JPH10213163A - 駆動力伝達装置 - Google Patents

駆動力伝達装置

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JPH10213163A
JPH10213163A JP9012974A JP1297497A JPH10213163A JP H10213163 A JPH10213163 A JP H10213163A JP 9012974 A JP9012974 A JP 9012974A JP 1297497 A JP1297497 A JP 1297497A JP H10213163 A JPH10213163 A JP H10213163A
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clutch mechanism
cam
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retainer
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Naoyuki Kokubo
直之 小久保
Satoshi Ashida
敏 芦田
Koichi Suzuki
浩一 鈴木
Akiyuki Kanou
盟之 加納
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Toyoda Koki KK
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Toyota Motor Corp
Toyoda Koki KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電磁コイルへの通電によりパイロットクラッチ
機構を摩擦係合してこの摩擦係合力をカム機構を介して
メインクラッチ機構に伝達し、同メインクラッチ機構を
摩擦係合してトルク伝達を行う駆動力伝達装置におい
て、電磁コイルへ大電流を付与することなく大トルクを
伝達可能にして、電磁コイルの発熱に起因する耐久性の
低下を防止する。 【解決手段】メインクラッチ機構10cを摩擦係合させ
る第2のカム機構10fを設けて、同カム機構10fを
パイロットクラッチ機構10dの摩擦係合力が所定の値
に達したときに作動させるようにして、メインクラッチ
機構10cの摩擦係合力を著しく増大し、または同クラ
ッチ機構10cを結合させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の駆動軸と従
動軸間等両回転軸間に配設されて両回転軸間のトルク伝
達を行う、電磁的手段により作動を制御する駆動伝達装
置、特に、電磁手段への通電状態を制御して駆動力伝達
状態を変更する駆動力伝達装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電磁的手段により作動を制御する駆動伝
達装置、電磁手段への通電状態を制御して駆動力伝達状
態を変更する駆動力伝達装置等の一形式として、特開平
3−219123号公報に連結装置の名称で提案されて
いるように、互いに同軸的かつ相対回転可能に位置する
内側回転部材および外側回転部材間に配設されたメイン
クラッチ機構、電磁式パイロットクラッチ機構、および
同パイロットクラッチ機構の摩擦係合力を前記メインク
ラッチ機構に対する摩擦係合力に変換するカム機構を備
えた駆動力伝達装置がある。
【0003】当該形式の駆動力伝達装置においては、前
記パイロットクラッチ機構が、同パイロットクラッチ機
構を構成する電磁コイルへの通電により作動して、前記
メインクラッチ機構を摩擦係合させて前記両回転部材間
のトルク伝達を行うものであり、例えば、四輪駆動車を
構成する駆動軸と従動軸間に配設されてこれら両軸間の
トルク伝達を行うべく機能する。
【0004】しかして、当該形式の駆動力伝達装置にお
いては、パイロットクラッチ機構の摩擦係合力の大小は
同クラッチ機構を構成する電磁コイルへの電流量の大小
によれ決定されて、メインクラッチ機構の摩擦係合力の
大小に影響を及ぼし、またメインクラッチ機構の摩擦係
合力の大小が内外両回転部材間での伝達トルクの大小に
影響を及ぼし、これにより、両回転軸間の伝達トルクの
