JP2948993B2 - 自動変速機の制御装置及び作動方法 - Google Patents

自動変速機の制御装置及び作動方法

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JP2948993B2 JP4276143A JP27614392A JP2948993B2 JP 2948993 B2 JP2948993 B2 JP 2948993B2 JP 4276143 A JP4276143 A JP 4276143A JP 27614392 A JP27614392 A JP 27614392A JP 2948993 B2 JP2948993 B2 JP 2948993B2
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    • F16H61/00Control functions within control units of change-speed- or reversing-gearings for conveying rotary motion ; Control of exclusively fluid gearing, friction gearing, gearings with endless flexible members or other particular types of gearing
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車の自動変速機に
おける適応制御に関し、より詳細には、適用補正値を記
憶しかつ与えるための制御方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】本発明
が意図するタイプの自動変速機は、本明細書においてク
ラッチと呼称する幾つかの流体圧作動型のトルク伝達装
置を備えており、これらトルク伝達装置は、予め決定さ
れたパターンに従って自動的に係合及び離合すなわち解
放し、これにより、自動変速機の入力軸と出力軸との間
に異なった速度比を確立する。入力軸は、トルクコンバ
ータ等の流体カップリングを介して内燃機関に接続さ
れ、出力軸は、1又はそれ以上の乗物の車輪に接続され
てこれを駆動する。
【0003】自動変速機の種々の速度比は一般に、Ni
/No比によって決定され、Niは入力軸の速度であ
り、Noは出力軸の速度である。相対的に大きな数値を
有する速度比は、相対的に低い出力速度を提供し、一般
に低速度比と呼称され、また相対的に小さな数値を有す
る速度比は、相対的に高い出力速度を提供し、一般に高
速度比と呼称される。従って、ある速度比からより低い
速度比へのシフトは、アップシフトと呼称され、一方、
ある速度比からより高い速度比へのシフトは、ダウンシ
フトと呼称される。
【0004】大部分の自動変速機においては、比のシフ
トすなわち切り替えは、ライン圧力と呼ばれる駆動され
るポンプの流体圧出力を、予め決定されたパターンに従
って、自動変速機の種々のクラッチに導くことによって
実行される。この目的のために、自動変速機は、乗物の
運転パラメータに応じて作動されるシフト弁及びアキュ
ムレータ等の流体圧作動型のあるいは電気油圧式の要素
を備えている。
【0005】ある種の自動変速機はまた、テーブル探索
から得られるスケジュールされた圧力に従ってライン圧
力の調節を制御するための電気的な要素も備えている。
スケジュールされた圧力は一般に、速度及び負荷(トル
ク)に依存し、係合したクラッチに適宜なトルクを維持
するばかりではなく、シフトの間のクラッチの係合速度
を制御するようにも作用する。そのような自動変速機に
おいては、部品間の寸法公差、摩耗等に関連する変動性
を補償するための手段として、スケジュールされた圧力
の適応調節すなわち補正を採用することができる。米国
特許第4,283,970号明細書に記載されるそのよ
うな制御装置の1つは、高品質のシフト感覚の特性を有
する所望のシフト時間特性からの実際のシフト時間の偏
差に基づき、スケジュールされたライン圧力の適応補正
値を発生する。米国特許第4,653,350号明細書
もある制御機構を開示している。
【0006】米国特許第4,283,970号明細書に
よれば、適応補正値は補正レジスタに記憶され、該補正
レジスタは、通常にスケジュールされたライン圧力に対
して単一の累積補正値を保持する。実際には、種々の範
囲のエンジンスロットル設定値(あるいは入力トルク)
に対して多数の補正レジスタが採用されている。米国特
許第4,653,350号明細書によれば、適応補正値
の最新化は、補正テーブルの低トルクデータ点と高トル
クデータ点との間に割り当てられ、中間のトルク値に対
する適応補正値は内挿によって得られる。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、適応補正値が
多数のメモリセル列に記憶される改善された適応制御に
関するものであり、流体圧作動型のクラッチに供給され
る流体の圧力を調節して速度比のシフトを行う電気油圧
式要素(以下に述べる実施例においては、電動モータ8
0として実施化)と、乗物の運転パラメータの測定値の
関数として、前記電気油圧式要素が調節すべき予め定め
た流体圧値を記憶するための記憶手段(同実施例におい
ては、制御ユニット190の一部として実施化)と、前
記シフトを行っている際に、その進行状態と望ましいシ
フトの進行状態との比較に基づき、前記予め定めた圧力
値に対する適応補正量を発生する適応手段(制御ユニッ
ト190の一部として実施化)とを備える自動変速機
(参照番号14で示す)用の制御装置であって、相互に
隣接して連続する複数の範囲に分割された前記運転パラ
メータのそれぞれの範囲に対応して設けられた、累積補
正量を記憶するためのメモリセル列(230−238)
と、シフトに続いて前記適応手段によって発生される適
応補正量に応答し、同シフトの開始時に測定される乗物
の運転パラメータの値を含む乗物の運転パラメータの前
記範囲の1つに関連するメモリセル(230)を選択す
