JP2004286182A - 自動変速機及び自動変速機の待機油圧値設定方法 - Google Patents

自動変速機及び自動変速機の待機油圧値設定方法 Download PDF

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清春 高木
Akira Aikawa
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Abstract

【課題】高精度かつ、頑健な待機油圧値の設定方法を提供する。
【解決手段】自動変速機の電子制御部は、ステップ圧ΔPが微少で、ステップ間隔Δtが十分に長い階段状油圧波形制御を行う。このとき、流量変化を無視でき、また、ピストン速度も遅く一定であり、リターンスプリング相当圧が得られる。自動変速機の電子制御部は、学習モードにおいて、上記のような油圧の駆動制御を行うとともに、タービン回転数Ntとエンジン回転数Neとの差分値Nteを、時間間隔Δtより十分に短い測定サイクルで監視し、ピストンのストロークが流量制御の領域を脱したか否か(ピストンエンド)を検出し、該時点の係合油圧Pcを、摩擦係合要素に係る待機油圧値として設定する。
【選択図】図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動変速機及び自動変速機の待機油圧値設定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動変速機の油圧制御において、油圧源からの油圧を電磁弁によって直接制御して、摩擦係合要素(摩擦クラッチ、摩擦ブレーキ)への供給油圧を制御し、各摩擦係合要素の係合・非係合を行う方式が知られている。例えば、特開2002−295529号公報には、本方式において、「クラッチがつながり始めるまでの遊び領域はクラッチを急接し、クラッチがつながり始めたら接続速度を切り換えてゆっくりつなぐ」制御を行うべく、電子コントロールユニットに、トルク伝達開始点(トルク点)として、デューティパルスのデューティ比を学習させて、最適な電磁弁の開放制御を行うクラッチのトルク点学習方法が紹介されている。
【0003】
図8に示されるように、クラッチピストン(以下、単にピストンという)のピストンストロークの前半部の遊び領域では、流体を該摩擦係合要素に急速充填するいわゆるプリチャージを行なってピストン動作を増速することが行われている。そして、所定のプリチャージ時間の経過後は、摩擦係合要素の係合開始寸前でピストン速度を0近くに減速させた状態にし、その反力要素のリターンスプリング相当の低い油圧(待機油圧)に保持し、ピストンを待機させて、応答性、追随性を向上させる必要がある。かくして、変速動作の短縮と、変速ショックの防止とを両立させることができる。
【0004】
しかしながら、リターンスプリングのばね力自体ばらつきが存在すること、また、一般の圧制御と異なり、ピストンがストロークするため流量制御の領域となり、コントロールバルブ性能以外の各諸元、例えばオイルポンプの叶出量等が影響して、指示圧と実圧が一致しないという事情が存在する。こうしたことから、リターンスプリング相当圧(待機油圧)を精度よく検出・設定する方法の提案が望まれている。とりわけ、車両の出荷初期時において、適当なピストンの待機制御のためのリターンスプリング相当圧(待機油圧)を設定できれば、自動変速機、エンジン、電磁弁等のばらつきに起因する車両の個体差を吸収でき、安定した品質を提供できると考えられる。
【0005】
このような車両毎の個体差を考慮したリターンスプリング相当圧(待機油圧)を設定する技術として、例えば、特開平8−338519号公報には、入力軸回転数の変化をモニタし、該変化に基いて、締結力発生ぎりぎりの臨界圧、即ち、待機圧を修正することのできる流体作動式摩擦要素の締結制御装置が紹介されている。また、特開平8−303568号公報には、適切なニュートラル制御を行い、クラッチの係合が開始されるときの係合開始圧に基いて、最適な初期係合圧、即ち、待機圧を設定可能な自動変速機の制御装置が紹介されている。
