JP2002174268A - 駆動力配分装置における電磁クラッチ構造 - Google Patents

駆動力配分装置における電磁クラッチ構造

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JP2002174268A
JP2002174268A JP2000373262A JP2000373262A JP2002174268A JP 2002174268 A JP2002174268 A JP 2002174268A JP 2000373262 A JP2000373262 A JP 2000373262A JP 2000373262 A JP2000373262 A JP 2000373262A JP 2002174268 A JP2002174268 A JP 2002174268A
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electromagnetic clutch
armature
axial direction
coil
clutch
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Akihiro Iwasaki
明裕 岩崎
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Honda Motor Co Ltd
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Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 第1、第2電磁クラッチを選択的に作動させ
て一対の軸間でトルクを配分する駆動力配分装置におい
て、前記電磁クラッチの部品点数を削減する。 【解決手段】 コア21の軸方向両端に左右のコイル2
2L,22Rを収納し、コイル22L,22Rの軸方向
外側に配置した左右のアマチュア23L,23Rを共通
の伝達部材25で接続する。第1電磁クラッチCLのコ
イル22Lに吸引される第1アマチュア23Lに伝達部
材25を介して接続された第2アマチュア23Rで、該
第2アマチュア23Rの軸方向一側に配置された第1電
磁クラッチCLの摩擦係合部材27L,33Lを係合さ
せる。また第2電磁クラッチCRのコイル22Rに吸引
される第2アマチュア23Rに伝達部材25を介して接
続された第1アマチュア23Lで、該第1アマチュア2
3Rの軸方向他側に配置された第2電磁クラッチCRの
摩擦係合部材27R,33Rを係合させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一方の軸から他方
の軸にトルクを配分する第1電磁クラッチと、他方の軸
から一方の軸にトルクを配分する第2電磁クラッチとを
備え、第1、第2電磁クラッチを選択的に作動させて前
記両軸間でトルクを配分する駆動力配分装置に関し、特
にその電磁クラッチの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】2個のクラッチを備えた駆動力配分装置
を介してエンジンの駆動力を左右の駆動輪に配分可能に
し、旋回外輪に配分する駆動力を増加させて旋回内輪に
配分する駆動力を減少させることにより、旋回方向のヨ
ーモーメントを発生させて旋回性能を高める技術は公知
である。かかる駆動力配分装置において、前記2個のク
ラッチを電磁クラッチで構成したものが本出願人により
既に提案されている(特願平11−293467号参
照)。
【0003】上記特願平11−293467号において
第1実施例として提案されたものは左右の電磁クラッチ
が軸方向に並置されており、左右のコイルの軸方向外側
に左右のアマチュアを配置するとともに、その軸方向外
側に左右の摩擦係合部材を配置し、左右の摩擦係合部材
の軸方向外側に配置した左右のプレッシャプレートを左
右の伝達部材で左右のアマチュアに接続した構造を有し
ている。また第2実施例として提案されたものは、左右
のコイルの軸方向内側に左右のアマチュアを配置し、左
右のコイルの軸方向外側に配置した左右の摩擦係合部材
