている。そして、本実施形態では、第1分割ハウジング51の筒部55の内側に第2分割ハウジング52の筒部56を同軸配置し、両者のフランジ部53,54を互いに対向させた状態、即ち電磁石46の軸方向の一方側にフランジ部53が、他方側にフランジ部54が配置された状態で両者を連結することによりヨークハウジング47を形成する構成となっている。
さらに詳述すると、本実施形態では、第1分割ハウジング51のフランジ部53の筒内側の面(図4中右側の面)には、その内周縁に沿って延びる環状凹部57が形成されており、第2分割ハウジング52は、この環状凹部57内に、その筒部56の軸端(フランジ部54の反対側の端部)56aが取着(嵌合)されることにより位置決めされ、連結される。そして、これにより形成される両者の筒部55,56及びフランジ部53,54の間の空間によって、電磁石46の収容部50が構成されるようになっている。
即ち、ヨークハウジング47は、第1分割ハウジング51と第2分割ハウジング52との間、詳しくはその筒部55,56及びフランジ部53,54の間に電磁石46を挟み込んだ状態で両者を組み付けることにより形成される(図5(a)参照)。そして、これにより、電磁石46は、その軸方向には両フランジ部53,54が、その径方向には両筒部55,56が当接された状態で、ヨークハウジング47内に収容されるようになっている。尚、第1分割ハウジング51のフランジ部53には、貫通孔58が形成されており、電磁石46の給電線59は、この貫通孔58に挿通されることにより外部へと引き出されるようになっている。
また、本実施形態では、第2分割ハウジング52のフランジ部54の径方向長さW2は、連結時における同第2分割ハウジング52の筒部56と第1分割ハウジング51の筒部55との間隔、即ち収容部50の径方向長さW1よりも短く設定されている。即ち、連結時、第2分割ハウジング52のフランジ部54と第1分割ハウジング51の筒部55との間には、環状の空隙Xが形成されるようになっている。そして、本実施形態では、ヨークハウジング47(及び電磁石46)は、その第2分割ハウジング52のフランジ部54をクラッチ機構42側に向けた状態で、デフハウジング30内に嵌着されるようになっている(図5(b)参照)。
以上、本実施形態によれば、以下のような作用・効果を得ることができる。
(1)電磁クラッチ40は、電磁石46を包囲するヨークハウジング47を備えるとともに、同ヨークハウジング47において、その電磁石46を収容する空間、即ち収容部50の外径及び内径は、電磁石46の外径及び内径と同等に設定される。より具体的には、収容部50の径方向長さW1及び軸方向長さL1は、電磁石46の径方向長さW0及び軸方向長さL0と略等しく設定される。そして、ヨークハウジング47は、この収容部50を境界として分割された第1分割ハウジング51及び第2分割ハウジング52を連結することにより形成される。
上記構成によれば、第1分割ハウジング51と第2分割ハウジング52との間に電磁石46を挟み込んだ状態で両者を組み付けることにより、電磁石46とヨークハウジング47との間の隙間、即ちエアギャップを排除することができる。そして、その組付けに際しては、電磁石46に対して直接に圧力を加える必要がないことから、同電磁石46(の電磁コイル等)の損傷リスクを大きく低減することができる。
(2)第1分割ハウジング51は、略筒状に形成されるとともに、その一端には、径方向内側に延びるフランジ部53が設けられる。一方、第2分割ハウジング52は、第1分割ハウジング51よりも小径の略筒状に形成されるとともに、その一端には、径方向外側に延びるフランジ部54が設けられる。そして、第1分割ハウジング51の筒部55の内側に第2分割ハウジング52の筒部56を同軸配置し、両者のフランジ部53,54を互いに対向させた状態で連結することによりヨークハウジング47を形成する。
上記構成によれば、第1分割ハウジング51と第2分割ハウジング52との間に電磁石46を挟み込んだ状態で両者を組み付けることにより、その筒部55,56及びフランジ部53,54の間に収容部50が形成される。そして、電磁石46は、その軸方向には両フランジ部53,54が、その径方向には両筒部55,56が当接された状態で、ヨークハウジング47内に収容される。これにより、電磁石46を傷めることなく容易にエアギャップを排除することができる。