る手段(制御ユニット190の一部として実施化)と、
適応手段(190)によって発生された適応補正量に従
って、前記選択されたメモリセルを含む所定範囲内のメ
モリセルに記憶された累積補正量を最新化するための手
段(制御ユニット190の一部として実施化)と、前記
記憶手段から得られる前記予め定めた圧力値及び前記メ
モリセル列から得られる累積補正量の複合された関数と
して、前記電気油圧式要素を制御するための手段(制御
ユニット190の一部として実施化)とを備え、前記適
応手段により発生された適応補正量の全量が前記選択さ
れたメモリセル(230)に与えられ、同補正量の所定
割合が前記所定範囲内のメモリセル中の他のセル(23
2−238)に与えられるようにしたことを特徴とする
制御装置を提供する。具体的には、スロットルの位置を
前記運転パラメータとすることができる。また、メモリ
列から得られる前記累積補正量は、乗物の運転パラメー
タの測定値を含む第1の範囲の乗物の運転パラメータに
関連するメモリセルに記憶される第1の補正量と、前記
第1の範囲に隣接する第2の範囲の乗物の運転パラメー
タに関連するメモリセルに記憶される第2の累積補正量
に基づき補間法(内挿法)によって得ることができる。
【0008】以上から分かるように、本発明では、ある
シフトを行った場合に、そのシフトの開始時に測定され
るエンジンスロットの開度等の所定の運転パラメータの
値を含む所定範囲内の当該運転パラメータに関連するメ
モリセルと、同範囲に隣接する運転パラメータに関連す
るメモリセルに、適応手段によって発生された補正量が
所定の割合で与えられる。このようにすることにより、
各メモリセルに対する適正な補正量を与えるために必要
な時間を、大幅に削減することができる。
【0009】本発明は、累積適応補正値が多数のセルメ
モリ列に記憶される改善された適応制御に関するもので
あり、上記セルは、エンジンスロットル位置等の乗物の
運転パラメータの特定の隣接する範囲に関連して設けら
れる。定期的に決定される適応補正量は、あるシフトの
開始時に測定されたエンジンスロットル設定値を含む選
択されたセルと、隣接するエンジンスロットル範囲に関
連して設けられた2又はそれ以上のセルとに与えられ
る。このようにすると、比較的多数のセルを用いて近似
誤差を極力少なくすることができると同時に、セル間の
圧力補正値の連続性を維持することができる。
【0010】本発明の実施例においては、適応補正量の
全量が選択されたセルに与えられ、該補正量の少ないパ
ーセンテージが、隣接するスロットル位置範囲に関連す
るセルに与えられる。作動の際には、電気油圧式の圧力
調整器が、通常のテーブル探索から得られる予め決定さ
れた圧力命令と、メモリ列から得られる累積補正量との
複合された関数として制御される。
【0011】
【実施例】図面の図1及び図2を参照すると、符号10
は、エンジン12と、後進速度比及び5つの前進速度比
を有する自動変速機14とを備えた自動車用の駆動列を
全体的に示している。エンジン12は、アクセルペダル
(図示せず)等のオペレータ操作型の装置に機械的に接
続されてエンジンの空気吸入量を調節するスロットル機
構16を備えている。エンジン12には、空気吸入量に
関係して通常の方法によって燃料が供給され、空気吸入
量に比例した出力トルクを発生する。そのようなトルク
は、エンジンの出力軸18を介して自動変速機14に与
えられる。自動変速機14は、トルクコンバータ24
と、(流体圧作動型の)クラッチC1−C5、OC、後
進クラッチCR及びワンウエイクラッチ26−30の中
の1又はそれ以上のクラッチを介して、エンジンの出力
トルクを出力軸20に伝達し、上記各クラッチは、所定
のスケジュールに従って係合又は解放されて変速機の所
望の速度比を確立する。
【0012】次に自動変速機14を特に参照すると、ト
ルクコンバータ24のインペラすなわち入力部材36
が、入力シェル38を介してエンジンの出力軸18によ
って回転可能に駆動されるように接続されている。トル
クコンバータ24のタービンすなわち出力部材40が、
インペラ36によって、これら出力部材とインペラとの
間の流体伝達により回転可能に駆動され、且つタービン
の軸42を回転可能に駆動するように接続されている。
ステータ部材44が、インペラ36をタービン40に接
続する流体の方向を変え、上記ステータ部材は、ワンウ
エイ装置46を介して、自動変速機14のハウジングに
接続されている。
【0013】トルクコンバータ24はまた、タービンの
軸42に固定されたクラッチプレート50を有するクラ
ッチTCCを備えている。クラッチプレート50は、該
クラッチプレートに形成された摩擦面52を有してお
り、該摩擦面は、入力シェル38の内側面に係合し、エ
ンジンの出力軸18とタービンの軸42との間に直接的
かつ機械的な駆動部を形成することができる。クラッチ
プレート50は、入力シェル38とタービン40との間
の空間を2つの流体室、すなわち係合室すなわちアプラ
イ室54及び解放室すなわちリリース室56に分割して
いる。
【0014】アプライ室54内の流体圧が、リリース室
56内の流体圧を超えると、クランプ50の摩擦面52
が入力シェル38に係合するように移動し、これによ
り、クラッチTCCに係合して、トルクコンバータ24
と並列な機械的な駆動連結を提供する。この場合には、
インペラ36とタービン40との間にはスリップが何等
生じない。リリース室56内の流体圧がアプライ室54
内の流体圧を超えると、図1示すように、クラッチプレ
ート50の摩擦面52が移動して入力シェル38との係
合から解放され、これにより、上述の如き機械的な駆動
連結を解き、インペラ36とタービン40との間のスリ
ップを許容する。
【0015】タービンの軸42は、前進遊星歯車列fの
キャリアCfに入力として接続されている。太陽歯車S
fが、並列に組合わされたワンウエイクラッチ26及び
クラッチOCを介して、キャリアCfに接続されてい
る。クラッチC5は、太陽歯車Sfに選択的に係合して
接触することができる。リングRfが、並列に組合わさ
