JP4078004B2 - 電磁クラッチおよびこれを用いた駆動力伝達装置 - Google Patents

電磁クラッチおよびこれを用いた駆動力伝達装置 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電磁クラッチ、およびこれを用いた駆動力伝達装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電磁クラッチの一形式として、実開平6−16731号公報に示されているように、磁路形成部材と、磁路形成部材の一側に位置するクラッチと、クラッチの一側に位置するアーマチャと、磁路形成部材の他側に位置する電磁石を備え、電磁石への通電により生じる磁力(吸引力)にてアーマチャを電磁石側へ吸引してクラッチを係合させる形式の電磁クラッチがある。
【0003】
当該形式の電磁クラッチにおいては、電磁石の電磁コイルへの通電により上記した磁路を通る磁束により、電磁石にアーマチャを吸引作用する磁力が発生し、アーマチャは摩擦クラッチ側へ吸引されてクラッチを磁力に応じて押圧して係合させ、電磁クラッチはこれにより作動する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、当該形式の電磁クラッチにおいては、電磁石の電磁コイルへ通電する電流はデューティ制御により所定の電流値に制御されている。デューティ制御は、電磁石の電磁コイルへ所定電圧を断続的に印加するもので、印加電圧のON−OFFサイクル(デューティ比)を変化させることにより、通電電流値を制御している。このため、電磁コイルへ通電される電流値は印加電圧の各ON−OFF間で繰り返し変動し、この電流変動が磁力の繰り返しの変動をもたらす。この結果、電磁コイルへの通電により発生する磁力が変動して、クラッチの係合力を繰り返し変動させることになり、クラッチにおいては係合力の繰り返しの変動により異音が発生するおそれがある。
【0005】
また、当該電磁クラッチにおいては、クラッチ特性が繰り返し変動することになり、当該電磁クラッチをアクチュエータとする機器類の作動に影響を及ぼすことになる。例えば、当該電磁クラッチをパイロットクラッチ機構とする駆動力伝達装置にあっては、電磁クラッチのクラッチ特性の繰り返しの変動に起因して、カム機構を介してメインクラッチの伝達トルクが繰り返し変動するとともに、この伝達トルクの繰り返しの変動に起因してメインクラッチでは異音が発生するおそれがある。
【0006】
従って、本発明の目的は、この種形式の電磁クラッチにおいて、電磁コイルへ通電する電流のデューティ制御に起因する磁力の繰り返しの変動を可及的に抑制して、クラッチ特性の繰り返しの変動を抑制することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は電磁クラッチに関する。本発明に係る電磁クラッチは、磁路形成部材と、同磁路形成部材の一側に位置する湿式多板式のクラッチと、同クラッチの一側に位置するアーマチャと、前記磁路形成部材の他側に位置する電磁石を備え、同電磁石への通電により生じる磁力にて前記アーマチャを前記電磁石側へ吸引して前記クラッチを係合させる電磁クラッチであって、車両の駆動力を伝達する使用形態を採る電磁クラッチである。
【0008】
しかして、本発明に係る電磁クラッチにおいては、前記磁路形成部材は磁性材料の中間部に埋設されて当該中間部を環状の非磁性部位とする非磁性材料からなる筒体を備えるとともに、前記中間部における他側に位置する環状凹所を備え、同環状凹所内には環状を呈する前記電磁石が嵌合されていて、前記環状凹所内の前記電磁石の一側には、非磁性かつ高導電性の部材である銅リングが介在していることを特徴とするものである。
【0009】
【0010】
また、本発明は当該電磁クラッチを採用した駆動力伝達装置であり、当該駆動力伝達装置は、互いに同軸的かつ相対回転可能に位置する外側回転部材と内側回転部材間に配設されたメインクラッチおよびパイロット機構と、これらメインクラッチおよびパイロット機構間に配設されて前記パイロット機構にて発生する作用力を前記メインクラッチに伝達して同メインクラッチを作動させるカム機構を備え、前記パイロット機構として前記電磁クラッチを採用したことを特徴とするものである。