大小が決定される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、当該形式
の駆動力伝達装置においては、パイロットクラッチ機構
における摩擦係合力の大小が最終的には両回転軸間での
伝達トルクの大小に関係するため、両回転軸間での伝達
トルクを大きくし、特に両回転軸を直結状態にしたい場
合には、パイロットクラッチ機構を構成する電磁コイル
に大電流を付与する必要がある。しかしながら、この場
合には、電磁コイルは大電流の通電により発熱し、熱的
影響を大きく受けて耐久性を損なうことになる。
【0006】従って、本発明の目的は、当該形式の駆動
力伝達装置において、パイロットクラッチ機構の摩擦係
合力が設定された比較的小さい値に達した時点で、メイ
ンクラッチ機構がその摩擦係合力を著しく増大させるか
結合するように構成して、パイロットクラッチ機構の電
磁コイルへは大電流を通電することなく、両回転軸間で
の伝達トルクを大きくし、または両回転軸を直結状態に
し得るようにして、電磁コイルの耐久性を向上させるこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は駆動力伝達装置
に関するもので、電磁的手段により作動を制御する第1
の駆動伝達装置、電磁手段への通電状態を制御して駆動
力伝達状態を変更する第2の駆動力伝達装置、互いに同
軸的かつ相対回転可能に位置する内側回転部材および外
側回転部材間に配設されたメインクラッチ機構、電磁式
パイロットクラッチ機構、および同パイロットクラッチ
機構の摩擦係合力を前記メインクラッチ機構に対する摩
擦係合力に変換するカム機構を備え、前記パイロットク
ラッチ機構の作動により前記メインクラッチ機構を摩擦
係合させて前記両回転部材間のトルク伝達を行う第3の
駆動力伝達装置を適用対象とするものである。
【0008】しかして、本発明に係る駆動力伝達装置
は、上記した第1の駆動力伝達装置において、前記電磁
的手段とは別の機械的手段により所定の駆動力伝達状態
にするとともに、前記電磁的手段への供給電力量をその
まま保持し、または低減させることを特徴とするもので
ある。
【0009】また、本発明に係る駆動力伝達装置は、上
記した第2の駆動力伝達装置において、駆動力伝達状態
を直結状態にする場合、前記電磁手段への通電量を増大
し、その後伝達トルクが所定値以上になった時点で、前
記電磁的手段とは別の機械的手段により直結状態にする
とともに、前記電磁的手段に対する通電量をそのまま保
持し、または低減させることを特徴とするものである。
【0010】また、本発明に係る駆動力伝達装置は、上
記した第3の駆動力伝達装置において、前記メインクラ
ッチ機構を、前記外側回転部材の内側に回転可能かつ軸
方向へ移動可能に嵌合した筒状のリテーナと、同リテー
ナと前記内側回転部材間にて互いに交互に配置した複数
のクラッチ板とにより構成するとともに、前記外側回転
部材と前記リテーナ間にはこれら両者の相対回転により
作動して同リテーナを前記クラッチ板側へ押圧して同ク
ラッチ板に摩擦係合力を付与する第2のカム機構を配設
して、前記リテーナをバネ部材により前記外側回転部材
側へ付勢したことを特徴とするものである。
【0011】当該駆動力伝達装置にあっては、前記第2
のカム機構を、前記外側回転部材の内向フランジ部の内
側面に設けた第1のカム溝と、前記リテーナの内向フラ
ンジ部の外側面に設けられて前記第1のカム溝に対向す
る第2のカム溝と、これら両カム溝に嵌合するボール状
のカムフォロアーとにより構成することが好ましく、ま
た前記バネ部材を、前記外側回転部材の内向フランジ部
と前記リテーナの内向フランジ部間に介装して、前記リ
テーナを前記外側回転部材側へ付勢するように構成する
ことが好ましい。
【0012】
【発明の作用・効果】本発明に係る駆動力伝達装置にお
いては、第1の駆動力伝達装置を適用対象とするものに
あっては、電磁的手段に対する供給電力を所定量以上に
は増大させないため、電磁的手段の耐久性を向上させる
ことができる。
【0013】また、第2の駆動力伝達装置を適用対象と
する駆動力伝達装置にあっては、直結状態にする場合、
電磁的手段に対する通電量を所定以上には増大させない
ため、電磁的手段の耐久性を向上させることができる。
