JPH07239019A - 自動変速機の油圧制御装置 - Google Patents

自動変速機の油圧制御装置

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JPH07239019A
JPH07239019A JP5280294A JP5280294A JPH07239019A JP H07239019 A JPH07239019 A JP H07239019A JP 5280294 A JP5280294 A JP 5280294A JP 5280294 A JP5280294 A JP 5280294A JP H07239019 A JPH07239019 A JP H07239019A
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JP
Japan
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line pressure
shift
correction
learning
oil temperature
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JP5280294A
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English (en)
Inventor
Kenji Okamoto
健治 岡本
Fumiaki Baba
文章 馬場
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 変速時間の学習によってライン圧を補正制御
する自動変速機の油圧制御装置において、車両個体間の
特性のバラつきや急激な温度変化に影響されず、各個体
に対して常に適正な学習補正量を得ることを目的とす
る。 【構成】 コントローラ70によって変速時にその変速
時間の学習に基づいてライン圧を新たな値に補正して登
録し、その補正したライン圧を用いて以後の変速が行わ
れる。このとき、実際の変速時には上記登録したライン
圧をさらに油温を考慮した補正係数によって修正し、こ
の修正した最終のライン圧となるようにデューティソレ
ノイドバルブ65にデューティ駆動信号を出力する。そ
してこの補正係数自体を、ライン圧の学習補正同様に、
油温センサ73によって検出される油温に応じて補正す
るように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動変速機の油圧制御装
置、特に変速中にライン圧の可変制御を行うようにした
自動変速機における油圧制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に自動車に搭載される自動変速機
は、トルクコンバータと変速歯車機構とを組合せ、この
変速歯車機構の動力伝達経路をクラッチやブレーキ等の
複数の摩擦要素の選択的作動により切り換えて、所定の
変速段に自動的に変速するように構成したもので、この
種の自動変速機には、上記各摩擦要素のアクチュエータ
に対する油圧の給排を制御する油圧制御回路が設けられ
る。
【0003】この油圧制御回路には、オイルポンプの吐
出圧を所定のライン圧に調整するレギュレータバルブ、
手動操作によってレンジを切り換えるマニュアルバル
ブ、運転状態に応じて作動して上記各アクチュエータに
通じる油路を切り換えることにより、複数の摩擦要素を
選択的に締結させる複数のシフトバルブ等が設けられ
る。また、近年においては、上記レギュレータバルブに
よるライン圧の調整値をエンジンのスロットル開度等の
運転状態に応じて変化させるためのデューティソレノイ
ドバルブや、変速時に上記シフトバルブを作動させるO
N−OFFソレノイドバルブ等を備え、これらを電気的
に制御することにより、変速制御の精度を向上させるこ
とが行われている。
【0004】一方、この種の自動変速機においては、変
速時における摩擦要素の締結もしくは解放動作に伴って
いわゆる変速ショックが発生し、これが乗員に不快感を
与えるという問題がある。そこで、上記のようにライン
圧を電気的に制御するようにした自動変速機において
は、変速時にライン圧を低下させる制御を行うことによ
り、該ライン圧を元圧とする締結用油圧自体を低下させ
て変速ショックを低減させることが行われる。
【0005】また近年では、このような変速中のライン
圧制御において、変速時間の学習によるライン圧の補正
制御が行われている。この制御は、変速時にその変速に
要した時間(実変速時間)を計測し、この変速時間を予
め設定された目標時間(目標変速時間)と比較して、そ
の偏差が解消されるように変速時におけるライン圧を補
正するというものである。
【0006】なかでも、このようなライン圧の補正制御
を行うに際して、特開平1−193446号公報、特開
平2−97761号公報及び特開平2−203074号
公報に開示されているように、作動油の温度が低い場合
には学習動作を禁止するものがある。
【0007】つまり、油温が低く、作動油の粘度が高い
場合には通常時よりも変速時間が長くなるため、この状
態で変速時間を学習すると、該変速時間を目標時間に一
致させるためにライン圧が過度に高く補正されることと
なり、そのため油温が上昇した後の変速時に、ライン圧
が高過ぎて変速ショックが効果的に解消されないことと
なる。そこで、このような誤学習を防止するために、低
油温時には変速時間の学習動作を禁止するのである。
【0008】しかし、このようにすると、学習の機会が
それだけ少なくなり、変速中のライン圧制御の精度が十
分に向上しないことになる。
【0009】そこで、低油温時においても有効なライン
圧の補正制御が実行し得るように、変速時間に基づいて