(3)フランジ部53の筒内側の面には、その内周縁に沿って延びる環状凹部57が形成される。そして、第2分割ハウジング52は、この環状凹部57内に、その筒部56の軸端(フランジ部54の反対側の端部)56aが取着(嵌合)されることにより位置決めされ、連結される。
上記構成によれば、第1分割ハウジング51と第2分割ハウジング52との組付けに際し、その位置決めを容易なものとすることができる。即ち、両者を組み付けるだけで、両筒部55,56間の間隔及び両フランジ部53,54の間隔、つまり収容部50の径方向長さW1及び軸方向長さL1を一定とすることができる。そして、その組付けの際、第1分割ハウジング51及び第2分割ハウジング52に過剰な圧力が加えられた場合であっても、その圧力が電磁石46に及ぶことを防止することができる。その結果、電磁石46を傷めることなく容易且つ確実にエアギャップを排除することができる。
(4)デフハウジング30に取着されることによりクラッチ機構42側に配置される第2分割ハウジング52については、そのフランジ部54の径方向長さW2は、連結時における同第2分割ハウジング52の筒部56と第1分割ハウジング51の筒部55との間隔、即ち収容部50の径方向長さW1よりも短く設定される。
上記構成によれば、両者を組み付けることにより、第2分割ハウジング52のフランジ部54と第1分割ハウジング51の筒部55との間に環状の空隙Xが形成される。これにより、簡素な構成にて、磁気回路Sがヨークハウジング47内で閉じた回路となるのを防止することができ、その結果、より効果的に電磁石46の磁力をアーマチャ45に導くことができるようになる。
(第2の実施形態)
以下、本発明を具体化した第2の実施形態を図面に従って説明する。尚、本実施形態は、ヨークハウジングの構成のみが上記第1の実施形態と相違する。従って、同一の構成については上記第1の実施形態と同一の符号を付すこととしてその説明を省略する。
図6に示すように、本実施形態の電磁クラッチ60では、略環状をなすヨークハウジング61は、デフハウジング30への取着時において、軸方向、同デフハウジング30の外部に開口する断面U字状の環状溝62を有している。本実施形態では、環状溝62の径方向長さW3は、電磁石46の径方向長さW0と略等しく設定されており、同電磁石46は、圧入により同環状溝62に収容されるようになっている。また、本実施形態では、この環状溝62の開口部62aは、環状に形成された蓋部材63により閉塞される。この蓋部材63は、ヨークハウジング61と同様に磁性金属により形成されている。そして、蓋部材63は、電磁石46の軸方向端部に当接する状態で開口部62aに取着されるように構成されている。
尚、本実施形態では、環状溝62の底部62bには、環状の貫通孔64が形成されるとともに、同貫通孔64は、非磁性材料(SAS等)からなる環状部材65により閉塞されている。そして、これにより、磁気回路Sがヨークハウジング61内で閉じた回路となるのを防止する構成となっている。
以上、本実施形態の構成によれば、電磁石46とヨークハウジング61との間の隙間、即ちエアギャップを排除することができる。更に、環状溝62の開口部62aを閉塞する蓋部材63を電磁石46の軸方向端部に当接させることで、蓋部材63を経由した磁気回路Sの形成を担保することができる。従って、径方向における密着性を考慮して環状溝62の径方向長さW3を小さめに設定する、即ち電磁石46を強圧入する必要性がなく、これにより電磁石46に強い圧力が加わることを回避して、同電磁石46の損傷を防止することができる。
なお、上記各実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記第1の実施形態では、ヨークハウジング47は、収容部50を境界として分割された第1分割ハウジング51及び第2分割ハウジング52を連結してなることとしたが、3以上の分割ハウジングを連結してなる構成としてもよい。
・上記第1の実施形態では、第1分割ハウジング51側のフランジ部53に環状凹部57を形成し、この環状凹部57内に第2分割ハウジング52の筒部56の軸端56aを取着する構成とした。しかし、これに限らず、第2分割ハウジング52側のフランジ部54に環状凹部を形成する構成でもよく、更に両方のフランジ部53,54に環状凹部を設ける構成であってもよい。尚、デフハウジング30への取着時において、クラッチ機構42側に配置されるフランジ部に、こうした環状凹部を形成する場合、つまり空隙Xが形成されない構成とする場合には、同フランジ部に、上記第2の実施形態における磁気回路短絡防止構造(環状の貫通孔64、及びこれを閉塞する磁性金属からなる環状部材65)を設けることが望ましい。