れたワンウエイクラッチ28及びクラッチC3を介し
て、複合された後進遊星歯車列rの太陽歯車Slrに入
力として接続されている。クラッチC2は、前進歯車列
のリングRfを後進歯車列のリングRrに選択的に接続
し、また後進クラッチCRはリングRrに選択的に接触
する。太陽歯車S2rは、ワンウエイクラッチ3aを介
して、クラッチC4又はクラッチC1によって選択的に
接触される。ピニオンキャリアPrは、ピニオンギアP
r1及びPr2を機械的に接続すると共に、出力軸20
に出力として接続されている。
【0016】種々の速度比及びこれら速度比を確立する
ために必要とされるクラッチの状態が、図3のチャート
に示されている。図3を参照すると、パーク/ニュート
ラル状態は、クラッチOCを除いて総てのクラッチを解
放することによって確立されることが分かる。後進への
ガレージシフトは、C3及びCRクラッチを係合させる
ことによって行う。前進速度範囲においては、1速への
ガレージシフトは、クラッチC1及びC4を係合させる
ことによって行う。この場合においては、前進遊星歯車
列fは係止されており、ワンウエイクラッチ28が、タ
ービン速度Ntを、後進遊星歯車列rの太陽要素Srに
入力として与え、これにより、3.61のNi/No比
が生じる。
【0017】乗物の速度が増加すると、単にクラッチC
2を係合させることによって、1速から2速へのアップ
シフトが行われ、ワンウエイクラッチ28は、次のクラ
ッチC2が十分なトルク容量を生じると直ぐにオーバー
ラン運動を行う。前進遊星歯車列fは係止されたままで
あって、クラッチC2が、後進遊星歯車列rのリング要
素Rrに、タービン速度Ntを入力として与え、これに
より1.85のNi/No比が生じる。2速から1速へ
のダウンシフトは、単にクラッチC2を解放することに
よって行う。
【0018】2速から3速へのアップシフトは、前進歯
車列がオーバードライブ作動するように、クラッチC5
を係合させると共にクラッチOCを解放することによっ
て行い、これにより、1.37のNi/No比が生じ
る。3速から2速へのダウンシフトは、クラッチC5を
解放しかつクラッチOCを係合させ、これにより前進遊
星歯車列fを係止状態に戻すことによって行う。
【0019】3速から4速へのアップシフトは、クラッ
チC5を解放しかつクラッチOCを係合させて前進遊星
歯車列fを係止状態に戻し、一方、クラッチC4を解放
させかつクラッチC3を係合させて後進遊星歯車列rを
係止し、ワンウエイクラッチ30に後部遊星軸Prを解
放させることによって行う。この場合に、タービン速度
Ntは、1.00のNi/No比で出力軸20に直接伝
達される。4速から3速へのダウンシフトは、クラッチ
OCを解放しかつクラッチC5を係合させて前進遊星歯
車列fをオーバードライブ状態に戻し、一方、クラッチ
C3を解放しかつクラッチC4を係合させ、タービン速
度Ntを入力としてリング要素Rrに与えることによっ
て行う。
【0020】シフトの解析を終えると、4速から5速へ
のアップシフトは、クラッチC5を係合させ(エンジン
ブレーキが選択されている場合にはクラッチOCの解放
も行い)、前進遊星歯車列fをオーバードライブ状態で
作動させることによって行い、これにより、0.74の
Ni/No比が生じる。5速から4速へのダウンシフト
は、クラッチC5を解放する(エンジンブレーキが選択
されている場合にはクラッチOCの係合も行う)ことに
よって行う。
【0021】(容積式の)ポンプ60が、エンジンの出
力軸18によって機械的に駆動される。ポンプ60は、
流体リザーバ64及びフィルタ65から低圧の作動流体
を受け、ライン圧力の流体を出力ライン66を介して変
速機制御要素に供給する。圧力調整弁(PRV)68が
出力ライン66に接続されており、この圧力調整弁は、
ライン圧力の調整された一部をライン70を介して流体
リザーバ64へ返送することによって、ライン圧力を調
節する役割を果たす。PRV68は、その一端部が、ラ
イン71の中の絞られたライン圧力によって偏椅され、
またその他端部が、バネ力、ライン72の中の後進比流
体圧及びライン74の中の制御されたバイアス圧力の複
合力によって偏椅されている。
【0022】後進流体圧は、以下に説明するように手動
弁76によって供給される。制御されたバイアス圧力
は、(電動式の)強制モータ80に供給される電流に関
連して圧力を生ずるライン圧力バイアス弁78によって
供給される。ライン圧力は入力として、ライン82、圧
力制限弁84及びフィルタ85を介してライン圧力バイ
アス弁78に供給される。ACTフィード圧力として呼
称する制限されたライン圧力も入力として、ライン86
を介して制御装置の電気作動型の他のアクチュエータに
供給される。上述の弁切り替え機構を用いた場合には、
自動変速機のライン圧力は、強制モータ80によって電
気的に調節されることが分かろう。
【0023】ライン圧力を調節することに加え、PRV
68は、トルクコンバータ24用の調節されたコンバー
タフィード(CF)圧力をライン88の中に生ずる。C
F圧力は入力としてTCC制御弁90に供給され、該制
御弁は、開放したコンバータの作用を必要とする時に、
ライン92を介してトルクコンバータ24の解放部材5
6にCF圧力を導く。この場合に、トルクコンバータ2
4からの返送流体は、ライン94、TCC制御弁90、
オイルクーラ96及びオリフィス98を介して排出され
る。
【0024】閉止したコンバータの作用を必要とする時
には、TCC制御弁90がトルクコンバータ24のリリ
ース室56をオリフィス付きの排気口100へ排気し、
ライン102の中の調節されたTCCアプライ圧力をア
プライ室54に供給し、これによりTCCを係合させ
る。ライン102の中のTCCアプライ圧力は、TCC
調節弁104によってライン圧力から生ずる。
【0025】TCC制御弁90及びTCC調節弁104
は共にバネ偏椅されて開放したコンバータ状態を達成
し、その各々の場合において、バネ力は、ライン106
の中に電気的に生ずる制御圧力によって抵抗を受ける。
ライン106の中の制御圧力は、ライン110の中の流
