JP2004176736A - 電磁クラッチ - Google Patents

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Abstract

【課題】摩擦係合部材の引きずりを防止しながら、コアおよびアマチュア間のエアギャップを最小限に抑えて電磁クラッチの係合応答性を高める。
【解決手段】電磁クラッチCLは、コイル22Lを収納したコア21Lの吸着面にエアギャップαを介してアマチュア23Lの被吸着面を対向させ、コイル22Lを励磁することによりエアギャップαを通過する磁束でアマチュア23Lをコア21Lに吸着してクラッチプレート27Lおよびクラッチディスク33Lを相互に係合させる。エアギャップαを挟んで対向するコア21Lの吸着面およびアマチュア23Lの被吸着面を軸線Lに対して傾斜させることで、クラッチプレート27Lおよびクラッチディスク33Lの引きずりを防止するのに必要なアマチュア23Lのストロークを充分に確保しながら、エアギャップαを小さくしてアマチュア23Lの吸着力を強め、電磁クラッチCLの係合応答性を高めることが可能となる。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コイルを収納したコアの吸着面にエアギャップを介してアマチュアの被吸着面を対向させ、コイルを励磁することによりアマチュアをコアに吸着して摩擦係合部材を係合させる電磁クラッチに関する。
【0002】
【従来の技術】
2個のクラッチを備えた駆動力配分装置を介してエンジンの駆動力を左右の駆動輪に配分可能にし、旋回外輪に配分する駆動力を増加させて旋回内輪に配分する駆動力を減少させることにより、旋回方向のヨーモーメントを発生させて旋回性能を高める技術は公知である。かかる駆動力配分装置において、前記2個のクラッチを電磁クラッチで構成したものが、下記特許文献により公知である。
【0003】
【特許文献】
特開2002−174263号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この種の電磁クラッチは非係合時における摩擦係合部材の引きずりを防止するために、アマチュアに1mm程度のストロークを設定しており、このストローク分だけコアおよびアマチュア間のエアギャップを増加させる必要がある。そのために、電磁クラッチのコイルを励磁した直後、つまりエアギャップが最大のときの磁気抵抗が増加し、アマチュアを充分な吸着力で吸着できなくなって電磁クラッチの係合応答性が低下する可能性があった。
【0005】
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、摩擦係合部材の引きずりを防止しながら、コアおよびアマチュア間のエアギャップを最小限に抑えて電磁クラッチの係合応答性を高めることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、軸線まわりに相対回転する第1部材および第2部材を結合すべく、第1部材に支持した第1摩擦係合部材と第2部材に支持した第2摩擦係合部材とを相互に重ね合わせ、コイルを収納したコアの吸着面にエアギャップを介してアマチュアの被吸着面を対向させ、コイルを励磁することによりエアギャップを通過する磁束でアマチュアをコアに吸着して第1摩擦係合部材および第2摩擦係合部材を相互に係合させる電磁クラッチにおいて、コアの吸着面およびアマチュアの被吸着面を前記軸線に対して傾斜させたことを特徴とする電磁クラッチが提案される。
【0007】
上記構成によれば、エアギャップを挟んで対向するコアの吸着面およびアマチュアの被吸着面を電磁クラッチの軸線に対して傾斜させたので、第1摩擦係合部材および第2摩擦係合部材の引きずりを防止するのに必要なアマチュアのストロークを充分に確保しながらエアギャップを小さくすることができる。これにより、エアギャップにおける磁気抵抗を減少させてアマチュアの吸着力を強め、電磁クラッチの係合応答性を高めることが可能となる。
【0008】