【0014】また、第3駆動力伝達装置を提供対象とす
る駆動力伝達装置においては、従来のこの種形式の駆動
力伝達装置と同様に、パイロットクラッチ機構は、同パ
イロットクラッチ機構を構成する電磁コイルへの通電に
より作動して摩擦係合し、この摩擦係合力がカム機構に
よりメインクラッチ機構に対する摩擦係合力に変換さ
れ、メインクラッチ機構の摩擦係合力により内外両回転
部材間のトルク伝達が行われる。
【0015】この場合、メインクラッチ機構において
は、パイロットクラッチ機構からカム機構を介して付与
される摩擦係合力が小さい場合には、外側回転部材とリ
テーナとは第2のカム機構の係合力とバネ部材の付勢力
の作用により一体となって回転し、第2のカム機構は機
能しない。このため、パイロットクラッチ機構の摩擦係
合力の増大により、メインクラッチ機構の摩擦係合力が
増大して内外回転部材間の伝達トルクを増大させ、これ
により両回転軸間の伝達トルクを増大させる。
【0016】しかして、パイロットクラッチ機構の摩擦
係合力が所定の値に達してメインクラッチ機構における
摩擦係合力が所定の値に達すると、同摩擦係合力が第2
のカム機構の係合力とバネ部材の付勢力とに打ち勝ち、
外側回転部材とリテーナ間に相対回転を生じさせる。こ
の結果、第2のカム機構が作動してリテーナをメインク
ラッチ機構側へ押圧し、これにより、メインクラッチ機
構はリテーナにより押圧されて一層強く摩擦係合し、最
後には結合状態となる。
【0017】従って、当該る駆動力伝達装置において
は、パイロットクラッチ機構を構成する電磁コイルに大
電流を付与することなく、メインクラッチ機構の摩擦係
合力を大きくし、またはメインクラッチ機構を結合状態
として、両回転軸間の伝達トルクを瞬時に著しく増大さ
せ、または両回転軸を直結状態とすることができる。こ
のため、両回転軸間での伝達トルクを著しく大きくし、
または両回転軸を直結状態にする場合においても、パイ
ロットクラッチ機構を構成する電磁コイルに大電流を付
与する必要がなく、電磁コイルの大電流の通電による発
熱に起因する熱的影響を抑制し得て、電磁コイルの耐久
性を向上させることができる。
【0018】当該駆動力伝達装置において、第2のカム
機構を、外側回転部材の内向フランジ部の内側面に設け
た第1のカム溝と、リテーナの内向フランジ部の外側面
に設けられて第1のカム溝に対向する第2のカム溝と、
これら両カム溝に嵌合するボール状のカムフォロアーと
により構成し、またバネ部材を、外側回転部材の内向フ
ランジ部とリテーナの内向フランジ部間に介装してリテ
ーナを外側回転部材側へ付勢するようにすれば、駆動力
伝達装置を従来のこの種形式の駆動力伝達装置に比較し
てさほど複雑な構造とすることなく、かつさほど大型化
することなく構成することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下本発明を図面に基づいて説明
すると、図1には本発明に係る駆動力伝達装置の一例が
示されている。当該駆動力伝達装置10は、電磁的手段
により作動を制御する駆動伝達装置であり、かつ、電磁
手段への通電状態を制御して駆動力伝達状態を変更する
駆動力伝達装置であって、図5に示すように、四輪駆動
車における後輪側への駆動力伝達経路に配設される。
【0020】当該車両において、トランスアクスル21
はトランスミッションおよびトランスファを備えてい
て、エンジン22の駆動力をフロントディフアレンシャ
ル23を介して両アクスルシャフト24に出力して両前
輪25を駆動させるとともに、第1プロペラシャフト2
6aに出力する。
【0021】第1プロペラシャフト26aは、駆動力伝
達装置10を介して第2プロペラシャフト26bに連結
しており、これら両シャフト26a,26bがトルク伝
達可能に連結された場合には、駆動力はリアディフアレ
ンシャル27に伝達され、ディフアレンシャル27から
両アクスルシャフト28へ出力されて両後輪29を駆動
させる。当該車両においては、第1プロペラシャフト2
6aが駆動軸を構成するとともに、第2プロペラシャフ
ト26bが従動軸を構成している。
【0022】しかして、駆動力伝達装置10は、図1に
示すように、外側回転部材であるアウタハウジング10
a、内側回転部材であるインナシャフト10b、メイン
クラッチ機構10c、パイロットクラッチ機構10d、