体圧の比率調整によって、(ソレノイド作動型の)TC
Cバイアス弁108によって生ずる。
【0026】閉止したコンバータの作用を必要とする時
には、TCCバイアス弁108のソレノイドを、制御さ
れたデューティサイクルにおいてパルス幅変調し、ライ
ン106の中のバイアス圧力を上昇させる。TCC制御
弁90を閉止されたコンバータの状態へシフトするに必
要な圧力を超えたバイアス圧力は、TCC調節弁104
によってライン102の中に生ずるTCCアプライ圧力
を制御するために用いられる。このようにして、閉止さ
れたコンバータの作用を必要とする時には、TCCバイ
アス弁108を用いてクラッチTCCのトルク量を制御
する。
【0027】摩擦クラッチC1−C5、OC及びCR
は、通常の(流体圧作動型の)ピストンP1−P5、P
OC及びPCRによってそれぞれ作動される。ピストン
は、上述の手動弁76、シフト弁120、122、12
4、及びアキュムレータ126、128、130を備え
る流体供給装置に接続されている。手動弁76は、ドラ
イバが変速範囲セレクタ77を位置決めすることに応じ
て、後進(REV)及び種々の前進範囲(DR,D3
2)用の供給圧力を発生する。REV、DR及びD32
の圧力は、ライン72、132、134を介して、種々
のシフト弁120−124に供給され、(流体圧作動型
の)ピストンP1−P5、POC、PCRに与えられ
る。シフト弁120、122、124は各々、制御され
たバイアス圧力に抗してバネ偏椅されており、上記制御
されたバイアス圧力は、ソレノイド作動型の弁A、C、
Bによって発生される。アキュムレータ126、12
8、130は、アプライを緩和するために用いられ、あ
る場合には、クラッチC5、C2、C3を解放するため
に用いられる。
【0028】種々の変速機速度を確立するためのソレノ
イド作動型の弁A、C及びBのオン/オフ状態のチャー
トが図4に示されている。ニュートラル及びパーク状態
においては、ソレノイド作動型の弁A、B及びCは総て
オフである。この状態においては、ライン圧力はオリフ
ィス176を介してピストンPOCに供給されるが、残
りのクラッチは総て解放されている。ドライバが変則範
囲セレクタ77を動かした時に手動弁76によって生ず
る後進流体圧は、ライン72、73及び140を介して
ピストンP3に直接供給され、またライン72、731
42、オリフィス144及びシフト弁124を介して、
ピストンPCRに供給される。
【0029】前進(ドライブ)範囲へのガレージシフト
は、手動弁76がD位置に動かされライン圧力を(DR
圧力供給)ライン132に接続した時に実行される。D
R圧力は、ライン146及びオリフィス148を介して
ピストンP1に供給され、クラッチC1を徐々に係合さ
せる。これと同時に、ソレノイド作動型の弁A及びCが
励起され、シフト弁120及び122を作動させる。シ
フト弁122は、ライン132の中のDR圧力を調節弁
150及びライン152を介してピストンP4に導く。
シフト弁120は、ライン154を介してバイアス圧力
を調節弁150に供給し、C4圧力を発生させる。この
ようにすると、クラッチC1、C4及びOCが係合さ
れ、1速の比を確立する。
【0030】図4のチャートを参照すると、1−2アッ
プシフトは、ソレノイド作動型の弁Aを消勢し、シフト
弁120をその不実行状態に戻すことによって実行され
る。これにより、ライン132の中のDR圧力が、シフ
ト弁120、ライン156、158及び162、並びに
オリフィス160を介して、ピストンP2に与えられ、
クラッチC2を係合させる。ライン162も入力として
アキュムレータ128に接続され、該アキュムレータの
裏側は、弁164によって発生される調節された圧力に
維持される。従って、バネ力により抵抗を受けるC2ア
プライ圧力がアキュムレータ128のピストンを動かす
際に、クラッチC2の係合が緩和される。勿論、2−1
ダウンシフトは、ソレノイド作動型の弁Aを消勢させる
ことによって行われる。
【0031】図4のチャートを再度参照すると、2−3
アップシフトは、ソレノイド作動型の弁Bを励起し、シ
フト弁124を作動させることによって実行される。こ
れにより、オリフィス166を介してピストンPOCを
排圧してクラッチOCを解放し、ライン66の中のライ
ン圧力をオリフィス168及びライン170を介してピ
ストンP5に供給し、これにより、クラッチC5を徐々
に係合させる。ライン170はライン172を介して入
力としてアキュムレータ126に接続され、該アキュム
レータの裏側は、弁164によって発生される調節され
た圧力に維持される。従って、バネ力によって抵抗を受
けるC5アプライ圧力がアキュムレータ126を動かす
際に、クラッチC5の係合が緩和される。勿論3−2ダ
ウンシフトは、ソレノイド作動型の弁Bを消勢すること
によって実行される。
【0032】図4のチャートを再度参照すると、3−4
アップシフトは、ソレノイド作動型の弁B及びCを消勢
し、シフト弁124及び122を図1及び図2に示すよ
うにそれぞれの不実行位置に戻すことによって実行され
る。これにより、シフト弁124は、(1)ピストンP
5及びアキュムレータ126を、ライン170及びオリ
フィス174介して排圧してクラッチC5を解放し、
(2)ライン66、171及びオリフィス176を介し
てピストンPOCに圧力を供給してクラッチOCを係合
させる。シフト弁122は、(1)ライン152及びオ
リフィス178を介してピストンP4を排圧してクラッ
チC4を解放し、(2)シフト弁120、オリフィス1
80、及びライン182、184、73、140を介し
て、ライン132の中のDR圧力をピストンP3に供給
してクラッチC3を係合させる。
【0033】ライン182はアキュムレータ130に入
力として接続され、該アキュムレータの裏側は、弁16
4によって生ずる調節された圧力に維持される。従っ
て、バネ力によって抵抗を受けるC3のアプライ圧力が
アキュムレータ130のピストンを動かす際に、クラッ
チC3の係合が緩和される。勿論、4−3ダウンシフト
