JP2002174263A - 電磁クラッチの配線構造 - Google Patents

電磁クラッチの配線構造

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JP2002174263A
JP2002174263A JP2000373264A JP2000373264A JP2002174263A JP 2002174263 A JP2002174263 A JP 2002174263A JP 2000373264 A JP2000373264 A JP 2000373264A JP 2000373264 A JP2000373264 A JP 2000373264A JP 2002174263 A JP2002174263 A JP 2002174263A
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housing
electromagnetic clutch
conductor
connector case
connector
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JP2000373264A
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English (en)
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Akihiro Iwasaki
明裕 岩崎
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Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Publication date
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  • Arrangement And Mounting Of Devices That Control Transmission Of Motive Force (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハウジング内に収納された電磁クラッチのコ
イルに電力を供給するための配線を容易に行えるように
する。 【解決手段】 ハウジング20内に収納した電磁クラッ
チのコイル22Lに給電すべく、ハウジング20および
コア21Lに形成したコネクタケース挿入孔40にコネ
クタ36Lのコネクタケース41を挿入すると、コイル
収納ケース37の内部に一体にモールドした第1導電体
39と、コネクタケース41の内部に一体にモールドし
た第2導電体42とが、該第2導電体42に固定した第
3導電体43を介して電気的に導通する。従って、コネ
クタケース41を外部からコネクタケース挿入孔40に
挿入して固定するだけの簡単な操作で、ハウジング20
内に収納したコイル22Lに電力を供給するための配線
を短時間で容易に完了させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハウジング内に収
納された電磁クラッチのコイルに電力を供給するための
電磁クラッチの配線構造に関する。
【0002】
【従来の技術】2個のクラッチを備えた駆動力配分装置
を介してエンジンの駆動力を左右の駆動輪に配分可能に
し、旋回外輪に配分する駆動力を増加させて旋回内輪に
配分する駆動力を減少させることにより、旋回方向のヨ
ーモーメントを発生させて旋回性能を高める技術は公知
である。かかる駆動力配分装置において、前記2個のク
ラッチを電磁クラッチで構成したものが本出願人により
既に提案されている(特願平11−270729号参
照)。
【0003】上記特願平11−270729号で提案さ
れたものは、左右の電磁クラッチのコイルから延びるハ
ーネスをハウジングの開口に装着したゴム製のグロメッ
トの内部を貫通させてハウジングの外部に引き出し、そ
のハーネスの先端に設けたコネクタを他のコネクタに結
合してコイルに給電するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで上記従来のも
のは、ハウジング内の電磁クラッチのコイルから延びる
ハーネスをハウジングの開口に装着したグロメットを介
して外部に引き出しているため、ハーネスの先端に予め
コネクタを取り付けておくと、そのコネクタがハウジン
グの開口を通過できなくなる。従って、前記開口を通し
てハーネスだけをハウジングの外部に引き出した後に、