第1カム機構10e、および第2カム機構10fを備え
ている。
【0023】アウタハウジング10aは、有底の筒状の
アウタケース11aと、アウタケース11aの一端開口
部に螺着されて同開口部を覆蓋するカバー体11bから
なり、インナシャフト10bはカバー体11bの中央部
を液密的に貫通してアウタケース11a内に延びてい
て、軸方向の移動を規制された状態で回転可能に支持さ
れている。アウタハウジング10aにおけるアウタケー
ス11aの先端部には第1プロペラシャフト26aが固
着されて連結され、かつインナシャフト10bには第2
プロペラシャフト26bがその内孔内に挿入されてトル
ク伝達可能に連結される。
【0024】メインクラッチ機構10cは、図1に示す
ように、複数枚のクラッチディスク12aとクラッチプ
レート12bを備えた多板式のもので、クラッチディス
ク12aと、クラッチプレート12bと、リテーナ13
を備えている。リテーナ13は、筒部13aの基端側に
内向フランジ部13bを有する筒体であって、アウタケ
ース11a内に回転可能かつ軸方向へ移動可能に嵌合さ
れている。
【0025】メインクラッチ機構10cにおいて、各ク
ラッチプレート12bの外周側は、リテーナ13におけ
る筒部13aの内周側に設けたスプラインに係合して、
リテーナ13と一体回転可能でかつ軸方向へ移動可能に
組付けられており、また各クラッチディスク12aの内
周側は、インナシャフト10bの中間部の外向フランジ
部の外周に設けたスプラインに係合してインナシャフト
10bと一体回転可能でかつ軸方向へ移動可能に組付け
られている。各クラッチディスク12aと各クラッチプ
レート12bとは交互に位置していて、互いに当接して
摩擦係合するとともに互いに離間して自由状態となる。
【0026】パイロットクラッチ機構10dは電磁式の
もので、クラッチディスク14a、複数のクラッチプレ
ート14b、アーマチャ14c、および電磁コイル14
dを備えている。パイロットクラッチ機構10dにおい
ては、クラッチディスク14aの内周側は後述する第1
カム機構10eを構成するカム部材15の外周に設けた
スプラインに係合して、カム部材15と一体回転可能で
かつ軸方向へ移動可能に組付けられており、また各クラ
ッチプレート14bの外周側はクラッチディスク14a
を挟んだ状態でアウタケース11aの内周に係合して、
アウタケース11aと一体回転可能でかつ軸方向へ移動
可能に組付けられている。
【0027】アーマチャ14cはリング状のもので、ア
ウタケース11aに固定したストッパリング14fとク
ラッチプレート14b間に位置して、軸方向へ移動可能
に組付けられ、また電磁コイル14dはコイルケース1
4eに嵌着された状態で、アウタケース11aとカバー
体11b間に嵌合されて、カバー体11bにベアリング
を介して回転可能に組付けられている。
【0028】パイロットクラッチ機構10dにおいて
は、電磁コイル14dへの通電により、カバー体11
b、各クラッチプレート14b、クラッチディスク14
a、およびアーマチャ14c間に磁路が形成されて、磁
気誘導作用により、アーマチャ14cが電磁コイル14
d側へ引付けられ、この際、アーマチャ14cはクラッ
チディスク14aおよびクラッチプレート14bをカバ
ー体11bに対して押圧し、クラッチディスク14aと
クラッチプレート14bを互いに摩擦係合させる。
【0029】第1カム機構10eは、第1カム部材15
と、第2カム部材16と、カムフォロアー17とからな
るもので、第1カム部材15はインナシャフト10bの
外周に回転可能に組付けられ、かつ第2カム部材16は
インナシャフト10bの外周に一体回転可能でかつ軸方
向へ移動可能に組付けられていて、これら両者15,1
6はメインクラッチ機構10cとカバー体11b間に位
置している。第1カム部材15の外周に設けた外スプラ
インには、クラッチディスク14aの内周側が係合して
いる。
【0030】第1カム機構10eにおいては、第1カム
部材15の一側面には、図2および図4に示すように、
周方向に所定間隔を保持して多数のカム溝15aが形成
されており、また、第2カム部材16の一側面には、第
1カム部材15の各カム溝15aに対向する多数のカム
溝16aが形成されている。各カム溝15a,16aは
略V字状を呈するもので、互いに対向するカム溝15