を、左右のアマチュアに接続された左右の伝達部材の軸
方向外端に設けた左右のプレッシャプレートでそれぞれ
係合させる構造を有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで上記従来のも
のは、左右のアマチュアに対応して左右の伝達部材を設
けているため、2個の伝達部材が必要になって部品点数
の削減が制限されるという問題があった。
【0005】本発明は前述の事情に鑑みてなされたもの
で、駆動力配分装置に使用される電磁クラッチの部品点
数を削減することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載された発明によれば、一方の軸から
他方の軸にトルクを配分する第1電磁クラッチと、他方
の軸から一方の軸にトルクを配分する第2電磁クラッチ
とを備え、第1、第2電磁クラッチを選択的に作動させ
て前記両軸間でトルクを配分する駆動力配分装置におい
て、第1電磁クラッチのコイルおよび第2電磁クラッチ
のコイルを軸方向に背中合わせに配置し、第1電磁クラ
ッチのコイルおよび第2電磁クラッチのコイルの軸方向
外側にそれぞれ隣接して配置した第1電磁クラッチの第
1アマチュアおよび第2電磁クラッチの第2アマチュア
を軸方向に延びる伝達部材で接続し、第1電磁クラッチ
のコイルを励磁して第1アマチュアを吸引することによ
り、第1アマチュアに伝達部材を介して接続された第2
アマチュアを軸方向一側に駆動して該第2アマチュアの
軸方向一側に配置された第1電磁クラッチの摩擦係合部
材を係合させるとともに、第2電磁クラッチのコイルを
励磁して第2アマチュアを吸引することにより、第2ア
マチュアに伝達部材を介して接続された第1アマチュア
を軸方向他側に駆動して該第1アマチュアの軸方向他側
に配置された第2電磁クラッチの摩擦係合部材を係合さ
せることを特徴とする駆動力配分装置における電磁クラ
ッチ構造が提案される。
【0007】上記構成によれば、第1電磁クラッチのコ
イルおよび第2電磁クラッチのコイルを軸方向に背中合
わせに配置し、第1電磁クラッチのコイルおよび第2電
磁クラッチのコイルの軸方向外側にそれぞれ隣接して配
置した第1電磁クラッチの第1アマチュアおよび第2電
磁クラッチの第2アマチュアを軸方向に延びる伝達部材
で接続したので、第1電磁クラッチのコイルを励磁して
第1アマチュアを吸引すると、第1アマチュアに伝達部
材を介して接続された第2アマチュアが軸方向一側に駆
動されるので、該第2アマチュアの軸方向一側に配置さ
れた第1電磁クラッチの摩擦係合部材を係合させること
ができ、また第2電磁クラッチのコイルを励磁して第2
アマチュアを吸引すると、第2アマチュアに伝達部材を
介して接続された第1アマチュアが軸方向他側に駆動さ
れるので、該第1アマチュアの軸方向他側に配置された
第2電磁クラッチの摩擦係合部材を係合させることがで
きる。第1電磁クラッチおよび第2電磁クラッチの一方
が締結すると他方が締結解除されるが、駆動力配分装置
では第1、第2電磁クラッチが同時に締結することがな
いために支障は生じない。
【0008】このように、第1、第2アマチュアを共通
の伝達部材で接続してコイルに吸引されない側のアマチ
ュアで摩擦係合部材を係合させるので、第1、第2アマ
チュアが各々の伝達部材を介して摩擦係合部材を係合さ
せるものに比べて部品点数を削減することができる。し
かもコイルの励磁により形成される磁路が摩擦係合部材
を通らないため、摩擦係合部材にフェーシングを設けて
金属どうしの接触を回避し、クラッチジャダーの発生お
よび焼き付きの発生を防止することができるだけでな
く、磁気回路の効率を高めて消費電力を削減することが
できる。
【0009】また請求項2に記載された発明によれば、
請求項1の構成に加えて、第1アマチュアは第2電磁ク
ラッチの摩擦係合部材を直接押圧し、第2アマチュアは
第1電磁クラッチの摩擦係合部材を直接押圧することを
特徴とする駆動力配分装置における電磁クラッチ構造が
提案される。
【0010】上記構成によれば、第1、第2アマチュア
はそれぞれ第2、第1電磁クラッチの摩擦係合部材を直
