JP2008064319A - 自動変速機の油圧特性値設定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 個々の車両の個体差を吸収できる油圧特性値を精度よく学習設定する。
【解決手段】 油圧特性値の設定に先立って、電子制御部が、係合油圧を、その制御可能な最小圧に引き上げて、油路内の残留エアーを排出し、摩擦係合要素をゆっくり係合させて、タービン回転数の変化を検出して、待機油圧値を学習し、その後ピストンを初期位置に戻し、摩擦係合要素を急係合させて、タービン回転数の変化を検出して、プリチャージ時間を学習する動作とを一連に実行する。また、プリチャージ時間の学習を先に行う場合には、これに先立って、電子制御部が、摩擦係合要素に係る油圧を、所定の時間、予め定める予備圧に保持して、油路内の残留エアーを排出する。
【選択図】 図6

Description

本発明は、自動変速機の油圧特性値設定方法に関する。
自動変速機の油圧制御において、油圧源からの油圧を電磁弁によって直接制御して、摩擦係合要素(摩擦クラッチ、摩擦ブレーキ)への供給油圧を制御し、各摩擦係合要素の係合・非係合を行う方式が知られている。特に、変速動作の短縮と、変速ショックの防止とを両立させる要請から、特開2002−295529号公報に紹介されているように、クラッチがつながり始めるまでの遊び領域はクラッチを急接し、クラッチがつながり始めたら接続速度を切り換えてゆっくりつなぐことが行われている。クラッチピストン(以下、単にピストンという)のピストンストロークの前半部の遊び領域では、流体を該摩擦係合要素に急速充填するいわゆるプリチャージを行なってピストン動作を増速することが行われ、所定のプリチャージ時間の経過後は、摩擦係合要素の係合開始寸前でピストン速度を0近くに減速させるとともに、低い油圧(待機油圧)に保持し、ピストンを待機させて、応答性、追随性を向上させている。
しかしながら、油圧源から油圧を電磁弁にて直接制御する場合、工場出荷時における、各摩擦係合要素への指示圧に対する実圧の検査のため、油圧検出ポートを設ける必要があり、油路内にエアーが残留し易いとされている。実際、各種エアーの排出方法が実施されてはいるが、油路の構造上、エアーの排出が容易でない場合もあり、また、エアーの混入の程度を検出することも困難である。そして、油路内にエアーが残留した場合には、空気が圧縮される分だけ作動油圧系の油圧の立ち上がりに遅れが生じ、クラッチ作動ラグ、油圧値の安定性、油圧応答性の不安定といった不都合を生じうる。特に、長時間放置した場合は、エンジン始動後の数回は、油圧の立ち上がりが緩慢になるとされている。
当然に、工場出荷時の油圧特性値の設定においても、残留エアーの影響により個体差を十分に吸収できない事態が生じ得る。例えば、所定のプリチャージ圧にてピストンを作動させて、摩擦係合要素を急係合させ、タービン回転数の変化等を検出して、最適なプリチャージの時間を設定することが行われているが、エアーが残留している場合は、空気が圧縮される分だけ本来のプリチャージ時間より長い時間が設定されることになる。実変速時に、上記の長いプリチャージ時間を用いれば、必要以上に急速充填をしてしまいピストンストロークのエンドでサージ圧が発生し、変速ショックが発生する。
そこで、工場出荷時の油圧特性値の設定の場面におけるエアーの排出の方法の提案が望まれている。油路内のエアーの排出を行う技術としては、特開平10−169764号公報に、車両の停止中や走行時に、ON/OFFを連続的に繰り返すチャージ制御が提案されている。しかしながら、上記公報記載の技術は、ピストンをストロークさせず、仮にストロークしたとしても確実にピストンを戻せるよう、ON時間は短くし、OFF時間は十分に長くする制御を行うものであり、エアー排出の時間が相応に長くならざるを得ない。また、エアー排出の時間短縮を図るとすれば、ON圧を上げざるを得ず、この場合には、サージが生じ、実圧が限界圧を超えてしまい最適な油圧特性値を得られないことになる。