尚、実施例のハウジング20は本発明の第1部材に対応し、実施例のキャリヤ部材11およびスリーブ31は本発明の第2部材に対応し、実施例のクラッチプレート27L,27Rは本発明の第1摩擦係合部材に対応し、実施例のクラッチディスク33L,33Rは本発明の第2摩擦係合部材に対応する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0010】
図1〜図7は本発明の一実施例を示すもので、図1は駆動力配分装置の構造を示す図、図2は中低車速域での右旋回時における駆動力配分装置の作用を示す図、図3は中低車速域での左旋回時における駆動力配分装置の作用を示す図、図4は図1の要部拡大図、図5は図4の5−5線断面図、図6は図4の6−6線断面図、図7は図4の7部拡大図である。
【0011】
図1に示すように、フロントエンジン・フロントドライブの車両の車体前部に横置きに搭載したエンジンEの右端にトランスミッションMが接続されており、これらエンジンEおよびトランスミッションMの後部に駆動力配分装置Tが配置される。駆動力配分装置Tの左端および右端から左右に延びる左ドライブシャフトALおよび右ドライブシャフトARには、それぞれ左前輪WFLおよび右前輪WFRが接続される。
【0012】
駆動力配分装置Tは、トランスミッションMから延びる入力軸1に設けた入力ギヤ2に噛み合う外歯ギヤ3から駆動力が伝達される差動装置Dを備える。差動装置Dはダブルピニオン式の遊星歯車機構よりなり、前記外歯ギヤ3と一体に形成されたリングギヤ4と、このリングギヤ4の内部に同軸に配設されたサンギヤ5と、前記リングギヤ4に噛み合うアウタプラネタリギヤ6および前記サンギヤ5に噛み合うインナプラネタリギヤ7を、それらが相互に噛み合う状態で支持するプラネタリキャリヤ8とから構成される。差動装置Dは、そのリングギヤ4が入力要素として機能するとともに、一方の出力要素として機能するサンギヤ5が左出力軸9Lを介して左前輪WFLに接続され、また他方の出力要素として機能するプラネタリキャリヤ8が右出力軸9Rを介して右前輪WFRに接続される。
【0013】
左出力軸9Lの外周に回転自在に支持されたキャリヤ部材11は、円周方向に90°間隔で配置された4本のピニオン軸12を備えており、第1ピニオン13、第2ピニオン14および第3ピニオン15を一体に形成した3連ピニオン部材16が、各ピニオン軸12にそれぞれ回転自在に支持される。
【0014】
左出力軸9Lの外周に回転自在に支持されて前記第1ピニオン13に噛み合う第1サンギヤ17は、差動装置Dのプラネタリキャリヤ8に連結される。また左出力軸9Lの外周に固定された第2サンギヤ18は前記第2ピニオン14に噛み合う。更に、左出力軸9Lの外周に回転自在に支持された第3サンギヤ19は前記第3ピニオン15に噛み合う。
【0015】
実施例における第1ピニオン13、第2ピニオン14、第3ピニオン15、第1サンギヤ17、第2サンギヤ18および第3サンギヤ19の歯数は以下のとおりである。
【0016】
第1ピニオン13の歯数 Zb=17
第2ピニオン14の歯数 Zd=17
第3ピニオン15の歯数 Zf=34
第1サンギヤ17の歯数 Za=32
第2サンギヤ18の歯数 Zc=28
第3サンギヤ19の歯数 Ze=32
第3サンギヤ19は左電磁クラッチCLを介してハウジング20に結合可能であり、左電磁クラッチCLの係合によってキャリヤ部材11の回転数が増速される。またキャリヤ部材11は右電磁クラッチCRを介してハウジング20に結合可能であり、右電磁クラッチCRの係合によってキャリヤ部材11の回転数が減速される。そして前記右電磁クラッチCRおよび左電磁クラッチCLは、マイクロコンピュータを含む電子制御ユニットUにより制御される。
【0017】
電子制御ユニットUは、エンジントルクTe、エンジン回転数Ne、車速Vおよび操舵角θを所定のプログラムに基づいて演算処理し、前記左電磁クラッチCLおよび右電磁クラッチCRを制御する。
【0018】
その結果、車両の中低車速域での右旋回時には、図2に示すように電子制御ユニットUからの指令により右電磁クラッチCRが係合し、キャリヤ部材11をハウジング20に結合して停止させる。このとき、左前輪WFLと一体の左出力軸9Lと、右前輪WFRと一体の右出力軸9R(即ち、差動装置Dのプラネタリキャリヤ8)とは、第2サンギヤ18、第2ピニオン14、第1ピニオン13および第1サンギヤ17を介して連結されているため、左前輪WFLの回転数NLは右前輪WFRの回転数NRに対して次式の関係で増速される。