接押圧するので、アマチュアにプレッシャプレートの機
能を持たせて部品点数を更に削減することができる。
【0011】尚、実施例の左電磁クラッチCLおよび右
電磁クラッチCRはそれぞれ本発明の第1電磁クラッチ
および第2電磁クラッチに対応し、実施例の左出力軸9
Lおよび右出力軸9Rはそれぞれ本発明の一方の軸およ
び他方の軸に対応し、実施例のアマチュア23L,23
Rはそれぞれ本発明の第1アマチュアおよび第2アマチ
ュアに対応し、実施例のクラッチプレート27L,27
Rおよびクラッチディスク33L,33Rは本発明の摩
擦係合部材に対応する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添
付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0013】図1〜図6は本発明の一実施例を示すもの
で、図1は駆動力配分装置の構造を示す図、図2は中低
車速域での右旋回時における駆動力配分装置の作用を示
す図、図3は中低車速域での左旋回時における駆動力配
分装置の作用を示す図、図4は図1の要部拡大図、図5
は図4の5−5線断面図、図6は図4の6−6線断面図
である。
【0014】図1に示すように、フロントエンジン・フ
ロントドライブの車両の車体前部に横置きに搭載したエ
ンジンEの右端にトランスミッションMが接続されてお
り、これらエンジンEおよびトランスミッションMの後
部に駆動力配分装置Tが配置される。駆動力配分装置T
の左端および右端から左右に延びる左ドライブシャフト
ALおよび右ドライブシャフトARには、それぞれ左前
輪WFLおよび右前輪WFRが接続される。
【0015】駆動力配分装置Tは、トランスミッション
Mから延びる入力軸1に設けた入力ギヤ2に噛み合う外
歯ギヤ3から駆動力が伝達される差動装置Dを備える。
差動装置Dはダブルピニオン式の遊星歯車機構よりな
り、前記外歯ギヤ3と一体に形成されたリングギヤ4
と、このリングギヤ4の内部に同軸に配設されたサンギ
ヤ5と、前記リングギヤ4に噛み合うアウタプラネタリ
ギヤ6および前記サンギヤ5に噛み合うインナプラネタ
リギヤ7を、それらが相互に噛み合う状態で支持するプ
ラネタリキャリヤ8とから構成される。差動装置Dは、
そのリングギヤ4が入力要素として機能するとともに、
一方の出力要素として機能するサンギヤ5が左出力軸9
Lを介して左前輪WFLに接続され、また他方の出力要
素として機能するプラネタリキャリヤ8が右出力軸9R
を介して右前輪WFRに接続される。
【0016】左出力軸9Lの外周に回転自在に支持され
たキャリヤ部材11は、円周方向に90°間隔で配置さ
れた4本のピニオン軸12を備えており、第1ピニオン
13、第2ピニオン14および第3ピニオン15を一体
に形成した3連ピニオン部材16が、各ピニオン軸12
にそれぞれ回転自在に支持される。
【0017】左出力軸9Lの外周に回転自在に支持され
て前記第1ピニオン13に噛み合う第1サンギヤ17
は、差動装置Dのプラネタリキャリヤ8に連結される。
また左出力軸9Lの外周に固定された第2サンギヤ18
は前記第2ピニオン14に噛み合う。更に、左出力軸9
Lの外周に回転自在に支持された第3サンギヤ19は前
記第3ピニオン15に噛み合う。
【0018】実施例における第1ピニオン13、第2ピ
ニオン14、第3ピニオン15、第1サンギヤ17、第
2サンギヤ18および第3サンギヤ19の歯数は以下の
とおりである。
【0019】 第1ピニオン13の歯数 Zb=17 第2ピニオン14の歯数 Zd=17 第3ピニオン15の歯数 Zf=34 第1サンギヤ17の歯数 Za=32 第2サンギヤ18の歯数 Zc=28 第3サンギヤ19の歯数 Ze=32 第3サンギヤ19は左電磁クラッチCLを介してハウジ
ング20に結合可能であり、左電磁クラッチCLの係合
によってキャリヤ部材11の回転数が増速される。また
キャリヤ部材11は右電磁クラッチCRを介してハウジ
ング20に結合可能であり、右電磁クラッチCRの係合
によってキャリヤ部材11の回転数が減速される。そし
て前記右電磁クラッチCRおよび左電磁クラッチCL
は、マイクロコンピュータを含む電子制御ユニットUに
