JP2004281958A - 部品実装方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】電子部品の基板への実装性能をより高めることができ、部品実装誤差を減少させて部品を実装できる部品実装方法および装置を提供する。
【解決手段】回転並びに昇降可能に装備された吸着ノズルにより部品が吸着され、その吸着姿勢から求められる吸着ずれ量が補正されて部品が基板の所定位置に搭載される。部品の吸着姿勢が認識され位置ずれ量と角度ずれ量が求められ(ステップS6)、角度ずれ量が所定値以下のときは、位置ずれ量だけを補正して(ステップS8)、部品が実装される。このような構成では、吸着角度ずれ量が少ないときには、角度補正のために吸着ノズルを回転させることがないので、ノズル回転によるノズル中心位置の偏心誤差の影響がなくなることから部品搭載精度を高めることができる。
【選択図】 図6
【解決手段】回転並びに昇降可能に装備された吸着ノズルにより部品が吸着され、その吸着姿勢から求められる吸着ずれ量が補正されて部品が基板の所定位置に搭載される。部品の吸着姿勢が認識され位置ずれ量と角度ずれ量が求められ(ステップS6)、角度ずれ量が所定値以下のときは、位置ずれ量だけを補正して(ステップS8)、部品が実装される。このような構成では、吸着角度ずれ量が少ないときには、角度補正のために吸着ノズルを回転させることがないので、ノズル回転によるノズル中心位置の偏心誤差の影響がなくなることから部品搭載精度を高めることができる。
【選択図】 図6
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、部品実装方法及び装置、さらに詳細には、吸着ノズルによりIC等の電子部品を吸着してプリント基板上の所定位置に実装する部品実装方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、実装機(部品実装装置)としては、互いに直交するX軸、Y軸を有し、レール等からなるY軸の上にX軸構成部材をY軸に沿って移動自在に載せ、このX軸構成部材にノズル部材を備えたヘッドを、X軸に沿って移動自在に設けることにより、ヘッドをXY平面上で移動させるようにしたものが公知である。
【0003】
このような装置において、ノズル部材は電子部品吸着用の吸着ノズルを有し、ノズル部材全体がヘッドに対して回転可能に支持されているとともに、吸着ノズルがノズル部材の回転軸に沿って昇降自在に設けられている。
【0004】
このような実装機によりIC等の電子部品を基板上の所定位置に装着する際には、先ず、ヘッドを部品供給部上に移動し、ここで吸着ノズルを下降させて所望の電子部品を吸着する。その後、電子部品を吸着した状態で吸着ノズルを上昇させるとともに、ヘッドの移動により電子部品を部品認識カメラの上方に配置し、ここで、部品認識カメラによる電子部品の認識を行う。ここでは、部品認識カメラにより取り込まれた画像から、ノズル部材の回転軸に対する電子部品の吸着ずれ量(部品中心と吸着中心の位置ずれ量並びに吸着角度ずれ量)を求め、このずれ量に基づいて、実装時における実装目標位置、すなわちヘッドの位置およびノズル部材の回転角を設定するとともに、この目標位置から各駆動手段に対する補正量を求めるようにしている(特許文献1)。
【0005】
そして、上記のように補正量が求められると、ヘッド及びノズル部材がこの補正量を補正して駆動され、ノズル部材が上記目標位置に到達すると、吸着ノズルが下降して電子部品が基板上に実装されるようになっている。
【0006】
【特許文献1】
特開平5−10746号公報(図1)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のような実装機においては、通常、吸着ノズルの中心軸と、ノズル部材の回転軸とが一致されるべきであるが、部品精度、あるいは組立て精度等に起因して、図8(a)に示すように、吸着ノズル51の中心軸Sが、垂直方向のノズル部材50の回転軸Pに対して多少傾斜した状態となっていることがある。この場合、吸着ノズル51の先端部51aにおいては、吸着ノズル51の中心軸Sがノズル部材50の回転軸Pに対して偏心しているため、ノズル部材50を回転させると、吸着ノズル51の先端部51aが回転軸Pを中心にして、同図の軌道Saに示すように振れることになる。
