JP5065947B2 - 駆動系制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、油圧クラッチを介して従駆動輪に駆動力を分配する駆動系制御装置に関する。
走行状況に応じて前後輪のトルク分配比を変化させるようにした四輪駆動車が開発されている。このような四輪駆動車は、変速機構から直接的に駆動トルクが伝達される前後一方の主駆動輪と、変速機構からトランスファクラッチを介して駆動トルクが伝達される前後他方の従駆動輪とを有しており、トランスファクラッチの締結力を調整することによって前後輪のトルク分配比を制御する構成となっている。
ところで、前後輪のトルク分配比はトランスファクラッチの締結力に応じて制御されることから、走行性能を高めるためにはトランスファクラッチを高精度に制御することが重要である。例えば、トランスファクラッチの締結力を制御する際には、目標締結力に対応した制御信号が制御ユニットから油圧制御弁に出力され、油圧制御弁によってトランスファクラッチに供給するクラッチ圧が調圧される。そして、トランスファクラッチはクラッチ圧に応じて締結動作を行い、締結力を調整して前後輪のトルク分配比を制御することになる。しかしながら、トランスファクラッチの作動特性は、クラッチ個体差や経年変化によって変動するものであるため、制御ユニットからの制御信号とトランスファクラッチの作動状態との関係を定期的に学習させることが必要となっている。特に、解放状態とスリップ状態との境界である締結開始点に対応する制御信号を学習させることは、トランスファクラッチを高精度に制御する上で重要となっている。
このように、クラッチ機構の締結開始点を学習させる方法としては、クラッチ機構を徐々に締結状態に切り換えながら、クラッチ機構の入力側回転数や出力側回転数の増減を監視することが一般的である。例えば、トルクコンバータを介してエンジンに連結される入力クラッチの締結開始点を学習する際に、入力クラッチを解放状態から締結状態に徐々に切り換え、入力クラッチの入力側回転数の落ち込みを監視するようにした学習装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、エンジンに連結される入力クラッチの締結開始点を学習する際に、入力クラッチを解放状態から締結状態に徐々に切り換え、入力クラッチの出力側回転数の上昇を監視するようにした学習装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2002−295529号公報 特開昭60−11722号公報
しかしながら、特許文献1や特許文献2に記載される学習方法にあっては、クラッチ機構の入力側回転数や出力側回転数の増減変化を監視するものであるため、この学習方法をトランスファクラッチに適用することは困難であった。すなわち、トランスファクラッチは前輪駆動系と後輪駆動系とを連結するクラッチであるため、トランスファクラッチを締結状態や解放状態に切り換えたとしても、車輪にスリップ等が発生していない走行状況においては、入力側回転数や出力側回転数に変化が現れることがない。したがって、トランスファクラッチの作動状態を切り換えたときの入力側回転数や出力側回転数の増減を監視することにより、トランスファクラッチの締結開始点に対応する制御信号を学習することは極めて困難となっていた。
本発明の目的は、従駆動輪に駆動力を分配する油圧クラッチの締結開始点に対応する制御信号を学習させることにある。
本発明の駆動系制御装置は、駆動源から出力される駆動力を用いて主駆動輪と従駆動輪とを駆動する駆動系制御装置であって、前記駆動源と前記主駆動輪との間に設けられ、前記主駆動輪に駆動力を伝達する主駆動側出力軸と、前記駆動源と前記従駆動輪との間に設けられ、前記従駆動輪に駆動力を伝達する従駆動側出力軸と、前記駆動源と前記従駆動側出力軸との間に設けられ、前記従駆動輪に駆動力を分配する油圧クラッチと、前記油圧クラッチの作動油室に接続され、前記作動油室に対して作動油を供給制御するクラッチ制御弁と、前記クラッチ制御弁に制御信号を出力し、前記油圧クラッチの締結力を制御するクラッチ制御手段と、前記従駆動側出力軸の回転状態に基づいて、前記従駆動側出力軸に所定振動が発生しているか否かを検出する振動検出手段と、旋回走行状態のもとで前記クラッチ制御手段からの制御信号を変化させたときの前記従駆動側出力軸の振動状態の変化に基づいて、前記クラッチ制御手段の制御信号と前記油圧クラッチの締結開始点との関係を学習する学習手段とを有することを特徴とする。
