JP2001260680A - カップリング及びデファレンシャル装置 - Google Patents

カップリング及びデファレンシャル装置

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JP2001260680A
JP2001260680A JP2000078767A JP2000078767A JP2001260680A JP 2001260680 A JP2001260680 A JP 2001260680A JP 2000078767 A JP2000078767 A JP 2000078767A JP 2000078767 A JP2000078767 A JP 2000078767A JP 2001260680 A JP2001260680 A JP 2001260680A
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JP
Japan
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differential
clutch
coupling
lock
electromagnet
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JP2000078767A
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Yasuhiko Ishikawa
泰彦 石川
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GKN Driveline Japan Ltd
Original Assignee
Tochigi Fuji Sangyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軽量、コンパクトに構成しながら、差動ロッ
ク機能を得る。 【解決手段】 エンジンによって回転駆動されるデフケ
ース3の回転を一対の出力軸を介して車輪側に配分する
差動機構5と、差動機構5の差動回転を制限する電磁式
の差動制限機構7とを備え、出力軸221とデフケース
3との間に、これらを相対回転不能に連結するロックア
ップ機構9を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電磁式のカップ
リングと、電磁式の差動制限機構を備えたデファレンシ
ャル装置に関する。
【0002】
【従来の技術】「ガイア新型車解説書 0ー22頁、ト
ヨタ自動車株式会社 編集、同サービス部 発行、19
98年 5月 29日」に図4のような電磁式のカップ
リング301が記載されている。
【0003】カップリング301は4輪駆動車の後輪側
動力伝達系に配置されており、回転ケース303、ハブ
305、多板式のメインクラッチ307及びパイロット
クラッチ309、アーマチャ311、電磁石313、カ
ムリング315、ボールカム317、押圧部材319、
コントローラなどから構成されている。
【0004】回転ケース303はプロペラシャフトを介
してトランスファからトランスミッション側に連結され
ている。また、ハブ305にはドライブピニオンシャフ
ト321がスプライン連結されており、ドライブピニオ
ンシャフト321に一体形成されたドライブピニオンギ
ヤ323はリヤデフ(エンジンの駆動力を左右の後輪に
配分するデファレンシャル装置)側のリングギヤと噛み
合っている。
【0005】メインクラッチ307は回転ケース303
とハブ305との間に配置されており、パイロットクラ
ッチ309は回転ケース303とカムリング315との
間に配置されている。
【0006】ボールカム317はカムリング315と押
圧部材319との間に設けられており、押圧部材319
はスプライン部325によってハブ305に連結されて
いる。
【0007】コントローラは、電磁石313の励磁、励
磁電流の制御、励磁停止などを行う。
【0008】電磁石313はカップリング301のアク
チュエータであり、電磁石313が励磁されると、アー
マチャ311が吸引されてパイロットクラッチ309が
押圧され、パイロットクラッチ309が締結されると、
回転ケース303とハブ305の間の伝達トルクがボー
ルカム317に掛かり、生じたカムスラスト力により押
圧部材319を介してメインクラッチ307が押圧され
締結される。
【0009】カップリング301が連結されると、エン
ジンの駆動力が後輪に送られて車両は4輪駆動状態にな
り、悪路走破性、発進性、加速性、車体の安定性などが
向上する。
【0010】電磁石313の励磁電流を制御すると、パ
イロットクラッチ309の滑りによってボールカム31
7のカムスラスト力が変化し、メインクラッチ307の
連結力が変化して後輪に送られる駆動力が調整される。
【0011】電磁石313の励磁を停止すると、パイロ
ットクラッチ309が開放されてボールカム317のカ
ムスラスト力が消失し、メインクラッチ307が開放さ
れてカップリング301の連結が解除され、車両は2輪
駆動状態になる。
【0012】また、このカップリング301と類似した
構造の電磁式差動制限機構を備えたデファレンシャル装
置が知られており、このデファレンシャル装置では、電
磁石がパイロットクラッチを連結させると、カム機構が
差動トルクを受けて作動し差動制限用の摩擦式メインク
ラッチを締結させるように構成されており、電磁石の励
磁電流を制御することによって差動制限機能を高度に調
整できる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところが、カップリン
グ301や電磁式の差動制限機構を用いたデファレンシ
ャル装置では、アクチュエータに電磁石を用いたことに
