JP3126055B2 - 自動変速機の制御装置 - Google Patents

自動変速機の制御装置

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JP3126055B2
JP3126055B2 JP04009130A JP913092A JP3126055B2 JP 3126055 B2 JP3126055 B2 JP 3126055B2 JP 04009130 A JP04009130 A JP 04009130A JP 913092 A JP913092 A JP 913092A JP 3126055 B2 JP3126055 B2 JP 3126055B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動変速機の制御装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車用の自動変速機にはトル
クコンバータと変速歯車機構とが直列に配設され、トル
クコンバータはエンジン出力軸のトルクを変速してター
ビンシャフトに伝達し、変速歯車機構は上記タービンシ
ャフトのトルクをさらに変速して駆動輪側に伝達するよ
うになっている。ここで、変速歯車機構は、通常、サン
ギヤ、リングギヤ等の複数のギヤを備えたプラネタリギ
ヤシステムからなり、かかる変速歯車機構には所定のギ
ヤへのトルクの伝達をオン・オフするクラッチ、あるい
は所定のギヤを固定(オン)または解放(オフ)するブレー
キ等の各種油圧式摩擦締結要素が設けられる。そして、
これらの各摩擦締結要素を作動させるために油圧機構が
設けられ、この油圧機構によって各摩擦締結要素のオン
・オフ状態が切り替えられ、変速動作が行なわれるよう
になっている。
【0003】そして、電子制御式の自動変速機において
は、マイクロコンピュータを備えたコントロールユニッ
トによって、スロットル開度とタービン回転数とをパラ
メータとする変速マップに従って、各種ソレノイドバル
ブを介して油圧機構が制御され、これによって変速段が
切り替えられるようになっている。例えば、前進4段の
自動変速機の場合は、変速マップに、1速→2速、2速
→3速、3速→4速の3つのシフトアップラインと、2
速→1速、3速→2速、4速→3速の3つのシフトダウ
ンラインとが設定され、運転状態がかかるシフトアップ
ラインまたはシフトダウンラインに対応する状態に達し
たときに、変速動作が行なわれるようになっている。
【0004】また、かかる電子制御式の自動変速機にお
いて、油圧機構の変速時のライン圧は、該変速にかかわ
る摩擦締結要素での動力伝達量等に適合する圧でなけれ
ばならず、ライン圧が必要以上に高い場合には摩擦締結
要素が急激に締結され、これによって変速ショックが生
じてしまう。反面、ライン圧が低過ぎると摩擦締結要素
の締結に要する時間が長くなり、迅速な変速動作が行な
うことができなくなり、かつ擦締結要素の異常摩耗ある
いは異常発熱が生じてしまう。このため、電子制御式の
自動変速機においては、通常、変速時のライン圧が、コ
ントロールユニットによって、スロットル開度と変速の
種類とをパラメータとするライン圧制御マップに従って
好ましく制御されるようになっている。
【0005】ところで、かかる自動変速機のクラッチに
は、普通、クラッチドラムと該クラッチドラム内に嵌入
される油圧ピストンとが設けられ、クラッチドラムと油
圧ピストンとによって画成される油室内に作動油圧がか
けられたときにクラッチが締結され、上記油室内の作動
油圧が解放されたときにクラッチが解放されるようにな
っている。したがって、クラッチ解放時には、油室内の
作動油圧ないし作動油を迅速に油室外に解放する必要が
あるが、この場合クラッチドラムと油圧ピストンとが一
体的に高速回転しているので、かかる回転に起因する遠
心力によって油室内の作動油の解放が遅れ気味となる。
このため、迅速な解放動作が要求されるクラッチ、例え
ば3−4クラッチでは解放タイミングが遅れてしまい、
変速動作に支障をきたすおそれがある。
【0006】そこで、クラッチドラムまたは油圧ピスト
ンに油室と油室外部とを連通する排圧通路を設けるとと
もに、該排圧通路を開閉するドリフトオンボールを設
け、クラッチ解放時における油室内の作動油圧の解放を
促進するようにしたクラッチが提案されている(例え
ば、特開昭59−140925号公報参照)。かかる従
来のクラッチにおいては、クラッチの回転に起因する遠
心力によってドリフトオンボールに開き方向の力が付与
される一方、油室内の作動油圧によってドリフトオンボ
ールに閉じ方向の力が付与されるようになっている。こ
こにおいて、クラッチ締結時には油室内に作動油圧がか
けられるので、基本的には、ドリフトオンボールが遠心
力に抗して排圧通路を閉止し、これによって油室内の作
動油圧が高められ、クラッチが締結される。他方、クラ
ッチ解放時には油室への作動油圧の供給が停止されるの
で、ドリフトオンボールが遠心力に付勢されて排圧通路
を開き、これによって油室内の作動油圧ないし作動油の
解放が促進され、クラッチが迅速に解放される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例えば
特開昭59−140925号公報に開示されたようなド
リフトオンボールを備えた従来のクラッチにおいては、
ドリフトオンボールにかかる遠心力に打ち勝つだけの作
動油圧(以下、これを閉じ圧という)が油室にかけられな
いことには排圧通路が閉止されない。なお、ドリフトオ
ンボールにかかる遠心力すなわち閉じ圧がクラッチの回
転速度に依存するのはもちろんである。他方、前記した
とおり、油圧機構の変速時におけるライン圧は、変速シ
ョックの発生を防止するために運転状態に応じて制御さ
れる。このため、ドリフトオンボールを備えたクラッチ
が締結される変速時において、ライン圧が、閉じ圧に対
応するライン圧より低く設定されたときには、ドリフト
オンボールが排圧通路を閉止するのに要する時間が長く
なり、あるいは排圧通路が完全には閉止されず、クラッ
チの締結に要する時間が長くなり、変速動作に支障をき
たしたり、すべりによるクラッチ板の異常摩耗ないし異
常発熱が生じるといった問題がある。なお、かかる不具
合は、大気圧が低い状態での走行時例えば高地での走行
時に、ライン圧を低圧側に補正するようにした自動変速
機でとくに著しくなる。
【0008】これを改善すべく、本願出願人は、本願出
願前にすでに出願している特許願(特願平3−2174
45号)に添付した明細書および図面において、ドリフ
トオンボールを備えたクラッチが締結される変速時に
は、ライン圧を、ドリフトオンボールの閉じ圧を確保し
うる圧(ライン圧下限値)以下に低下させないように制御
し、上記クラッチの締結を確実に行わせるようにした自
動変速機の油圧制御装置を提案している。しかしなが
ら、本願出願人にかかる上記油圧制御装置では、ドリフ
トオンボールを備えたクラッチが締結される変速時に該
クラッチを確実に締結することはできるものの、運転状
態に適合するライン圧が上記ライン圧下限値より低い場
合にはクラッチの締結がやや急激となり、軽い変速ショ
ックが生じるおそれがあるといった問題点がある。本発
明は、上記従来の問題点を解決するためになされたもの
であって、ドリフトオンボールを備えたクラッチが解放
される変速時には該クラッチの作動油圧を迅速に解放す
ることができ、かつ上記クラッチが締結される変速時に
おいては変速ショックを生じさせることなく上記クラッ
チを確実に締結することができる自動変速機の制御装置
を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達するた
め、第1の発明は、(i)変速歯車機構の動力伝達状態
を切り替える複数の油圧作動式摩擦締結要素が設けら
れ、これらの摩擦締結要素のうち少なくとも1つに、作
動油圧解放時には該摩擦締結要素の回転に起因する遠心
力によって開かれ該摩擦締結要素からの作動油圧の解放
を促進する遠心油圧解放手段が設けられる一方、各摩擦
締結要素のライン圧を変化させることができるライン圧
可変手段が設けられた自動変速機の制御装置において、
(ii)遠心油圧解放手段が設けられた摩擦締結要素が締
結される変速に際して該遠心油圧解放手段の閉じ圧を確
保しうるライン圧下限値を設定するライン圧下限値設定
手段と、(iii)エンジン負荷を検出する負荷検出手段
と、(iv)該負荷検出手段によって検出されたエンジン
負荷に基づいて、上記変速に際して最適となる目標ライ
ン圧を設定する目標ライン圧設定手段と、(v)該目標
ライン圧とライン圧下限値とを比較する比較手段と、
(vi)該比較手段による比較の結果、ライン圧下限値が
目標ライン圧以上であれば、上記変速に際して変速初期
には一時的にライン圧をライン圧下限値よりも低下さ
せ、この後ライン圧をライン圧下限値まで上昇させるラ
イン圧制御手段とが設けられていることを特徴とする自
動変速機の制御装置を提供する。
【0010】第2の発明は、第1の発明にかかる自動変
速機の制御装置において、ライン圧下限値設定手段が、
負荷検出手段によって検出されたエンジン負荷が所定の
低負荷値未満である場合、タービン回転数に基づいてラ
イン圧下限値を設定するようになっていることを特徴と
する自動変速機の制御装置を提供する。
【0011】第3の発明は、(i)変速歯車機構の動力
伝達状態を切り替える複数の油圧作動式摩擦締結要素が
設けられ、これらの摩擦締結要素のうち少なくとも1つ
に、作動油圧解放時には該摩擦締結要素の回転に起因す
る遠心力によって開かれ該摩擦締結要素からの作動油圧
の解放を促進する遠心油圧解放手段が設けられる一方、
各摩擦締結要素のライン圧を変化させることができるラ
イン圧可変手段が設けられた自動変速機の制御装置にお
いて、(ii)遠心油圧解放手段が設けられた摩擦締結要
素が締結される変速に際して該遠心油圧解放手段の閉じ
圧を確保しうるライン圧下限値を設定するライン圧下限
値設定手段と、(iii)エンジン負荷を検出する負荷検
出手段と、(iv)該負荷検出手段によって検出されたエ
ンジン負荷が所定の低負荷値より大である場合、上記変