【0019】
Figure 2004176736
上述のようにして、左前輪WFLの回転数NLが右前輪WFRの回転数NRに対して増速されると、図2に斜線を施した矢印で示したように、旋回内輪である右前輪WFRのトルクの一部を旋回外輪である左前輪WFLに伝達することができる。
【0020】
尚、キャリヤ部材11を右電磁クラッチCRにより停止させる代わりに、右電磁クラッチCRの締結力を適宜調整してキャリヤ部材11の回転数を減速すれば、その減速に応じて左前輪WFLの回転数NLを右前輪WFRの回転数NRに対して増速し、旋回内輪である右前輪WFRから旋回外輪である左前輪WFLに任意のトルクを伝達することができる。
【0021】
一方、車両の中低車速域での左旋回時には、図3に示すように電子制御ユニットUからの指令により左電磁クラッチCLが係合し、第3ピニオン15が第3サンギヤ19を介してハウジング20に結合される。その結果、左出力軸9Lの回転数に対してキャリヤ部材11の回転数が増速され、右前輪WFRの回転数NRは左前輪WFLの回転数NLに対して次式の関係で増速される。
【0022】
Figure 2004176736
上述のようにして、右前輪WFRの回転数NRが左前輪WFLの回転数NLに対して増速されると、図3に斜線を施した矢印で示したように、旋回内輪である左前輪WFLのトルクの一部を旋回外輪である右前輪WFRに伝達することができる。この場合にも、左電磁クラッチCLの締結力を適宜調整してキャリヤ部材11の回転数を増速すれば、その増速に応じて右前輪WFRの回転数NRを左前輪WFLの回転数NLに対して増速し、旋回内輪である左前輪WFLから旋回外輪である右前輪WFLに任意のトルクを伝達することができる。その結果、車両の中低速走行時には旋回外輪に旋回内輪よりも大きなトルクを伝達して旋回性能を向上させることが可能である。尚、高速走行時には前記中低速走行時に比べて旋回外輪に伝達されるトルクを少なめにしたり、逆に旋回外輪から旋回内輪にトルクを伝達して走行安定性能を向上させることが可能である。
【0023】
(1)式および(2)式を比較すると明らかなように、第1ピニオン13、第2ピニオン14、第3ピニオン15、第1サンギヤ17、第2サンギヤ18および第3サンギヤ19の歯数を前述の如く設定したことにより、右前輪WFRから左前輪WFLへの増速率(約1.143)と、左前輪WFLから右前輪WFRへの増速率(約1.167)とを略等しくすることができる。
【0024】
次に、図4〜図7に基づいて左右の電磁クラッチCL,CRの構造を説明する。尚、左右の電磁クラッチCL,CRは、左右の出力軸9L,9Rの軸線Lに直交する対称面Pに関して実質的に左右対称な構造を有しているため、その代表として左電磁クラッチCLの構造を説明する。右電磁クラッチCRの構成要素の符号は、左電磁クラッチCLの構成要素の符号の添字「L」を「R」に変えたものである。
【0025】
図4から明らかなように、アルミ合金等の非磁性材で形成されたハウジング20の内部に収納された左電磁クラッチCLは、磁性材で概略円筒状に形成されたコア21Lを備える。コア21Lはハウジング20の内周面に回転不能かつ軸線L方向(左右方向)移動不能に固定されており、このコア21Lの内部にコイル22Lが収納されるとともに、このコイル22Lの右側および内周側に磁性材で環状に形成されたアマチュア23Lが左右移動自在に配置される。左出力軸9Lの外周に第3サンギヤ19(図1参照)と一体のスリーブ31が同軸かつ相対回転可能に嵌合しており、アマチュア23Lの内周面に溶接W1により固定された伝達部材25Lの円筒部25aが、前記スリーブ31の外周面とコア21Lの内周面との間に軸方向移動可能に配置される。
【0026】
図7に明瞭に示すように、エアギャップαを挟んで対向するコア21Lの吸着面21aとアマチュア23Lの被吸着面23aとは、何れも軸線Lを中心線とするコーン状に形成されている。つまり、前記吸着面21aおよび被吸着面23aは、軸線Lに対して所定の角度θ(例えば、45°)だけ傾斜している。
【0027】