よって、上記のように、トルク伝達特性や差動制限力の
高度な調整機能を備えている反面、カップリング301
で、ロック状態にして大きな駆動力を後輪に伝達した
り、デファレンシャル装置で差動をロックするために、
メインクラッチを完全にロック(締結)するためには、
電磁石やメインクラッチを大容量にする必要があり、各
装置が重くなる上に、大型になって周辺部材との干渉が
生じ、車載性が低下すると共に、電磁石の大型化に伴っ
てバッテリの負担が増加し、エンジンの燃費が低下する
という問題があった。
【0014】特に、車軸と同軸配置されるデファレンシ
ャル装置の場合、径方向の大型化はロードクリアランス
に直接影響するから、なるべく回避したいという要求が
ある。
【0015】また、装置の大型化は、レイアウトの自由
度と、周辺部材の設計上の自由度に影響を及ぼしてしま
う。
【0016】また、装置の大型化に伴って、これらを収
容するケーシングの大幅な変更が必要になることがあ
り、それだけコストが上昇する。
【0017】しかも、これらのカップリング301やデ
ファレンシャル装置は、一般に、電磁石を励磁して連結
状態や差動制限機能を保つように構成されているから、
ロック状態を長時間保つためには、バッテリに負担がか
かり、燃費に影響を与えてしまう上に、電磁石や摩擦ク
ラッチの耐久性にも影響を及ぼしてしまう。
【0018】そこで、この発明は、軽量、コンパクトに
構成されながら、トルク容量や差動制限力の高度な調整
機能に加えて、ロックアップ機能による充分なトルク容
量と差動ロック機能が得られるカップリングとデファレ
ンシャル装置の提供を目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のカップ
リングは、相対回転自在に配置されたケース状トルク伝
達部材及び軸状トルク伝達部材と、これらの間に配置さ
れた摩擦式のメインクラッチ及びパイロットクラッチ
と、該パイロットクラッチを断続制御する電磁石と、カ
ム機構とを備え、パイロットクラッチが連結されると両
トルク伝達部材間の伝達トルクを受けてカム機構が作動
しメインクラッチを締結させるカップリングにおいて、
両トルク伝達部材を相対回転不能に連結するロックアッ
プ機構を設けたことを特徴としている。
【0020】このように、パイロットクラッチは電磁石
によって断続制御され、パイロットクラッチが連結され
ると、伝達トルクを受けてカム機構が作動し、メインク
ラッチを押圧して締結させる。
【0021】このカップリングを、従来例のカップリン
グ301と同様に、4輪駆動車のトランスファと後輪と
の間に配置した場合、カップリングを連結するとエンジ
ンの駆動力が後輪に送られて車両は4輪駆動状態にな
る。
【0022】また、電磁石の励磁電流を制御すると、パ
イロットクラッチの滑りによってカム機構のカムスラス
ト力が変化し、メインクラッチの連結力が変化して後輪
の駆動力が調整され、車両の旋回性や旋回時の車体の安
定性が向上する。
【0023】また、パイロットクラッチを開放すると、
カム機構のカムスラスト力が消失し、メインクラッチが
開放されてカップリングの連結が解除され、車両は2輪
駆動状態になり、エンジンの燃費が向上する。
【0024】これに加えて、請求項1に記載のカップリ
ングは、両トルク伝達部材を相対回転不能に連結するロ
ックアップ機構を設けたことにより、充分なトルク容量
が得られると共に、このロックアップ機能と、上記のよ
うな電磁石による高度な伝達トルク調整機能の両方が得
られる。
【0025】そこで、このカップリングは、上記の例に
おいて、例えば、路面μ(路面の摩擦係数)が特に低い
ときのように、必要に応じロックアップ機構によって大
きな駆動力を後輪に送ることができるから、悪路走破
性、発進性、加速性、安定性などで充分な向上効果が得
られる。
【0026】また、ロックアップ機構を設けたことによ
って、電磁石とメインクラッチだけで両トルク伝達部材
をロックさせる必要がなくなるから、電磁石、メインク
ラッチ、パイロットクラッチ、カム機構の容量をそれぞ
れ小さくすることが可能になり、それだけカップリング
が軽量でコンパクトになる。
【0027】カップリングの軽量化とコンパクト化によ
って、車載性が向上すると共に、周辺部材との干渉が防
止されるから、カップリング及び周辺部材のレイアウト
と設計上の自由度が大幅に向上する。
【0028】また、コンパクト化によって、カップリン
グを収容するケーシングの変更が不要になり、ケーシン
グの変更に伴うコストの上昇が避けられる。
【0029】また、電磁石の小型化によってバッテリの
負担が軽減され、エンジンの燃費が向上する。
【0030】また、ロックアップ機構の作動中は、電磁
石の励磁を停止してパイロットクラッチとメインクラッ
チを開放し、カム機構を休止することができるから、そ
れだけバッテリの負担が軽減し、燃費がさらに向上する
上に、電磁石、メインクラッチ、パイロットクラッチ、
カム機構の耐久性が大幅に向上する。
【0031】また、ロックアップ機構の作動中も、メイ
ンクラッチを作動させるように構成すれば、ロックアッ
プ機構を、メインクラッチとパイロットクラッチとカム
機構の各容量とのバランスを考慮しながら、適度に小容
量に設定することができる。
【0032】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
のカップリングであって、ロックアップ機構が、ケース
状トルク伝達部材の軸方向端部側と軸状トルク伝達部材
との間に配置されていることを特徴とし、請求項1の構
成と同等の作用・効果を得ることができる。
【0033】これに加えて、ケース状トルク伝達部材の
軸方向端部側にロックアップ機構を設けたこの構造で
は、例えば、ボス状の小径部を軸方向端部側に形成し、
ロックアップ機構をこの小径部側に配置すれば、ロック
アップ機構を設けたことに伴うカップリングの大径化が