得られた学習値を油温を含む種々のパラメータによって
補正することが特開平3−288061号公報に、また
学習補正量を油温に応じた補正係数で修正することが特
開平4−185961号公報にそれぞれ開示されてい
る。
【0010】これらによれば、得られた学習値若しくは
学習補正量を油温に応じて補正若しくは修正するので、
低油温時においても有効にライン圧補正制御が実行でき
ることとなる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記技
術において学習値を補正する補正係数は油温に応じて異
なる値が複数設定されているが、これらの値は予め画一
的に設定されたものであるため次のような問題が生じ
る。
【0012】すなわち、実際に製造された個々の車両が
有する油圧の調圧特性、摩擦要素の作動特性、クラッチ
板の摩擦係数等、油温の影響を受ける種々の物理的特性
は個体間でバラつきがあり一様ではないので、予め画一
的に設定された補正係数で処理した場合に全ての個体に
適正なライン圧を得ることができず、誤差が生じること
となる。
【0013】さらに、一つの個体でみた場合でも、上記
補正係数が当初から予め画一的に設定されていると油温
による学習値の補正が見込み補正となるため、必ずしも
最適な学習結果が得られないこととなる。特に、冷間時
に走行を開始したときは油温が短時間のうちに上昇する
ので、低油温時に学習補正されたライン圧を油温が上昇
した後の変速に用いた場合、いかに該ライン圧が油温に
応じて補正されたものであっても、それが見込み補正で
あるために誤差が生じやすくなる。
【0014】本発明は、変速時間の学習に基づくライン
圧の補正制御を行う場合に、誤学習を回避しながら、こ
の学習動作を低油温時にも実行可能とすると共に、個体
間の特性のバラつきや油温の変化に影響されない補正制
御を実現して、変速中のライン圧制御の一層の精度の向
上を図ることを課題とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】すなわち、本願の請求項
1に記載の発明(以下、第1発明という)に係る自動変
速機の油圧制御装置は、摩擦要素に供給される締結用油
圧の元圧であるライン圧を調整するライン圧調整手段が
油圧制御回路に設けられていると共に、該ライン圧調整
手段によって調整されるライン圧を変速時における実変
速時間と目標変速時間との偏差に応じて学習補正するラ
イン圧補正手段が設けられている自動変速機の油圧制御
装置であって、自動変速機の温度を検出する温度検出手
段と、該温度検出手段によって検出される自動変速機の
温度に応じて、上記ライン圧補正手段による学習補正量
を修正すると共に、その修正の際に用いられる修正係数
を補正する補正量修正手段とが備えられていることを特
徴とする。
【0016】また、本願の請求項2に記載の発明(以
下、第2発明という)に係る自動変速機の油圧制御装置
は、上記第1発明において、温度検出手段によって検出
される温度が所定温度以下のときは、ライン圧補正手段
がライン圧の学習補正を行わないことを特徴とする。
【0017】
【作用】上記の構成によれば次のような作用が得られ
る。
【0018】すなわち、第1発明及び第2発明のいずれ
においても、変速時間の学習によるライン圧の補正制御
が行われるように構成された自動変速機の油圧制御装置
に温度検出手段が備えられて、この温度検出手段によっ
て検出された自動変速機の温度に応じて、ライン圧補正
手段によって得られたライン圧の学習補正量が補正量修
正手段によって修正されるので、まず、低油温時におい
ても有効な学習補正が行われる。
【0019】さらに、上記学習補正量の修正に用いられ
る修正係数もが、温度に応じて上記補正量修正手段によ
って補正されることとなる。
【0020】従って、上記修正係数が画一的な固定した
値とはならず、変速毎に更新されるので、個体間の特性
のバラつきに柔軟に対応して追従することができるよう
になる。また、この修正係数の補正が温度に応じてなさ
れるので、各種油温毎に適正に対応した新たな修正係数
となって登録され、油温の急激な変化にも影響されない
ライン圧の補正制御が実現できることとなる。
【0021】そして、第2発明においては、上記温度検
出手段によって検出される温度が所定温度以下のとき
は、ライン圧補正手段が学習補正を行わないので、補正
量修正手段による学習補正量の修正や修正係数の補正が
実行されないこととなる。
【0022】その結果、低油温時にはライン圧補正量及
び修正係数の新たな更新登録がなされないこととなるの
で、特に、自動変速機の温度が極めて低く、作動油の粘
度が著しく高くなって調圧不能となるような場合に、実
際の変速時には利用するだけの実益がないライン圧補正
量及び修正係数の値が登録されるのを防ぐことができ、
無益な誤学習を回避して、この種のライン圧制御の精度
向上を図ることができる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0024】まず、図1によりこの実施例に係る自動変
速機の機械的構成を説明すると、この自動変速機10
は、主たる構成要素として、トルクコンバータ20と、
該コンバータ20の出力により駆動される変速歯車機構
30と、該機構30の動力伝達経路を切換えるクラッチ
やブレーキ等の複数の摩擦要素41〜46及びワンウェ
イクラッチ51,52とを有し、これらにより走行レン
ジとしてのD,2,1,Rの各レンジと、Dレンジでの
1〜4速、2レンジでの1〜3速、1レンジでの1〜2
速とが得られるようになっている。
【0025】上記トルクコンバータ20は、エンジン出
力軸1に連結されたケース21内に固設されたポンプ2
2と、該ポンプ22に対向状に配置されて該ポンプ22
により作動油を介して駆動されるタービン23と、該ポ