【0008】
しかも、吸着ノズル51の先端部51aにおける中心軸Sとノズル部材50の回転軸Pとの距離、いわゆる隔たり量は、吸着ノズル51を下降させるに伴い増大し、従って、ノズル部材50を回転させた際には、吸着ノズル51の振れも図8(b)の軌道Saに示すように拡大することになる。なお、吸着ノズル51を上昇させた状態でその先端部51がノズル部材50の回転軸Pと一致していても(偏心していなくても)、吸着ノズル51の中心軸Sが上記のように傾斜した状態となっていると、ノズル部材50を回転させない場合でも、吸着ノズル51の下降に伴い吸着ノズル51の先端位置が回転軸Pからずれることとなる。
【0009】
さらに、上記のような吸着ノズル51の偏心については、ねじれの要素を含む場合がある。すなわち、吸着ノズル51の中心軸Sが、ノズル部材50の回転軸Pに対してねじれた位置関係を有して傾斜している場合があり、このような場合には、吸着ノズル51の下降に伴い、吸着ノズル51の先端部51aでの偏心量が増大するばかりでなく、上昇位置における吸着ノズル51の先端部51aに対して、下降位置での吸着ノズル51の先端部51aが角度θだけ周方向にずれることになる。
【0010】
従って、吸着ノズルの中心軸とノズル部材の回転軸とが同軸上に存在することを前提とし、吸着ノズルを上昇させた状態で電子部品のずれ量に応じた補正のための処置やずれの補正を行う従来の実装方法では、吸着ノズルの先端中心がノズル部材の回転軸に対して偏心して、あるいは吸着ノズルが傾斜していると、実際に電子部品を基板に実装する際に、吸着ノズルの回転、あるいは下降に伴い吸着ノズル先端位置にずれが生じ、電子部品が基板上の所定の装着位置に実装されないという不都合を招くことになる。
【0011】
そこで、実装機においては、図8(a)、(b)に示すように吸着ノズル中心軸がノズル部材回転軸に対して偏心している場合や傾斜している場合を想定し、あるいは吸着ノズル昇降時の、吸着ノズル先端の平面的な位置ずれをも考慮して実装時の目標位置を設定する必要があるため、上記特許文献1([0004]段落)に示すように、治具部品を治具基板に実装し二次元計測装置で装着誤差を求めている。この方法の利点としては目的位置に対する駆動系による誤差量補正のためのデータ取得もできる総合補正データを取得している。しかし、この方法は工場出荷時に可能であり、納品後の移設では非常に困難であることが欠点である。
【0012】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、電子部品の基板への実装性能をより高めることができ、部品実装誤差を減少させて部品を正確な位置に実装できる部品実装方法および装置を提供することを課題としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明では、
水平面上を移動可能なヘッドに回転並びに昇降可能に装備された吸着ノズルにより部品を吸着し、その吸着姿勢から求められる吸着ずれ量を補正して基板の所定位置に該部品を実装する部品実装方法において、
前記部品の吸着姿勢から位置ずれ量と角度ずれ量を求め、
前記角度ずれ量が所定値以下のときは、部品認識時の吸着角度と同じ角度で部品を実装する構成を採用している。
【0014】
また、本発明では、
水平面上を移動可能なヘッドに回転並びに昇降可能に装備された吸着ノズルにより部品を吸着し、その吸着姿勢から求められる吸着ずれ量を補正して基板の所定位置に該部品を実装する部品実装装置において、
前記吸着された部品を撮像する部品認識カメラと、
前記部品の画像から部品の吸着姿勢を認識し吸着時の位置ずれ量と角度ずれ量を演算する手段とを有し、