は、ソレノイド作動型の弁B及びCを励起することによ
って実行される。
【0034】図4のチャートを再度参照すると、4−5
アップシフトは、ソレノイド作動型の弁Bを励起し、シ
フト弁124を作動させることによって実行される。こ
れにより、ピストンPOCをオリフィス166を介して
排圧してクラッチOCを解放し、ライン66の中のライ
ン圧力をオリフィス168及びライン170を介してピ
ストンP5に供給し、これによりクラッチC5を徐々に
係合させる。以下に説明するように、ライン170もラ
イン172を介してアキュムレータ126に入力として
接続され、該入力は、バネ力によって抵抗を受けるC5
のアプライ圧力がアキュムレータ126のピストンを動
かす際に、クラッチC5の係合を緩和する。勿論5−4
ダウンシフトは、ソレノイド作動型の弁Bを消勢するこ
とによって実行される。
【0035】ソレノイド作動型の弁A、B及びC、TC
Cバイアス弁108並びにライン圧力バイアス弁78は
総て、ライン192−196を介して、コンピュータに
基づく変速機制御ユニット(TCU)190によって制
御される。上述のように、ソレノイド作動型の弁A、B
及びCは、単純なオン/オフ制御を必要とし、一方、T
CCのバイアス弁108及びライン圧力バイアス弁78
は、パルス幅変調(PWM)を受ける。その制御は、ラ
イン197のエンジンスロットル信号%T、ライン19
8のタービン速度信号Nt、及びライン199の出力速
度信号Noを含む多数の入力信号に応じて実行される。
スロットル信号は、トランスジューサTによって検出さ
れるスロットル機構16の位置に基づくものであり、タ
ービン速度信号は、センサ200によって検出されるタ
ービン軸42の速度に基づくものであり、また、出力速
度信号は、センサ202によって検出される出力軸20
の速度に基づくものである。上記制御を実行する際に
は、TCU190が、以下に説明する図12乃至図14
のフローダイアグラムに示す一連のコンピュータプログ
ラム命令を実行する。
【0036】上述のように、本発明は、強制モータ80
を励起して適宜なライン圧力を発生させることに関す
る。上述の米国特許第4,283,970号及び同第
4,653,350号明細書に述べられるように、流体
圧作動型の比率変換装置に供給される流体圧は、シフト
の品質に直接影響を与える。その流体圧が高すぎると、
シフトの進行が迅速すぎて乱暴なシフト感覚を生ずる。
その流体圧が低すぎると、シフトの進行が緩慢すぎて過
度の摩耗及び熱の発生を生ずる。流体圧は一般に、エン
ジンスロットル(あるいは変速機の入力トルク)及び乗
物の速度の関数としてテーブル探索によってスケジュー
ルされ、所望のシフトの進行を得る。しかしながら、流
体圧が適正にスケジュールされていても、部品間の寸法
公差の変動、摩耗、寿命等によって変動が生ずることが
ある。
【0037】上述の米国特許明細書によれば、そのよう
なシフトの品質の変動は、スケジュールされた圧力にお
いて実行されるシフトの切り替えの進行を分析し、所望
のシフトの進行からの偏差が観察された場合にはそのス
ケジュールされた圧力を合致するように補正することに
よって避けることができる。例示として、図5の曲線2
24は、エンジンスロットルの設定値の関数としての必
要とされる圧力補正をグラフで示している。従って、適
応補正を行わない場合には、総てのスロットル設定値に
対する圧力誤差が、圧力補正曲線の振幅によって表され
る。
【0038】スケジュールされた圧力を補正するための
簡単な手法は、図6に図解的に示すように、圧力補正値
をメモリセル列に記憶することである。4つの箱210
−216で示すそれぞれのセルは、エンジンスロットル
位置の4つの隣接する範囲すなわち0%−25%、25
%−50%、50%−75%及び75%−100%に関
連している。セル210−216は、スケジュールされ
た圧力に関する累積圧力補正値が保有されており、ある
シフトを行う間に決定された適応補正値が、そのシフト
の間に効果を有するエンジンスロットル設定値を含むセ
ルに与えられる。図5及び図6に示すように、圧力補正
値は正又は負とすることができる。
【0039】記憶された累積圧力補正値をスケジュール
された圧力に与える際には、2つの方法が可能である。
第1の方法によれば、記憶された補正量は、それぞれの
スロットル範囲全体にわたって与えられる。この方法は
図7に図解的に示されており、実線で示す直線は218
は与えられる圧力補正値を表し、残りの誤差は2つの線
の間の斜線を施した領域によって表されている。
【0040】第2の方法によれば、記憶された補正量
は、各々のスロットル位置範囲の中間点を示すものとみ
なされ、それら中間点の間に位置するスロットル位置に
関する補正量は、隣接するスロットル範囲に関連するセ
ルについての補正量に基づき補間法(内挿法)によって
決定される。この方法は図8に図解的に示されており、
実線で示す直線220は、与えられる圧力補正値を示
し、誤差は、2つの線の間の斜線を付した領域によって
示されている。
【0041】上述の方法は、図7及び図8に示すよう
に、変動する未補正の圧力誤差を残す。一見して、セル
の数を単に増加させることによって、いずれの方法にお
いても未補正の誤差を更に減少させることができそうで
ある。しかしながら、これは、それぞれのセルにおいて
平衡に達するために、各々のスロットル範囲において多
数のシフトを生じさせる必要があるために、全体的な適
応収斂を達成するに必要な時間を大幅に増大させる。事
実、幾つかのセルは、ある長い作動時間の後にニュート
ラル(ゼロ)に止まるであろう。その理由は簡単であ
り、それぞれのスロットル設定範囲内の設定値によって
適応補正値が何等生じないからである。
【0042】本発明の制御はこの困難性を解消するもの
であり、(1)適応補正量が生ずるシフトの開始時に測
定されたスロットル設定値を含むスロットル設定値の範
囲に関連する主要なセルを認識し、(2)適応補正量に
従って選択されたセルを含むセルの範囲に記憶された累
積圧力補正量を最新化することを含む制御によって、適
応補正セルの数を増加させることによって未補正の圧力