本発明の駆動系制御装置は、前記クラッチ制御手段は、前記クラッチ制御弁に対して所定のパルス周波数で制御信号を出力し、前記振動検出手段は、前記従駆動側出力軸の回転状態に基づき前記従駆動側出力軸の振動周波数を演算し、前記パルス周波数に基づき設定される所定範囲に前記振動周波数が収束した場合に、前記従駆動側出力軸に所定振動が発生していると判定することを特徴とする。
本発明の駆動系制御装置は、旋回走行状態のもとで前記従駆動側出力軸に所定振動が発生している場合には前記クラッチ制御手段の制御信号をクラッチ解放側に変化させ、前記学習手段は、前記従駆動側出力軸から所定振動が消滅したときの制御信号を前記油圧クラッチの締結開始点に対応する制御信号として学習することを特徴とする。
本発明の駆動系制御装置は、旋回走行状態のもとで前記従駆動側出力軸に所定振動が発生していない場合には前記クラッチ制御手段の制御信号をクラッチ締結側に変化させ、前記学習手段は、前記従駆動側出力軸に所定振動が発生したときの制御信号を前記油圧クラッチの締結開始点に対応する制御信号として学習することを特徴とする。
本発明の駆動系制御装置は、ステアリングの操舵角を検出する操舵角センサを有し、前記学習手段は、操舵角が所定値を上回った状態のもとで、前記クラッチ制御手段の制御信号と前記油圧クラッチの締結開始点との関係を学習することを特徴とする。
本発明の駆動系制御装置は、前記主駆動側出力軸の回転数を検出する主駆動側回転センサと、前記従駆動側出力軸の回転数を検出する従駆動側回転センサとを有し、前記学習手段は、前記主駆動側出力軸と前記従駆動側出力軸との回転数差が所定値を上回った状態のもとで、前記クラッチ制御手段の制御信号と前記油圧クラッチの締結開始点との関係を学習することを特徴とする。
本発明によれば、旋回走行状態のもとでクラッチ制御手段からの制御信号を変化させることにより、このときの従駆動側出力軸の振動状態の変化に基づいて油圧クラッチの締結開始点を検出することが可能となる。これにより、クラッチ制御手段の制御信号と油圧クラッチの締結開始点との関係を学習させることが可能となる。したがって、主駆動輪と従駆動輪とのトルク分配比を高精度に制御することができ、車両の走行性能を向上させることが可能となる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の一実施の形態である駆動系制御装置を備えた四輪駆動車の自動変速機10を示すスケルトン図である。図1に示すように、自動変速機10は、駆動源であるエンジン11に連結される変速入力軸12と、これに変速機構13を介して連結される変速出力軸14とを有している。変速出力軸14には歯車列15を介して主駆動側出力軸である前輪出力軸16が連結されており、変速出力軸14には油圧クラッチであるトランスファクラッチ17を介して従駆動側出力軸としての後輪出力軸18が連結されている。
変速機構13から出力される駆動力は、前輪出力軸16からフロントデファレンシャル機構20を介して主駆動輪である前輪21に伝達される。また、変速機構13から出力される駆動力は、トランスファクラッチ17を介して後輪出力軸18に伝達された後に、後輪出力軸18からプロペラシャフト22やリヤデファレンシャル機構23を介して従駆動輪である後輪24に伝達される。すなわち、トランスファクラッチ17の締結力を制御することにより、後輪24に分配される駆動力を調整して前後輪21,24のトルク分配比を制御することが可能となっている。
また、エンジン11から変速機構13にはトルクコンバータ30を介して駆動力が伝達されている。トルクコンバータ30は、クランク軸31にフロントカバー32を介して連結されるポンプインペラ33と、このポンプインペラ33に対向するタービンランナ34とを有している。また、タービンランナ34にはタービン軸35が連結されており、タービン軸35には変速入力軸12の一端が連結されている。なお、滑り要素であるトルクコンバータ30には、エンジン動力の伝達効率を向上させるため、クランク軸31とタービン軸35とを直結するロックアップクラッチ36が設けられている。
