JP4400077B2 - 自動変速機の制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、変速応答性向上と変速ショック低減とを両立させるように制御する自動変速機の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車用の自動変速機は、エンジンの動力をトルクコンバータを介して変速機構の入力軸に伝達し、この変速機構で変速して出力軸に伝達し、駆動輪を回転駆動するようにしている。最も一般的な変速機構は、入力軸と出力軸との間に複数の歯車を配列して、入力軸と出力軸との間に変速比の異なる複数の動力伝達経路を構成し、各動力伝達経路中にクラッチやブレーキ等の摩擦係合要素を設けて、変速指令に応じて各摩擦係合要素に作用させる油圧を個別に制御することで、各摩擦係合要素の係合と解放を選択的に切り換えて、入・出力軸間の動力伝達経路を切り換えて変速比を切り換えるようにしている。
【0003】
ところで、このような自動変速機においては、各摩擦係合要素に作用させる油圧は、車両の走行状態を示す複数のパラメータ(自動変速機の入力軸回転速度、出力軸回転速度等)に応じて制御されるが、部品の品質ばらつきや経時変化によるパラメータの変化までは補償できない。そのため、部品の品質ばらつきや経時変化によるパラメータの変化によって変速性能が悪化したり、或は、この変速性能の悪化を少なくするために、部品の公差を非常に厳しくする必要があり、コスト的に不利であるという問題があった。
【0004】
そこで、特許文献1(特開平7−54986号公報)に示すように、変速過程の初めに生じる制御偏差(実際値と目標値との偏差)を考慮する適応制御を行い、不揮発性メモリにパラメータ(タービン回転速度の変化速度、タービン回転変化時間)と実際値と目標値とを記憶してこれらの関係を学習し、所定数の実際値を平均化した値を用いることで、部品の品質ばらつきや経時変化の影響を補償するようにしたものがある。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−54986号公報(第2頁〜第4頁等)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記特許文献1の技術では、学習に使われるパラメータが変速挙動の一部分であるため、変速応答性向上と変速ショック低減とを両立させることができないという欠点がある。つまり、上記特許文献1の技術では、変速ショックを小さくすると、変速スピードが遅くなり、反対に、変速スピードを速くすると、変速ショックが大きくなるという欠点がある。
【0007】
また、学習に使われるパラメータが1個の場合、他のパラメータへの影響が分からないため、そのパラメータに対する補正量を大きくすると、変速ショックが大きくなる懸念がある。そのため、補正量を小さくする必要があり、変速状態を安定させるのに必要な学習回数が増加するという欠点がある。
【0008】
そこで、本発明の目的は、変速応答性向上と変速ショック低減とを両立させると共に、学習速度を速めることができる自動変速機の制御装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記第1の目的を達成するために、本発明の請求項1の自動変速機の制御装置は、変速の状態を表す複数のパラメータである、変速指令が切り換ってから係合側のクラッチが係合力を発生し始めるまでのラグ時間とタービン回転速度の変化速度とをパラメータ算出手段により算出すると共に、前記複数のパラメータの1つであるラグ時間とその目標値との偏差に基づいて第1の補正値をマップにより算出し、前記複数のパラメータであるタービン回転速度の変化速度とその目標値との偏差に基づいて第2の補正値をマップにより補正値算出手段算出し、前記複数のパラメータの状態、前記第1の補正値及び前記第2の補正値、又は複数のパラメータの状態に基づいて変速ショックが問題とならない範囲内で油圧補正制御量に反映する最終的な補正値をマップ及びプログラムにより最終補正値決定手段決定するようにしたものである。このように、複数のパラメータ(ラグ時間とタービン回転速度の変化速度)の状態、第1の補正値及び前記第2の補正値、又は複数のパラメータの状態に基づいて油圧補正制御量に反映する最終的な補正値を決定すれば、変速応答性向上と変速ショック低減とを両立させることが可能な最終的な補正値を求めることができ、変速応答性を向上させながら変速ショックを低減することができる。しかも、変速ショックが問題とならない範囲内で最終的な補正値を大きめに設定できるため、最終的な補正値を反映した油圧補正制御量を学習する際に、その学習速度を速めることができる。
【0010】
この場合、請求項2のように、複数のパラメータの状態に基づいて前記第1の補正値及び前記第2の補正値を油圧補正制御量に反映させるパターンを決定するようにしたり、或は、請求項3のように、第1の補正値及び第2の補正値の大きさに基づいて当該第1の補正値及び第2の補正値の中から油圧補正制御量に反映する最終的な補正値を決定するようにしても良い。いずれの場合でも、変速応答性向上と変速ショック低減とを両立させることが可能な最終的な補正値を求めることができる。
【0011】