速動作中の所定の時期にはエンジントルクを低下させる
ことによって上記摩擦締結要素の回転速度を低下させる
エンジントルク制御手段とが設けられていることを特徴
とする自動変速機の制御装置を提供する。
【0012】第4の発明は、第3の発明にかかる自動変
速機の制御装置において、上記エンジントルク制御手段
が、タービン回転数が低下し始めたタイミングでエンジ
ントルクを低下させるようになっていることを特徴とす
る自動変速機の制御装置を提供する。第5の発明は、
(i)変速歯車機構の動力伝達状態を切り替える複数の
油圧作動式摩擦締結要素が設けられ、これらの摩擦締結
要素のうち少なくとも1つに、作動油圧解放時には該摩
擦締結要素の回転に起因する遠心力によって開かれ該摩
擦締結要素からの作動油圧の解放を促進する遠心油圧解
放手段が設けられる一方、各摩擦締結要素のライン圧を
変化させることができるライン圧可変手段が設けられた
自動変速機の制御装置において、(ii)遠心油圧解放手
段が設けられた摩擦締結要素が締結される変速に際して
該遠心油圧解放手段の閉じ圧を確保しうるライン圧下限
値を設定するライン圧下限値設定手段と、(iii)エン
ジン負荷を検出する負荷検出手段と、(iv)該負荷検出
手段によって検出されたエンジン負荷に基づいて、上記
変速に際して最適となる目標ライン圧を設定する目標ラ
イン圧設定手段と、(v)該目標ライン圧とライン圧下
限値とを比較する比較手段と、(vi)該比較手段による
比較の結果、ライン圧下限値が目標ライン圧以上であれ
ば、上記変速に際して変速初期には一時的にライン圧を
ライン圧下限値よりも低下させ、この後ライン圧をライ
ン圧下限値まで上昇させるライン圧制御手段と、(vi
i)負荷検出手段によって検出されたエンジン負荷が所
定の低負荷値より大である場合、上記変速動作中の所定
の時期にはエンジントルクを低下させることによって上
記摩擦締結要素の回転速度を低下させるエンジントルク
制御手段とが設けられていることを特徴とする自動変速
機の制御装置を提供する。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例を具体的に説明する。
図1に示すように、自動車用のパワープラントは、トル
クを生み出す4気筒エンジンCEと、該エンジンCEの
出力トルクを変速する自動変速機ATとで構成されてい
る。そして、エンジンCEの各気筒においては、夫々、
独立吸気通路1からシリンダ2内に混合気が供給され、
この混合気がピストン(図示せず)によって圧縮された後
点火プラグ3によって着火・燃焼させられ、この後燃焼
ガスが独立排気通路4を介して外部に排出されるように
なっている。ここで、各独立吸気通路1に臨んで、夫
々、吸入空気中に燃料を噴射する燃料噴射弁5が設けら
れている。また、各独立吸気通路1は上流側で1つの共
通吸気通路6に集合され、この共通吸気通路6には、ア
クセルペダル(図示せず)と連動して開閉されるスロット
ル弁7が介設されている。
【0014】図2に示すように、自動変速機ATにはト
ルクコンバータTと変速歯車機構Gとが設けられ、トル
クコンバータTはエンジン出力軸8のトルクを変速して
タービンシャフト9に伝達し、変速歯車機構Gはタービ
ンシャフト9のトルクをさらに変速し、また後進段が選
択されているときには回転を逆転させて出力ギヤ10か
ら駆動輪側に出力するようになっている。なお、タービ
ンシャフト9はパイプ状に形成され、その中空部にはエ
ンジン出力軸8に連結されたポンプシャフト11が配設
され、このポンプシャフト11によってオイルポンプ1
2が回転駆動されるようになっている。
【0015】トルクコンバータTは、エンジン出力軸8
と一体的に回転するポンプ13pと、タービンシャフト
9と一体的に回転しポンプ13pから吐出される作動油
によって回転駆動されるタービン13tと、タービン1
3tからポンプ13pに還流する作動油をポンプ13pの
回転を促進する方向に整流するステータ13sとで構成
され、ポンプ13pとタービン13tの回転差に応じた変
速比で、エンジン出力軸8のトルクを変速するようにな
っている。ここで、ステータ13sはステータ用ワンウ
ェイクラッチW1を介して固定部に連結されている。な
お、動力損失を低減して燃費性能を高めるために、所定
の運転領域でエンジン出力軸8とタービンシャフト9と
を直結させるロックアップクラッチ14が設けられてい
る。
【0016】変速歯車機構Gは普通のプラネタリギヤシ
ステムであって、この変速歯車機構Gには、タービンシ
ャフト9に遊嵌された比較的小径のスモールサンギヤ1
5と、このスモールサンギヤ15より後方(図2では左
側)でタービンシャフト9に遊嵌された比較的大径のラ
ージサンギヤ16と、スモールサンギヤ15と噛み合う
複数のショートピニオンギヤ17(1つのみ図示)と、前
部(図2では右側)がショートピニオンギヤ17と噛み合
い後部がラージサンギヤ16と噛み合うロングピニオン
ギヤ18と、さらにこのロングピニオンギヤ18と噛み
合うリングギヤ19と、ショートピニオンギヤ17とロ
ングピニオンギヤ18とを回転自在(自転)に支持するキ
ャリア20とが設けられている。この変速歯車機構Gで
は、変速段に応じてスモールサンギヤ15、ラージサン
ギヤ16またはキャリア20がトルク入力部となる一
方、どの変速段でもリングギヤ19がトルク出力部とな
る。なお、リングギヤ19は出力ギヤ10に連結されて
いる。
【0017】そして、変速歯車機構G内でのトルク伝達
経路(動力伝達経路)を切り替えるために、すなわち変速
比あるいは回転方向を切り替えるために、複数のクラッ
チ及びブレーキが設けられている。具体的には、タービ
ンシャフト9とスモールサンギヤ15との間には、フォ
ワードクラッチ21と第1ワンウェイクラッチW2とが
直列に介設されるとともに、両クラッチ21,W2に対し
て並列にコーストクラッチ23が介設されている。そし
て、タービンシャフト9とキャリア20との間には3−
4クラッチ24が介設され、タービンシャフト9とラー
ジサンギヤ16との間にはリバースクラッチ25が介設
されている。また、ラージサンギヤ16とリバースクラ
ッチ25との間には、所定の変速段でラージサンギヤ1
6を固定するための、サーボピストンによって作動させ
られるバンドブレーキからなる2−4ブレーキ26が設
けられている。さらに、キャリア20と固定部との間に
は、所定の変速段でキャリア20を固定するローリバー
スブレーキ27と、キャリア20の反力を受け止める第
2ワンウェイクラッチW3とが並列に介設されている。
以下では、適宜、これらのクラッチとブレーキとを 「摩
擦締結要素」 と総称する。なお、3−4クラッチ24の
み、後で説明するように、解放時の作動油圧ないし作動
油の解放を促進するドリフトオンボール119が設けら
れている。
【0018】そして、各クラッチ21,23,24,25
と各ブレーキ26,27のオン・オフパターンを組み変
えることによって、表1に示すような各種レンジないし
変速段が得られるようになっている。以下、表1を参照
しつつ、各レンジないし変速段におけるトルク伝達経路
とその変速特性とを説明する。なお、各摩擦締結要素の
オン・オフは、後で説明するように、コントロールユニ
ット32によって制御される油圧制御機構FSによって
切り替えられるようになっている。
【0019】
【表1】
【0020】(1)Pレンジ…すべての摩擦締結要素がオ
フされる。この場合、タービンシャフト9のトルクは出
力ギヤ10に伝達されない。 (2)Rレンジ…リバースクラッチ25とローリバースブ
レーキ27とがオンされ、他の摩擦締結要素はオフされ
る。第1,第2ワンウェイクラッチW2,W3はとくには作
用を及ぼさない。タービンシャフト9のトルクが、リバ
ースクラッチ25を介してラージサンギヤ16に入力さ
れ、ラージサンギヤ16とロングピニオンギヤ18とリ
ングギヤ19とが、この順に噛み合う固定的なギヤ列と
して機能する。この場合、ラージサンギヤ16に入力さ
れたトルクは、ラージサンギヤ16の歯数とリングギヤ
19の歯数とによって決定される減速比で変速され、出
力ギヤ10から出力される。このRレンジでは、リング
ギヤ19(出力ギヤ10)がラージサンギヤ16(タービ
ンシャフト9)と反対方向に回転し、駆動輪が後進方向
に駆動される。 (3)Nレンジ…Pレンジの場合と同様である。
【0021】(4)Dレンジ1速…フォワードクラッチ2
1がオンされ、他の摩擦締結要素はオフされる。第1,
第2ワンウェイクラッチW2,W3は通常ロック状態とな
るが、コースティング時には空転する。タービンシャフ
ト9のトルクが、フォワードクラッチ21と第1ワンウ
ェイクラッチW2とを介してスモールサンギヤ15に入
力され、スモールサンギヤ15とショートピニオンギヤ
17とロングピニオンギヤ18とリングギヤ19とが、
この順に噛み合う固定的なギヤ列として機能する。この
場合、スモールサンギヤ15に入力されたトルクは、ス
モールサンギヤ15の歯数とリングギヤ19の歯数とに
よって決定される減速比で変速され、出力ギヤ10から
出力される。リングギヤ19(出力ギヤ10)はスモール
サンギヤ15(タービンシャフト9)と同一方向に回転
し、駆動輪が前進方向に駆動される。なお、このDレン
ジ1速では、第1ワンウェイクラッチW2の作用によ
り、エンジンブレーキは得られない。
【0022】(5)Dレンジ2速…フォワードクラッチ2
1と2−4ブレーキ26とがオンされ、他の摩擦締結要
素はオフされる。第1ワンウェイクラッチW2は通常ロ
ック状態となるが、コースティング時には空転し、第2
ワンウェイクラッチW3は常時空転する。ラージサンギ
ヤ16が固定されるので、ロングピニオンギヤ18が、
自転しつつラージサンギヤ16まわりを公転する。した
がって、基本的には上記Dレンジ1速の場合と同様の経
路でトルクが伝達されるが、リングギヤ19の回転がロ
ングピニオンギヤ18の公転分だけ高くなり、Dレンジ
1速よりは減速比が小さくなる。このDレンジ2速で
は、第1ワンウェイクラッチW2の作用によりエンジン
ブレーキは得られない。
【0023】(6)Dレンジ3速…フォワードクラッチ2
1とコーストクラッチ23と3−4クラッチ24とがオ
