JP2010025214A - 流体伝動装置及び摩擦式クラッチを備えた車両用動力伝達装置 - Google Patents

流体伝動装置及び摩擦式クラッチを備えた車両用動力伝達装置 Download PDF

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Abstract

【課題】エンジンと変速機との間に、流体伝動装置と摩擦式クラッチとを配置した車両用動力伝達装置において、流体伝動装置のロックアップ時のショックを防止する。
【解決手段】流体伝動装置である流体継手2のポンプとタービンとは、車両の発進時には切り離されており、発進後の低速時にロックアップされる。ロックアップの開始時に変速機の入力軸41の回転数変化率を検出し、所定変化率以上のときは、流体継手2に接続された摩擦式クラッチ3の接続量を減少する。これにより、摩擦式クラッチ3では滑りが生じるため、変速機入力軸41の回転数の上昇が抑制され、ロックアップに伴うショックは緩和される。ロックアップクラッチの接続中にも変速機入力軸41の回転数の変化率が限界値を超えたときには、摩擦式クラッチ3の接続量を減少させるとともに、ロックアップ完了後には、エンジン1の回転数制御を併用して摩擦式クラッチ3を迅速に接続する。
【選択図】図3

Description

本発明は、エンジンと変速機との間に、ロックアップクラッチを有する流体継手(フルードカップリング)等の流体伝動装置と、動力伝達断続用の自動的に操作される摩擦式クラッチとが配置された車両用動力伝達装置に関するものである。
車両用動力伝達装置には、車両のイージードライブあるいは運転者の疲労軽減のため、エンジンの動力を車輪に伝達するクラッチあるいは変速機の操作を自動化した各種の動力伝達装置がある。トルクコンバータと遊星歯車機構からなる自動変速機がその代表的なものであり、いわゆるAT車の動力伝達装置として広く普及している。また、いわゆるMT車と同様な摩擦式クラッチ及び平行軸歯車機構式変速機を使用し、これらをアクチュエータで操作することにより、運転者による変速時の摩擦式クラッチの操作を不要としたり、車両の走行状態に応じて自動的に変速段を切り換える動力伝達装置も存在する。
最近では、トラック等の車両において、エンジンと変速機との間に流体継手を介在させた動力伝達装置が開発されている。流体継手は流体伝動装置の一種ではあるが、トルクコンバータとは異なってステーターベーンを備えておらず、トルクの増加機能はないけれども、トルクコンバータよりも構造が簡易なものとなっている。流体継手を介在させると、車両の発進時において、流体継手のポンプとタービンとの間の滑りを利用した発進が可能となる。つまり、発進時における摩擦式クラッチの微妙な操作を必要とせず、スムースな発進が容易に行えると同時に、アイドル時などにおけるエンジンのトルク変動が吸収され、振動、騒音も軽減される。エンジンと変速機との間に流体継手を設けた動力伝達装置の一例は、特開2001−12600号公報に記載されている。
図3、図4を参照して、このような流体継手を具備した車両用動力伝達装置について説明する。図3は、エンジンのクランクシャフトから変速機に至る間の動力伝達装置及びそれらの制御装置の概略図であり、図4は、流体継手及び摩擦式クラッチの部分の詳細な断面図である。
図3に示すように、エンジン1の後方には流体継手2が締結され、さらに、摩擦式クラッチ3を介して、平行軸歯車機構を有する変速機4が連結されており、変速機4の出力軸は図示しない車輪を駆動する。流体継手2は、図4に示すように、それぞれ独立して回転可能なポンプ21とタービン22とを備えており、そのケーシング23内は作動油で満たされている。流体継手のポンプ21は、ケーシング23等によってエンジン1のクランクシャフト11と一体的に結合される。また、タービン22は、流体継手2の出力軸26を介して摩擦式クラッチ(乾式単板クラッチ)3の入力側プレート31と結合される。摩擦式クラッチ3の出力側であるクラッチディスク32は、変速機4の入力軸41にスプライン嵌合により結合される。
