JP3243437B2 - 駆動力伝達装置 - Google Patents

駆動力伝達装置

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JP3243437B2
JP3243437B2 JP32151397A JP32151397A JP3243437B2 JP 3243437 B2 JP3243437 B2 JP 3243437B2 JP 32151397 A JP32151397 A JP 32151397A JP 32151397 A JP32151397 A JP 32151397A JP 3243437 B2 JP3243437 B2 JP 3243437B2
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transmission device
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friction clutch
housing
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直行 酒井
浩一 鈴木
暁彦 池田
充 大葉
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Toyota Motor Corp
Toyoda Koki KK
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Toyota Motor Corp
Toyoda Koki KK
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の駆動軸と従
動軸間等両回転部材間に配設されて、両回転部材間のト
ルク伝達を行う駆動力伝達装置に関する。
【0002】
【従来の技術】駆動力伝達装置の一形式として、実用新
案登録第2525611号公報に「多板クラッチ」の名
称で提案されているように、互いに同軸的かつ相対回転
可能に位置する内外両回転部材間に配設された摩擦クラ
ッチと、通電により作動して前記摩擦クラッチを摩擦係
合させる電磁式の制御手段を備え、前記摩擦クラッチの
摩擦係合力にて前記両回転部材をトルク伝達可能な連結
状態とする駆動力伝達装置がある。
【0003】しかして、上記した公報に記載の駆動力伝
達装置においては、外側回転部材としてデフケースが採
用され、かつ、内側回転部材として遊星キャリアのハブ
が採用されていて、電磁式の制御手段は摩擦クラッチの
一側に位置するアーマチャと、デフケースにおける摩擦
クラッチの他側に位置する部位(磁性体壁部)を挟んで
位置する電磁石とにより構成されている。また、電磁石
はヨークに固定されて支持されていて、ヨークはデフケ
ースの磁性体部の軸部に回転可能に支持されている。
【0004】当該駆動力伝達装置においては、電磁石の
電磁コイルへの通電により、ヨーク、デフケースの磁性
体壁部、摩擦クラッチ、アーマチャ、摩擦クラッチ、磁
性体壁部およびヨークを循環する磁路が形成されて、ア
ーマチャが磁気誘導作用により摩擦クラッチ側へ吸引さ
れる。この結果、アーマチャは摩擦クラッチを押圧して
摩擦係合させ、この摩擦係合力にて直接、またメインク
ラッチ機構を作動させて、前記両回転部材をトルク伝達
可能に連結する。
【0005】しかして、かかる形式の駆動力伝達装置に
おいては、摩擦クラッチの摩擦係合力は磁路を構成する
磁束の密度に起因するもので、磁路からの磁束の漏洩が
なくて磁束密度が大きい場合には、アーマチャに対する
吸引力が大きくて、摩擦クラッチにおいては高い摩擦係
合力が得られる。すなわち、電磁式制御手段の摩擦クラ
ッチに対する作動効率が高い。
【0006】かかる点を考慮して、当該駆動力伝達装置
においては、外側回転部材であるデフケースからの磁束
の漏洩を防止するために、デフケースにおける摩擦クラ
ッチやアーマチャが接触する中間筒部の一部や、摩擦ク
ラッチに対向する磁性体壁部の一部を、磁性材料からな
る主部材とは異なる非磁性材料からなる別部材にて形成
して、これらの別部材を主部材に溶接してデフケースを
構成している。この場合、一般に磁性材料として鉄が使
用され、非磁性材料としてアルミ合金や、ステンレスが
使用される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記したデ
フケースのごとく、回転部材の一部を非磁性材料からな
る別部材に形成し、同別部材を磁性材料からなる主部材
に溶接して回転部材を構成する場合、主部材と別部材と
の溶接部位ではこれら両部材の構成材料が溶込み合っ
て、主部材および別部材とは透磁率を異にする。従っ
て、両部材の構成材料が溶込み合う溶接部位の幅が広い
と形成される磁路の磁束密度に影響を及ぼし、かつ、溶
接部位の幅の管理が困難なことから、製品毎にアーマチ
ャに対する吸引力にバラツキが生じることになる。
【0008】従って、本発明の第1の目的は、両部材の
溶接時に両構成材料が溶込み合う溶接部位の幅をできる