特開2002−295529号公報 特開平10−169764号公報
本発明は、上記した各事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、高精度かつスループットの高い油圧特性値の設定方法を提供することにある。
前記課題を解決するための手段を提供する本発明の第1の視点によれば、係合・非係合の組合せにより複数の変速段を構成する複数の摩擦係合要素と、供給する油圧の制御によって該摩擦係合要素の係合・非係合を制御する制御部と、少なくともタービン回転数よりなる入力値に基いて、待機油圧値とプリチャージ時間をそれぞれ決定する油圧特性値決定手段と、を有する自動変速機に好ましい油圧特性値設定方法が提供される。まず、車両停止状態において、前記制御部による油圧の制御に基づき前記摩擦係合要素のいずれか1つを非係合状態にして当該摩擦係合要素の一側にタービン回転を伝達させるとともに他側を固定した状態で、前記制御部が、前記摩擦係合要素に係る油圧を、所定の時間、少なくとも前記入力値が変動しない範囲内の所定の油圧P(P>初期係合油圧P)に設定した後、前記摩擦係合要素に係る油圧を、初期係合油圧値に戻して、所定時間保持した後、前記摩擦係合要素に係る油圧を、予め定められたプリチャージ圧に保持し、該摩擦係合要素を係合側に推移させて、プリチャージ時間設定のための制御を開始する。続いて、前記油圧特性値決定手段が、入力値を測定し、入力値の変化が予め定める第1の条件を充足する時点を、プリチャージ時間として学習設定するものである。上記プリチャージ時間の学習設定に続けて、待機油圧値の学習設定を行う場合には、前記制御部が、前記摩擦係合要素に係る油圧を、初期係合油圧値に戻して、所定時間保持した後、前記摩擦係合要素に係る油圧を、所定の時間間隔毎に漸増し、前記摩擦係合要素を、係合側に推移させて、待機油圧値設定のための制御を開始する。そして、前記油圧特性値決定手段が、入力値を測定し、該入力値の変化が予め定める第2の条件を充足する時点の油圧を、待機油圧として学習設定することで、プリチャージ時間と一連に待機油圧値の学習設定を行うことができる。
また、本発明の第2の視点によれば、係合・非係合の組合せにより複数の変速段を構成する複数の摩擦係合要素と、供給する油圧の制御によって該摩擦係合要素の係合・非係合を制御する制御部と、少なくともタービン回転数よりなる入力値に基いて、待機油圧値とプリチャージ時間をそれぞれ決定する油圧特性値決定手段と、を有する自動変速機に好ましい別の油圧特性値設定方法が提供される。まず、車両停止状態において、前記制御部による油圧の制御に基づき前記摩擦係合要素のいずれか1つを非係合状態にして当該摩擦係合要素の一側にタービン回転を伝達させるとともに他側を固定した状態で、前記制御部が、前記摩擦係合要素に係る油圧を、所定の時間、少なくとも前記入力値が変動しない範囲内の所定の油圧P(P>初期係合油圧P)に設定した後、前記摩擦係合要素に係る油圧を、所定の時間間隔毎に漸増し、前記摩擦係合要素を、係合側に推移させて、待機油圧値設定のための制御を開始する。続いて、前記油圧特性値決定手段が、入力値を測定し、該入力値の変化が予め定める第1の条件を充足する時点の油圧を、待機油圧として学習設定する。更に続いて、前記制御部が、前記摩擦係合要素に係る油圧を、初期係合油圧値に戻して、所定時間保持した後、前記摩擦係合要素に係る油圧を、予め定められたプリチャージ圧に保持し、該摩擦係合要素を係合側に推移させて、プリチャージ時間設定のための制御を開始する。そして、前記油圧特性値決定手段が、入力値を測定し、入力値の変化が予め定める第2の条件を充足する時点を、プリチャージ時間として学習設定することで、待機油圧値と一連にプリチャージ時間の学習設定を行うことができる。
