JP2006266485A - デファレンシャル装置 - Google Patents

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Isao Hirota
功 広田
Norihiko Tashiro
紀彦 田代
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Abstract

【課題】 差動機構と差動制限機構を安定して支持すると共に、支持構造をシンプルにし、組み付けを容易にする。
【解決手段】 入力部材3と、出力部材5,7と、部材5,7を差動回転可能に連結する差動部材9からなる差動機構11と、部材3と部材7間の相対回転を規制する差動制限機構13とを有し、差動機構11は側壁15,17と周壁19,21,23の一側に形成された空間25に配置され、差動制限機構13は反対側の空間27に配置され、差動機構11と差動制限機構13は側壁15と周壁19を貫通して配置される連結部材33によって駆動連結されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、デファレンシャル装置に関する。
特許文献1に「デファレンシャル装置」が記載されている。
特開2003−301926号公報
上記従来例のデファレンシャル装置では、差動機構と差動制限機構とがデフケースの内部に収容されており、差動機構を構成するギアや差動制限機構の構成部材及びアクチュエータが重なって組み付けられているから、差動機構と差動制限機構の支持が不安定になり易い。
そこで、この発明は、差動機構と差動制限機構が安定して支持されると共に、支持構造がシンプルで、それだけ組み付けが容易なデファレンシャル装置の提供を目的としている。
請求項1の発明は、駆動トルクが入力される入力部材と、前記入力部材からの前記駆動トルクを分配可能な一対の出力部材と、前記一対の出力部材を差動回転可能に連結する差動部材とからなる差動機構と、前記入力部材と前記一対の出力部材のうちの2部材間の相対回転を規制する差動制限機構とを有するデファレンシャル装置であって、前記一対の出力部材と前記差動部材とからなる前記差動機構は、前記入力部材に形成された側壁及び周壁によって形成された空間内に配置され、前記差動制限機構は、前記差動機構に対し前記側壁または周壁を挟んで反対側に配置され、前記差動機構と前記差動制限機構は前記側壁または周壁を貫通して配置される連結部材によって駆動連結されることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載されたデファレンシャル装置であって、前記差動制限機構は、前記周壁の外周側に配置された摩擦クラッチであることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載されたデファレンシャル装置であって、前記連結部材は、ギア部材からなり、前記差動機構と前記差動制限機構との間を噛み合い連結することを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載されたデファレンシャル装置であって、前記周壁を第1の周壁とすると共に、前記入力部材に第2の周壁を設け、この第2の周壁は前記差動制限機構の差動制限トルクを伝達することを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項4に記載されたデファレンシャル装置であって、前記入力部材は、前記側壁及び前記周壁を挟んで一方側に前記第1の周壁内で前記差動機構を収容する第1の空間を形成し他方側に前記第2の周壁内で前記差動制限機構を収容する第2の空間を形成する1つの部材を有することを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項1〜請求項5のいずれかに記載されたデファレンシャル装置であって、前記入力部材は、軸方向の両端側に固定部材に対する一対の支持部を有し、前記差動機構と前記差動制限機構は、前記一対の支持部の間に配置されていることを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項6に記載されたデファレンシャル装置であって、前記差動制限機構は、差動制限力を付与するアクチュエータを含み、このアクチュエータは、前記側壁と前記一対の支持部の一方との間で軸方向に配置されていることを特徴とする。