ンされ、他の摩擦締結要素はオフされる。第1ワンウェ
イクラッチW2はとくには作用を及ぼさず、第2ワンウ
ェイクラッチW3は常時空転する。スモールサンギヤ1
5とキャリア20とが、コーストクラッチ23とタービ
ンシャフト9と3−4クラッチ24とを介して互いにロ
ックされるので、変速歯車機構Gが直結状態となる。し
たがって、タービンシャフト9のトルクが変速されずに
出力ギヤ10から出力される。なお、直結状態にあるの
でエンジンブレーキが得られるのは当然である。
【0024】(7)Dレンジ4速…フォワードクラッチ2
1と3−4クラッチ24と2−4ブレーキ26とがオン
され、他の摩擦締結要素はオフされる。第1,第2ワン
ウェイクラッチW2,W3は常時空転する。タービンシャ
フト9のトルクが、3−4クラッチ24を介してキャリ
ア20に入力され、このキャリア20のトルクは、順
に、ロングピニオンギヤ18とリングギヤ19とを介し
て出力ギヤ10に伝達される。2−4ブレーキ26によ
ってラージサンギヤ16が固定されているので、ロング
ピニオンギヤ18は、自転しつつラージサンギヤ16ま
わりを公転する。したがって、リングギヤ19の回転数
は、キャリア20の回転数(タービンシャフト回転数)よ
り、ロングピニオンギヤ18の自転分だけ高くなり、変
速歯車機構Gはオーバードライブ(増速)状態となる。
【0025】(8)2レンジ1速…Dレンジ1速の場合と
同様である。 (9)2レンジ2速…フォワードクラッチ21とコースト
クラッチ23と2−4ブレーキ26とがオンされ、他の
摩擦締結要素はオフされる。第1ワンウェイクラッチW
2はとくには作用を及ぼさず、第2ワンウェイクラッチ
3は空転する。この場合、トルク伝達経路及び変速特
性は、基本的にはDレンジ2速の場合と同様であるが、
第1ワンウェイクラッチW2が機能しないので、エンジ
ンブレーキが得られる。
【0026】(10)2レンジ3速…Dレンジ3速の場合
と同様である。 (11)1レンジ1速…フォワードクラッチ21とコース
トクラッチ23とローリバースブレーキ27とがオンさ
れ、他の摩擦締結要素はオフされる。第1,第2ワンウ
ェイクラッチW2,W3はとくには作用を及ぼさない。こ
の場合、トルク伝達経路及び変速特性は、基本的にはD
レンジ1速の場合と同様であるが、第1,第2ワンウェ
イクラッチW2,W3が機能しないので、エンジンブレー
キが得られる。 (12)1レンジ2速…2レンジ2速の場合と同様であ
る。
【0027】以下、ドリフトオンボール119を備えた
3−4クラッチ24の具体的な構造を説明する。図3に
示すように、3−4クラッチ24には、胴部110aの
内周面にスプライン110bが形成されたクラッチドラ
ム110と、外周面にスプライン111aが形成された
クラッチハブ111とが設けられている。そして、クラ
ッチハブ111のスプライン111aと係合する複数の
摩擦板112と、クラッチドラム110のスプライン1
10bと係合する複数の摩擦板113とが、タービンシ
ャフト軸線方向(図3では左右方向)に交互に積層配置さ
れている。さらに、3−4クラッチ24に作動油圧が供
給されたときに摩擦板112と摩擦板113とを摩擦係
合させる油圧ピストン114が、クラッチドラム110
内に嵌入されている。ここで、油圧ピストン114は、
該油圧ピストン114と、クラッチドラム110の胴部
110aの内筒部分に設けられた環状のスプリングリテ
ーナ115との間に配置された複数のリターンスプリン
グ116によって、常時反締結方向(図4では右向き)に
付勢されている。なお、複数のリターンスプリング11
6は、タービンシャフト軸線まわりに同心状に配置され
ている。
【0028】クラッチドラム110の胴部110aに
は、ボス部110cが連接されており、このボス部11
0cは、タービンシャフト9にスプライン嵌合されてい
る。他方、クラッチハブ111は、変速歯車機構Gのキ
ャリア20に結合されている。また、油圧ピストン11
4の周縁部には、油圧ピストン114の背部(図4では
右側)に形成された油室117と、摩擦板112,113
側の室120とを連通させる複数の排圧通路118(1
つのみ図示)が設けられている。この排圧通路118に
はテーパ状の弁座面118aが設けられている。そし
て、この弁座面118aに着座可能なドリフトオンボー
ル119が排圧通路118内に配設され、該ドリフトオ
ンボール119によって排圧通路118の開閉が行なわ
れるようになっている。ここで、油室117内に作動油
圧が供給されたときには該作動油圧によって、ドリフト
オンボール119にタービンシャフト軸線方向後向き
(図3では左向き)の力が加えられる。また、油圧ピスト
ン114(3−4クラッチ24)が回転しているときに
は、該回転に起因する遠心力(油圧ピストン径方向外向
きの力)と、弁座面118aの傾斜(テーパ)とによってド
リフトオンボール119にタービンシャフト軸線方向前
向き(図3では右向き)の力が加えられる。したがって、
基本的には、油室117に作動油圧が供給されたときに
は排圧通路118が閉止され、油室117への作動油圧
の供給が停止されたときには排圧通路118が開かれる
ようになっている。なお、排圧通路118と弁座面11
8aとドリフトオンボール119とで構成される組立体
は、請求項1〜請求項3に記載された「遠心油圧解放手
段」に相当する。
【0029】かかる3−4クラッチ24において、後で
説明する油圧制御機構FS(図1参照)によって油室11
7に作動油圧が供給されたときには、ドリフトオンボー
ル119が排圧通路118を閉止するので、油室117
内の作動油圧が高まり、この作動油圧によって油圧ピス
トン114がリターンスプリング116の付勢力に抗し
てタービンシャフト軸線方向後向きに移動させられ、こ
れによって摩擦板112と摩擦板113とが互いに摩擦
係合する。このとき、タービンシャフト9からクラッチ
ドラム110に伝達されたトルクが、クラッチハブ11
1を介してキャリア20に伝達される。
【0030】他方、油室117への作動油圧の供給が停
止されたときには、ドリフトオンボール119が、前記
したとおり遠心力によって油室117側に変位させら
れ、これによって排圧通路118が開かれる。このた
め、油室117内の作動油圧ないし作動油が迅速に解放
され、油圧ピストン114がリターンスプリング116
の付勢力によって油室117側に押し戻され、これによ
って摩擦板112と摩擦板113との間の摩擦係合が解
除され、タービンシャフト9からキャリア20への動力
伝達が遮断される。
【0031】以下、変速歯車機構Gの各摩擦締結要素を
オン・オフ作動させる油圧制御機構FSの具体的な構造
を説明する。図4〜図8に示すように、油圧制御機構F
Sは、実質的に、油圧制御機構FSのライン圧(元圧)を
制御するライン圧制御手段Lと、夫々所定の部材に油圧
を供給しまたはこれをリリースする多数の油圧通路から
なる油圧通路網Mと、セレクトレバー(図示せず)のセレ
クト操作に対応してシフトされ作動油圧の供給経路を切
り替えるマニュアルバルブ31と、マニュアルバルブ3
1のシフト位置と車両の運転状態(例えば、車速とスロ
ットル開度)とに応じて、コントロールユニット32に
よってシフトされる3つのシフトバルブ33〜35と、
所定の摩擦締結要素への油圧の供給ないしリリースを緩
衝させるための4つのアキュムレータ36〜39と、所
定の摩擦締結要素への油圧の供給またはリリースのタイ
ミングを調整する3つのタイミングバルブ41〜43及
びバイパスバルブ44と、トルクコンバータT及びロッ
クアップクラッチ14への油圧の供給を制御するロック
アップ制御手段Uと、油圧通路網Mの所定の部分の流動
抵抗を調節するための多数のオリフィス及びワンウェイ
バルブ等で構成されている。上記オリフィス及びワンウ
ェイバルブは、一般に用いられるマークで図示されてい
るが、個々には番号を付していない。なお、ライン圧制
御手段Lは請求項1〜請求項3に記載された「ライン圧
可変手段」に相当する。また、コントロールユニット3
2は、請求項1〜請求項4に記載された「ライン圧下限
値設定手段」と「ライン圧制御手段」と「エンジントルク制
御手段]とを含む、エンジンCEおよび自動変速機AT
の総合的な制御装置である。
【0032】そして、セレクトされたレンジ(P,R,N,
D,2,1レンジ)と車両の運転状態とに応じて、油圧制
御機構FSによって、各摩擦締結要素にかかる作動油圧
が制御され、変速歯車機構Gの変速段の切り替えが行な
われるようになっている。ここで、2−4ブレーキ26
は、アプライポート26aとリリースポート26bとを備
えたサーボピストンタイプのバンドブレーキであって、
アプライポート26aのみに油圧がかけられているとき
にオン(ブレーキ作動)され、両ポート26a,26bとも
に油圧がかけられているときまたはともに油圧がリリー
スされているときにはオフ(ブレーキ解放)される。その
他の摩擦締結要素はすべて油圧がかけられたときにオン
(締結)され、油圧がリリースされたときにオフ(解放)さ
れる。
【0033】ライン圧制御手段Lは、基本的には、プレ
ッシャレギュレータバルブ50によって、パイロット圧
(制御圧)にほぼ比例するライン圧を、ライン圧供給通路
51内に形成するようになっている。そして、このライ
ン圧供給通路51内のライン圧はマニュアルバルブ31
等に供給されるようになっている。なお、ライン圧供給
通路51内の作動油は、プレッシャレギュレータバルブ
50から、リリーフバルブ52を備えたトルクコンバー
タ油路53を介して、トルクコンバータTにも供給され
るようになっている。
【0034】プレッシャレギュレータバルブ50に供給
されるパイロット圧は、減圧弁54と、モジュレータバ
ルブ55と、ライン圧制御用アキュムレータ56と、コ
ントロールユニット32によってデューティ制御される
ライン圧制御用デューティソレノイドバルブ57とによ
って形成されるようになっている。具体的には、ライン
圧供給通路51内の油圧(ライン圧)が、減圧弁54によ
って減圧された後、減圧油路58を介してモジュレータ
バルブ55の入力ポート55aに入力される。また、減
