JP2010223295A - 車両用差動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ドライブモード及びコーストモードのいずれかのモードに限定したバイアス比の調整を行うことができる車両用差動装置を提供する。
【解決手段】遊星歯車2B,2B,…を自転可能に支持する回転部材からなるプラネタリキャリア2Aは、1対の出力軸の回転軸線O上で相対回転不能な円筒体20A,21Aによって分割形成され、車両の駆動源の駆動力を受けて1対の出力軸の回転軸線O方向にスラスト力を発生させるスラスト力発生部、及び車両のドライブモードにおいて円筒体20A,21Aの軸方向に沿うスラスト力による相対移動を規制する相対移動規制部を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両用差動装置に関し、特にギヤ部材を自転可能に保持する保持部材を備えた車両用差動装置に関する。
従来の車両用差動装置として、遊星歯車を自転可能に収容保持する入力部材としてのプラネタリキャリアを有するハウジングと、プラネタリキャリア内の遊星歯車に噛合する第1出力部材としての内歯車と、内歯車と同一の軸線上で遊星歯車に噛合する第2出力部材としての太陽歯車とを備えたものがある(例えば特許文献1参照)。
ハウジングは、車両のエンジン側からのトルクを受けてプラネタリキャリアと共に回転し、この回転力をプラネタリキャリアから遊星歯車を介して太陽歯車と内歯車に伝達する。
内歯車は、カップリング連結用のヘリカルスプライン嵌合部を有する。そして、遊星歯車の回転力を受けて回転し、この回転力をカップリングに伝達する。
カップリングは、内歯車のヘリカルスプライン嵌合部と共にスラスト力発生部を構成するヘリカルスプライン嵌合部を有する。そして、内歯車からの回転力をリヤ車軸(出力軸)に伝達する。
太陽歯車は、遊星歯車の回転力を受けて回転し、この回転力をフロント車軸(出力軸)に伝達する。
以上の構成により、車両のエンジン側からのトルクがハウジングに入力されると、ハウジングが回転軸線の回りに回転する。ハウジングが回転すると、この回転力がプラネタリキャリアを介して遊星歯車に伝達され、さらに遊星歯車から内歯車及び太陽歯車に伝達される。
この場合、車両の直進走行時には前後の駆動輪が同一回転しているため、遊星歯車が太陽歯車及び内歯車に噛合して相対回転せず、差動装置全体が一体となってハウジングの回転軸線の回りに公転する。
一方、車両のコーナリング時など前後の駆動輪に回転差が生じた場合には、遊星歯車がハウジングの回転軸線の回りに公転しつつ、プラネタリキャリア内で自転し、回転差を補正する。すなわち、太陽歯車及び内歯車の一方が加速する方向に、他方が減速する方向に遊星歯車が自転することにより差動機能を行う。
また、前後駆動輪のグリップ力に差が生じた場合には、遊星歯車が太陽歯車及び内歯車との噛み合いにより発生するスラスト力を利用した摩擦力、あるいは遊星歯車の歯先面とプラネタリキャリアのギヤ保持面との間に発生する摩擦力による差動制限機能を行う。この際、内歯車とカップリングとの間のスラスト力発生部で発生するスラスト力によって差動制限力が増幅・低減される。
特開2005−16643号
しかしながら、特許文献1に示す車両用差動装置によると、車両のドライブモード時及びコーストモード時にスラスト力発生部でスラスト力が発生し、差動制限力が増大・減少されるため、ドライブモード及びコーストモードのいずれかのモードに限定した差動制限機能(バイアス比)の調整を行うことができないという問題があった。
例えば、コーストモードにおいてドライブモードと同様の高いロック率性能を有する場合には、低μ(μ:摩擦係数)路等でのブレーキによる減速時に車輪のロックを防止する所謂アンチロックブレーキシステムの動作に差動制限力が影響を及ぼし、同システムの性能を十分に発揮できないおそれがある。また、旋回時等における車両の不安定な挙動を修正する車両安定化制御装置や急加速時の車輪の空転を防止する装置等が搭載された車両では、ドライブモードにおけるロック率を高めると、これらの装置との干渉により、その性能が十分に発揮されない可能性がある。またさらに、これらの装置を備えていない場合でも、主に直進時に発生するコーストモードとカーブを抜ける際にも発生する機会の多いドライブモードとでは、ロック率を異ならせたいというニーズがある。つまり、ドライブモードにおけるロック率とコーストモードにおけるロック率は、車両の構成に応じてそれぞれ最適な値があり、これに適合させるためには両モードにおけるロック率を異ならせる必要があるが、上記従来の車両用差動装置ではこのような対応ができなかった。