請求項1のデファレンシャル装置では、差動機構と差動制限機構が、入力部材の側壁または周壁を挟んで互いの反対側に配置されたことにより、入力部材に対してそれぞれ独立して支持され、それだけ支持性が向上する。
また、駆動力を伝達する連結部材を側壁または周壁を貫通させて配置したから、駆動トルクの伝達構造がシンプルになる。
なお、本発明では、回転軸に平行な壁部を周壁とし、回転軸と直角な壁部を側壁とする。
請求項2のデファレンシャル装置は、差動制限機構である摩擦クラッチを周壁の外周側に配置したこの構成では、摩擦クラッチの摺動半径(有効径)を、上記周壁に規制されずに、大きくすることが可能であり、差動制限力をそれだけ強化できる。
請求項3のデファレンシャル装置は、連結部材をギア部材にし、差動機構側と差動制限機構側とを噛み合い連結したこの構成では、噛み合い部のギア比を増速、等速、減速などに変えることにより、差動機構と差動制限機構との間で伝達される差動制限トルク(駆動トルク)の調整が容易であり、所望の差動制限機能(駆動トルク伝達機能)を得ることができる。
請求項4のデファレンシャル装置は、差動制限機構の差動制限トルクを伝達する第2の周壁を入力部材に設けたこの構成では、差動制限トルクを伝達するだけの強度をこの第2周壁に与えればよく、大型化や重量増加がそれだけ抑制される。
請求項5のデファレンシャル装置は、入力部材を構成する1つの部材が、差動機構用の第1の空間と差動制限機構用の第2の空間を持つこの構成では、差動機構と差動制限機構をそれぞれの空間に独立して組み付けることができるので、組み付け性に優れ、組み付け作業が容易である。
請求項6のデファレンシャル装置は、入力部材が、固定部材に対する一対の支持部を軸方向の両端側に有し、差動機構と差動制限機構をこれら支持部の間に配置したこの構成では、デファレンシャル装置が確実に支持されるから、振動などがそれだけ抑制される。
請求項7のデファレンシャル装置は、差動制限機構のアクチュエータを側壁と一対の支持部の一方との間で軸方向に配置したこの構成では、アクチュエータを含めてデファレンシャル装置をユニット化することができる。
<実施例1>
図1と図2によってデファレンシャル装置1の説明をする。デファレンシャル装置1はエンジン(駆動力源)の回転駆動力を左右の車輪に伝達するものであり、左右の方向はデファレンシャル装置1が用いられた車両及び図1での左右の方向である。
[デファレンシャル装置1の特徴]
本発明のデファレンシャル装置1は、駆動トルクが入力されるデフケース3(入力部材)と、デフケース3からの駆動トルクを分配可能な一対のサイドギア5,7(出力部材)と、サイドギア5,7を差動回転可能に連結するピニオンギア9(差動部材)からなる差動機構11と、デフケース3とサイドギア7間の相対回転を規制する差動制限機構13とを有している。
また、本発明に係るデファレンシャル装置は、サイドギア5,7とピニオンギア9(差動機構11)は、デフケース3に形成された側壁15,17及び周壁19,21,23によって形成された空間25内に配置され、差動制限機構13は、差動機構11に対し側壁15,17及び周壁19,21,23を挟んで反対側に配置され、差動機構11と差動制限機構13は側壁15及び周壁19を貫通して配置される連結部材によって駆動連結され、差動制限機構13は、周壁19の外周側に配置されたメインクラッチ29(摩擦クラッチ)及びパイロットクラッチ31(摩擦クラッチ)であり、上記の連結部材はギア33(ギア部材)であって、差動機構11と差動制限機構13とを噛み合い連結している。
また、本発明のデファレンシャル装置は、周壁19を第1の周壁とし、デフケース3に第2の周壁21を設け、第2の周壁21は差動制限機構13の差動制限トルクを伝達する部材であり、デフケース3は、側壁15,17及び周壁19,21,23を挟んで一方側(左方)に第1の周壁19内で差動機構11を収容する第1の空間25を形成し、他方側(右方)に第2の周壁21内で差動制限機構13を収容する第2の空間27を形成するデフケース本体35(1つの部材)を有し、デフケース3は、軸方向の両端側にデフキャリヤ37(固定部材)に対する一対の支持部39,41を有すると共に、差動機構11と差動制限機構13はこれらの支持部39,41の間に配置され、差動制限機構13は、差動制限力を付与する電磁マグネット43(アクチュエータ)を含み、この電磁マグネット43は、側壁17と一方の支持部41との間で軸方向に配置されている。
[デファレンシャル装置1の構成]
