JP2004330973A - 車両用駆動力配分装置 - Google Patents

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昌克 堀
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    • F16H48/30Arrangements for suppressing or influencing the differential action, e.g. locking devices using externally-actuatable means

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Abstract

【課題】エンジンのトルクを左右の駆動輪に配分する2個のクラッチのレイアウトを工夫することで駆動力配分装置の軸方向寸法の小型化を図る。
【解決手段】駆動力配分装置Tは、左右の前輪WFL,WFRにそれぞれ接続された左右の出力軸9L,9RにエンジンEのトルクを配分する差動装置Dと、左右の出力軸9L,9R間で相互にトルクを伝達するトルク伝達手段10とを備える。右出力軸9Rの軸線L1上に配置したトルク伝達手段10を作動させる左右の電磁クラッチCL,CRを、前記軸線L1と平行な軸線L2上に配置することで、トルク伝達手段10のキャリヤ部材11および3連ピニオン16に対して左右の電磁クラッチCL,CRを直列に配置する場合に比べて、トルク伝達手段10の軸方向寸法を小型化し、ひいては駆動力配分装置Tの軸方向寸法を小型化してレイアウトの自由度を高めることができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、左右の駆動輪にそれぞれ接続された左右の出力軸にエンジンのトルクを配分する遊星歯車機構と、左右の出力軸間で相互にトルクを伝達するトルク伝達手段とを備えた車両用駆動力配分装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
遊星歯車機構およびトルク伝達手段を備えた駆動力配分装置を介してエンジンのトルクを左右の駆動輪に配分可能にし、旋回外輪に配分するトルクを増加させて旋回内輪に配分するトルクを減少させることにより、旋回方向のヨーモーメントを発生させて旋回性能を高める技術は公知である。かかる駆動力配分装置において、トルク伝達手段が2個のクラッチを備えるものが、下記特許文献により公知である。
【0003】
【特許文献】
特開2000−211259号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記特許文献に記載されたものは、遊星歯車機構およびトルク伝達手段が軸線方向に直列に配置されており、かつトルク伝達手段の内部で3連ピニオン部材およびキャリヤ部材に対して2個のクラッチが軸線方向に直列に配置されているため、駆動力配分装置の軸方向寸法が大型化することが避けられず、これを狭いエンジンルームに搭載する際の制約が大きくなる問題があった。
【0005】
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、エンジンのトルクを左右の駆動輪に配分する2個のクラッチのレイアウトを工夫することで駆動力配分装置の軸方向寸法の小型化を図ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、左右の駆動輪にそれぞれ接続された左右の出力軸にエンジンのトルクを配分する遊星歯車機構と、左右の出力軸間で相互にトルクを伝達するトルク伝達手段とを備えた車両用駆動力配分装置であって、前記トルク伝達手段が、一方の出力軸まわりに回転可能に支持されたキャリヤ部材と、相互に異なるピッチ円を有する第1ピニオン、第2ピニオンおよび第3ピニオンを相互に相対回転不能に備えてキャリヤ部材に回転可能に支持された3連ピニオン部材とを備え、第1ピニオンが他方の出力軸に連