そのハーネスの先端にコネクタを取り付けることが必要
になって組付性が極めて悪いという問題があった。
【0005】本発明は前述の事情に鑑みてなされたもの
で、ハウジング内に収納された電磁クラッチのコイルに
電力を供給するための配線を容易に行えるようにするこ
とを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載された発明によれば、ハウジング内
に収納された電磁クラッチのコイルに電力を供給するた
めの電磁クラッチの配線構造において、コイルを収納す
るコイル収納ケース内に一体にモールドされた第1導電
体の先端部をハウジングに形成したコネクタケース挿入
孔の底部に露出させるとともに、コネクタケースの内部
に一体にモールドした第2導電体の先端部を該コネクタ
ケースから露出させ、コネクタケースをコネクタケース
挿入孔に外部から挿入することにより第1導電体および
第2導電体を電気的に接続させることを特徴とする電磁
クラッチの配線構造が提案される。
【0007】上記構成によれば、ハウジングに形成した
コネクタケース挿入孔の底部に電磁クラッチのコイルに
連なる第1導電体の露出させ、コネクタケース挿入孔に
挿入されるコネクタケースから第2導電体を露出させた
ので、コネクタケースを外部からコネクタケース挿入孔
に挿入するだけで前記第1導電体および第2導電体を電
気的に接続することが可能となり、ハウジング内に収納
されたコイルに電力を供給するための配線を短時間で容
易に行うことができる。
【0008】また請求項2に記載された発明によれば、
請求項1の構成に加えて、第1、第2導電体は、コネク
タケースをコネクタケース挿入孔に挿入した状態で、先
端間に間隙を存して同軸に対向する一対のピンから構成
されており、第1、第2導電体はその一方に固定されて
他方に着脱自在に嵌合するバネ板から構成された第3導
電体を介して相互に電気的に接続されることを特徴とす
る電磁クラッチの配線構造が提案される。
【0009】上記構成によれば、コネクタケースをコネ
クタケース挿入孔に挿入したときに、ピン状の第1、第
2導電体は先端間に間隙を存して同軸に対向した状態で
バネ板から構成された第3導電体を介して相互に電気的
に接続するので、組付誤差により第1、第2導電体の先
端が相互に干渉してコネクタケースのスムーズな挿入が
妨げられることがない。
【0010】尚、実施例の左電磁クラッチCLおよび右
電磁クラッチCRはそれぞれ本発明の電磁クラッチに対
応する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添
付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0012】図1〜図7は本発明の一実施例を示すもの
で、図1は駆動力配分装置の構造を示す図、図2は中低
車速域での右旋回時における駆動力配分装置の作用を示
す図、図3は中低車速域での左旋回時における駆動力配
分装置の作用を示す図、図4は図1の要部拡大図、図5
は図4の5−5線断面図、図6は図4の6−6線断面
図、図7は図4の要部拡大図である。
【0013】図1に示すように、フロントエンジン・フ
ロントドライブの車両の車体前部に横置きに搭載したエ
ンジンEの右端にトランスミッションMが接続されてお
り、これらエンジンEおよびトランスミッションMの後
部に駆動力配分装置Tが配置される。駆動力配分装置T
の左端および右端から左右に延びる左ドライブシャフト
ALおよび右ドライブシャフトARには、それぞれ左前
輪WFLおよび右前輪WFRが接続される。
【0014】駆動力配分装置Tは、トランスミッション
Mから延びる入力軸1に設けた入力ギヤ2に噛み合う外
歯ギヤ3から駆動力が伝達される差動装置Dを備える。
差動装置Dはダブルピニオン式の遊星歯車機構よりな
り、前記外歯ギヤ3と一体に形成されたリングギヤ4
と、このリングギヤ4の内部に同軸に配設されたサンギ
ヤ5と、前記リングギヤ4に噛み合うアウタプラネタリ
ギヤ6および前記サンギヤ5に噛み合うインナプラネタ
リギヤ7を、それらが相互に噛み合う状態で支持するプ
ラネタリキャリヤ8とから構成される。差動装置Dは、
そのリングギヤ4が入力要素として機能するとともに、
一方の出力要素として機能するサンギヤ5が左出力軸9
Lを介して左前輪WFLに接続され、また他方の出力要
素として機能するプラネタリキャリヤ8が右出力軸9R
を介して右前輪WFRに接続される。
【0015】左出力軸9Lの外周に回転自在に支持され
たキャリヤ部材11は、円周方向に90°間隔で配置さ
れた4本のピニオン軸12を備えており、第1ピニオン