デフケース3は、デフケース本体35とカバー部材45をボルト止めして構成されており、カバー部材45は側壁15,17及び周壁19と共に空間25を形成している。支持部39はカバー部材45に設けられ、支持部41はデフケース本体35に設けられている。これらの支持部39,41はベアリング47,47を介して、内部にオイル溜りが設けられたデフキャリヤ37に支持されている。
差動機構11は、デフケース本体35にピン止めされたピニオンシャフト49と、ピニオンシャフト49に回転自在に支持されたピニオンギア9と、左右からピニオンギア9と噛み合ったサイドギア5,7などから構成されており、各サイドギア5,7は内周のスプライン部51,53で車軸に連結され、これらの車軸を介して左右の車輪に連結されている。
差動制限機構13は、メインクラッチ29とパイロットクラッチ31と電磁マグネット43とボールカム55とロータ57とアーマチャ59などから構成されている。
メインクラッチ29はデフケース本体35(周壁21)とプレッシャープレート67と一体回転可能に連結されたクラッチハブ61との間に配置され、パイロットクラッチ31は周壁21とカムリング63との間に配置され、電磁マグネット43はボールベアリング65によってデフケース本体35(周壁23)に支持されている。ボールカム55はカムリング63とプレッシャープレート67との間に設けられており、このプレッシャープレート67はメインクラッチ29のクラッチハブ61に固定されている。ロータ57はパイロットクラッチ31と電磁マグネット43の間に配置されており、外周を周壁21にスプライン連結され、止め輪69で位置決めされている。また、ロータ57の内周はブッシュ70を介して周壁23に支持されている。ロータ57とカムリング63との間にはボールカム55のカム反力を受けるベアリング71が配置されている。
図2のように、側壁15と周壁19には等間隔に6個の収容部73が貫通して形成されており、各収容部73にはギア33が摺動回転自在に収容されている。各ギア33は、空間25側で右サイドギア7の外周に形成されたギア部75と噛み合い、空間27側でプレッシャープレート67に形成されたギア部77と噛み合うことにより、差動機構11側と差動制限機構13側とを噛み合い連結(駆動連結)している。また、各ギア33は、サイドギア7(ギア部75)と噛み合った部分の歯数と、プレッシャープレート67(ギア部77)と噛み合った部分の歯数が等しくなっており、いずれの方向からも(差動機構11側から差動制限機構13側へ、あるいは、差動制限機構13側から差動機構11側へ)駆動力は等速で伝達される。
デフケース3を回転させるエンジンの駆動力は差動機構11を介して左右の車輪に伝達され、車輪間に駆動抵抗差が生じると、ピニオンギア9が自転して駆動力は左右各側に配分される。また、電磁マグネット43を励磁するとアーマチャ59が吸引されてパイロットクラッチ31が締結され、サイドギア7の駆動力がギア33とプレッシャープレート67とを介してボールカム55に掛かって作動させ、生じたカムスラスト力によりプレッシャープレート67と共にクラッチハブ61が左方に移動し、メインクラッチ29が側壁17との間で押圧されて締結され、その差動制限トルクによりデフケース3とサイドギア7との間で差動機構11の差動が制限される。この差動制限トルクは周壁21とメインクラッチ29とクラッチハブ61とプレッシャープレート67とギア33を通ってサイドギア7に伝達されるから、周壁21は差動制限トルクの伝達部材になる。また、電磁マグネット43の励磁を停止するとパイロットクラッチ31の締結が解除され、ボールカム55の作動が停止してメインクラッチ29が開放され、差動制限機能が停止する。
ギア33のサイドギア7側ギア部75と噛み合った部分とプレッシャープレート67側ギア部77と噛み合った部分の歯数が等しいから、ギア33を含んだ上記の伝達経路で差動制限トルクの増幅や減縮は行われず、メインクラッチ29の差動制限トルクはそのままの大きさでサイドギア7側に伝達されて差動を制限する。
デファレンシャル装置1の組み付けは次のように行われる。
差動機構11を図1の矢印91のように左側からデフケース本体35の空間25に組み付けた後カバー部材45をボルト止めし、ギア33を右側から各収容部73に組み付けながらサイドギア7のギア部75と噛み合わせ、差動制限機構13を矢印93のように右側からデフケース本体35の空間27に組み付けながらプレッシャープレート67のギア部77をギア33と噛み合わせる。
[デファレンシャル装置1の効果]
デファレンシャル装置1では、差動機構11と差動制限機構13が、デフケース3の側壁15,17及び周壁19,21,23を挟んで互いの反対側に配置されたことによりデフケース3に対してそれぞれ独立して支持されるから、それだけ支持性が向上している。