結され、第2ピニオンが一方の出力軸に連結され、第3ピニオンがトルク伝達手段のハウジングに第1クラッチを介して連結され、キャリヤ部材が前記ハウジングに第2クラッチを介して連結される車両用駆動力配分装置において、トルク伝達手段のハウジング内に一方の出力軸の軸線と平行な軸線を有する第1、第2支持軸を配置し、第1支持軸上に第3ピニオンと連動して回転する第1従動ギヤと、この第1従動ギヤを前記ハウジングに連結する第1クラッチとを配置するとともに、第2支持軸上にキャリヤ部材と連動して回転する第2従動ギヤと、この第2従動ギヤを前記ハウジングに連結する第2クラッチとを配置したことを特徴とする車両用駆動力配分装置が提案される。
【0007】
上記構成によれば、一方の出力軸の軸線上にトルク伝達手段のキャリヤ部材および3連ピニオン部材を配置し、第3ピニオンと連動して回転する第1従動ギヤをハウジングに連結する第1クラッチと、キャリヤ部材をハウジングに連結する第2クラッチとを前記軸線と平行な軸線上に配置したので、キャリヤ部材および3連ピニオン部材に対して第1、第2クラッチを径方向に重ねて配置することが可能となり、キャリヤ部材および3連ピニオン部材に対して第1、第2クラッチを直列に配置する場合に比べて、トルク伝達手段の軸方向寸法を小型化し、ひいては駆動力配分装置の軸方向寸法を小型化してレイアウトの自由度を高めることができる。
【0008】
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、第1、第2支持軸の軸線が共通であることを特徴とする車両用駆動力配分装置が提案される。
【0009】
上記構成によれば、第1、第2支持軸の軸線を共通にして第1、第2クラッチを同軸に配置したので、一方の出力軸の軸線に関して第1、第2クラッチを円周方向の同じ位置に突出させ、駆動力配分装置のレイアウトを更に容易化することができる。
【0010】
また請求項3に記載された発明によれば、請求項1または請求項2の構成に加えて、第3ピニオンと第1従動ギヤとの間に、一方の出力軸の軸線上に配置した中間ギヤを介在させたことを特徴とする車両用駆動力配分装置が提案される。
【0011】
上記構成によれば、一方の出力軸の軸線上に配置した中間ギヤで第3ピニオンおよび第1従動ギヤを連結したので、最小の部品点数で第3ピニオンの回転を第1従動ギヤにスムーズに伝達することができる。
【0012】
また請求項4に記載された発明によれば、請求項1または請求項2の構成に加えて、キャリヤ部材に設けた駆動ギヤを第2従動ギヤに直接噛み合わせたことを特徴とする車両用駆動力配分装置が提案される。
【0013】
上記構成によれば、キャリヤ部材に設けた駆動ギヤを第2従動ギヤに直接噛み合わせたので、キャリヤ部材の回転を最短の経路で第2従動ギヤに伝達することができる。
【0014】
尚、実施例の右電磁クラッチCRは本発明の第1クラッチに対応し、実施例の左電磁クラッチCLは本発明の第2クラッチに対応し、実施例の差動装置Dは本発明の遊星歯車機構に対応し、実施例の左右の前輪WFL,WFRは本発明の左右の駆動輪に対応し、実施例の右出力軸9Rは本発明の一方の出力軸に対応し、実施例の左出力軸9Lは本発明の他方の出力軸に対応する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0016】
図1〜図6は本発明の一実施例を示すもので、図1は駆動力配分装置の構造を示す図、図2は図1の2部拡大図、図3は図2の3部拡大図、図4は図2の4部拡大図、図5は中低車速域での左旋回時における駆動力配分装置の作用を示す図、図6は中低車速域での右旋回時における駆動力配分装置の作用を示す図である。
【0017】
図1に示すように、フロントエンジン・フロントドライブの車両の車体前部に横置きに搭載したエンジンEの左端にトランスミッションMが接続されており、これらエンジンEおよびトランスミッションMの後部に駆動力配分装置Tが配置される。駆動力配分装置Tの左端および右端から左右に延びる左ドライブシャフトALおよび右ドライブシャフトARには、それぞれ左前輪WFLおよび右前輪WFRが接続される。