従って、本発明の目的は、ドライブモード及びコーストモードのいずれかのモードに限定したバイアス比の調整を行うことができる車両用差動装置を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために、回転部材からなる保持部材によって自転可能に保持された第1ギヤ部材、及び前記第1ギヤ部材にそれぞれ噛合する第2ギヤ部材,第3ギヤ部材を備え、前記第1ギヤ部材,前記第2ギヤ部材,前記第3ギヤ部材及び前記保持部材を介して車両の駆動源の駆動力を1対の出力軸に分配する車両用差動装置であって、前記保持部材,前記第2ギヤ部材及び前記第3ギヤ部材の少なくともいずれかの部材は、前記1対の出力軸の軸線上で相対回転不能な複数のエレメントによって分割形成され、前記複数のエレメント間に、前記駆動力を受けて前記1対の出力軸の軸線方向にスラスト力を発生させるスラスト力発生部、及び前記車両のドライブモード,コーストモードのいずれかのモードにおいて前記複数のエレメントのうち互いに隣接する少なくとも2つのエレメントの軸方向に沿う前記スラスト力による相対移動を規制する相対移動規制部を有する車両用差動装置を提供する。
本発明によると、ドライブモード及びコーストモードのいずれかのモードに限定したバイアス比の調整を行うことができる。
本発明の実施の形態に係る車両用差動装置の全体を説明するために示す断面図。 本発明の実施の形態に係る車両用差動装置の保持部材を説明するために示す分解斜視図。 (a)及び(b)は、本発明の実施の形態に係る車両用差動装置の動作を説明するために示す断面図。図3(a)はドライブモード時を、また図3(b)はコーストモード時をそれぞれ示す。
[実施の形態]
本発明の実施の形態に係る車両用差動装置につき、図1及び図2を用いて説明する。図1は、車両用差動装置をデフケースの回転軸線に沿って切断した状態を示す。図2は、車両用差動装置のプラネタリキャリアを示す。
〔車両用差動装置の全体構成〕
図1において、符号101で示す車両用差動装置は、例えば4輪駆動車の駆動源の駆動力を前輪側のディファレンシャル装置(図示せず)と後輪側のディファレンシャル装置(図示せず)とに配分するセンターデフとして用いられ、駆動源の駆動トルク(エンジントルク)を前輪側及び後輪側の1対の出力軸(図示せず)に差動分配する差動機構102と、この差動機構102の差動を制限する差動制限機構103とから大略構成されている。
(差動機構102の構成)
差動機構102は、保持部材としてのプラネタリキャリア(入力部材)2Aと、このプラネタリキャリア2Aの回転力を受ける第1ギヤ部材としての複数の遊星歯車(入力側ギヤ)2B,2B,…(1個のみ図示)と、これら複数の遊星歯車2B,2B,…に噛合する第2ギヤ部材としての太陽歯車(第1出力側ギヤ)2Cと、この太陽歯車2Cと同一の軸線上で複数の遊星歯車2B,2B,…に噛合する第3ギヤ部材としての内歯車(第2出力側ギヤ)2Dと、この内歯車2D及び太陽歯車2C・プラネタリキャリア2A・複数の遊星歯車2B,2B,…を収容するデフケース2Eとを備えている。
<プラネタリキャリア2Aの構成>
プラネタリキャリア2Aは、太陽歯車2Cと内歯車2Dとの間に介在してデフケース2Eの回転軸線O上に回転自在に配置され、全体が各外径を互いに異にする内外2つの円筒体20A,21Aによって分割形成されている。
円筒体20Aは、図2に示すように、各外径をそれぞれ互いに異にする筒部22A〜24Aを有し、プラネタリキャリア2Aの内周部に配置されている。筒部22Aは内歯車2D(図1に示す)内に、筒部23Aは太陽歯車2C(図1に示す)の内周囲にそれぞれ配置されている。筒部24Aは筒部22Aと筒部23Aとの間に介在して配置されている。
筒部22Aの外周面には、円筒体21Aの内フランジ251A(後述)と内歯車2Dとの間に介在するヘリカルギヤを形成するヘリカルスプライン嵌合部220Aが設けられている。
筒部22Aには、円筒体21Aの内フランジ251Aの第1当接面252A(後述)に対向する第2当接面221Aが設けられている。
円筒体21Aは、基部25A及び鍔部26Aからなり、太陽歯車2Cと内歯車2Dとの間に介在して配置され、全体が各内外径をそれぞれ互いに異にする段状の円筒部材によって形成されている。
基部25Aは、プラネタリキャリア2Aの回転軸線O方向に開口する円筒部材によって形成されている。
基部25Aの内周面には、円筒体20Aのヘリカルスプライン嵌合部220Aに嵌合(噛合)し、かつ車両の駆動源(図示せず)の駆動力を受けて軸線方向にスラスト力を発生させるスラスト力発生部をヘリカルスプライン嵌合220Aと共に構成するヘリカルスプライン嵌合部250Aが設けられている。これにより、円筒体20A,21A間のトルク伝達時に、スラスト発生部(ヘリカルスプライン嵌合部220A,250A)において、円筒体20A,21A間に回転軸線Oに沿うスラスト力を発生させる。