ンプ22とタービン23との間に介設されかつ変速機ケ
ース11にワンウェイクラッチ24を介して支持されて
トルク増大作用を行うステータ25と、上記ケース21
とタービン23との間に設けられ、該ケース21を介し
てエンジン出力軸1とタービン23とを結合するロック
アップクラッチ26とで構成されている。そして、上記
タービン23の回転がタービンシャフト27を介して上
記変速歯車機構30側に出力されるようになっている。
ここで、上記エンジン出力軸1にはタービンシャフト2
7内を貫通するポンプシャフト12が連結され、該シャ
フト12により変速機後端部に備えられたオイルポンプ
13が駆動されるようになっている。
【0026】一方、上記変速歯車機構30はラビニョ型
プラネタリギヤ装置で構成され、上記タービンシャフト
27上に遊嵌合された小径のスモールサンギヤ31と、
該サンギヤ31の後方において同じくタービンシャフト
27上に遊嵌合された大径のラージサンギヤ32と、上
記スモールサンギヤ31に噛合された複数個のショート
ピニオンギヤ33と、前半部が該ショートピニオンギヤ
33に噛合され且つ後半部が上記ラージサンギヤ32に
噛合されたロングピニオンギヤ34と、該ロングピニオ
ンギヤ34及び上記ショートピニオンギヤ33を回転自
在に支持するキャリヤ35と、ロングピニオンギヤ34
に噛合されたリングギヤ36とで構成されている。
【0027】そして、上記タービンシャフト27とスモ
ールサンギヤ31との間に、フォワードクラッチ41と
第1ワンウェイクラッチ51とが直列に介設され、また
これらのクラッチ41,51に並列にコーストクラッチ
42が介設されていると共に、タービンシャフト27と
キャリヤ35との間には3−4クラッチ43が介設さ
れ、さらに該タービンシャフト27とラージサンギヤ3
2との間にリバースクラッチ44が介設されている。ま
た、上記ラージサンギヤ32とリバースクラッチ44と
の間にはラージサンギヤ32を固定するバンドブレーキ
でなる2−4ブレーキ45が設けられていると共に、上
記キャリヤ35と変速機ケース11との間には、該キャ
リヤ35の反力を受け止める第2ワンウェイクラッチ5
2と、キャリヤ35を固定するローリバースブレーキ4
6とが並列に設けられている。そして、上記リングギヤ
36が出力ギヤ14に連結され、該出力ギヤ14から差
動装置を介して左右の車輪(図示せず)に回転が伝達さ
れるようになっている。
【0028】ここで、上記各摩擦要素41〜46及びワ
ンウェイクラッチ51,52の作動と変速段との関係を
まとめると表1のようになる。
【0029】
【表1】 一方、この自動変速機には、図2に示すように、上記各
摩擦要素41〜46を表1に従って選択的に作動させ
て、運転状態に応じた変速段を形成するための油圧制御
回路60が備えられている。この油圧制御回路60に
は、各摩擦要素41〜46に通じる締結圧供給油路を切
り換える変速用の第1〜第3ソレノイドバルブ61〜6
3と、ロックアップクラッチ26の制御用の第4ソレノ
イドバルブ64と、ライン圧を制御するためのデューテ
ィソレノイドバルブ65とが設けられている。
【0030】そして、これらのソレノイドバルブ61〜
65を制御するコントローラ70が備えられ、該コント
ローラ70に、トルクコンバータ20のタービン回転数
を検出するタービン回転数センサ(もしくは当該車両の
車速を検出する車速センサ)71からの信号と、エンジ
ンのスロットル開度を検出するスロットル開度センサ7
2からの信号と、作動油の油温を検出する油温センサ
(もしくは当該自動変速機の温度を検出する温度セン
サ)73からの信号と、運転者によって操作される変速
モード選択スイッチ74からの信号とが入力され、上記
センサ71,72及びスイッチ74からの出力信号が示
すタービン回転数(もしくは車速)、スロットル開度及
び選択された変速モードとに基づいて変速制御とロック
アップ制御とを行い、また、これらのセンサ71〜73
及びスイッチ74からの出力信号に応じて変速中及び非
変速中のライン圧制御を行うようになっている。ここ
で、この実施例では、変速モードとして、変速点を低タ
ービン回転数(低車速)側に設定した燃費性能重視のエ
コノミモードと、変速点を高タービン回転数(高車速)
側に設定した動力性能重視のパワーモードとの選択が可
能とされている。
【0031】次に、図3により上記各摩擦要素41〜4
6のアクチュエータに対して油圧を給排する油圧制御回
路60について説明する。
【0032】この油圧制御回路60には、図1に示すオ
イルポンプ13からメインライン101に吐出された作
動油の圧力を所定のライン圧に調整するレギュレータバ
ルブ81が備えられ、該レギュレータバルブ81によっ
て調整されるライン圧が上記デューティソレノイドバル
ブ65によって可変制御されるようになっている。つま
り、ソレノイドレデューシングバルブ82によって一定
圧とされた油圧が、デューティソレノイドバルブ65に
よりデューティ率(1ON−OFFサイクル中のON時
間比率)に応じた値のパイロット圧に調整され、このパ
イロット圧がライン102を介してレギュレータバルブ
81の増圧ポート81aに導入されることにより、ライ
ン圧が該パイロット圧ないし上記デューティ率に応じた
値に調整されるのである。
【0033】このライン圧は、運転者により手動操作さ
れるマニュアルバルブ83の入力ポートaに供給され、
該バルブ83のシフト位置(レンジ)P,R,N,D,
2,1に応じて、出力ポートb,c,d,eに選択的に
出力されるようになっている。つまり、Dレンジ及び2
レンジではポートb,cに、1レンジではポートb,d
に、Rレンジではポートeにそれぞれ出力される。
【0034】そして、D,2,1の各前進レンジでライ
ン圧が出力されるポートbは、ライン103を介して1
−2シフトバルブ84に連通されている。この1−2シ