図4に戻り、ハウジング20の内周面に、伝達部材25Lに一体に形成されたプレッシャプレート25bと、5枚のクラッチプレート27L…と、1枚のストッパプレート28Lとが回転不能かつ軸方向移動可能にスプライン嵌合S1する。伝達部材25Lのプレッシャプレート25bの左側面は、最右端のクラッチプレート27Lの右側面に当接可能に対向する。またスリーブ31の左端に一体に設けられたガイド部32Lの外周面に5枚のクラッチディスク33L…が回転不能かつ軸方向移動可能にスプライン嵌合S2する。これら5枚のクラッチディスク33L…は、5枚のクラッチプレート27L…および1枚のストッパプレート28Lに対して交互に重ね合わされる。
【0028】
図5から明らかなように、スリーブ31と一体のガイド部32Lの外周面にスプライン嵌合S2する5枚のクラッチディスク33L…は、その両側面に円周方向に整列するように張り付けられた多数のフェーシング33a…を備える。一方、図6から明らかなように、ハウジング20の内周面にスプライン嵌合S1する5枚のクラッチプレート27L…はフェーシングを持たない金属板から構成されており、前記クラッチディスク33L…のフェーシング33a…に直接接触可能である。
【0029】
右電磁クラッチCRは前記左電磁クラッチCLと対称面Pを挟んで対称な構造であるが、左電磁クラッチCLのガイド部32Lが第3サンギヤ19と一体のスリーブ31に一体に設けられているのに対し、右電磁クラッチCRのガイド部32Rはキャリヤ部材11に一体に設けられている点でのみ異なっている。
【0030】
ハウジング20を貫通する磁束密度センサ取付孔20aに磁束密度センサ35Lが外部から嵌合して固定される。内部にホール素子を収納した検出部35aが磁束密度センサ35Lの先端に設けられており、この検出部35aはコア21Lに形成された凹部21b内に嵌合する。またコイル22Lに給電するためのコネクタ36Lがハウジング20の磁束密度センサ35Lに隣接する位置に設けられる。
【0031】
次に、上記構成を備えた本発明の実施例の作用を説明する。
【0032】
電子制御ユニットUからの指令で左電磁クラッチCLを係合すべくコイル22Lに給電すると、図4に破線で示すように、磁性材のコア21Lおよびアマチュア23Lよりなる閉じた磁路に沿って磁束が形成され、アマチュア23Lがコイル22Lに向けて図中左方向に吸着される。するとアマチュア23Lに接続された伝達部材25Lが左方向に移動し、伝達部材25Lに設けたプレッシャプレート25bとハウジング20に設けたストッパプレート28Lとの間にクラッチプレート27L…およびクラッチディスク33L…が挟まれる。その結果、ハウジング20にスプライン嵌合S1するクラッチプレート27L…と、ガイド部32Lにスプライン嵌合S2するクラッチディスク33L…とが一体化され、ガイド部32Lを支持するスリーブ31がハウジング20に結合される。
【0033】
同様に、電子制御ユニットUからの指令で右電磁クラッチCRを係合すべくコイル22Rに給電すると、図4に破線で示すように、磁性材のコア21Rおよびアマチュア23Rよりなる閉じた磁路に沿って磁束が形成され、アマチュア23Rがコイル22Rに向けて右方向に吸着される。するとアマチュア23Rに接続された伝達部材25Rが右方向に移動し、伝達部材25Rに設けたプレッシャプレート25bとハウジング20に設けたストッパプレート28Rとの間にクラッチプレート27R…およびクラッチディスク33R…が挟まれる。その結果、ハウジング20にスプライン嵌合S1するクラッチプレート27R…と、ガイド部32Rにスプライン嵌合S2するクラッチディスク33R…とが一体化され、ガイド部32Rを支持するキャリヤ部材11がハウジング20に結合される。
【0034】
図7に示すように、例えば左電磁クラッチCLのコイル22Lを励磁してコアLおよびアマチュア23L間のエアギャップαに磁束が流れるとき、そのエアギャップαの大きさはコアLの吸着面21aとアマチュア23Lの被吸着面23aとの最短距離となるが、アマチュア23Lの被吸着面23aがコアLの吸着面21aに吸着されるまでのアマチュア23LのストロークSはエアギャップαよりも大きくなる。
【0035】