車両の発進時においては、流体継手2のポンプ21とタービン22とは独立して回転可能であり、両者の間に回転数差、つまり滑りが生じるから、エンジン1が停止することはなくスムースな発進を行うことができる。しかし、流体継手2に滑りが存在すると、動力の伝達効率が低下しエンジンの燃料消費量が増加する。そのため、車両が発進し通常走行が可能になったときは、例えば10Km/h程度の低速走行の中に、流体継手2の機能を停止しエンジン1と摩擦式クラッチ3とを直結状態とすることが望ましく、流体継手2にはポンプ21とタービン22とを締結するロックアップクラッチ24が備えられている。ロックアップクラッチ24は、タービン22に連結されたロックアップ用クラッチ板25を有し、その切断及び接続は、流体継手2のケーシング23内における作動油の流路を切り換え、ロックアップ用クラッチ板25とケーシング23とを離接することによって制御される。
図3に示すように、動力伝達装置には、変速機4等を制御するTCMとエンジンを制御するECMとが設置されており、TCMとECMとは、相互に信号を送りながらそれぞれの機器を連携して制御する。TCMは、車両の走行状態に応じて変速機4の変速段を切り換えるとともに、切り換えの際に摩擦式クラッチ3の自動的な断続を行う。摩擦式クラッチ3には、断続を行うためのクラッチレリーズフォーク33と、これを駆動するクラッチアクチュエータ34とが設けてあり、変速に先立ち摩擦式クラッチ3を切断するときは、クラッチアクチュエータ34に流体圧源PSからの流体圧を作用させてクラッチレリーズフォーク33を移動し、クラッチディスク32(図4)を押していたダイヤフラムスプリング35の押付け力を解除する。変速後には、クラッチレリーズフォーク33を逆方向に移動して摩擦式クラッチ3を接続する。
このような断接を正確に実行し迅速かつショックのない変速を行わせるよう、摩擦式クラッチ3の接続量であるクラッチアクチュエータ34のストロークは、エンジンの回転数センサS11、変速機入力軸41の回転数センサS41及びストロークセンサS34などを用いてTCMのクラッチ制御装置により緻密に制御される。さらに、ロックアップクラッチ24の断接を行うため、流体継手2のタービン22の回転数がタービン回転数センサS22で検出され、作動油の流路を切り換える切換弁27がTCMにより制御される。
特開2001−12600号公報
エンジンと変速機との間に流体継手を配置し、流体継手の滑りを利用して円滑な発進を行う動力伝達装置においては、流体継手のポンプとタービンとを直結するロックアップクラッチを設け、車両発進後にはこれを締結して流体継手動力伝達効率の低下を回避している。しかし、ロックアップクラッチを接続するときは、流体継手のポンプ回転数とタービン回転数との間には差が存在するため、動力伝達装置には回転数の変動等を伴う変速ショックが生じ、運転フィーリングの悪化等を来たす。この過程を図5により説明すると、発進後に流体継手のタービンの回転数(摩擦式クラッチが接続されているため変速機入力軸回転数Niと同一)が所定値に達した時点で、TCMがロックアップクラッチ締結の指令を出力してロックアップクラッチの接続が開始され、その接続量が増加を始める。ロックアップクラッチの接続量が増加するにつれ、タービンの回転数がポンプの回転数(エンジン回転数Neと同一)に近づくように急上昇し、変速機や車輪駆動系統にショックが発生する。このショックは、ロックアップの完了後も短時間継続することとなる。こうした接続時のショックは、流体伝動装置の一種であるトルクコンバータを流体継手に代えて採用し、そのロックアップクラッチを締結するときにも同様に発生する。