13、第2ピニオン14および第3ピニオン15を一体
に形成した3連ピニオン部材16が、各ピニオン軸12
にそれぞれ回転自在に支持される。
【0016】左出力軸9Lの外周に回転自在に支持され
て前記第1ピニオン13に噛み合う第1サンギヤ17
は、差動装置Dのプラネタリキャリヤ8に連結される。
また左出力軸9Lの外周に固定された第2サンギヤ18
は前記第2ピニオン14に噛み合う。更に、左出力軸9
Lの外周に回転自在に支持された第3サンギヤ19は前
記第3ピニオン15に噛み合う。
【0017】実施例における第1ピニオン13、第2ピ
ニオン14、第3ピニオン15、第1サンギヤ17、第
2サンギヤ18および第3サンギヤ19の歯数は以下の
とおりである。
【0018】 第1ピニオン13の歯数 Zb=17 第2ピニオン14の歯数 Zd=17 第3ピニオン15の歯数 Zf=34 第1サンギヤ17の歯数 Za=32 第2サンギヤ18の歯数 Zc=28 第3サンギヤ19の歯数 Ze=32 第3サンギヤ19は左電磁クラッチCLを介してハウジ
ング20に結合可能であり、左電磁クラッチCLの係合
によってキャリヤ部材11の回転数が増速される。また
キャリヤ部材11は右電磁クラッチCRを介してハウジ
ング20に結合可能であり、右電磁クラッチCRの係合
によってキャリヤ部材11の回転数が減速される。そし
て前記右電磁クラッチCRおよび左電磁クラッチCL
は、マイクロコンピュータを含む電子制御ユニットUに
より制御される。
【0019】電子制御ユニットUは、エンジントルクT
e、エンジン回転数Ne、車速Vおよび操舵角θを所定
のプログラムに基づいて演算処理し、前記左電磁クラッ
チCLおよび右電磁クラッチCRを制御する。
【0020】而して、車両の中低車速域での右旋回時に
は、図2に示すように電子制御ユニットUからの指令に
より右電磁クラッチCRが係合し、キャリヤ部材11を
ハウジング20に結合して停止させる。このとき、左前
輪WFLと一体の左出力軸9Lと、右前輪WFRと一体
の右出力軸9R(即ち、差動装置Dのプラネタリキャリ
ヤ8)とは、第2サンギヤ18、第2ピニオン14、第
1ピニオン13および第1サンギヤ17を介して連結さ
れているため、左前輪WFLの回転数NLは右前輪WF
Rの回転数NRに対して次式の関係で増速される。
【0021】 NL/NR=(Zd/Zc)×(Za/Zb) =1.143 …(1) 上述のようにして、左前輪WFLの回転数NLが右前輪
WFRの回転数NRに対して増速されると、図2に斜線
を施した矢印で示したように、旋回内輪である右前輪W
FRのトルクの一部を旋回外輪である左前輪WFLに伝
達することができる。
【0022】尚、キャリヤ部材11を右電磁クラッチC
Rにより停止させる代わりに、右電磁クラッチCRの締
結力を適宜調整してキャリヤ部材11の回転数を減速す
れば、その減速に応じて左前輪WFLの回転数NLを右
前輪WFRの回転数NRに対して増速し、旋回内輪であ
る右前輪WFRから旋回外輪である左前輪WFLに任意
のトルクを伝達することができる。
【0023】一方、車両の中低車速域での左旋回時に
は、図3に示すように電子制御ユニットUからの指令に
より左電磁クラッチCLが係合し、第3ピニオン15が
第3サンギヤ19を介してハウジング20に結合され
る。その結果、左出力軸9Lの回転数に対してキャリヤ
部材11の回転数が増速され、右前輪WFRの回転数N
Rは左前輪WFLの回転数NLに対して次式の関係で増
速される。
【0024】 NR/NL={1−(Ze/Zf)×(Zb/Za)} ÷{1−(Ze/Zf)×(Zd/Zc)} =1.167 …(2) 上述のようにして、右前輪WFRの回転数NRが左前輪
WFLの回転数NLに対して増速されると、図3に斜線
を施した矢印で示したように、旋回内輪である左前輪W
FLのトルクの一部を旋回外輪である右前輪WFRに伝
達することができる。この場合にも、左電磁クラッチC
Lの締結力を適宜調整してキャリヤ部材11の回転数を
増速すれば、その増速に応じて右前輪WFRの回転数N
Rを左前輪WFLの回転数NLに対して増速し、旋回内
輪である左前輪WFLから旋回外輪である右前輪WFL
に任意のトルクを伝達することができる。而して、車両
の中低速走行時には旋回外輪に旋回内輪よりも大きなト
ルクを伝達して旋回性能を向上させることが可能であ
る。尚、高速走行時には前記中低速走行時に比べて旋回
外輪に伝達されるトルクを少なめにしたり、逆に旋回外
輪から旋回内輪にトルクを伝達して走行安定性能を向上
させることが可能である。
【0025】(1)式および(2)式を比較すると明ら
かなように、第1ピニオン13、第2ピニオン14、第