回避される。
【0034】従って、周辺部材などのレイアウトと設計
上の自由度が高く保たれると共に、カップリングの車載
時はロードクリアランスを広く保つことができる。
【0035】また、カップリングを収容するケーシング
の互換性も高く保たれ、ケーシングの変更に伴うコスト
上昇が防止される。
【0036】請求項3に記載のデファレンシャル装置
は、エンジンの駆動力によって回転駆動されるデフケー
スと、デフケースの回転を一対の出力軸を介して車輪側
に配分する差動機構と、差動機構の差動回転を制限する
摩擦クラッチを電磁石によって断続制御する電磁式の差
動制限機構とを備え、両出力軸の少なくとも一方とデフ
ケースとの間に、これらを相対回転不能に連結するロッ
クアップ機構を設けたことを特徴としている。
【0037】電磁石によって摩擦クラッチが連結される
と、その摩擦抵抗によって差動機構の差動回転が制限さ
れ、車両の悪路走破性、発進性、加速性、安定性などが
向上する。
【0038】電磁石の励磁電流を制御すると、摩擦クラ
ッチの滑りによって差動制限力が変化し、車両の旋回性
と旋回時の安定性を向上させることができる。
【0039】また、摩擦クラッチを開放すると差動制限
力が消失し、差動回転がフリーになる。
【0040】これに加えて、請求項3に記載のデファレ
ンシャル装置は、両出力軸(差動回転部材)の少なくと
も一方とデフケースとの間に、これらを相対回転不能に
連結するロックアップ機構を設けたことにより、差動機
構の差動回転をロックすることが可能になると共に、こ
の差動ロック機能と、上記のような電磁石による高度な
差動制限力調整機能の両方が得られる。
【0041】そこで、請求項3に記載のデファレンシャ
ル装置は、この差動ロック機能によって必要なときに差
動回転をロックすることができるから、特に、路面μが
低いとき、悪路走破性、発進性、加速性、安定性などで
充分な向上効果が得られる。
【0042】また、ロックアップ機構を設けたことによ
って、電磁石と摩擦クラッチだけで差動回転をロックさ
せる必要がなくなるから、電磁石と摩擦クラッチの容量
を小さくすることが可能になり、それだけデファレンシ
ャル装置が軽量になると共に、径方向と軸方向の両方で
コンパクトになる。
【0043】デファレンシャル装置の軽量化とコンパク
ト化によって、車載性が向上すると共に、周辺部材との
干渉が防止されるから、デファレンシャル装置及び周辺
部材のレイアウトと設計上の自由度が大幅に向上する。
【0044】また、コンパクト化によって、デファレン
シャル装置を収容するケーシング(例えば、デフキャリ
ヤ)の変更が不要になり、ケーシングの変更に伴うコス
トの上昇が避けられる。
【0045】特に、車軸と同軸上に配置されるデファレ
ンシャル装置の場合、径方向のコンパクト化によってロ
ードクリアランスを広くすることができる。
【0046】このことは、シャシー、サスペンション、
駆動車軸などの設計及びレイアウト上の自由度を高くす
る上で極めて有利である。
【0047】また、電磁石の小型化によってバッテリの
負担が軽減され、燃費が向上する。
【0048】また、ロックアップ機構の作動中は、電磁
石の励磁を停止して摩擦クラッチを開放できるから、バ
ッテリの負担がさらに軽減して燃費が向上すると共に、
電磁石と摩擦クラッチの耐久性が大幅に向上する。
【0049】請求項4に記載の発明は、請求項3に記載
のデファレンシャル装置であって、差動制限機構が、メ
インクラッチと、パイロットクラッチと、カム機構とを
有し、このメインクラッチが、差動機構の差動回転部材
の間に配置された摩擦クラッチであり、パイロットクラ
ッチが電磁石によって断続操作され、パイロットクラッ
チが連結されると、差動トルクを受けてカム機構が作動
しメインクラッチを締結させることを特徴とし、請求項
3の構成と同等の作用・効果を得ることができる。
【0050】これに加えて、この構成により、メインク
ラッチの押圧力を増幅するので電磁石の容量を小さくす
ることが可能になり、それだけデファレンシャル装置が
軽量になると共に、コンパクトになる。
【0051】また、ロックアップ機構の作動中も、メイ
ンクラッチを作動させるように構成すれば、ロックアッ
プ機構を、メインクラッチとパイロットクラッチとカム
機構の各容量とのバランスを考慮しながら、適度に小容
量に設定することができる。
【0052】請求項5に記載の発明は、請求項の3また
は請求項4に記載の発明であって、ロックアップ機構
が、デフケースの軸方向端部側と両出力軸の少なくとも
一方との間に配置されていることを特徴とし、請求項の
3または請求項4の構成と同等の作用・効果を得ること
ができる。
【0053】これに加えて、デフケースの軸方向端部側
にロックアップ機構を設けたこの構造では、例えば、ボ
ス状の小径部を軸方向端部側に形成し、ロックアップ機
構をこの小径部側に配置すれば、ロックアップ機構を設
けたことに伴デファレンシャル装置の大径化が回避され
る。
【0054】従って、周辺部材などのレイアウトと設計
上の自由度が高く保たれると共に、ロードクリアランス
を広く保つことができる。
【0055】また、デファレンシャル装置を収容するデ
フキャリアの互換性も高く保たれ、デフキャリアの変更
に伴うコスト上昇が防止される。
【0056】
【発明の実施の形態】図1〜図4によって本発明の一実
施形態であるリヤデフ1(デファレンシャル装置)の説
明をする。
【0057】リヤデフ1は請求項4,5の特徴を備えて
いる。図1はリヤデフ1を示しており、図4はリヤデフ
1を用いた4輪駆動車の動力系を示している。左右の方
向は図1及びこの車両の左右の方向である。なお、符号
を与えていない部材等は図示されていない。
【0058】図4のように、この動力系は、横置きのエ
ンジン201とトランスミッション203、トランスフ
