JP4048701B2 - 駆動力伝達装置 - Google Patents

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    • F16D27/004Magnetically- or electrically- actuated clutches; Control or electric circuits therefor with permanent magnets combined with electromagnets

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、同軸的に配置された2軸間に介在して、これら両軸のトルク伝達可能な連結を断続するための駆動力伝達装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
駆動力伝達装置の一形式として、アウタケースと同アウタケース内にて回転可能に支持されて同心的に位置するインナシャフトとの間に、メインクラッチ機構、電磁式のパイロットクラッチ機構およびカム機構を配設してなり、前記パイロットクラッチ機構から出力する作用力を前記カム機構により増幅して前記メインクラッチ機構に伝達し、同メインクラッチ機構を作動して前記アウタケースと前記インナシャフトをトルク伝達可能に連結させる駆動力伝達装置がある。
【0003】
当該形式の駆動力伝達装置において、パイロットクラッチ機構は、電磁石、摩擦クラッチ、およびアーマチャを備えていて、電磁石の電磁コイルへの通電により電磁石を基点として、摩擦クラッチおよびアーマチャを通って循環する磁束(循環磁路)が形成されて、これにより生じる吸引作用によりアーマチャを吸引して摩擦クラッチを摩擦係合させ、摩擦クラッチに生じる摩擦係合力を作用力としてカム機構へ出力するものである。
【0004】
この摩擦係合力は、電磁石の電磁コイルへの通電量により制御されるが、摩擦係合力を的確に制御するには、当該循環磁路からの磁束の漏洩を極力防止して、当該循環磁路を的確に確保する必要がある。当該形式の駆動力伝達装置のアウタケースがアルミニウム合金等の非磁性体である場合には、アウタケースを通して漏洩する磁束が皆無に近いことから、当該循環磁路を的確に確保することができるが、アウタケースが鉄製である場合には、アウタケースを通して漏洩する磁束が大きいことから、当該循環磁路を的確に確保することが難しい。このため、従来の駆動力伝達装置では、アウタケースをアルミニウム合金等の非磁性体で形成しているのが一般である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、当該形式の駆動力伝達装置においては、その配設される場所によっては、連結させる一方の軸をアウタケースに結合するための軸スプラインを必要とする場合があるが、場所的な制約から、アウタケースに軸スプライン付きのフランジを取付けるスペースがない場合には、アウタケースを例えばS15C等の鉄製にしてアウタケースと一体に軸スプラインを形成する手段が採られる。
【0006】
このように、当該駆動力伝達装置に鉄製のアウタケースを採用した場合、当該循環磁路からの磁束の漏洩を防止するためには、鉄製のアウタケースの中間部をステンレススチール等の非磁性部材で形成して、非磁性部材によりアウタケースからの磁束の漏洩を遮断して、当該循環磁路からの磁束の漏洩を防止するという特殊な手段を採らざるを得ない。しかしながら、鉄製のアウタケースの中間部をステンレススチール等の非磁性部材で形成するのは形成作業が煩雑かつ面倒で、また、アウタケースが高価になるという問題がある。
【0007】
本発明者等は、鉄製のアウタケースを採用した当該形式の駆動力伝達装置おいて、パイロットクラッチ機構のアーマチャに対する吸引力について種々検討した結果、アーマチャに対する吸引力は、アーマチャおよびカム部材間の隙間とアーマチャおよび摩擦クラッチ間の隙間とが微妙に関係していること、かかる関係を維持すれば、アウタケースが鉄製である場合でも、当該循環磁路からの磁束の漏洩が抑制されて、パイロットクラッチ機構が良好に作動することを知得した。
【0008】