また、基部25Aの内周面には、径方向に突出し、かつドライブモード時又はコーストモード時にヘリカルスプライン嵌合部220A,250A間で発生するスラスト力による回転軸線O方向に沿う円筒体20A,21Aの相対移動を規制する相対移動規制部を筒部22Aと共に構成する内フランジ251Aが設けられている。
ここで、ドライブモードとは、車両の前進トルクをエンジン側から1対の車軸に伝達する場合に設定されるモードをいう。また、コーストモードとは、車両の前進トルクを1対の車軸からエンジン側に伝達する場合に設定されるモードをいう。
本実施の形態では、例えばドライブモード時にスラスト力発生部において円筒体20A,21Aの相対移動を規制する方向にスラスト力が発生すると、遊星歯車2B,2B,…及び太陽歯車2C・内歯車2Dに回転軸線Oに沿って発生するスラスト力による差動制限トルクの増大効果を無効にすることができる。
一方、コーストモード時にスラスト力発生部において円筒体20A,21Aの相対移動を許容する方向にスラスト力が発生すると、遊星歯車2B,2B,…及び太陽歯車2C・内歯車2Dに回転軸線Oに沿って発生するスラスト力による差動制限トルクの増大効果を得ることができる。
内フランジ251Aには、円筒体20A,21Aの相対移動規制部による移動規制状態において第2当接面221Aに軸方向から当接する第1当接面252Aが設けられている。これにより、第1当接面252A及び第2当接面221Aを互いに当接させ、ドライブモード時又はコーストモード時にヘリカルスプライン嵌合部220A,250A間で発生するスラスト力による回転軸線O方向に沿う相対移動が規制される。
鍔部26Aは、基部25Aに連通し、かつプラネタリキャリア2Aの軸線方向に開口する円環部材によって形成されている。鍔部26Aの外径は基部25Aの外径よりも、またその内径は基部25Aの内径よりもそれぞれ大きい寸法に設定されている。
プラネタリキャリア2Aには、遊星歯車2B,2B,…(図1に示す)を自転可能に収容支持するギヤ収容支持部20aが設けられている。
ギヤ収容支持部20aは、第1収容孔200a及び第2収容孔201aからなり、基部25A及び鍔部26Aに跨って配置されている。
第1収容孔200aは、プラネタリキャリア2Aの径方向内側(鍔部26Aの内周面)及び回転軸線Oと平行な両側方向に開口し、鍔部26Aに配置されている。
第1収容孔200aの内周面(トルク伝達面)は、遊星歯車2B,2B,…のギヤ部20B,20B,…(後述)の歯先面に適合する曲率面からなる第1ギヤ支持面202aで形成されている。
第2収容孔201aは、プラネタリキャリア2Aの径方向外側(基部25Aの外周面)及び軸線Oと平行な片側方向に開口し、かつ第1収容孔200aに連通し、基部25Aに配置されている。
第2収容孔201aの内周面(トルク伝達面)は、遊星歯車2B,2B,…のギヤ部21B,21B,…(後述)の歯先面に適合する曲率面からなる第2ギヤ支持面203aで形成されている。第2収容孔201aの底面は、遊星歯車2B,2B,…のギヤ部21B,21B,…の軸線方向先端面(自由端面)を摺動可能に支持する第3ギヤ支持面204aで形成されている。
<遊星歯車2B,2B,…の構成>
遊星歯車2B,2B,…は、図1に示すように、それぞれ各ピッチ円直径D,D(D>D)が互いに異なる(捩れ方向は同一である)大小2つのギヤ部20B,21B(ギヤ部20Bがピッチ円直径Dの歯車諸元を、ギヤ部21Bがピッチ円直径Dの歯車諸元をもつ)を有するヘリカルギヤからなり、プラネタリキャリア2Aの第1収容孔200a及び第2収容孔201a内に自転可能に収容されている。
ギヤ部20Bは、太陽歯車2Cに噛合し、第1収容孔200a内に収容されている。そして、太陽歯車2Cを介してプラネタリキャリア2Aの回転力を図1の左方の出力軸(フロント車軸連結用の出力軸)に伝達し得るように構成されている。
ギヤ部20Bの軸方向線先端面(自由端面)とデフケース2E(リヤケース21E)の内フランジ210Eとの間には、太陽歯車2Cの外周囲に位置する環状のスラストワッシャ104が介装されている。
ギヤ部20Bの歯数Zは、ギヤ部21Bの歯数Z(Z>Z)よりも大きい歯数に設定されている。
ギヤ部21Bは、内歯車2Dに噛合し、第2収容孔201a内に収容されている。そして、内歯車2Dを介してプラネタリキャリア2Aの回転力を図1の右方の出力軸(リヤ車軸連結用の出力軸)に伝達し得るように構成されている。
<太陽歯車2Cの構成>