具体的には、従来の電磁クラッチの如く軸線Lに対する吸着面21aおよび被吸着面23aの傾斜角θが90°の場合(即ち、軸線Lに直交している場合)にはS=αとなるのに対し、軸線Lに対する吸着面21aおよび被吸着面23aの傾斜角θが45°の場合にはS=1.414αとなり、傾斜角θが30°の場合にはS=2.0αとなり、傾斜角θが60°の場合にはS=1.155αとなる。
【0036】
前述したように、電磁クラッチCL,CRの非係合時におけるクラッチプレート27L…,27R…およびクラッチディスク33L…,33R…の引きずりを防止するために、アマチュア23L,23Rは1mm程度のストロークSを必要とする。このストロークをSを一定値に設定すると、軸線Lに対する吸着面21aおよび被吸着面23aの傾斜角θを90°から0°に向けて減少させるに伴い、エアギャップαの大きさは次第に減少する。
【0037】
コイル22L,22Rへの給電量を一定とすると、エアギャップαを通過する磁束の大きさ(つまりアマチュア23L,23Rの吸着力)はエアギャップαが小さくなるほど大きくなる。従って、本実施例によれば吸着面21aおよび被吸着面23aを軸線Lに対して傾斜させることでエアギャップαを小さくし、アマチュア23L,23Rを強力に吸着して電磁クラッチCL,CRの係合応答性を高めることができる。
【0038】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
【0039】
例えば、実施例では駆動力配分装置T用の電磁クラッチCL,CRを例示したが、本発明は他の任意の用途の電磁クラッチに対して適用することができる。
【0040】
【発明の効果】
以上のように請求項1に記載された発明によれば、エアギャップを挟んで対向するコアの吸着面およびアマチュアの被吸着面を電磁クラッチの軸線に対して傾斜させたので、第1摩擦係合部材および第2摩擦係合部材の引きずりを防止するのに必要なアマチュアのストロークを充分に確保しながらエアギャップを小さくすることができる。これにより、エアギャップにおける磁気抵抗を減少させてアマチュアの吸着力を強め、電磁クラッチの係合応答性を高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】駆動力配分装置の構造を示す図
【図2】中低車速域での右旋回時における駆動力配分装置の作用を示す図
【図3】中低車速域での左旋回時における駆動力配分装置の作用を示す図
【図4】図1の要部拡大図
【図5】図4の5−5線断面図
【図6】図4の6−6線断面図
【図7】図4の7部拡大図
【符号の説明】
11 キャリヤ部材(第2部材)
20 ハウジング(第1部材)
21L コア
21R コア
21a 吸着面
22L コイル
22R コイル
23L アマチュア
23R アマチュア
23a 被吸着面
27L クラッチプレート(第1摩擦係合部材)
27R クラッチプレート(第1摩擦係合部材)
31 スリーブ(第2部材)
33L クラッチディスク(第2摩擦係合部材)
33R クラッチディスク(第2摩擦係合部材)
L 軸線
α エアギャップ

Claims (1)

  1. 軸線(L)まわりに相対回転する第1部材(20)および第2部材(11,31)を結合すべく、第1部材(20)に支持した第1摩擦係合部材(27L,27R)と第2部材(11,31)に支持した第2摩擦係合部材(33L,33R)とを相互に重ね合わせ、コイル(22L,22R)を収納したコア(21L,21R)の吸着面(21a)にエアギャップ(α)を介してアマチュア(23L,23R)の被吸着面(23a)を対向させ、コイル(22L,22R)を励磁することによりエアギャップ(α)を通過する磁束でアマチュア(23L,23R)をコア(21L,21R)に吸着して第1摩擦係合部材(27L,27R)および第2摩擦係合部材(33L,33R)を相互に係合させる電磁クラッチにおいて、
    コア(21L,21R)の吸着面(21a)およびアマチュア(23L,23R)の被吸着面(23a)を前記軸線(L)に対して傾斜させたことを特徴とする電磁クラッチ。
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