a,16a間には、ボール状のカムフォロアー17が嵌
合されている。この状態で、第1カム部材15はカバー
体11bにニードルベアリングを介して受承され、かつ
第2カム部材16はメインクラッチ機構10cのクラッ
チプレート12bに接触し得る状態にある。
【0031】これにより、第1カム機構10eにおいて
は、両カム部材15,16間に相対回転が生じると、両
カム溝15a,16aとカムフォロアー17の作用によ
り、第2カム部材16を軸方向へ移動させてメインクラ
ッチ機構10cのクラッチディスク12aとクラッチプ
レート12bを押圧して、これらを摩擦係合させる。
【0032】第2カム機構10fは、アウタケース11
aの内向フランジ部11cとリテーナ13の内向フラン
ジ部13bとに互いに対向して設けたカム溝11d,1
3cと、両カム溝11d,13c間に嵌合されたボール
状のカムフォロア18とにより構成されている。リテー
ナ13の内向フランジ部13bには、図3に示すよう
に、その外側面にカム溝13cが周方向に所定の間隔を
保持して多数設けられており、同様に、アウタケース1
1aの内向フランジ部11cにおいても、その内側面に
カム溝11dが周方向に所定の間隔を保持して多数設け
られている。
【0033】各カム溝11d,13cは略V字状を呈す
るもので、これら両カム溝11d,13c間にカムフォ
ロアー18が嵌合している。また、両内向フランジ部1
1c,13bの内側縁部間には皿状のバネ部材19が介
装されていて、バネ部材19はリテーナ13の内向フラ
ンジ部13bをアウタケース11aの内向フランジ部1
1c側へ、所定の力で付勢している。
【0034】これにより、第2カム機構10fにおいて
は、アウタケース11aとリテーナ13が一体的に回転
している場合には非作動の状態にあり、アウタケース1
1aとリテーナ13間に相対回転が生じると、両カム溝
11d,13cとカムフォロアー18の作用により、リ
テーナ13をバネ部材19に抗して軸方向へ移動させ
て、メインクラッチ機構10cのクラッチディスク12
aとクラッチプレート12bを押圧して、これらを摩擦
係合させる。
【0035】このように構成した駆動力伝達装置10
は、例えば図5に示すように、アウタハウジング10a
を第1プロペラシャフト26aに取付けられ、かつイン
ナシャフト10bを第2プロペラシャフト26bに取付
けられて、四輪駆動車の後輪側への駆動力伝達装置とし
て機能する。
【0036】当該駆動力伝達装置10においては、パイ
ロットクラッチ機構10dの電磁コイル14dが非通電
状態である場合には、パイロットクラッチ機構10d、
第1カム機構10e、メインクラッチ機構10c、およ
び第2カム機構10fは非作動の状態にあって、第1プ
ロペラシャアト26aからアウタハウジング10aへ伝
達されるトルクは、インナシャフト10b、および第2
プロペラシャフト26bへは伝達されない。この間、リ
テーナ13はバネ部材19の付勢力により各カムフォロ
アー18に押付けられていて、アウタハウジング10a
と一体に回転する。
【0037】この状態において、パイロットクラッチ機
構10dの電磁コイル14dが通電されると、アーマチ
ャ14cが磁気誘導作用により電磁コイル14d側へ引
付けられ、この際、アーマチャ14cはクラッチディス
ク14aおよびクラッチプレート14bをカバー体11
bに対して押圧し、クラッチディスク14aとクラッチ
プレート14bを互いに摩擦係合させる。
【0038】この結果、第1カム機構10eを構成する
第1カム部材15と第2カム部材16間に相対回転が生
じ、両カム溝15a,16aとカロフォロアー17との
作用により、第2カム部材16がメインクラッチ機構1
0c側へ押圧される。このため、メインクラッチ機構1
0cのクラッチディスク12aとクラッチプレート12
bが摩擦係合し、第1プロペラシャフト26aからアウ
タハウジング10aへ伝達されるトルクが、リテーナ1
3b、クラッチディスク12a、およびクラッチプレー
ト12bを通してインナシャフト10b、および第2プ
ロペラシャフト26bへ伝達される。
【0039】この間、メインクラッチ機構10cにおい
ては、パイロットクラッチ機構10dから第1カム機構
10eを経て付与される押圧力が小さい場合には、アウ
タハウジンク10aとリテーナ13とは第2カム機構1