このようなトルクコンバータ30を介して駆動力が伝達される変速機構13は、複数の遊星歯車列、クラッチ、ブレーキ等によって構成されている。この変速機構13に組み込まれるクラッチやブレーキを制御することにより、変速入力軸12から変速出力軸14に対する駆動力の伝達径路を切り換えることができ、変速入力軸12から変速出力軸14に駆動力を変速して伝達することが可能となっている。
図2はトランスファクラッチ17とその近傍とを示す断面図である。図2に示すように、トランスファクラッチ17は、変速出力軸14に固定されるクラッチハブ40と、後輪出力軸18に固定されるクラッチドラム41とを備えている。クラッチハブ40とクラッチドラム41との間には、複数のクラッチプレート42が組み込まれており、クラッチドラム41には油圧ピストン43が摺動自在に収容されている。この油圧ピストン43とクラッチドラム41とにより区画される作動油室44に対して作動油を供給することにより、油圧ピストン43によってクラッチプレート42が押圧され、トランスファクラッチ17は締結状態に切り換えられる。一方、作動油室44から作動油を排出することにより、スプリング45によってクラッチプレート42の押圧状態は解放され、トランスファクラッチ17は解放状態に切り換えられるようになっている。すなわち、作動油室44に供給される作動油圧を引き上げることにより、後輪24に伝達される駆動力が引き上げられる一方、作動油室44に供給される作動油圧を引き下げることにより、後輪24に伝達される駆動力が引き下げられることになる。
続いて、図3はトランスファクラッチ17の制御系を示すブロック図である。図3に示すように、オイルポンプ50から吐出される作動油は、バルブユニット51内のクラッチ圧制御弁(クラッチ制御弁)52を介して調圧され、トランスファクラッチ17の作動油室44に供給されている。このクラッチ圧制御弁52は、ソレノイドに対する通電時間と非通電時間との比(デューティ比Rd)に応じて作動油を調圧するデューティ制御弁となっている。そして、制御ユニット53は、クラッチ圧制御弁52に出力する制御信号のデューティ比Rdを調整することにより、トランスファクラッチ17の締結力を調整して前後輪21,24のトルク分配比を制御するようにしている。
また、クラッチ制御手段、振動検出手段および学習手段として機能する制御ユニット53には複数の各種センサが接続されており、各種センサから入力される各種信号に基づいて、制御ユニット53はトランスファクラッチ17の目標締結力を設定するとともに、これに対応するデューティ比Rdでクラッチ圧制御弁52に制御信号を出力する。制御ユニット53に接続される各種センサとしては、ステアリング54の操舵角Saを検出する操舵角センサ55、前輪出力軸16の回転数を検出する前輪回転センサ(主駆動側回転センサ)56、後輪出力軸18の回転数を検出する後輪回転センサ(従駆動側回転センサ)57、前後輪21,24の回転数を個々に検出する車輪速センサ58、スロットルバルブの開度を検出するスロットル開度センサ59、アクセルペダルの操作量を検出するアクセル開度センサ60、クランク軸31の回転数を検出するエンジン回転センサ61、タービン軸35の回転数を検出するタービン回転センサ62等が設けられている。なお、制御ユニット53は、各種制御信号を演算するCPU、各種制御データや制御プログラムを格納するROM、一時的にデータを格納するRAM等を備えている。また、以下の説明において、前輪出力軸16の回転数については前輪出力軸回転数Nfと記載し、後輪出力軸18の回転数については後輪出力軸回転数Nrと記載する。
続いて、制御ユニット53によって実行されるトランスファクラッチ17の学習制御について説明する。前述したように、トランスファクラッチ17の締結力を制御して前後輪21,24のトルク分配比を制御することから、トルク分配比の制御精度を高めて動力性能を向上させるためには、制御ユニット53の制御信号とトランスファクラッチ17の作動状態との関係を定期的に学習させることが必要となっている。特に、所定トルクの伝達を開始するトランスファクラッチ17の締結開始点(解放状態とスリップ状態との境界)に対応する制御信号を学習することが、トランスファクラッチ17を高精度に制御する上で極めて重要となっている。
