JP2008064281A - 駆動力配分装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】逆入力トルクによる各ギヤの損傷を回避することのできる駆動力配分装置を提供すること。
【解決手段】遊星歯車機構21においてモータトルクの入力要素を構成するプラネタリキャリヤ27とモータ23との間、詳しくは、その間に介在された減速機構22とモータ23との間には、予め設定された所定のトルク範囲内においてトルク伝達可能な摩擦クラッチ40が設けられる。
【選択図】図2

Description

本発明は、駆動源から入力された駆動力の第1及び第2の出力軸への配分比率を制御可能な駆動力配分装置に関するものである。
従来、入力された駆動力を相互の差動を許容しつつ第1及び第2の出力軸に伝達する差動機構と、その第1及び第2の出力軸間に介在された遊星歯車機構と、該遊星歯車機構に駆動連結されたモータとを備えた駆動力配分装置がある。即ち、このような駆動力配分装置は、モータを制御用駆動源として遊星歯車機構を駆動することにより第1及び第2の出力軸間に差回転を生じさせる。そして、その制御用トルクとして遊星歯車機構に入力するモータトルクを制御することにより、エンジン等の主駆動源から差動機構に入力される駆動力の第1及び第2の出力軸への配分比率を制御可能な構成となっている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−112474号公報 特開2003−113874号公報
このように、遊星歯車機構を用い、ギヤ間の噛み合いによりトルク伝達を行う構成とすることで、高いトルク伝達効率及び信頼性を確保することができる。しかしながら、上記従来の構成には、その一方で、各出力軸に対して衝撃的な逆入トルクが印加された場合には、その逆入力トルクを吸収する或いは外部に逃がすことができないという問題があり、ひいては、その衝撃によって遊星歯車機構を構成する各ギヤ等が損傷するおそれがある。
例えば、上記特許文献1のように車両の左右駆動力配分として用いた場合、各出力軸に連結された駆動輪の何れかが低μ路から高μ路へと移動した際、その急速なグリップの回復によって一方の駆動輪の回転が規制されることにより、当該駆動輪と連結された出力軸に衝撃的な逆入力トルクが印加されることになる。このとき、遊星歯車機構においては、モータと連結されたその制御トルクの入力要素(特許文献1に記載の駆動力配分装置においては、プラネタリキャリヤ)が当該逆入力トルクにより回転しようとする。しかしながら、モータは、このように逆入力トルクにより回転する際には、発電機、即ち回生ブレーキとして機能する。即ち、当該制御トルクの入力要素は、モータによって、その回転が規制されることになり、その結果、出力軸に入力された逆入力トルクは、衝撃力として遊星歯車機構を構成する各ギヤに直接作用することとなる。このため、上記従来の構成では、その最弱部位、例えばプラネタリギヤ等の強度を、定常使用時に要求される水準よりも強固なものとする必要があり、これにより、装置全体の寸法及び重量が大きくなってしまうという問題がある。
尚、特許文献2には、連れ周りによるモータの過回転を防止すべく、モータと減速機構との間にトルクリミッタとして遠心クラッチを介在した駆動力配分装置が開示されている。しかしながら、遠心クラッチは、その第1軸と第2軸との間の回転速度差に基づき作動するため、上記のような突発的且つ急激なトルク変動には対処することができない。従って、この特許文献2に記載の構成は、上記の課題を何ら解消するものではない。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、逆入力トルクによる各ギヤの損傷を回避することのできる駆動力配分装置を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、入力される駆動力を相互の差動を許容しつつ第1及び第2の出力軸に伝達する差動機構と、前記第1及び第2の出力軸間に介在されるとともにモータに駆動連結された遊星歯車機構と、前記遊星歯車機構に設定された変速比を補正するための変速機構とを備え、モータトルクに基づき前記第1及び第2の出力軸間に差回転を生じさせることにより前記入力される駆動力の第1及び第2の出力軸への配分比率を制御可能な駆動力配分装置において、前記モータから前記第1及び第2の出力軸に至るトルク伝達系の途中には、予め設定された所定のトルク範囲内においてトルク伝達可能な摩擦クラッチが設けられること、を要旨とする。