限り狭くして、形成される磁路の磁束密度に及ぼす影響
をできるだけ少なくすることにより、製品毎のアーマチ
ャに対する吸引力のバラツキを抑制することにある。
【0009】また、上記したデフケースのごとく、回転
部材の一部を非磁性材料からなる別部材に形成し、同別
部材を磁性材料からなる主部材に固定して回転部材を構
成する場合、主部材と別部材との接合手段として溶接手
段を採用する場合には、上記したごとく、製品毎にアー
マチャに対する吸引力にバラツキが生じることは勿論で
あるが、非磁性材料としてアルミ合金を採用した場合に
は、アルミ合金と鉄との溶接では所定の溶接強度が得難
く、別部材をアルミ合金にて形成して回転部材の軽量化
を図ることはできない。
【0010】従って、本発明の第2の目的は、両部材を
溶接手段を採用することなく接合して、溶接手段を採用
することに伴う上記した問題を解消することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、駆動力伝達装
置に関するもので、特に、互いに同軸的かつ相対回転可
能に位置する内外両回転部材間に配設さた摩擦クラッチ
と、通電により作動して前記摩擦クラッチを摩擦係合さ
せる電磁式の制御手段を備え、前記摩擦クラッチの摩擦
係合力にて前記両回転部材をトルク伝達可能な連結状態
とする形式の駆動力伝達装置を適用対象とするものであ
る。
【0012】しかして、本発明の第1の駆動力伝達装置
は、上記した形式の駆動力伝達装置において、前記外側
回転部材を、非磁性材料からなる有底筒状のフロントハ
ウジングと、同フロントハウジングの後端開口部を覆蓋
するリヤハウジングとにより構成し、かつ、同リヤハウ
ジングを磁性材料からなる主体部と、同主体部の径方向
の中間部に嵌着された非磁性材料からなる環状部とによ
り構成して、同環状部を前記主体部に対して電子ビーム
溶接により径方向の2箇所の部位で接合することを特徴
とするものである。
【0013】また、本発明の第2の駆動力伝達装置は、
上記した形式の駆動力伝達装置において、前記外側回転
部材を、非磁性材料からなる有底筒状のフロントハウジ
ングと、同フロントハウジングの後端開口部を覆蓋する
リヤハウジングとにより構成し、かつ、同リヤハウジン
グを磁性材料からなる主体部と、同主体部の径方向の中
間部に嵌着された非磁性材料からなる環状部とにより構
成して、同環状部を円錐筒状を呈する形状として、前記
主体部に形成した円錐状環状孔に嵌合して接合すること
を特徴とするものである。
【0014】本発明に係る駆動力伝達装置においては、
前記リヤハウジングの環状部を同リヤハウジングの主体
部に、同主体部が軸方向の作用力により前記環状部に楔
状に食込む方向に嵌合する構成とすることが好ましい。
【0015】また、本発明に係る駆動力伝達装置におい
ては、前記摩擦クラッチを摩擦係合させる電磁式の制御
手段を、前記フロントハウジングの外側に位置し同フロ
ントハウジング内に位置する前記摩擦クラッチの一側に
前記リヤハウジングを挟んで対向する電磁石と、前記フ
ロントハウジング内にて前記摩擦クラッチの他側に位置
し前記電磁石の電磁コイルへの通電により軸方向へ吸引
されて前記摩擦クラッチを押圧するアーマチャにて構成
することが好ましい。
【0016】また、本発明に係る駆動力伝達装置におい
ては、前記フロントハウジングをアルミ合金にて形成
し、前記リヤハウジングの主体部を鉄にて形成し、か
つ、同リヤハウジングの環状部をステンレスにて形成す
ることが好ましく、前記リヤハウジングの後端部上にナ
ット部材を進退可能に螺着して、同ナット部材にて前記
フロントハウジングを後端側から締付ける構成とするこ
とが好ましい。
【0017】本発明に係る以上の駆動力伝達装置におい
ては、前記両回転部材間に、摩擦係合によりこれら両回
転部材間のトルク伝達を行うメインクラッチ機構と、通
電により作動して摩擦係合する電磁式のパイロットクラ
ッチ機構と、前記メインクラッチ機構と前記パイロット
クラッチ機構間に位置し同パイロットクラッチ機構の摩
擦係合力を前記メインクラッチ機構に対する押圧力に変
換するカム機構を備え、前記パイロットクラッチ機構
を、前記摩擦クラッチと前記制御手段にて形成する構成
とすることができる。
【0018】
【発明の作用・効果】本発明に係る駆動力伝達装置にお
いては、電磁式制御手段への通電により、摩擦クラッチ
を介して制御手段の構成部材間に磁路が形成されて、制
御手段の構成部材であるアーマチャが磁気誘導作用によ
り摩擦クラッチ側へ吸引される。この結果、アーマチャ
は摩擦クラッチを押圧して摩擦係合させて、この摩擦係
合力にて両回転部材をトルク伝達可能な連結状態とし、
両回転部材間では摩擦係合力に応じたトルク伝達がなさ
れる。
【0019】しかして、本発明に係る第1の駆動力伝達
装置においては、外側回転部材を非磁性材料からなるフ
ロントハウジングとリヤハウジングにて構成し、かつ、
リヤハウジングを、磁性材料からなる主体部と、同主体
部の径方向の中間部に嵌着された非磁性材料からなる環
状部とにより構成して、これら両部を電子ビーム溶接に