また、側壁15及び周壁19を貫通させてギア33を配置したことにより、差動制限トルクの伝達構造がそれだけシンプルになっている。
また、差動制限機構13(メインクラッチ29)を周壁19の外周側に配置したから、メインクラッチ29の摺動半径(有効径)を、周壁19による外径規制を受けずに充分大きくすることが可能であり、差動制限力をそれだけ強化できる。
また、ギア33によって差動機構11側と差動制限機構13側とを噛み合い連結させたから、噛み合い部のギア比を変えることによって、差動機構11と差動制限機構13との間で伝達される差動制限トルクを所望の値に設定することが容易である。
また、軸方向にストレートなギア33は成形が容易であり、それだけ安価に製造できる。
また、差動制限機構13の差動制限トルクを伝達する周壁21には差動制限トルクを伝達するだけの強度を与えればよいから、デフケース3の大型化や重量増加がそれだけ抑制される。
また、デフケース3を構成するデフケース本体35が、差動機構11用の第1の空間25と差動制限機構13用の第2の空間27を持つことによって、差動機構11と差動制限機構13をそれぞれの空間に独立して組み付けることができるから、組み付け性に優れており、組み付け作業が容易である。
また、デフケース3の軸方向両端側にデフキャリヤ37に対する支持部39,41を設け、差動機構11と差動制限機構13をこれら支持部39,41の間に配置したことにより、デファレンシャル装置1は確実に支持され、振動などが抑制される。
また、電磁マグネット43を側壁17と支持部41との間に軸方向配置したことによって、電磁マグネット43を含めてデファレンシャル装置1をユニット化することができる。
<実施例2>
図3によってデファレンシャル装置101の説明をする。以下、実施例1のデファレンシャル装置1との相違点を説明する。
[デファレンシャル装置101の特徴及び構造]
デファレンシャル装置101において、差動機構11側と差動制限機構13側とを連結するギア103(ギア部材:連結部材)は小径のギア部105と、その右端部に固定された大径のギア部107とを有し、小径のギア部105は差動機構11のサイドギア7側ギア部75と噛み合い、大径のギア部107は差動制限機構13のプレッシャープレート67側ギア部77と噛み合っている。
差動制限機構13の差動制限トルクはギア103を介し減速(増幅)されてサイドギア7側に伝達される。
[デファレンシャル装置101の効果]
差動制限機構13の差動制限トルクが増幅されてサイドギア7側に伝達されるから、同一トルク容量のメインクラッチ29ではより大きな差動制限力が得られると共に、同一の差動制限力をより小型の差動制限機構で得ることもできる。
この効果を除き、デファレンシャル装置101は、デファレンシャル装置1と同等の効果が得られる。
<実施例3>
図4によってデファレンシャル装置201の説明をする。以下、実施例1のデファレンシャル装置1との相違点を説明する。
[デファレンシャル装置201の特徴及び構造]
デファレンシャル装置201において、差動機構11側と差動制限機構13側とを連結するギア203(ギア部材:連結部材)は大径のギア部205と、同軸に固定された右端側の小径のギア部207とを有し、大径のギア部205は差動機構11のサイドギア7側ギア部75と噛み合い、小径のギア部207は差動制限機構13のプレッシャープレート67側ギア部77と噛み合っている。
差動制限機構13の差動制限トルクはギア203を介し増速(減縮)されてサイドギア7側に伝達される。
[デファレンシャル装置201の効果]
差動制限機構13の差動制限トルクが減縮されてサイドギア7側に伝達されるから、差動制限機能をそれだけ精密に調整することができる。
この効果を除き、デファレンシャル装置201は、デファレンシャル装置1と同等の効果が得られる。
<実施例4>
図5によってデファレンシャル装置301の説明をする。デファレンシャル装置301はエンジン(駆動力源)の回転駆動力を左右の車輪に伝達するものであり、左右の方向はデファレンシャル装置301が用いられた車両及び図5での左右の方向である。
[デファレンシャル装置301の特徴]