また、請求項4のように、第1の補正値及び第2の補正値が同じ油圧変化方向に作用する補正値のときには、当該第1の補正値及び第2の補正値の中から大きい方のいずれか1個の補正値を最終的な補正値として用いるようにしたり、或は、請求項5のように、第1の補正値及び第2の補正値が互いに反対の油圧変化方向に作用する補正値のときには、第1の補正値及び第2の補正値を全て最終的な補正値として用いるようにしたり、或は、請求項6のように、複数のパラメータとそれぞれの目標値との偏差に基づいて油圧補正制御量に反映する最終的な補正値を決定するようにしても良い。いずれの場合でも、変速応答性向上と変速ショック低減とを両立させることが可能な最終的な補正値を求めることができる。各請求項2〜6に係る発明は、適宜組み合わせて実施するようにしても良く、それによって、制御特性の更なる向上を期待できる。
【0012】
また、請求項7のように、最終的な補正値を反映した油圧補正制御量を条件毎に学習するようにしても良い。このようにすれば、学習精度を向上させることができる。
【0013】
また、請求項8のように、変速パターン毎に、パラメータの数及び反映する最終的な補正値の数を変更するようにしても良い。このようにすれば、変速パターン毎に、最適な制御特性を実現することができる。
【0014】
また、請求項9のように、変速制御中に運転条件が変化したときに、油圧補正制御量に反映する最終的な補正値を変化させるようにしても良い。このようにすれば、変速制御中に運転条件が変化したときでも、変速応答性を維持しながら変速ショックを抑制することができる。
【0015】
また、請求項10のように、パラメータに対する目標値は、幅のある値に設定すると良い。このようにすれば、目標値付近の制御特性を安定させることができる。
【0016】
また、請求項11のように、パラメータに対する目標値は、運転条件毎に設定するようにしても良い。このようにすれば、制御特性を更に向上させることができる。
本発明は、請求項12のように、複数のパラメータの状態、第1の補正値及び第2の補正値、又は複数のパラメータの状態に基づいて、変速ショックが問題とならない範囲内で、係合側のクラッチに作動油を充填した後の待機油圧を補正するための第1の油圧補正制御量と、前記待機油圧を保持する期間から油圧が上昇する期間に移行するときの第2の油圧補正制御量とにそれぞれ反映する最終的な補正値をマップ及びプログラムにより決定するようにしても良い。
【0017】
【発明の実施の形態】
《実施形態(1)》
以下、本発明の実施形態(1)を図1乃至図14に基づいて説明する。
【0018】
まず、図1及び図2に基づいて自動変速機11の概略構成を説明する。図2に示すように、エンジン(図示せず)の出力軸には、トルクコンバータ12の入力軸13が連結され、このトルクコンバータ12の出力軸14に、油圧駆動式の変速歯車機構15(変速機構)が連結されている。トルクコンバータ12の内部には、流体継手を構成するポンプインペラ31とタービンランナ32が対向して設けられ、ポンプインペラ31とタービンランナ32との間には、オイルの流れを整流するステータ33が設けられている。ポンプインペラ31は、トルクコンバータ12の入力軸13に連結され、タービンランナ32は、トルクコンバータ12の出力軸14に連結されている。
【0019】
また、トルクコンバータ12には、入力軸13側と出力軸14側との間を係合又は切り離しするためのロックアップクラッチ16が設けられている。エンジンの出力トルクは、トルクコンバータ12を介して変速歯車機構15に伝達され、変速歯車機構15の複数のギヤ(遊星歯車等)で変速されて、車両の駆動輪(前輪又は後輪)に伝達される。
【0020】
変速歯車機構15には、複数の変速段を切り換えるための摩擦係合要素である複数のクラッチC0,C1,C2とブレーキB0,B1が設けられ、図3に示すように、これら各クラッチC0,C1,C2と各ブレーキB0,B1の係合/解放を油圧で切り換えて、動力を伝達するギヤの組み合わせを切り換えることによって変速比を切り換えるようになっている。尚、図3は4速自動変速機のクラッチC0,C1,C2とブレーキB0,B1の係合の組合せを示すもので、○印はその変速段で係合状態(トルク伝達状態)に保持されるクラッチとブレーキを示し、無印は解放状態を示している。例えば、3速から2速にダウンシフトする場合は、3速で係合状態に保持されていた2つのクラッチC0,C2のうちの片方のクラッチC2を解放し、その代わりに、ブレーキB1を係合することで、2速にダウンシフトする。また、3速から4速にアップシフトする場合は、3速で係合状態に保持されていた2つのクラッチC0,C2のうちの片方のクラッチC0を解放し、その代わりに、ブレーキB1を係合することで、4速にアップシフトする。
【0021】
図1に示すように、変速歯車機構15には、エンジン動力で駆動される油圧ポンプ18が設けられ、作動油(オイル)を貯溜するオイルパン(図示せず)内には、油圧制御回路17が設けられている。この油圧制御回路17は、ライン圧制御回路19、自動変速制御回路20、ロックアップ制御回路21、手動切換弁26等から構成され、オイルパンから油圧ポンプ18で汲み上げられた作動油がライン圧制御回路19を介して自動変速制御回路20とロックアップ制御回路21に供給される。ライン圧制御回路19には、油圧ポンプ18からの油圧を所定のライン圧に制御するライン圧制御用の油圧制御弁(図示せず)が設けられ、自動変速制御回路20には、変速歯車機構15の各クラッチC0,C1,C2と各ブレーキB0,B1に供給する油圧を制御する複数の変速用の油圧制御弁(図示せず)が設けられている。また、ロックアップ制御回路21には、ロックアップクラッチ16に供給する油圧を制御するロックアップ制御用の油圧制御弁(図示せず)が設けられている。