ァ205、フロントデフ207(エンジンの駆動力を左
右の前輪に配分するデファレンシャル装置)、前車軸2
09,211、左右の前輪213,215、後輪側のプ
ロペラシャフト217、終減速ギヤ組219、リヤデフ
1、後車軸221,223(出力軸)、左右の後輪22
5,227などから構成されている。
【0059】エンジン201の駆動力は、トランスミッ
ション203の出力ギヤ229からリングギヤ231を
介してフロントデフ207のデフケース233に伝達さ
れ、フロントデフ207から前車軸209,211を介
して左右の前輪213,215に配分され、さらに、デ
フケース233とトランスファ205とプロペラシャフ
ト217と終減速ギヤ組219とを介してリヤデフ1に
伝達され、リヤデフ1から後車軸221,223を介し
て左右の後輪225,227に配分される。
【0060】図4のように、リヤデフ1はデフキャリヤ
235(ケーシング)に収容されている。また、終減速
ギヤ組219は互いに噛み合ったベベルギヤであるドラ
イブピニオンギヤ237とリングギヤ239から構成さ
れている。
【0061】図1のように、リヤデフ1は、デフケース
3(差動回転部材)、ベベルギヤ式の差動機構5、差動
制限機構7、ロックアップ機構9、コントローラなどか
ら構成されている。
【0062】この差動制限機構7は、多板式のメインク
ラッチ11(摩擦クラッチ)、多板式のパイロットクラ
ッチ13、ボールカム15(カム機構)、カムリング1
7、プレッシャプレート19、中間押圧部材21、アー
マチャ23、電磁石25などから構成されている。
【0063】デフケース3の両端(軸方向端部側)に形
成された小径のボス部27,29はアンギュラーコンタ
クトベアリング31,33によってデフキャリヤ235
に支承されている。
【0064】終減速ギヤ組219のドライブピニオンギ
ヤ237はドライブピニオンシャフト241の後端に形
成されており、このドライブピニオンシャフト241は
プロペラシャフト217側に連結されている。また、リ
ングギヤ239はボルトによってデフケース3に固定さ
れている。
【0065】こうして、デフケース3はエンジン201
の駆動力によって回転駆動される。
【0066】差動機構5は、複数本のピニオンシャフト
35、これと同数のピニオンギヤ37、左右のサイドギ
ヤ39,41などから構成されている。
【0067】ピニオンシャフト35は放射状に配置され
ている。各ピニオンシャフト35の内側端部はスラスト
ブロック43によって互いに連結されており、外側の端
部はデフケース3の貫通孔45に嵌合しスプリングピン
47で固定されている。
【0068】ピニオンギヤ37はピニオンシャフト35
上に支承されており、サイドギヤ39,41は左右から
各ピニオンギヤ37と噛み合っている。各ピニオンギヤ
37とデフケース3との間には球面ワッシャ49が配置
され、ピニオンギヤ37の遠心力と、サイドギヤ39,
41との噛み合いによる噛み合い反力を受けている。
【0069】なお、ドライブピニオンシャフト241と
ピニオンシャフト35は、互い中心線が車幅方向にOs
だけオフセットされている。
【0070】左右の後車軸221,223は、それぞれ
ボス部27,29からデフケース3に貫入し、サイドギ
ヤ39,41にスプライン連結されている。
【0071】デフケース3を回転させるエンジン201
の駆動力は、ピニオンシャフト35、ピニオンギヤ3
7、サイドギヤ39,41から後車軸221,223に
配分され、左右の後輪225,227に伝達される。
【0072】また、悪路などで後輪225,227間に
駆動抵抗差が生じると、下記のように、ロックアップ機
構9の差動ロック機能が解除されているときは、ピニオ
ンギヤ37の自転によってエンジン201の駆動力は後
輪225,227に差動配分される。
【0073】差動制限機構7のメインクラッチ11は、
左サイドギヤ39に形成されたボス部51の外周とデフ
ケース3の内周との間に配置されている。メインクラッ
チ11の右側にはワッシャ53が配置されており、この
ワッシャ53は厚さの異なったものと交換することによ
って、メインクラッチ11のクラッチ板の隙間が適正に
調整されている。
【0074】また、サイドギヤ39の噛み合い反力はワ
ッシャ53を介してメインクラッチ11に入力する。
【0075】パイロットクラッチ13は、デフケース3
とカムリング17との間に配置されている。
【0076】ボールカム15は、カムリング17とプレ
ッシャープレート19の間に形成されている。デフケー
ス3の右側壁部は、電磁石25の磁気回路の一部を構成
し、ボス部29と一体に形成された磁性材料のロータ5
5であり、カムリング17とこのロータ55との間に
は、ボールカム15のカム反力を受けるスラストベアリ
ング57とワッシャ59とが配置されている。
【0077】プレッシャープレート19は、右サイドギ
ヤ41(差動回転部材)に溶接されたボス部61に、ス
プライン部63によって移動自在に連結されている。
【0078】中間押圧部材21は、メインクラッチ11
(ワッシャ53)と対向して配置されたリング65と、
プレッシャープレート19と対向して配置されたリング
67と、ピニオンシャフト35の間を通って各リング6
5,67を連結する腕部材69とから構成されており、
プレッシャープレート19の押圧力をメインクラッチ1
1に伝達する。
【0079】アーマチャ23は、パイロットクラッチ1
3とプレッシャプレート19との間に軸方向移動自在に
配置されており、止め輪71によって位置決めされてい
る。
【0080】電磁石25のコア73は、ボールベアリン
グ75によってデフケース3のボス部29に支承されて
おり、連結部材を介してデフキャリヤ235に連結さ
れ、回り止めされている。
【0081】コア73とロータ55との間にはエアギャ
ップが形成されている。また、デフケース3のロータ5