前記角度ずれ量が所定値以下のときは、部品認識時の吸着角度と同じ角度で部品を実装する構成も採用している。
【0015】
このような構成では、吸着角度ずれ量が少ないときには、角度補正のために吸着ノズルを回転させることがないので、ノズルを回転したときノズル中心位置の偏心から生じる誤差の影響がなくなることから部品搭載精度を高めることができる。また、部品認識カメラの合焦点を、部品を実装する基板表面とほぼ同一平面に設定することにより、ノズル上昇下降による水平面変化量を吸収でき、搭載精度が向上する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示す実施の形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
【0017】
図1には、電子部品を基板に実装する部品実装装置1が図示されており、図2には、ヘッドユニット5を中心とした部分が、また図3には、制御系の構成がブロック図として図示されている。部品実装装置1には、位置検出器16を備えたX軸サーボモータ15と、位置検出器10を備えたY軸サーボモータ9が設けられている。CPU、RAM、ROMなどで構成される制御装置60の指示によりX軸サーボモータ15が駆動されると、ボールねじ軸13が回転することにより支持体14に支持されたヘッドユニット5がX軸方向に移動され、またY軸サーボモータ9が駆動されると、ボールねじ軸8が回転することによりヘッドユニット5の支持体14がレール7に沿って移動され、それによりヘッドユニット5がXY方向に移動できるように構成されている。
【0018】
また、ヘッドユニット5には、3つのノズル部材が装備されている。以下では、一つのノズル部材20に関して説明するが、他のノズル部材も同様に構成される(図3には一つのノズル部材しか図示されていない)。ノズル部材20は、その中心軸上に位置する吸着ノズル21とその周囲のノズル保持部20aとを有し、ノズル部材全体が、R軸サーボモータ18によりヘッドユニット5のフレームに対して中心軸(R軸)回りの回転が可能とされるとともに、Z軸サーボモータ17により吸着ノズル21がノズル保持部20aに対して昇降(Z軸方向の移動)可能とされている。この場合、吸着ノズル21のZ軸、R軸の移動位置は、各サーボモータ17、18に設けられた位置検出器22、23によって検出でき、またそのX軸、Y軸の移動位置は位置検出器16、10によって検出できるようになっている。
【0019】
更に、部品実装装置1には、電子部品を収納するテープフィーダなどのパーツフィーダ4aが多数並設された部品供給部4が設けられており、ヘッドユニット5は、これらのパーツフィーダ4aの位置に移動して吸着ノズル21により電子部品をピックアップしてコンベア2に沿って搬送されてくる基板3上に実装する。この場合、移動軸などに起因する機構誤差が存在し、各軸に移動指令を出す制御装置60からの移動指令値と実際の移動到達位置とは必ずしも一致せず、基板上の各位置に固有の位置ずれが存在するので、この固有の位置ずれを補正するため、実装装置においては基板上の各位置ごとに固有の位置ずれ量を予め求めるため基板認識カメラ19がヘッドユニット5に搭載されており、以下で説明するように、キャリブレーション作業が行われる。また、この基板認識カメラ19は、基板3に形成された基板マークを撮像し、その画像処理によりマーク位置が認識されて電子部品実装時に基板の位置ずれが補正される。
【0020】
一方、コンベア2(図1では上側)と部品供給部4との間に、部品認識用の部品認識カメラ25が配設されており、この部品認識カメラ25によって電子部品を撮像し、その画像が、CPU37a、メモリ37b、A/D変換器37cなどで構成される画像認識装置37(図3)で処理されて、電子部品62の位置(吸着姿勢)が認識できるようになっている。その場合、部品認識カメラ25の合焦点位置25aが基板実装面になるように設定される。具体的には、部品供給部4から供給される電子部品を吸着ノズル21で吸着した後、吸着ノズル21を上昇させるとともに、ヘッドユニット5を移動させて、吸着された電子部品を部品認識カメラ25上方の所定の合焦点位置25a(補正位置)に保持することによって、電子部品が部品認識カメラ25によりピントの合った像として撮像されるようになっている。