ロックアップクラッチを接続するときのショックを低減するには、タービン回転数が上昇しポンプ回転数に十分近づくのを待って接続する方法、あるいは、ロックアップクラッチの接続量を緻密に制御して滑らせながら徐々に接続する方法等が考えられる。しかし、タービン回転数の上昇を待つ方法では、その間の流体継手における伝達損失に起因してエンジンの燃費が悪化する。また、ロックアップクラッチの接続量を緻密に制御する方法では、そのための流体継手の構造の改良や複雑な制御装置が必要となり、製造コスト等の上昇を招く。エンジンと変速機との間に配置された流体継手は、基本的には車両の発進時のみに用いられるものであるため、なるべく簡易なものであることが好ましい。
本発明は、エンジンと変速機との間に、流体継手等の及び摩擦式クラッチを配置した車両用動力伝達装置において、ロックアップクラッチ接続時のショックを、簡易な手段によって確実に防止することを課題とする。
上記の課題に鑑み、本発明は、流体継手のロックアップクラッチの接続を開始した時点において変速機入力軸の回転数の変化を検出し、ロックアップのショックが生じるような回転数の上昇が予測されるときは、流体継手に接続された摩擦式クラッチを滑らせることにより、変速ショックの発生を未然に防止するものである。すなわち、本発明は、
「エンジンと変速機との間に流体伝動装置と摩擦式クラッチとが配置され、
前記流体伝動装置が、前記エンジンの出力側に結合されたポンプと、前記摩擦式クラッチの入力側に結合されたタービンと、前記ポンプ及び前記タービンを締結するロックアップクラッチとを有し、
前記摩擦式クラッチの出力側が、前記変速機入力軸に結合された車両用動力伝達装置であって、
前記車両用動力伝達装置は、前記ロックアップクラッチの断接を制御するロックアップクラッチ制御手段と、前記摩擦式クラッチの断接を制御する摩擦式クラッチ制御手段とを有するクラッチ制御装置を備えており、さらに、
前記クラッチ制御装置が、前記ロックアップクラッチの接続を開始した時点における前記変速機入力軸の回転数の変化率を検出し、その変化率が所定変化率以上であるときは、前記摩擦式クラッチの接続量を減少する」
ことを特徴とする車両用動力伝達装置となっている。
請求項2に記載のように、前記ロックアップクラッチの接続を開始した時点において前記摩擦式クラッチの接続量を減少した場合には、前記クラッチ制御装置が、前記ロックアップクラッチの接続中における前記変速機入力軸の回転数の変化率を検出し、その変化率が第1の限界変化率を越えたときは、前記摩擦式クラッチの接続量をさらに減少させることが好ましい。
また、請求項3に記載のように、前記ロックアップクラッチの接続を開始した時点において前記摩擦式クラッチの接続量を減少した場合には、前記クラッチ制御装置が、前記ロックアップクラッチの接続が完了した時点における前記エンジンと前記変速機入力軸との回転数差を検出し、その回転数差が所定回転数差以下であるときは、前記摩擦式クラッチを完接状態とし、かつ、その回転数差が所定回転数差以上であるときは、前記エンジンを制御してその回転数を低下させるとともに、前記変速機入力軸の回転数の変化率を検出し、その変化率が第2の限界変化率以下であるときには、前記摩擦式クラッチの接続量を増加させることにより、前記エンジンと前記変速機入力軸との回転数差が前記所定回転数差以下となった時点で前記摩擦式クラッチを完接状態とすることが好ましい。
請求項4に記載のように、本発明は、前記流体伝動装置が流体継手である車両用動力伝達装置に好適なものである。
エンジンと変速機との間に、流体継手等の流体伝動装置と摩擦式クラッチとを配置した車両用動力伝達装置では、流体継手等のロックアップクラッチを接続するときは、摩擦式クラッチを経由して変速機入力軸に結合されたタービンの回転数が、エンジンに結合されたポンプの回転数に一致するよう上昇するため、ロックアップに伴う衝撃が生じ、これが大きいときは運転フィーリング等の悪化をもたらすロックアップのショックとなる。本発明では、ロックアップクラッチの接続を開始した時点で変速機入力軸の回転数の変化率を検出し、これが所定変化率以上であるときは、流体継手に接続された摩擦式クラッチの接続量を減少する。