【0011】
【発明の作用・効果】
本発明に係る電磁クラッチにおいては、電磁石の電磁コイルに通電することにより、電磁石を基点として磁路形成部材、クラッチ、アーマチャを循環するループ状の磁路が形成されて所定の大きさの磁束が発生する。これにより、通電電流値に応じた磁力が発生してアーマチャを電磁石側に吸引して、クラッチを通電電流値に応じて係合させる。
【0012】
しかして、当該電磁クラッチにおいては、通電電流はデューティ制御により所定の電流値に制御されていて、電磁コイルへの通電電流値は印加電圧の各ON−OFF間で繰り返し変動して磁束数を変動させ、この磁束数の変動が磁力の繰り返しの変動をもたらす。このため、この状態をそのまま放置すれば、電磁コイルへの通電により発生する磁力の変動により、クラッチの係合力を繰り返し変動させることになる。
【0013】
しかしながら、当該電磁クラッチにおいては、循環磁路の近傍に配設した非磁性かつ高導電性部材に、磁束数の変動に起因する逆起電圧が発生して、電磁コイルの電流変動とは逆向きの逆向電流が発生する。この逆向電流は、通電電流の変動を相殺すべく作用して、通電電流の繰り返しの変動の変動幅を低減させる。これにより、クラッチの係合力は変動が少ない安定した状態に維持されるとともに、係合力の繰り返しの変動に起因する異音の発生が低減される。
【0014】
また、本発明に係る駆動力伝達装置においては、当該電磁クラッチをパイロット機構として採用していることから、パイロット機構にて発生する作用力は変動の少ない安定したものとなり、メインクラッチの伝達トルクの変動が低減されるとともに、メインクラッチでの異音の発生が低減される。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に基づいて説明すると、図1には本発明に係る電磁クラッチをパイロットクラッチ機構として採用した駆動力伝達装置10が示されている。駆動力伝達装置10は、図2に示すように、四輪駆動車における後輪側への駆動力伝達経路に搭載される。なお、駆動力伝達装置10の主要部は、軸線に対して略対称の構成であるため、図1には、駆動力伝達装置10の略半分の部位を示し、他の略半分の部位を省略している。
【0016】
当該四輪駆動車において、トアランスアクスル21はトランスミッション、トランスファおよびフロントディファレンシャルを一体に備えるもので、エンジン22の駆動力をトランスアクスル21のフロントディファレンシャル23を介して、両アクスルシャフト24a,24aに出力して左右の前輪24b,24bを駆動させるとともに、第1プロペラシャフト25側に出力させる。第1プロペラシャフト25は、駆動力伝達装置10を介して第2プロペラシャフト26に連結されており、第1プロペラシャフト25と第2プロペラシャフト26がトルク伝達可能に連結された場合には、駆動力はリヤディファレンシャル27に伝達され、リヤディファレンシャル27から両アクスルシャフト28a,28aへ出力されて左右の後輪28b,28bを駆動させる。
【0017】
駆動力伝達装置10は、第1プロペラシャフト25と第2プロペラシャフト26間に配設されているもので、図1に示すように、アウタケース10a、インナシャフト10b、メインクラッチ10c、パイロットクラッチ機構10d、およびカム機構10eを備えている。本発明の一例に係る電磁クラッチは、パイロットクラッチ機構10dとして採用されている。
【0018】
駆動力伝達装置10を構成するアウタケース10aは、有底筒状のハウジング11aと、ハウジング11aの後端開口部に嵌合螺着されて同開口部を覆蓋するリヤカバー11bとにより形成されている。ハウジング11aは非磁性材料であるアルミ合金にて、かつ、リヤカバー11bは磁性材料である鉄にてそれぞれ形成されている。リヤカバー11bは本発明の磁路形成部材に該当する。なお、リヤカバー11bにはその中間部に、非磁性材料であるステンレス製の筒体11cが埋設されており、筒体11cは環状の非磁性部位を形成している。
【0019】