より接合している。
【0020】この電子ビーム溶接によれば、これら主体
部と環状部の両構成材料が溶込み合う溶接部位の幅が狭
くかつ奥深く延び、リヤハウジングにおける透磁率の影
響を少なくすることができて、製品毎のアーマチャに対
する吸引力のバラツキを抑制することができるととも
に、溶接深さを十分に確保し得て接合強度を向上するこ
とができる。
【0021】また、本発明に係る第2の駆動力伝達装置
においては、外側回転部材を非磁性材料からなるフロン
トハウジングとリヤハウジングにて構成し、かつ、リヤ
ハウジングを、磁性材料からなる主体部と、同主体部の
径方向の中間部に嵌合された非磁性材料からなる環状部
とにより構成して、同環状部を円錐筒状を呈する形状と
し、前記主体部に形成した円錐状環状孔に嵌合して接合
している。
【0022】このため、リヤハウジングを構成する環状
部の主体部に対する接合強度は高く、これら両部の接合
に溶接手段を採用する必要がなく、溶接部位に起因する
透磁率の影響を解消し得て、製品毎のアーマチャに対す
る吸引力のバラツキを抑制することができるとともに、
溶接手段を省略することによりコストの低減を図ること
ができる。
【0023】この場合、前記リヤハウジングの環状部を
同リヤハウジングの主体部に、同主体部が軸方向の作用
力により前記環状部に楔状に食込む方向に嵌合する構成
とすれば、環状部の主体部に対する接合強度は一層強固
なものとなる。
【0024】本発明に係るこれらの駆動力伝達装置にお
いては、前記摩擦クラッチを摩擦係合させる電磁式の制
御手段を、前記フロントハウジングの外側に位置し同フ
ロントハウジング内に位置する前記摩擦クラッチの一側
に前記リヤハウジングを挟んで対向する電磁石と、前記
フロントハウジング内にて前記摩擦クラッチの他側に位
置し前記電磁石のコイルへの通電により軸方向へ吸引さ
れて前記摩擦クラッチを押圧するアーマチャにて構成す
れば、摩擦クラッチ、およびアーマチャが接触するフロ
ントハウジングは非磁性材料にて形成されているため、
磁路を構成する磁束はフロントハウジングから漏洩して
磁束密度を減少させるようなことはない。このため、電
磁式制御手段の摩擦クラッチに対する作動効率を、従来
のこの種形式の駆動力伝達装置における作動効率に比較
して向上させることができる。
【0025】また、本発明に係るこれらの駆動力伝達装
置において、フロントハウジングをアルミ合金にて形成
する構成を採れば、外側回転部材を軽量化することがで
き、延いては、駆動力伝達装置それ自体を軽量化するこ
とができる。
【0026】この場合、リヤハウジングの後端部上にナ
ット部材を進退可能に螺着して、同ナット部材にてフロ
ントハウジングを後端側から締付ける構成とすれば、フ
ロントハウジングとリヤハウジング間のガタを解消し得
て、ヨークとリヤハウジング間のエアギャップを常に一
定に保持することができる。このため、エアギャップの
変動に起因する磁束密度の変動がなくてアーマチャに対
する吸引力が変動することはなく、摩擦クラッチにおい
ては、安定した摩擦係合力が得られ、電磁式制御手段の
摩擦クラッチに対する制御性が向上する。
【0027】また、本発明に係る以上の駆動力伝達装置
においては、前記両回転部材間に、摩擦係合によりこれ
ら両回転部材間のトルク伝達を行うメインクラッチ機構
と、通電により作動して摩擦係合する電磁式のパイロッ
トクラッチ機構と、前記メインクラッチ機構と前記パイ
ロットクラッチ機構間に位置し同パイロットクラッチ機
構の摩擦係合力を前記メインクラッチ機構に対する押圧
力に変換するカム機構を備え、前記パイロットクラッチ
機構を、前記摩擦クラッチと前記制御手段にて形成する
構成とすれば、パイロットクラッチ機構の摩擦係合力を
カム機構を介してメインクラッチ機構に円滑、かつ増大
して伝達することができる。これにより、メインクラッ
チ機構が強く摩擦係合して、両回転部材間での伝達トル
クを増大させることができ、駆動力伝達装置の駆動力伝
達特性を向上させることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に基づいて説
明すると、図1には、本発明に係る駆動力伝達装置の一
例が示されている。当該駆動力伝達装置10Aは、図6
に示すように、四輪駆動車における後輪側への駆動力伝
達経路に配設される。
【0029】当該四輪駆動車において、トランスアクス
ル21は、トランスミッション、トランスファ、および
フロントディファレンシャルを一体に備えているもの
で、エンジン22の駆動力をトランスアクスル21を介
して、両アクスルシャフト23aに出力して左右の前輪
23bを駆動させるとともに、プロペラシャフト24側
に出力する。プロペラシャフト24は、駆動力伝達装置
10Aを介してリヤディファレンシャル25に連結して
おり、プロペラシャフト24とリヤディファレンシャル
25がトルク伝達可能に連結された場合には、駆動力は
リアディファレンシャル25に伝達され、同ディファレ
ンシャル25から両アクスルシャフト26aへ出力され