つまり、運転者が不快と感じるショックが生じるような回転数の上昇が予測されるときは、流体継手に接続された摩擦式クラッチを滑らせる。これにより、流体継手のタービンの回転数が急上昇しても、変速機入力軸に直接伝達されることはなく、変速機入力軸の回転数の上昇は車両の走行抵抗などで抑制されるため、ロックアップに伴うショックは大幅に緩和される。ショックを生じない状態でのロックアップの場合には、摩擦式クラッチは接続されたままであるから、摩擦式クラッチの不要な操作が回避されるとともに、車両の迅速な加速を図ることができる。
本発明のロックアップ時のショック防止装置は、摩擦式クラッチを滑らせるものであって、ロックアップクラッチ自体の改造や締結時の複雑な制御等を要しない。そのため、流体継手等には簡易な構造のものを採用することができ、製造コスト等の点で有利である。また、摩擦式クラッチは、通常走行時において変速機の変速段を切り換える際に自動的に断接されるものであり、迅速かつ変速ショックのない断接を実行するよう、もともと接続量を緻密に制御する制御装置を備え、変速機入力軸の回転数を検出するセンサも備えている。したがって、本発明のロックアップ時のショック防止装置を構成するにあたり、新たな部品等の設置は必要がなく、制御ロジックを追加するだけでよいので、この面でもコストの上昇は生じない。
請求項2の発明では、ショックの発生を回避するよう、ロックアップクラッチの接続を開始した時点で摩擦式クラッチの接続量を減少した場合には、クラッチ制御装置が、ロックアップクラッチの接続中における変速機入力軸の回転数の変化率を検出する。そして、その変化率が第1の限界変化率を超えたときは、クラッチ制御装置は、摩擦式クラッチの接続量をさらに減少させる。これにより、ロックアップクラッチの接続中に変速機入力軸の急上昇に起因するショックの発生を確実に防止することができる。また、ロックアップクラッチの接続中にショックが生じないため、接続を開始した時点で減少させる接続量の減少量を小さく設定することが可能で、このときは、ロックアップの完了後摩擦式クラッチを早期に接続することができる。
請求項3の発明は、ロックアップクラッチの接続を開始した時点で摩擦式クラッチの接続量を減少した場合の、ロックアップの完了後における摩擦式クラッチの接続方法に関するものである。請求項3の発明では、ロックアップクラッチの接続が完了した時点におけるエンジンと変速機入力軸との回転数差を検出して、その回転数差が所定回転数差以下であるときは、摩擦式クラッチが完接状態とし、その回転数差が所定回転数差以上であるときは、エンジンを制御してその回転数を低下させるとともに、変速機入力軸の回転数の変化率を検出し、その変化率が第2の限界変化率以下であるときには、摩擦式クラッチの接続量を増加させることにより、エンジンと変速機入力軸との回転数差が前記所定回転数差以下となった時点で摩擦式クラッチを完接状態とする。
つまり、ロックアップの完了した時点で摩擦式クラッチの入力側と出力側との回転数差を検出し、これが小さいときには、締結ショック発生の虞れがないので、直ちに接続量を急速に増加し摩擦式クラッチを完接状態とする。回転数差が大きいときは、エンジン制御を併用してエンジン回転数を低減すると同時に、変速機入力軸の回転数の変化率が小さいときには、摩擦式クラッチの接続量を徐々に増加して、摩擦式クラッチの入力側回転数と出力側回転数とを迅速に接近させ、回転数差が小さくなった時点で完接する。これによって、ロックアップの完了後、摩擦式クラッチを早期にしかも締結ショックを伴うことなく接続することが可能となる。
請求項4の発明は、上記の発明を、流体伝動装置が流体継手である車両用動力伝達装置に適用したものである。流体継手は、構造が簡易で安価な流体伝動装置であるから、本発明と組み合わせたときは特に経済性の点で有利となる。