デファレンシャル装置301は、駆動トルクが入力されるデフケース303(入力部材)と、デフケース303からの駆動トルクを分配可能な一対のサイドギア305,307(出力部材)と、サイドギア305,307を差動回転可能に連結するピニオンギア309(差動部材)からなる差動機構311と、サイドギア305,307間の相対回転を規制する差動制限機構313とを有するデファレンシャル装置であって、サイドギア305,307とピニオンギア309(差動機構311)は、デフケース303に形成された側壁315及び周壁317によって形成された空間319内に配置され、差動制限機構313は、差動機構311に対し側壁315及び周壁317を挟んで反対側に配置され、差動機構311と差動制限機構313は側壁315及び周壁317を貫通して配置される連結部材によって駆動連結され、
差動制限機構313は、周壁317の外周側に配置された多板クラッチ321(摩擦クラッチ)であり、
上記の連結部材はギア323,325(ギア部材)であって、差動機構311と差動制限機構313とを噛み合い連結しており、
デフケース303は、側壁315及び周壁317を挟んで一方側(左方)に周壁317内で差動機構311を収容する上記空間319を形成するデフケース本体327(1つの部材)を有し、
デフケース303は、軸方向の両端側にデフキャリヤ329(固定部材)に対する一対の支持部331,333を有すると共に、差動機構311と差動制限機構313はこれらの支持部331,333の間に配置されていることを特徴とする。
[デファレンシャル装置301の構成]
デフケース303は、デフケース本体327とカバー部材335をボルト止めして構成されており、カバー部材335は側壁315及び周壁317と共に空間319を形成している。支持部331はカバー部材335に設けられ、支持部333はデフケース本体327に設けられている。これらの支持部331,333はベアリング337,337を介して、内部にオイル溜りが設けられたデフキャリヤ329に支持されている。
差動機構311は、デフケース本体327に固定されたピニオンシャフト339と、ピニオンシャフト339に回転自在に支持されたピニオンギア309と、左右からピニオンギア309と噛み合ったサイドギア305,307などから構成されており、各サイドギア305,307はそれぞれ車軸341,343を介して左右の車輪に連結されている。また、左サイドギア305にはギア345が固定されており、右サイドギア307にはギア347が固定されている。
差動制限機構313は、多板クラッチ321とアクチュエータ349から構成されている。多板クラッチ321はクラッチハウジング351とクラッチハブ353との間に設けられており、クラッチハウジング351にはギア部355が形成され、クラッチハブ353にはギア部357が形成されている。
ギア323,325はデフケース303の周壁317を貫通して設けられた収容部に支持されており、左ギア323は左サイドギア305のギア345とクラッチハウジング351のギア部355とそれぞれ噛み合い、右ギア325は右サイドギア307のギア347とクラッチハブ353のギア部357とそれぞれ噛み合っている。このように、多板クラッチ321は、クラッチハウジング351がギア部355とギア323とギア345とを介して左サイドギア305に連結され、クラッチハブ353がギア部357とギア325とギア347とを介して右サイドギア307に連結されており、各サイドギア305,307の間で差動を制限するように構成されている。
デフケース本体327にはエンジンの駆動力が入力する入力ギア359が連結されており、デフケース303を回転させるエンジンの駆動力は差動機構311を介して左右の車輪に伝達され、車輪間に駆動抵抗差が生じると、ピニオンギア309の自転により駆動力は左右各側に配分される。また、アクチュエータ349によって多板クラッチ321を締結させると、その差動制限トルクは上記の経路でサイドギア305,307に伝達され差動を制限する。また、アクチュエータ349を停止すると多板クラッチ321の締結が解除され、差動制限機能が停止する。
[デファレンシャル装置301の効果]
デファレンシャル装置301では、差動機構311と差動制限機構313が、デフケース303の側壁315と周壁317を挟んで互いの反対側に配置されたことによりデフケース303に対してそれぞれ独立して支持されるから、それだけ支持性が向上している。
また、側壁315と周壁317を貫通させてギア323,325を配置したことにより、差動制限トルクの伝達構造がそれだけシンプルになっている。
また、差動制限機構313(多板クラッチ321)を周壁317の外周側に配置したので、多板クラッチ321の摺動半径(有効径)を、周壁317による外径規制を受けずに充分大きくすることが可能であり、差動制限力をそれだけ強化できる。