上記構成によれば、第1及び第2の出力軸に印加された逆入力トルクを、摩擦クラッチにおいて開放し、モータトルクの入力要素の空転を許容することができる。その結果、各ギヤに作用する衝撃を緩和して、その損傷を回避することができる。また、摩擦クラッチは、入力されるトルクの大きさに基づき作動する。従って、突発的且つ急激なトルク変動が生ずる衝撃的な逆入力トルクの印加時においても、トルクリミッタとして有効に機能することができる。加えて、摩擦クラッチにおいて逆入力トルクを開放することで、トルク伝達系における急激なトルク変動を抑制することができる。その結果、車両の左右駆動力配分装置に具体化した場合には、その左右駆動力配分の変動に伴う車両挙動の乱れを回避して、車両姿勢の安定化を図るとともに、搭乗者に与える違和感を和らげることができる。
請求項2に記載の発明は、前記摩擦クラッチは、前記モータと前記遊星歯車機構との間に設けられること、を要旨とする。
即ち、モータと遊星歯車機構の間は、トルク伝達系の中では、その伝達される逆入力トルクが比較的小さい箇所である。従って、ここに摩擦クラッチを設けることで、同摩擦クラッチを比較的小型なものとすることができる。
請求項3に記載の発明は、前記摩擦クラッチは、複数のクラッチプレートを弾性部材の押圧力により摩擦係合させてなること、を要旨とする。
上記構成によれば、弾性部材の調整によりそのトルク容量を容易に設定することができる。
本発明によれば、逆入力トルクによる各ギヤの損傷を回避することが可能な駆動力配分装置を提供することにある。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、車両1は、前輪駆動車をベースとする四輪駆動車であり、エンジン2の傍らに組み付けられたトランスアクスル3には、一対のフロントアクスル4L,4Rが連結されており、エンジン2の駆動力は、これらフロントアクスル4L,4Rを介して前輪5L,5Rに伝達される。また、トランスアクスル3には、上記各フロントアクスル4L,4Rとともにプロペラシャフト6が連結されており、同プロペラシャフト6は、トルクカップリング7及びリヤディファレンシャル8を介して一対のリヤアクスル9L,9Rと連結されている。そして、これらプロペラシャフト6、リヤディファレンシャル8、及びリヤアクスル9L,9Rを介して、後輪10L,10Rにも駆動力が伝達されるようになっている。
図2に示すように、本実施形態のリヤディファレンシャル8は、遊星歯車式の差動機構11を備えている。具体的には、差動機構11は、外歯ギヤ12と一体に形成されたリングギヤ13を有しており、同リングギヤ13の内側にはサンギヤ14が同軸に配置されている。また、これらリングギヤ13及びサンギヤ14の間には、第1プラネタリギヤ15a及び第2プラネタリギヤ15bからなる複数のプラネタリギヤ対15が介在されており、各第1プラネタリギヤ15aはリングギヤ13に、各第2プラネタリギヤ15bはサンギヤ14にそれぞれ噛合されている。そして、これら各プラネタリギヤ対15を構成する第1プラネタリギヤ15a及び第2プラネタリギヤ15bは、互いに噛合された状態で、プラネタリキャリヤ16によりそれぞれ自転可能且つ公転可能に支承されている。
本実施形態では、トルクカップリング7を介してプロペラシャフト6に連結された入力軸17の一端には、ドライブピニオン18が設けられており、リングギヤ13は、その外周に形成された外歯ギヤ12が、このドライブピニオン18に噛合されることにより同ドライブピニオン18と駆動連結されている。そして、サンギヤ14は、左のリヤアクスル9Lの軸端に、プラネタリキャリヤ16は、右のリヤアクスル9Rの軸端に固定されることにより、対応する各リヤアクスル9L,9Rとともに一体回転可能に設けられている。
即ち、プロペラシャフト6の回転は、トルクカップリング7及び入力軸17からドライブピニオン18を介してリングギヤ13へと伝達され、同リングギヤ13とともにサンギヤ14及びプラネタリキャリヤ16が一体的に回転することにより、その駆動力が両リヤアクスル9L,9Rから左右の後輪10L,10Rへと伝達される。そして、車両旋回時等、左右の後輪10L,10Rに生ずる回転差は、各第1プラネタリギヤ15a及び各第2プラネタリギヤ15bのそれぞれが、自転しつつサンギヤ14の周りを公転することにより、これを許容する構成となっている。
(駆動力配分装置)