より制御される。
【0020】電子制御ユニットUは、エンジントルクT
e、エンジン回転数Ne、車速Vおよび操舵角θを所定
のプログラムに基づいて演算処理し、前記左電磁クラッ
チCLおよび右電磁クラッチCRを制御する。
【0021】而して、車両の中低車速域での右旋回時に
は、図2に示すように電子制御ユニットUからの指令に
より右電磁クラッチCRが係合し、キャリヤ部材11を
ハウジング20に結合して停止させる。このとき、左前
輪WFLと一体の左出力軸9Lと、右前輪WFRと一体
の右出力軸9R(即ち、差動装置Dのプラネタリキャリ
ヤ8)とは、第2サンギヤ18、第2ピニオン14、第
1ピニオン13および第1サンギヤ17を介して連結さ
れているため、左前輪WFLの回転数NLは右前輪WF
Rの回転数NRに対して次式の関係で増速される。
【0022】 NL/NR=(Zd/Zc)×(Za/Zb) =1.143 …(1) 上述のようにして、左前輪WFLの回転数NLが右前輪
WFRの回転数NRに対して増速されると、図2に斜線
を施した矢印で示したように、旋回内輪である右前輪W
FRのトルクの一部を旋回外輪である左前輪WFLに伝
達することができる。
【0023】尚、キャリヤ部材11を右電磁クラッチC
Rにより停止させる代わりに、右電磁クラッチCRの締
結力を適宜調整してキャリヤ部材11の回転数を減速す
れば、その減速に応じて左前輪WFLの回転数NLを右
前輪WFRの回転数NRに対して増速し、旋回内輪であ
る右前輪WFRから旋回外輪である左前輪WFLに任意
のトルクを伝達することができる。
【0024】一方、車両の中低車速域での左旋回時に
は、図3に示すように電子制御ユニットUからの指令に
より左電磁クラッチCLが係合し、第3ピニオン15が
第3サンギヤ19を介してハウジング20に結合され
る。その結果、左出力軸9Lの回転数に対してキャリヤ
部材11の回転数が増速され、右前輪WFRの回転数N
Rは左前輪WFLの回転数NLに対して次式の関係で増
速される。
【0025】 NR/NL={1−(Ze/Zf)×(Zb/Za)} ÷{1−(Ze/Zf)×(Zd/Zc)} =1.167 …(2) 上述のようにして、右前輪WFRの回転数NRが左前輪
WFLの回転数NLに対して増速されると、図3に斜線
を施した矢印で示したように、旋回内輪である左前輪W
FLのトルクの一部を旋回外輪である右前輪WFRに伝
達することができる。この場合にも、左電磁クラッチC
Lの締結力を適宜調整してキャリヤ部材11の回転数を
増速すれば、その増速に応じて右前輪WFRの回転数N
Rを左前輪WFLの回転数NLに対して増速し、旋回内
輪である左前輪WFLから旋回外輪である右前輪WFL
に任意のトルクを伝達することができる。而して、車両
の中低速走行時には旋回外輪に旋回内輪よりも大きなト
ルクを伝達して旋回性能を向上させることが可能であ
る。尚、高速走行時には前記中低速走行時に比べて旋回
外輪に伝達されるトルクを少なめにしたり、逆に旋回外
輪から旋回内輪にトルクを伝達して走行安定性能を向上
させることが可能である。
【0026】(1)式および(2)式を比較すると明ら
かなように、第1ピニオン13、第2ピニオン14、第
3ピニオン15、第1サンギヤ17、第2サンギヤ18
および第3サンギヤ19の歯数を前述の如く設定したこ
とにより、右前輪WFRから左前輪WFLへの増速率
(約1.143)と、左前輪WFLから右前輪WFRへ
の増速率(約1.167)とを略等しくすることができ
る。
【0027】次に、図4〜図6に基づいて左右の電磁ク
ラッチCL,CRの構造を説明する。尚、左右の電磁ク
ラッチCL,CRは、左右の出力軸9L,9Rの軸線L
に直交する対称面Pに関して実質的に左右対称な構造を
有しているため、主に左電磁クラッチCLの構造を説明
する。右電磁クラッチCRの構成要素の符号は、左電磁
クラッチCLの構成要素の符号の添字「L」を「R」に
変えたものである。
【0028】アルミ合金等の非磁性材で形成されたハウ
ジング20の内部に磁性材で概略円筒状に形成されたコ
ア21が収納されており、このコア21は左右の電磁ク
ラッチCL,CRに対して共有される。コア21はハウ