フトバルブ84は、上記第1ソレノイドバルブ61によ
って切り換え作動され、1速では該ソレノイドバルブ6
1がOFF(閉)とされることにより、スプール84a
が図面上(以下、同様)左側に位置し、2−4ブレーキ
45のアプライ室45aに通じるライン104をドレン
させる。また、2〜4速では上記第1ソレノイドバルブ
61がON(開)となることにより、スプール84aが
右側に位置して、上記ポートbから導かれたライン10
3を上記ライン104に連通させ、ライン圧を上記2−
4ブレーキ45のアプライ室45aに導入させる。さら
に、この1−2シフトバルブ84は、1レンジの1速で
は、上記ポートdからローレデューシングバルブ85が
設けられたライン105を介してライン圧が供給され、
これをライン106,107を介してローリバースブレ
ーキ46に供給する。
【0035】また、上記マニュアルバルブ83のポート
bからのライン圧は、ライン103,108,109を
介して2−3シフトバルブ86の一端にパイロット圧と
して供給されると共に、該2−3シフトバルブ86には
ポートcからライン110を介してライン圧が供給され
る。そして、上記パイロット圧が第2ソレノイドバルブ
62によって給排制御されることにより、該ソレノイド
バルブ62がON(開)となる1,2速では、2−3シ
フトバルブ86のスプール86aが右側に位置して、3
−4クラッチ43に通じるライン111がドレンされる
と共に、OFF(閉)となる3,4速では、スプール8
6aが左側に位置して、上記ライン110からのライン
圧をライン111を介して3−4クラッチ43に供給す
る。
【0036】また、上記ライン111は、3−4シフト
バルブ87にも導かれている。この3−4シフトバルブ
87は、第3ソレノイドバルブ63によってパイロット
圧の給排が制御され、該ソレノイドバルブ63がON
(開)となるDレンジの1,2,4速、及び2レンジの
1速では、スプール87aが右側に位置することによ
り、2−4ブレーキ45のリリース室45bに通じるラ
イン112をドレンさせる。また、該ソレノイドバルブ
63がOFF(閉)となるDレンジの3速、2レンジの
2,3速、及び1レンジの1,2速では、該3−4シフ
トバルブ87のスプール87aが左側に位置して、2−
3シフトバルブ86に接続されているライン111を上
記ライン112に連通させる。従って、2−3シフトバ
ルブ86のスプール86aの位置に応じて、2−4ブレ
ーキ45のリリース室45bにライン圧が供給される。
【0037】さらに、この3−4シフトバルブ87は、
マニュアルバルブ83のポートbにライン103,10
8を介して接続されたライン113とコーストクラッチ
42に通じるライン114とを連通し、もしくは遮断す
ることにより、該コーストクラッチ42の作動を制御す
る。
【0038】このようにして、第1〜第3ソレノイドバ
ルブ61〜63のON,OFF動作により各摩擦要素が
要求されている変速段に応じて、表1に従って選択的に
締結されるようになっている。そして、この油圧制御回
路60には、変速ショックの低減等のため、上記の各バ
ルブに加えて、1−2アキュムレータ88、2−3アキ
ュムレータ89、2−3タイミングバルブ90、N−D
アキュムレータ91、N−Rアキュムレータ92、3−
2タイミングバルブ93、及びバイパスバルブ94等が
備えられている。さらに、第4ソレノイドバルブ64に
よってパイロット圧の給排が制御されて、ロックアップ
クラッチ26を締結させもしくは解放させるロックアッ
プコントロールバルブ95、及びトルクコンバータ20
に供給される作動圧を調整するコンバータリリーフバル
ブ96等が備えられている。
【0039】次に、上記コントローラ70及びデューテ
ィソレノイドバルブ65によるライン圧制御の具体的動
作を、図4以下のフローチャートに従って説明する。
【0040】図4のフローチャートはライン圧制御のメ
インルーチンを示すもので、このルーチンでは、まずス
テップS1で変速すべき時期であるか否かを判定し、変
速時期でないと判定した場合には、ステップS2による
非変速中のライン圧制御を、変速時期であると判定した
場合には、ステップS3による変速中のライン圧制御を
それぞれ実行する。また、変速時期であると判定した場
合は、ステップS4でその変速がシフトアップ変速であ
るか否かを判定し、シフトアップ変速時にはステップS
5による変速時間の学習によるライン圧の補正制御を、
シフトダウン変速時にはステップS6による吹き上り回
転数の学習によるライン圧の補正制御をそれぞれ行う。
【0041】上記ステップS2による非変速中のライン
圧制御は、図5にフローチャートを示すサブルーチンに
従って次のように行われる。
【0042】このサブルーチンでは、ステップS11,
S12で、エンジンのスロットル開度及びトルクコンバ
ータのタービン回転数を図2に示すそれぞれのセンサ7
2,71からの信号に基いて読み込み、次いでステップ
S13で、これらのスロットル開度及びタービン回転数
に応じたライン圧の目標値PLを予め設定されたマップ
から読み取る。
【0043】そして、ステップS14で、この目標ライ
ン圧PLに対応するデューティソレノイドバルブ65の
デューティ率Dを後述するサブルーチンに従って決定す
ると共に、ステップS15で、該デューティソレノイド
バルブ65に出力するデューティ駆動信号の周波数を例
えば35Hzに設定し、さらにステップS16で、この
デューティ率Dと駆動周波数の逆数である周期とに基づ
いて、デューティソレノイドバルブ65の1ON−OF
Fサイクル中のON時間を算出する。そして、ステップ
S17で、上記のようにして求めたON時間となるよう
に、デューティソレノイドバルブ65にデューティ駆動
信号を出力する。これにより、図3に示すレギュレータ