圧油路58内の油圧は、デューティ圧通路59を介して
モジュレータバルブ55のコントロールポート55bに
も導入される。ここで、コントロールポート55bにか
かる油圧は、コントロールユニット32から入力される
デューティ比に応じて開閉されるライン圧制御用デュー
ティソレノイドバルブ57によって制御される。なお、
デューティ比は、コントロールユニット32によって、
スロットル開度、車速、セレクトレンジ、変速段等に応
じて所定の方法で設定される。
【0035】そして、コントロールポート55bにかか
る油圧に対応する油圧が、パイロット圧としてモジュレ
ータバルブ55からパイロット圧通路61に出力され
る。ここで、パイロット圧通路61内の油圧(パイロッ
ト圧)の脈動は、ライン圧制御用アキュムレータ56に
よって低減される。このようにして形成されたパイロッ
ト圧が、プレッシャレギュレータバルブ50に供給さ
れ、このパイロット圧に比例するライン圧がライン圧供
給通路51に形成される。なお、パイロット圧通路61
内のパイロット圧は、カットバックバルブ62にも供給
されるようになっている。
【0036】マニュアルバルブ31は、セレクトレバー
(図示せず)のセレクト操作と連動してシフトされ、セレ
クトされたレンジに応じて、ライン圧供給通路51を所
定の油圧供給通路と連通させるようになっている。具体
的には、ライン圧供給通路51を、Dレンジ及び2レン
ジでは第1,第2メイン油圧供給通路63,64と連通さ
せ、1レンジでは第1,第3メイン油圧供給通路63,6
5と連通させ、Rレンジではリバースレンジ用油圧供給
通路66と連通させ、Pレンジ及びNレンジでは上記油
圧供給通路63〜66のどれとも連通させないようにな
っている。
【0037】ここで、第1メイン油圧供給通路63は1
−2シフトバルブ用油圧通路63aとフォワードクラッ
チ用油圧通路63bとに分岐し、1−2シフトバルブ用
油圧通路63aは1−2シフトバルブ33の第1入力ポ
ート33aに接続され、フォワードクラッチ用油圧通路
63bはさらに分岐して、3−4シフトバルブ35の第
1入力ポート35aとフォワードクラッチ21とに接続
されている。第2メイン油圧供給通路64は、2−3シ
フトバルブ34の第1入力ポート34aに接続されてい
る。第3メイン油圧供給通路65は、ローレデューシン
グバルブ67(減圧弁)とボールバルブ68とを介して、
第2分岐油圧通路66bに集合された後、1−2シフト
バルブ33の第2入力ポート33bに接続されている。
リバースレンジ用油圧供給通路66は、第1分岐油圧供
給通路66aと、1−2シフトバルブ用通路66bとに分
岐し、第1分岐油圧供給通路66aはリバースクラッチ
25に接続され、1−2シフトバルブ用通路66bは上
記ボールバルブ68を介して1−2シフトバルブ33の
第2入力ポート33bに接続されている。
【0038】各シフトバルブ33〜35は、夫々、基本
的にはコントロールユニット32によって制御され、入
力ポートから入力される油圧を、セレクトされたレンジ
と変速段とに応じて、所定の出力ポートから出力して所
定の摩擦締結要素に供給し、あるいはリリースするよう
になっている。具体的には、1−2シフトバルブ33に
は、前記した第1,第2入力ポート33a,33bと、第
1,第2出力ポート33c,33dとが設けられ、第1出力
ポート33cはアプライポート用油圧通路71を介して
2−4ブレーキ26のアプライポート26aに接続さ
れ、第2出力ポート33dはローリバースブレーキ用油
圧通路72を介してローリバースブレーキ27に接続さ
れている。
【0039】2−3シフトバルブ34には、前記した第
1入力ポート34aと、第2入力ポート34bと、第1,
第2出力ポート34c,34dとが設けられ、第2入力ポ
ート34bは第1接続通路73を介して3−4シフトバ
ルブ35の第1出力ポート35cに接続され、第1出力
ポート34cは3−4クラッチ用油圧通路74を介して
3−4クラッチ24に接続され、第2出力ポート34d
は第2接続通路75とボールバルブ76と後で説明する
コーストクラッチ用油圧通路77とを介してコーストク
ラッチ23に接続されている。また、3−4クラッチ用
油圧通路74から分岐する第3接続通路78が設けら
れ、この第3接続通路78は3−4シフトバルブ35の
第2入力ポート35bに接続されている。
【0040】3−4シフトバルブ35には、前記した第
1,第2入力ポート35a,35b及び第1出力ポート35
cと、第2出力ポート35dとが設けられ、第2出力ポー
ト35dは、リリースポート用油圧通路81を介して2
−4ブレーキ26のリリースポート26bに接続される
とともに、コーストクラッチ用油圧通路77を介してコ
ーストクラッチ23に接続されている。なお、リリース
ポート用油圧通路81とコーストクラッチ用油圧通路7
7とは、第2出力ポート35d近傍では1本に集合され
ている。
【0041】各シフトバルブ33,34,35は、夫々、
バルブスプール33v,34v,35vの位置を、オン位置
またはオフ位置に切り替えることによって、シフトバル
ブ内での油圧伝達経路を切り替えられるようになってい
る。ここで、オン位置とは図6,図7中において右寄り
の位置であり、オフ位置とは左寄りの位置である。な
お、図6,図7中において、各バルブスプール33v,3
4v,35vの中心線より上側の部分はオン位置をとった
状態を示し、中心線より下側の部分はオフ位置をとった
状態を示している。そして、各バルブスプール33v,3
4v,35vは、各シフトバルブ33,34,35の右側端
部に設けられたコントロール油室33s,34s,35sに
油圧(パイロット圧)がかけられたときにはオフ位置をと
り、このパイロット圧がリリースされたときにはオン位
置をとるようになっている。
【0042】1−2シフトバルブ33のコントロール油
室33sには、ライン圧供給通路51から分岐する第1
コントロール用油圧通路82が接続され、この第1コン
トロール用油圧通路82には、コントロールユニット3
2によってオン・オフされる第1ソレノイドバルブ83
が介設されている。そして、第1ソレノイドバルブ83
がオンされたときには、第1コントロール用油圧通路8
2内のパイロット圧がリリースされ、これに伴ってコン
トロール油室33s内のパイロット圧がリリースされ、
バルブスプール33vがオン位置をとる。このとき、第
1出力ポート33cは第1入力ポート33aと連通し、第
2出力ポート33dは、ドレンポート(×印がつけられて
いる)と連通して開放される。他方、第1ソレノイドバ
ルブ83がオフされたときには、コントロール油室33
sにパイロット圧がかけられ、バルブスプール33vはオ
フ位置をとる。このとき、第1出力ポート33cは開放
され、第2出力ポート33dは第2入力ポート33bと連
通する。
【0043】2−3シフトバルブ34のコントロール油
室34sには、フォワードクラッチ用油圧通路63bから
分岐する第2コントロール用油圧通路84が接続され、
この第2コントロール用油圧通路84に、コントロール
ユニット32によってオン・オフされる第2ソレノイド
バルブ85が介設されている。この場合も、1−2シフ
トバルブ33の場合と同様に、第2ソレノイドバルブ8
5のオン・オフに対応して、バルブスプール34vがオ
ン位置またはオフ位置をとる。ここで、バルブスプール
34vがオン位置をとったときには、第1出力ポート3
4cは開放され、第2出力ポート34dは第2入力ポート
34bと連通する。他方、バルブスプール34vがオフ位
置をとったときには、第1出力ポート34cは第1入力
ポート34aと連通し、第2出力ポート34dは開放され
る。
【0044】3−4シフトバルブ35のコントロール油
室35sには、第2コントロール用油圧通路84から分
岐する第3コントロール用油圧通路86が接続され、こ
の第3コントロール用油圧通路86に、コントロールユ
ニット32によってオン・オフされる第3ソレノイドバ
ルブ87が介設されている。この場合も、1−2シフト
バルブ33の場合と同様に、第3ソレノイドバルブ87
のオン・オフに対応して、バルブスプール35vがオン
位置またはオフ位置をとる。ここで、バルブスプール3
5vがオン位置をとったときには、第1,第2出力ポート
35c,35dはともに開放される。他方、バルブスプー
ル35vがオフ位置をとったときには、第1出力ポート
35cは第1入力ポート35aと連通し、第2出力ポート
35dは第2入力ポート35bと連通する。
【0045】そして、摩擦締結要素に急激に作動油圧が
供給されあるいはリリースされると変速ショックが生じ
るので、作動油圧の立ち上がりないしリリースを緩慢化
するために、所定の油圧通路にはアキュムレータが設け
られている。具体的には、アプライポート用油圧通路7
1に対して1−2アキュムレータ36が設けられ、1−
2シフトバルブ用通路66bに対してN−Rアキュムレ
ータ37が設けられ、フォワードクラッチ用油圧通路6
3bに対してN−Dアキュムレータ38が設けられ、3
−4クラッチ用油圧通路74に対して2−3アキュムレ
ータ39が設けられている。なお、各アキュムレータ3
6〜39には、夫々、ライン圧供給通路51から分岐す
る背圧通路89を介して、ライン圧が背圧として供給さ
れるようになっている。
【0046】また、レンジないし変速段の切り替え時に
おいて、変速歯車機構Gに内部ロック(ダブルロック)等
が生じないように、所定の摩擦締結要素のオン・オフタ
イミングを調整する3−2タイミングバルブ41と2−
3タイミングバルブ42とコーストタイミングバルブ4
3とバイパスバルブ44とが設けられている。
【0047】ロックアップ制御手段Uは、ロックアップ
シフトバルブ91とロックアップコントロールバルブ9
2と、第1,第2ロックアップ制御用ソレノイドバルブ
93,94とを備えた普通のロックアップ機構であっ
て、作動油供給通路95を介してトルクコンバータTに
作動油を供給するとともにトルクコンバータT内の作動
油を作動油戻り通路96を介してオイルクーラ97に案
内し、かつ必要に応じてロックアップクラッチ用油圧通
路98を介してロックアップクラッチ14に油圧を供給
するようになっている。