ジング20の内周面に回転不能かつ軸方向(左右方向)
移動不能に固定されており、対称面Pを挟んでコア21
の右側に左電磁クラッチCLのコイル22Lが収納され
るとともに、コア21の左側に右電磁クラッチCRのコ
イル22Rが収納される。そして左電磁クラッチCLの
コイル22Lの右側に配置された左電磁クラッチCLの
環状のアマチュア23Lと、右電磁クラッチCRのコイ
ル22Rの左側に配置された右電磁クラッチCRの環状
のアマチュア23Rとが、軸方向に延びる共通の伝達部
材25で接続される。左出力軸9Lの外周に第3サンギ
ヤ19(図1参照)と一体のスリーブ31が同軸かつ相
対回転可能に嵌合しており、円筒状の伝達部材25は、
前記スリーブ31の外周面とコア21の内周面との間に
軸方向移動可能に配置される。
【0029】ハウジング20の内周面に、右電磁クラッ
チCRのアマチュア23Rと、左電磁クラッチCLの5
枚のクラッチプレート27L…および1枚のストッパプ
レート28Lとが回転不能かつ軸方向移動可能にスプラ
イン嵌合S1する。右電磁クラッチCRのアマチュア2
3Rの左側面は、左電磁クラッチCLのプレッシャプレ
ートとして機能すべく、最右端のクラッチプレート27
Lの右側面に当接可能に対向する。またスリーブ31の
左端に一体に設けられたガイド部32Lの外周面に5枚
のクラッチディスク33L…が回転不能かつ軸方向移動
可能にスプライン嵌合S2する。これら5枚のクラッチ
ディスク33L…は、5枚のクラッチプレート27L…
および1枚のストッパプレート28Lに対して交互に重
ね合わされる。
【0030】図5から明らかなように、スリーブ31と
一体のガイド部32Lの外周面にスプライン嵌合S2す
る5枚のクラッチディスク33L…は、その両側面に円
周方向に整列するように張り付けられた多数のフェーシ
ング33a…を備える。一方、図6から明らかなよう
に、ハウジング20の内周面にスプライン嵌合S1する
5枚のクラッチプレート27L…はフェーシングを持た
ない金属板から構成されており、前記クラッチディスク
33L…のフェーシング33a…に直接接触可能であ
る。
【0031】右電磁クラッチCRは前記左電磁クラッチ
CLと対称面Pを挟んで対称な構造であるが、左電磁ク
ラッチCLのガイド部32Lが第3サンギヤ19と一体
のスリーブ31に一体に設けられているのに対し、右電
磁クラッチCRのガイド部32Rはキャリヤ部材11に
一体に設けられている点でのみ異なっている。
【0032】ハウジング20を貫通する磁束密度センサ
取付孔20aに磁束密度センサ35Lが外部から嵌合し
て固定される。内部にホール素子を収納した検出部35
aが磁束密度センサ35Lの先端に設けられており、こ
の検出部35aはコア21に形成された切欠21a内に
嵌合する。また左右のコイル22L,22Rに給電する
ためのコネクタ36がハウジング20の左右の磁束密度
センサ35L,35Rに挟まれた位置に設けられる。
【0033】而して、電子制御ユニットUからの指令で
左電磁クラッチCLを締結すべくコイル22Lに給電す
ると、図4に破線で示すように、磁性材のコア21およ
びアマチュア23Lよりなる閉じた磁路に沿って磁束が
形成され、アマチュア23Lがコイル22Lに向けて図
中左方向に吸引される。するとアマチュア23Lに接続
された伝達部材25が左方向に移動し、伝達部材25の
左端に接続された右電磁クラッチCRのアマチュア23
Rがプレッシャプレートとして機能し、左電磁クラッチ
CLのストッパプレート28Lとの間にクラッチプレー
ト27L…およびクラッチディスク33L…が挟まれ
る。その結果、ハウジング20にスプライン嵌合S1す
るクラッチプレート27L…と、ガイド部32Lにスプ
ライン嵌合S2するクラッチディスク33L…とが密着
し、ガイド部32Lを支持するスリーブ31がハウジン
グ20に結合されて左電磁クラッチCLが締結する。
【0034】同様に、電子制御ユニットUからの指令で
右電磁クラッチCRを締結すべくコイル22Rに給電す
ると、図4に破線で示すように、磁性材のコア21およ
びアマチュア23Rよりなる閉じた磁路に沿って磁束が
形成され、アマチュア23Rがコイル22Rに向けて図