【0021】
部品認識カメラ25によって取り込まれた電子部品の画像は、画像認識装置37で画像処理が施され、それによりノズル部材20の中心軸Sに対する電子部品の吸着ずれ量(位置ずれ量と角度ずれ量)を求めるようになっており、この吸着ずれ量に基づいて、実装時におけるノズル部材20の回転軸Pの移動位置、すなわちノズル部材20の目標位置が決定される。
【0022】
また、部品実装装置には、図3に図示したように、基板データや部品データを入力するためのキーボード31、マウス32などの入力装置が設けられ、生成された基板データ並びに部品データは、ハードディスク、フラッシュメモリなどで構成される記憶装置33に格納できるようになっている。また、モニタ34が設けられ、この画面には、部品データ、演算データや基板認識カメラ19、部品認識カメラ25で撮像した画像などが表示できるようになっている。
【0023】
ところで、部品実装装置の制御装置60には、吸着ノズル21の回転姿勢によるノズル中心位置偏心量を格納するための記憶部(RAM)が設けられており、各吸着ノズル21の回転姿勢(0,90,180,270度)によるノズル中心位置偏心量があらかじめデータ化されて格納されている。すなわち、上記部品実装装置の構成では、吸着ノズル21の先端が合焦点位置25aにあって、認識時の部品の高さが、基板3の表面とほぼ同じ高さ位置にあり、かつノズル部材20が基準角度(例えば、回転角0°)にあるときには、図4の鎖線に示すように、吸着ノズル21の中心軸Sとノズル部材20の回転中心Pとは本来一致するべきであるが、部品製造誤差や組付け誤差により、吸着ノズル21の中心軸Sがノズル部材20の回転軸Pに対して傾斜した状態にあると、同図の実線で示すように、吸着ノズル21の中心軸Sがノズル部材20の回転軸Pに対して距離Nax,Nay(第4象限)だけ偏心して位置する。そのため、この偏心による誤差を補正するために、あらかじめ前記高さ位置での偏心量を360度にわたって求め、それが記憶部に格納される。
【0024】
また、本実施形態においては、図5に示すように装置立ち上げ時や保守時に、キャリブレーション用の計測点(マーク)42が複数個格子状に設けられたキャリブレーション用治具基板41を基板認識カメラ19によって撮像し、この撮像によって検出された各計測点42の位置をCADデータ指定の位置データと比較することにより、各実装位置の固有の位置ずれが求められ、制御装置60の記憶部(RAM)に格納するようになっている。計測点の位置認識方法は従来から周知技術として使用されている方法が利用される。
【0025】
そして、上記のようにノズル部材20の中心軸Sに対する電子部品の吸着ずれ量から、実装時におけるノズル部材20の回転軸Pの目標位置が決定され、制御装置60は、決定された最終目標位置に基づいて、各サーボモータ9、15、17、18に対する固有の位置ずれ量を演算するとともに、基板の位置ずれ、吸着ずれを補正する補正量を加味して各サーボモータ9、15、17、18を駆動制御し、電子部品62を所定の基板位置に実装するようになっている。
【0026】
次に、上記実装機における電子部品の吸着、装着動作及び電子部品装着時の位置補正について図7を参照しつつ、図6のフローチャートに基づいて説明する。
【0027】
先ず、実装動作が開始されると、制御装置60において、基板に応じた、例えば、装着すべき電子部品の種類や実装位置等の予め設定されたデータが記憶装置33から読み出され(ステップS1)、当該基板に応じた実装動作が開始される。このとき、制御装置60は、電子部品の装着毎にカウントアップされるカウンタをリセットするとともに(ステップS2)、基板を搬送するべくコンベア2の駆動を開始し、これによって被装着基板3が搬入されて所定の作業位置に位置決めされると、ヘッドユニット5がXY方向に移動し、基板認識カメラ19を所定の基板マーク上に位置決めし、マーク位置認識を行い基板位置認識を行う(ステップS3)。