【0006】
しかしながら、特開平8−338519号公報に記載の技術では、元来入力軸回転数変化は微小であり、エンジン回転数の変動やノイズによって誤検知しやすいうえ、初期状態の、解放制御、若しくは、プリチャージ制御が不適切である場合、入力軸回転数変化そのものが無くなってしまうという問題点がある。従って、長期的な学習には応用できても、出荷初期時に適用するには不向きである。
【0007】
また、特開平8−338519号公報に記載の技術をもってしても、自動変速機毎に特性が異なる以上、係合開始圧検出に用いるしきい値を自動変速機毎に変更する必要があるうえ、温度(油温)の変化による影響を考慮する必要がある。また、本件公報に記載の技術は、最適なニュートラル制御から発したものゆえ、N→DのCクラッチの様に比較的入力トルクが小さく、入力軸回転変化に対して同等以下の回転変化となる摩擦係合要素における待機圧の検出には、好ましく適用できるが、その他の摩擦係合要素における待機圧の検出には、回転変化が激しいため、必要な検出精度を期待できない。
【0008】
【特許文献1】
特開2002−295529号公報
【特許文献2】
特開平8−338519号公報
【0009】
【特許文献3】
特開平8−303568号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記した各事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、車両の個体差や温度等の諸条件に変化に拘わらず適用できる、高精度かつ、頑健な待機油圧値の設定方法、及び、このような待機油圧値の設定機能を具備した自動変速機を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための手段を提供する本発明の第1の視点によれば、係合・非係合の組合せにより複数の変速段を構成する複数の摩擦係合要素と、供給する油圧の制御によって該摩擦係合要素の係合・非係合を制御する制御部と、を有する自動変速機であって、プリチャージ後の待機油圧値を学習するための学習モードへの切替え手段と、前記学習モードへの切替によって起動される、少なくともタービン回転数よりなる入力値に基いて待機油圧値を決定する待機油圧値決定手段と、を有し、車両停止状態において、前記学習モードに切替えられた場合に、前記待機油圧値決定手段は、前記自動変速機の入力軸回転数を維持した状態で、制御部をして、待機油圧値を設定する摩擦係合要素に係る油圧を、所定の時間間隔毎に漸増させて、該摩擦係合要素を係合側に推移させ、更に、所定の判定サイクルで、入力値を測定するとともに、所定サイクル分記憶保持し、更に、現入力値と所定の判定サイクル前の入力値との差分値を、算出するとともに、記憶保持し、現判定サイクルにおいて、タービン回転数の減少に起因する入力値の変化が、所定のノイズ除去条件を充足し、かつ、前記現判定サイクルにおける差分値と、前回の判定サイクルにおける差分値が、いずれも予め定めるしきい値を超え、かつ、前記両判定サイクルにおける差分値がタービン回転数の減少傾向を示す場合に、該時点の油圧を、待機油圧として学習設定することを特徴とする自動変速機が提供される。
【0012】
また、本発明の第2の視点によれば、係合・非係合の組合せにより複数の変速段を構成する複数の摩擦係合要素と、供給する油圧の制御によって該摩擦係合要素の係合・非係合を制御する制御部と、少なくともタービン回転数よりなる入力値に基いて待機油圧値を決定する待機油圧値決定手段と、を有する自動変速機のプリチャージ後の待機油圧値設定方法において、車両停止状態において、前記自動変速機の入力軸回転数を維持した状態で、前記制御部が、待機油圧値を設定する摩擦係合要素に係る油圧を、所定の時間間隔毎に漸増し、前記摩擦係合要素を、係合側に推移させ、前記待機油圧値決定手段が、所定の判定サイクルで、入力値を測定するとともに、所定サイクル分記憶保持し、更に、現入力値と所定の判定サイクル前の入力値との差分値を、算出するとともに、記憶保持し、現判定サイクルにおいて、タービン回転数の減少に起因する入力値の変化が、所定のノイズ除去条件を充足し、かつ、前記現判定サイクルにおける差分値と、前回の判定サイクルにおける差分値が、いずれも予め定めるしきい値を超え、かつ、前記両判定サイクルにおける差分値がタービン回転数の減少傾向を示す場合に、該時点の油圧を、待機油圧として学習設定することを特徴とする待機油圧値設定方法が提供される。
【0013】
また、自動変速機にエンジン回転数の入力手段を備える場合には、前記待機油圧値決定手段が、入力値として、タービン回転数とエンジン回転数との差分値を用いることも好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
続いて、本発明の一実施の形態について、図面を参照して、詳細に説明する。図1は、本発明の一実施の形態の自動変速機の全体構成を示す図である。図1を参照すると、自動変速機1は、変速機本体2と、油圧制御部3と、電子制御部4と、からなっている。
【0015】
変速機本体2は、トルクコンバーター10のタービン10aに連結された入力軸11と、車輪側に連結された出力軸12と、入力軸11に連結されたダブルピニオンプラネタリギアG1、シングルピニオンプラネタリギアG2、G3と、入力軸11とダブルピニオンプラネタリギアG1、シングルピニオンプラネタリギアG2、G3との間に配された摩擦クラッチC1、C2、C3と、摩擦ブレーキB1、B2と、を備えている。上記構成によって、摩擦係合要素である、摩擦クラッチC1、C2、C3及び摩擦ブレーキB1、B2の係合・非係合の組が、油圧制御部3及び電子制御部4によって選択され、図2に例示される任意の変速段が構成される。
【0016】
図3は、上記摩擦係合要素として例示する湿式多板クラッチの模式図である。図3を参照すると、ピストン31と、ピストン31の反力要素となるリターンスプリング32と、クラッチドラム33側に嵌合されたドリブンプレート331と、クラッチハブ34側に嵌合されたドライブプレート341と、を備えている。油圧制御部3により、油圧でピストン31が前記各プレート側に十分に押し付けられると、ドリブンプレート331、ドライブプレート341とに摩擦が生じ、係合状態に遷移し、タービン回転数Ntが減少する。一方、油圧制御部3により、油圧が低減されると、リターンスプリング32がピストン31を押し戻し、非係合状態に遷移する。
【0017】
油圧制御部3は、電子制御部4の指示に基いて、内部の油圧回路を切り替え、摩擦係合要素を選択するとともに、供給する油圧の制御を行って、該摩擦係合要素の係合・非係合の制御を行う。
【0018】
電子制御部4は、入力軸11(タービン10a)のタービン回転数をNtを検出するタービン回転センサ13と、運転者の操作によるセレクターレバーのポジションを検出するポジションセンサ14と、エンジン回転数Neを検出するエンジン回転センサ15と、を含む各種センサからの入力値に基いて、油圧制御部3を駆動制御するコンピュータである。また、電子制御部4は、コンピュータプログラムによって構成された、待機油圧値を学習するため動作モードへの移行を行う学習モード切替手段41と、待機油圧値の設定処理を行う待機油圧値決定手段42と、を備えている。電子制御部4を構成するコンピュータが検知可能な所定の操作が行われると、学習モード切替手段41によって、後に述べる待機圧の設定処理が開始される。
【0019】
ところで、上記した湿式多板クラッチに代表される油圧システムの状態は、次式(1)(流体の連続式)、式(2)(ピストンの運動方程式)で表わされる。
【数1】
Figure 2004286182
【数2】
Figure 2004286182
【0020】
ここで、Pc:係合油圧、K:体積弾性率、V:容積、Qs:入力流量、Qb:洩れ流量、Ap:ピストン面積、k×x+Fset:リターンスプリング力、m:ピストン質量、C:減衰係数である。