て左右の後輪26bを駆動させる。
【0030】駆動力伝達装置10Aは、リアディファレ
ンシャル25とともにディファレンシャルキャリヤ27
内に収容されて同キャリヤ27に支持されていて、同キ
ャリヤ27を介して車体に支持されている。なお、図1
は、駆動力伝達装置10Aを軸心を中心に切断した半分
の部分を示しており、図示しない半分の部分は軸心を中
心とする略対称に形成されているため省略している。
【0031】しかして、駆動力伝達装置10Aは、図1
に示すように、外側回転部材であるアウタケース10
a、内側回転部材であるインナシャフト10b、メイン
クラッチ機構10c、パイロットクラッチ機構10d、
およびカム機構10eを備えている。
【0032】アウタケース10aは、有底筒状のフロン
トハウジング11aと、フロントハウジング11aの後
端開口部に螺着されて同開口部を覆蓋するリヤハウジン
グ11bからなるもので、フロントハウジング11aは
非磁性材料であるアルミ合金にて形成されている。リヤ
ハウジング11bは、主体部11b1とその径方向の中
間部に形成された環状部11b2からなるもので、主体
部11b1は磁性材料である鉄にて形成され、かつ、環
状部11b2は非磁性材料であるステンレスにて形成さ
れている。
【0033】アウタケース10aは、フロントハウジン
グ11aの前端部の外周にて、軸受16bを介してディ
ファレンシャルキャリヤ27に回転可能に支持され、か
つ、リヤハウジング11bの後端部外周にて、軸受16
cおよびコニカルスプリング16aを介してディファレ
ンシャルキャリヤ27に支持されている。フロントハウ
ジング11aの前端部には、プロペラシャフト24の後
端部がトルク伝達可能に連結される。
【0034】インナシャフト10bは、リヤハウジング
11bの中央部を液密的に貫通してフロントハウジング
11a内に挿入されていて、軸方向の移動を規制された
状態でフロントハウジング11aとリヤハウジング11
bに回転可能に支持されている。インナシャフト10b
には、ドライブピニオンシャフト28の先端部が挿入さ
れてトルク伝達可能に連結される。
【0035】メインクラッチ機構10cは、湿式多板式
の摩擦クラッチであって、多数のクラッチプレート(イ
ンナクラッチプレート12a、アウタクラッチプレート
12b)を備えており、フロントハウジング11aの奥
壁側に配設されている。摩擦クラッチを構成する各イン
ナクラッチプレート12aは、インナシャフト10bの
外周にスプライン嵌合して軸方向へ移動可能に組付けら
れ、かつ、各アウタクラッチプレート12bは、フロン
トハウジング11aの内周にスプライン嵌合して軸方向
へ移動可能に組付けられている。各インナクラッチプレ
ート12aと各アウタクラッチプレート12bとは交互
に位置して、互いに当接して摩擦係合するとともに、互
いに離間して自由状態になる。
【0036】パイロットクラッチ機構10dは、電磁石
13、摩擦クラッチ14、およびアーマチャ15を備え
ている。電磁石13は環状を呈しているもので、ヨーク
16に嵌着された状態でリヤハウジング11bの環状凹
所11b3に嵌合されている。ヨーク16は、軸受16
dを介してリヤハウジング11bに回転可能、かつ軸方
向の移動を規制されて支持されている。これにより、リ
ヤハウジング11bとヨーク16との間に所定のエアギ
ャップが形成されている。
【0037】摩擦クラッチ14は、複数のクラッチプレ
ート(インナクラッチプレート14a,アウタクラッチ
プレート14b)からなり、各インナクラッチプレート
14aは、後述するカム機構10eを構成する第1カム
部材17の外周にスプライン嵌合して軸方向へ移動可能
に組付けられ、かつ、各アウタクラッチプレート14b
は、フロントハウジング11aの内周にスプライン嵌合
して軸方向へ移動可能に組付けられている。各インナク
ラッチプレート14aと各アウタクラッチプレート14
bとは交互に位置して、互いに当接して摩擦係合すると
ともに、互いに離間して自由状態になる。
【0038】アーマチャ15は環状を呈するもので、フ
ロントハウジング11aの内周にスプライン嵌合して軸
方向へ移動可能に組付けられていて、摩擦クラッチ14
の一側に位置して対向している。
【0039】パイロットクラッチ機構10dにおいて
は、電磁石13の電磁コイルへの通電により、ヨーク1
6、リヤハウジング11b、摩擦クラッチ14、アーマ
チャ15、摩擦クラッチ14、リヤハウジング11b、
およびヨーク16間に磁路が形成される。なお、電磁石
13の電磁コイルへの通電の断続はスイッチの切り換え
操作によりなされ、後述する3つの駆動モードを選択で
きるようになっている。スイッチは車室内の運転席の近
傍に配設されていて、運転者が容易に操作し得るように
なっている。但し、このスイッチは必ずしも必要ではな
い。
【0040】カム機構10eは、第1カム部材17、第
2カム部材18、およびカムフォロアー19にて構成さ
れている。第1カム部材17および第2カム部材18に
は、対向面に互いに対向するカム溝が周方向に所定間隔