インナシャフト10bは、リヤカバー11bの中央部を液密的に貫通してアウタケース10a内に同軸的に挿入されていて、軸方向を規制された状態で、ハウジング11aとリヤカバー11bに回転可能に支持されている。インナシャフト10bには、第2プロペラシャフト26の先端部が挿入されて、トルク伝達可能に連結される。なお、アウタケース10aを構成するハウジング11aの前端部には、第1プロペラシャフト25がトルク伝達可能に連結されている。
【0020】
メインクラッチ10cは湿式多板式の摩擦クラッチであり、多数のクラッチプレート(インナクラッチプレート12a、アウタクラッチプレート12b)を備え、ハウジング11a内に配設されている。メインクラッチ10cを構成する各インナクラッチプレート12aは、インナシャフト10bの外周にスプライン嵌合して軸方向へ移動可能に組付けられ、かつ、各アウタクラッチプレート12bはハウジング11aの内周にスプライン嵌合して軸方向へ移動可能に組付けられている。各インナクラッチプレート12aと各アウタクラッチプレート12bは交互に位置していて、互いに当接して摩擦係合するとともに互いに離間して自由状態となる。
【0021】
パイロットクラッチ機構10dは、本発明の一例に係る電磁クラッチであり、電磁石13、摩擦クラッチ14、アーマチャ15、およびヨーク16にて構成されている。電磁石13は環状を呈し、ヨーク16に嵌着された状態でリヤカバー11bの環状凹所11dに嵌合されている。ヨーク16は、リヤカバー11bの後端部の外周に回転可能に支持された状態で車体側に固定されている。
【0022】
摩擦クラッチ14は、複数のアウタクラッチプレート14aとインナクラッチプレート14bとからなる湿式多板式の摩擦クラッチであり、各アウタクラッチプレート14aはハウジング11aの内周にスプライン嵌合して軸方向へ移動可能に組付けられ、かつ、各インナクラッチプレート14bは後述するカム機構10eを構成する第1カム部材17aの外周に、スプライン嵌合して軸方向へ移動可能に組付けられている。
【0023】
アーマチャ15は環状を呈するものであって、ハウジング11aの内周にスプライン嵌合して軸方向へ移動可能に組付けられていて、摩擦クラッチ14の前側に位置して対向している。
【0024】
以上の構成のパイロットクラッチ機構10dにおいては、電磁石13の電磁コイルへの通電により、電磁石13を基点としてヨーク16、リヤカバー11b、摩擦クラッチ14およびアーマチャ15を循環する磁束が通るループ状の循環磁路Xが形成される。電磁石13の通電電流は、デューティ制御により設定された所定の電流値に制御される。
【0025】
電磁石13の電磁コイルへの通電の断続は、スイッチの切替え操作によりなされ、後述する3つの駆動モードを選択できるようになっている。当該スイッチは、車室内の運転席の近傍に配設されて、運転者が容易に操作し得るようになっている。なお、駆動力伝達装置10を後述する第2の駆動モードのみの構成とすれば、当該スイッチを省略できる。
【0026】
カム機構10eは、第1カム部材17a、第2カム部材17b、およびカムフォロアー17cにて構成されている。第1カム部材17aは、インナシャフト10bの外周に回転可能に嵌合されていて、リヤカバー11bに回転可能に支承されており、その外周に摩擦クラッチ14のインナクラッチプレート14bがスプライン嵌合している。第2カム部材17bは、インナシャフト10bの外周にスプライン嵌合されて一体回転可能に組付けられていて、メインクラッチ機構10cのインナクラッチプレート12aの後側に対向して位置している。第1カム部材17aと第2カム部材17bの互いに対向するカム溝には、ボール状のカムフォロアー17cが介在している。
【0027】
かかる構成の駆動力伝達装置10においては、パイロットクラッチ機構10dを構成する電磁石13の電磁コイルが非通電状態にある場合には磁路は形成されず、摩擦クラッチ14は非係合状態にある。このため、パイロットクラッチ機構10dは非作動の状態にあって、カム機構10eを構成する第1カム部材17aはカムフォロアー17cを介して第2カム部材17bと一体回転可能であり、メインクラッチ10cは非作動の状態にある。このため、車両は二輪駆動である第1の駆動モードを構成する。
【0028】