以下、図面に基づいて、本発明の車両用動力伝達装置の実施例について説明するが、動力伝達装置を構成するエンジン等の機器などいわゆるハードの面の構成においては、本発明の車両用動力伝達装置は、前述した従来のものと変わりはない。すなわち、本発明の車両用動力伝達装置では、図3、図4に示すように、エンジン1と変速機4との間に、流体伝動装置である流体継手2と摩擦式クラッチ3とが配置され、流体継手2には、エンジン1の出力側に結合されたポンプ21、摩擦式クラッチ3の入力側に結合されたタービン22及びポンプ21とタービン22とを締結するロックアップクラッチ24が設けてある。摩擦式クラッチ3の出力側は、変速機入力軸41に結合される。
本発明の車両用動力伝達装置は、従来のものと同様に、エンジン1を制御するECMと、変速機4等を制御するTCMとを備えている。TCMには、自動的なクラッチ操作を実行するためのクラッチ制御装置が組み込まれており、クラッチ制御装置には、ロックアップクラッチ24の断接を制御するロックアップクラッチ制御手段と、摩擦式クラッチ3の断接を制御する摩擦式クラッチ制御手段とが設けられる。これらの制御手段は互いに連携しながらそれぞれの制御を実行し、また、ECMとTCMとの間でも相互に信号等のやりとりが行われる。
本発明のクラッチ制御装置は、ロックアップクラッチ接続時のショックを防止するロックアップ時制御手段を有しており、その作動等について図1のフローチャート、回転数の時間的変化を示す図2(a)(b)を参照しながら説明する。
車両が停止しているときは流体継手2のロックアップクラッチ24が切断され、ポンプ21及びタービン22は、それぞれ独立して回転可能である。発進時にエンジン1を始動すると、図5に示す変化と同様に、エンジン1の回転数が増大するにつれてタービン22の回転数(変速機入力軸回転数Niと同一であり車速に比例)も徐々に増大し、車両が発進する。クラッチ制御装置では、エンジン回転数Neと変速機入力軸回転数Niとを検出しており(ステップST0)、両者の差が所定回転数差に達した時点で、クラッチ制御装置はロックアップクラッチ締結の指令を出力し、ロックアップクラッチ24の接続が開始される(ステップST1)。エンジンと変速機入力軸との回転数差の変わりに、車速が所定車速に達したときにロックアップクラッチ締結の指令を出力するようにしてもよい。
ロックアップクラッチ24の接続が開始されると、クラッチ制御装置は、所定時間Δt経過時における変速機入力軸回転数Niの上昇量ΔNを検出し、その値が図2(a)(b)のP以上であるか否かを判断する(ステップST2)。これは、ロックアップクラッチ24の接続が開始された時点の変速機入力軸回転数Niの変化率を検出して、それが所定変化率を越えるかどうかを判定するものであり、所定時間経過後の変速機入力軸回転数Niの上昇量に代えて、その時点の変速機入力軸回転数Niの微分値を用いることもできる。また、Pの値は、ロックアップクラッチの接続過程で運転フィーリングの悪化を生じるようなショックが発生しない上昇量として、実験データ等に基づき設定されるが、ロックアップクラッチ24の接続が開始された時点の車速、エンジンのアクセル開度、路面状況等によって変化する値とし、マップの形でクラッチ制御装置に格納しておくことが好ましい。
ステップST2において、変速機入力軸回転数Niの上昇量ΔNが所定変化率を越えないと判断されたときは、ロックアップを継続してもショックが生じないので、摩擦式クラッチ3の制御を行うことなく処理を終了する。このときは、図2(a)に示すように、変速機入力軸回転数Niが、ロックアップクラッチ24の接続量の増大に伴って所定時間Δt経過後もそのまま上昇を続け、ロックアップクラッチ24の接続が完了すると、変速機入力軸回転数Ni(タービン22の回転数と同一)は、エンジン回転数Neと一致する。