太陽歯車2Cは、遊星歯車2B,2B,…のギヤ部20B,20B,…に噛合して内歯車2Dの軸線上で回転可能に配置され、かつデフケース2E内に収容され、全体が回転軸線Oと同一の軸線をもつ円筒状のヘリカルギヤによって形成されている。そして、遊星歯車2B,2B,…のギヤ部20B,20B,…からの回転力を受け、図1の左方の出力軸(前輪側出力軸)に出力するように構成されている。
太陽歯車2Cの内周面には、前輪側の出力軸を相対回転不能に連結するストレートスプライン嵌合部20Cが設けられている。
太陽歯車2Cの外周面には、中間部材5のヘリカルスプライン嵌合部22aと共に移動力変換部24を形成するヘリカルスプライン嵌合部21Cが設けられている。
太陽歯車2Cのピッチ円直径D及び歯数Zは、遊星歯車2B,2B,…のギヤ部20B,20B,…のピッチ円直径D及び歯数Zよりも大きい寸法と歯数に設定されている。
<内歯車2Dの構成>
内歯車2Dは、ボス部20D及びギヤ部21Dからなり、遊星歯車2B,2B,…のギヤ部21B,21B,…に噛合してデフケース2Eの回転軸線O上で回転可能に配置され、かつデフケース2Eのリヤケース21Eにリングボルト105を介して取り付けられ、全体が円筒状のヘリカルギヤによって形成されている。そして、遊星歯車2B,2B,…のギヤ部21B,21B,…からの回転力を受け、図1の右方の出力軸(後輪側出力軸)に出力するように構成されている。
ボス部20Dは、太陽歯車2Cにプラネタリキャリア2Aを介して対向する位置に配置され、全体がデフケース2Eの回転軸線O方向に開口する円筒体によって形成されている。
ボス部20Dの外周面には、プラネタリキャリア2Aの太陽歯車側端面と反対側の端面に対向するフランジ端面をもつ鍔部200Dが設けられている。
ボス部20Dの内周面には、後輪側出力軸を相対回転不能に連結するストレートスプライン嵌合部201Dが設けられている。
ギヤ部21Dは、遊星歯車2B,2B,…のギヤ部21B,21B,…に噛合してプラネタリキャリア2Aの外周囲に配置され、かつ内歯車2Dのボス部20Dに鍔部200Dを介して一体に形成されている。
ギヤ部21Dのピッチ円直径D及び歯数Zは、太陽歯車2Cのピッチ円直径D及び歯数Zよりも大きい寸法と歯数に設定されている。
<デフケース2Eの構成>
デフケース2Eは、回転軸線Oに沿って2方向に開口する円環状のフロントケース20Eと、このフロントケース20Eと内歯車2Dとの間に介在する円筒状のリヤケース21Eとからなり、ベース2に軸受106を介して回転自在に支持され、かつ内歯車2Dにリングボルト105を介して取り付けられている。そして、全体が差動機構2及び差動制限機構3を内部に内歯車2Dと共に収容する中空構造体によって形成されている。
フロントケース20Eは、第1〜第3ケースエレメント10〜12を有し、デフケース2Eのベース2側に配置され、かつリヤケース21Eに締結ボルト107によって取り付けられている。
第1ケースエレメント10は、ベース2を挿通する円筒部10a、及びアーマチャ21にクラッチ機構4を介して対向する鍔部10bを有し、フロントケース20Eの内周側に配置され、全体が軟鉄等の磁性材料からなる円筒部材によって形成されている。
第2ケースエレメント11は、フロントケース20Eの外周側に配置され、全体が第1ケースエレメント10と同様に軟鉄等の磁性材料からなる円筒部材によって形成されている。
第3ケースエレメント13は、第1ケースエレメント10と第2ケースエレメント11との間に介在し、全体がステンレス鋼等の非磁性材料からなるケースエレメント連結用の円環部材によって形成されている。
リヤケース21Eは、スラストワッシャ104と中間部材5との間に介在する内フランジ210Eを有し、差動機構102と差動制限機構103との間に配置されている。
(差動制限機構103の構成)
差動制限機構103は、差動機構102の差動を制限する電磁クラッチ1を有し、デフケース2E(リヤケース21E)の内周面と太陽歯車2Cの外周面との間に配置されている。そして、太陽歯車2C(デフケース2E)及び内歯車2Dを互いに断続(トルク伝達)可能に連結するように構成されている。
<電磁クラッチ1の構成>
電磁クラッチ1は、固定用のベース2と、このベース2に対して回転可能なデフケース2Eと、このデフケース2E内でクラッチ駆動力を発生させる駆動機構3と、この駆動機構3の軸線(回転軸線O)上で回転可能な太陽歯車2C,内歯車2Dを断続可能に連結するクラッチ機構4と、このクラッチ機構4に向かって移動可能な中間部材5とを備えている。
ベース2は、デフケース2Eの左方に配置され、全体が円筒部材によって形成されている。ベース2には、電磁コイル20を収容する収容空間2aが設けられている。
駆動機構3は、電磁コイル20及びアーマチャ21を有し、ベース2の軸線(回転軸線O)上に配置されている。そして、太陽歯車2C,内歯車2Dの回転時にクラッチ機構4のインナクラッチプレート4a,4a,…及びアウタクラッチプレート4b,4b,…(後述)のうち互いに隣り合うクラッチプレート同士を押圧して摩擦摺動させるように構成されている。