一方、電磁石13の電磁コイルへの通電がなされると、パイロットクラッチ機構10dには電磁石13を基点とするループ状の循環磁路Xが形成されて磁力が発生して、電磁石13はアーマチャ15を吸引する。このため、アーマチャ15は摩擦クラッチ14を押圧して摩擦係合させ、カム機構10eの第1カム部材17aをアウタケース10a側へ連結させて、第2カム部材17bとの間に相対回転を生じさせる。この結果、カム機構10eでは、カムフォロアー17cが両カム部材17a,17bを互いに離間する方向へ押圧する。
【0029】
このため、第2カム部材17bはメインクラッチ10c側へ押動されて、メインクラッチ10cをハウジング11aの奥壁部とにより押圧して、摩擦クラッチ14の摩擦係合力に応じて摩擦係合させる。これにより、アウタケース10aとインナシャフト10b間でのトルク伝達が生じ、車両は第1プロペラシャフト25と第2プロペラシャフト26が非直結状態と直結状態間での四輪駆動である第2の駆動モードを構成する。この駆動モードでは、車両の走行状態に応じて、前後輪間の駆動力分配比を100:0(二輪駆動状態)〜直結状態の範囲で制御することができる。
【0030】
この第2の駆動モードでは、車輪速センサ、スロットル開度センサ、舵角センサ等各種のセンサからの信号に基づいて、車両の走行状態や路面状態に応じて電磁コイルへの通電電流をデューティ制御することにより、摩擦クラッチ14の摩擦係合力、すなわち、後輪側への伝達トルクを制御される。
【0031】
また、電磁石13の電磁コイルへの通電電流を所定の値に高めると電磁石13のアーマチャ15に対する吸引力が増大し、アーマチャ15は強く吸引されて摩擦クラッチ14の摩擦係合力を増大させ、両カム部材17a,17b間の相対回転を増大させる。この結果、カムフォロアー17cは第2カム部材17bに対する押圧力を高めて、メインクラッチ機構10cを結合状態とする。このため、車両は第1プロペラシャフト25と第2プロペラシャフト26が直結状態の四輪駆動である第3の駆動モードを構成する。
【0032】
しかして、当該駆動力伝達装置10においては、リヤーカバー11bの凹所11dに銅リング18が嵌着されていて、電磁石13の前側にてループ状の磁路Xの内側に位置している。銅リング18は、本発明における非磁性かつ高導電性部材に該当するもので、電磁石13の電磁コイルへの通電電流がデューティ制御により所定の電流値に制御される場合、銅リング18では磁路Xにおける磁束φの数の変動に起因して逆起電圧が発生して、電磁コイルの電流変動とは逆向きの電流(逆向電流)が発生する。この逆向電流は、通電電流の変動を相殺すべく作用して、通電電流の繰り返しの変動の変動幅を低減させる。
【0033】
図3のグラフは、デューティ制御における電圧Vと電流Aの経時的変化を示すもので、電磁石13の電磁コイルへの通電電流は所定の印加電圧をON−OFFサイクル(デューティ比)を変化させることにより、所定の電流値に制御される。グラフにおいて、実線で示す広幅の柱Y、1点鎖線で示す狭幅の柱Zは電圧を示し、各柱Y,Zの横幅はONしている時間(t1Y,t1Z)、間隔幅はOFFしている時間(t2Y,t2Z)を示している。当該デューティ制御でのデューティ比は、t1Y/(t1Y+t2Y),t1Z/(t1Z+t2Z)である。
【0034】
当該デューティ制御においては、印加電圧を柱YのごとくON−OFF制御することにより、例えば通電電流の電流値を曲線Y1(実線)のごとく5Aに制御し、印加電圧を柱ZのごとくON−OFF制御することにより、例えば通電電流の電流値を曲線Z1(1点鎖線)のごとく2Aに制御することができる。
【0035】
図4のグラフは、デューティ制御における起磁力NIの経時的変化を示すもので、印加電圧を柱YのごとくON−OFF制御することにより、磁路Xでは曲線Y2(実線)のごとき起磁力NIが発生する。この起磁力NIは、印加電圧をON−OFF制御している間繰り返し変動して磁束φの数を変動させ、この磁束φの数の変動が磁力の繰り返しの変動をもたらす。このため、この状態をそのまま放置すれば、電磁コイルへの通電により発生する磁力の変動により、クラッチの係合力を繰り返し変動させることになる。
【0036】
しかしながら、当該駆動力伝達装置10においては、リヤカバー11bに配設されている非磁性かつ高導電性である銅リング18に、磁束φの数の変動に起因して曲線Y3(1点鎖線)のごとき逆向きの起磁力NIが発生する。銅リング18には、この逆向きの起磁力NIにより逆起電圧が発生して、電磁コイルの電流変動とは逆向きの逆向電流が発生する。この逆向電流は、図3のグラフ中の曲線Y4(実線)で示すもので、曲線Y1で示す通電電流の変動を相殺すべく作用する。つまり、通電電流の繰り返しの変動の変動幅が低減されるので、磁束φの数の変動が低減される。
【0037】
これにより、パイロットクラッチ機構10dの摩擦係合力は変動幅の少ない安定した状態に維持されるとともに、摩擦係合力の繰り返しの変動に起因する摩擦クラッチからの異音の発生が低減される。これにともない、当該駆動力伝達装置10においては、カム機構10eを介してメインクラッチ10cに伝達される作用力は変動の少ない安定したものとなり、メインクラッチ10cでの伝達トルクの変動が低減されるとともに、メインクラッチ10cでの異音の発生が低減される。
【0038】
また、印加電圧を図5の柱ZのごとくON−OFF制御する場合も、柱YのごとくON−OFF制御する場合と同様であり、この場合に発生する逆向電流は、図3のグラフ中の曲線Z4(1点鎖線)であって、この逆向電流が曲線Z1で示す通電電流の変動を相殺すべく作用して同様の作用効果をもたらす。
なお、図1に示す駆動力伝達装置10においては、リヤカバー11bの凹所11dに銅リング18を嵌着しているが、銅リング18に換えてカーボン等の非磁性かつ高導電性部材からなるリングを採用することができる。
【0039】
【0040】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例に係る電磁クラッチをパイロットクラッチ機構として採用した駆動力伝達装置の部分断面図である。
【図2】同駆動力伝達装置を搭載した四輪駆動車の概略構成図である。
【図3】デューティ制御における電圧Vと電流Aの経時的変化を示すグラフである。
【図4】デューティ制御における起磁力NIの経時的変化を示すグラフである。
【符号の説明】
10…駆動力伝達装置、10a…アウタケース、10b…インナシャフト、10c…メインクラッチ、10d…パイロットクラッチ機構、10e…カム機構、11a…ハウジング、11b…リヤカバー、11c…筒体、11d…凹所、12a…インナクラッチプレート、12b…アウタクラッチプレート、13…電磁石、14…摩擦クラッチ、14a…アウタクラッチプレート、14b…インナクラッチプレート、15…アーマチャ、16…ヨーク、17a…第1カム部材、17b…第2カム部材、17c…カムフォロアー、18…銅リング、21…トランスアクスル、22…エンジン、23…フロントディファレンシャル、24a…アクスルシャフト、24b…前輪、25,26…プロペラシャフト、27…リヤディファレンシャル、28a…アクスルシャフト、28b…後輪。

Claims (2)

  1. 磁路形成部材と、同磁路形成部材の一側に位置する湿式多板式のクラッチと、同クラッチの一側に位置するアーマチャと、前記磁路形成部材の他側に位置する電磁石を備え、同電磁石への通電により生じる磁力にて前記アーマチャを前記電磁石側へ吸引して前記クラッチを係合させる電磁クラッチであって、車両の駆動力を伝達する使用形態を採る電磁クラッチであり、前記磁路形成部材は磁性材料の中間部に埋設されて当該中間部を環状の非磁性部位とする非磁性材料からなる筒体を備えるとともに、前記非磁性部位の他側に位置する環状凹所を備え、同環状凹所内には環状を呈する前記電磁石が嵌合されていて、前記環状凹所内の前記電磁石の一側には、非磁性かつ高導電性部材である銅リングが介在していることを特徴とする電磁クラッチ。
  2. 請求項1に記載の電磁クラッチを用いた駆動力伝達装置であり、互いに同軸的かつ相対回転可能に位置する外側回転部材と内側回転部材間に配設されたメインクラッチおよびパイロット機構と、これらメインクラッチおよびパイロット機構間に配設されて前記パイロット機構にて発生する作用力を前記メインクラッチに伝達して同メインクラッチを作動させるカム機構を備え、前記パイロット機構として前記電磁クラッチが採用されていることを特徴とする駆動力伝達装置。
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