ステップST2において、変速機入力軸回転数Niの上昇量ΔNがP以上であると判断された場合には、摩擦式クラッチ3の接続量の制御に移行し、まず、摩擦式クラッチ3のクラッチアクチュエータ34を作動して接続量を所定量ΔSだけ減少する(ステップST3)。この所定量ΔSも、車速、エンジンのアクセル開度、路面状況等に応じて実験的に定められる値である。
摩擦式クラッチ3の接続量の減少によって、図2(b)に示されるように、変速機入力軸回転数Niの変化率が低下し、ショックを生じるような回転数の急上昇が回避される。一方、流体継手2のタービン22は、変速機入力軸41との接続が解除された状態となるため、ロックアップクラッチ24の接続量の増大に伴って、その回転数(図の1点鎖線)が変速機入力軸回転数Niよりも急速に増大する。ロックアップクラッチ24の接続が完了すると、タービン22の回転数はエンジン回転数Neと同一となる。
この実施例のクラッチ制御装置では、摩擦式クラッチ3の接続量を減少させた後ロックアップクラッチ24の接続が完了までの間(図2(b)のAの部分)は、ショックの発生を確実に防止するよう、変速機入力軸回転数Niの変化率を検出し、その変化率が予め定められた第1の限界変化率を越えたか否かを判断する(ステップST4)。そして、第1の限界変化率を越えた場合には、摩擦式クラッチ3の接続量をさらに一定量減少させる(ステップST5)。次いで、ロックアップクラッチ24の接続が完了したか否かを検出し(ステップST6)、完了していないときは、これらのステップを繰り返す。
これにより、変速機入力軸回転数Niが急上昇を起こすことを確実に防止しながら、ロックアップクラッチ24の接続を完了することができる。第1の限界変化率は、ロックアップを開始したときに摩擦式クラッチ3の制御を行うか否かを判断する所定変化率(ΔN/Δt等)と異なる値として設定されるが、同一の値としてもよい。
ステップST6において、ロックアップクラッチ24の接続の完了を検出した後は、摩擦式クラッチ3の接続量を増大してこれを接続する制御を実行する(図2(b)のBの部分)。ここでは、まず、ロックアップクラッチ24の接続が完了した時点におけるエンジン回転数Neと変速機入力軸回転数Niとの差(図2(b)のD)、つまり、摩擦式クラッチ3の入力側と出力側の回転数差を検出してこの回転数差が所定回転数差以下であるか否かを判断する(ステップST7)。所定回転数差以下であるときは、クラッチアクチュエータ34を作動して接続量を急速に増加し、摩擦式クラッチ3を完接(ステップST8)して処理を終了する。所定回転数差は、摩擦式クラッチ3の接続量を急速に増加してもショックを生じないような回転数差として設定される。
ステップST7で回転数差が所定回転数差を越えると判断されたときは、クラッチ制御装置は、エンジン1を制御するECMに対して回転数を低下させる指令を出力する(ステップST9)。これにより、エンジン回転数Neが変速機入力軸回転数Niと接近して回転数差が小さくなり、摩擦式クラッチ3を早期に完接することが可能となる。
次いで、クラッチ制御装置は、変速機入力軸回転数Niの変化率を検出し、この変化率が予め定められた第2の限界変化率を越えているか否かを判断する(ステップST10)。第2の限界変化率は、変速機入力軸回転数Niが上昇してもショックを生じない変化率として設定されるもので、第1の限界変化率に補正量を加えた値となっている。ステップST10において第2の限界変化率以下であると判断されたときは、摩擦式クラッチ3の接続量を一定量増大させる(ステップST11)。その結果、変速機入力軸回転数Niがエンジン回転数Neに接近するから、摩擦式クラッチ3をより迅速に完接することができる。この実施例では、エンジンの回転数低下と摩擦式クラッチの接続量の増加を併用しているが、場合によっては、一方のみの手段によって変速機入力軸回転数Niとエンジン回転数Neとを接近させることも可能である。