3ピニオン15、第1サンギヤ17、第2サンギヤ18
および第3サンギヤ19の歯数を前述の如く設定したこ
とにより、右前輪WFRから左前輪WFLへの増速率
(約1.143)と、左前輪WFLから右前輪WFRへ
の増速率(約1.167)とを略等しくすることができ
る。
【0026】次に、図4〜図7に基づいて左右の電磁ク
ラッチCL,CRの構造を説明する。尚、左右の電磁ク
ラッチCL,CRは、左右の出力軸9L,9Rの軸線L
に直交する対称面Pに関して実質的に左右対称な構造を
有しているため、その代表として左電磁クラッチCLの
構造を説明する。右電磁クラッチCRの構成要素の符号
は、左電磁クラッチCLの構成要素の符号の添字「L」
を「R」に変えたものである。
【0027】アルミ合金等の非磁性材で形成されたハウ
ジング20の内部に収納された左電磁クラッチCLは、
磁性材で概略円筒状に形成されたコア21Lを備える。
コア21Lはハウジング20の内周面に回転不能かつ軸
方向(左右方向)移動不能に固定されており、このコア
21Lの内部にコイル22Lが収納されるとともに、こ
のコイル22Lの右端面に直接対峙するように磁性材で
環状に形成されたアマチュア23Lが左右移動自在に配
置される。左出力軸9Lの外周に第3サンギヤ19(図
1参照)と一体のスリーブ31が同軸かつ相対回転可能
に嵌合しており、アマチュア23Lの内周面に溶接W1
により固定された伝達部材25Lの円筒部25aが、前
記スリーブ31の外周面とコア21Lの内周面との間に
軸方向移動可能に配置される。
【0028】ハウジング20の内周面に、伝達部材25
Lに一体に形成されたプレッシャプレート25bと、5
枚のクラッチプレート27L…と、1枚のストッパプレ
ート28Lとが回転不能かつ軸方向移動可能にスプライ
ン嵌合S1する。伝達部材25Lのプレッシャプレート
25bの左側面は、最右端のクラッチプレート27Lの
右側面に当接可能に対向する。またスリーブ31の左端
に一体に設けられたガイド部32Lの外周面に5枚のク
ラッチディスク33L…が回転不能かつ軸方向移動可能
にスプライン嵌合S2する。これら5枚のクラッチディ
スク33L…は、5枚のクラッチプレート27L…およ
び1枚のストッパプレート28Lに対して交互に重ね合
わされる。
【0029】図5から明らかなように、スリーブ31と
一体のガイド部32Lの外周面にスプライン嵌合S2す
る5枚のクラッチディスク33L…は、その両側面に円
周方向に整列するように張り付けられた多数のフェーシ
ング33a…を備える。一方、図6から明らかなよう
に、ハウジング20の内周面にスプライン嵌合S1する
5枚のクラッチプレート27L…はフェーシングを持た
ない金属板から構成されており、前記クラッチディスク
33L…のフェーシング33a…に直接接触可能であ
る。
【0030】右電磁クラッチCRは前記左電磁クラッチ
CLと対称面Pを挟んで対称な構造であるが、左電磁ク
ラッチCLのガイド部32Lが第3サンギヤ19と一体
のスリーブ31に一体に設けられているのに対し、右電
磁クラッチCRのガイド部32Rはキャリヤ部材11に
一体に設けられている点でのみ異なっている。
【0031】ハウジング20を貫通する磁束密度センサ
取付孔20aに磁束密度センサ35Lが外部から嵌合し
て固定される。内部にホール素子を収納した検出部35
aが磁束密度センサ35Lの先端に設けられており、こ
の検出部35aはコア21Lに形成された切欠21a内
に嵌合する。またコイル22Lに給電するためのコネク
タ36Lがハウジング20の磁束密度センサ35Lに隣
接する位置に設けられる。
【0032】図7から明らかなように、コイル22Lを
覆う合成樹脂製のコイル収納ケース37,38のうち、
一方のコイル収納ケース37の内部に金属線材よりなる
第1導電体39が一体にモールドされる。一端がコイル
22Lに接続された第1導電体39の他端は、コイル収
納ケース37の左端からハウジング20の半径方向外側
に向けてピン状に突出する。ハウジング20およびコア
21Lを半径方向に貫通するようにコネクタケース挿入
孔40が形成されており、このコネクタケース挿入孔4
0の底部中央に前記第1導電体39の他端が突出する。
【0033】コネクタ36Lの合成樹脂製のコネクタケ
ース41は、コネクタケース挿入孔40に挿入される挿
入部41aと、挿入部41aの上部に一体に形成された
取付フランジ41bと、取付フランジ41bの上部に一
体に形成されて他のコネクタ(図示せず)が嵌合するコ
ネクタ嵌合部41cとを備える。コネクタケース41の
中心には金属線材よりなる第2導電体42が一体にモー
ルドされており、その一端は挿入部41aの下端に形成