また、ギア323,325によって差動機構311側と差動制限機構313側とを噛み合い連結させたから、噛み合い部のギア比を変えることにより、差動機構311と差動制限機構313との間で伝達される差動制限トルクを所望の値に設定することが容易である。
また、軸方向にストレートなギア323,325は成形が容易であり、それだけ安価に製造できる。
また、差動機構311を空間319内に組み付け、差動制限機構313をデフケース303の外部(周囲)に組み付けるから、差動機構311と差動制限機構313はそれぞれ組み付け性に優れており、組み付け作業が容易である。
また、デフケース303の軸方向両端側にデフキャリヤ329に対する支持部331,333を設け、差動機構311と差動制限機構313をこれら支持部331,333の間に配置したから、デファレンシャル装置301は確実に支持され、振動などが抑制される。
また、アクチュエータ349を側壁315と支持部333との間に軸方向配置したことによって、アクチュエータ349を含めてデファレンシャル装置301をユニット化することができる。
<実施例5>
図6によって動力伝達装置401の説明をする。この動力伝達装置401は、4輪駆動車の切り離し側車輪の動力伝達系に用いられ、エンジン(駆動力源)の駆動力を断続するものである。左右の方向は図6での左右の方向であり、図6の左方は車両の前方である。
[動力伝達装置401の特徴]
動力伝達装置401は、駆動トルクが入力されるハウジング403(入力部材)と、ハウジング403からの駆動トルクを分配可能なインターナルギア405及びサンギア407(出力部材)と、インターナルギア405とサンギア407を差動回転可能に連結するプラネタリーギア409(差動部材)とからなる変速ギア組411(差動機構)と、ハウジング403とサンギア407間の相対回転を規制する差動制限機構413とを有する動力伝達装置であって、変速ギア組411(ギア405,407,409)は、ハウジング403に形成された側壁415,417と周壁419によって形成された空間421内に配置され、差動制限機構413は、変速ギア組411に対し側壁417を挟んで反対側に配置され、変速ギア組411と差動制限機構413は側壁417を貫通して配置される連結部材によって駆動連結され、
差動制限機構413は、周壁423の外周側に配置された多板クラッチ425(摩擦クラッチ)であり、
上記の連結部材はサンギア407(ギア部材)であって、変速ギア組411と差動制限機構413とを噛み合い連結しており、
周壁419を第1の周壁として、第2の周壁423を設け、第2の周壁423は差動制限機構413の差動制限トルクを伝達する部材であり、
ハウジング403は、側壁417を挟んで一方側(左方)に変速ギア組411を収容する第1の空間421を形成し、他方側(右方)に差動制限機構413を収容する第2の空間429を形成する側壁431(側壁部材:1つの部材)を有し、
ハウジング403は、デフキャリヤ433(固定部材)に対する一対の支持部435,437を軸方向の両端側に有すると共に、変速ギア組411と差動制限機構413はこれらの支持部435,437の間に配置され、
差動制限機構413は、差動制限力を付与するアクチュエータ439を含み、このアクチュエータ439は、側壁419と支持部437との間で軸方向に配置されていることを特徴とする。
[動力伝達装置401の構成]
ハウジング403はエンジンの駆動力が入力する入力軸441を含み、左の支持部435は入力軸441に形成され、ボールベアリング443でデフキャリヤ433に支持されている。また、変速ギア組411のインターナルギア405は中空軸445に連結され、中空軸445はドライブピニオンシャフト447にスプライン連結されている。右の支持部435は中空軸445に形成され、ボールベアリング449,449でデフキャリヤ433に支持されている。また、ドライブピニオンシャフト447の後端にはドライブピニオンギア451が形成されており、車輪側デファレンシャル装置のデフケースに固定されたリングギアと噛み合っている。
プラネタリーギア409は側壁417に固定されたプラネタリーギアキャリヤ453に支持されており、サンギア407は周壁423に固定され、周壁423はベアリング455,455により中空軸445に支持されている。アクチュエータ439はデフキャリヤ433に支持されており、側壁431を貫通して多板クラッチ425を押圧する。