まず、トランスファクラッチ17の学習制御が実行される車両の走行状態について説明する。図4は四輪駆動車の旋回走行状態を示す説明図である。図4に示すように、旋回走行時には、前輪21の旋回半径Rfと後輪24の旋回半径Rrとに差が生じるため、前輪21と後輪24とに回転差が生じることになる。このような旋回走行時には、トランスファクラッチ17をスリップ状態に制御することにより、トランスファクラッチ17によって前後輪21,24の回転差を吸収させながら、車両を滑らかに走行させるようにしている。
ここで、トランスファクラッチ17の作動油室44に供給される作動油圧は、クラッチ圧制御弁52を通電状態と非通電状態とに交互に切り換えて調圧されるため、作動油圧はクラッチ圧制御弁52に対する制御信号のパルス周波数で上下に変動することになる。すなわち、クラッチプレート42を滑らせるトランスファクラッチ17のスリップ制御においては、作動油圧の上下変動に伴ってクラッチプレート42の微視的な締結と解放とが繰り返される。このようなスティックスリップ現象は、前輪側の駆動系63に比べて慣性力の小さな後輪側の駆動系64を振動させる要因となっていた。そこで、制御ユニット53は、後輪側の駆動系64の振動状態から、トランスファクラッチ17の締結開始点を検出するとともに、トランスファクラッチ17の締結開始点に対応する制御信号を学習するようにしている。なお、前輪側の駆動系63とは、変速機構13、変速出力軸14、歯車列15、前輪出力軸16等によって構成される駆動系である。また、後輪側の駆動系64とは、後輪出力軸18やプロペラシャフト22等によって構成される駆動系である。
以下、トランスファクラッチ17の学習制御について説明する。図5は学習制御を実行するか否かを判定する学習許可判定の手順の一例を示すフローチャートであり、図6は学習制御の手順の一例を示すフローチャートである。図5に示すように、ステップS1では、操舵角センサ55からの出力信号に基づいて、操舵角Saが所定値A(例えば90°)を上回るか否かが判定される。操舵角Saが所定値Aを下回る場合には、前後輪21,24に回転差が現れにくい走行状態であるため、ステップS2に進み、学習制御を許可することなくトランスファクラッチ17に対する通常の締結制御(以下、通常制御という)が実行されてルーチンを抜ける。一方、ステップS1において、操舵角Saが所定値Aを上回る場合には、前後輪21,24に回転差が現れる走行状態であるため、ステップS3に進み、車輪速センサ58からの出力信号に基づいて、車速Vが所定範囲B(例えば5km〜10km)内であるか否かが判定される。
ステップS3において、車速Vが所定範囲Bから外れると判定された場合には、ステップS2に進み、通常制御が実行されてルーチンを抜ける。一方、車速Vが所定範囲B内であると判定された場合には、ステップS4に進み、スロットル開度センサ59からの出力信号に基づいて、スロットル開度Thが所定範囲C(例えば0%〜10%)内であるか否かが判定される。ステップS5において、スロットル開度Thが所定範囲Cから外れると判定された場合には、ステップS2に進み、通常制御が実行されてルーチンを抜ける。一方、スロットル開度Thが所定範囲C内であると判定された場合には、ステップS5に進み、トランスファクラッチ17の学習制御が許可されることになる。なお、操舵角Saに基づき旋回走行状態であることを判定するだけでなく、車速Vが所定範囲B内であることやスロットル開度Thが所定範囲C内であることを満たした場合に、トランスファクラッチ17の学習制御を許可するようにしているが、これは学習精度を高めるとともに安全性を確保するためである。
図5のフローチャートに沿って学習制御の実行が許可されると、図6のフローチャートに沿って学習制御が実行される。図6に示すように、ステップS10において、後輪出力軸18に所定振動が発生しているか否かが判定される。ここで、後輪出力軸18の所定振動とは、トランスファクラッチ17のスティックスリップ現象に伴って発生する振動である。ステップS10において、制御ユニット53は、前輪出力軸回転数Nfから前輪出力軸16の振動周波数(振動状態)を演算し、この振動周波数が所定範囲D(例えば40Hz〜60Hz)に収束しているか否かを判定する。そして、振動周波数が所定範囲Dに収束している場合には、スティックスリップ現象に伴う所定振動が後輪出力軸18に発生していると判定することになる。一方、振動周波数が所定範囲Dから外れている場合には、スティックスリップ現象に伴う所定振動が後輪出力軸18に発生していないと判定することになる。なお、所定範囲Dとは、クラッチ圧制御弁52に対する制御信号のパルス周波数(例えば50Hz)に所定の幅を持たせた範囲である。