バルブ81の増圧ポート81aに供給されるパイロット
圧が調整され、ライン圧が上記ステップS13で求めた
目標ライン圧PLに制御されることになる。
【0044】一方、図4のステップS3による変速中の
ライン圧制御は、図6にフローチャートを示すサブルー
チンに従って次のように行われる。
【0045】このサブルーチンでは、ステップS21で
今回の変速がシフトアップ変速であるか否かを判定し、
シフトアップ変速である場合には、ステップS22でス
ロットル開度を読み込むと共に、ステップS23でこの
スロットル開度と今回の変速の種類、即ち変速前後の変
速段とに基づいて目標ライン圧Pを設定する。つまり、
コントローラ70のメモリには、表2に示すように、ス
ロットル開度と変速の種類とに応じた目標ライン圧Pが
予めマップとして設定されており、このマップから今回
の変速時における目標ライン圧Pを読み取るのである。
【0046】
【表2】 これは、シフトアップ変速時における各摩擦要素の必要
トルク容量が、入力トルクに対応するスロットル開度に
よって変化するだけなく、いずれの変速段間の変速であ
るかによっても異なることに着目し、各変速段間のシフ
トアップ変速について、常に最適のトルク容量が得られ
るようにするものである。具体的には、図7に示す従来
のライン圧P’より低めに設定され、且つ各変速の種類
によって異なる特性とされている。なお、この目標ライ
ン圧Pは、詳しくは、図4のステップS5に示す変速時
間の学習によるライン圧補正制御として、後述するサブ
ルーチンに従って設定され、その場合に、表2に示すマ
ップは、変速中の燃料カット制御が実行されるか否かに
よって異なるものが作成される。
【0047】次に、ステップS24で、図2に示す油温
センサ73からの信号に基づいて当該自動変速機の作動
油の油温を読み込むと共に、ステップS25で、この油
温と今回の変速の種類とに基づいて補正係数Kを設定す
る。つまり、コントローラ70のメモリには、表3に示
すように、7つの油温レンジと各変速の種類とに応じた
補正係数Kが、A0〜F6として予めマップに設定され
ており、このマップから今回の変速時における補正係数
Kを読み取るのである。
【0048】
【表3】 そして、ステップS26において、この補正係数Kを上
記ステップS23で設定された目標ライン圧Pに加える
ことによって、油温により補正された目標ライン圧PL
を算出する。
【0049】これは、油温によって作動油の粘度が変化
し、その結果、後述するライン圧補正制御において学習
の基礎とされる変速時間が変化するので、上記ステップ
S23で設定された目標ライン圧Pを油温によって修正
するものである。なお詳しくは、この油温による補正係
数K自体が、図4のステップS5に示す変速時間の学習
によるライン圧補正制御において後述するサブルーチン
に従って変速毎に補正され、その場合に、表3に示すマ
ップにおける各値A1〜A6,…,F1〜F6が繰り返
し更新登録されて、予め設定されたままの画一的な値に
固定されないようになっている。
【0050】また、今回の変速がシフトダウン変速であ
る場合は、ステップS27で3−2シフトダウン変速で
あるか否かを判定し、3−2シフトダウン変速でない場
合には、ステップS36で図4のステップS2による制
御と同様の制御、つまり図5のサブルーチンによる非変
速中のライン圧制御を実行する。
【0051】これに対して、今回の変速が3−2シフト
ダウン変速である場合には、ステップS28でタービン
回転数を読み込むと共に、ステップS29で、このター
ビン回転数に応じたベースライン圧Poを表4に示すよ
うに予め設定されたマップから読み取る。
【0052】
【表4】 ここで、3−2シフトダウン変速時にのみ、このような
ベースライン圧Poを設定するのは、この変速時には図
1及び図3に示す3−4クラッチ43の解放動作と2−
4ブレーキ45の締結動作が同時に行われるので、これ
らの動作のタイミングを調整する必要があると共に、特
に2−4ブレーキ45の最適締結タイミングがタービン
回転数によって異なるので、ライン圧もタービン回転数
に対応させて変化させるためである。なお、このベース
ライン圧Poは、図4のステップS6に示す吹き上り回
転数の学習によるライン圧補正制御において設定される
が、ここではその説明は省略する。
【0053】そして、この3−2シフトダウン変速時に
は、次にステップS30でスロットル開度の変化率を算
出すると共に、ステップS31で、このスロットル開度
変化率に応じて図8に示すような特性で予め設定された
マップから補正係数C1を求め、この補正係数C1を上
記ベースライン圧Poに掛けることにより目標ライン圧
PLを設定する。これは、スロットル開度変化率が大き
いときは、シフトダウン変速によるタービン回転数の上
昇速度も大きくなるので、これに対応させて2−4ブレ
ーキ45の締結タイミングを早めるためである。
【0054】そして、以上のようにして、ステップS2
6またはステップS31で目標ライン圧PLが設定され
ると、ステップS32〜S35で、前述の非変速中のラ
イン圧制御を示す図5のフローチャートのステップS1
4〜S17と同様にして、目標ライン圧PLに応じたデ
ューティ率Dの決定、デューティ駆動信号の周波数の設
定、デューティON時間の算出、及びデューティソレノ
イドバルブ65へのデューティ駆動信号の出力の各動作
を行なう。これにより、変速中におけるライン圧がそれ
ぞれの変速に適した値に制御されることになる。ここ
で、この変速中においては、ライン圧制御の応答性を高
めるため、上記デューティ駆動信号の周波数は例えば7
0Hzに設定される。
【0055】次に、図5のステップS14及び図6のス
テップS32によるデューティ率Dの決定動作のサブル
ーチンを図9のフローチャートによって説明する。