従って、本発明の目的は、鉄製のアウタケースを採用した当該形式の駆動力伝達装置おいて、アーマチャおよびカム部材間の隙間とアーマチャおよび摩擦クラッチ間の隙間との微妙な関係を維持し得るように構成して、当該循環磁路からの磁束の漏洩を極力無くして、パイロットクラッチ機構を良好に作動し得るようにすることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は駆動力伝達装置に関するもので、アウタケースと同アウタケース内にて回転可能に支持されて同心的に位置するインナシャフトとの間に、メインクラッチ機構、アーマチャと摩擦クラッチを有する電磁式のパイロットクラッチ機構、および、第1カム部材と第2カム部材を有するカム機構を配設してなり、前記パイロットクラッチ機構から出力する作用力により前記カム機構の前記第1カム部材と前記第2カム部材とを相対回転させ、前記第2カム部材に発生する押圧力を前記メインクラッチ機構に伝達し、同メインクラッチ機構を作動して前記アウタケースと前記インナシャフトをトルク伝達可能に連結させる駆動力伝達装置であって、前記アウタケースとして鉄製のアウタケースが採用されている駆動力伝達装置を適用対象とするものである。
【0010】
しかして、本発明に係る駆動力伝達装置は、前記パイロットクラッチ機構と前記カム機構との間に、同カム機構を構成する前記第2カム部材と同第2カム部材と対向配置され前記パイロットクラッチ機構を構成する前記アーマチャとの隙間を規制する非磁性体からなる第1の隙間規制部材を備え、同第1の隙間規制部材は非磁性体からなる複数のボールであって、これらのボールは前記第2カム部材の前記アーマチャに対向する面にて同一円周上に複数設けた嵌合孔のそれぞれに嵌合されて、前記アーマチャ側に臨んでいることを特徴とするものである。
【0011】
本発明に係る駆動力伝達装置においては、前記パイロットクラッチ機構と前記カム機構との間に、前記第1の間隙規制部材に加えて、前記パイロットクラッチ機構を構成する前記摩擦クラッチに微小荷重を付与して同摩擦クラッチを構成する各クラッチプレート間の隙間を規制する非磁性体からなる第2の隙間規制部材を配設するように構成することができる。
【0012】
本発明に係る駆動力伝達装置においては、前記第2の隙間規制部材としては、前記第2カム部材と前記摩擦クラッチとの間に介在するバネ部材を採用することができる。
【0013】
【発明の作用・効果】
本発明に係る駆動力伝達装置においては、第1の隙間規制部材である非磁性体からなる複数のボールによってアーマチャの軸方向の移動を規制して、アーマチャの吸引不良を防止している。換言すれば、パイロットクラッチ機構を構成する第2カム部材とアーマチャとの隙間を一定以上に維持することによって、アーマチャの背面から第2カム部材側への磁束の漏洩を抑制して、循環磁路からの磁束の漏洩に起因するアーマチャの吸引不良を防止することができ、これにより、パイロットクラッチ機構の作動を良好に維持することができる。この場合、第1の隙間規制部材として非磁性体からなる複数のボールを採用して、これらのボールを第2カム部材のアーマチャに対向する面にて同一円周上に複数設けた嵌合孔のそれぞれに嵌合して、アーマチャ側に臨ませる構成を採っている。このため、汎用の非磁性体からなるボールを用いた簡素な構成によって、アーマチャの軸方向の移動を規制して、アーマチャの吸引不良を防止することができる。
【0014】
本発明に係る駆動力伝達装置において、第1の隙間規制部材に加えて、第2の隙間規制部材を採用する場合には、第1の隙間規制部材の作用効果に加えて、第2の隙間規制部材により、摩擦クラッチに微小荷重を付与して摩擦クラッチの各クラッチプレートを互いに押付けて、各クラッチプレートの公差による隙間のバラツキを是正することができる。これにより、電磁石の電磁コイルへの印加電流が低電流である場合の、隙間のバラツキに起因するアーマチャに対する吸引不良を防止することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に基づいて説明するに、図1には本発明の一実施形態に係る駆動力伝達装置が示されている。当該駆動力伝達装置Aは、図2に示すように、前輪駆動をベースとする四輪駆動車における後輪側への駆動力伝達経路に配設されて、後輪側への駆動力の伝達を制御する。
【0016】
当該四輪駆動車において、トアランスアクスル11はトランスミッション、トランスファおよびフロントディファレンシャルを一体に備えるもので、エンジン12の駆動力をトランスアクスル11のフロントディファレンシャルを介して、両アクスルシャフト13a,13aに出力して左右の前輪13b,13bを駆動させるとともに、プロペラシャフト14側に出力させる。プロペラシャフト14は、駆動力伝達装置Aを介してドライブピニオンシャフト15に連結されており、プロペラシャフト14とドライブピニオンシャフト15がトルク伝達可能に連結された場合には、駆動力はリヤディファレンシャル16に伝達され、リヤディファレンシャル16から両アクスルシャフト17a,17aへ出力されて左右の後輪17b,17bを駆動させる。
【0017】