【0048】かかる油圧制御機構FSによって、マニュ
アルバルブ31のレンジ位置と、第1〜第3ソレノイド
バルブ83,85,87のオン・オフ状態とに応じて、各
摩擦締結要素への油圧のオン・オフが制御され、前記表
1に示すような各種レンジないし変速段が得られるよう
になっている。表2に、各レンジ(P,R,N,D,2,1レ
ンジ)ないし変速段に対応する第1〜第3ソレノイドバ
ルブ83,85,87のオン・オフパターンを示す。な
お、PレンジまたはNレンジでは、マニュアルバルブ3
1から、第1〜第3メイン油圧供給通路63〜65及び
リバースレンジ用油圧供給通路66のいずれにも油圧が
供給されないので、第1〜第3ソレノイドバルブ83,
85,87のオン・オフ状態にかかわりなく、どの摩擦
締結要素にも油圧が供給されない。したがって、すべて
の摩擦締結要素がオフされ、変速歯車機構Gは中立状態
となり、トルクを伝達しない。
【0049】以下、表2を参照しつつ、各走行レンジ
(R,D,2,1レンジ)ないし変速段における、油圧制御
機構FS内での油圧の伝達経路を説明する。
【0050】
【表2】
【0051】(1)Rレンジ…マニュアルバルブ31はR
レンジ位置をとり、第1,第2ソレノイドバルブ83,8
5はオフされ、第3ソレノイドバルブ87はオンされ
る。この場合、リバースレンジ用油圧供給通路66に油
圧が供給され、この油圧が第1分岐油圧供給通路66a
を介してリバースクラッチ25に供給され、リバースク
ラッチ25がオンされる。また、リバースレンジ用油圧
供給通路66内の油圧は、順に、1−2シフトバルブ用
通路66bと、1−2シフトバルブ33の第2入力ポー
ト33bと、第2出力ポート33dと、ローリバースブレ
ーキ用油圧通路72とを介してローリバースブレーキ2
7に供給され、ローリバースブレーキ27がオンされ
る。他の摩擦締結要素は油圧が供給されないのでオフさ
れる。 (2)Dレンジ1速…マニュアルバルブ31はDレンジ位
置(図6はこの状態を示している)をとり、第1,第2メ
イン油圧供給通路63,64に油圧が供給される。な
お、これは以下のDレンジ2〜4速でも同様である。第
1ソレノイドバルブ83はオフされ、第2,第3ソレノ
イドバルブ85,87はオンされる。この場合、第1メ
イン油圧供給通路63内の油圧が、フォワードクラッチ
用油圧通路63bを介してフォワードクラッチ21に供
給され、フォワードクラッチ21がオンされる。また、
各シフトバルブ33〜35のどの出力ポートからも油圧
が出力されないので、他の摩擦締結要素はオフされる。
【0052】(3)Dレンジ2速…第1〜第3ソレノイド
バルブ83,85,87はすべてオンされる。この場合、
Dレンジ1速の場合と同様にフォワードクラッチ21が
オンされる。さらに、第1メイン油圧供給通路63内の
油圧が、順に、1−2シフトバルブ用油圧通路63a
と、1−2シフトバルブ33の第1入力ポート33a
と、第1出力ポート33cと、アプライポート用油圧通
路71とを介して2−4ブレーキ26のアプライポート
26aに供給される。このとき、リリースポート26bに
油圧が供給されないので、2−4ブレーキ26がオンさ
れる。他の摩擦締結要素は油圧が供給されないのでオフ
される。
【0053】(4)Dレンジ3速…第1ソレノイドバルブ
83はオンされ、第2,第3ソレノイドバルブ85,87
はオフされる。この場合、Dレンジ2速の場合と同様
に、フォワードクラッチ21がオンされ、かつアプライ
ポート26aに油圧が供給される。しかしながら、後で
説明するように、リリースポート26bにも油圧が供給
されるので、2−4ブレーキ26はオフされる。そし
て、第2メイン油圧供給通路64内の油圧が、順に、2
−3シフトバルブ34の第1入力ポート34aと、第1
出力ポート34cと、3−4クラッチ用油圧通路74と
を介して3−4クラッチ24に供給され、3−4クラッ
チ24がオンされる。また、3−4クラッチ用油圧通路
74内の油圧が、順に、第3接続通路78と、3−4シ
フトバルブ35の第2入力ポート35bと、第2出力ポ
ート35dと、コーストクラッチ用油圧通路77とを介
してコーストクラッチ23に供給され、コーストクラッ
チ23がオンされる。さらに、上記第2出力ポート35
dの油圧が、リリースポート用油圧通路81を介して2
−4ブレーキ26のリリースポート26bに供給され、
前記したとおり、2−4ブレーキ26がオフされる。な
お、リバースクラッチ25とローリバースブレーキ27
とは、油圧が供給されないのでオフされる。
【0054】(5)Dレンジ4速…第1,第3ソレノイド
バルブ83,87はオンされ、第2ソレノイドバルブ8
5はオフされる。この場合、Dレンジ2速の場合と同様
に、フォワードクラッチ21と2−4ブレーキ26とが
オンされる。また、Dレンジ3速の場合と同様に、3−
4クラッチがオンされる。他の摩擦締結要素は油圧が供
給されないのでオフされる。 (6)2レンジ1速…マニュアルバルブ31は2レンジ位
置をとるが、摩擦締結要素への油圧の伝達経路はDレン
ジ1速の場合と同様である。
【0055】(7)2レンジ2速…第1,第2ソレノイド
バルブ83,85はオンされ、第3ソレノイドバルブ8
7はオフされる。この場合、Dレンジ2速の場合と同様
に、フォワードクラッチ21と2−4ブレーキ26とが
オンされる。さらに、フォワードクラッチ用油圧通路6
3b内の油圧が、順に、3−4シフトバルブ35の第1
入力ポート35aと、第1出力ポート35cと、第1接続
通路73と、2−3シフトバルブ34の第2入力ポート
34bと、第2出力ポート34dと、第2接続通路75
と、ボールバルブ76と、コーストクラッチ用油圧通路
77とを介してコーストクラッチ23に供給され、コー
ストクラッチ23がオンされる。他の摩擦締結要素は、
油圧が供給されないのでオフされる。 (8)2レンジ3速…Dレンジ3速の場合と同様である。
【0056】(9)1レンジ1速…マニュアルバルブ31
は1レンジ位置をとり、第1,第3メイン油圧供給通路
63,65に油圧が供給される。第1,第3ソレノイドバ
ルブ83,87はオフされ、第2ソレノイドバルブ85
はオンされる。この場合、Dレンジ1速の場合と同様に
フォワードクラッチ21がオンされ、また2レンジ2速
の場合と同様にコーストクラッチ23がオンされる。さ
らに、第3メイン油圧供給通路65内の油圧が、順に、
ローレデューシングバルブ67と、ボールバルブ68
と、1−2シフトバルブ用通路66bと、1−2シフト
バルブ33の第2入力ポート33bと、第2出力ポート
33dと、ローリバースブレーキ用油圧通路72とを介
してローリバースブレーキ27に供給され、ローリバー
スブレーキ27がオンされる。他の摩擦締結要素は、油
圧が供給されないのでオフされる。 (10)1レンジ2速…マニュアルバルブ31は1レンジ
位置をとるが、摩擦締結要素への油圧伝達経路は2レン
ジ2速の場合と同様である。
【0057】このように、表2に示すようなソレノイド
バルブのオン・オフパターンに対応して、表1に示すよ
うな摩擦締結要素のオン・オフパターンが得られ、所定
のレンジないし変速段が得られる。
【0058】ところで、前記したとおり、3−4クラッ
チ24には、解放時の作動油圧ないし作動油の解放を迅
速に行わせるために、排圧通路118とドリフトオンボ
ール119とが設けられている。他方、油圧制御機構F
Sのライン圧は、前記したとおり、コントロールユニッ
ト32によって運転状態に応じて制御される。このた
め、3−4クラッチ24が締結される変速、例えば2速
から3速への変速(シフトアップ)に際して、ライン圧が
低く設定されて3−4クラッチ24にかけられる作動油
圧がドリフトオンボール119の閉じ圧以下となる場合
には、前記「発明が解決しようとする課題」で説明したと
おり、3−4クラッチ24の締結不良が生じ、3−4ク
ラッチ24にすべりによる異常摩耗あるいは異常発熱が
生じるおそれがある。
【0059】そこで、本実施例では、2速から3速への
変速に際して、ドリフトオンボール119の閉じ圧を確
保しうる最小限のライン圧(以下、これをライン圧下限
値という)を設定し、基本的には、ライン圧がライン圧
下限値より低くならないようなライン圧制御を行なうよ
うにしている。かかるライン圧下限値の設定は、コント
ロールユニット32によって、図9にフローチャートを
示すライン圧下限値設定ルーチンに従って行なわれる。
さらに、本実施例では、図10にフローチャートを示す
ライン圧上限値設定ルーチンによってライン圧上限値も
設定され、ライン圧がライン圧上限値以下に保持される
ようになっている。なお、図1に示すように、コントロ
ールユニット32には、タービン回転数センサ121に
よって検出されるタービン回転数、スロットル開度セン
サ122によって検出されるスロットル開度、油温セン
サ123によって検出される油温、大気圧センサ124
によって検出される大気圧、水温センサ125によって
検出される水温等が制御情報として入力されるようにな
っている。
【0060】しかしながら、高回転状態および(または)
高負荷状態における2速から3速への変速に際して、常
にライン圧をライン圧下限値以上に保持すると、軽い変
速ショックが生じる。すなわち、かかる変速に際しては
3−4クラッチ24が高速回転しておりドリフトオンボ
ール119にかかる遠心力が強くなるので、その閉じ圧
が高くなり、したがってライン圧下限値が高くなる。こ
のため、運転状態に適合するライン圧、すなわち変速シ
ョックを生じさせることなく3−4クラッチ24を迅速
・確実に締結しうるライン圧(以下、これを最適ライン
圧という)が、ライン圧下限値よりも低くなる。したが
って、かかる変速時に常にライン圧をライン圧下限値以
上に保持したのでは、ライン圧が常に適正値よりも高く
なり、軽い変速ショックが生じてしまう。そこで、本実
施例では、高回転および(または)高負荷状態における2
速から3速への変速に際しては、変速初期に所定時間だ
けライン圧を最適ライン圧に保持し、この後ライン圧を
ライン圧下限値まで徐々に上昇させることによって、変
速ショックの発生を防止しつつ、3−4クラッチ24を
迅速かつ確実に締結させ、すべりによる異常摩耗あるい