【0018】
駆動力配分装置Tは、トランスミッションMから延びる入力軸1に設けた入力ギヤ2に噛み合う外歯ギヤ3から駆動力が伝達される差動装置Dを備える。差動装置Dはダブルピニオン式の遊星歯車機構よりなり、前記外歯ギヤ3と一体に形成されたリングギヤ4と、このリングギヤ4の内部に同軸に配設されたサンギヤ5と、前記リングギヤ4に噛み合うアウタプラネタリギヤ6および前記サンギヤ5に噛み合うインナプラネタリギヤ7を、それらが相互に噛み合う状態で支持するプラネタリキャリヤ8とから構成される。差動装置Dは、そのリングギヤ4が入力要素として機能するとともに、一方の出力要素として機能するサンギヤ5が軸線L1上に配置された右出力軸9Rを介して右前輪WFRに接続され、また他方の出力要素として機能するプラネタリキャリヤ8が前記軸線L1上に配置された左出力軸9Lを介して左前輪WFLに接続される。右出力軸9Rは左半部9Raおよび右半部9Rbに分割されてスプライン結合S1される(図2参照)。
【0019】
駆動力配分装置Tは、左右の前輪WFL,WFR間でトルク伝達するトルク伝達手段10を備える。トルク伝達手段10のキャリヤ部材11は右出力軸9Rの右半部9Rbの外周に回転自在に支持されており、円周方向に90°間隔で配置された4本のピニオン軸12の各々に、第1ピニオン13、第2ピニオン14および第3ピニオン15を一体に形成した3連ピニオン部材16が回転自在に支持される。
【0020】
右出力軸9Rの右半部9Rbの外周に回転自在に支持されて前記第1ピニオン13に噛み合う第1サンギヤ17は、差動装置Dのプラネタリキャリヤ8に連結される。また右出力軸9Rの右半部9Rbの外周に固定された第2サンギヤ18は前記第2ピニオン14に噛み合う。更に右出力軸9Rの右半部9Rb外周に回転自在に支持された第3サンギヤ19は前記第3ピニオン15に噛み合う。
【0021】
実施例における第1ピニオン13、第2ピニオン14、第3ピニオン15、第1サンギヤ17、第2サンギヤ18および第3サンギヤ19の歯数は以下のとおりである。
【0022】
第1ピニオン13の歯数 Zb=17
第2ピニオン14の歯数 Zd=17
第3ピニオン15の歯数 Zf=34
第1サンギヤ17の歯数 Za=32
第2サンギヤ18の歯数 Zc=28
第3サンギヤ19の歯数 Ze=32
第3サンギヤ19は右電磁クラッチCRを介してトルク伝達手段10のハウジング20に結合可能であり、右電磁クラッチCRの係合によってキャリヤ部材11の回転数が増速される。またキャリヤ部材11は左電磁クラッチCLを介してハウジング20に結合可能であり、左電磁クラッチCLの係合によってキャリヤ部材11の回転数が減速される。そして前記左電磁クラッチCLおよび右電磁クラッチCRは、マイクロコンピュータを含む電子制御ユニットUにより制御される。
【0023】
電子制御ユニットUは、エンジントルクTe、エンジン回転数Ne、車速Vおよび操舵角θを所定のプログラムに基づいて演算処理し、前記左電磁クラッチCLおよび右電磁クラッチCRを制御する。
【0024】
次に、図2および図3に基づいて差動装置Dおよびトルク伝達手段10の構造を更に詳細に説明する。
【0025】
遊星歯車機構よりなる差動装置Dのリングギヤ4および外歯ギヤ3は、左側板36および右側板37に挟まれて複数本のボルト38で固定される。右側板37に形成した筒状の支持部37aが、差動装置Dのケーシングを兼ねるトルクコンバータケース39にローラベアリング40を介して支持され、かつ左側板36に形成した支持部36aの外周がローラベアリング35を介してトルクコンバータケース39に支持されるとともに、前記支持部36aの内周に左出力軸9Lの外周が相対回転自在に嵌合する。プラネタリキャリヤ8は左側板41および右側板42を複数本のボルト43で結合してなり、左側板41に形成した結合部41aに左出力軸9Lがスプライン結合S2される。