5はステンレス鋼のリング77によって径方向に分断さ
れ、電磁石25の磁力の短絡が防止されている。
【0082】コントローラは、車速、操舵角、横Gなど
から旋回走行を検知し、あるいは、路面状態、発進、加
速などに応じて、電磁石25の励磁、励磁電流の制御、
励磁停止などを行い、差動制限機構7の差動制限力を調
整する。
【0083】さらに、コントローラは、ロックアップ機
構9の作動と作動停止とを行い、ロックアップ機構9を
作動させるときは、電磁石25の励磁を停止して差動制
限機構7の差動制限機能を解除する。
【0084】電磁石25が励磁されると、磁力のループ
79が形成され、アーマチャ23が右方に吸引され、パ
イロットクラッチ13を押圧して締結させる。
【0085】パイロットクラッチ13が締結されると、
パイロットクラッチ13によってデフケース3に連結さ
れたカムリング17と、サイドギヤ41側のプレッシャ
ープレート19とを介してボールカム15に差動トルク
が掛かり、発生したカムスラスト力を受けてプレッシャ
プレート19が左方に移動し、中間押圧部材21を介し
てメインクラッチ11を押圧して締結させる。
【0086】メインクラッチ11が締結されると、その
摩擦抵抗によって差動機構5の差動回転が制限されると
共に、上記のように、メインクラッチ11に入力するサ
イドギヤ39の噛み合い反力によって差動制限力が強化
される。
【0087】この差動制限力によって、車両の悪路走破
性、発進性、加速性、安定性などが大きく向上する。
【0088】また、電磁石25の励磁電流を制御する
と、パイロットクラッチ13に滑りが生じてボールカム
15のカムスラスト力が変化し、メインクラッチ11の
連結力が変化して差動制限力を制御することができる。
【0089】このような差動制限力の制御を旋回時に行
えば、旋回性と車体の安定性とを大きく向上させること
ができる。
【0090】電磁石25の励磁を停止すると、パイロッ
トクラッチ13が開放されてボールカム15のカムスラ
スト力が消失し、メインクラッチ11が開放されて差動
回転がフリーになる。
【0091】デフキャリヤ235にはオイル溜りが設け
られている。また、デフケース3には開口81が設けら
れ、ボス部27,29の内周には螺旋状のオイル溝8
3、85が設けられている。
【0092】デフケース3には、デフキャリヤのオイル
溜りから、これらの開口81とオイル溝83、85を介
してオイルが流出入し、流入したオイルは、差動機構5
の各ギヤの噛み合い部、メインクラッチ11、パイロッ
トクラッチ13、ボールカム15、スラストベアリング
57、ワッシャ59、プレッシャープレート19とサイ
ドギヤ41とのスプライン部63などに供給され、これ
らを潤滑・冷却する。
【0093】また、デフケース3には、パイロットクラ
ッチ13及びアーマチャ23と対向する箇所に開口8
6,86が設けられており、遠心力を受けたオイルをこ
れらの開口86から排出することによってオイルの流れ
を促進し、パイロットクラッチ13の潤滑・冷却効果を
高めると共に、アーマチャ23の移動を円滑にしてい
る。
【0094】ロックアップ機構9は、図1のように、デ
フケース3の左側端部と後車軸221との間に配置され
ており、同期ギヤ87、カップリングスリーブ89、被
同期ギヤ91、シンクロナイザ93、ボールカム95、
ニードルベアリング97、操作ワイヤ99、方向変換手
段101などから構成されている。
【0095】同期ギヤ87は、後車軸221の外周にス
プライン連結され、スナップリング103によって位置
決めされている。カップリングスリーブ89は同期ギヤ
87の外周に軸方向移動自在に連結されている。
【0096】被同期ギヤ91は、デフケース3の左ボス
部27(小径の軸方向端部)の外周にスプライン連結さ
れており、被同期ギヤ91の外周にはカップリングスリ
ーブ89と係脱自在の噛み合い歯105が形成されてい
る。
【0097】シンクロナイザ93は、カップリングスリ
ーブ89と被同期ギヤ91との間に設けられている。
【0098】ボールカム95は、図2,3のように、デ
フキャリヤ235の左側に形成された車軸管部243に
形成されたカム溝107とカムリング109に形成され
たカム溝111との間にボール113を配置して構成さ
れている。
【0099】ニードルベアリング97は、カムリング1
09とカップリングスリーブ89との間に配置されてお
り、カップリングスリーブ89(後車軸221)の回転
をカムリング109から遮断し、後車軸221の回転が
伝達されてボールカム95が誤作動することを防止して
いる。
【0100】操作ワイヤ99は、アクチュエータによっ
て往復移動操作され、このアクチュエータの動作はコン
トローラによって制御される。
【0101】なお、このアクチュエータには、電磁アク
チュエータ、空気圧や油圧などを用いた流体圧アクチュ
エータ、あるいは、電動モータを用いたアクチュエータ
など、いずれを用いてもよい。
【0102】方向変換手段101は、操作ワイヤ99の
往復移動を回転方向に変換してボールカム95のカムリ
ング109を回転させる。
【0103】図2のように、カムリング109が矢印1
15の方向に回転すると、ボールカム95が作動してカ
ムスラスト力117が発生し、ニードルベアリング97
を介してカップリングスリーブ89が右方に押圧されて
シンクロナイザ93が作動し、被同期ギヤ91の回転が
同期したところでカップリングスリーブ89と被同期ギ
ヤ91とが噛み合って、ロックアップ機構9が作動す
る。
【0104】このように、ロックアップ機構9を作動さ
せるとき、コントローラは電磁石25の励磁を停止し、
差動制限機構7による差動制限機能を停止する。
【0105】また、操作ワイヤ99が反対方向に移動操
作されると、方向変換手段101はカムリング109を
矢印115と反対方向に回転させる。これに伴って、ボ