0fの係合力とバネ部材19の付勢力とにより一体とな
って回転し、第2カム機構10fは非作動の状態にあ
る。このため、パイロットクラッチ機構10dの摩擦係
合力の増大により、第1カム機構10eに発生する押圧
力が増大してメインクラッチ機構10cの摩擦係合力が
増大し、アウタハウジング10aからインナシャフト1
0bへ伝達されるトルクは漸次増大する。
【0040】この場合の、電磁コイル14dへの電流値
Iと、第1カム機構10eにて発生するメインクラッチ
機構10cに対する押圧力Fとの関係は、図6(a)の
グラフに示す状態であって、電流値Iの増大に対応して
押圧力Fは漸次増大する。
【0041】しかして、パイロットクラッチ機構10d
の摩擦係合力が漸次増大して所定の値に達すると、第1
カム機構10eにて発生するメインクラッチ機構10c
に対する押圧力Fも増大して押圧力が所定の値F1に達
し、メインクラッチ機構10cにおける摩擦係合力を増
大させる。この結果、リテーナ13とアウタハウジング
10a間に、第2カム機構10fの係合力とバネ部材1
9の付勢力とに打ち勝って相対回転が発生し、第2カム
機構10fが作動してリテーナ13をメインクラッチ機
構10c側へ押圧する。
【0042】これにより、メインクラッチ機構10cは
リテーナ13により押圧されて一層強く摩擦係合して結
合状態となり、アウタハウジング10aとインナシャフ
ト10bを結合して、両プロペラシャフト26a,26
bを直結状態とする。図6(b)には、第1カム機構1
0eにて発生するメインクラッチ機構10cに対する押
圧力Fとメインクラッチ機構10cにて発生するインナ
シャフト10b側への伝達トルクTとの関係を示してお
り、押圧力がF1値に達すると、メインクラッチ機構1
0cが結合状態となる。メインクラッチ機構10cを結
合状態とするために要する電磁コイル14dへの電流値
は、同図(a)に示す電流値I1である。
【0043】このように、当該駆動力伝達装置10にお
いては、パイロットクラッチ機構10dを構成する電磁
コイル14dに大電流を付与することなく、メインクラ
ッチ機構10cの摩擦係合力を大きくし、またはメイン
クラッチ機構10cを結合状態として、両プロペラシャ
フト26a,26b間の伝達トルクを瞬時に著しく増大
させ、または両プロペラシャフト26a,26bを直結
状態とすることができる。
【0044】このため、両プロペラシャフト26a,2
6b間での伝達トルクを著しく大きくし、または両プロ
ペラシャフト26a,26bを直結状態にする場合にお
いても、パイロットクラッチ機構10dを構成する電磁
コイル14dへは大電流を付与する必要がなく、電磁コ
イル14dの大電流の通電による発熱に起因する熱的影
響を抑制し得て、電磁コイル14dの耐久性を向上させ
ることができる。
【0045】また、当該駆動力伝達装置10において
は、第2カム機構10fを、アウタハウジング10aの
内向フランジ部11cの内側面に設けたカム溝11d
と、リテーナ13の内向フランジ部13bの外側面に設
けられてカム溝11dに対向するカム溝13cと、これ
ら両カム溝11d,13cに嵌合するボール状のカムフ
ォロアー18とにより構成し、またバネ部材19を、ア
ウタハウジング10aの内向フランジ部11cとリテー
ナ13の内向フランジ部13b間に介装してリテーナ1
3を付勢する構成を採っているため、当該駆動力伝達装
置10を、従来のこの種形式の駆動力伝達装置に比較し
てさほど複雑な構造とすることなく、かつ大型化するこ
となく構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る駆動力伝達装置の一例を示す切断
端面図である。
【図2】同駆動力伝達装置における図1の矢印2−2線
方向に見た切断端面図である。
【図3】同駆動力伝達装置における図1の矢印3−3線
方向に見た切断端面図である。
【図4】同駆動力伝達装置を構成するカム機構の一部を
示す横断面図である。
【図5】同駆動力伝達装置を採用した四輪駆動車の概略
構成図である。
【図6】パイロットクラッチ機構の電磁コイルへの電流
値Iと第1カム機構にて発生するメインクラッチ機構に
対する押圧力Fとの関係を示すグラフ(a)、および同
押圧力Fとメインクラッチ機構にて発生するインナシャ
フト側への伝達トルクTとの関係を示すグラフ(b)で