は異常発熱が生じないようにしている。かかるライン圧
制御はコントロールユニット32によって図11〜図1
3にフローチャートを示すライン圧制御ルーチンに従っ
て行なわれる。
【0061】さらに、2速から3速への変速に際して、
所定の時期には、燃料噴射弁5からの燃料噴射を停止し
(フューエルカット)、エンジンCEの出力トルクを低下
させて(トルクダウン)3−4クラッチ24の回転速度を
低下させ、ドリフトオンボール119にかかる遠心力を
小さくして、ドリフトオンボール119の閉じ圧すなわ
ちライン圧下限値を低下させ、3−4クラッチ24の締
結を促進するようにしている。かかるエンジントルク制
御は、コントロールユニット32によって、図14にフ
ローチャートを示すトルクダウン制御ルーチンに従って
行なわれる。
【0062】以下、図9に示すフローチャートに従っ
て、適宜図1〜図8を参照しつつ、ライン圧下限値設定
ルーチンを説明する。ライン圧下限値設定ルーチンは、
コントロールユニット32内に記憶された、検索回転数
Nと油温とをパラメータとするライン圧下限値マップ
(図16参照)を検索することによって、ライン圧下限値
LLを設定するといった基本構成となっている。具体的
には、まずステップS1で、2速から3速への変速時で
あるか否かが比較・判定され、2速から3速への変速時
でないと判定されれば(NO)、ライン圧下限値PLLを設
定する必要がないので、以下の全ステップをスキップ
し、今回のルーチンが終了する。なお、このライン圧下
限値設定ルーチンは、所定の周期(例えば20m秒)で繰
り返し実行される。
【0063】ステップS1で、2速から3速への変速時
であると判定されれば(YES)、ステップS2でスロッ
トル開度センサ122によって検出されるスロットル開
度TVOが読み込まれ、続いてステップS3でタービン
回転数センサ121によって検出されるタービン回転数
Tが読み込まれる。
【0064】次に、ステップS4で、スロットル開度T
VOが所定値α未満であるか否かが比較・判定される。
本実施例では、ライン圧下限値PLLを、検索回転数Nお
よび油温の関数としているが、検索回転数Nの算出方法
を、スロットル開度TVOが所定値α未満であるか否か
によって異ならせている。図15に示すように、スロッ
トル開度TVOが所定値α(例えば1/8)以上の場合
は、検索回転数Nを、2速から3速への変速指令が発せ
られた時点におけるタービン回転数NT0に固定するよう
にしている。すなわち、検索回転数Nを比較的高い値N
T0に固定し、これによってライン圧下限値PLLを比較的
高くし(図16参照)、3−4クラッチ24の締結を迅速
かつ確実に行なわせるようにしている。この場合は、ア
クセルペダルが踏み込まれ車速の上昇に伴って2速から
3速への変速が行なわれような場合が主となるので、3
−4クラッチ24を迅速かつ確実に締結する必要がある
からである。他方、スロットル開度TVOがα未満の場
合は、検索回転数Nを、時々刻々のタービン回転数NT
と同値とし、概ね時間の経過に伴って検索回転数Nを低
下させ、3−4クラッチ24の締結を緩慢化して変速シ
ョックの発生を防止するようにしている。この場合は、
アクセルペダルを解放するなどした場合に生じるバック
アウト変速が主となるので、変速ショックが生じやすい
からである。
【0065】したがって、ステップS4でTVO≧αで
あると判定されれば(NO)、ステップS5でN=NT0
された後ステップS7が実行され、他方TVO<αであ
ると判定されれば(YES)、ステップS6でN=NT
された後ステップS7が実行される。ステップS7で
は、油温センサ123によって検出される油温が読み込
まれ(測定され)、続いてステップS8で、検索回転数N
と油温とに基づいて、ライン圧下限値マップを検索する
ことによって、ライン圧下限値PLLが設定され、今回の
ルーチンが終了する。なお、図16に、ライン圧下限値
マップにおいて、油温を一定とした場合の、ライン圧下
限値PLLの検索回転数Nに対する特性の一例を示す。こ
のようにして、2速から3速への変速時におけるライン
圧下限値PLLが設定される。
【0066】以下、図10に示すフローチャートに従っ
て、適宜図1〜図8を参照しつつ、ライン圧上限値設定
ルーチンを説明する。ライン圧上限値設定ルーチンは、
コントロールユニット32内に記憶された、油温をパラ
メータとするライン圧上限値マップを検索することによ
って、ライン圧上限値PLUを設定するといった基本構成
となっている。油温が低いときにライン圧が高過ぎる
と、タイミングバルブ42のタイミングがずれるので、
かかる不具合を防止するために、ライン圧をライン圧上
限値PLU以下に抑制するようにしている。具体的には、
まずステップS11で、2速から3速への変速時である
か否かが比較・判定され、2速から3速への変速時でな
いと判定されれば(NO)、ライン圧上限値PLUを設定す
る必要がないので、以下の全ステップをスキップし、今
回のルーチンが終了する。なお、このライン圧上限値設
定ルーチンは、所定の周期で繰り返し実行される。
【0067】ステップS11で、2速から3速への変速
時であると判定されれば(YES)、ステップS12で油
温が読み込まれ、続いてステップS13で、油温に基づ
いてライン圧上限値マップを検索することによって、ラ
イン圧上限値PLUが設定され、今回のルーチンが終了す
る。このようにして、2速から3速への変速時における
ライン圧上限値PLUが設定される。
【0068】以下、図11〜図13に示すフローチャー
トに従って、適宜図1〜図8を参照しつつ、ライン圧制
御ルーチンを説明する。このライン圧制御ルーチンは、
スロットル開度TVOに基づいて基本目標ライン圧PL1
を演算し、これに種々の補正を施して、順に、第1補正
目標ライン圧PL2→第2補正目標ライン圧PL3→第3補
正目標ライン圧PL4を演算し、第3補正目標ライン圧P
L4を最終的な目標ライン圧として、ライン圧をデューテ
ィ制御するといった基本構成となっている。具体的に
は、まずステップS21で、2速から3速への変速時で
あるか否かが比較・判定され、2速から3速への変速時
でないと判定されれば(NO)、かかるライン圧制御を行
なう必要がないので、今回のルーチンが終了する。な
お、このライン圧制御ルーチンは、所定の周期で繰り返
し実行される。
【0069】ステップS21で、2速から3速への変速
時であると判定されれば(YES)、ステップS22でス
ロットル開度TVOが読み込まれる。ステップS23で
は、スロットル開度TVOに基づいて、所定の目標ライ
ン圧マップを検索することにより、2速から3速への変
速時における基本目標ライン圧PL1が読み取られる。ス
テップS24では、大気圧センサ124によって検出さ
れる大気圧が読み込まれる(測定される)。ステップS2
5では、ステップS23で読み取られた基本目標ライン
圧PL1に対して、ライン圧制御実績に基づく学習補正
と、大気圧に基づく高地補正とを施すことによって、第
1補正目標ライン圧PL2が演算される。
【0070】次に、ステップS26〜ステップS36
で、3−4クラッチ24の作動油圧を、原則的にはドリ
フトオンボール119の閉じ圧より低下させないための
目標ライン圧補正が行なわれ、第2補正目標ライン圧P
L3が演算される。まず、ステップS26で、第1補正目
標ライン圧PL2が、ライン圧下限値設定ルーチン(図9
参照)で設定されたライン圧下限値PLLより高いか否か
が比較・判定され、PL2>PLLであると判定されれば
(YES)、ステップS27で、第1補正目標ライン圧P
L2が補正されずそのまま第2補正目標ライン圧PL3とさ
れる(PL3=PL2)。この場合は、第1補正目標ライン圧
L2(ほぼ最適ライン圧)がライン圧下限値PLLを超えて
いるので、ライン圧をPL2に追従させれば、自然に3−
4クラッチ24の作動油圧がドリフトオンボール119
の閉じ圧より高くなり、変速ショックを生じさせること
なく3−4クラッチ24を迅速かつ確実に締結すること
ができる。したがって、第1補正目標ライン圧PL2に対
してとくには補正を施す必要がない。そこで、PL3=P
L2とされるわけである。
【0071】他方、ステップS26で、PL2≦PLLであ
ると判定されれば(NO)、基本的には、3−4クラッチ
24の作動油圧をドリフトオンボール119の閉じ圧以
上とするために、ライン圧下限値PLLが第2補正目標ラ
イン圧PL3とされる(PL3=PLL)。しかしながら、単純
にPL3=PLLとしたのでは、前記したとおり、高負荷時
および(または)高回転時には、軽い変速ショックが生じ
てしまう。そこで、本実施例では、所定の高負荷時には
変速開始後所定時間だけ、第1補正目標ライン圧PL2
そのまま第2補正目標ライン圧PL3とされ(PL3
L2)、この後第2補正目標ライン圧PL3を徐々にPLL
まで上昇させるようにしている。
【0072】この場合、まずステップS28で、スロッ
トル開度TVOが所定値TVO1を超えているか否かが
比較・判定され、TVO≦TVO1であると判定されれ
ば(NO)、以下のステップS29〜ステップS35をス
キップして、ステップS36でライン圧下限値PLLがそ
のまま第2補正目標ライン圧PL3とされる(PL3
LL)。TVO>TVO1であると判定されれば(YE
S)、ステップS29で油温が読み込まれる。
【0073】続いて、ステップS30で、油温が所定値
Taを超えているか否かが比較・判定され、油温≦Taで
あると判定されれば(NO)、以下のステップS31〜ス
テップS35をスキップして、ステップS36でライン
圧下限値PLLがそのまま第2補正目標ライン圧PL3とさ
れる。一般に、油温が低いときには3−4クラッチ24
の応答性が悪くなる。このため、本実施例では、低油温
時には応答性を良くするために、変速初期からライン圧
下限値PLL(≧PL2)をそのまま第2補正目標ライン圧P
L3とするようにしている。
【0074】ステップS30で、油温>Taであると判
定されれば(YES)、ステップS31で第1補正目標ラ
イン圧PL2(<PLL)がそのまま第2補正目標ライン圧P
L3とされる。続いて、ステップS32でタイマAのカウ
ント値tが1だけインクリメントされた後、ステップS