【0022】
また、ライン圧制御回路19と自動変速制御回路20との間には、シフトレバー25の操作に連動して切り換えられる手動切換弁26が設けられている。シフトレバー25がニュートラルレンジ(Nレンジ)又はパーキングレンジ(Pレンジ)に操作されているときには、自動変速制御回路20の油圧制御弁への通電が停止(OFF)された状態になっていても、手動切換弁26によって変速歯車機構15に供給する油圧が変速歯車機構15をニュートラル状態とするように切り換えられる。
【0023】
一方、エンジンには、エンジン回転速度Neを検出するエンジン回転速度センサ27が設けられ、変速歯車機構15には、変速歯車機構15の入力軸回転速度(タービン回転速度)Ntを検出する入力軸回転速度センサ28と、変速歯車機構15の出力軸回転速度Noを検出する出力軸回転速度センサ29が設けられている。
【0024】
これら各種センサの出力信号は、自動変速機電子制御回路(以下「AT−ECU」と表記する)30に入力される。このAT−ECU30は、マイクロコンピュータを主体として構成され、内蔵されたROM(記憶媒体)に記憶された変速制御プログラムを実行することで、予め設定した図4の変速パターンに従って変速歯車機構15の変速が行われるように、シフトレバー25の操作位置や運転条件(スロットル開度、車速等)に応じて自動変速制御回路20の各油圧制御弁への通電率(デューティ)を制御して、変速歯車機構15の各クラッチC0,C1,C2と各ブレーキB0,B1に作用させる油圧を制御することによって、図3に示すように、各クラッチC0,C1,C2と各ブレーキB0,B1の係合/解放を切り換えて、動力を伝達するギヤの組み合わせを切り換えることで、変速歯車機構15の変速比を切り換える。
【0025】
この際、AT−ECU30は、ROMに記憶された図5の油圧学習制御プログラムを実行することで、変速の状態を表す複数のパラメータ(本実施形態ではラグ時間とタービン回転速度Ntの変化速度)を算出し、これら複数のパラメータとそれぞれの目標値との偏差に基づいて複数の補正値を算出した後、複数のパラメータの状態(変速状態)に基づいて上記複数の補正値の中から補正制御デューティA,B(油圧補正制御量)に反映する最終的な補正値(最終補正値a,b)を決定するようにしている。
【0026】
図5の油圧学習制御プログラムは、NレンジからDレンジに変速する時(N→D変速時)に実行され、図6に示す補正制御デューティA,Bを学習制御する。ここで、補正制御デューティA(第1の油圧補正制御量に相当)は、係合側のクラッチに作動油を充填した後の待機油圧を補正するための補正制御デューティである。待機油圧の制御デューティは、変速状態に応じて設定された基本制御デューティAbaseに補正制御デューティAを加算したデューティに設定される。また、補正制御デューティB(第2の油圧補正制御量に相当)は、待機油圧保持期間から油圧上昇期間(実際に変速が進行する期間)に移行するときの補正制御デューティ(変速ショック低減と変速応答性向上とを両立させるように補正された補正制御デューティ)であり、油圧上昇開始時の制御デューティCは待機油圧の制御デューティ(Abase+A)に補正制御デューティB(図6の例ではBはマイナス値)を加算したデューティに設定される。尚、補正制御デューティA,Bは、油圧制御弁の性能等でプラスとマイナスが反転することがある。
【0027】
図5の油圧学習制御プログラムが起動されると、まずステップ101で、第1のパラメータであるラグ時間による補正値算出実行条件が成立しているか否かを判定する。ここで、ラグ時間による補正値算出実行条件は、クラッチの油圧や運転状態が安定していることであり、例えば、油温、スロットル開度、イグニッションスイッチ(図示せず)のONからの変速回数等に基づいてクラッチの油圧や運転状態が安定しているか否か(補正値算出実行条件が成立しているか否か)を判定すれば良い。
【0028】
上記ステップ101で、ラグ時間による補正値算出実行条件が成立していると判定されれば、ステップ102に進み、ラグ時間を算出する。このラグ時間は、図7に示すように、変速指令がNレンジからDレンジへ切り換ってから係合側のクラッチが係合力を発生し始めるまでの時間であり、具体的には、変速指令がNレンジからDレンジへ切り換ってからタービン回転速度Ntが低下し始めるまでの時間である。
【0029】
ラグ時間の算出後、ステップ103に進み、図8の補正値LRN1マップを用いて、その時点のラグ時間に応じた補正値LRN1(第1の補正値に相当)を算出する。図8の補正値LRN1マップの特性は、ラグ時間が目標値の範囲内であるときには補正値LRN1が0となり、ラグ時間が目標値よりも短くなるほど、補正値LRN1が低圧側(マイナス値側)に変化し、ラグ時間が目標値よりも長くなるほど、補正値LRN1が高圧側(プラス値側)に変化するように設定されている。ラグ時間に対する目標値は、幅のある値に設定されている。また、図8の補正値LRN1マップは、油温、エンジン回転速度、スロットル開度等の運転条件毎に設定して、運転条件に応じたマップを選択して補正値LRN1を算出するようにすることが好ましい。
【0030】