された凹部41d内にピン状に突出して前記第1導電体
39の他端に同軸に対向する。前記凹部41d内に収納
されたバネ板よりなる一対の第3導電体43,43の上
端は第2導電体42を挟むように係合して溶接W2によ
り固定される。また一対の第3導電体43,43の下端
のバネ部は、コネクタケース41の挿入部41aをコネ
クタケース挿入孔40に挿入したときに、第1導電体3
9を挟むように係合して電気的に導通する。
【0034】コネクタ36Lをハウジング20に取り付
けた状態で、同軸上に対向する第1導電体39の先端お
よび第2導電体42の先端間に隙間αが形成されてい
る。これにより、組付誤差により第1導電体39および
第2導電体42の先端が干渉してしまい、コネクタケー
ス挿入孔40へのコネクタケース41のスムーズな挿入
が妨げられるのを防止することができる。
【0035】コネクタケース挿入孔40に挿入部41a
を挿入されたコネクタケース41は、その取付フランジ
41bを貫通する複数本のボルト(図示せず)でハウジ
ング20に固定される。この状態で、取付フランジ41
bの下面に形成した環状溝41eに嵌合するOリング4
4でハウジング20との間がシールされ、また挿入部4
1aの外周面に形成した環状溝41fに嵌合するOリン
グ45でコネクタケース挿入孔40との間がシールされ
るので、ハウジング20内のオイルが外部に漏出した
り、外部の塵埃や水がハウジング内に進入したりするこ
とがない。更に第1導電体39を一体にモールドしたコ
イル収納ケース37の外周とコア21Lの開口部との間
がOリング46でシールされるので、ハウジング20内
のオイルがコイル22L内に流入することがない。
【0036】而して、電子制御ユニットUからの指令で
左電磁クラッチCLを締結すべくコイル22Lに給電す
ると、図4に破線で示すように、磁性材のコア21Lお
よびアマチュア23Lよりなる閉じた磁路に沿って磁束
が形成され、アマチュア23Lがコイル22Lに向けて
図中左方向に吸引される。するとアマチュア23Lに接
続された伝達部材25Lが左方向に移動し、伝達部材2
5Lに設けたプレッシャプレート25bとストッパプレ
ート28Lとの間にクラッチプレート27L…およびク
ラッチディスク33L…が挟まれる。その結果、ハウジ
ング20にスプライン嵌合S1するクラッチプレート2
7L…と、ガイド部32Lにスプライン嵌合S2するク
ラッチディスク33L…とが一体化され、ガイド部32
Lを支持するスリーブ31がハウジング20に結合され
る。
【0037】同様にして、電子制御ユニットUからの指
令で右電磁クラッチCRを締結すべくコイル22Rに給
電すると、図4に破線で示すように、磁性材のコア21
Rおよびアマチュア23Rよりなる閉じた磁路に沿って
磁束が形成され、アマチュア23Rがコイル22Rに向
けて右方向に吸引される。するとアマチュア23Rに接
続された伝達部材25Rが右方向に移動し、伝達部材2
5Rに設けたプレッシャプレート25bとストッパプレ
ート28Rとの間にクラッチプレート27R…およびク
ラッチディスク33R…が挟まれる。その結果、ハウジ
ング20にスプライン嵌合S1するクラッチプレート2
7R…と、ガイド部32Rにスプライン嵌合S2するク
ラッチディスク33R…とが一体化され、ガイド部32
Rを支持するキャリヤ部材11がハウジング20に結合
される。
【0038】このように、左右のアマチュア23L,2
3Rを、コイル22L,22Rを挟んでクラッチプレー
ト27L…,27R…およびクラッチディスク33L
…,33R…の反対側に配置したので、コア21L,2
1Rおよびアマチュア23L,23Rを通る磁路の長さ
を最小限に抑えることができる。しかも前記磁路に介在
するエアギャップは、コア21L,21Rおよびアマチ
ュア23L,23R間のエアギャップだけに抑えられる
ため、磁気回路の効率が高められる。これにより、コイ
ル22L,22Rを大型化することなく、またコイル2
2L,22Rの消費電力を節減しながら、コイル22
L,22Rでアマチュア23L,23Rを確実に吸引し
て左右の電磁クラッチCL,CRを確実に締結すること
ができる。
【0039】更に、左右の電磁クラッチCL,CRのコ
イル22L,22Rが発生する磁束がクラッチプレート
27L…,27R…およびクラッチディスク33L…,
33R…を通過しないので、クラッチディスク33L
…,33R…にフェーシング33a…を設けることが可
能となり、これによりクラッチプレート27L…,27
R…およびクラッチディスク33L…,33R…が金属
どうしの接触となるのを回避し、クラッチジャダーの発