本発明によれば、個々の車両の個体差を吸収できる油圧特性値を精度よく学習設定することが可能となる。
始めに、自動変速機の構成について、その一例を示した図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施の形態の自動変速機の全体構成を示す図である。図1を参照すると、自動変速機1は、変速機本体2と、油圧制御部3と、電子制御部4と、からなっている。
変速機本体2は、トルクコンバーター10のタービン10aに連結された入力軸11と、車輪側に連結された出力軸12と、入力軸11に連結されたダブルピニオンプラネタリギアG1、シングルピニオンプラネタリギアG2、G3と、入力軸11とダブルピニオンプラネタリギアG1、シングルピニオンプラネタリギアG2、G3との間に配された摩擦クラッチC1、C2、C3と、摩擦ブレーキB1、B2と、を備えている。上記構成によって、摩擦係合要素である、摩擦クラッチC1、C2、C3及び摩擦ブレーキB1、B2の係合・非係合の組が、油圧制御部3及び電子制御部4によって選択されて、任意の変速段が構成される。
図2は、上記摩擦係合要素として例示する湿式多板クラッチの模式図である。図2を参照すると、ピストン31と、ピストン31の反力要素となるリターンスプリング32と、クラッチドラム33側に嵌合されたドリブンプレート331と、クラッチハブ34側に嵌合されたドライブプレート341と、を備えている。油圧制御部3により、油圧でピストン31が前記各プレート部分に押し付けられると、ドリブンプレート331、ドライブプレート341とに摩擦が生じ、係合状態に遷移し、タービン回転数Ntが減少する。一方、油圧制御部3により、油圧が低減されると、リターンスプリング32がピストン31を押し戻し、非係合状態に遷移する。
油圧制御部3は、電子制御部4の指示に基いて、内部の油圧回路を切り替え、摩擦係合要素を選択するとともに、供給する油圧の制御を行って、該摩擦係合要素の係合・非係合の制御を行う。
電子制御部4は、入力軸11(タービン10a)のタービン回転数Ntを検出するタービン回転センサ13と、運転者の操作によるセレクターレバーのポジションを検出するポジションセンサ14と、エンジン回転数Neを検出するエンジン回転センサ15と、を含む各種センサからの入力値に基いて、油圧制御部3を駆動制御するコンピュータである。所定の操作が行われると、電子制御部4を構成するコンピュータは、図示しない計時手段を有し、油圧特性値の設定処理を開始し、各種センサからの入力値を監視し、プリチャージ時間及び待機油圧値の決定処理を行う。
続いて、本発明の第1の実施の形態の自動変速機の油圧特性値の設定方法について、図面を参照して説明する。その第1の方法は、摩擦係合要素を急係合させて、その入力値、例えばタービン回転センサ13からのタービン回転数の変化を検出して、プリチャージ時間を決定し、その後ピストンを初期位置に戻し、次に、摩擦係合要素をゆっくり係合させて、その入力値、例えばタービン回転センサ13とエンジン回転数センサ15からのそれぞれ回転数の変化を検出して、待機油圧値を決定する動作とを一連に実行するものである。
図3は、従来の自動変速機の油圧特性値の設定方法における油圧波形と、タービン回転数Ntの変化を説明するための図である。なお、図3の横軸は時間軸であるが、説明の便宜のため、実際の油圧波形よりも、プリチャージ時間を長く(実時間は長くても500ms程度)、階段状のステップ間隔を短く表示している(実時間は1間隔で900ms程度)。図3を参照すると、所定の操作によって検定開始の指示がなされると、電子制御部4は、図示しない計時手段によって、タイマー1とした時間の経過を待って、係合油圧を所定のプリチャージ圧にまで、引き上げるよう、油圧制御部3に対して、駆動信号を出力し、摩擦係合要素を急係合させる。