電磁コイル20は、ベース2の収容空間2aに収容されている。そして、通電によってベース2,アーマチャ21及びフロントケース20Eに跨って磁気回路を形成し、アーマチャ21にフロントケース20E側への移動力を付与するための電磁力を発生させるように構成されている。
アーマチャ21は、クラッチ機構4と中間部材5との間に配置され、かつフロントケース20E内に収容されている。全体が鉄等の磁性材料からなる環状板によって形成されている。そして、電磁コイル20の電磁力を受け、クラッチ機構4にデフケース2Eの回転軸線Oに沿って移動するように構成されている。
クラッチ機構4は、駆動機構3の駆動によるアーマチャ21の移動によって互いに摩擦係合可能な第1クラッチプレートとしてのインナクラッチプレート4a,4a,…及び第2クラッチプレートとしてのアウタクラッチプレート4b,4b,…を有し、アーマチャ21とフロントケース20Eとの間に配置され、かつリヤケース21E内に収容されている。そして、インナクラッチプレート4a,4a,…及びアウタクラッチプレート4b,4b,…のうち互いに隣り合うクラッチプレート同士が摩擦係合し、または摩擦係合解除して太陽歯車2C,内歯車2D(デフケース2E)を断続するように構成されている。
インナクラッチプレート4a,4a,…及びアウタクラッチプレート4b,4b,…は、それぞれがデフケース2Eの回転軸線Oに沿って交互に配置され、全体が環状の摩擦板によって形成されている。
インナクラッチプレート4a,4a,…は、その内周部にストレートスプライン嵌合部40a,40a,…を有し、デフケース2Eの回転軸線O上に移動可能に配置され、かつストレートスプライン嵌合部40a,40a,…が中間部材5のストレートスプライン嵌合部22b(後述)に相対回転不能に連結されている。
アウタクラッチプレート4b,4b,…は、その外周部にストレートスプライン嵌合部40b,40b,…を有し、デフケース2Eの回転軸線O上に移動可能に配置され、かつストレートスプライン嵌合部40b,40b,…がリヤケース21Eのストレートスプライン嵌合部10bに相対回転不能に連結されている。
中間部材5は、基部22及び鍔部23を有し、太陽歯車2Cの外周囲に配置され、かつデフケース2E内に収容され、全体がステンレス等の非磁性材料によって形成されている。そして、太陽歯車2Cの回転力を受け、クラッチ機構4に向かって移動するように構成されている。
基部22は、その軸線方向に開口する円筒状部材によって形成されている。基部22の内周面には太陽歯車2Cのヘリカルスプライン嵌合部21Cに対応して嵌合(噛合)するヘリカルスプライン嵌合部22aが、またその外周面にはインナクラッチプレート4a,4a,…のストレートスプライン嵌合部40a,40a,…に対応するストレートスプライン嵌合部22bがそれぞれ設けられている。
ヘリカルスプライン嵌合部22aは、ヘリカルスプライン嵌合部21Cと共に移動力変換部24を形成し、太陽歯車2Cの回転力をクラッチ機構4への移動力に変換するように構成されている。ヘリカルスプライン嵌合部22aの捩れ角は、電磁コイル20の通電状態からその非通電状態になった際にインナクラッチプレート4a,4a,…及びアウタクラッチプレート4b,4b,…を互いに摩擦係合させない角度(例えば45°)に設定されている。
ヘリカルスプライン嵌合部22a,21Cの捩れ角は、クラッチプレート枚数や回転軸線Oからスプライン噛合点までの寸法等に応じて適宜変更される。
鍔部23は、リヤケース21Eの内フランジ210Eとアーマチャ21の片側端面(クラッチ機構側端面と反対側の端面)との間に介在して中間部材5の軸線方向片側端部に配置され、かつ基部22の外周面に一体に設けられている。鍔部23のクラッチ機構側端面には、中間部材5のクラッチ機構4への移動によってインナクラッチプレート4a,4a,…及びアウタクラッチプレート4b,4b,…を互いに摩擦係合させる方向にアーマチャ21を押圧する押圧部23aが設けられている。
〔車両用差動装置1の動作〕
次に、本実施の形態に示す車両用差動装置の動作につき、図1及び図3(a),(b)を用いて説明する。図3(a)及び(b)は、ドライブモード時とコーストモード時のスラスト力発生状態を示す。