右出力軸9Rの左半部9Raの外周に隙間を存して嵌合する筒状のスリーブ44は、その左端がプラネタリキャリヤ8の右側板42の結合部42aにスプライン結合S3される。右出力軸9Rの右半部9Rbの外周にニードルベアリング45を介して支持された筒状のスリーブ46は、その左端がスリーブ44の右端にスプライン結合S4され、スリーブ46の右端は3連ピニオン部材16の第1サンギヤ17にスプライン結合S5される。サンギヤ5は左側板41の結合部41aの外周にニードルベアリング47を介して相対回転自在に支持されており、その右端に一体に形成した結合部5aに右出力軸9Rの左半部9Raの左端がスプライン結合S6される。
【0026】
トルク伝達手段10のハウジング20は右ハウジング61と、中央ハウジング62と、左ハウジング63とを結合してなり、左ハウジング63にボールベアリング47を介してスリーブ46が支持されるとともに、右ハウジング61にボールベアリング48を介して右出力軸9Rの右半部9Rbが支持される。そして中央ハウジング62に一対のボールベアリング49,50を介してトルク伝達手段10のキャリヤ部材11が支持される。3連ピニオン部材16の第2サンギヤ18は右出力軸9Rの右半部9Rbの外周にスプライン結合S7され、3連ピニオン部材16の第3サンギヤ19は、右出力軸9Rの右半部9Rbの外周にニードルベアリング51を介して支持されたスリーブ31に一体に形成される。
【0027】
次に、図2および図4に基づいて左右の電磁クラッチCL,CRの構造を説明する。
【0028】
右ハウジング61の内面に一体に形成した第1支持軸61aの外周にボールベアリング64,64を介して第1従動ギヤ65が回転自在に支持されており、この第1従動ギヤ65がスリーブ31に一体に形成した中間ギヤ66に噛み合う。また左ハウジング63の内面に一体に形成した第2支持軸63aの外周にボールベアリング67,67を介して第2従動ギヤ68が回転自在に支持されており、この第2従動ギヤ68がキャリヤ部材11に一体に形成した駆動ギヤ69に噛み合う。第1、第2支持軸61a,63aは、軸線L1と平行な共通の軸線L2上に配置される。
【0029】
ハウジング20の内部に配置された左右の電磁クラッチCL,CRは軸線L2に直交する対称面Pに関して実質的に左右対称な構造を有しているため、その代表として右電磁クラッチCRの構造を説明する。左電磁クラッチCLの構成要素の符号は、右電磁クラッチCRの構成要素の符号の添字「R」を「L」に変えたものである。
【0030】
アルミ合金等の非磁性材で形成されたハウジング20の内部に収納された右電磁クラッチCRは、磁性材で形成されたコア21Rを備える。コア21Rは中央ハウジング62の内周面に回転不能かつ軸線L2方向に移動不能に固定されており、このコア21Rの内部に励磁コイル22Rが収納されるとともに、この励磁コイル22Rの左側に対峙するように磁性材で環状に形成されたアマチュア23Rが左右移動自在に配置される。アマチュア23Rから右側に突出する伝達部材24Rのフランジ24aが、スラストベアリング25Rを介して第1従動ギヤ65の左端面に当接する。
【0031】
コア21Rの吸着面21aおよびアマチュア23Rの被吸着面23aは軸線L2を中心とする円錐面として構成されており、アマチュア23RのストロークSに対してエアギャップαが小さくなるように構成されている。従って、右電磁クラッチCRに供給する電流を増加させることなく、アマチュア23Rを強力に吸着して係合応答性を高めることができる。
【0032】
右ハウジング61の内周面に形成したガイド部61bに複数のクラッチプレート26R…が回転不能かつ軸方向移動可能に嵌合するとともに、第1従動ギヤ65の右側面に形成したガイド部65aに複数のクラッチディスク27R…が回転不能かつ軸方向移動可能に嵌合し、これらのクラッチプレート26R…およびクラッチディスク27R…は相互に当接可能に重ね合わされる。最右端のクラッチプレート26Rは右ハウジング61の内面に対向し、最左端のクラッチディスク27Rは第1従動ギヤ65の右側面から突出する押圧部65bに対向する。