以上詳述したように、本発明は、エンジンと変速機との間に、流体継手等の流体伝動装置と摩擦式クラッチとを配置した車両用動力伝達装置において、流体継手のロックアップクラッチの接続を開始した時点における変速機入力軸の回転数の変化率を検出し、その変化率が所定変化率を越えロックアップのショックが生じるような回転数の上昇が予測されるときは、流体継手に接続された摩擦式クラッチを滑らせることにより、変速ショックの発生を未然に防止するものである。上記の実施例では、流体伝動装置として流体継手を用いた動力伝達装置について説明したが、本発明が、ロックアップクラッチを備えたトルクコンバータを用いた動力伝達装置に対しても適用できることはいうまでもない。また、乾式単板クラッチに代えて、湿式多板クラッチを摩擦式クラッチとして採用するなど、実施例に対して種々の変更が可能であることは明らかである。
本発明のクラッチ制御装置の作動を示すフローチャートである。 本発明のクラッチ制御装置の作動特性を示す図である。 流体伝動装置と摩擦式クラッチを配置した動力伝達装置の概略図である。 流体伝動装置と摩擦式クラッチを詳細に示す断面図である。 従来の動力伝達装置におけるロックアップ時の作動特性を示す図である。
符号の説明
1 エンジン
11 クランクシャフト
2 流体伝動装置(流体継手)
21 ポンプ
22 タービン
24 ロックアップクラッチ
26 切換弁(ロックアップクラッチ断続用)
3 摩擦式クラッチ
31 入力ディスク
32 クラッチディスク
34 クラッチアクチュエータ
4 変速機
41 変速機入力軸

Claims (4)

  1. エンジンと変速機との間に流体伝動装置と摩擦式クラッチとが配置され、
    前記流体伝動装置が、前記エンジンの出力側に結合されたポンプと、前記摩擦式クラッチの入力側に結合されたタービンと、前記ポンプ及び前記タービンを締結するロックアップクラッチとを有し、
    前記摩擦式クラッチの出力側が、前記変速機入力軸に結合された車両用動力伝達装置であって、
    前記車両用動力伝達装置は、前記ロックアップクラッチの断接を制御するロックアップクラッチ制御手段と、前記摩擦式クラッチの断接を制御する摩擦式クラッチ制御手段とを有するクラッチ制御装置を備えており、さらに、
    前記クラッチ制御装置が、前記ロックアップクラッチの接続を開始した時点において前記変速機入力軸の回転数の変化率を検出し、その変化率が所定変化率以上であるときは、前記摩擦式クラッチの接続量を減少することを特徴とする車両用動力伝達装置。
  2. 前記ロックアップクラッチの接続を開始した時点において前記摩擦式クラッチの接続量を減少した場合には、前記クラッチ制御装置が、前記ロックアップクラッチの接続中における前記変速機入力軸の回転数の変化率を検出し、その変化率が第1の限界変化率を越えたときは、前記摩擦式クラッチの接続量をさらに減少させる請求項1に記載の車両用動力伝達装置。
  3. 前記ロックアップクラッチの接続を開始した時点において前記摩擦式クラッチの接続量を減少した場合には、前記クラッチ制御装置が、前記ロックアップクラッチの接続が完了した時点における前記エンジンと前記変速機入力軸との回転数差を検出し、その回転数差が所定回転数差以下であるときは、前記摩擦式クラッチを完接状態とし、かつ、その回転数差が所定回転数差以上であるときは、前記エンジンを制御してその回転数を低下させるとともに、前記変速機入力軸の回転数の変化率を検出し、その変化率が第2の限界変化率以下であるときには、前記摩擦式クラッチの接続量を増加させることにより、前記エンジンと前記変速機入力軸との回転数差が前記所定回転数差以下となった時点で前記摩擦式クラッチを完接状態とする請求項1又は請求項2に記載の車両用動力伝達装置。
  4. 前記流体伝動装置が流体継手である請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の車両用動力伝達装置。
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