を保持して複数形成されている。第1カム部材17は、
インナシャフト10bの外周に回転可能に嵌合されて、
リヤハウジング11bに回転可能に支承されており、そ
の外周に摩擦クラッチ14の各インナクラッチプレート
14aがスプライン嵌合している。
【0041】第2カム部材18は、インナシャフト10
bの外周にスプライン嵌合されて一体回転可能に組付け
られて、メインクラッチ機構10cのインナクラッチプ
レート12aに対向して位置している。この第2カム部
材18と第1カム部材17の互いに対向するカム溝に
は、ボール状のカムフォロアー19が介在している。
【0042】しかして、当該駆動力伝達装置10Aにお
いては、アウタケース10aはフロントハウジング11
aとリヤハウジング11bに分割されていて、フロント
ハウジング11aは非磁性材料であるアルミ合金にて形
成され、かつ、リヤハウジング11bの主体部11b1
は鉄にて形成されているが、これら両ハウジング11
a,11bの固定手段としては、両ハウジング11a,
11bの材質に起因する溶接不良を解消するため螺着手
段を採用していて、リヤハウジング11bをフロントハ
ウジング11aの後端開口部から挿入した状態で、リヤ
ハウジング11bの後端外周部をフロントハウジング1
1aの後端開口部の内周に螺着している。
【0043】リヤハウジング11bは、磁性材料からな
る主体部11b1と非磁性材料からなる環状部11b2に
て構成されているが、環状部11b2は図2に示すよう
に、ステンレス製の円筒体を主体部11b1の中間部に
形成した環状孔11b4に挿入して、それらの開口端部
の境界部を溶接することにより形成されている。従っ
て、主体部11b1と環状部11b2とは、2箇所の溶接
部位11b5にて強固に接合されている。円筒体と主体
部11b1との境界部の溶接には、電子ビーム溶接を採
用している。
【0044】かかる構成の駆動力伝達装置10Aにおい
ては、パイロットクラッチ機構10dを構成する電磁石
13の電磁コイルへの通電がなされていない場合には磁
路は形成されず、摩擦クラッチ14は非係合状態にあ
る。このため、パイロットクラッチ機構10dは非作動
の状態にあって、カム機構10eを構成する第1カム部
材17は、カムフォロアー19を介して第2カム部材1
8と一体回転可能であり、メインクラッチ機構10cは
非作動の状態にある。このため、車両は二輪駆動の駆動
モードを構成する。
【0045】一方、電磁石13の電磁コイルへ通電され
ると、パイロットクラッチ機構10dには磁路が形成さ
れて、電磁石13はアーマチャ15を吸引する。このた
め、アーマチャ15は摩擦クラッチ14を押圧して摩擦
係合させ、カム機構10eの第1カム部材17をフロン
トハウジング11a側へ連結させて、第2カム部材18
との間に相対回転を生じさせる。この結果、カム機構1
0eでは、カムフォロアー19が両カム部材17,18
を互いに離間する方向へ押圧する。
【0046】この結果、第2カム部材18はメインクラ
ッチ機構10c側へ押圧されて、メインクラッチ機構1
0cを摩擦クラッチ14の摩擦係合力に応じて摩擦係合
させ、アウタハウジグ10aとインナシャフト10b間
のトルク伝達を行う。このため、車両はプロペラシャフ
ト24とドライブピニオンシャフト28が非直結状態の
四輪駆動の駆動モードを構成する。この駆動モードで
は、走行状態に応じて、前後輪間の駆動力分配比を10
0:0(二輪駆動状態)〜50:50(直結四輪駆動状
態)に制御することができる。
【0047】また、電磁石13の電磁コイルへの印加電
流を所定の値に高めると、電磁石13のアーマチャ15
に対する吸引力が増大し、アーマチャ15は強く吸引さ
れて摩擦クラッチ14の摩擦係合力を増大させ、両カム
部材17,18間の相対回転を増大させる。この結果、
カムフォロアー19は、第2カム部材18に対する押圧
力を高めてメインクラッチ機構10cを結合状態とす
る。このため、車両はプロペラシャフト24とドライブ
ピニオンシャフト28が直結した四輪駆動の駆動モード
を構成する。
【0048】このように、当該駆動力伝達装置10Aに
おいては、電磁石13を構成する電磁コイルへの通電に
より、電磁石13を支持するヨーク16、リヤハウジン
グ11b、摩擦クラッチ14、アーマチャ15、摩擦ク
ラッチ14、リヤハウジング11b、およびヨーク16
間を循環する磁路が形成されて、アーマチャ15が磁気
誘導作用により摩擦クラッチ14側へ吸引される。この
結果、アーマチャ15は摩擦クラッチ14を押圧して摩
擦係合させて、この摩擦係合力にてアウタハウジグ10
aとインナシャフト10b間をトルク伝達可能な連結状
態とし、アウタケース10aとインナシャフト10b間
では摩擦係合力に応じたトルク伝達がなされる。
【0049】しかして、当該駆動力伝達装置10Aにお
いては、外側回転部材であるアウタケース10aを非磁
性材料からなるフロントハウジング11aとリヤハウジ
ング11bにて構成し、かつ、リヤハウジング11b
を、磁性材料からなる主体部11b1と、その径方向の
中間部に嵌着された非磁性材料からなる環状部11b2