【0033】
しかして、電子制御ユニットUからの指令で右電磁クラッチCRを締結すべく励磁コイル22Rに給電すると、磁性材のコア21Rおよびアマチュア23Rよりなる閉じた磁路に沿って磁束が形成され、アマチュア23Rが励磁コイル22Rに向けて図中右方向に吸引される。するとアマチュア23Rに接続された伝達部材24Rが右方向に移動し、伝達部材24Rに設けたフランジ24aが第1従動ギヤ65を右側に押圧することで、第1従動ギヤ65の押圧部65bと右ハウジング61との間にクラッチプレート26R…およびクラッチディスク27R…が挟まれる。その結果、右ハウジング61に第1従動ギヤ65が結合されることで、第1従動ギヤ65に中間ギヤ66を介して接続されたスリーブ31が右ハウジング61に結合される。
【0034】
同様にして、電子制御ユニットUからの指令で左電磁クラッチCLを締結すべく励磁コイル22Lに給電すると、磁性材のコア21Lおよびアマチュア23Lよりなる閉じた磁路に沿って磁束が形成され、アマチュア23Lが励磁コイル22Lに向けて左方向に吸引される。するとアマチュア23Lに接続された伝達部材24Lが左方向に移動し、伝達部材24Lに設けたフランジ24aが第2従動ギヤ68を左側に押圧することで、第2従動ギヤ68の押圧部68bと左ハウジング63との間にクラッチプレート26L…およびクラッチディスク27L…が挟まれる。その結果、左ハウジング63に第2従動ギヤ68が結合されることで、第2従動ギヤ68に駆動ギヤ69を介して接続されたキャリヤ部材1が左ハウジング63に結合される。
【0035】
上記構成の駆動力配分装置Tにより、図5に示すように車両の中低車速域での左旋回時には、電子制御ユニットUからの指令で左電磁クラッチCLを締結すべくコイル22Lに給電すると、キャリヤ部材11が左ハウジング63に結合されて回転を停止する。このとき、右前輪WFRと一体の右出力軸9Rと、左前輪WFLと一体の左出力軸9L(即ち、差動装置Dのプラネタリキャリヤ8)とは、第2サンギヤ18、第2ピニオン14、第1ピニオン13および第1サンギヤ17を介して連結されているため、右前輪WFRの回転数NRは左前輪WFLの回転数NLに対して次式の関係で増速される。
【0036】
Figure 2004330973
上述のようにして右前輪WFRの回転数NRが左前輪WFLの回転数NLに対して増速されると、図5に斜線を施した矢印で示したように、旋回内輪である左前輪WFLのトルクの一部を旋回外輪である右前輪WFRに伝達し、車両の左旋回をアシストして旋回性能を高めることができる。
【0037】
尚、キャリヤ部材11を左電磁クラッチCLにより停止させる代わりに、左電磁クラッチCLの締結力を適宜調整してキャリヤ部材11の回転数を減速すれば、その減速に応じて右前輪WFRの回転数NRを左前輪WFLの回転数NLに対して増速し、旋回内輪である左前輪WFLから旋回外輪である右前輪WFRに任意のトルクを伝達することができる。
【0038】
一方、図6に示すように車両の中低車速域での右旋回時には、電子制御ユニットUからの指令により右電磁クラッチCRを締結すべくコイル22Rに給電すると、スリーブ31が右ハウジング61に結合されて回転を停止する。その結果、スリーブ31に第3サンギヤ19を介して接続された第3ピニオン15も回転を停止するため、右出力軸9Rの回転数に対してキャリヤ部材11の回転数が増速され、左前輪WFLの回転数NLは右前輪WFRの回転数NRに対して次式の関係で増速される。
【0039】
Figure 2004330973
上述のようにして左前輪WFLの回転数NLが右前輪WFRの回転数NRに対して増速されると、図6に斜線を施した矢印で示したように、旋回内輪である右前輪WFRのトルクの一部を旋回外輪である左前輪WFLに伝達することができる。この場合にも、右電磁クラッチCRの締結力を適宜調整してキャリヤ部材11の回転数を増速すれば、その増速に応じて左前輪WFLの回転数NLを右前輪WFRの回転数NRに対して増速し、旋回内輪である右前輪WFRから旋回外輪である左前輪WFLに任意のトルクを伝達し、車両の右旋回をアシストして旋回性能を高めることができる。