誤差を減少させる。その結果が16組のセルに関する図
9に図解的に示されており、実線222は、与えられた
圧力補正値を表し、残りの誤差は、2つの線の間の濃い
領域によって示されている。
【0043】図示の実施例においては、適応補正値は、
4つのアップシフト(1−2、2−3、3−4及び4−
5)の各々において生じ、その補正値は、図10におい
て2速、3速、4速及び5速で概略的に示した4つのギ
ア依存列に記憶される。各々の列は、エンジンスロット
ルの可動範囲にわたる16の隣接する一連のメモリセル
を含む。各々の適応補正値が生ずると、所望の比Rde
s(又はソレノイドの状態)に基づいてある列が選択さ
れ、その列の中の主要なセルが、それぞれのシフトの開
始時に測定されるスロットル位置%Tinitに基づい
て選択される。
【0044】2速のギアについてのメモリセル列に関し
て図11に図解的に示すように、適応補正量が主要なセ
ル230に完全に与えられ、また、隣接する4つのセル
232−238には部分的に与えられる。図示の実施例
においては、適応補正量の50%が、主要なセル230
に直ぐ隣接するセル232及び234に与えられ、適応
補正量の25%が、その次に隣接するセル236及び2
38に与えられる。勿論、選択された列の中の主要なセ
ルの位置によっては、下方あるいは上方の幾つかの隣接
するセルがない場合がある。
【0045】適応補正量の上述の割り当ては、ある与え
られたエンジンスロットル(又は入力トルク)における
シフトの切り替えの間に生ずる適応補正量が、主要なス
ロットル範囲に加えて隣接するスロットル範囲に関係を
有するという認識に基づくものである。各々の適応補正
値が幾つかのセルに与えられるので、任意のセルにおい
て適応収斂に達するに必要な時間が大幅に減少する。こ
の事実は、比較的多数のセルを用いることと相俟って、
累積補正量をスケジュールされた圧力値に与える際に得
られる解像度を向上させる。
【0046】次に図12乃至図14を参照すると、図1
2のフローダイアグラムは、本発明の制御を実施する際
に乗物の運転において定期的に実行されるメインすなわ
ちエグゼクティブコンピュータプログラムを表してい
る。ブロック240は、種々の期限及びタイマ値を初期
状態に設定するために、乗物の運転の各期間の開始時に
実行される一連のプログラム命令を示している。その
後、フローダイアグラムの線252で示すように、ブロ
ック242−250が順次かつ繰り返し実行される。
【0047】ブロック242においては、TCU190
が、図1に示す種々の入力値を読み、ループタイマがあ
る場合にはこれを最新化する。ブロック244は、所望
の速度比Rdesと、ソレノイド作動型の弁A、B及び
Cの必要な状態を決定し、所望の速度比を得る。所望の
速度比Rdesは、エンジンスロットル位置%T及び出
力速度Noの予め決定した関数として通常の態様で決定
することができる。
【0048】図13のフローダイアグラムに更に詳細に
示すブロック246は、所望のライン圧力LPdesを
決定する。ブロック248は、所望のライン圧力LPd
esを強制モータ80用のPWM(パルス幅変調)デュ
ーティサイクルに変換し、強制モータ80、TCC調節
弁108、並びにソレノイド作動型の弁A、B及びCを
含む種々の電気油圧式の要素を適宜に励起する。図14
のフローダイアグラムに更に詳細に示すブロック250
は、適正な場合には適応補正値を発生し、適性圧力補正
値セルを最新化する。
【0049】図13のライン圧力決定フローダイアグラ
ムを参照すると、ブロック260は最初に、自動変速機
14がエンジンブレーキモードにあるか、ガレージシフ
トが進行しているか、あるいは後進範囲が係合している
かの決定を実行する。これらのいずれかの状態にあれ
ば、ブロック262が実行され、ここでは説明しないモ
ード特定探索テーブルを用いて所望のライン圧力LPd
esを決定する。そうでなければ、ブロック264乃至
272が実行され、スロットル位置%T及び乗物の速度
Nvの関数として基準ライン圧力を探索して適正な変位
量を与え、累積適応補正量を探索してこれを与え、大気
圧を補償する。
【0050】ブロック266で特定される偏位量は、ギ
アに関する偏位量(オフセット量)OSgear、エン
ジンパワー濃厚化偏位量OSpe、ダウンシフト偏位量
OSds、及びジャンプーシフト偏位量OSusjを含
む。ギアに関する偏位量OSgearは、ギア(ソレノ
イドの状態)、スロットル位置%T、及びドライバの選
択するモード(ノーマル/パフォーマンス)の状態の関
数として決定される。パワー濃厚化偏位量OSpeは、
エンジン速度Neの関数として決定される。ダウンシフ
ト偏位量OSdsは、ギア及び乗物の速度Nvの関数と
して決定され、またジャンプーシフト偏位量OSusj
は、シフトタイプの関数として決定される。ブロック2
72の大気圧すなわち高度の補償は、スロットル位置%
Tと、エンジンマニホールドの絶対圧センサ(図示せ
ず)から決定することのできる大気圧との関数として決
定されるファクタKaltで実行される。
【0051】図10に関連して説明したように、適応補
正値LPadは、スロットル位置%T及びギアの関数と
して決定される。この補正値は、好ましくは、図8及び
図9を参照して上に説明したような内挿法によって求め
る。しかし、図7を参照して説明した簡単な方法を用い
ることもできる。ブロック270に示すように、適応補
正値LPadは単純に基準圧力値に加えられて所望の圧
力値LPdesが求められる。
【0052】図14の適応最新化フローダイアグラムに
おいては、TCU190が、イナーシャ段階タイマすな
わちIPタイマを用いることによって、各々のノーマル
アップシフトのイナーシャ段階の時間を決定し、測定し
た時間を基準時間IPdesと比較し、適応補正値LP
adを最新化する。ブロック280で判定した時に単一
の比のアップシフトが進行している場合には、ブロック
282−290を実行し、シフト時間すなわち20%比
の達成から80%比の達成までに必要とされる時間を決