ールカム95のカムスラスト力117が消失し、図3の
ように、カップリングスリーブ89が左方に戻って被同
期ギヤ91との噛み合いが解除され、ロックアップ機構
9の作動が解除される。
【0106】ロックアップ機構9が作動すると、後車軸
221とデフケース3とが相対回転不能に連結され、差
動機構5の差動回転がロックされる。
【0107】この差動ロック機能によって、必要なと
き、例えば、路面の摩擦係数μが特に低いときに、差動
機構5の差動回転をロックすれば、悪路走破性、発進
性、加速性、車体の安定性などが大きく向上する。
【0108】また、ロックアップ機構9の作動が解除さ
れると、後車軸221とデフケース3の差動回転がフリ
ーになり、差動制限機能は差動制限機構7に委ねられ
る。
【0109】こうして、リヤデフ1が構成されている。
【0110】リヤデフ1は、上記のように、電磁石25
による差動制限機構7の高度な差動制限力調整機能に加
えて、後車軸221とデフケース3との間に設けたロッ
クアップ機構9によって差動機構5の差動をロックする
ことができる。
【0111】そこで、リヤデフ1は、路面μが特に低い
ときのように、差動制限機構7の差動制限力が不充分に
なり易い場合でも、ロックアップ機構9によって差動機
構5の差動をロックすることにより、悪路走破性、発進
性、加速性、車体の安定性などで充分な向上効果を得る
ことができる。
【0112】また、ロックアップ機構9を設けたことに
よって、差動制限機構7だけで差動回転をロックさせる
必要がなくなるから、電磁石25、メインクラッチ1
1、パイロットクラッチ13、ボールカム15などの容
量をそれぞれ小さくすることが可能になる。
【0113】従って、リヤデフ1はそれだけ軽量になる
と共に、径方向と軸方向の両方でコンパクトになり、デ
フキャリヤ235への収容性と車載性が向上する。
【0114】このように、リヤデフ1のコンパクト化に
よってデフキャリヤ235の変更が不要になるから、デ
フキャリヤ235の変更に伴うコスト上昇が避けられ
る。
【0115】また、後車軸221,223と同軸配置さ
れるリヤデフ1の場合、径方向のコンパクト化によって
ロードクリアランスを広くすることが可能になり、シャ
シー、サスペンション、後車軸221,223などの設
計及びレイアウト上の自由度が大幅に向上する。
【0116】また、電磁石25の小型化によってバッテ
リの負担が軽減され、エンジン201の燃費が向上す
る。
【0117】また、ロックアップ機構9の作動中は、電
磁石25の励磁を停止して差動制限機構7の差動制限機
能を解除できるから、バッテリの負担がさらに軽減して
燃費が向上すると共に、電磁石25、メインクラッチ1
1、パイロットクラッチ13、ボールカム15の耐久性
が大幅に向上する。
【0118】また、デフケース3の軸方向端部側は小径
のボス部27であり、ロックアップ機構9をこのボス部
27側に配置したことにより、ロックアップ機構9を設
けたことに伴うリヤデフ1の大径化が回避される。
【0119】従って、上記のようなレイアウト及び設計
上の自由度が高く保たれ、ロードクリアランスを広く保
つことができる。
【0120】なお、本発明のデファレンシャル装置にお
いて、差動機構は、ベベルギヤ式の差動機構に限らな
い。
【0121】差動機構は、例えば、プラネタリーギヤ式
の差動機構、あるいは、デフケースの収容孔に軸方向に
収容されたピニオンギヤで一対の出力側サイドギヤを連
結した差動機構のような、他の形式の差動機構を用いて
も構成することができる。
【0122】また、カム機構は、ローラのようなボール
以外の転動体を用いたカムでもよく、あるいは、転動体
を用いないカムでもよい。
【0123】また、ロックアップ機構は、両方の出力軸
とデフケースとの間に配置してもよい。
【0124】この場合、さらに大きなロックアップ機能
が得られると共に、それぞれのロックアップ機構を軽量
でコンパクトに構成することができる。
【0125】また、ロックアップ機構が、差動機構の軸
方向両側に配置され、寸法及び重量で左右のバランスが
向上するから、出力軸、シャシー、サスペンションなど
の設計とレイアウトの自由度が向上する。
【0126】続いて、請求項1,2に記載の相対回転の
ロックアップ機構を持ったカップリングについて説明す
る。
【0127】カップリングの具体的な構造、すなわち、
相対回転自在に配置されたケース状トルク伝達部材及び
軸状トルク伝達部材と、これらの間に配置された摩擦式
のメインクラッチ及びパイロットクラッチと、該パイロ
ットクラッチを断続制御する電磁石と、カム機構とを備
え、パイロットクラッチが連結されると両トルク伝達部
材間の伝達トルクを受けてカム機構が作動しメインクラ
ッチを締結させる、構造に付いては、前記従来技術のカ
ップリング301と同様のものを用いることも可能なの
で、ここでは省略し、カップリングの配置部分とそれに
よる作用・効果を中心に説明する。
【0128】これらは、駆動力断続用のクラッチ(2−
4切り換え機構)として機能する。
【0129】例えば、図4のような4輪駆動車におい
て、矢印251で示す、トランスファ205とプロペラ
シャフト217との間に配置したり、矢印253で示す
ように、デフキャリヤ235の内部でリヤデフ1の前段
に配置する。
【0130】この場合、本発明によるカップリングは、
後輪225,227の連結と切り離し及び伝達トルクの
制御を行い、カップリングを連結させれば車両は4輪駆
動状態になり、連結を解除すれば車両は2輪駆動状態に
なる。
【0131】また、カップリングは、矢印255,25
7で示すように、フロントデフ207と左右いずれかの
前輪213,215との間に配置してもよい。
【0132】矢印255,257の箇所に配置した場合
は、カップリングを連結すると車両は4輪駆動状態にな
り、連結を解除するとフロントデフ207の差動回転が