【0040】
この場合にも、スリーブ31を右電磁クラッチCRにより停止させる代わりに、右電磁クラッチCRの締結力を適宜調整してスリーブ31の回転数を減速すれば、その減速に応じて左前輪WFLの回転数NLを右前輪WFRの回転数NRに対して増速し、旋回内輪である右前輪WFRから旋回外輪である左前輪WFLに任意のトルクを伝達することができる。
【0041】
(1)式および(2)式を比較すると明らかなように、第1ピニオン13、第2ピニオン14、第3ピニオン15、第1サンギヤ17、第2サンギヤ18および第3サンギヤ19の歯数を前述の如く設定したことにより、左前輪WFLから右前輪WFRへの増速率(約1.143)と、右前輪WFRから左前輪WFLへの増速率(約1.167)とを略等しくすることができる。
【0042】
以上のように、トルク伝達手段10の3連ピニオン部材16およびキャリヤ部材11に対して、右電磁クラッチCRおよび左電磁クラッチCLを右出力軸9Rの軸線L1の径方向外側に配置したので、それらを軸線L1方向に直列に配置する場合に比べて、トルク伝達手段10の軸線L1方向の寸法を小型化することができ、狭いエンジンルームへの駆動力配分装置Tのレイアウトが容易になる。しかも右電磁クラッチCRおよび左電磁クラッチCLが軸線L2を共有しているので、右出力軸9Rの軸線L1に関して右電磁クラッチCRおよび左電磁クラッチCLが円周方向の同じ位置に突出するようになり、駆動力配分装置Tのレイアウトが更に容易になる。
【0043】
また第3ピニオン15と第1従動ギヤ65とを、右出力軸9Rの軸線L1上に配置した中間ギヤ66を介して接続したので、最小の部品点数で第3ピニオン15の回転を第1従動ギヤ65にスムーズに伝達することができる。更に、キャリヤ部材11に設けた駆動ギヤ69を第2従動ギヤ68に直接噛み合わせたので、キャリヤ部材11の回転を最短の経路で第2従動ギヤ68に伝達することができる。
【0044】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
【0045】
例えば、実施例では右電磁クラッチCRおよび左電磁クラッチCLが軸線L2を共有しているが、右電磁クラッチCRおよび左電磁クラッチCLを右出力軸9Rの軸線L1に関して円周方向にずらしても良い。
【0046】
また右電磁クラッチCRおよび左電磁クラッチCLを油圧クラッチで置き換えることができる。
【0047】
【発明の効果】
以上のように請求項1に記載された発明によれば、一方の出力軸の軸線上にトルク伝達手段のキャリヤ部材および3連ピニオン部材を配置し、第3ピニオンと連動して回転する第1従動ギヤをハウジングに連結する第1クラッチと、キャリヤ部材をハウジングに連結する第2クラッチとを前記軸線と平行な軸線上に配置したので、キャリヤ部材および3連ピニオン部材に対して第1、第2クラッチを径方向に重ねて配置することが可能となり、キャリヤ部材および3連ピニオン部材に対して第1、第2クラッチを直列に配置する場合に比べて、トルク伝達手段の軸方向寸法を小型化し、ひいては駆動力配分装置の軸方向寸法を小型化してレイアウトの自由度を高めることができる。
【0048】
また請求項2に記載された発明によれば、第1、第2支持軸の軸線を共通にして第1、第2クラッチを同軸に配置したので、一方の出力軸の軸線に関して第1、第2クラッチを円周方向の同じ位置に突出させ、駆動力配分装置のレイアウトを更に容易化することができる。
【0049】
また請求項3に記載された発明によれば、一方の出力軸の軸線上に配置した中間ギヤで第3ピニオンおよび第1従動ギヤを連結したので、最小の部品点数で第3ピニオンの回転を第1従動ギヤにスムーズに伝達することができる。
【0050】