また、本実施形態のリヤディファレンシャル8は、エンジン2の駆動力の左右の後輪10L,10Rへの配分比率を制御可能な駆動力配分装置20としての機能を有している。
詳述すると、本実施形態では、駆動力配分装置20の第1及び第2の出力軸を構成する両リヤアクスル9L,9R間には、遊星歯車機構21が介在されており、同遊星歯車機構21は、減速機構22を介してモータ23と駆動連結されている。そして、本実施形態の駆動力配分装置20は、そのモータ23の作動、即ち制御用トルクとして遊星歯車機構21に入力されるモータトルクに基づき両リヤアクスル9L,9R間に差回転を生じさせることにより、プロペラシャフト6から入力されるエンジン2の駆動力を走行状態に応じた適切な比率で両リヤアクスル9L,9Rに配分することが可能な構成となっている。
さらに詳述すると、本実施形態では、遊星歯車機構21は、左側のリヤアクスル9Lと同軸に配置されるとともに互いに歯数の異なる一対のサンギヤ24,25と、これら両サンギヤ24,25に噛合する複数の二連ピニオン26と、これら各二連ピニオン26を自転可能且つ公転可能に支承するプラネタリキャリヤ27とにより構成されている。尚、本実施形態では、第1のサンギヤ24の方が第2のサンギヤ25よりも僅かに歯数が大きく設定されている。そして、両サンギヤ24,25と噛合するプラネタリギヤとしての二連ピニオン26は、これら第1及び第2のサンギヤ24,25に噛合する第1及び第2ピニオン26a,26bを一体回転可能に連結することにより形成されている。
本実施形態では、第1のサンギヤ24は、左側のリヤアクスル9Lと同軸配置された中空状のスリーブ28aを介して差動機構11のプラネタリキャリヤ16と一体回転可能に連結されており、第2のサンギヤ25は、変速機構31を介して左側のリヤアクスル9Lと一体回転可能に設けられている。そして、本実施形態では、二連ピニオン26を支承するプラネタリキャリヤ27が制御トルクであるモータトルクの入力要素として設定されている。
即ち、モータ23の作動によりプラネタリキャリヤ27が回転し、これにより、第1及び第2の出力軸としての両リヤアクスル9L,9R間に差回転が生ずる。そして、本実施形態では、制御用トルクとして遊星歯車機構21に入力されるモータトルクを制御することにより、両リヤアクスル9L,9Rに配分するエンジン2の駆動力の比率を可変制御することが可能となっている。
尚、変速機構31は、遊星歯車機構21に設定された変速比に基づくプラネタリキャリヤ27の回転を抑制すべく当該遊星歯車機構21の変速比を補正するために設けられたものである。そして、本実施形態の変速機構31は、遊星歯車機構21と同一構成を有する遊星歯車機構を、その減速側のサンギヤ34と増速側のサンギヤ35との配置を反転させて遊星歯車機構21の傍らに同軸配置することにより形成されている。
より詳細には、変速機構31の第1のサンギヤ34は、左側のリヤアクスル9Lに対して一体回転するように連結されており、その第2のサンギヤ35は、中空状のスリーブ28bを介して当該第2のサンギヤ35と同一形状を有する遊星歯車機構21側の第2のサンギヤ25に対して一体に連結されている。また、プラネタリギヤ36を支承するプラネタリキャリヤ37は非回転部位であるケーシング(図示略)に固定されている。そして、これにより、遊星歯車機構21に設定された変速比を相殺して、モータ23に駆動連結されたプラネタリキャリヤ27の回転を抑制する構成となっている。即ち、両リヤアクスル9L,9Rが同速度で同方向に回転する際にはモータ23が回転しないように構成されている。
(逆入力トルク開放構造)
上述のように、遊星歯車機構を用いた駆動力配分装置において、出力軸に対し衝撃的な逆入トルクが印加された場合、そのプラネタリキャリヤ27は急激に回転(各二連ピニオン26が自転及び公転)しようとするにも関わらず、その回転は、減速機構22の各ギヤやモータ23の慣性或いは回転抵抗によって抑えられてしまう。そのため、こうした駆動力配分装置では、その逆入力トルクを吸収する或いは外部に逃がすことができないという問題があり、ひいては、その衝撃によって遊星歯車機構を構成する各ギヤ等が損傷するおそれがある。