中右方向に吸引される。するとアマチュア23Rに接続
された伝達部材25が右方向に移動し、伝達部材25の
右端に接続された左電磁クラッチCLのアマチュア23
Lがプレッシャプレートとして機能し、右電磁クラッチ
CRのストッパプレート28Rとの間にクラッチプレー
ト27R…およびクラッチディスク33R…が挟まれ
る。その結果、ハウジング20にスプライン嵌合S1す
るクラッチプレート27R…と、ガイド部32Rにスプ
ライン嵌合S2するクラッチディスク33R…とが密着
し、ガイド部32Rを支持するキャリヤ部材11がハウ
ジング20に結合されて左電磁クラッチCLが締結す
る。
【0035】このように、左右の電磁クラッチCL,C
Rのアマチュア23L,23Rを共通の伝達部材25で
接続し、またコイル22Rが非励磁状態にある右電磁ク
ラッチCRのアマチュア23Rで左電磁クラッチCLを
締結し、コイル22Lが非励磁状態にある左電磁クラッ
チCLのアマチュア23Lで右電磁クラッチCRを締結
するので、左右の電磁クラッチCL,CRのアマチュア
23L,23Rに各々対応して2個の伝達部材を設ける
場合に比べて、伝達部材25の数を1個に減らして部品
点数を削減することができる。
【0036】またアマチュア23L,23Rをクラッチ
プレート27L…,27R…およびクラッチディスク3
3L…,33R…を挟んでコイル22L,22Rの反対
側に配置する場合に比べて、コア21およびアマチュア
23L,23Rを通る磁路の長さを最小限に抑えること
ができる。しかも前記磁路に介在するエアギャップは、
コア21およびアマチュア23L,23R間のエアギャ
ップだけに抑えられるため、磁気回路の効率が高められ
る。これにより、コイル22L,22Rを大型化するこ
となく、またコイル22L,22Rの消費電力を節減し
ながら、コイル22L,22Rでアマチュア23L,2
3Rを確実に吸引して左右の電磁クラッチCL,CRを
確実に締結することができる。
【0037】更に、左右の電磁クラッチCL,CRのコ
イル22L,22Rが発生する磁束がクラッチプレート
27L…,27R…およびクラッチディスク33L…,
33R…を通過しないので、クラッチディスク33L
…,33R…にフェーシング33a…を設けることが可
能となり、これによりクラッチプレート27L…,27
R…およびクラッチディスク33L…,33R…が金属
どうしの接触となるのを回避し、クラッチジャダーの発
生や焼き付きの発生を効果的に防止することができる。
【0038】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行う
ことが可能である。
【0039】例えば、実施例の左電磁クラッチCLおよ
び右電磁クラッチCRは回転部材であるキャリヤ部材1
1およびスリーブ31を固定部材であるハウジング20
に締結するものであるが、回転部材どうしを締結するも
のであっても良い。
【0040】
【発明の効果】以上のように請求項1に記載された発明
によれば、第1電磁クラッチのコイルおよび第2電磁ク
ラッチのコイルを軸方向に背中合わせに配置し、第1電
磁クラッチのコイルおよび第2電磁クラッチのコイルの
軸方向外側にそれぞれ隣接して配置した第1電磁クラッ
チの第1アマチュアおよび第2電磁クラッチの第2アマ
チュアを軸方向に延びる伝達部材で接続したので、第1
電磁クラッチのコイルを励磁して第1アマチュアを吸引
すると、第1アマチュアに伝達部材を介して接続された
第2アマチュアが軸方向一側に駆動されるので、該第2
アマチュアの軸方向一側に配置された第1電磁クラッチ
の摩擦係合部材を係合させることができ、また第2電磁
クラッチのコイルを励磁して第2アマチュアを吸引する
と、第2アマチュアに伝達部材を介して接続された第1
アマチュアが軸方向他側に駆動されるので、該第1アマ
チュアの軸方向他側に配置された第2電磁クラッチの摩
擦係合部材を係合させることができる。第1電磁クラッ
チおよび第2電磁クラッチの一方が締結すると他方が締
結解除されるが、駆動力配分装置では第1、第2電磁ク
ラッチが同時に締結することがないために支障は生じな
い。
【0041】このように、第1、第2アマチュアを共通