・上記第1の実施形態では、ヨークハウジング47は、第2分割ハウジング52のフランジ部54をクラッチ機構42側に向けた状態で、デフハウジング30内に取着されることとした。しかし、これに限らず、第1分割ハウジング51のフランジ部53をクラッチ機構42側に向けた状態で、デフハウジング30内に取着される構成に具体化してもよい。尚、この場合には、上記空隙X、或いは貫通孔64及びこれを閉塞する環状部材65のような磁気回路短絡防止構造は、第1分割ハウジング51のフランジ部53側に形成することが望ましいことはいうまでもない。
・上記第1の実施形態では、特に言及しなかったが、第1分割ハウジング51と第2分割ハウジング52との連結方法はどのような形態でもよい。例えば、環状凹部57の側壁面を利用して螺子締結する等するとよい。
・上記各実施形態では、本発明を左右駆動力配分装置としての機能を有するリヤディファレンシャル8の電磁クラッチ40(31,32)に具体化したが、フロントディファレンシャル等、その他に用途に用いられるものに具体化してもよい。
車両の概略構成図。 リヤディファレンシャルの概略構成図。 第1の実施形態の電磁クラッチの断面図。 第1の実施形態の電磁クラッチの拡大断面図。 (a)(b)第1の実施形態の電磁クラッチの組付け図。 第2の実施形態の電磁クラッチの拡大断面図。
符号の説明
24…第2スリーブ、30…デフハウジング、40,60…電磁クラッチ、42…クラッチ機構、45…アーマチャ、46…電磁石、47,61…ヨークハウジング、50…収容部、51…第1分割ハウジング、52…第2分割ハウジング、53,54…フランジ部、55,56…筒部、56a…軸端、57…環状凹部、62…環状溝、62a…開口部、63…蓋部材、S…磁気回路、L0,L1…軸方向長さ、W0,W1,W2,W3…径方向長さ、X…空隙。

Claims (2)

  1. 軸方向に押圧されることにより径方向外側及び内側に設けられた二つの部材間を結合するクラッチ機構と、前記クラッチ機構と同軸に並置され軸方向移動可能に設けられたアーマチャと、前記アーマチャとの間に前記クラッチ機構を挟む位置に設けられた電磁石と、前記電磁石を包囲するヨークハウジングとを備え、前記クラッチ機構は、筒状の非回転体と該非回転体の内側に回転自在に同軸配置された筒状の回転体との間に設けられるとともに、前記電磁石は、前記ヨークハウジングが前記非回転体に相対回転不能に固定されることにより、前記アーマチャとの間に前記クラッチ機構を挟む位置に設けられ、前記アーマチャは、前記電磁石に吸引され前記ヨークハウジングとの間に前記クラッチ機構を挟み込むことにより該クラッチ機構を軸方向に押圧する電磁クラッチであって、
    前記ヨークハウジングにおける前記電磁石の収容部の内径及び外径は、前記電磁石の内径及び外径と同等に設定されるとともに、前記ヨークハウジングにおける前記電磁石の収容部の軸方向長さが前記電磁石の軸方向長さと同等に設定されることにより前記電磁石の前記ヨークハウジングに対する軸方向移動が規制され、
    前記ヨークハウジングは、前記収容部を境界として分割されるように構成され、前記電磁石の軸方向の一方側において径方向内側に延設されたフランジ部を有する筒状の第1分割ハウジングと、前記第1分割ハウジングよりも小径に形成されるとともに前記電磁石の軸方向の他方側において径方向外側に延設されたフランジ部を有する第2分割ハウジングと同軸に連結してなるとともに、前記収容部は、これら第1及び第2分割ハウジングの筒部及びフランジ部の間に形成され、
    前記第1及び第2分割ハウジングの各フランジ部の少なくとも一方には、その周縁に他方の筒部の軸端が取着される環状凹部が形成され、前記環状凹部の底部と前記他方の筒部の前記軸端とが当接することによって前記第1分割ハウジングと第2分割ハウジングとが軸方向に位置決めされて前記収容部の軸方向長さが前記電磁石の軸方向長さと同等に設定されること、
    を特徴とする電磁クラッチ。
  2. 請求項に記載の電磁クラッチにおいて、
    軸方向前記クラッチ機構側に配置されるフランジ部の径方向長さは、両筒部間の間隔よりも短く設定され、該フランジ部と他方側の分割ハウジングの筒部との間に空隙が形成されること、を特徴とする電磁クラッチ。
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