この点を踏まえ、本実施形態の駆動力配分装置20では、遊星歯車機構21においてモータトルクの入力要素を構成するプラネタリキャリヤ27とモータ23との間、詳しくは、その間に介在された減速機構22とモータ23との間には、予め設定された所定のトルク範囲内においてトルク伝達可能な摩擦クラッチ40が設けられている。そして、第1及び第2の出力軸としての両リヤアクスル9L,9Rに、衝撃的な逆入力トルクが印加された場合には、この摩擦クラッチ40においてその逆入力トルクを開放し、モータ23に駆動連結されたプラネタリキャリヤ27の空転を許容することにより、各ギヤに作用する衝撃を緩和して、その損傷を回避する構成となっている。尚、この所定のトルクは、各ギヤ等の強度に応じて逆入力トルクが印加された場合にも各構成要素の損傷が発生しない値に設定されている。
詳述すると、図3に示すように、本実施形態の摩擦クラッチ40は、モータ軸23aに連結されて同モータ軸23aと一体回転するとともに、減速機構22の入力軸22aを回転自在に支承する筒体41を備えている。
本実施形態では、筒体41は、その第1蓋部41aにおいてモータ軸23aと連結されることにより同モータ軸23aと同軸に配置されている。また、筒体41の第2蓋部41bには、軸受42が設けられており、減速機構22の入力軸22aは、その一部が筒体41内に突出した状態で、同軸受42によりモータ軸23aと同軸、且つ回転自在に支承されている。そして、筒体41内には、その摩擦係合により筒体41と入力軸22aとをトルク伝達可能に連結する複数のクラッチプレート43と、その弾性力により各クラッチプレート43を摩擦係合させるべく押圧する弾性部材44とが設けられている。
具体的には、筒体41内には、筒体41の内周に対し相対回転不能且つ軸方向移動可能にスプライン嵌合されたアウタクラッチプレート43aと、入力軸22aの外周に対し相対回転不能且つ軸方向移動可能にスプライン嵌合されたインナクラッチプレート43bとが設けられており、これらの各クラッチプレート43は、軸方向において交互に配置されている。尚、本実施形態では、各クラッチプレート43は、一枚のインナクラッチプレート43bの軸方向両側を二枚のアウタクラッチプレート43aにて挟み込むように配置されている。また、これら各クラッチプレート43の軸方向、第1蓋部41a側には、弾性部材44として、各クラッチプレート43を軸方向に押圧する皿バネが設けられている。そして、この弾性部材44(皿バネ)の弾性力により押圧され第2蓋部41bとの間に挟み込まれることにより、隣り合うクラッチプレート43が摩擦係合、即ちアウタクラッチプレート43aとインナクラッチプレート43bとが摩擦係合し、これにより、筒体41と入力軸22aとをトルク伝達可能に連結する構成となっている。
さて、各クラッチプレート43の発生する摩擦係合力は、弾性部材44により印加される軸方向の押圧力に依存し、その値は、各クラッチプレート43間に滑りがない場合、即ちアウタクラッチプレート43aとインナクラッチプレート43bとが一体回転する場合において最大となる。そして、この各クラッチプレート43が発生する摩擦係合力の最大値により、摩擦クラッチ40のトルク容量、即ち伝達可能なトルク範囲が規定される。
即ち、本実施形態の摩擦クラッチ40では、各クラッチプレート43を軸方向に押圧する弾性部材44(の弾性力)により、予めその伝達可能なトルク範囲が規定されている。尚、本実施形態では、伝達可能なトルク範囲の上限は、5〜10Nmに設定されている。そして、この上限を超えるトルクの入力があった場合には、アウタクラッチプレート43aとインナクラッチプレート43bとが摺動、相対回転することにより、その伝達トルクが予め設定された上限値よりも低い値に抑えられるよう構成されている。
つまり、本実施形態の駆動力配分装置20では、両リヤアクスル9L,9Rに逆入力トルクが印加された場合であっても、減速機構22側から摩擦クラッチ40に入力される当該逆入力トルクが予め設定された伝達可能なトルク範囲を超えることで、各クラッチプレート43が摺動、相対回転する。そして、減速機構22の入力軸22a、即ちモータトルクの入力要素を構成するプラネタリキャリヤ27の空転を許容することによって、各ギヤに作用する衝撃を緩和し、これにより各ギヤの損傷を回避する構成となっている。
以上、本実施形態によれば、以下のような作用・効果を得ることができる。
(1)遊星歯車機構21においてモータトルクの入力要素を構成するプラネタリキャリヤ27とモータ23との間には、予め設定された所定のトルク範囲内においてトルク伝達可能な摩擦クラッチ40が設けられる。