補正値LRN1の算出後、ステップ104に進み、第2のパラメータであるタービン回転速度Ntの変化速度(以下「Nt変化速度」と表記する)による補正値算出実行条件が成立しているか否かを判定する。ここで、Nt変化速度による補正値算出実行条件は、クラッチの油圧や運転状態が安定していることであり、例えば、油温、スロットル開度、イグニッションスイッチ(図示せず)のONからの変速回数等に基づいてクラッチの油圧や運転状態が安定しているか否か(補正値算出実行条件が成立しているか否か)を判定すれば良い。尚、ステップ101で「No」と判定された場合には、ステップ102、103を飛び越してステップ104に進む。
【0031】
上記ステップ104で、Nt変化速度による補正値算出実行条件が成立していると判定されれば、ステップ105に進み、Nt変化速度を算出する。このNt変化速度は、図10に示すように、タービン回転速度Ntが低下し始めてから変速が終了するまでのタービン回転速度Ntの変化速度である。上記ステップ102、105の処理は、特許請求の範囲でいうパラメータ算出手段としての役割を果たす。
【0032】
Nt変化速度の算出後、ステップ106に進み、図10の補正値LRN2マップを用いて、その時点のNt変化速度に応じた補正値LRN2(第2の補正値に相当)を算出する。図10の補正値LRN2マップの特性は、Nt変化速度が目標値の範囲内であるときには補正値LRN2が0となり、Nt変化速度が目標値よりも遅くなるほど、補正値LRN2が高圧側(プラス値側)に変化し、Nt変化速度が目標値よりも速くなるほど、補正値LRN2が低圧側(マイナス値側)に変化するように設定されている。Nt変化速度に対する目標値は、幅のある値に設定されている。また、図10の補正値LRN2マップは、油温、エンジン回転速度、スロットル開度等の運転条件毎に設定して、運転条件に応じたマップを選択して補正値LRN2を算出するようにすることが好ましい。上記ステップ103、106の処理は、特許請求の範囲でいう補正値算出手段としての役割を果たす。
【0033】
補正値LRN2の算出後、図11の最終補正値決定プログラムを実行して、2つのパラメータ(ラグ時間とNt変化速度)の状態に応じて最終補正値a,bを次のようにして算出する(この機能が特許請求の範囲でいう最終補正値決定手段に相当する)。まず、ステップ111で、図12のパラメータ状態の判定マップを用いて、今回のラグ時間とNt変化速度の状態(変速状態)が9個の状態▲1▼〜状態▲9▼のうちのいずれに該当するかを判定する。
【0034】
その結果、状態▲1▼(Nt変化速度が目標値より速く且つラグ時間が目標値より短い状態)と判定された場合には、ステップ112からステップ120に進み、補正制御デューティAに反映する最終補正値aにラグ時間の補正値LRN1(マイナス値)をセットし、補正制御デューティBに反映する最終補正値bにNt変化速度の補正値LRN2(マイナス値)をセットする。
【0035】
状態▲2▼(Nt変化速度が目標値より速く且つラグ時間が目標値の範囲内の状態)と判定された場合には、ステップ112→113→121へと進み、補正制御デューティAに反映する最終補正値aを0とし、補正制御デューティBに反映する最終補正値bにNt変化速度の補正値LRN2(マイナス値)をセットする。
【0036】
状態▲3▼(Nt変化速度が目標値より速く且つラグ時間が目標値より長い状態)と判定された場合には、ステップ112→113→114→122へと進み、補正制御デューティAに反映する最終補正値aにラグ時間の補正値LRN1(プラス値)をセットし、補正制御デューティBに反映する最終補正値bにNt変化速度の補正値LRN2(マイナス値)をセットする。
【0037】
状態▲4▼(Nt変化速度が目標値の範囲内で且つラグ時間が目標値より短い状態)と判定された場合には、ステップ112→113→114→115→123へと進み、補正制御デューティAに反映する最終補正値aにラグ時間の補正値LRN1(マイナス値)をセットし、補正制御デューティBに反映する最終補正値bを0とする。
【0038】
状態▲5▼(Nt変化速度が目標値の範囲内で且つラグ時間が目標値の範囲内の状態)と判定された場合には、ステップ112→113→114→115→116→124へと進み、2つの補正制御デューティA,Bに反映する最終補正値a,bを共に0とする。
【0039】
状態▲6▼(Nt変化速度が目標値の範囲内で且つラグ時間が目標値より長い状態)と判定された場合には、ステップ112→113→114→115→116→117→125へと進み、補正制御デューティAに反映する最終補正値aにラグ時間の補正値LRN1(プラス値)をセットし、補正制御デューティBに反映する最終補正値bを0とする。
【0040】
状態▲7▼(Nt変化速度が目標値より遅く且つラグ時間が目標値より短い状態)と判定された場合には、ステップ112→113→114→115→116→117→118→126へと進み、補正制御デューティAに反映する最終補正値aにラグ時間の補正値LRN1(マイナス値)をセットし、補正制御デューティBに反映する最終補正値bにNt変化速度の補正値LRN2(プラス値)をセットする。
【0041】
状態▲8▼(Nt変化速度が目標値より遅く且つラグ時間が目標値の範囲内の状態)と判定された場合には、ステップ112→113→114→115→116→117→118→119→127へと進み、補正制御デューティAに反映する最終補正値aを0とし、補正制御デューティBに反映する最終補正値bにNt変化速度の補正値LRN2(プラス値)をセットする。