【0056】このサブルーチンでは、ステップS41
で、図5または図6のサブルーチンで設定された目標ラ
イン圧PLを読み込み、次いでステップS42で作動油
の油温を読み込む。そして、ステップS43で、これら
の目標ライン圧と油温とに応じたベースデューティ率D
oを、図10〜図12に示すように複数の油温について
予め設定されたマップから求める。ここで、ベースデュ
ーティ率Doを設定するためのパラメータとして油温を
用いるのは、目標ライン圧PLを得るためのデューティ
率Dが油温によって異なるからであり、また、実際の油
温が予めマップが設定されている油温に該当しないとき
は、これらのマップから線形補間法によってベースデュ
ーティ率Doが求められる。
【0057】次に、ステップS44で、エンジンのキー
オン後の経過時間を測定し、ステップS45でこの経過
時間に応じた補正係数C2を図13に示すように予め設
定されたマップから読み取る。つまり、エンジンないし
自動変速機の作動直後においては、油圧制御回路中にお
けるエアの存在により、デューティ率に対する制御圧の
特性が通常時とは異なるので、これを補正するのであ
る。
【0058】そして、ステップS46で、この補正係数
C2を上記ベースデューティ率Doに掛けることにより
最終デューティ率Dを算出し、これを図5及び図6のラ
イン圧制御で用いる。
【0059】一方、本案の特徴部を構成する図4のフロ
ーチャートのステップS5で行われる変速時間の学習に
よるライン圧補正制御、つまり第6図に示す変速中のラ
イン圧制御において、ステップS23で読み取られるシ
フトアップ変速時の目標ライン圧Pを設定する制御は、
図14にフローチャートを示すサブルーチンによって次
のように行われる。
【0060】この制御では、まずステップS51で油温
が0℃以上か否かを判定して、0℃未満のときは該ステ
ップS51以下のライン圧を学習補正する制御を行わず
に、前述の補正係数Kを更新するサブルーチン(ステッ
プS69)に進む。これは、油温が0℃未満のときは作
動油の粘度が高くなり過ぎて変速時間を基礎とする学習
補正の誤差の発生する虞が高いので、かかる補正制御の
信頼性を維持するためである。従って、判定基準とする
油温は上記目的に照らして設定すればよく、0℃に限ら
ず、作動油の粘度特性等から任意に設定してよい値であ
る。
【0061】一方、油温が0℃以上の場合は、ステップ
S52,S53で、タービン回転数及びスロットル開度
を読み込み、次いでステップS54で変速前のタービン
回転数から変速後の目標タービン回転数を算出すると共
に、ステップS55で変速動作が終了したか否か、即ち
タービン回転数がシフトアップ変速により上記目標回転
数まで低下したか否かを判定し、該目標回転数まで低下
したときに変速動作が終了したものと判定する。
【0062】次に、ステップS56で変速動作の開始時
から終了時までの実変速時間Tを算出し、またステップ
S57で変速中における平均スロットル開度((変速開
始時の開度+変速終了時の開度)/2)を算出すると共
に、ステップS58で、変速中の燃料カット制御が行わ
れたか否かを判定する。この変速中の燃料カット制御
は、変速時にエンジンへの燃料の供給を停止させてエン
ジン出力を低下させることにより、変速ショックを低減
するためのもので、エンジン出力が大きくなるスロット
ル開度が4/8以上での変速時に実行されるようになっ
ている。
【0063】そして、この燃料カット制御が行われなか
った場合にはステップS59〜S62により、また該制
御が行われた場合にはステップS63〜S66により、
ライン圧の補正量を設定する制御をそれぞれ実行する。
これらの制御は略同様に行われ、まず、変速の種類及び
燃料カット制御の有無に応じて予め設定されているマッ
プから該当するベース変速時間To又はTo’(「’」
は燃料カット制御実行時の値を示す。以下同様)を読み
込み(ステップS59,S63)、次いで、上記ステッ
プS57で算出した変速中の平均スロットル開度に応じ
た補正係数C3又はC3’を表5,表6に示すように予
め設定されたマップから読み取り、この補正係数C3又
はC3’を上記ベース変速時間To又はTo’に掛ける
ことにより目標変速時間T1又はT1’を算出する(ス
テップS60,S64)。
【0064】
【表5】
【0065】
【表6】 ここで、上記補正係数C3,C3’を示す表5,表6の
a1,a2,…,a1’,a2’,…等の数値は、1よ
り大きく且つ添え字が小さいほど大きな値とされ、従っ
て上記目標変速時間T1,T1’は低スロットル開度時
ほど長くなる。これは、低スロットル開度時ほど変速シ
ョックが顕著に現れることに対処するためである。な
お、表6の燃料カット制御実行時のマップでは、該制御
が行われる平均スロットル開度が4/8以上の場合につ
いてのみ、補正係数C3’の値が設定されている。
【0066】そして、ステップS56で求めた実変速時
間Tと、上記目標変速時間T1又はT1’とを比較し、
その偏差ΔT(=T−T1)又はΔT’(=T−T
1’)を算出すると共に(ステップS61,S65)、
その偏差ΔT又はΔT’に応じたライン圧の補正量ΔP
又はΔP’を表7,表8に示すように予め設定されたマ
ップから読み取る(ステップS62,S66)。
【0067】
【表7】
【0068】
【表8】 その場合に、表7,表8におけるb1,b2,b1’,
b2’等の数値は、0より大きく且つ添え字が大きいほ
ど大きな値とされている。従って、ライン圧補正量Δ
P,ΔP’は、偏差ΔT,ΔT’が正のとき(実変速時
間Tが目標変速時間T1又はT1’より長いとき)は、
その偏差ΔT,ΔT’が大きいほど大きな値とされ、偏
差ΔT,ΔT’が負のとき(実変速時間Tが目標変速時
間T1又はT1’より短いとき)は、その偏差ΔT,Δ
T’が小さいほど(絶対値が大きいほど)負の大きな値