にて構成して、これら両部11b1,11b2を電子ビー
ム溶接により接合している。
【0050】主体部11b1と環状部11b2の境界部を
溶接により接合した場合、これらの両構成材料が互いに
溶込み合って溶接部位が形成されるが、図2には電子ビ
ーム溶接により形成される溶接部位11b5が示され、
かつ、図3には一般のプラズマ溶接、ガス溶接により形
成される溶接部位11b6が示されている。
【0051】これら両溶接部位11b5,11b6を比較
すると、電子ビーム溶接により形成される溶接部位11
b5は幅が狭く、かつ奥深く延びているのに対して、プ
ラズマ溶接、ガス溶接により形成される溶接部位11b
6は幅が広く、かつその延びは浅い。このため、電子ビ
ーム溶接を採用した場合のリヤハウジング11bでは、
溶接部位11b5に起因する透磁率の影響は少なくて、
製品毎のアーマチャに対する吸引力のバラツキを抑制す
ることができるとともに、溶接深さを十分に確保し得て
接合強度を向上させることができる。
【0052】また、当該駆動力伝達装置10Aにおいて
は、摩擦クラッチ14を摩擦係合させる電磁式の制御手
段を、フロントハウジング11aの外側に位置しフロン
トハウジング11a内に位置する摩擦クラッチ14の一
側にリヤハウジング11bを挟んで対向する電磁石13
と、フロントハウジング11b内にて摩擦クラッチ14
の他側に位置し電磁石13の電磁コイルへの通電により
軸方向へ吸引されて摩擦クラッチ14を押圧するアーマ
チャ15にて構成し、かつ、摩擦クラッチ14、および
アーマチャ15が接触するフロントハウジング11bを
非磁性材料にて形成しているため、磁路を構成する磁束
はフロントハウジング11aから漏洩して磁束密度を減
少させるようなことはない。このため、パイロットクラ
ッチ機構10dにおける摩擦クラッチ14の作動効率
を、従来のこの種形式の駆動力伝達装置における作動効
率に比較して向上させることができる。
【0053】また、当該駆動力伝達装置10Aにおい
て、フロントハウジング11aをアルミ合金にて形成し
ているため、アウタケース10aを軽量化することがで
き、延いては、駆動力伝達装置10Aそれ自体を軽量化
することができる。
【0054】また、当該駆動力伝達装置10Aにおいて
は、アウタケース10aとインナシャフト10b間に、
摩擦係合によりアウタハウジグ10aとインナシャフト
10b間のトルク伝達を行うメインクラッチ機構10c
と、通電により作動して摩擦係合する電磁式のパイロッ
トクラッチ機構10dと、メインクラッチ機構10cと
パイロットクラッチ機構10d間に位置しパイロットク
ラッチ機構10dの摩擦係合力をメインクラッチ機構1
0cに対する押圧力に変換するカム機構10eを備えた
構成としているため、パイロットクラッチ機構10dの
摩擦係合力をカム機構10eを介してメインクラッチ機
構10cに円滑に、かつ増大して伝達することができ
る。これにより、メインクラッチ機構10cが強く摩擦
係合して、アウタケース10aとインナシャフト10b
間での伝達トルクを増大させることができ、駆動力伝達
装置10の駆動力伝達特性を向上させることができる。
【0055】なお、プロペラシャフト24の突上げ力は
フロントハウジング11aに伝達されるが、フロントハ
ウジング11aを支持する軸受16cとディファレンシ
ャルキャリヤ27の間に介在しているコニカルスプリン
グ16aにて吸収される。
【0056】図4および図5には、上記した駆動力伝達
装置10Aの変形例が示されている。この変形例に係る
駆動力伝達装置10Bにおいては、フロントハウジング
11aとリヤハウジング11bとの連結手段、およびリ
ヤハウジング11bの構成を除き、駆動力伝達装置10
Aと実質的に同一に構成されている。従って、駆動力伝
達装置10Bについては、フロントハウジング11aと
リヤハウジング11bの連結手段、およびリヤハウジン
グ11bの構成について詳細に説明し、その他の構成に
つては、駆動力伝達装置10Aと同一の構成部材、同一
の構成部位には同一の符号を付してその詳細な説明を省
略する。
【0057】しかして、当該駆動力伝達装置10Bにお
いて、アウタケース10aは、有底筒状のフロントハウ
ジング11aと、フロントハウジング11aの後端開口
部に螺着されて同開口部を覆蓋するリヤハウジング11
bからなるもので、フロントハウジング11aは非磁性
材料であるアルミ合金にて形成されている。リヤハウジ
ング11bは、主体部11b1とその径方向の中間部に
形成された環状部11b2からなるもので、主体部11
b1は磁性材料である鉄にて形成され、かつ、環状部1
1b2は非磁性材料であるステンレスにて形成されてい
る。
【0058】リヤハウジング11bの環状部11b2
は、ステンレス製の円錐筒体を主体部11b1の中間部
に形成した円錐状の環状孔11b4に挿入して、それら
の境界部を接着剤による接着手段、またカシメ手段によ
り接合することにより形成されている。かかる接合構造
において、環状部11b2を形成する円錐筒体、および
主体部11b1の環状孔11b4は、リヤハウジング11