上記構成によれば、第1及び第2の出力軸としての両リヤアクスル9L,9Rに印加された逆入力トルクを摩擦クラッチ40において開放し、モータトルクの入力要素であるプラネタリキャリヤ27の空転を許容することができる。その結果、各ギヤに作用する衝撃を緩和して、その損傷を回避することができる。また、摩擦クラッチ40は、入力されるトルクの大きさに基づき作動する。従って、突発的且つ急激なトルク変動が生ずる衝撃的な逆入力トルクの印加時においても、トルクリミッタとして有効に機能することができる。更に、プラネタリキャリヤ27とモータ23との間は、モータ23から第1及び第2の出力軸である両リヤアクスル9L,9Rに至るトルク伝達系の中では、その伝達される逆入力トルクが比較的小さい箇所である。そして、特に、モータ23と減速機構22との間は、その減速機構22の作用によって、その伝達される逆入力トルクがより小さい箇所である。従って、ここに摩擦クラッチ40を設けることで、同摩擦クラッチ40を比較的小型なものとすることができる。加えて、摩擦クラッチ40において逆入力トルクを開放することで、トルク伝達系における急激なトルク変動を抑制することができる。その結果、左右駆動力配分の変動に伴う車両挙動の乱れを回避して、車両姿勢の安定化を図るとともに、搭乗者に与える違和感を和らげることができる。
(2)摩擦クラッチ40は、複数のクラッチプレート43を弾性部材44の押圧力により摩擦係合させることにより構成される。このような構成とすれば、弾性部材44の調整によりそのトルク容量を容易に設定することができる。
なお、本実施形態は以下のように変更してもよい。
・本実施形態では、摩擦クラッチ40は、プラネタリキャリヤ27とモータ23との間、詳しくは、その間に介在された減速機構22とモータ23との間に設けられることとした。しかし、これに限らず、摩擦クラッチ40は、例えば、減速機構22の途中に設ける等、その他の部位に設けてもよい。更に、モータ23から第1及び第2の出力軸である両リヤアクスル9L,9Rに至るトルク伝達系の途中であれば何れに設けても良い。尚、上述のように、摩擦クラッチの小型という観点からは、プラネタリキャリヤ27(減速機構22)とモータ23との間に設けることが望ましい。
・本実施形態では、弾性部材44の弾性力により各クラッチプレート43を摩擦係合させることとした。しかし、これに限らず、各クラッチプレート43を摩擦係合させるための押圧力は、油圧や磁力等により発生させる構成としてもよい。
・本実施形態では、プラネタリキャリヤ27をモータトルクの入力要素としたが、プラネタリギヤ(二連ピニオン26)に噛合するその他二つのギヤの何れかをモータトルクの入力要素とするものに適用してもよい。
・本実施形態では、本発明を、車両左右の駆動輪に対する駆動力配分装置に適用したが、車両前後の駆動輪に対する駆動力配分装置に適用してもよい。
・モータは、電気モータに限らず、油圧モータを使用してもよい。
車両の概略構成図。 リヤディファレンシャルの概略構成図。 摩擦クラッチの概略構成図。
符号の説明
1…車両、2…エンジン、8…リヤディファレンシャル、9L,9R…リヤアクスル、10L,10R…後輪、11…差動機構、20…駆動力配分装置、21…遊星歯車機構、22…減速機構、22a…入力軸、23…モータ、23a…モータ軸、40…摩擦クラッチ、43…クラッチプレート、43a…アウタクラッチプレート、43b…インナクラッチプレート、44…弾性部材。

Claims (3)

  1. 入力される駆動力を相互の差動を許容しつつ第1及び第2の出力軸に伝達する差動機構と、前記第1及び第2の出力軸間に介在されるとともにモータに駆動連結された遊星歯車機構と、前記遊星歯車機構に設定された変速比を補正するための変速機構とを備え、モータトルクに基づき前記第1及び第2の出力軸間に差回転を生じさせることにより前記入力される駆動力の前記第1及び第2の出力軸への配分比率を制御可能な駆動力配分装置において、
    前記モータから前記第1及び第2の出力軸に至るトルク伝達系の途中には、予め設定された所定のトルク範囲内においてトルク伝達可能な摩擦クラッチが設けられること、
    を特徴とする駆動力配分装置。
  2. 請求項1に記載の駆動力配分装置において、
    前記摩擦クラッチは、前記モータと前記遊星歯車機構との間に設けられること、
    を特徴とする駆動力配分装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の駆動力配分装置において、
    前記摩擦クラッチは、複数のクラッチプレートを弾性部材の押圧力により摩擦係合させてなること、を特徴とする駆動力配分装置。
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