同時に、電子制御部4は、タービン回転数の監視を開始し、タービン回転数の変化がピストンが接触したこと(ピストンタッチ)を示す時点(図3の左の判定)を検出し、プリチャージ時間maxとして学習する。続いて、電子制御部4は、図示しない計時手段によって、タイマー2とした時間の経過を待って、係合油圧を、時間間隔Δt(例えば、0.9sec)毎に、摩擦クラッチC3の油圧を、ステップ圧ΔP(例えば、10Kpa)分漸次増加させるよう駆動信号を出力して、摩擦係合要素をゆっくり係合させる。同時に、電子制御部4は、例えば100msec間隔でタービン回転数及びエンジン回転数の監視を開始し、ピストンのストロークが流量制御の領域を脱した(ピストンエンド)点を検出し(図3の右の判定)、該時点の係合油圧Pcを、待機油圧値として学習している。なお、タイマー1、タイマー2とした時間間隔を設けるのは、入力回転(タービン回転及びエンジン回転)の安定を図り精度を向上することを目的にしたものである。
図4は、本実施の形態の自動変速機の油圧特性値の設定方法における油圧波形と、タービン回転数Ntの変化を表わした図である。図4を参照すると、上記した従来の方法とは異なり、まず最初に、所定の操作によって検定開始の指示がなされると、電子制御部4は、図示しない計時手段によって、予備タイマーとした所定の時間、所定の予備圧に維持するよう、油圧制御部3に対して、駆動信号を出力して、油路中のエアー残りを排出させる。予備タイマーとした所定の時間が経過すると、電子制御部4は、図示しない計時手段によって、タイマー1とした時間の経過まで待った後、プリチャージ時間の学習動作を開始し、続いて、待機油圧値の学習動作を開始する。
このように、油圧特性値の設定に先立って、電子制御部4が、摩擦係合要素に係る油圧を、所定の時間、予め定める予備圧に保持する工程を行うこととし、油路内の残留エアーを排出しているため、学習する油圧特性値は、自動変速機1、エンジン、制御部(電子制御部4の駆動回路、油圧制御部の油圧回路等)、各摩擦係合要素、リターンスプリングの付勢力等、全体のばらつきを吸収した好ましい値となる。
なお、上記した予備圧は、ピストンが動かない限界圧(リターンスプリング取付圧)以下であることが望ましいといえる。もちろん、入力回転に影響しない程度にピストンの駆動制御をし、かつ、予備圧タイマー終了からタイマー1終了までの時間に、当該作動したピストンの位置を、取付状態に戻す駆動制御を行うとすれば、より高い予備圧を用いてもよい。
続いて、本発明の第2の実施の形態の自動変速機の油圧特性値の設定方法について、図面を参照して説明する。その第2の方法は、まず、摩擦係合要素をゆっくり係合させて、その入力値、例えばタービン回転センサ13とエンジン回転数センサ15からのそれぞれ回転数の変化を検出して、待機油圧値を決定し、その後ピストンを初期位置に戻し、摩擦係合要素を急係合させて、その入力値、例えばタービン回転センサ13からのタービン回転数の変化を検出して、プリチャージ時間を決定する動作とを一連に実行するものである。
図5は、従来の自動変速機の油圧特性値の設定方法における油圧波形と、タービン回転数Ntの変化を表わした図である。なお、図5も図3と同様に、横軸は時間軸であるが、説明の便宜のため、実際の油圧波形よりも、プリチャージ時間を長く、階段状のステップ間隔を短く表示している。図5を参照すると、所定の操作によって検定開始の指示がなされると、電子制御部4は、図示しない計時手段によって、タイマー1とした時間の経過を待って、係合油圧を、時間間隔Δt(例えば、0.9sec)毎に、摩擦クラッチC3の油圧を、ステップ圧ΔP(例えば、10Kpa)分漸次増加させるよう駆動信号を出力して、摩擦係合要素をゆっくり係合させる。