【0042】
状態▲9▼(Nt変化速度が目標値より遅く且つラグ時間が目標値より長い状態)と判定された場合には、ステップ112→113→114→115→116→117→118→119→128へと進み、補正制御デューティAに反映する最終補正値aにラグ時間の補正値LRN1(プラス値)をセットし、補正制御デューティBに反映する最終補正値bにNt変化速度の補正値LRN2(プラス値)をセットする。
尚、補正制御デューティA,Bは、油圧制御弁の性能等でプラスとマイナスが反転することがある。
【0043】
以上のようにして、図11の最終補正値決定プログラムによって最終補正値a,bを決定した後、図5のステップ108に進み、今回の補正制御デューティA,Bを次のようにして算出する。まず、AT−ECU30のバックアップRAM(図示せず)に油温、スロットル開度等の条件毎に記憶されている補正制御デューティ学習値のマップ(図14参照)を検索して、今回の条件に該当する補正制御デューティ学習値Aold ,Bold を読み出し、各補正制御デューティ学習値Aold ,Bold にそれぞれ最終補正値a,bを加算して今回の補正制御デューティA,Bを求める。
【0044】
この後、ステップ109に進み、上記ステップ108で算出した今回の補正制御デューティA,Bを油温、スロットル開度等の条件毎に学習する(今回の条件に該当する学習領域に記憶されている補正制御デューティ学習値Aold ,Bold を今回の補正制御デューティA,Bで書き換える)。このステップ109の処理が特許請求の範囲でいう学習手段としての役割を果たす。
【0045】
この場合、各補正制御デューティ学習値Aold ,Bold に最終補正値a,bを加算して今回の補正制御デューティA,Bを求めることで、今回の補正制御デューティA,Bは、最終補正値a,bによって図13に示すように補正される。
【0046】
状態▲1▼(Nt変化速度が目標値より速く且つラグ時間が目標値より短い状態)の場合には、補正制御デューティAを補正する最終補正値a(=ラグ時間の補正値LRN1)がマイナス値であるために、補正制御デューティAは低圧側に補正され、補正制御デューティBを補正する最終補正値b(=Nt変化速度の補正値LRN2)がマイナス値であるために、補正制御デューティBは低圧側に補正される。
【0047】
状態▲2▼(Nt変化速度が目標値より速く且つラグ時間が目標値の範囲内の状態)の場合には、最終補正値aが0であるために、補正制御デューティAは補正されず、今回の補正制御デューティA=補正制御デューティ学習値(=前回の補正制御デューティAold )となり、最終補正値bがマイナス値であるために、補正制御デューティBは低圧側に補正される。
【0048】
状態▲3▼(Nt変化速度が目標値より速く且つラグ時間が目標値より長い状態)の場合には、最終補正値aがプラス値であるために、補正制御デューティAは高圧側に補正され、最終補正値bがマイナス値であるために、補正制御デューティBは低圧側に補正される。
【0049】
状態▲4▼(Nt変化速度が目標値の範囲内で且つラグ時間が目標値より短い状態)の場合には、最終補正値aがマイナス値であるために、補正制御デューティAは低圧側に補正され、最終補正値bが0であるために、補正制御デューティBは補正されず、今回の補正制御デューティB=補正制御デューティ学習値(=前回の補正制御デューティBold )となる。
【0050】
状態▲5▼(Nt変化速度が目標値の範囲内で且つラグ時間が目標値の範囲内の状態)の場合には、2つの最終補正値a,bが共に0であるために、2つの補正制御デューティA,Bは共に補正されない。
【0051】
状態▲6▼(Nt変化速度が目標値の範囲内で且つラグ時間が目標値より長い状態)の場合には、最終補正値aがプラス値であるために、補正制御デューティAは高圧側に補正され、一方、最終補正値bが0であるために、補正制御デューティBは補正されない。
【0052】
状態▲7▼(Nt変化速度が目標値より遅く且つラグ時間が目標値より短い状態)の場合には、最終補正値aがマイナス値であるために、補正制御デューティAは低圧側に補正され、最終補正値bがプラス値であるために、補正制御デューティBは高圧側に補正される。
【0053】
状態▲8▼(Nt変化速度が目標値より遅く且つラグ時間が目標値の範囲内の状態)と判定された場合には、最終補正値aが0であるために、補正制御デューティAは補正されず、最終補正値bがプラス値であるために、補正制御デューティBは高圧側に補正される。
【0054】
状態▲9▼(Nt変化速度が目標値より遅く且つラグ時間が目標値より長い状態)の場合には、2つの最終補正値a,bが共にプラス値であるために、2つの補正制御デューティA,Bは共に高圧側に補正される。
【0055】
以上説明した本実施形態(1)では、変速の状態を表す2つのパラメータ(ラグ時間とNt変化速度)を算出し、これら2つのパラメータとそれぞれの目標値との偏差に基づいて2つの補正値LRN1,LRN2を算出した後、2つのパラメータの状態(変速状態)に基づいて2つの補正値LRN1,LRN2の中から補正制御デューティA,B(油圧補正制御量)に反映する最終補正値a,bを決定するようにしたので、変速応答性向上と変速ショック低減とを両立させることが可能な最終補正値a,bを求めることができ、変速応答性を向上させながら変速ショックを低減することができる。しかも、変速ショックが問題とならない範囲内で最終補正値a,bを大きめに設定できるため、最終補正値a,bを反映した補正制御デューティA,Bを学習する際に、その学習速度を速めることができる。