【0028】
次にヘッドユニット5がXY方向に移動するとともに、吸着ノズル21が部品供給部4の所望の電子部品供給位置に位置決めされ、その後、吸着ノズル21が下降することにより、部品供給部4から電子部品62が吸着される(ステップS4、S5)。続いて、吸着ノズル21が電子部品を吸着した状態で上昇するとともに、ヘッドユニット5が部品認識カメラ25上方に移動し、電子部品62が部品認識カメラ25の認識位置(合焦点位置)25aに配置され、電子部品は基板装着時の姿勢を保ち、合焦点位置で部品認識カメラ25により撮像される。その撮像された電子部品の画像は、画像認識装置37において画像処理が施され、吸着ずれ量、すなわち部品中心と吸着中心の位置ずれ量と基準角度に対する角度ずれ量が求められる(ステップS6)。
【0029】
ところで、制御装置60は、基板3に対する電子部品の実装位置をノズル部材20の回転軸Pを基準にして設定する。つまり、電子部品吸着の際にノズル部材20が基準角度に保持され、かつノズル部材20の回転軸Pと中心軸Sと電子部品の中心とが一致するように吸着されたことを前提として実装時のノズル部材20の回転軸P及び回転角度で実装位置が設定されている。
【0030】
従って、電子部品が吸着された際に、ノズル部材20の回転軸Pとノズル21の中心軸Sと電子部品の中心Qとが一致し、かつ基準角度で電子部品が吸着された場合には、上記実装位置と実装時におけるノズル部材20の移動位置(ノズル部材20の回転角度を含む意味での移動位置)とは一致することになる。しかし、例えば、図7(a)に示すようにノズル部材20の回転軸Pとノズル中心軸Sと電子部品62の中心Qが一致せず、さらに回転方向に傾いた状態で吸着されたような場合に、ステップS6で求めた角度ずれ量θを補正するために吸着ノズルを回転軸Pを中心に回転させて角度補正を行うと、吸着ノズルの回転軸Pと中心軸Sの偏心により回転中心Pと部品中心Q間の位置がステップS6における認識で求めたものとずれてくる。
【0031】
すなわち、部品認識カメラ原点と吸着中心(S)が同一である場合、部品中心(Q)から吸着中心(S)へのベクトルをA=(Ax、Ay)、回転中心(P)から吸着中心(S)へのベクトルをB=(Bx、By)、回転中心(P)から部品中心(Q)へのベクトルをC=(Cx、Cy)とすると、Aは部品認識から、Bは既知であるから、回転中心(P)を中心にして吸着角度ずれ(−θ)を吸着ノズルを回転させて補正すると、補正後の回転中心(P)から部品中心(Q)へのベクトルC’は、
C’=(cos(−θ)・(Ax+Bx)−sin(−θ)・(Ay+By)、
sin(−θ)・(Ax+Bx)+cos(−θ)・(Ay+By))
となる。また、部品認識カメラの原点と回転中心Pが同一である場合には、Cは部品認識結果となり、C=(Cx、Cy)とすると、
C’=(cos(−θ)・Cx−sin(−θ)・Cy、sin(−θ)・Cx+cos(−θ)・Cy)
となり、角度補正後、回転中心PをC’オフセットした位置に移動させることになる。
【0032】
吸着角度ずれ量が小さく、補正角度θが充分小さい値であるならば、角度補正によって吸着中心Sが回転中心Pに対してずれる量は充分小さいと考えられる。そこで、ステップS7で角度ずれ量θが所定値より小さいかどうかを判断する。所定値以下の場合には、上述した角度補正による位置ずれ量の変動を避けるために、ステップS6で求めた角度ずれ量を補正せず、位置ずれ量だけ補正して最終目標位置設定を行う(ステップS8)。この場合には、角度補正のために吸着ノズルを回転させることがないので、部品認識時の部品吸着角度、すなわち基準角度に対する傾き角度と同じ角度で部品が実装されることになり、ノズル回転位置によるノズル中心位置の偏心による誤差の影響をなくすことができる。また、部品認識時、吸着ノズル21の先端が部品認識カメラ25の合焦点位置25aにあって、部品の高さが、基板3の表面とほぼ同じ高さ位置にあるので、ノズル上昇下降による水平面変化量も吸収することができる。