ある。
【符号の説明】
10…駆動力伝達装置、10a…アウタハウジング、1
0b…インナシャフト、10c…メインクラッチ機構、
10d…パイロットクラッチ機構、10e…第1カム機
構、10f…第2カム機構、11a…アウタケース、1
1b…カバー体、11c…内向フランジ部、11d…カ
ム溝、12a…クラッチディスク、12b…クラッチプ
レート、13…リテーナ、13a…筒部、13b…内向
フランジ部、13c…カム溝、14a…クラッチディス
ク、14b…クラッチプレート、14c…アーマチャ、
14d…電磁コイル、14e…コイルケース、14f…
ストッパリング、15…カム部材、15a…カム溝、1
6…第2カム部材、16a…カム溝、17,18…カム
フォロアー、19…バネ部材、21…トランスアクス
ル、22…エンジン、23…フロントディフアレンシャ
ル、24…アクスルシャフト、25…前輪、26a…第
1プロペラシャフト、26b…第2プロペラシャフト、
27…リアディフアレンシャル、28…アクスルシャフ
ト、29…後輪。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 浩一 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 加納 盟之 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電磁的手段により作動を制御する駆動伝達
    装置において、前記電磁的手段とは別の機械的手段によ
    り所定の駆動力伝達状態にするとともに、前記電磁的手
    段への供給電力量をそのまま保持し、または低減させる
    ことを特徴とする駆動力伝達装置。
  2. 【請求項2】電磁手段への通電状態を制御して駆動力伝
    達状態を変更する駆動力伝達装置において、駆動力伝達
    状態を直結状態にする場合、前記電磁手段への通電量を
    増大し、その後伝達トルクが所定値以上になった時点
    で、前記電磁的手段とは別の機械的手段により直結状態
    にするとともに、前記電磁的手段に対する通電量をその
    まま保持し、または低減させることを特徴とする駆動力
    伝達装置。
  3. 【請求項3】互いに同軸的かつ相対回転可能に位置する
    内側回転部材および外側回転部材間に配設されたメイン
    クラッチ機構、電磁式パイロットクラッチ機構、および
    同パイロットクラッチ機構の摩擦係合力を前記メインク
    ラッチ機構に対する摩擦係合力に変換するカム機構を備
    え、前記パイロットクラッチ機構の作動により前記メイ
    ンクラッチ機構を摩擦係合させて前記両回転部材間のト
    ルク伝達を行う駆動力伝達装置において、前記メインク
    ラッチ機構を、前記外側回転部材の内側に回転可能かつ
    軸方向へ移動可能に嵌合した筒状のリテーナと、同リテ
    ーナと前記内側回転部材間にて交互に配置した複数のク
    ラッチ板とにより構成するとともに、前記外側回転部材
    と前記リテーナ間にはこれら両者の相対回転により作動
    して同リテーナを前記クラッチ板側へ押圧して同クラッ
    チ板に摩擦係合力を付与する第2のカム機構を配設し
    て、前記リテーナをバネ部材により前記外側回転部材側
    へ付勢したことを特徴とする駆動力伝達装置。
  4. 【請求項4】請求項3に記載の駆動力伝達装置におい
    て、前記第2のカム機構は、前記外側回転部材の内向フ
    ランジ部の内側面に設けた第1のカム溝と、前記リテー
    ナの内向フランジ部の外側面に設けられて前記第1のカ
    ム溝に対向する第2のカム溝と、これら両カム溝に嵌合
    するボール状のカムフォロアーとにより構成されている
    ことを特徴とする駆動力伝達装置。
  5. 【請求項5】請求項4に記載の駆動力伝達装置におい
    て、前記外側回転部材の内向フランジ部と前記リテーナ
    の内向フランジ部間に前記バネ部材が介装されて、同バ
    ネ部材が前記リテーナを前記外側回転部材側へ付勢して
    いることを特徴とする駆動力伝達装置。
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