【0056】
《実施形態(2)》
上記実施形態(1)では、補正制御デューティA,Bに反映する最終補正値a,bを決定する際に、最終補正値aをラグ時間の補正値LRN1又は0に決定し、最終補正値bをNt変化速度の補正値LRN2又は0に決定するようにしたが、図15及び図16に示す本発明の実施形態(2)では、2つのパラメータ(ラグ時間とNt変化速度)の状態に基づいて、最終補正値aをラグ時間の補正値LRN1、Nt変化速度の補正値LRN2、0のいずれかに決定し、最終補正値bも、ラグ時間の補正値LRN1、Nt変化速度の補正値LRN2、0のいずれかに決定するようにしている。
【0057】
本実施形態(2)においても、前記実施形態(1)と同じく、2つのパラメータ(ラグ時間とNt変化速度)の状態を9個の状態▲1▼〜状態▲9▼に区分する(ステップ111)。状態▲3▼〜状態▲7▼の場合は、前記実施形態(1)と同じ方法で最終補正値a,bを決定し(ステップ122〜126)、状態▲1▼、状態▲2▼、状態▲8▼、状態▲9▼については、前記実施形態(1)と異なる方法で最終補正値a,bを決定する。
【0058】
具体的には、状態▲1▼(Nt変化速度が目標値より速く且つラグ時間が目標値より短い状態)と判定された場合には、ステップ112からステップ120aに進み、補正制御デューティAに反映する最終補正値aとして、ラグ時間の補正値LRN1とNt変化速度の補正値LRN2のうちの絶対値が大きい方を選択し、補正制御デューティBに反映する最終補正値bを0とする。この場合、2つの補正値LRN1,LRN2が共にマイナス値である(つまり2つの補正値LRN1,LRN2が同じ油圧変化方向に作用する補正値である)ため、2つの補正値LRN1,LRN2のうちの絶対値が大きい方を選択して最終補正値aとし、他の最終補正値bを0とするものである。状態▲1▼では、最終補正値a(補正値LRN1,LRN2のうちの絶対値が大きい方)がマイナス値であるために、補正制御デューティAは低圧側に補正され、最終補正値bが0であるために、補正制御デューティBは補正されない。
【0059】
状態▲2▼(Nt変化速度が目標値より速く且つラグ時間が目標値の範囲内の状態)と判定された場合には、ステップ112→113→121aへと進み、補正制御デューティAに反映する最終補正値aにNt変化速度の補正値LRN2(マイナス値)をセットし、補正制御デューティBに反映する最終補正値bを0とする。この場合、最終補正値aがマイナス値であるために、補正制御デューティAは低圧側に補正され、最終補正値bが0であるために、補正制御デューティBは補正されない。
【0060】
状態▲8▼(Nt変化速度が目標値より遅く且つラグ時間が目標値の範囲内の状態)と判定された場合には、ステップ112→113→114→115→116→117→118→119→127aへと進み、補正制御デューティAに反映する最終補正値aにNt変化速度の補正値LRN2(プラス値)をセットし、補正制御デューティBに反映する最終補正値bを0とする。この場合、最終補正値aがプラス値であるために、補正制御デューティAは高圧側に補正され、最終補正値bが0であるために、補正制御デューティBは補正されない。
【0061】
状態▲9▼(Nt変化速度が目標値より遅く且つラグ時間が目標値より長い状態)と判定された場合には、ステップ112→113→114→115→116→117→118→119→128aへと進み、補正制御デューティAに反映する最終補正値aとして、2つの補正値LRN1,LRN2のうちの絶対値が大きい方を選択し、補正制御デューティBに反映する最終補正値bを0とする。この場合、2つの補正値LRN1,LRN2が共にプラス値である(つまり2つの補正値LRN1,LRN2が同じ油圧変化方向に作用する補正値である)ため、2つの補正値LRN1,LRN2のうちの絶対値が大きい方を選択して最終補正値aとし、他の最終補正値bを0とするものである。状態▲9▼では、最終補正値a(補正値LRN1,LRN2のうちの絶対値が大きい方)がプラス値であるために、補正制御デューティAは高圧側に補正され、最終補正値bが0であるために、補正制御デューティBは補正されない。
【0062】
以上説明した本実施形態(2)では、前記実施形態(1)よりも更に変速応答性や変速ショック抑制効果を向上させることが期待できる。
【0063】
《実施形態(3)》
前記実施形態(1)、(2)では、パラメータ状態(変速状態)を9個の状態▲1▼〜状態▲9▼に区分するようにしたが、パラメータ状態の区分数は、8個以下又は10個以上であっても良い。
【0064】
図17に示す本発明の実施形態(3)は、パラメータ状態の区分数を25個にした例である。前記実施形態(1)、(2)では、パラメータと目標値との大小関係のみで9個の状態▲1▼〜状態▲9▼に区分したが、本実施形態(3)では、パラメータと目標値との偏差の大小によってパラメータ状態を25区分(状態1〜状態25)に細分化して、より精度を向上させるようにしている。
【0065】