ステップS10において、後輪出力軸18に所定振動が発生していると判定された場合には、トランスファクラッチ17にスティックスリップ現象が発生している状態、つまりトランスファクラッチ17が締結開始点を上回って締結側に制御されている状態であるため、ステップS11に進み、制御信号のデューティ比Rdがクラッチ解放側に引き下げられる。続いて、ステップS12に進み、後輪出力軸18に発生していた所定振動が消滅したか否かが判定される。ステップS12において、後輪出力軸18の所定振動が消滅していないと判定された場合には、トランスファクラッチ17のスティックスリップ現象が継続している状態であるため、後輪出力軸18の所定振動が消滅するまで、ステップS11において、制御信号のデューティ比Rdが引き下げられる。
ステップS12において、後輪出力軸18の所定振動が消滅していると判定された場合には、トランスファクラッチ17のスティックスリップ現象が解消した状態、つまりトランスファクラッチ17が締結開始点に制御されている状態であるため、ステップS13に進み、現在の制御信号のデューティ比Rdがトランスファクラッチ17の締結開始点に対応させて記憶される。そして、ステップS13において、制御信号と締結開始点との関係を学習した後には、ステップS14に進み、通常制御に復帰してルーチンを抜けることになる。
一方、ステップS10において、後輪出力軸18に所定振動が発生していないと判定された場合には、トランスファクラッチ17にスティックスリップ現象が発生していない状態、つまりトランスファクラッチ17が締結開始点を下回って解放側に制御されている状態であるため、ステップS15に進み、制御信号のデューティ比Rdがクラッチ締結側に引き上げられる。続いて、ステップS16に進み、後輪出力軸18に所定振動が発生したか否かが判定される。ステップS16において、後輪出力軸18に所定振動が発生していないと判定された場合には、トランスファクラッチ17が解放されている状態であるため、後輪出力軸18に所定振動が発生するまで、ステップS15において、制御信号のデューティ比Rdが引き上げられる。
ステップS16において、後輪出力軸18に所定振動が発生していると判定された場合には、トランスファクラッチ17にスティックスリップ現象が発生した状態、つまりトランスファクラッチ17が締結開始点に制御されている状態であるため、ステップS13に進み、現在の制御信号のデューティ比Rdがトランスファクラッチ17の締結開始点に対応させて記憶される。そして、ステップS13において、制御信号と締結開始点との関係を学習した後には、ステップS14に進み、通常制御に復帰してルーチンを抜けることになる。
このように、前後輪21,24に回転差が発生する旋回走行状態のもとで、制御ユニット53からの制御信号を変化させることにより、後輪出力軸18の振動状態が変化することになる。そして、後輪出力軸18の振動状態の変化に基づいてトランスファクラッチ17の締結開始点を検出することができるため、制御ユニット53の制御信号とトランスファクラッチ17の締結開始点との関係を学習させることが可能となる。これにより、前後輪21,24のトルク分配比を制御する際の応答性を高めるだけでなく、前後輪21,24のトルク分配比を高精度に制御することができ、車両の走行性能や走行品質を向上させることが可能となる。しかも、操舵角センサ55や後輪回転センサ57等の既存のセンサから出力される信号を用いて、トランスファクラッチ17の学習制御を実行するようにしたので、制御系の簡素化および低コスト化を図ることが可能となる。さらに、トランスファクラッチ17の締結力を変動させる学習制御を、低車速領域かつ低スロットル開度領域において実行するようにしたので、安全性を確保しながら学習制御を実行することが可能となっている。