とされる。また、同じ偏差に対しては、燃料カット制御
実行時のライン圧補正量ΔP’の絶対値は、該制御非実
行時のライン圧補正量ΔPの絶対値より小さな値とされ
ている(例えばb1’<b1)。これは、燃料カット制
御実行時にはエンジン出力が低下しているので、これに
対応させてライン圧の補正量も少なくするためである。
【0069】このようにして変速時間の学習により、今
回の変速の種類、変速中の平均スロットル開度及び変速
中の燃料カット制御の有無に応じたライン圧補正量ΔP
又はΔP’が設定される。そして、次に、ステップS6
7で、変速モードがエコノミモードとパワーモードのい
ずれであるかを読み込んだ後、ステップS68において
目標ライン圧Pの設定制御のサブルーチンに入る。
【0070】このサブルーチンは図15に示すように、
まずステップS71で変速中の燃料カット制御が実行さ
れているか否かを判定する。そして、該燃料カット制御
が実行されていない場合はステップS72〜S74によ
り、また実行されている場合はステップS75〜S77
により、図14のステップS62,S66で設定された
ライン圧補正量ΔP又はΔP’を修正し、これらを用い
て目標ライン圧Pを設定する。
【0071】この目標ライン圧Pの設定は、燃料カット
制御の実行時と非実行時とで略同様に行われ、まず、図
14のステップS67で読み込んだ変速モードと、ステ
ップS57で算出された平均スロットル開度とに応じて
表9,表10に示すように予め設定されたマップから該
当する補正係数C4又はC4’を読み取る(ステップS
72,S75)。
【0072】
【表9】
【0073】
【表10】 その場合に、これらの補正係数C4,C4’を示す表
9,表10のマップにおけるCP1,CP2,…,CE
1,CE2,…,CP1’,CP2’,…,CE1’,
CE2’,…等の数値は、1以下で且つ添え字が小さい
ほど小さい値とされている。また、同一平均スロットル
開度に対してはエコノミモード時の値がパワーモード時
の値より小さく(例えば、CE1<CP1)、且つ燃料
カット制御実行時の値が非実行時の値よりも小さくされ
ている(例えば、CP1’<CP1)。これは、低スロ
ットル開度時、エコノミモード時、燃料カット制御実行
時に、それぞれライン圧の補正量を少なくするためであ
る。
【0074】そして、次に、燃料カット制御の実行時と
非実行時のそれぞれについて、スロットル開度及び変速
の種類に応じた変速時のベースライン圧Po又はPo’
を表11,表12に示すように予め設定されたマップか
ら読み取り(ステップS73,S76)、このベースラ
イン圧Po又はPo’と、上記補正係数C4又はC4’
と、ライン圧補正量ΔP又はΔP’とを用いて、次のい
ずれかの式により目標ライン圧Pを算出する(ステップ
S74,S77)。
【0075】
【表11】
【0076】
【表12】 燃料カット制御非実行時: P=Po+ΔP×C4 燃料カット制御実行時: P=Po’+ΔP’×C4’ 以上により、変速時間の学習による目標ライン圧Pの設
定が終了し、これが今回の変速時における変速の種類、
スロットル開度及び燃料カット制御の有無に応じた新た
な目標ライン圧として、前述の表2のマップを記憶して
いるメモリの該当するエリアに登録される。そして、以
後の変速時に、このマップから該当する目標ライン圧が
読み出され、このライン圧となるように前述の制御が行
われる。
【0077】さらに、この実施例における上記コントロ
ーラ70は以上の目標ライン圧Pの設定制御に続き、図
14に示すステップS69において、前述の表3に示し
た補正係数Kの値を作動油の油温毎に区分して補正する
制御を行う。これは、図6に示す変速中のライン圧制御
のステップS26で上記目標ライン圧Pをさらに油温に
応じて補正する際の補正の精度を高める目的で、該補正
に用いられる補正係数Kをも変速毎に学習補正して更新
登録し、変速中のライン圧制御の精度向上を図るもので
ある。
【0078】この油温毎に補正係数Kを更新制御するサ
ブルーチンにおいては、図16に示すように、まずステ
ップS81で作動油の油温(tem)を読み込んだ後、
ステップS82〜S87で上記油温(tem)がいずれ
の温度レンジにあるかを判定し、次いで各該当する温度
レンジと変速の種類とに応じた補正係数KをステップS
88〜S94で新たな値に更新するのである。例えば、
変速が1−2変速で油温が0℃以上20℃未満、20℃
以上40℃未満、40℃以上60℃未満、60℃以上8
0℃未満、80℃以上100℃未満又は100℃以上の
ときは、ステップS89〜S94で前述の表3中のA
1、A2、A3、A4、A5又はA6の値を新たな値に
更新して登録することとなる。
【0079】一方、油温が0℃未満の場合は、かかる補
正係数Kの更新は行われない(ステップS88)。これ
は、油温が0℃未満のときはライン圧の学習補正を行わ
なかったのと同様の理由から、マップ中の値が実益のな
い値に更新されるのを回避し、補正係数更新制御の信頼
性を維持するためである。従って、油温が0℃未満の場
合は、図14に示すステップS51から直接このサブル
ーチンに進んだものと併せ、ライン圧の学習補正と、こ
の補正係数Kの更新制御との双方共が実行されないこと
となる。
【0080】これによって、図6に示した変速中のライ
ン圧制御において、補正係数Kが読み取られ、これと目
標ライン圧Pとを加えて得られた目標ライン圧PL、換
言すればデューティソレノイドバルブ65のデューティ
率を決定する基礎となる最終の目標ライン圧PLが高過
ぎて(低過ぎて)、実変速時間Tが目標変速時間T1に
比べて短かければ(長ければ)、これを学習することに
より新たな目標ライン圧P及び補正係数Kが上記最終の
目標ライン圧PLを低くするような値に(高くするよう
な値に)更新登録されることとなる。