この場合、各状態1〜25毎に、補正制御デューティA,Bに反映する最終補正値a,bを補正値LRN1,LRN2のいずれか一方又は0に決定したり、或は、(LRN1+LRN2)/2、LRN1/2、LRN1/3、LRN1/4、LRN2/2、LRN2/3、LRN2/4等、補正値LRN1,LRN2の一部を最終補正値a,bとするようにしても良い。この点は、前記実施形態(1)、(2)においても同様である。
【0066】
《実施形態(4)》
前記実施形態(1)〜(3)は、NレンジからDレンジへ変速するときの制御例であり、補正値算出のために使用するパラメータは、ラグ時間とNt変化速度のみであったが、シフトアップ時やシフトダウン時には、図18、図19に示すように、タービン回転速度Ntが吹き上がる現象が発生し、この吹き量が大きくなると、変速ショックが発生する。
【0067】
そこで、本発明の実施形態(4)では、シフトアップ時には、図18に示すように、補正値算出のためのパラメータとして、ラグ時間とNt変化速度の他に、吹き開始までの時間と吹き量も算出し、これら4個のパラメータについてそれぞれ補正値をマップ等により算出する。シフトダウン時には、図19に示すように、補正値算出のためのパラメータとして、ラグ時間とNt変化速度の他に、吹き量を算出し、これら3個のパラメータについてそれぞれ補正値をマップ等により算出する。そして、これら4個又は3個のパラメータと目標値との大小関係(又は各パラメータと目標値との偏差の大小)によってパラメータ状態(変速状態)を所定数の状態に区分し、各状態毎に、4個又は3個の補正値の中から補正制御デューティに反映する最終補正値を決定する。
【0068】
このようにすれば、シフトアップ時やシフトダウン時の変速制御に対しても本発明を適用して実施することができる。この場合、変速パターン毎に、パラメータの数、補正値の数及び最終補正値の数を変更するようにしても良い。このようにすれば、変速パターン毎に、最適な制御特性を実現することができる。
【0069】
尚、前記実施形態(1)〜(3)においても、3個以上のパラメータを算出して、3個以上の補正値を算出して補正制御デューティに反映する最終補正値を決定するようにしても良い。
【0070】
《実施形態(5)》
本発明の実施形態(5)を図20を用いて説明する。
変速制御中にスロットル開度等の運転条件が変化すると、図20に点線で示すように、タービン回転速度Ntがエンジン回転速度Neの変動に追従して変動するため、変速ショックが発生する可能性がある。
【0071】
そこで、本実施形態(5)では、変速制御中にスロットル開度等の運転条件が変化した場合は、その後の補正制御デューティ(油圧補正制御量)に反映する最終補正値を変化させる。図20の例では、待機油圧保持期間中にスロットル開度が変化したため、補正制御デューティBに反映する最終補正値bを変化させる。
このようにすれば、変速制御中に運転条件が変化したときでも、変速応答性を維持しながら変速ショックを抑制することができる。
【0072】
《その他の実施形態》
補正制御デューティの学習を行っていく過程で、パラメータに優先順位をつけて目標値に入れていくようにしても良い。例えば、ラグ時間を目標値に入れた後、NT変化速度を目標値に入れても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態(1)における自動変速機全体の概略構成を示す図
【図2】自動変速機の機械的構成を模式的に示す図
【図3】各変速段毎のクラッチC0〜C2とブレーキB0,B1の係合/解放の組み合わせを示す図
【図4】変速パターンの一例を示す図
【図5】実施形態(1)の油圧学習制御プログラムの処理の流れを示すフローチャート
【図6】実施形態(1)のNレンジからDレンジに変速するときの制御例を示すタイムチャート
【図7】ラグ時間を説明するためのタイムチャート
【図8】ラグ時間による補正値LRN1マップを概念的に示す図
【図9】Nt変化速度を説明するためのタイムチャート
【図10】Nt変化速度による補正値LRN2マップを概念的に示す図
【図11】実施形態(1)の最終補正値決定プログラムの処理の流れを示すフローチャート
【図12】実施形態(1)のパラメータ状態の判定マップを概念的に示す図
【図13】実施形態(1)の補正制御デューティA,Bの補正パターンを説明する図
【図14】補正制御デューティ学習値マップを概念的に示す図
【図15】実施形態(2)の最終補正値決定プログラムの処理の流れを示すフローチャート
【図16】実施形態(2)の補正制御デューティA,Bの補正パターンを説明する図
【図17】実施形態(3)のパラメータ状態の判定マップを概念的に示す図
【図18】実施形態(4)のシフトアップ時のパラメータの種類を説明するタイムチャート
【図19】実施形態(4)のシフトダウン時のパラメータの種類を説明するタイムチャート
【図20】実施形態(5)の制御例を説明するタイムチャート
【符号の説明】
11…自動変速機、12…トルクコンバータ、13…変速歯車機構(変速機構)、16…ロックアップクラッチ、17…油圧制御回路、18…油圧ポンプ、19…ライン圧制御回路、20…自動変速制御回路、21…ロックアップ制御回路、26…手動切換弁、27…エンジン回転速度センサ、30…AT−ECU(パラメータ算出手段,補正値算出手段,最終補正値決定手段,学習手段)、C0〜C2…クラッチ(摩擦係合要素)、B0,B1…ブレーキ(摩擦係合要素)。

Claims (12)