入力軸441(ハウジング403)とドライブピニオンシャフト447とが相対回転すると、この相対回転は変速ギア組411により増速されて多板クラッチ425に大きな差回転を発生させる。このときアクチュエータ439により多板クラッチ425を締結させると、エンジンの駆動トルクは多板クラッチ425と変速ギア組411とを直列に通過してドライブピニオンシャフト447側(車輪側デファレンシャル装置)に伝達され、車両は4輪駆動状態になる。
このとき、多板クラッチ425に掛かるトルクは、変速ギア組411の増速機能によって減縮されるから、多板クラッチ425はそれだけ小さな締結トルクで大きな駆動トルクを伝達することが可能になり、比較的クラッチ容量の小さな小型の多板クラッチ425を用いることができる。
また、多板クラッチ425の連結を解除すると、プラネタリーギア409の公転により駆動トルクが遮断され、車両は2輪駆動状態になる。
[動力伝達装置401の効果]
動力伝達装置401では、変速ギア組411と差動制限機構413が、ハウジング403の側壁417を挟んで互いの反対側に配置されたことにより、ハウジング403に対してそれぞれ独立して支持されるから、それだけ支持性が向上している。
また、側壁417を貫通させてサンギア407(周壁423)を配置したことにより、駆動トルクの伝達構造がそれだけシンプルになっている。
また、多板クラッチ425を周壁423の外周側に配置したので、多板クラッチ425の摺動半径(有効径)を、周壁423による外径規制を受けずに充分大きくすることが可能であり、トルク容量をそれだけ強化できる。
また、サンギア407によって変速ギア組411側と差動制限機構413側とを噛み合い連結させたから、噛み合い部のギア比を変えることによって、変速ギア組411と差動制限機構413との間で伝達される駆動トルクを所望の値に設定することが容易である。
また、周壁423は多板クラッチ425の締結トルクを伝達するだけの強度を持てばよいから、ハウジング403の大型化や重量増加がそれだけ抑制される。
また、ハウジング403が、変速ギア組411用の空間421と差動制限機構413用の空間429を持つことによって、変速ギア組411と差動制限機構413をそれぞれの空間に独立して組み付けることができるから、組み付け性に優れており、組み付け作業が容易である。
また、ハウジング403が軸方向の両端側にデフキャリヤ433に対する支持部435,437を有し、変速ギア組411と差動制限機構413をこれら支持部435,437の間に配置したから、動力伝達装置401は確実に支持され、振動などがそれだけ抑制される。
また、アクチュエータ439を側壁431と支持部437との間に軸方向配置したことによって、アクチュエータ439を含めて動力伝達装置401をユニット化することができる。
なお、この実施例5は、上記のように相対回転するクラッチの一側部材と他側部材に、入出力軸間の相対回転数と異なる回転数を与えるための機構の一例である。
[本発明の範囲に含まれる他の態様]
本発明のデファレンシャル装置は、実施例1〜4のように駆動力を左右の車輪に配分する車輪デフ(フロントデフとリヤデフ)の他に、駆動力を前後輪に配分するセンターデフにも用いることができる。
また、差動制限機構は、各実施例に用いられたようなクラッチ(摩擦クラッチ)に限らず、例えば、粘性流体の剪断抵抗を用いたカップリングなどの回転差感応型の機構や、駆動トルクを受けて締結されるトルク感応型の機構を用いてもよい。
また、差動制限機構用のアクチュエータは、電磁マグネットだけでなく、液圧式のアクチュエータ(例えば、油圧ピストン・シリンダ)や、電動モータ式のアクチュエータでもよい。
また、差動機構は、実施例1〜4のようなベベルギア式の差動機構以外に、プラネタリーギア式の差動機構や、平行軸型のギア機構(収容孔に摺動回転可能に収容されたピニオンギアでサイドギアを連結した差動機構)や、直交軸型のギア機構や、ボールと溝を用いた機構や、コマと傾斜カムを用いた機構など、差動作用を行える既存の機構であれば全て用いることができる。
また、実施例5では、プラネタリーギア式以外の差動機構(変速ギア組)を用いてもよい。
実施例1のデファレンシャル装置1を示す断面図である。 図1のA−A断面図である。 実施例2のデファレンシャル装置101を示す断面図である。 実施例3のデファレンシャル装置201を示す断面図である。 実施例4のデファレンシャル装置301を示す断面図である。 実施例5の動力伝達装置401を示す断面図である。
符号の説明
1 デファレンシャル装置
3 デフケース(入力部材)
5,7 サイドギア(一対の出力部材)