図1に示すように、車両のエンジン側からのトルクがプラネタリキャリア2Aに入力されると、プラネタリキャリア2Aが回転軸線Oの回りに回転駆動される。プラネタリキャリア2Aが回転駆動されると、この回転力が遊星歯車2B,2B,…に伝達され、さらに遊星歯車2B,2B,…のギヤ部20B,20B,…から太陽歯車2Cに、また遊星歯車2B,2B,…のギヤ部21B,21B,…から内歯車2Dにそれぞれ伝達される。この場合、太陽歯車2Cが前輪側出力軸に、また内歯車2Dが後輪側出力軸にそれぞれスプライン嵌合されているため、エンジン側からのトルクがプラネタリキャリア2A及び遊星歯車2B,2B,…、さらに太陽歯車2C及び内歯車2Dを介して左右(前後輪側)の出力軸に伝達される。
ここで、車両が直進状態であり、かつ前後各車輪に路面との間でスリップが発生しない場合には、エンジン側からのトルクがプラネタリキャリア2Aに伝達されると、プラネタリキャリア2Aが回転軸線Oの回りに回転すると共に、遊星歯車2B,2B,…が太陽歯車2C及び内歯車2Dの中心軸回りに自転することなく公転し、遊星歯車2B,2B,…及び太陽歯車2C・内歯車2Dがプラネタリキャリア2Aと共に一体に回転するため、エンジン側からのトルクが前後各出力軸にD/D(前):D/D(後)の配分比を基準に、静摩擦時の差動制限トルク配分内で路面反力のアンバランスに瞬時に対応して損失なく前後各出力軸に伝達され、前後各出力軸が等しい回転数で回転する。
一方、車両の前後車輪の一方と路面との間でスリップが発生する場合には、プラネタリキャリア2Aにエンジントルクが入力された状態で次の(1)及び(2)に示す作用によって出力側ギヤ(太陽歯車2C及び内歯車2D)に差動制限トルクが発生する。
(1)遊星歯車2B,2B,…がトルクを入力した状態で自転すると、これら遊星歯車2B,2B,…(ギヤ部20B,20B,…及びギヤ部21B,21B,…)の各歯先面がプラネタリキャリア2A(第1収容孔200a及び第2収容孔201a)の第1ギヤ支持面202aと第2ギヤ支持面203aで摺動し、これら第1ギヤ支持面202a,第2ギヤ支持面203aと遊星歯車2B,2B,…の各歯先面との間に摩擦抵抗が発生し、これら摩擦抵抗によって太陽歯車2C,内歯車2Dに差動制限トルクが発生する。
また、遊星歯車2B,2B,…のトルクを入力した状態での自転によってギヤ噛み合い面で各ギヤ(遊星歯車2B,2B,…及び太陽歯車2C・内歯車2D)に回転軸線Oに沿ってスラスト力が発生する。この場合、遊星歯車2B,2B,…(ギヤ部21B,21B,…)の軸線方向先端面がプラネタリキャリア2A(第2収容孔201a)の第3ギヤ支持面204a、もしくはリヤケース21Eの内フランジ210Eでスラストワッシャ104を介してそれぞれ摺動する。この際、各摺動部の間で摩擦抵抗が発生し、これら摩擦抵抗によっても太陽歯車2C,内歯車2Dに差動制限トルクが発生する。
本実施の形態においては、プラネタリキャリア2Aが回転軸線O方向に沿うスラスト力を発生させるスラスト力発生部、及びドライブモード時に円筒体20A,21Aの軸線O方向に沿うスラスト力による相対移動を規制する相対移動規制部を有する。
このため、ドライブモード時にスラスト力発生部において円筒体20Aに図3(a)に矢印mで示す方向に、また円筒体21Aに図3(a)に矢印nで示す方向にそれぞれスラスト力が発生すると、相対移動規制部において第1当接面252A及び第2当接面221Aを互いに押す方向に円筒体20A,21Aが移動し、円筒体20A,21Aの相対移動が規制される。これにより、各ギヤ(遊星歯車2B,2B,…及び太陽歯車2C・内歯車2D)に回転軸線Oに沿って発生するスラスト力による差動制限トルクの増大効果を無効にすることができるため、ドライブモード時に車両のバイアス上昇が抑制され、ドライブモードに限定したバイアス調整を行うことができる。
一方、車両のコーストモード時にスラスト力発生部において円筒体20Aに図3(b)に矢印sで示す方向に、また円筒体21Aに図3(b)に矢印tで示す方向にそれぞれスラスト力が発生すると、相対移動規制部において第1当接面252A及び第2当接面221Aを互いに離間させる方向に円筒体20A,21Aが移動し、円筒体20A,21Aの相対移動が規制されることがない。これにより、両ヘリカルスプライン嵌合部220A,250A間で発生するスラスト力によって各ギヤ(遊星歯車2B,2B,…及び太陽歯車2C・内歯車2D)に回転軸線Oに沿って発生するスラスト力による差動制限トルクの増大効果を得ることができる。
(2)駆動機構3の電磁コイル20に通電すると、ベース2及びフロントケース20E・リヤケース21E・アーマチャ21に跨って磁気回路が形成され、その電磁力によってアーマチャ21が電磁コイル側(ベース2側)に移動する。このアーマチャ21の移動によって差動制限機構3(クラッチ機構4のインナクラッチプレート4a,4a,…及びアウタクラッチプレート4b,4b,…)がベース2側に押圧され、これに伴いインナクラッチプレート4a,4a,…及びアウタクラッチプレート4b,4b,…が相対的に接近して互いに摩擦係合する。