図7および図8は、前輪出力軸回転数Nf、後輪出力軸回転数Nr、デューティ比Rdの関係を示す説明図である。図7および図8においては、ステアリング54を操作して直進走行状態から旋回走行状態に移行し、ステアリング54を戻して旋回走行状態から直進走行状態に復帰するまでの状況が示されている。また、図7にはトランスファクラッチ17の通常制御を継続した場合が示され、図8にはトランスファクラッチ17の学習制御を実行した場合が示されている。なお、図7および図8に示される舵角変化率Vsaは操舵角Saの変化率である。
まず、図7に示すように、ステアリング54が操作されて直進走行状態から旋回走行状態に移行すると、前輪出力軸回転数Nfと後輪出力軸回転数Nrとに回転差が生じることになる。また、旋回走行状態においては、前後輪21,24の回転差を吸収するため、トランスファクラッチ17がスリップ状態に制御されることになるが、このときトランスファクラッチ17には制御信号のパルス周波数に応じたスティックスリップ現象が発生する。そして、前輪出力軸16に比べて慣性力の小さな後輪出力軸18には、スティックスリップ現象の発生に伴う振動が発生することになり、後輪出力軸回転数Nrにはクラッチ圧制御弁52に対する制御信号のパルス周波数に応じた振動が現れる(符号α1)。また、ステアリング54を戻して旋回走行状態から直進走行状態に復帰すると、前輪出力軸回転数Nfと後輪出力軸回転数Nrとの回転差が解消されるため、後輪出力軸18の振動も解消される(符号β1)。
続いて、図7と同様の走行状態のもとで学習制御を実行した場合について説明する。図8に示すように、ステアリング54が操作される旋回走行状態のもとで、後輪出力軸回転数Nrに振動が現れると(符号α2)、デューティ比Rdの引き下げが開始される(符号β2)。そして、デューティ比Rdを引き下げることにより、後輪出力軸回転数Nrに現れていた振動が消滅すると(符号γ2)、制御ユニット53はそのときのデューティ比Rd(符号δ2)を、トランスファクラッチ17の締結開始点に対応する制御信号のデューティ比Rdとして学習する。このように、学習制御が完了した後には、通常制御に復帰してデューティ比Rdが引き上げられ(符号ε2)、トランスファクラッチ17はスリップ状態に制御されることになる。このように、制御ユニット53の制御信号とトランスファクラッチ17の締結開始点との関係を学習させることにより、前後輪21,24のトルク分配比を制御する際の応答性を高めるだけでなく、前後輪21,24のトルク分配比を高精度に制御することができるため、車両の走行性能や走行品質を向上させることが可能となる。
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。例えば、前述の説明では、後輪出力軸18にトランスファクラッチ17を連結することにより、前輪21を主駆動輪として機能させ、後輪24を従駆動輪として機能させているが、これに限られることはなく、前輪出力軸16にトランスファクラッチ17を連結することにより、前輪21を従駆動輪として機能させ、後輪24を主駆動輪として機能させるようにしても良い。なお、この場合に、前輪出力軸16が従駆動側出力軸として機能し、後輪出力軸18が主駆動側出力軸として機能することはいうまでもない。
また、前述の説明では、操舵角センサ55からの操舵角Saに基づいて車両の旋回走行状態を判定しているが、これに限られることはなく、前輪出力軸回転数Nfと後輪出力軸回転数Nrとの回転数差が所定値を超えたときに旋回走行状態と判定しても良く、車輪速センサ58からの出力信号に基づいて旋回走行状態を判定しても良い。さらに、加速度センサからの出力信号に基づいて旋回走行状態を判定しても良い。
本発明の一実施の形態である駆動系制御装置を備えた四輪駆動車の自動変速機を示すスケルトン図である。 トランスファクラッチとその近傍とを示す断面図である。 トランスファクラッチの制御系を示すブロック図である。 四輪駆動車の旋回走行状態を示す説明図である。 学習制御を実行するか否かを判定する学習許可判定の手順の一例を示すフローチャートである。 学習制御の手順の一例を示すフローチャートである。 通常制御の前輪出力軸回転数、後輪出力軸回転数、デューティ比の関係を示す説明図である。 学習制御の前輪出力軸回転数、後輪出力軸回転数、デューティ比の関係を示す説明図である。