自由になり、前輪213,215への駆動力伝達が停止
されて車両は2輪駆動状態になる。
【0133】また、矢印259,261で示すように、
リヤデフ1と左右いずれかの後輪225,227との間
に配置してもよく、矢印259,261の箇所に配置し
た場合は、カップリングを連結すると車両は4輪駆動状
態になり、連結を解除するとリヤデフ1の差動回転が自
由になり、後輪225,227への駆動力伝達が停止さ
れて車両は2輪駆動状態になる。
【0134】特にこの場合、トランスファ205に駆動
力断続用のクラッチ(2−4切り換え機構)をさらに設
け、矢印259,261の箇所のカップリングと連動し
て連結を解除すれば、プロペラシャフト217を完全に
静止状態に保つことができるから、騒音、振動、摩耗な
どが大きく軽減されると共に、エンジン201の燃費が
向上する。
【0135】さらに、矢印263で示すように、カップ
リングはトランスファ205のギヤ機構と組み合わせて
配置してもよく、この場合、矢印253の箇所に配置さ
れた場合と同等の機能が得られる。
【0136】一方、カップリングを矢印251,263
の個所に配置した場合は、後車軸221,223と後輪
225,227との間にハブクラッチ265,267を
配置し、カップリングと連動してこれらの連結を解除す
れば、カップリングから後輪225,227までの動力
伝達系がエンジン201の回転と後輪225,227に
よる連れ回りの両方から遮断され、回転が停止して騒
音、振動、摩耗などが大きく軽減されると共に、燃費が
さらに向上する。
【0137】以上のように、各箇所のカップリングを配
置することによって車両を4輪駆動状態にすると、前輪
213,215、あるいは、後輪225,227に駆動
力が送られて、車両の悪路走破性、発進性、加速性、車
体の安定性などが向上する。
【0138】また、このとき、各カップリングで電磁石
の励磁電流を制御すると、パイロットクラッチの滑りに
よってカム機構のカムスラスト力が変化し、メインクラ
ッチの連結力が変化して前輪213,215や後輪22
5,227に送られる駆動力が調整され、旋回性と旋回
時の車体安定性などを向上させることができる。
【0139】また、各カップリングによって車両を2輪
駆動状態にすると、燃費が向上する。
【0140】さらに、本発明のカップリングは、例え
ば、路面μが特に低いときなどのように、必要なときに
ロックアップ機構を作動させ、大きな駆動力を車輪に伝
達することができるから、悪路走破性、発進性、加速
性、安定性などで充分な向上効果が得られる。
【0141】また、ロックアップ機構を設けたことによ
って、電磁石とメインクラッチなどだけでカップリング
の相対回転をロックさせる必要がなくなるから、電磁
石、メインクラッチ、パイロットクラッチ、カム機構の
容量をそれぞれ小さくすることが可能になり、それだけ
カップリングが軽量でコンパクトになる。
【0142】従って、車載性が向上すると共に、周辺部
材との干渉が防止され、カップリングを含めた周辺部材
のレイアウトと設計上の自由度が大幅に向上する。
【0143】また、カップリングのコンパクト化によっ
て、これを収容するケーシングの変更が不要になるか
ら、ケーシングの変更に伴うコストの上昇が避けられ
る。
【0144】また、電磁石の小型化によってバッテリの
負担が軽減され、エンジンの燃費が向上する。
【0145】また、ロックアップ機構の作動中は、電磁
石の励磁を停止してパイロットクラッチとメインクラッ
チを開放し、カム機構を休止できるから、バッテリの負
担がさらに軽減して燃費が向上する上に、電磁石、メイ
ンクラッチ、パイロットクラッチ、カム機構の耐久性が
大幅に向上する。
【0146】また、請求項2の構成では、ケース状トル
ク伝達部材の軸方向端部側小径部にロックアップ機構を
配置したことによって、カップリングの大径化が回避さ
れる。
【0147】従って、周辺部材のレイアウトと設計上の
自由度がさらに向上する。
【0148】特に、矢印255,257、259,26
1のようにカップリングが車軸上に配置される場合、カ
ップリングの大径化が回避されたことによってロードク
リアランスが広く保たれ、シャシー、サスペンション、
後車軸221,223などの設計及びレイアウト上の自
由度が大幅に向上する。
【0149】
【発明の効果】請求項1に記載のカップリングは、電磁
石による伝達トルク特性の高度な調整機能に加えて、ロ
ックアップ機構による充分なトルク容量が得られ、車両
の動力伝達系に用いられた場合、路面μが特に低いとき
など、必要に応じて大きな駆動力を車輪に伝達できるか
ら、悪路走破性、発進性、加速性、安定性などで充分な
向上効果が得られる。
【0150】しかも、ロックアップ機構を設けたことに
よって、電磁石とメインクラッチなどの容量を小さくす
ることが可能になり、それだけ軽量でコンパクトにな
り、車載性が向上する。
【0151】また、周辺部材との干渉が防止され、カッ
プリングを含めて周辺部材のレイアウトと設計上の自由
度が大幅に向上すると共に、ロードクリアランスを広く
保つことができる。
【0152】また、コンパクト化によって、収容される
ケーシングの変更が不要になり、変更に伴うコストの上
昇が避けられる。
【0153】また、電磁石の小型化によってバッテリの
負担が軽減され、エンジンの燃費が向上する。
【0154】また、ロックアップ機構の作動中は、電磁
石の励磁を停止できるから、バッテリの負担がさらに軽
減して燃費が向上する上に、電磁石、メインクラッチ、
パイロットクラッチ、カム機構の耐久性が大幅に向上す
る。
【0155】請求項2に記載のカップリングは、請求項
1のカップリングと同等の効果が得られる。
【0156】また、ケース状トルク伝達部材の軸方向端
部にロックアップ機構を配置するため、軸方向端部の小
径部にロックアップ機構を配置でき、これによって大径