この場合、インナクラッチプレート4a,4a,…とアウタクラッチプレート4b,4b,…との間にその摩擦係合によって1次クラッチ力が発生し、この1次クラッチ力によってデフケース2E及び太陽歯車2Cが、すなわち太陽歯車2C及び内歯車2Dがインナクラッチプレート4a,4a,…及びアウタクラッチプレート4b,4b,…を介して互いにトルク伝達可能に連結される。これにより、太陽歯車2C,内歯車2Dに差動制限トルクが発生する。
ここで、ドライブモード時に駆動源(図示せず)の駆動トルクによってプラネタリキャリア2Aが図1に矢印で示す方向に回転している場合、太陽歯車2C及び内歯車2DがD/D:D/Dの配分比に応じた1次発生トルクを受ける。この際、中間部材5の移動力変換部24(ヘリカルスプライン嵌合部22a,21C)において、太陽歯車2Cにはプラネタリキャリア2A側へのスラスト力が、また中間部材5にはアーマチャ21側へのスラスト力がそれぞれ1次発生トルクの大きさに比例した大きさで作用する。
このため、太陽歯車2Cの回転力が移動力変換部24でクラッチ機構4への移動力に変換され、この移動力によって中間部材5がクラッチ機構4側に移動して押圧部23aでインナクラッチプレート4a,4a,…及びアウタクラッチプレート4b,4b,…を互いに摩擦係合させる方向にアーマチャ21を押圧し、このアーマチャ21への押圧によって2次クラッチ力が発生する。これにより、太陽歯車2C及び内歯車2Dがクラッチ機構4及び中間部材5を介してD/D:D/Dの配分比に応じた2次発生トルクを受ける。このようなサイクルを繰り返して増幅されたトルクを太陽歯車2C及び内歯車2Dが受け、ドライブモード時に不足した差動制限トルクを補うことができる。
[実施の形態の効果]
以上説明した実施の形態によれば、次に示す効果が得られる。
(1)プラネタリキャリア2Aにおいて、車両のドライブモード時に円筒体20A,21Aの相対移動が規制され、各ギヤ(遊星歯車2B,2B,…及び太陽歯車2C・内歯車2D)に発生するスラスト力による差動制限トルクの増大効果を無効にすることができる。これにより、車両のバイアス上昇が抑制され、ドライブモードに限定したバイアス調整を行うことができる。
(2)差動制限機構103において、インナクラッチプレート4a,4a,…及びアウタクラッチプレート4b,4b,…の枚数を増やすことなくクラッチ容量を増大することができ、十分に大きなクラッチ力を得ることができる。これにより、ドライブモード時に不足した差動制限トルクを補うことができる。
以上、本発明の電磁クラッチを上記の実施の形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能であり、例えば次に示すような変形も可能である。
(1)上記実施の形態では、ドライブモード時にプラネタリキャリア2Aの円筒体20A,21Aの相対移動を規制してドライブモードに限定したバイアス調整を行う場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、コーストモード時にプラネタリキャリアの各円筒体の相対移動を規制してコーストモードに限定したバイアス調整を行うこともできる。
(2)上記実施の形態では、保持部材としてのプラネタリキャリア2Aを複数のエレメント(2つの円筒体20A,21A)に分割形成する場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、第2ギヤ部材としての太陽歯車又は第3ギヤ部材としての内歯車を複数のエレメントに分割形成してもよい。また、プラネタリキャリア及び太陽歯車を、太陽歯車及び内歯車を、内歯車及びプラネタリキャリアを、あるいはプラネタリキャリア,太陽歯車及び内歯車をそれぞれ複数のエレメントに分割形成してもよい。すなわち要するに、本発明は、保持部材,第2ギヤ部材及び第3ギヤ部材の少なくともいずれかの部材が複数のエレメントに分割形成されていればよい。
(3)上記実施の形態では、太陽歯車2C及び内歯車2Dが遊星歯車2B,2B,…の軸線方向2位置でそれぞれ噛合する場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、第1ギヤ部材が相互に噛み合う1対の遊星歯車からなり、それぞれの遊星歯車が第1出力部材及び第2出力部材としての1対の太陽歯車に噛合するものでもよい。
(4)上記実施の形態では、入力部材としてプラネタリキャリア2A、第1出力部材(第1出力側ギヤ)として太陽歯車2C、第2出力部材(第2出力側ギヤ)として内歯車2Dである場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、入力部材としてのプラネタリキャリア、第1出力部材としての内歯車、第2出力部材としての太陽歯車であってもよい。また、入力部材としての太陽歯車、第1出力部材としての内歯車又はプラネタリキャリア、第2出力部材としてのプラネタリキャリア又は内歯車であってもよく、さらには入力部材として内歯車、第1出力部材としてプラネタリキャリア又は太陽歯車、第2出力部材として太陽歯車又はプラネタリキャリアであっても実施可能である。