【0021】
ここで、十分な時間間隔をおいて、ステップ圧分油圧を上昇させてなる階段状油圧波形を用いた場合を想定する。即ち、ステップ圧が微少で、ステップ間隔が十分に長い場合には、流量変化を無視でき、また、ピストン速度も遅く一定であり、減衰力も考慮しなくても良く、ほとんど静的に近い状態と考えられる。
【0022】
従って、このような状態において、式(2)の左辺は、第3項、第4項のみを考慮すればよいことになり、次式(3)が得られる。
【数3】
Figure 2004286182
【0023】
そして、静的な状態を保ったまま、ピストンを係合側に推移させ、ピストンのストロークの流量制御領域の終了を検出できれば、リターンスプリング相当圧Pcとして、当該時点の指示圧を採用できることになる。
【0024】
具体例として、摩擦クラッチC3に対する待機油圧値の設定を説明する。エンジンが起動され、車両停止状態(出力軸12が固定)で、上記設定用のプログラムが起動されている状態で、例えば、セレクトレバーがNレンジ(摩擦ブレーキB2が係合)からRレンジ(摩擦クラッチC3と摩擦ブレーキB2が係合)に切り替えられると、電子制御部4は、油圧制御部3を介して、摩擦ブレーキB2を先行して係合させる。上記の通り、Nレンジにおいては、摩擦ブレーキB2を係合させたニュートラルであるから、電子制御部4は、この状態を保持する。
【0025】
続いて、電子制御部4は、油圧制御部3を介して、時間間隔Δt(例えば、0.9sec)毎に、摩擦クラッチC3の油圧を、ステップ圧ΔP(例えば、10Kpa)分漸次増加させるよう駆動信号を出力する。
【0026】
図4は、上記制御によって形成される階段状の油圧波形と、タービン回転数Ntの変化を表わした図である。図4に示されるとおり、電子制御部4は、上記駆動制御を行うとともに、タービン回転数Ntとエンジン回転数Neとの差分値Nteを、時間間隔Δtより十分に短い測定サイクル、例えば100msec間隔で監視し、ピストンのストロークが流量制御の領域を脱したか否か(ピストンエンド)を検出し(図3の判定)、該時点の係合油圧Pcを、摩擦クラッチC3に係る待機油圧値として設定する。
【0027】
続いて、図5を参照して、上記判定処理の詳細について説明する。まず、電子制御部4は、所定の初期化処理を行った後(ステップS1)、ステップ圧ΔP分係合油圧を増加させる(ステップS2)、タービン回転センサ13、エンジン回転センサ15とから受信し、算出した入力値Nteを所定のnサイクル分記憶保持すべく、前サイクルのNte,Nte,・・・Nten−1の内容を、Nte,Nte・・・Nteとするとともに、現サイクルの入力値Nteを記憶保持する(ステップS3)。続いて、電子制御部4は、前サイクルの差分値ΔNteをΔNteとし、記憶保持するとともに、現サイクルの入力値Nteと、所定サイクル前(例えば、500msec前)の入力値Nteとの差を算出し、差分値ΔNteを記憶保持する(ステップS4)。そして、上記の結果、以下(A)乃至(D)の各条件がすべて成立したか否かによって、ピストンエンドが成立したか否かを判定する(ステップS5)。
(A)ΔNte>しきい値Nte_th(例えば、10rpm)
(B)ΔNte>しきい値Nte_th(例えば、10rpm)
(C)ΔNte>ΔNte
(D)所定のm回以上(例えば、m=5)、Nteが連続して増加乃至同値。
(Nte>=Nte>=Nte・・・>=Nte
なお、上記(D)の条件は、ノイズ等による誤判定を防止するためのものである。そして、ピストンエンドが成立した場合は、当該時点の係合油圧を待機油圧値として学習設定する(ステップS7)。
【0028】
一方、ピストンエンドが成立していない場合は、時間間隔Δtが継続している限り、上記ステップS3乃至ステップS5の処理を繰返し、時間間隔Δtが終了した場合は、上記ステップS2に戻って、係合油圧をステップ圧ΔP分増加させる処理を行う(ステップS6)。