【0081】そして、表3に示したマップ及び図16に
示したサブルーチンにおいて、各種油温のレンジ毎に補
正係数Kを複数設定し(A1〜A6,…,F1〜F
6)、これらをそれぞれ別個独立に、且つ変速毎にいず
れかを油温に応じて更新していくので、油温が急激に変
化する走行条件下においても誤差の小さい緻密なライン
圧制御が実現されることとなる。
【0082】さらに、車両製造時の油圧回路等の物理特
性に個体間でバラつきがあっても、ライン圧補正量と油
温による補正係数との双方を学習補正するので、これら
から算出される最終目標ライン圧PLは画一的な固定さ
れた値とならず、各個体独自の特性によく追従し、すべ
ての車両にとってそれぞれ最適のライン圧が得られるこ
ととなる。
【0083】なお、上記実施例においては、変速時間の
学習によるライン圧補正制御中、目標ライン圧Pと補正
係数Kとをそれぞれ更新登録し、実際の変速時に変速中
のライン圧制御に従ってこれらの値を読み取り最終目標
ライン圧PLを算出するようにしたが、前者のライン圧
補正制御において最終目標ライン圧PLまで算出してお
き、これをスロットル開度、変速の種類及び油温によっ
て区分されたマップに新規登録して、変速時にはこれら
のパラメータに基づいて最終目標ライン圧PLを直接読
み込むようにしても同様の効果が得られる。
【0084】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
学習補正された目標ライン圧をさらに温度に応じた補正
係数で修正するので、冷間時においても変速時間に基づ
くこの種の補正制御が可能であると共に、最終の目標ラ
イン圧を得るための上記目標ライン圧と補正係数との双
方共が変速毎に学習によって新たに更新されるので、精
度の高い緻密な補正制御が実現される。
【0085】特に、油温を考慮して目標ライン圧を修正
する上記補正係数もが更新登録されていくので、予め見
込みで画一的に設定された補正係数を用いる従来の制御
と比べて、柔軟性に富む制御が可能となり、実際の変速
により適正な最終目標ライン圧が得られることとなる。
その結果、製造時の各個体特有のバラつきにかかわりな
く、全ての車体の各特性に充分追従し得ることとなる。
【0086】さらに、上記補正係数は油温毎に区分され
た複数の値を持ち、それぞれが別個独立に学習補正され
ていくので、各油温条件に対応した値となり、油温が急
激に変化するような走行条件下でも影響の少ない、最適
のライン圧が得られることとなる。
【0087】また、油温が特に低く、変速時間を基礎と
するこの種の補正制御にとって信頼性を考慮した場合に
良い条件とはいえないときには、学習による補正制御は
行われず、目標ライン圧及び補正係数の更新がなされな
いので、実際の変速時に利用すれば変速ショック等が回
避できないような実益のない値が登録されるのを防ぐこ
とができて、この種のライン圧制御の精度向上を図るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例に係る自動変速機の骨子図である。
【図2】 油圧制御回路の各バルブに対する制御システ
ム図である。
【図3】 自動変速機の油圧制御回路を示す回路図であ
る。
【図4】 ライン圧制御のメインルーチンを示すフロー
チャート図である。
【図5】 非変速中のライン圧制御のサブルーチンを示
すフローチャート図である。
【図6】 変速中のライン圧制御のサブルーチンを示す
フローチャート図である。
【図7】 図6のサブルーチンで用いられるマップの説
明図である。
【図8】 図6のサブルーチンで用いられるマップの説
明図である。
【図9】 デューティ率決定のサブルーチンを示すフロ
ーチャート図である。
【図10】 図9のサブルーチンで用いられるマップの
説明図である。
【図11】 図9のサブルーチンで用いられるマップの
説明図である。
【図12】 図9のサブルーチンで用いられるマップの
説明図である。
【図13】 図9のサブルーチンで用いられるマップの
説明図である。
【図14】 変速時間の学習によるライン圧補正制御の
サブルーチンを示すフローチャート図である。
【図15】 目標ライン圧を設定する制御のサブルーチ
ンを示すフローチャート図である。
【図16】 補正係数を更新制御するサブルーチンを示
すフローチャート図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 摩擦要素に供給される締結用油圧の元圧
    であるライン圧を調整するライン圧調整手段が油圧制御
    回路に設けられていると共に、該ライン圧調整手段によ
    って調整されるライン圧を変速時における実変速時間と
    目標変速時間との偏差に応じて学習補正するライン圧補
    正手段が設けられている自動変速機の油圧制御装置であ
    って、自動変速機の温度を検出する温度検出手段と、該
    温度検出手段によって検出される自動変速機の温度に応
    じて、上記ライン圧補正手段による学習補正量を修正す
    ると共に、その修正の際に用いられる修正係数を補正す
    る補正量修正手段とが備えられていることを特徴とする
    自動変速機の油圧制御装置。
  2. 【請求項2】 温度検出手段によって検出される温度が
    所定温度以下のときは、ライン圧補正手段がライン圧の
    学習補正を行わないことを特徴とする請求項1に記載の
    自動変速機の油圧制御装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004286062A (ja) * 2003-03-19 2004-10-14 Fuji Heavy Ind Ltd 自動変速機の特性補正システム
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