(5)上記実施の形態では、第1ギヤ部材としての複数の遊星歯車に太陽歯車2C及び内歯車2Dが噛み合う位置が、径の異なる軸方向に離間した部位にそれぞれ設けられている場合について説明したが、遊星歯車が円柱形状からなり、遊星歯車と太陽歯車との噛み合い位置の回転軸線Oに対する径方向外側で遊星歯車と内歯車とが噛み合うように構成してもよい。
1…電磁クラッチ、2…ベース、2a…収容空間、3…駆動機構、4…クラッチ機構、4a…インナクラッチプレート、40a…ストレートスプライン嵌合部、4b…アウタクラッチプレート、40b…ストレートスプライン嵌合部、5…中間部材、10…第1ケースエレメント、10a…筒部、10b…鍔部、11…第2ケースエレメント、12…第3ケースエレメント、20…電磁コイル、21…アーマチャ、22…基部、22a…ヘリカルスプライン嵌合部、22b…ストレートスプライン嵌合部、23…鍔部、23a…押圧部、24…移動変換部、101…車両差動装置、102…差動機構、103…差動制限機構、104…スラストワッシャ、105…リングボルト、106…軸受、107…締結ボルト、2A…プラネタリキャリア、20A,21A…円筒体、22A…筒部、220A…ヘリカルスプライン嵌合部、221A…第2当接面、23A…筒部、24A…筒部、25A…基部、250A…ヘリカルスプライン嵌合部、251A…内フランジ、252A…第1当接面、26A…鍔部、2a…収容空間、20a…ギヤ収容支持部、200a…第1収容孔、201a…第2収容孔、202a…第1ギヤ支持面、203a…第2ギヤ支持面、204a…第3ギヤ支持面、2B…遊星歯車、20B,21B…ギヤ部、2C…太陽歯車、20C…ストレートスプライン嵌合部、21C…ヘリカルスプライン嵌合部、2D…内歯車、20D…ボス部、200D…鍔部、201D…ストレートスプライン嵌合部、21D…ギヤ部、2E…デフケース、20E…フロントケース、210E…内フランジ、O…回転軸線

Claims (6)

  1. 回転部材からなる保持部材によって自転可能に保持された第1ギヤ部材、及び前記第1ギヤ部材にそれぞれ噛合する第2ギヤ部材,第3ギヤ部材を備え、前記第1ギヤ部材,前記第2ギヤ部材,前記第3ギヤ部材及び前記保持部材を介して車両の駆動源の駆動力を1対の出力軸に分配する車両用差動装置であって、
    前記保持部材,前記第2ギヤ部材及び前記第3ギヤ部材の少なくともいずれかの部材は、前記1対の出力軸の軸線上で相対回転不能な複数のエレメントによって分割形成され、前記複数のエレメント間に、前記駆動力を受けて前記1対の出力軸の軸線方向にスラスト力を発生させるスラスト力発生部、及び前記車両のドライブモード,コーストモードのいずれかのモードにおいて前記複数のエレメントのうち互いに隣接する少なくとも2つのエレメントの軸方向に沿う前記スラスト力による相対移動を規制する相対移動規制部を有する
    車両用差動装置。
  2. 前記保持部材,前記第2ギヤ部材及び前記第3ギヤ部材の少なくともいずれかの部材は、前記相対移動規制部が前記少なくとも2つのエレメントの相対移動規制状態において互いに当接する第1当接面、第2当接面を有し、前記少なくも2つのエレメントのうち一方のエレメントに前記第1当接面が、また他方のエレメントに前記第2当接面がそれぞれ設けられている請求項1に記載の車両用差動装置。
  3. 前記第1ギヤ部材は入力側ギヤからなり、
    前記第2ギヤ部材は、前記1対の出力軸のうち一方の出力軸に連結される第1出力側ギヤからなり、
    前記第3ギヤ部材は、前記1対の出力軸のうち他方の出力軸に連結される第2出力側ギヤからなる請求項1に記載の車両用差動装置。
  4. 前記入力側ギヤは遊星歯車からなり、
    前記第1出力側ギヤは太陽歯車からなり、
    前記第2出力側ギヤは内歯車からなる
    請求項3に記載の車両用差動装置。
  5. 前記遊星歯車は、互いに異なるピッチ円直径をもつ大小2つのギヤ部を有し、前記大小2つのギヤ部のうち大径のギヤ部が前記太陽歯車に、また小径のギヤ部が前記内歯車に噛合する請求項4に記載の車両用差動装置。
  6. 前記大小2つのギヤ部は、捩れ方向が同一であるヘリカルギヤによって形成されている請求項5に記載の車両用差動装置。
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