【0029】
図6は、判定ポイント近傍におけるタービン回転数Ntの減少の変化を示して上記判定条件を説明するための図である。なお、上記判定条件では、他にエンジン回転数Neが導入されているが、エンジン回転数Neは略一定であるため、図6では簡単のため省略している。図6に示されたとおり、黒丸を結んだ実線(Nt,Nt,Nt,・・・Nt)が判定限界点であり、ピストンエンド成立を示すタービン回転数の急落を検知できるものとなっている。即ち、斜線領域B及びC内でタービン回転数Ntが連続して降下していれば、上記条件(A)乃至(D)が成立し、ピストンのストロークが流量制御の領域を脱した(ピストンエンド)と判定し、また、斜線領域A内でタービン回転数Ntが上昇しても、上記条件(A)乃至(D)が成立しうる構成となっている。
【0030】
このようにして得られるリターンスプリング相当圧は、上記式(3)に基いて、ピストンストロークを決めて、リターンスプリング荷重を単品レベルで計測した値を、ピストン面積で割った値と、精度よく一致した。即ち、車両個体のばらつきを吸収し、それぞれの自動変速機に応じたリターンスプリング相当圧が精度よく検出されており、この値は、プリチャージ後の待機油圧値として、好ましく採用可能である。
【0031】
また、電子制御部4によるステップ圧ΔPを調節することで、誤判定やバラツキを低減することが可能である。例えば、指示圧に対して実圧の勾配が小さい場合は、回転変化が少なくなることが予想されるが、この場合は、ステップ圧ΔPを少し上げるだけで対応可能である。
【0032】
なお、本実施の形態においては、入力値として、│Nt−Ne│=Nteを用い、エンジン回転の変動も考慮に入れている。その理由を、ここで説明する。図7は、回転変化が表れにくい摩擦係合要素について、階段状にステップアップした時の実圧とタービン回転変化を測定した図である。図7を参照すると、階段状油圧波形である故、タービン回転数の変化は、極めて緩やかである。そこで、本実施の形態においては、こうした回転変化が表れにくい摩擦係合要素の場合を考慮して、エンジン回転の変動も考慮に入れたものである。また、このようにすることで、エンジン回転変動の大きい車両についても、好ましく適用できることにもなる。
【0033】
なお、本実施の形態においては、その好ましい一実施の形態として、コンピュータの判定サイクルを100msec、しきい値を10rpmとした例を挙げたが、これらを特に限定するものではない。また、モータベンチ等にて利用する場合は、│Nt−Ne│=Nteに代えて、単にタービン回転数Ntを用ればよい。この場合は、上記(A)乃至(D)の条件式の不等号を逆にするとともに、しきい値を負数とすればよいことは、図6に示されたとおりである。
【0034】
【発明の効果】
本発明によれば、車両の個体差を吸収し、精度のよい待機圧を設定することが可能となる。また、本発明は、車両、自動変速機、温度等の諸条件の変化に影響を受けにくいという利点を有している。なお、本発明は、油圧振動に対して非常に強いことも、実車データから判明している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の自動変速機の全体構成を示す図である。
【図2】摩擦係合要素の係合・非係合と変速段との関係を示す図である。
【図3】摩擦係合要素として例示する湿式多板クラッチの断面模式図である。
【図4】本発明で用いる油圧波形と、タービン回転数Ntの変化を表わした図である。
【図5】本発明の一実施の形態の待機油圧値の設定処理の流れを表わしたフローチャートである。
【図6】判定ポイント近傍のタービン回転数の変化を示して、判定条件の一例を説明するための図である。
【図7】油圧を階段状にステップアップした際の実圧とタービン回転変化を測定した図である。
【図8】自動変速機のアップシフト変速の際の波形を表わした図である。
【符号の説明】
1 自動変速機
2 変速機本体
3 油圧制御部