また請求項4に記載された発明によれば、キャリヤ部材に設けた駆動ギヤを第2従動ギヤに直接噛み合わせたので、キャリヤ部材の回転を最短の経路で第2従動ギヤに伝達することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】駆動力配分装置の構造を示す図
【図2】図1の2部拡大図
【図3】図2の3部拡大図
【図4】図2の4部拡大図
【図5】中低車速域での左旋回時における駆動力配分装置の作用を示す図
【図6】中低車速域での右旋回時における駆動力配分装置の作用を示す図
【符号の説明】
CR 右電磁クラッチ(第1クラッチ)
CL 左電磁クラッチ(第2クラッチ)
D 差動装置(遊星歯車機構)
E エンジン
L1 軸線
L2 軸線
WFR 右前輪(右駆動輪)
WFL 左前輪(左駆動輪)
9R 右出力軸(一方の出力軸)
9L 左出力軸(他方の出力軸)
10 トルク伝達手段
11 キャリヤ部材
13 第1ピニオン
14 第2ピニオン
15 第3ピニオン
16 3連ピニオン部材
20 ハウジング
61a 第1支持軸
63a 第2支持軸
65 第1従動ギヤ
66 中間ギヤ
68 第2従動ギヤ
69 駆動ギヤ

Claims (4)

  1. 左右の駆動輪(WFL,WFR)にそれぞれ接続された左右の出力軸(9L,9R)にエンジン(E)のトルクを配分する遊星歯車機構(D)と、左右の出力軸(9L,9R)間で相互にトルクを伝達するトルク伝達手段(10)とを備えた車両用駆動力配分装置であって、
    前記トルク伝達手段(10)が、
    一方の出力軸(9R)まわりに回転可能に支持されたキャリヤ部材(11)と、相互に異なるピッチ円を有する第1ピニオン(13)、第2ピニオン(14)および第3ピニオン(15)を相互に相対回転不能に備えてキャリヤ部材(11)に回転可能に支持された3連ピニオン部材(16)とを備え、
    第1ピニオン(13)が他方の出力軸(9L)に連結され、第2ピニオン(14)が一方の出力軸(9R)に連結され、第3ピニオン(15)がトルク伝達手段(10)のハウジング(20)に第1クラッチ(CR)を介して連結され、キャリヤ部材(11)が前記ハウジング(20)に第2クラッチ(CL)を介して連結される車両用駆動力配分装置において、
    トルク伝達手段(10)のハウジング(20)内に一方の出力軸(9R)の軸線(L1)と平行な軸線(L2)を有する第1、第2支持軸(61a,63a)を配置し、第1支持軸(61a)上に第3ピニオン(15)と連動して回転する第1従動ギヤ(65)と、この第1従動ギヤ(65)を前記ハウジング(20)に連結する第1クラッチ(CR)とを配置するとともに、第2支持軸(63a)上にキャリヤ部材(11)と連動して回転する第2従動ギヤ(68)と、この第2従動ギヤ(68)を前記ハウジング(20)に連結する第2クラッチ(CL)とを配置したことを特徴とする車両用駆動力配分装置。
  2. 第1、第2支持軸(61a,63a)の軸線(L2)が共通であることを特徴とする、請求項1に記載の車両用駆動力配分装置。
  3. 第3ピニオン(15)と第1従動ギヤ(65)との間に、一方の出力軸(9R)の軸線(L1)上に配置した中間ギヤ(66)を介在させたことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の車両用駆動力配分装置。
  4. キャリヤ部材(11)に設けた駆動ギヤ(69)を第2従動ギヤ(68)に直接噛み合わせたことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の車両用駆動力配分装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104670010A (zh) * 2015-02-11 2015-06-03 吉林大学 一种具备转矩定向分配功能的电动主动正齿轮差速器
JP2021038785A (ja) * 2019-09-03 2021-03-11 トヨタ自動車株式会社 トルクベクタリング装置

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