同時に、電子制御部4は、例えば100msec間隔でタービン回転数及びエンジン回転数の監視を開始し、ピストンのストロークが流量制御の領域を脱した(ピストンエンド)点を検出し(図5の左の判定)、該時点の係合油圧Pcを、待機油圧値として学習する。続いて、電子制御部4は、図示しない計時手段によって、タイマー2とした時間の経過を待って、係合油圧を所定のプリチャージ圧にまで、引き上げるよう、油圧制御部3に対して、駆動信号を出力し、摩擦係合要素を急係合させる。同時に、電子制御部4は、タービン回転数の監視を開始し、タービン回転数の変化がピストンが接触したこと(ピストンタッチ)を示す時点(図5の右の判定)を検出し、プリチャージ時間maxとして学習している。なお、タイマー1、タイマー2とした時間間隔を設けるのは、上記した本発明の第1の実施の形態と同様の理由によるものであるが、タイマー1、タイマー2の設定値は、第1の実施の形態の値と、必ずしも一致するものではない。
図6は、本実施の形態の自動変速機の油圧特性値の設定方法における油圧波形と、タービン回転数Ntの変化を表わした図である。図6を参照すると、上記した従来の方法とは異なり、まず最初に、所定の操作によって検定開始の指示がなされると、電子制御部4は、油圧制御部3に対して、その制御可能な最小圧を維持するよう、駆動信号を出力して、油路中のエアー残りを排出させる。そして、タイマー1とした所定の時間が経過すると、電子制御部4は、上記した従来の方法と同様に、待機油圧値の学習動作を開始し、続いて、プリチャージ時間の学習動作を開始する。
以上説明したように本実施の形態においても、油圧特性値の設定に先立って、電子制御部4が、係合油圧を、その制御可能な最小圧に引き上げる工程を行うこととし、油路内の残留エアーを排出しているため、学習する油圧特性値は、自動変速機1、エンジン、制御部(電子制御部4の駆動回路、油圧制御部の油圧回路等)、各摩擦係合要素、リターンスプリングの付勢力等、全体のばらつきを吸収した好ましい値となる。
なお、上記制御可能な最小圧は、ピストンが動かない限界圧(リターンスプリング取付圧)以下、或いは、入力回転に影響しない程度の圧であればいかなる値を採用してもよい。また、任意の時間間隔Δt(例えば、0.9sec)毎に、任意のステップ圧ΔP(例えば、10Kpa)分漸次増加させるよう駆動信号を出力するようにしても良い。この時、任意の時間間隔Δt及びステップ圧ΔPは通常の時間間隔Δt及びステップ圧ΔPと異なる値であってもよい。
以上、本発明の第1、第2の実施の形態をそれぞれ説明したが、このようにエアーを排出してから、プリチャージ最大時間を検出した場合、実変速でピストンストロークエンドにてサージ圧が発生せず、その結果、出荷初期の段階で、全体としての個体差を吸収することができる。
なお、上記した各実施の形態においては、待機油圧値は、タービン回転数とエンジン回転数の変化に基づいて、学習設定を行うものとして説明したが、これは、回転変化が表れにくい摩擦係合要素の場合やエンジン回転変動の大きい車両にも用いる場合にも好ましく適用できる一例を示したものである。例えば、モータベンチ等にて利用する場合は、単にタービン回転数Ntを用ればよい。
本発明の一実施の形態の自動変速機の全体構成を示す図である。 摩擦係合要素として例示する湿式多板クラッチの断面模式図である。 従来の油圧特性値の設定方法における、油圧波形と、タービン回転数Ntの変化を表わした図である。 本発明の第1の実施の形態に係る油圧波形と、タービン回転数Ntの変化を表わした図である。 従来の油圧特性値の設定方法における、油圧波形と、タービン回転数Ntの変化を説明するための図である。 本発明の第3の実施の形態に係る油圧波形と、タービン回転数Ntの変化を表わした図である。
符号の説明
1 自動変速機
2 変速機本体
3 油圧制御部
4 電子制御部
10 トルクコンバーター