4 電子制御部
10 トルクコンバーター
10a タービン
11 入力軸
12 出力軸
13 タービン回転センサ
14 ポジションセンサ
15 エンジン回転センサ
31 ピストン
32 リターンスプリング
33 クラッチドラム
34 クラッチハブ
41 学習モード切替手段
42 待機油圧値決定手段
331 ドリブンプレート
341 ドライブプレート
B1、B2 摩擦ブレーキ
C1、C2、C3 摩擦クラッチ
G1 ダブルピニオンプラネタリギア
G2、G3 シングルピニオンプラネタリギア

Claims (4)

  1. 係合・非係合の組合せにより複数の変速段を構成する複数の摩擦係合要素と、供給する油圧の制御によって該摩擦係合要素の係合・非係合を制御する制御部と、を有する自動変速機であって、
    プリチャージ後の待機油圧値を学習するための学習モードへの切替え手段と、
    前記学習モードへの切替によって起動される、少なくともタービン回転数よりなる入力値に基いて待機油圧値を決定する待機油圧値決定手段と、を有し、
    車両停止状態において、前記学習モードに切替えられた場合に、前記待機油圧値決定手段は、
    前記自動変速機の入力軸回転数を維持した状態で、制御部をして、待機油圧値を設定する摩擦係合要素に係る油圧を、所定の時間間隔毎に漸増させて、該摩擦係合要素を係合側に推移させ、
    更に、所定の判定サイクルで、入力値を測定するとともに、所定サイクル分記憶保持し、更に、現入力値と所定の判定サイクル前の入力値との差分値を、算出するとともに、記憶保持し、
    現判定サイクルにおいて、
    タービン回転数の減少に起因する入力値の変化が、所定のノイズ除去条件を充足し、かつ、
    前記現判定サイクルにおける差分値と、前回の判定サイクルにおける差分値が、いずれも予め定めるしきい値を超え、かつ、前記両判定サイクルにおける差分値がタービン回転数の減少傾向を示す場合に、
    該時点の油圧を、待機油圧として学習設定すること、
    を特徴とする自動変速機。
  2. 請求項1に記載の自動変速機において、
    エンジン回転数の入力手段を有し、
    前記待機油圧値決定手段は、入力値として、タービン回転数とエンジン回転数との差分値を用いること、
    を特徴とする自動変速機。
  3. 係合・非係合の組合せにより複数の変速段を構成する複数の摩擦係合要素と、
    供給する油圧の制御によって該摩擦係合要素の係合・非係合を制御する制御部と、少なくともタービン回転数よりなる入力値に基いて待機油圧値を決定する待機油圧値決定手段と、を有する自動変速機のプリチャージ後の待機油圧値設定方法において、
    車両停止状態において、前記自動変速機の入力軸回転数を維持した状態で、
    前記制御部が、待機油圧値を設定する摩擦係合要素に係る油圧を、所定の時間間隔毎に漸増し、前記摩擦係合要素を、係合側に推移させ、
    前記待機油圧値決定手段が、
    所定の判定サイクルで、入力値を測定するとともに、所定サイクル分記憶保持し、更に、現入力値と所定の判定サイクル前の入力値との差分値を、算出するとともに、記憶保持し、
    現判定サイクルにおいて、
    タービン回転数の減少に起因する入力値の変化が、所定のノイズ除去条件を充足し、かつ、
    前記現判定サイクルにおける差分値と、前回の判定サイクルにおける差分値が、いずれも予め定めるしきい値を超え、かつ、前記両判定サイクルにおける差分値がタービン回転数の減少傾向を示す場合に、
    該時点の油圧を、待機油圧として学習設定すること、
    を特徴とする待機油圧値設定方法。
  4. 請求項3に記載の待機油圧値設定方法において、
    前記待機油圧値決定手段は、入力値として、タービン回転数とエンジン回転数との差分値を用いること、
    を特徴とする待機油圧値設定方法。
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