bの内側面から外側面に向かって漸次縮径していて、カ
ム機構10eの第1カム部材17から主体部11b1に
作用する軸方向の押圧力により、主体部11b1が環状
部11b2に対して楔状に食込むように構成されてい
る。
【0059】かかる構成のリヤハウジング11bは、ア
ルミ合金製のフロントハウジング11aの後端開口部の
内周に螺着されているが、リヤハウジング11bの後端
外周部に形成されているネジ部11b7にはナット部材
11cが進退可能に螺着されている。ナット部材11c
は、フロントハウジング11aを後端側から締付けてい
て、フロントハウジング11aのネジ部11a1をリヤ
ハウジング11bのネジ部11b7に押圧して、これら
両ネジ部11a1,11b7間のガタを解消している。
【0060】かかる構成の駆動力伝達装置10Bにおい
ては、駆動力伝達装置10Aと同様に作動するとともに
同様の作用効果を奏するが、特に、主体部11b1と環
状部11b2の接合に溶接手段を採用していないことか
ら、駆動力伝達装置10Aのリヤハウジング11bのご
とき溶接部位は存在せず、溶接部位に起因する透磁率の
影響を解消し得て、製品毎のアーマチャに対する吸引力
のバラツキを防止することができる。また、リヤハウジ
ング11bにおいては、主体部11b1と環状部11b2
とが楔作用によりに接合されるため、これら両者の接合
強度を一層向上させることができる。
【0061】また、当該駆動力伝達装置10Bにおいて
は、アウタケース10aを、アルミ合金製のフロントハ
ウジング11aと、その後端開口部の内周に螺着されて
いる鉄を主体とするリヤハウジング11bとにより構成
されていて、これらの構成部材の接合に溶接手段を一切
採用していないため、溶接手段の省略により駆動力伝達
装置10Bの制作コストを低減することができる。
【0062】かかる構成を採用する場合、リヤハウジン
グ11bの後端外周部のネジ部11b7にナット部材1
1cを進退可能に螺着して、ナット部材11cによりフ
ロントハウジング11aを後端側から締付け、フロント
ハウジング11aのネジ部11a1をリヤハウジング1
1bのネジ部11b7に押圧して、これら両ネジ部11
a1,11b7間のガタを解消している。また、ヨーク1
6は、ディファレンシャルキャリヤ27にコニカルスプ
リング16aを介して軸方向に支承された状態に支持さ
れていて、リヤハウジング11bの後端部の外周に回転
可能に支持されている。
【0063】従って、リヤハウジング11bとヨーク1
6間のエアギャップを常に一定に保持することができ、
エアギャップの変動に起因する磁束密度の変動がない。
このため、アーマチャ15に対する吸引力が変動するこ
とはなくて、摩擦クラッチ14においては、安定した摩
擦係合力が得られ、パイロットクラッチ機構10dにお
ける摩擦クラッチ14の制御性が向上する。
【0064】なお、プロペラシャフト24の突上げ力
は、フロントハウジング11a、リヤハウジング11
b、およびヨーク16に伝達されるが、ヨーク16とデ
ィファレンシャルキャリヤ27間に介在しているコニカ
ルスプリング16aにて吸収される。また、この突上げ
力の伝達経路にあるフロントハウジング11aとリヤハ
ウジング11b間の螺着部ではガタが生じることはな
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例に係る駆動力伝達装置を示す部分
断面図である。
【図2】同駆動力伝達装置を構成するリヤハウジングの
主体部と環状部の電子ビーム溶接による接合状態を示す
部分断面図である。
【図3】同リヤハウジングの主体部と環状部の他の溶接
手段による接合状態を示す部分断面図である。
【図4】同駆動力伝達装置の変形例に係る駆動力伝達装
置を示す部分断面図である。
【図5】同駆動力伝達装置の拡大部分断面図である。
【図6】同駆動力伝達装置を搭載した車両のスケルトン
図である。
【符号の説明】
10A,10B…駆動力伝達装置、10a…アウタケー
ス、10b…インナシャフト、10c…メインクラッチ
機構、10d…パイロットクラッチ機構、10e…カム
機構、11a…フロントハウジング、11a1…ネジ
部、11b…リヤハウジング、11b1…主体部、11
b2…環状部、11b3…環状凹所、11b4…環状孔、
11b5,11b6…溶接部位、11b7…ネジ部、11
c…ナット部材、12a…インナクラッチプレート、1
2b…アウタクラッチプレート、13…電磁石、14…
摩擦クラッチ、14a…インナクラッチプレート、14
b…アウタクラッチプレート、15…アーマチャ、16
…ヨーク、16a…コニカルスプリング、16b,16
c,16d…軸受、17…第1カム部材、18…第2カ
ム部材、19…カムフォロアー、21…トランスアクス
ル、22…エンジン、23a…アクスルシャフト、23
b…前輪、24…プロペラシャフト、25…リヤディフ
ァレンシャル、26a…アクスルシャフト、26b…後
輪、27…ディファレンシャルキャリヤ、28…ドライ