の伝達部材で接続してコイルに吸引されない側のアマチ
ュアで摩擦係合部材を係合させるので、第1、第2アマ
チュアが各々の伝達部材を介して摩擦係合部材を係合さ
せるものに比べて部品点数を削減することができる。し
かもコイルの励磁により形成される磁路が摩擦係合部材
を通らないため、摩擦係合部材にフェーシングを設けて
金属どうしの接触を回避し、クラッチジャダーの発生お
よび焼き付きの発生を防止することができるだけでな
く、磁気回路の効率を高めて消費電力を削減することが
できる。
【0042】また請求項2に記載された発明によれば、
第1、第2アマチュアはそれぞれ第2、第1電磁クラッ
チの摩擦係合部材を直接押圧するので、アマチュアにプ
レッシャプレートの機能を持たせて部品点数を更に削減
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】駆動力配分装置の構造を示す図
【図2】中低車速域での右旋回時における駆動力配分装
置の作用を示す図
【図3】中低車速域での左旋回時における駆動力配分装
置の作用を示す図
【図4】図1の要部拡大図
【図5】図4の5−5線断面図
【図6】図4の6−6線断面図
【符号の説明】
CL 左電磁クラッチ(第1電磁クラッチ) CR 右電磁クラッチ(第2電磁クラッチ) 9L 左出力軸(一方の軸) 9R 右出力軸(他方の軸) 22L コイル 22R コイル 23L アマチュア(第1アマチュア) 23R アマチュア(第2アマチュア) 25 伝達部材 27L,27R クラッチプレート(摩擦係合部
材) 33L,33R クラッチディスク(摩擦係合部
材)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方の軸(9L)から他方の軸(9R)
    にトルクを配分する第1電磁クラッチ(CL)と、他方
    の軸(9R)から一方の軸(9L)にトルクを配分する
    第2電磁クラッチ(CR)とを備え、第1、第2電磁ク
    ラッチ(CL,CR)を選択的に作動させて前記両軸
    (9L,9R)間でトルクを配分する駆動力配分装置に
    おいて、 第1電磁クラッチ(CL)のコイル(22L)および第
    2電磁クラッチ(CR)のコイル(22R)を軸方向に
    背中合わせに配置し、第1電磁クラッチ(CL)のコイ
    ル(22L)および第2電磁クラッチ(CR)のコイル
    (22R)の軸方向外側にそれぞれ隣接して配置した第
    1電磁クラッチ(CL)の第1アマチュア(23L)お
    よび第2電磁クラッチ(CR)の第2アマチュア(23
    R)を軸方向に延びる伝達部材(25)で接続し、 第1電磁クラッチ(CL)のコイル(22L)を励磁し
    て第1アマチュア(23L)を吸引することにより、第
    1アマチュア(23L)に伝達部材(25)を介して接
    続された第2アマチュア(23R)を軸方向一側に駆動
    して該第2アマチュア(23R)の軸方向一側に配置さ
    れた第1電磁クラッチ(CL)の摩擦係合部材(27
    L,33L)を係合させるとともに、第2電磁クラッチ
    (CR)のコイル(22R)を励磁して第2アマチュア
    (23R)を吸引することにより、第2アマチュア(2
    3R)に伝達部材(25)を介して接続された第1アマ
    チュア(23L)を軸方向他側に駆動して該第1アマチ
    ュア(23R)の軸方向他側に配置された第2電磁クラ
    ッチ(CR)の摩擦係合部材(27R,33R)を係合
    させることを特徴とする、駆動力配分装置における電磁
    クラッチ構造。
  2. 【請求項2】 第1アマチュア(23L)は第2電磁ク
    ラッチ(CR)の摩擦係合部材(27R,33R)を直
    接押圧し、第2アマチュア(23R)は第1電磁クラッ
    チ(CL)の摩擦係合部材(27L,33L)を直接押
    圧することを特徴とする、請求項1に記載の駆動力配分
    装置における電磁クラッチ構造。
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