定する。ブロック282で判定した際に、速度比の達成
パーセント値である%RATCOMPが最初に20%に
達していると、IPフラグを設定し、ブロック286を
実行してIPタイマを開始させ、IPフラグをリセット
する。その後、ブロック284における答えはノーとな
り、ブロック288で判定した際に%RATCOMPが
80%に達している時には、ブロック290を実行して
IPタイマを停止させる。
【0053】%RATCOMPが80%となる前の時点
において、ブロック292−296を実行し、圧力が異
常に低いことによりシフトの進行が遅すぎる状態が起こ
っていないかどうかを検知する。もしそのような状態が
起こっていれば、ブロック298を実行し、適応補正値
LPadを予め決定したギア依存値Kadに設定する。
その検知した状態は、ロングディレイ(LONG DE
LAY)あるいはランスルー(RUN THROUG
H)と称する。ロングディレイ状態は、シフトを開始し
た後にタービン速度Ntが低下するために必要とされる
時間を測定し、この時間を基準時間と比較することによ
って検知される。
【0054】測定した時間が基準時間を超えている場合
には、ロングディレイが表示され、ブロック294にお
いて判定したした時にスロットル位置%T及び変速機の
オイルの温度TEMPが予め決定した範囲内にある限
り、上述のようにブロック298を実行する。ロングデ
ィレイが検知されない場合には、ブロック296を実行
し、ランスルー状態が生じていることを検知する。「ラ
ンスルー」という用語は、シフトのイナーシャ段階の完
了前にアキュムレータのストローク運動が終了している
アキュムレータのアップシフト状態を指す。
【0055】上述の低圧状態すなわちロングディレイあ
るいはランスルーのいずれにおいても、ブロック282
−290で測定されたシフト時間は、シフト圧力の妥当
性を信頼性をもって反映するものではない。実際に、こ
れらの状態は、非常に短いシフト時間の測定において生
じるものであり、一般的には恐らく圧力が更に減少する
であろう。この状態を将来の同様なシフトの切り替えに
おいて防止するために、比較的高いギア依存圧力期間K
adを、以下に説明するブロック300において、記憶
された適応補正列に加える。
【0056】ブロック282−290においてシフト時
間を測定した後に、ブロック302を実行し、適応最新
化するための入力条件が満足されるか否かを判定する。
そのような条件は、ノーマルパターンのシフトであるこ
と、変速機オイルの温度TEMP及びスロットル%Tが
範囲内にあること、シフトにおけるスロットル変化が大
きくないこと、ジャンプシフトでないこと、及びステッ
プアウトシフトでないことを含む。入力条件が満足され
ない場合には、適応補正値メモリ列の最新化は実行され
ない。
【0057】ブロック302で決定される入力条件が満
足された場合には、ブロック304及び306を実行
し、所望のシフト時間IPdes及び適応補正量LPm
odを探索する。ブロック304に示すように、所望の
シフト時間IPdesは、ギアと、シフトの開始時にお
けるスロットル位置%Tinitとの関数として決定さ
れる。適応変更子すなわちモデファイアLPmodが、
ギア、及び測定されたシフト時間IPタイマと所望のシ
フト時間IPdesとの間のエラーすなわち誤差の関数
として決定される。
【0058】最後に、ブロック300は、適応変更子L
Pmodに従って、記憶された累積圧力補正テーブルを
最新化する。用語「LPad(n)」は、主要なメモリ
セルすなわちスロットル位置%Tinitを含むスロッ
トル位置の範囲に関連するセルに記憶された補正量を意
味する。圧力変更子LPmodは上述のように完全にこ
のセルに与えられる。用語「LPad(n−1)」及び
「LPad(n+1)」は、主要なメモリセルに隣接す
るメモリセルを指している。ブロック300に示すよう
に、圧力変更子LPmodの半分が上述のセルに与えら
れる。用語「LPad(n−2)」及び「LPad(n
+2)」は、隣接するセル(n−1)及び(n+1)に
隣接するスロットル範囲に関連するメモリセルを指して
いる。図示のように、圧力変更子LPmodの4分の1
が上述のセルに与えられる。勿論、用途に応じて種々の
パーセンテージすなわち割合及び定数を変えることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(コンピュータに基づく)変速機制御ユニット
によって、本発明に従って制御される(5速型の)自動
変速機の一部を示す概略図である。
【図2】(コンピュータに基づく)変速機制御ユニット
によって、本発明に従って制御される(5速型の)自動
変速機の一部を示す概略図である。
【図3】図1及び図2Bに示す自動変速機のクラッチの
状態を示す表である。
【図4】ある速度比から他の速度比へシフトするために
必要な電気的な状態の変更を示す表である。
【図5】本発明による圧力補正を示すグラフである。
【図6】本発明のセルメモリの配列を示す図である。
【図7】本発明による圧力補正を示すグラフである。
【図8】本発明による圧力補正を示すグラフである。
【図9】本発明による圧力補正を示すグラフである。
【図10】本発明の多数のセルメモリ列を示す図であ
る。
【図11】シフト時間誤差と適応補正量との間の予め決
定された関係を示す図である。
【図12】本発明の制御を実行する際に図1の変速機制
御ユニットによって実行されるコンピュータプログラム
命令を示すフローダイアグラムである。
【図13】本発明の制御を実行する際に図1の変速機制
御ユニットによって実行されるコンピュータプログラム
命令を示すフローダイアグラムである。
【図14】本発明の制御を実行する際に図1の変速機制
御ユニットによって実行されるコンピュータプログラム
命令を示すフローダイアグラムである。
【符号の説明】
12 エンジン 14 自動変速機 16 スロットル24 トルクコンバータ 80 電気油圧式要素(強制モータ) 190 変速機制御ユニット(TCU) 230−238 メモリセル