駆動力伝達装置Aは、プロペラシャフト14とドライブピニオンシャフト15間に配設されているもので、図1に示すように、アウタケース20a、インナシャフト20b、およびメインクラッチ機構20cと、パイロットクラッチ機構30aおよびカム機構30bとを備えている。
【0018】
駆動力伝達装置Aを構成するアウタケース20aは、有底筒状のハウジング21aと、ハウジング21aの後端開口部に螺着されて同開口部を覆蓋するリヤカバー21bとにより構成されている。ハウジング21aは磁性材料である鉄製(例えばS15C)のもので、ハウジング本体21a1の前面であるフロントカバー部21a2の前面に連結軸部21a3が一体に形成されていて、同連結部21a3にプロペラシャフト14が動力伝達可能に連結される。また、リヤカバー21bは磁性材料である鉄製の内外両筒部21b1,21b2と、両筒部21b1,21b2間に位置して溶接等により固着された非磁性材料であるステンレス製の中間筒部21b3にて形成されている。
【0019】
インナシャフト20bは、リヤカバー21bの中央部を液密的に貫通してアウタケース20aのハウジング21a内に同軸的に挿入されていて、軸方向を規制された状態で、ハウジング21aとリヤカバー21bに回転可能に支持されている。インナシャフト20bは、メインクラッチ機構20cを構成する各インナクラッチプレート22aが組付けられるとともに、ドライブピニオンシャフト15の先端部が挿入されてトルク伝達可能に連結される。
【0020】
インナシャフト20bは、中空シャフト23の貫通孔内の中間部にキャップ24を嵌着してなるもので、貫通孔内が一端側と他端側とに2分割されて遮断されている。中空シャフト23の一端側の内孔の内周面には、ドライブピニオンシャフト15がスプライン嵌合する内スプライン23aが形成され、かつ、他端側の外周面には各インナクラッチプレート22aがスプライン嵌合する外スプライン23bが形成されている。なお、キャップ24は、椀形状の金属製のキャップ部24aの外周にゴム製のカバー体24bを貼着して形成されているもので、中空シャフト23の貫通孔の中間部に嵌着されて貫通孔内を液密的に2分割している。
【0021】
メインクラッチ機構20cは湿式多板式の摩擦クラッチであり、多数のクラッチプレート(インナクラッチプレート22aおよびアウタクラッチプレート22b)を備え、ハウジング21a内の奥壁側に配設されている。摩擦クラッチを構成する各インナクラッチプレート22aは、インナシャフト20bの外周の外スプライン23bにスプライン嵌合して軸方向へ移動可能に組付けられ、かつ、各アウタクラッチプレート22bはハウジング21aの内周にスプライン嵌合して軸方向へ移動可能に組付けられている。各インナクラッチプレート22aと各アウタクラッチプレート22bは交互に位置していて、互いに当接して摩擦係合するとともに互いに離間して自由状態となる。
【0022】
パイロットクラッチ機構30aは電磁式クラッチであり、電磁石31、摩擦クラッチ32、アーマチャ33、およびヨーク34にて構成されている。電磁石31は環状を呈し、ヨーク34に嵌着された状態でリヤカバー21bの環状凹所21cに嵌合されている。ヨーク34は、リヤカバー21bとはわずかな隙間を保持した状態で回転可能に組付けられている。
【0023】
摩擦クラッチ32は、複数のアウタクラッチプレート32aとインナクラッチプレート32bとからなる湿式多板式の摩擦クラッチであり、各アウタクラッチプレート32aはハウジング21aの内周にスプライン嵌合して軸方向へ移動可能に組付けられ、かつ、各インナクラッチプレート32bは後述するカム機構30bを構成する第1カム部材35の外周にスプライン嵌合して軸方向へ移動可能に組付けられている。アーマチャ33は環状を呈するもので、ハウジング21aの内周にスプライン嵌合して軸方向へ移動可能に組付けられていて、摩擦クラッチ32の前側に位置して対向している。
【0024】
カム機構30bは、メインクラッチ機構20cとパイロットクラッチ機構30a間に配設されているもので、第1カム部材35、第2カム部材36、および、複数のカムフォロア37にて構成されている。第1カム部材35は、インナシャフト20bの外周に回転可能に嵌合された状態で摩擦クラッチ32の内周側に位置し、その外周に摩擦クラッチ32のインナクラッチプレート32bがスプライン嵌合している。第2カム部材36は、インナシャフト20bの外周にスプライン嵌合した状態で、第1カム部材35およびアーマチャ33とメインクラッチ機構20cとの間に位置している。各カムフォロア37はボール状を呈するもので、両カム部材35,36の互いに対向する対向面に形成した各ボール溝に嵌合している。
【0025】