10a タービン
11 入力軸
12 出力軸
13 タービン回転センサ
14 ポジションセンサ
31 ピストン
32 リターンスプリング
33 クラッチドラム
34 クラッチハブ
331 ドリブンプレート
341 ドライブプレート
B1、B2 摩擦ブレーキ
C1、C2、C3 摩擦クラッチ
G1 ダブルピニオンプラネタリギア
G2、G3 シングルピニオンプラネタリギア

Claims (2)

  1. 係合・非係合の組合せにより複数の変速段を構成する複数の摩擦係合要素と、供給する油圧の制御によって該摩擦係合要素の係合・非係合を制御する制御部と、少なくともタービン回転数よりなる入力値に基いて、待機油圧値とプリチャージ時間をそれぞれ決定する油圧特性値決定手段と、を有する自動変速機の油圧特性値設定方法において、
    車両停止状態において、前記制御部による油圧の制御に基づき前記摩擦係合要素のいずれか1つを非係合状態にして当該摩擦係合要素の一側にタービン回転を伝達させるとともに他側を固定し、
    前記制御部が、前記摩擦係合要素に係る油圧を、所定の時間、少なくとも前記入力値が変動しない範囲内の所定の油圧に設定する第1の工程と、
    前記制御部が、前記摩擦係合要素に係る油圧を、初期係合油圧値に戻して、所定時間保持する第2の工程と、
    前記制御部が、前記摩擦係合要素に係る油圧を、予め定められたプリチャージ圧に保持し、該摩擦係合要素を係合側に推移させ、
    前記油圧特性値決定手段が、入力値を測定し、入力値の変化が予め定める第1の条件を充足する時点を、プリチャージ時間として学習設定する第3の工程と、
    前記制御部が、前記摩擦係合要素に係る油圧を、初期係合油圧値に戻して、所定時間保持する第4の工程と、
    前記制御部が、前記摩擦係合要素に係る油圧を、所定の時間間隔毎に漸増し、前記摩擦係合要素を、係合側に推移させて、
    前記油圧特性値決定手段が、入力値を測定し、該入力値の変化が予め定める第2の条件を充足する時点の油圧を、待機油圧として学習設定する第5の工程と、を一連に行うこと、
    を特徴とする油圧特性値設定方法。
  2. 係合・非係合の組合せにより複数の変速段を構成する複数の摩擦係合要素と、供給する油圧の制御によって該摩擦係合要素の係合・非係合を制御する制御部と、少なくともタービン回転数よりなる入力値に基いて、待機油圧値とプリチャージ時間をそれぞれ決定する油圧特性値決定手段と、を有する自動変速機の油圧特性値設定方法において、
    車両停止状態において、前記制御部による油圧の制御に基づき前記摩擦係合要素のいずれか1つを非係合状態にして当該摩擦係合要素の一側にタービン回転を伝達させるとともに他側を固定し、
    前記制御部が、前記摩擦係合要素に係る油圧を、所定の時間、少なくとも前記入力値が変動しない範囲内の所定の油圧に設定する第1の工程と、
    前記制御部が、前記摩擦係合要素に係る油圧を、所定の時間間隔毎に漸増し、前記摩擦係合要素を、係合側に推移させて、
    前記油圧特性値決定手段が、入力値を測定し、該入力値の変化が予め定める第1の条件を充足する時点の油圧を、待機油圧として学習設定する第2の工程と、 前記制御部が、前記摩擦係合要素に係る油圧を、初期係合油圧値に戻して、所定時間保持する第3の工程と、
    前記制御部が、前記摩擦係合要素に係る油圧を、予め定められたプリチャージ圧に保持し、該摩擦係合要素を係合側に推移させ、
    前記油圧特性値決定手段が、入力値を測定し、入力値の変化が予め定める第2の条件を充足する時点を、プリチャージ時間として学習設定する第4の工程と、
    を一連に行うこと、
    を特徴とする油圧特性値設定方法。
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