化が回避され、周辺部材のレイアウトと設計上の自由度
がさらに向上すると共に、ケーシングの互換性がさらに
高くなり、ケーシングの変更に伴うコスト上昇が防止さ
れる。
【0157】請求項3に記載のデファレンシャル装置
は、電磁石による差動制限力の高度な調整機能に加え
て、ロックアップ機構により必要なときに差動回転をロ
ックできるから、特に、路面μが低いとき、悪路走破
性、発進性、加速性、安定性などの充分な向上効果が得
られる。
【0158】また、電磁石と摩擦クラッチの容量を小さ
くできるから、それだけ軽量でコンパクトになり、周辺
部材との干渉が防止され、車載性が向上する上に、デフ
ァレンシャル装置を含めて周辺部材のレイアウトと設計
上の自由度が向上し、ロードクリアランスを広く保つこ
とができる。
【0159】また、コンパクト化によってデフキャリヤ
の変更が不要になり、変更に伴うコスト上昇が避けられ
る。
【0160】また、電磁石の小型化によってバッテリの
負担が軽減され、燃費が向上する。
【0161】また、ロックアップ機構の作動中は電磁石
の励磁を停止できるから、バッテリの負担がさらに軽減
して燃費が向上し、電磁石と摩擦クラッチの耐久性が大
幅に向上する。
【0162】請求項4に記載のデファレンシャル装置
は、請求項3の構成と同等の効果が得られる。
【0163】請求項5に記載のデファレンシャル装置
は、請求項の3,4の構成と同等の効果が得られる。
【0164】また、ロックアップ機構をデフケースの軸
方向端部に配置するので、デフケースの小径部に配置で
き、これによって大径化が回避され、周辺部材のレイア
ウトと設計上の自由度が向上し、デフキャリヤの互換性
がさらに高くなり、変更に伴うコスト上昇が防止され、
ロードクリアランスを広く保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す断面図である。
【図2】図1のA−A断面図であり、ボールカムが作動
している状態を示す。
【図3】図1のA−A断面図であり、ボールカムの作動
が停止した状態を示す。
【図4】図1の実施形態が用いられた4輪駆動車の動力
系を示すスケルトン機構図である。
【図5】従来例の断面図である。
【符号の説明】
1 リヤデフ(デファレンシャル装置) 3 デフケース(差動回転部材) 5 ベベルギヤ式の差動機構 7 電磁式の差動制限機構 9 ロックアップ機構 11 メインクラッチ(摩擦クラッチ) 13 パイロットクラッチ 15 ボールカム(カム機構) 25 電磁石 27 ボス部(デフケース3の軸方向端部) 39 サイドギヤ(差動回転部材) 41 サイドギヤ(差動回転部材) 201 エンジン 221 後車軸(出力軸) 235 デフキャリヤ(ケーシング)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相対回転自在に配置されたケース状トル
    ク伝達部材及び軸状トルク伝達部材と、これらの間に配
    置された摩擦式のメインクラッチ及びパイロットクラッ
    チと、該パイロットクラッチを断続制御する電磁石と、
    カム機構とを備え、パイロットクラッチが連結されると
    両トルク伝達部材間の伝達トルクを受けてカム機構が作
    動しメインクラッチを締結させるカップリングにおい
    て、 両トルク伝達部材を相対回転不能に連結するロックアッ
    プ機構を設けたことを特徴とするカップリング。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の発明であって、ロック
    アップ機構が、ケース状トルク伝達部材の軸方向端部側
    と軸状トルク伝達部材との間に配置されていることを特
    徴とするカップリング。
  3. 【請求項3】 エンジンの駆動力によって回転駆動され
    るデフケースと、デフケースの回転を一対の出力軸を介
    して車輪側に配分する差動機構と、差動機構の差動回転
    を制限する摩擦クラッチを電磁石によって断続制御する
    電磁式の差動制限機構とを備え、両出力軸の少なくとも
    一方とデフケースとの間に、これらを相対回転不能に連
    結するロックアップ機構を設けたことを特徴とするデフ
    ァレンシャル装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の発明であって、差動制
    限機構が、メインクラッチと、パイロットクラッチと、
    カム機構とを有し、このメインクラッチが、差動機構の
    差動回転部材の間に配置された摩擦クラッチであり、パ
    イロットクラッチが電磁石によって断続操作され、パイ
    ロットクラッチが連結されると、差動トルクを受けてカ
    ム機構が作動しメインクラッチを締結させることを特徴
    とするデファレンシャル装置。
  5. 【請求項5】 請求項の3または請求項4に記載の発明
    であって、ロックアップ機構が、デフケースの軸方向端
    部側と両出力軸の少なくとも一方との間に配置されてい
    ることを特徴とするデファレンシャル装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007132517A (ja) * 2005-11-08 2007-05-31 Gkn Driveline Internatl Gmbh ボール溝の勾配が変化するボールランプ装置
JP2010190238A (ja) * 2009-02-16 2010-09-02 Kcm:Kk 複合式差動制限装置
CN103939572A (zh) * 2014-04-30 2014-07-23 江苏合成齿轮有限公司 简易机械差速锁

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