9 ピニオンギア(差動部材)
11 差動機構
13 差動制限機構
15,17 側壁
19 第1の周壁
21 第2の周壁
23 周壁
25 第1の空間
27 第2の空間
29 メインクラッチ(摩擦クラッチ:差動制限機構)
31 パイロットクラッチ(摩擦クラッチ:差動制限機構)
33 ギア(ギア部材:連結部材)
35 デフケース本体(1つの部材)
37 デフキャリヤ(固定部材)
39,41 一対の支持部
43 電磁マグネット(アクチュエータ)
101 デファレンシャル装置
103 ギア(ギア部材:連結部材)
201 デファレンシャル装置
203 ギア(ギア部材:連結部材)
301 デファレンシャル装置
303 デフケース(入力部材)
305,307 サイドギア(一対の出力部材)
309 ピニオンギア(差動部材)
311 差動機構
313 差動制限機構
315 側壁
317 周壁
319 空間
321 多板クラッチ(摩擦クラッチ:差動制限機構)
323,325 ギア(ギア部材:連結部材)
327 デフケース本体(1つの部材)
329 デフキャリヤ(固定部材)
331,333 一対の支持部
401 動力伝達装置
403 ハウジング(入力部材)
405 インターナルギア(出力部材)
407 サンギア(出力部材)
409 プラネタリーギア(差動部材)
411 変速ギア組(差動機構)
413 差動制限機構
415,417 側壁
419 第1の周壁
421 第1の空間
423 第2の周壁
425 多板クラッチ(摩擦クラッチ:差動制限機構)
429 第2の空間
431 側壁(側壁部材:1つの部材)
433 デフキャリヤ(固定部材)
435,437 一対の支持部
439 アクチュエータ

Claims (7)

  1. 駆動トルクが入力される入力部材と、前記入力部材からの前記駆動トルクを分配可能な一対の出力部材と、前記一対の出力部材を差動回転可能に連結する差動部材とからなる差動機構と、前記入力部材と前記一対の出力部材のうちの2部材間の相対回転を規制する差動制限機構とを有するデファレンシャル装置であって、
    前記一対の出力部材と前記差動部材とからなる前記差動機構は、前記入力部材に形成された側壁及び周壁によって形成された空間内に配置され、前記差動制限機構は、前記差動機構に対し前記側壁または周壁を挟んで反対側に配置され、前記差動機構と前記差動制限機構は前記側壁または周壁を貫通して配置される連結部材によって駆動連結されることを特徴とするデファレンシャル装置。
  2. 請求項1に記載されたデファレンシャル装置であって、
    前記差動制限機構は、前記周壁の外周側に配置された摩擦クラッチであることを特徴とするデファレンシャル装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載されたデファレンシャル装置であって、
    前記連結部材は、ギア部材からなり、前記差動機構と前記差動制限機構との間を噛み合い連結することを特徴とするデファレンシャル装置。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載されたデファレンシャル装置であって、
    前記周壁を第1の周壁とすると共に、前記入力部材に第2の周壁を設け、この第2の周壁は前記差動制限機構の差動制限トルクを伝達することを特徴とするデファレンシャル装置。
  5. 請求項4に記載されたデファレンシャル装置であって、
    前記入力部材は、前記側壁及び前記周壁を挟んで一方側に前記第1の周壁内で前記差動機構を収容する第1の空間を形成し、他方側に前記第2の周壁内で前記差動制限機構を収容する第2の空間を形成する1つの部材を有することを特徴とするデファレンシャル装置。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれかに記載されたデファレンシャル装置であって、
    前記入力部材は、軸方向の両端側に固定部材に対する一対の支持部を有し、前記差動機構と前記差動制限機構は、前記一対の支持部の間に配置されていることを特徴とするデファレンシャル装置。
  7. 請求項6に記載されたデファレンシャル装置であって、
    前記差動制限機構は、差動制限力を付与するアクチュエータを含み、このアクチュエータは、前記側壁と前記一対の支持部の一方との間で軸方向に配置されていることを特徴とするデファレンシャル装置。
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