  1. 駆動源から回転力が伝達される入力軸と、この入力軸の回転を変速して出力軸に伝達する変速機構と、この変速機構の複数の変速段に設けられた複数の摩擦係合要素とを備え、変速指令に応じて前記複数の摩擦係合要素に作用させる油圧を個別に制御することで、各摩擦係合要素の係合と解放を選択的に切り換えて、前記変速機構の変速段を切り換える自動変速機の制御装置において、
    変速の状態を表す複数のパラメータである、変速指令が切り換ってから係合側のクラッチが係合力を発生し始めるまでのラグ時間とタービン回転速度の変化速度とを算出するパラメータ算出手段と、
    前記複数のパラメータの1つであるラグ時間とその目標値との偏差に基づいて第1の補正値をマップにより算出し、前記複数のパラメータの1つであるタービン回転速度の変化速度とその目標値との偏差に基づいて第2の補正値をマップにより算出する補正値算出手段と、
    前記複数のパラメータの状態、前記第1の補正値及び前記第2の補正値、又は複数のパラメータの状態に基づいて変速ショックが問題とならない範囲内で油圧補正制御量に反映する最終的な補正値をマップ及びプログラムにより決定する最終補正値決定手段と
    を備えていることを特徴とする自動変速機の制御装置。
  2. 前記最終補正値決定手段は、前記複数のパラメータの状態に基づいて前記第1の補正値及び前記第2の補正値を油圧補正制御量に反映させるパターンを決定することを特徴とする請求項1に記載の自動変速機の制御装置。
  3. 前記最終補正値決定手段は、前記第1の補正値及び前記第2の補正値の大きさに基づいて当該第1の補正値及び前記第2の補正値の中から油圧補正制御量に反映する最終的な補正値を決定することを特徴とする請求項1又は2に記載の自動変速機の制御装置。
  4. 前記最終補正値決定手段は、前記第1の補正値及び前記第2の補正値が同じ油圧変化方向に作用する補正値のときには、当該第1の補正値及び前記第2の補正値の中から大きい方のいずれか1個の補正値を最終的な補正値として用いることを特徴とする請求項3に記載の自動変速機の制御装置。
  5. 前記最終補正値決定手段は、前記第1の補正値及び前記第2の補正値が互いに反対の油圧変化方向に作用する補正値のときには、前記第1の補正値及び前記第2の補正値を全て最終的な補正値として用いることを特徴とする請求項3又は4に記載の自動変速機の制御装置。
  6. 前記最終補正値決定手段は、前記複数のパラメータとそれぞれの目標値との偏差に基づいて油圧補正制御量に反映する最終的な補正値を決定することを特徴とする請求項1に記載の自動変速機の制御装置。
  7. 前記最終的な補正値を反映した油圧補正制御量を条件毎に学習する学習手段を備えていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の自動変速機の制御装置。
  8. 前記パラメータ算出手段、前記補正値算出手段及び前記最終補正値決定手段は、変速パターン毎に前記パラメータの数及び反映する最終的な補正値の数を変更することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の自動変速機の制御装置。
  9. 前記最終補正値決定手段は、変速制御中に運転条件が変化したときに油圧補正制御量に反映する最終的な補正値を変化させることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の自動変速機の制御装置。
  10. 前記目標値は、幅のある値に設定されていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の自動変速機の制御装置。
  11. 前記目標値は、前記運転条件毎に設定されていることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の自動変速機の制御装置。
  12. 駆動源から回転力が伝達される入力軸と、この入力軸の回転を変速して出力軸に伝達する変速機構と、この変速機構の複数の変速段に設けられた複数の摩擦係合要素とを備え、変速指令に応じて前記複数の摩擦係合要素に作用させる油圧を個別に制御することで、各摩擦係合要素の係合と解放を選択的に切り換えて、前記変速機構の変速段を切り換える自動変速機の制御装置において、
    変速の状態を表す複数のパラメータである、変速指令が切り換わってから係合側のクラッチが係合力を発生し始めるまでの時間であるラグ時間とタービン回転速度の変化速度とを算出するパラメータ算出手段と、
    前記複数のパラメータの1つであるラグ時間とその目標値との偏差に基づいて第1の補正値をマップにより算出し、前記複数のパラメータの1つであるタービン回転速度の変化速度とその目標値との偏差に基づいて第2の補正値をマップにより算出する補正値算出手段と、
    前記複数のパラメータの状態、前記第1の補正値及び前記第2の補正値、又は複数のパラメータの状態に基づいて、変速ショックが問題とならない範囲内で、係合側のクラッチに作動油を充填した後の待機油圧を補正するための第1の油圧補正制御量と、前記待機油圧を保持する期間から油圧が上昇する期間に移行するときの第2の油圧補正制御量とにそれぞれ反映する最終的な補正値をマップ及びプログラムにより決定する最終補正値決定手段とを備えていることを特徴とする自動変速機の制御装置。
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