符号の説明
11 エンジン(駆動源)
16 前輪出力軸(主駆動側出力軸)
17 トランスファクラッチ(油圧クラッチ)
18 後輪出力軸(従駆動側出力軸)
21 前輪(主駆動輪)
24 後輪(従駆動輪)
44 作動油室
52 クラッチ圧制御弁(クラッチ制御弁)
53 制御ユニット(クラッチ制御手段、振動検出手段、学習手段)
54 ステアリング
55 操舵角センサ
56 前輪回転センサ(主駆動側回転センサ)
57 後輪回転センサ(従駆動側回転センサ)

Claims (6)

  1. 駆動源から出力される駆動力を用いて主駆動輪と従駆動輪とを駆動する駆動系制御装置であって、
    前記駆動源と前記主駆動輪との間に設けられ、前記主駆動輪に駆動力を伝達する主駆動側出力軸と、
    前記駆動源と前記従駆動輪との間に設けられ、前記従駆動輪に駆動力を伝達する従駆動側出力軸と、
    前記駆動源と前記従駆動側出力軸との間に設けられ、前記従駆動輪に駆動力を分配する油圧クラッチと、
    前記油圧クラッチの作動油室に接続され、前記作動油室に対して作動油を供給制御するクラッチ制御弁と、
    前記クラッチ制御弁に制御信号を出力し、前記油圧クラッチの締結力を制御するクラッチ制御手段と、
    前記従駆動側出力軸の回転状態に基づいて、前記従駆動側出力軸に所定振動が発生しているか否かを検出する振動検出手段と、
    旋回走行状態のもとで前記クラッチ制御手段からの制御信号を変化させたときの前記従駆動側出力軸の振動状態の変化に基づいて、前記クラッチ制御手段の制御信号と前記油圧クラッチの締結開始点との関係を学習する学習手段とを有することを特徴とする駆動系制御装置。
  2. 請求項1記載の駆動系制御装置において、
    前記クラッチ制御手段は、前記クラッチ制御弁に対して所定のパルス周波数で制御信号を出力し、
    前記振動検出手段は、前記従駆動側出力軸の回転状態に基づき前記従駆動側出力軸の振動周波数を演算し、前記パルス周波数に基づき設定される所定範囲に前記振動周波数が収束した場合に、前記従駆動側出力軸に所定振動が発生していると判定することを特徴とする駆動系制御装置。
  3. 請求項1または2記載の駆動系制御装置において、
    旋回走行状態のもとで前記従駆動側出力軸に所定振動が発生している場合には前記クラッチ制御手段の制御信号をクラッチ解放側に変化させ、
    前記学習手段は、前記従駆動側出力軸から所定振動が消滅したときの制御信号を前記油圧クラッチの締結開始点に対応する制御信号として学習することを特徴とする駆動系制御装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の駆動系制御装置において、
    旋回走行状態のもとで前記従駆動側出力軸に所定振動が発生していない場合には前記クラッチ制御手段の制御信号をクラッチ締結側に変化させ、
    前記学習手段は、前記従駆動側出力軸に所定振動が発生したときの制御信号を前記油圧クラッチの締結開始点に対応する制御信号として学習することを特徴とする駆動系制御装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の駆動系制御装置において、
    ステアリングの操舵角を検出する操舵角センサを有し、
    前記学習手段は、操舵角が所定値を上回った状態のもとで、前記クラッチ制御手段の制御信号と前記油圧クラッチの締結開始点との関係を学習することを特徴とする駆動系制御装置。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の駆動系制御装置において、
    前記主駆動側出力軸の回転数を検出する主駆動側回転センサと、
    前記従駆動側出力軸の回転数を検出する従駆動側回転センサとを有し、
    前記学習手段は、前記主駆動側出力軸と前記従駆動側出力軸との回転数差が所定値を上回った状態のもとで、前記クラッチ制御手段の制御信号と前記油圧クラッチの締結開始点との関係を学習することを特徴とする駆動系制御装置。
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