フロントページの続き (72)発明者 メリサ・メイ・コーニッグ アメリカ合衆国ミシガン州48103,ア ン・アーバー,バークデール・ドライブ 5215 (56)参考文献 特開 平2−278071(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16H 59/00 - 63/48 B60K 41/00 - 41/28

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流体圧作動型のクラッチに供給される流
    体の圧力を調節して速度比のシフトを行う電気油圧式要
    (80)と、乗物の運転パラメータの測定値の関数と
    して、前記電気油圧式要素が調節すべき予め定めた流体
    圧値を記憶するための記憶手段(190)と、前記シフ
    トを行っている際に、その進行状態と望ましいシフトの
    進行状態との比較に基づき、前記予め定めた圧力値に対
    する適応補正量を発生する適応手段(190)とを備え
    る自動変速機(14)用の制御装置において、相互に隣
    接して連続する複数の範囲に分割された前記運転パラメ
    ータのそれぞれの範囲に対応して設けられた、累積補正
    量を記憶するためのメモリセル列(230−238)
    と、シフトに続いて前記適応手段によって発生される適
    応補正量に応答し、同シフトの開始時に測定される乗物
    の運転パラメータの値を含む乗物の運転パラメータの前
    記範囲の1つに関連するメモリセル(230)を選択す
    手段(190)と、前記適応手段(190)によって
    発生された適応補正量に従って、前記選択されたメモリ
    セルを含む所定範囲内のメモリセルに記憶された累積
    正量を最新化するための手段(190)と、前記記憶手
    段から得られる前記予め定めた圧力値及び前記メモリセ
    ル列から得られる累積補正量の複合された関数として、
    前記電気油圧式要素を制御するための手段(190)と
    を備え、前記適応手段により発生された適応補正量の全
    量が前記選択されたメモリセル(230)に与えられ、
    同補正量の所定割合が前記所定範囲内のメモリセル中
    他のセル(232−238)に与えられるようにしたこ
    とを特徴とする制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の制御装置において、前
    記自動変速機(14)は、エンジン出力を制御するよう
    に位置決め可能なスロットル(16)を有するエンジン
    (12)に接続され、前記乗物の運転パラメータが前記
    スロットルの位置であることを特徴とする制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の制御装置におい
    て、前記メモリ列から得られる前記累積補正量は、乗物
    の運転パラメータの測定値を含む第1の範囲の乗物の運
    転パラメータに関連するメモリセルに記憶される第1の
    累積補正量と、前記第1の範囲に隣接する第2の範囲の
    乗物の運転パラメータに関連するメモリセルに記憶され
    る第2の累積補正量に基づき補間法によって得られるこ
    とを特徴とする制御装置。
  4. 【請求項4】 流体圧作動型のクラッチに供給される流
    体の圧力を調節して速度比のシフトを行う電気油圧式要
    (80)と、乗物の運転パラメータの測定値の関数と
    して、前記電気油圧式要素が調節すべき予め定めた流体
    圧値を記憶するための記憶手段(190)と、前記シフ
    トを行っている際に、その進行状態と望ましいシフトの
    進行状態との比較に基づき、前記予め定めた圧力値に対
    する適応補正量を発生する適応手段(190)と、相互
    に隣接して連続する複数の範囲に分割された前記運転パ
    ラメータのそれぞれの範囲に対応して設けられた、累積
    補正量を記憶するためのメモリセル列(230−23
    8)とを備える自動変速機(14)の制御方法におい
    て、あるシフトの開始時に測定される乗物の運転パラメ
    ータの値を含む乗物の運転パラメータの前記範囲の1つ
    に関連するメモリセル(230)を選択する段階と、前
    記適応手段手段(190)によって発生された適応補正
    量に従って、前記選択されたメモリセルを含む所定範囲
    内のメモリセルに記憶された累積補正量を最新化する段
    階と、前記記憶手段から得られる前記予め定めた圧力値
    及び前記メモリセル列から得られる累積補正量の複合さ
    れた関数として、前記流体圧制御手段を制御する段階と
    を備え、前記適応手段により発生された適応補正量の全
    量が前記選択されたメモリセル(230)に与えられ、
    同補正量の所定割合が前記所定範囲内のメモリセル中の
    他のセル(232−238)に与えられるようにしたこ
    とを特徴とする方法。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の方法において、前記自
    動変速機(14)は、エンジン出力を制御するように位
    置決め可能なスロットル(16)を有するエンジン(1
    2)に接続され、前記乗物の運転パラメータが前記スロ
    ットルの位置であることを特徴とする方法。
  6. 【請求項6】 請求項4又は5に記載の方法において、
    前記メモリセル列から得られる前記累積補正量は、乗物
    の運転パラメータの測定値を含む第1の範囲の乗物の運
    転パラメータに関連するメモリセルに記憶される第1の
    累積補正量と、前記第1の範囲に隣接する第2の範囲の
    乗物の運転パラメータに関連するメモリセルに記憶され
    る第2の累積補正量に基づき補間法によって得られるこ
    とを特徴とする方法。
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