かかる構成の駆動力伝達装置Aにおいては、パイロットクラッチ機構30aを構成する電磁石31の電磁コイルが非通電状態にある場合には磁路は形成されず、摩擦クラッチ32は非係合状態にある。このため、パイロットクラッチ機構30aは非作動の状態にあって、カム機構30bにおいては、第1カム部材35はカムフォロア37を介して第2カム部材36と一体に回転可能な状態にあって、メインクラッチ機構20cは非作動の状態にある。このため、車両は二輪駆動である第1の駆動モードを構成する。
【0026】
一方、電磁石31の電磁コイルへの通電がなされると、パイロットクラッチ機構30aには電磁石31を基点としてヨーク34、リヤカバー21b、摩擦クラッチ32およびアーマチャ33を循環する磁路が形成されて、電磁石31はアーマチャ33を吸引する。このため、アーマチャ33は摩擦クラッチ32を押圧して摩擦係合させる。この結果、パイロットクラッチ機構30aにパイロットトルクが発生し、カム機構30bにおいては、第1カム部材35と第2カム部材36間に相対回転が発生して、カムフォロア37とボール溝の作用により、第2カム部材36がメインクラッチ機構20cを押圧する。これにより、メインクラッチ機構20cは、摩擦クラッチ32の摩擦係合力に応じて摩擦係合して、アウタケース20aとインナシャフト20b間でトルク伝達が生じる。これにより、車両はプロペラシャフト14とドライブピニオンシャフト15が非直結状態と直結状態間での四輪駆動である第2の駆動モードを構成する。この駆動モードでは、車両の走行状態に応じて、前後輪間の駆動力分配比を100:0(二輪駆動状態)〜50:50(直結状態)の範囲で制御することができる。
【0027】
また、電磁石31の電磁コイルへの通電電流を所定の値に高めると電磁石31のアーマチャ33に対する吸引力が増大し、アーマチャ33は強く吸引されて摩擦クラッチ32の摩擦係合力を増大させ、第1カム部材35と第2カム部材36との相対移動を増大させる。この結果、第2カム部材36のメインクラッチ機構に対する押圧力が増大して、メインクラッチ機構20cを結合状態とする。このため、車両はプロペラシャフト14とドライブピニオンシャフト15が直結状態の四輪駆動である第3の駆動モードを構成する。
【0028】
しかして、当該駆動力伝達装置Aにおいては、パイロットクラッチ機構30aとカム機構30bの間に非磁性体であるステンレス製のボール38aと、非磁性体であるコイルバネ39が介在させている。ボール38aは、本発明における第1の隙間規制部材に該当し、かつ、コイルバネ39は本発明における第2の隙間規制部材に該当する。ボール38aは、第2カム部材36の外周側で同一円周上に複数設けた各嵌合孔36aに嵌合されているもので、アーマチャ33側に臨んで、アーマチャ33との間に微小な隙間を形成している。また、コイルバネ39は、第2カム部材36と摩擦クラッチ32の最左端側のインナクラッチプレート32b間に介装されているもので、摩擦クラッチ32に微小荷重を付与して各アウタクラッチプレート32a、各インナクラッチプレート32b間の隙間を是正してそのバラツキを解消している。
【0029】
図3は、パイロットクラッチ機構30aを構成する電磁石の電磁コイルへの通電時に、アーマチャ33が摩擦クラッチ32側へ吸引可能な場合の、アーマチャ32および第2カム部材36間の隙間と、アーマチャ32と摩擦クラッチ32間の隙間の関係を示すグラフである。パイロットクラッチ機構30aにおいては、アーマチャ33が摩擦クラッチ32側へ吸引良好な領域は当該グラフの右側領域であって、当該グラフの左側領域はアーマチャ33の吸引不良な領域である。当該パイロットクラッチ機構30aにおいては、第2カム部材36とアーマチャ33間にボール38aを介在させることにより、上記した両隙間の関係をアーマチャ33の吸引良好な領域に設定している。
【0030】
従って、当該駆動力伝達装置Aによれば、アウタケース20aのハウジング21aに鉄製のハウジングを採用しているにも拘わらず、第1の隙間規制部材であるボール38aの作用により、パイロットクラッチ機構30aを構成するアーマチャ33と第2カム部材36との隙間を一定間隔以上に維持することによって、アーマチャ33の背面側から第2カム部材36側への磁束の漏洩を阻止して、循環磁路からの磁束の漏洩に起因するアーマチャ33の吸引不良を防止することができ、これにより、パイロットクラッチ機構30aの作動を良好に維持することができる。この場合、第1の隙間規制部材として非磁性体からなる複数のボール38aを採用して、これらのボール38aを第2カム部材36のアーマチャ33に対向する面にて同一円周上に複数設けた嵌合孔36aのそれぞれに嵌合して、アーマチャ33側に臨ませる構成を採っているため、汎用の非磁性体からなるボールを用いた簡素な構成によって、アーマチャ33の軸方向の移動を規制して、アーマチャ33の吸引不良を防止することができる。