33でtがカウントアップ値T1を超えたか否かが比較・
判定される。ここで、t≦T1であると判定されれば(N
O)、すなわち変速開始後所定時間が経過していなけれ
ば、ステップS34〜ステップS36をスキップして、
L3=PL2の状態が保持される。
【0075】ステップS33で、t>T1であると判定さ
れれば(YES)、変速開始後所定時間を経過したので、
ステップS34で第2補正目標ライン圧PL3が所定の増
分ΔPだけインクリメントされた後、ステップS35
で、PL3>PLLであるか否かが比較・判定される。PL3
≦PLLであれば(NO)、ステップS36をスキップし
て、PL3がΔPづつインクリメントされ続ける。ステッ
プS35で、PL3>PLLであると判定されれば(YE
S)、第2補正目標ライン圧PL3がライン圧下限値PLL
を超えているので、ステップS36で、第2補正目標ラ
イン圧PL3がライン圧下限値PLLまで強制的に引き下げ
られる。このようにして、変速開始後、上記カウントア
ップ値T1に対応する所定時間が経過するまでは第2補
正目標ライン圧PL3がPL2(ほぼ最適ライン圧)に保持さ
れ、所定時間経過後徐々に第2補正目標ライン圧PL3
引き上げられ、ライン圧下限値PLLに達した後はPLL
保持される。
【0076】ステップS37では、第2補正目標ライン
圧PL3が、ライン圧上限値設定ルーチン(図10参照)で
設定されたライン圧上限値PLUより低いか否かが比較・
判定され、PL3<PLUであると判定されれば(YES)、
ステップS38で、第2補正目標ライン圧PL3がそのま
ま第3補正目標ライン圧PL4(最終的な目標ライン圧)と
される。他方、PL3≧PLUであると判定されれば(N
O)、ステップS39で、ライン圧上限値PLUが第3補
正目標ライン圧PL4とされる(PL4=PLU)。次に、ステ
ップS40で油温が測定され、続いてステップS41
で、上記油温と、第3補正目標ライン圧PL4(最終的な
目標ライン圧)とに基づいて、ライン圧制御用デューテ
ィソレノイドバルブ57に印加すべきデューティ比DU
が演算(決定)される。なお、かかる演算はコントロール
ユニット32内に記憶されたデューティソレノイドバル
ブ制御用マップを利用して行なわれる。
【0077】続いて、ステップS42でライン圧制御用
デューティソレノイドバルブ57の駆動周波数が設定さ
れる(例えば、70Hz)。そして、ステップS43で、
ライン圧制御用デューティソレノイドバルブ57の1周
期中のオン時間が、駆動周期(駆動周波数の逆数)にデュ
ーティ比DUを乗ずることによって演算される。この
後、ステップS44で、ライン圧制御用デューティソレ
ノイドバルブ57が、上記オン時間だけオン駆動され、
今回のルーチンが終了する。このようにして、ライン圧
が第3補正目標ライン圧PL4(最終的な目標ライン圧)に
追従し、変速ショックの発生が防止されるとともに、3
−4クラッチ24が迅速かつ確実に締結される。
【0078】以下、図14に示すフローチャートに従っ
て、適宜図1〜図8を参照しつつ、トルクダウン制御ル
ーチンを説明する。このトルクダウン制御ルーチンは、
2速から3速への変速時において、スロットル開度TV
Oが所定値TVO1より大きいときには、所定の時期に
燃料噴射弁5からの燃料噴射を停止(フューエルカット)
してエンジンCEの出力トルクを低下させ、3−4クラ
ッチ24の回転速度を低下させ、ドリフトオンボール1
19の閉じ圧を低下させ、3−4クラッチ24の締結を
迅速かつ確実に行なわせるといった基本構成となってい
る。具体的には、まずステップS51で、2速から3速
への変速時であるか否かが比較・判定され、2速から3
速への変速時でないと判定されれば(NO)、かかるトル
クダウン制御を行なう必要がないので、今回のルーチン
が終了する。なお、このトルクダウン制御ルーチンは、
所定の周期で繰り返し実行される。
【0079】ステップS51で、2速から3速への変速
時であると判定されれば(YES)、ステップS52でス
ロットル開度TVOが読み込まれ、続いてステップS5
3で水温センサ125によって検出される水温が読み込
まれる。次に、ステップS54で、スロットル開度TV
Oが所定値TVO1を超えているか否かが比較・判定さ
れる。なお、このTVO1は、ライン圧制御ルーチンの
ステップS28におけるTVO1と対応している。ここ
で、TVO≦TVO1であると判定されれば(NO)、エ
ンジンCEの出力トルクが小さくとくにはトルクダウン
を行なう必要がないので、以下のステップS55〜ステ
ップS61をスキップして、今回のルーチンが終了す
る。他方、TVO>TVO1であると判定されれば(YE
S)、ステップS55で、水温が所定値Twを超えている
か否かが比較・判定され、水温≦Twであると判定され
れば(NO)、エンジンCEが冷機状態にあり、トルクダ
ウンを行なうことは好ましくないので、以下のステップ
S56〜ステップS61をスキップして、今回のルーチ
ンが終了する。
【0080】ステップS55で、水温>Twであると判
定されれば(YES)、ステップS56〜ステップS61
でフューエルカットの実行ないしその解除が行なわれ
る。本実施例では、2速から3速への変速時において、
イナーシャフェーズの出力軸トルクの上昇を抑制できる
ように、基本的にはタービン回転数NTの増分ΔNTが負
となった時点でフューエルカットを開始するようにして
いるが、さらにΔNT≧0であっても、変速開始後タイ
マBのカウント値t'が所定のカウントアップ値T2に達
した場合すなわち変速開始後T2に対応する所定時間を
経過した場合には、強制的にフューエルカットを開始す
るようにしている。このため、ライン圧の低下により3
−4クラッチ24にすべりが生じてタービン回転数NT
の低下が遅れたような場合でも、適正な時期にトルクダ
ウンが行なわれ、このトルクダウンによって3−4クラ
ッチ24の締結が促進され、上記すべりが早期に収束さ
れる。また、フューエルカットの解除は、変速終了時予
想タービン回転数と実際のタービン回転数の差が所定値
βとなった時点で行なうようにしている。このように、
変速終了時より前にフューエルカットを解除するのは、
フューエルカット解除後の燃料噴射開始時における復帰
応答性を良くするためである。なお、変速終了時予想タ
ービン回転数は、ΔNT<0となった時点でのタービン
回転数に該変速におけるギヤ比変化量を乗ずることによ
って算出される。
【0081】具体的には、ステップS56で、ΔNT
負であるか否かが比較・判定され、ΔNT≧0であると
判定されれば(NO)、ステップS57でt'が1だけイン
クリメントされる。この後、ステップS58でさらにt'
がカウントアップ値T2を超えているか否かが比較・判
定され、 t'≦T2であると判定されれば(NO)、ステ
ップS56に戻って、ステップS56〜ステップS58
が繰り返して実行される。
【0082】この間に、ステップS56でΔNT<0で
あると判定されるか(YES)、またはステップS58で
t'>T2であると判定されれば(YES)、ステップS5
9でフューエルカットが開始される。次に、ステップS
60で、フューエルカットの終了ポイントに達したか否
か、すなわち変速終了時予想タービン回転数とタービン
回転数の差が所定値βとなったか否かが比較・判定され
る。ここで、終了ポイントに達していなければ(NO)、
ステップS59に戻ってフューエルカットが続行され、
終了ポイントに達すれば(YES)、ステップS61でフ
ューエルカットが解除され、今回のルーチンが終了す
る。このようにして、エンジンCEの出力トルクが抑制
され、3−4クラッチ24の回転速度が低下させられ、
したがってドリフトオンボール119の閉じ圧が低下さ
せられ、3−4クラッチ24の締結が迅速かつ確実とな
る。
【0083】図17に、2速から3速への変速に際し
て、前記のライン圧制御トルクダウン制御とが行なわれ
た場合の、タービン回転数と出力軸トルクとライン圧と
フューエルカット状態の、時間に対する特性を示す。図
17に示す例では、変速開始後、タイマAがカウントア
ップする時点までは、ライン圧が最適ライン圧に保持さ
れ、この後ライン圧が徐々にライン圧下限値PLLまで高
められ、この後PLLに保持されている。なお変速終了後
はライン圧は通常値に戻される。ここで、図18中の矢
印X1で示すような、高負荷領域(例えばTVO>6/
8)での通常変速時には、ライン圧を実線で示している
ように、タイマAのカウントアップ値T1を比較的短く
設定する一方、矢印X2で示すようなスロットル開度T
VOが2/8以上の領域からのバックアウト変速時に
は、ライン圧を破線で示しているように、T1を比較的
大きく設定するのが好ましい。このようにすれば、変速
ショックを発生がより確実に防止され、3−4クラッチ
24の締結がより迅速かつ確実となる。
【0084】なお、図17に示す例では、フューエルカ
ットは、ΔNT<0となった時点ではなく、タイマBが
カウントアップした時点で開始されている。このように
して、ドリフトオンボール119を備えた3−4クラッ
チ24が締結される2速から3速への変速時に、変速シ
ョックを生じさせることなく、3−4クラッチ24を迅
速かつ確実に締結することができる。
【0085】
【発明の作用・効果】第1の発明によれば、遠心油圧解
放手段を備えた摩擦締結要素が締結される変速に際し
て、ライン圧下限値が目標ライン圧以上であれば変速初
期には一時的に、ライン圧制御手段によってライン圧が
ライン圧下限値よりも低い圧に抑制されるので、変速シ
ョックの発生が防止される。そして、この後ライン圧が
ライン圧下限値まで高められるので、上記摩擦締結要素
が、迅速かつ確実に締結される。したがって、変速ショ
ックが防止されるとともに摩擦締結要素の信頼性が確保
される。
【0086】第2の発明によれば、基本的には第1の発
明の場合と同様の作用・効果が得られる。さらに、エン
ジン負荷が所定の低負荷値未満である場合、タービン回
転数に基づいてライン圧下限値が設定されるので、遠心
油圧解放手段を備えた摩擦締結要素の締結が緩慢化さ
れ、変速ショックの発生がより有効に防止される。