ブピニオンシャフト。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池田 暁彦 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 大葉 充 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (56)参考文献 特開 平8−219179(JP,A) 実開 平5−12765(JP,U) 実開 平5−66339(JP,U) 実開 平4−18723(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16D 27/10

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】互いに同軸的かつ相対回転可能に位置する
    内外両回転部材間に配設された摩擦クラッチと、通電に
    より作動して前記摩擦クラッチを摩擦係合させる電磁式
    の制御手段を備え、前記摩擦クラッチの摩擦係合力にて
    前記両回転部材をトルク伝達可能な連結状態とする駆動
    力伝達装置において、前記外側回転部材は、非磁性材料
    からなる有底筒状のフロントハウジングと、同フロント
    ハウジングの後端開口部を覆蓋するリヤハウジングとに
    より構成され、かつ、同リヤハウジングは磁性材料から
    なる主体部と、同主体部の径方向の中間部に嵌着された
    非磁性材料からなる環状部とにより構成され、同環状部
    は前記主体部に対して電子ビーム溶接により径方向の2
    箇所の部位で接合されていることを特徴とする駆動力伝
    達装置。
  2. 【請求項2】互いに同軸的かつ相対回転可能に位置する
    内外両回転部材間に配設された摩擦クラッチと、通電に
    より作動して前記摩擦クラッチを摩擦係合させる電磁式
    の制御手段を備え、前記摩擦クラッチの摩擦係合力にて
    前記両回転部材をトルク伝達可能な連結状態とする駆動
    力伝達装置において、前記外側回転部材は、非磁性材料
    からなる有底筒状のフロントハウジングと、同フロント
    ハウジングの後端開口部を覆蓋するリヤハウジングとに
    より構成され、かつ、同リヤハウジングは磁性材料から
    なる主体部と、同主体部の径方向の中間部に嵌着された
    非磁性材料からなる環状部とにより構成され、同環状部
    は円錐筒状を呈していて、前記主体部に形成した円錐状
    環状孔に嵌合されて接合されていることを特徴とする駆
    動力伝達装置。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の駆動力伝達装置におい
    て、前記リヤハウジングの環状部は同リヤハウジングの
    主体部に、同主体部が軸方向の作用力により前記環状部
    に楔状に食込む方向に嵌合されていることを特徴とする
    駆動力伝達装置。
  4. 【請求項4】請求項1,2または3に記載の駆動力伝達
    装置において、前記摩擦クラッチを摩擦係合させる電磁
    式の制御手段は、前記フロントハウジングの外側に位置
    し同フロントハウジング内に位置する前記摩擦クラッチ
    の一側に前記リヤハウジングを挟んで対向する電磁石
    と、前記フロントハウジング内にて前記摩擦クラッチの
    他側に位置し前記電磁石のコイルへの通電により軸方向
    へ吸引されて前記摩擦クラッチを押圧するアーマチャに
    て構成されていることを特徴とする駆動力伝達装置。
  5. 【請求項5】請求項1,2,3または4に記載の駆動力
    伝達装置において、前記フロントハウジングはアルミ合
    金にて形成され、前記リヤハウジングの主体部は鉄にて
    形成され、かつ、同リヤハウジングの環状部はステンレ
    スにて形成されていることを特徴とする駆動力伝達装
    置。
  6. 【請求項6】請求項1,2,3,4または5に記載の駆
    動力伝達装置において、前記リヤハウジングの後端部上
    にナット部材が進退可能に螺着されて、同ナット部材に
    て前記フロントハウジングが後端側から締付けられてい
    ることを特徴とする駆動力伝達装置。
  7. 【請求項7】請求項1,2,3,4,5または6に記載
    の駆動力伝達装置において、前記両回転部材間に、摩擦
    係合によりこれら両回転部材間のトルク伝達を行うメイ
    ンクラッチ機構と、通電により作動して摩擦係合する電
    磁式のパイロットクラッチ機構と、前記メインクラッチ
    機構と前記パイロットクラッチ機構間に位置し同パイロ
    ットクラッチ機構の摩擦係合力を前記メインクラッチ機
    構に対する押圧力に変換するカム機構を備え、前記パイ
    ロットクラッチ機構が前記摩擦クラッチと前記制御手段
    にて構成されていることを特徴とする駆動力伝達装置。
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