【0031】
また、当該駆動力伝達装置Aによれば、第2の隙間規制部材であるコイルバネ39により、摩擦クラッチ32に微小荷重を付与して摩擦クラッチ32の各アウタクラッチプレート32aおよび各インナクラッチプレート32bを互いに微小荷重で押付けて、各クラッチプレート32a、32bの公差による隙間のバラツキを是正している。これにより、電磁石31の電磁コイルへの印加電流が低電流である場合の、各アウタクラッチプレート32aおよび各インナクラッチプレート32b間での隙間のバラツキに起因するアーマチャ33に対する吸引不良を防止することができる。
【0032】
図4は、本発明の他の実施形態に係る駆動力伝達装置の一部を示すもので、当該駆動力伝達装置においては、第1の隙間規制部材のみを採用して、第2の隙間規制部材の使用を省略している例である。第1の隙間規制部材としては、複数のボール38aを採用して、これらのボール38aを第2カム部材36に設けた各嵌合孔36aのそれぞれに嵌合して、アーマチャ33側に臨む構成としている。
【0033】
【0034】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る駆動力伝達装置の一実施形態を示す断面図である。
【図2】同駆動力伝達装置を搭載した四輪駆動車の概略構成図である。
【図3】同駆動力伝達装置におけるアーマチャに対する吸引良好領域および吸引不良領域を示すグラフである。
【図4】本発明に係る駆動力伝達装置の他の実施形態の要部を示す部分断面図である。
【符号の説明】
A…駆動力伝達装置、11…トアランスアクスル、12…エンジン、13a…アクスルシャフト、13b…前輪、14…プロペラシャフト、15…ドライブピニオンシャフト、16…リヤディファレンシャル、17a…アクスルシャフト、17b…後輪、20a…アウタケース、20b…インナシャフト、20c…メインクラッチ機構、21a…ハウジング、21a1…ハウジング本体、21a2…フロントカバー部、21a3…連結軸、21b…リヤカバー、21b1,21b2…筒部、21b3…中間筒部、22a…インナクラッチプレート、22b…アウタクラッチプレート、23…中空シャフト、23a…内スプライン、23b…外スプライン、24…キャップ、24a…キャップ部、24b…カバー体、30a…パイロットクラッチ機構、30b…カム機構、31…電磁石、32…摩擦クラッチ、32a…アウタクラッチプレート、32b…インナクラッチプレート、33…アーマチャ、34…ヨーク、35…第1カム部材、36…第2カム部材、36a…嵌合孔、37…カムフォロア、38a…ボール、39…コイルバネ。

Claims (3)

  1. アウタケースと同アウタケース内にて回転可能に支持されて同心的に位置するインナシャフトとの間に、メインクラッチ機構、アーマチャと摩擦クラッチを有する電磁式のパイロットクラッチ機構、および、第1カム部材と第2カム部材を有するカム機構を配設してなり、前記パイロットクラッチ機構から出力する作用力により前記カム機構の前記第1カム部材と前記第2カム部材とを相対回転させ、前記第2カム部材に発生する押圧力を前記メインクラッチ機構に伝達し、同メインクラッチ機構を作動して前記アウタケースと前記インナシャフトをトルク伝達可能に連結させる駆動力伝達装置であって、前記アウタケースとして鉄製のアウタケースが採用されている駆動力伝達装置であり、当該駆動力伝達装置は、前記パイロットクラッチ機構と前記カム機構との間に、同カム機構を構成する前記第2カム部材と同第2カム部材と対向配置され前記パイロットクラッチ機構を構成する前記アーマチャとの隙間を規制する非磁性体からなる第1の隙間規制部材を備え、同第1の隙間規制部材非磁性体からなる複数のボールであって、これらのボールは前記第2カム部材の前記アーマチャに対向する面にて同一円周上に複数設けた嵌合孔のそれぞれに嵌合されて、前記アーマチャ側に臨んでいることを特徴とする駆動力伝達装置。
  2. 請求項1に記載の駆動力伝達装置において、前記パイロットクラッチ機構と前記カム機構との間に、前記第1の隙間規制部材に加えて、前記パイロットクラッチ機構を構成する前記摩擦クラッチに微小荷重を付与して同摩擦クラッチを構成する各クラッチプレート間の隙間を規制する非磁性体からなる第2の隙間規制部材を配設したことを特徴とする駆動力伝達装置。
  3. 請求項2に記載の駆動力伝達装置において、前記第2の隙間規制部材は、前記第2カム部材と前記摩擦クラッチとの間に介在するバネ部材であることを特徴とする駆動力伝達装置。
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