生や焼き付きの発生を効果的に防止することができる。
【0040】ハウジング20内のコイル22L,22R
に対する配線を行うべく、ハウジング20の外部からコ
ネクタケース挿入孔40にコネクタ36L,36Rのコ
ネクタケース41の挿入部41aを挿入すると、コイル
22L,22R側の第1導電体39がコネクタ36L,
36R側の第2導電体42に該第2導電体42に固定し
た第3導電体43を介して電気的に接続され、コイル2
2L,22Rに対する配線を極めて簡単に完了すること
ができる。従って、雌コネクタを構成するコネクタ36
L,36Rのコネクタ嵌合部41cに他の雄コネクタを
結合するだけで、ハウジング20内のコイル22L,2
2Rに対する通電が可能になる。
【0041】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行う
ことが可能である。
【0042】例えば、実施例では駆動力配分装置T用の
電磁クラッチCL,CRを例示したが、本発明は他の任
意の用途の電磁クラッチに対して適用することができ
る。また実施例では第3導電体43を第2導電体42側
に設けているが、それを第1導電体39側に設けても良
く、また第3導電体43を使用せずに第1導電体39お
よび第2導電体42を直接接続しても良い。
【0043】
【発明の効果】以上のように請求項1に記載された発明
によれば、ハウジングに形成したコネクタケース挿入孔
の底部に電磁クラッチのコイルに連なる第1導電体の露
出させ、コネクタケース挿入孔に挿入されるコネクタケ
ースから第2導電体を露出させたので、コネクタケース
を外部からコネクタケース挿入孔に挿入するだけで前記
第1導電体および第2導電体を電気的に接続することが
可能となり、ハウジング内に収納されたコイルに電力を
供給するための配線を短時間で容易に行うことができ
る。
【0044】また請求項2に記載された発明によれば、
コネクタケースをコネクタケース挿入孔に挿入したとき
に、ピン状の第1、第2導電体は先端間に間隙を存して
同軸に対向した状態でバネ板から構成された第3導電体
を介して相互に電気的に接続するので、組付誤差により
第1、第2導電体の先端が相互に干渉してコネクタケー
スのスムーズな挿入が妨げられることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】駆動力配分装置の構造を示す図
【図2】中低車速域での右旋回時における駆動力配分装
置の作用を示す図
【図3】中低車速域での左旋回時における駆動力配分装
置の作用を示す図
【図4】図1の要部拡大図
【図5】図4の5−5線断面図
【図6】図4の6−6線断面図
【図7】図4の要部拡大図
【符号の説明】
CL 左電磁クラッチ(電磁クラッチ) CR 右電磁クラッチ(電磁クラッチ) 20 ハウジング 22L コイル 22R コイル 37 コイル収納ケース 39 第1導電体 40 コネクタケース挿入孔 41 コネクタケース 42 第2導電体 43 第3導電体 α 間隙

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジング(20)内に収納された電磁
    クラッチ(CL,CR)のコイル(22L,22R)に
    電力を供給するための電磁クラッチの配線構造におい
    て、 コイル(22L,22R)を収納するコイル収納ケース
    (37)内に一体にモールドされた第1導電体(39)
    の先端部をハウジング(20)に形成したコネクタケー
    ス挿入孔(40)の底部に露出させるとともに、コネク
    タケース(41)の内部に一体にモールドした第2導電
    体(42)の先端部を該コネクタケース(41)から露
    出させ、コネクタケース(41)をコネクタケース挿入
    孔(40)に外部から挿入することにより第1導電体
    (39)および第2導電体(42)を電気的に接続させ
    ることを特徴とする電磁クラッチの配線構造。
  2. 【請求項2】 第1、第2導電体(39,42)は、コ
    ネクタケース(41)をコネクタケース挿入孔(40)
    に挿入した状態で、それらの先端間に間隙(α)を存し
    て同軸に対向する一対のピンから構成されており、第
    1、第2導電体(39,42)はその一方に固定されて
    他方に着脱自在に嵌合するバネ板から構成された第3導
    電体(43)を介して相互に電気的に接続されることを
    特徴とする、請求項1に記載の電磁クラッチの配線構
    造。
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