【0087】第3の発明によれば、遠心油圧解放手段を
備えた摩擦締結要素が締結される変速に際して、エンジ
ン負荷が所定の低負荷値より大である場合、変速中の所
定の時期に、エンジントルク制御手段によってエンジン
トルクが抑制され上記摩擦締結要素の回転速度が低下さ
せられるので、遠心油圧解放手段が迅速に閉止され、上
記摩擦締結要素内での作動油圧の上昇が促進される。こ
のため、上記摩擦締結要素が、変速ショックを生じさせ
ることなく迅速かつ確実に締結される。
【0088】第4の発明によれば、基本的には第3の発
明の場合と同様の作用・効果が得られる。さらに、ター
ビン回転数が低下し始めたタイミングでエンジントルク
が低下させられるので、イナーシャフェーズの出力軸ト
ルクの上昇が抑制され、変速ショックの発生がより有効
に防止される。第5の発明によれば、遠心油圧解放手段
を備えた摩擦締結要素が締結される変速に際して、ライ
ン圧下限値が目標ライン圧以上であれば変速初期には一
時的に、ライン圧制御手段によってライン圧がライン圧
下限値よりも低い圧に抑制されるので、変速ショックの
発生が防止される。そして、この後ライン圧がライン圧
下限値まで高められるので、上記摩擦締結要素が、迅速
かつ確実に締結される。したがって、変速ショックが防
止されるとともに摩擦締結要素の信頼性が確保される。
さらに、エンジン負荷が所定の低負荷値より大である場
合、変速中の所定の時期に、エンジントルク制御手段に
よってエンジントルクが抑制され上記摩擦締結要素の回
転速度が低下させられるので、遠心油圧解放手段が迅速
に閉止され、上記摩擦締結要素内での作動油圧の上昇が
促進される。このため、上記摩擦締結要素が、変速ショ
ックを生じさせることなく迅速かつ確実に締結される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる制御装置を備えた自動変速機
とエンジンとからなるパワープラントを模式的に示した
平面説明図である。
【図2】 自動変速機の機械的構成を示すスケルトン図
である。
【図3】 自動変速機の3−4クラッチまわりの立面側
面断面説明図である。
【図4】 油圧制御機構の、変速機まわりのシステム構
成図である。
【図5】 油圧制御機構の、ライン圧制御手段まわりの
システム構成図である。
【図6】 油圧制御機構の、マニュアルバルブおよび1
−2シフトバルブまわりのシステム構成図である。
【図7】 油圧制御機構の、2−3シフトバルブおよび
3−4シフトバルブまわりのシステム構成図である。
【図8】 油圧制御機構の、ロックアップ制御手段まわ
りのシステム構成図である。
【図9】 ライン圧下限値設定ルーチンのフローチャー
トである。
【図10】 ライン圧上限値設定ルーチンのフローチャ
ートである。
【図11】 ライン圧制御ルーチンのフローチャートの
一部である。
【図12】 ライン圧制御ルーチンのフローチャートの
一部である。
【図13】 ライン圧制御ルーチンのフローチャートの
一部である。
【図14】 トルクダウン制御ルーチンのフローチャー
トである。
【図15】 ライン圧下限値設定ルーチンにおける、タ
ービン回転数および検索回転数の、時間に対する特性を
示す図である。
【図16】 ライン圧下限値の検索回転数に対する特性
を示す図である。
【図17】 2速から3速への変速時における、タービ
ン回転数と出力軸トルクとライン圧とフューエルカット
状態の、時間に対する特性を示す図である。
【図18】 2速から3速へのシフトアップラインを示
す図である。
【符号の説明】
AT…自動変速機 CE…エンジン FS…油圧制御機構 G…変速歯車機構 L…ライン圧制御手段 5…燃料噴射弁 24…3−4クラッチ 32…コントロールユニット 57…ライン圧制御用ソレノイドバルブ 118…排圧通路 118a…弁座面 119…ドリフトオンボール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安部 充俊 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (72)発明者 竹内 浩一郎 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (72)発明者 馬場 文章 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (72)発明者 来住南 和雄 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (72)発明者 栗栖 健二 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−88857(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 61/00 - 61/24

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 変速歯車機構の動力伝達状態を切り替え
    る複数の油圧作動式摩擦締結要素が設けられ、これらの
    摩擦締結要素のうち少なくとも1つに、作動油圧解放時
    には該摩擦締結要素の回転に起因する遠心力によって開
    かれ該摩擦締結要素からの作動油圧の解放を促進する遠
    心油圧解放手段が設けられる一方、各摩擦締結要素のラ
    イン圧を変化させることができるライン圧可変手段が設
    けられた自動変速機の制御装置において、 遠心油圧解放手段が設けられた摩擦締結要素が締結され
    る変速に際して該遠心油圧解放手段の閉じ圧を確保しう
    るライン圧下限値を設定するライン圧下限値設定手段
    と、エンジン負荷を検出する負荷検出手段と、 該負荷検出手段によって検出されたエンジン負荷に基づ
    いて、上記変速に際して最適となる目標ライン圧を設定
    する目標ライン圧設定手段と、 該目標ライン圧と上記ライン圧下限値とを比較する比較
    手段と、 該比較手段による比較の結果、上記ライン圧下限値が上
    記目標ライン圧以上であれば、 上記変速に際して変速初
    期には一時的にライン圧を上記ライン圧下限値よりも低
    下させ、この後ライン圧を上記ライン圧下限値まで上昇
    させるライン圧制御手段とが設けられていることを特徴
    とする自動変速機の制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載された自動変速機の制御
    装置において、 上記ライン圧下限値設定手段が、上記負荷検出手段によ
    って検出されたエンジン負荷が所定の低負荷値未満であ
    る場合、タービン回転数に基づいてライン圧下限値を設
    定するようになって いることを特徴とする自動変速機の
    制御装置。
  3. 【請求項3】 変速歯車機構の動力伝達状態を切り替え
    る複数の油圧作動式摩擦締結要素が設けられ、これらの
    摩擦締結要素のうち少なくとも1つに、作動油圧解放時
    には該摩擦締結要素の回転に起因する遠心力によって開
    かれ該摩擦締結要素からの作動油圧の解放を促進する遠
    心油圧解放手段が設けられる一方、各摩擦締結要素のラ
    イン圧を変化させることができるライン圧可変手段が設
    けられた自動変速機の制御装置において、 遠心油圧解放手段が設けられた摩擦締結要素が締結され
    る変速に際して該遠心油圧解放手段の閉じ圧を確保しう
    るライン圧下限値を設定するライン圧下限値設定手段
    と、エンジン負荷を検出する負荷検出手段と、 該負荷検出手段によって検出されたエンジン負荷が所定
    の低負荷値より大である場合、上記変速動作中の 所定の
    時期にはエンジントルクを低下させることによって上記
    摩擦締結要素の回転速度を低下させるエンジントルク制
    御手段とが設けられていることを特徴とする自動変速機
    の制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載された自動変速機の制御
    装置において、上記エンジントルク制御手段が、タービン回転数が低下
    し始めたタイミングでエンジントルクを低下させる よう
    になっていることを特徴とする自動変速機の制御装置。
  5. 【請求項5】 変速歯車機構の動力伝達状態を切り替え
    る複数の油圧作動式摩擦締結要素が設けられ、これらの
    摩擦締結要素のうち少なくとも1つに、作動油圧解放時
    には該摩擦締結要素の回転に起因する遠心力によって開
    かれ該摩擦締結要素からの作動油圧の解放を促進する遠
    心油圧解放手段が設けられる一方、各摩擦締結要素のラ
    イン圧を変化させることができるライン圧可変手段が設
    けられた自動変速機の制御装置において、 遠心油圧解放手段が設けられた摩擦締結要素が締結され
    る変速に際して該遠心油圧解放手段の閉じ圧を確保しう
    るライン圧下限値を設定するライン圧下限値設定手段
    と、 エンジン負荷を検出する負荷検出手段と、 該負荷検出手段によって検出されたエンジン負荷に基づ
    いて、上記変速に際して最適となる目標ライン圧を設定
    する目標ライン圧設定手段と、 該目標ライン圧と上記ライン圧下限値とを比較する比較
    手段と、 該比較手段による比較の結果、上記ライン圧下限値が上
    記目標ライン圧以上であれば、上記変速に際して変速初
    期には一時的にライン圧を上記ライン圧下限値よりも低
    下させ、この後ライン圧を上記ライン圧下限値まで上昇
    させるライン圧制御手段と、 上記負荷検出手段によって検出されたエンジン負荷が所
    定の低負荷値より大である場合、上記変速動作中の所定
    の時期にはエンジントルクを低下させることによって上
    記摩擦締結要素の回転速度を低下させるエンジントルク
    制御手段とが設けられていることを特徴とする自動変速
    機の制御装置。
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