【0033】
一方、角度ずれ量が所定値より大きい場合には、角度ずれ量θ補正後、上記C’の位置ずれ量を補正して、最終目標位置を設定する(ステップS9)。このようにして、ノズル部材20の回転軸Pの最終目標位置が決定されると、駆動系の固有の位置ずれ量が補正される(ステップS10)。図7(b)、(c)には、それぞれ角度補正後の各座標値、並びに回転中心の最終目標座標(位置)、固有の位置ずれ補正後の目標座標、論理目標座標が示されている。
【0034】
このように目標位置が設定されると、制御装置60により各駆動手段が駆動されて、ヘッドユニット5がXY方向に移動するとともに、角度補正を行う場合にはノズル部材20が回転しつつ最終目標位置に移動する。そして、この最終目標位置に到達すると、その位置で吸着ノズル21が下降して電子部品を基板上に実装し、電子部品装着後、所定のタイミングで制御装置の電子部品用カウンタがカウントアップされる(ステップS11、S12)。
【0035】
まだ全部品装着が終了しない場合には、ステップS4に戻って同じ処理が行われ(ステップS13)、一方部品がすべて装着された場合には、コンベア2が駆動され、所定の作業位置で位置決めされている基板が、例えば次工程に搬出され(ステップS14)、本フローチャートが終了する。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、吸着角度ずれ量が少ないときには、角度補正のために吸着ノズルを回転させることがないので、ノズルを回転したときノズル中心位置の偏心から生じる誤差の影響がなくなることから部品搭載精度を高めることができる。また、部品認識カメラの合焦点を、部品を実装する基板表面と同一平面に設定することにより、ノズル上昇下降による水平面変化量を吸収でき、搭載精度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】部品実装装置の構成を示す平面図である。
【図2】部品実装装置の構成を示す正面図である。
【図3】部品実装装置の制御系の構成を示すブロック図である。
【図4】ノズル部材の回転軸Pに対する、吸着ノズル下降位置での吸着ノズル先端の中心軸Sの各角度における中心軸を平面的に表した説明図である。
【図5】格子状にマークを設けた治具基板を示す平面図である。
【図6】部品実装の流れを示すフローチャートである。
【図7】(a)は電子部品吸着時を示す説明図、(b)は先端の中心軸Sによる電子部品を回転移動したときの各座標位置を示す説明図、(c)は最終目標位置に電子部品を移動したときの概略図である。
【図8】(a)は、偏心が生じたときの吸着ノズルの上昇時の状態を示す説明図、(b)は(a)の吸着ノズルが下降した時の状態を示す説明図である。
【符号の説明】
3 基板
4 部品供給部
5 ヘッドユニット
9 Y軸サーボモータ
15 X軸サーボモータ
17 Z軸サーボモータ
18 R軸サーボモータ
19 基板認識カメラ
25 部品認識カメラ
37 画像認識装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、部品実装方法及び装置、さらに詳細には、吸着ノズルによりIC等の電子部品を吸着してプリント基板上の所定位置に実装する部品実装方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、実装機(部品実装装置)としては、互いに直交するX軸、Y軸を有し、レール等からなるY軸の上にX軸構成部材をY軸に沿って移動自在に載せ、このX軸構成部材にノズル部材を備えたヘッドを、X軸に沿って移動自在に設けることにより、ヘッドをXY平面上で移動させるようにしたものが公知である。
【0003】
このような装置において、ノズル部材は電子部品吸着用の吸着ノズルを有し、ノズル部材全体がヘッドに対して回転可能に支持されているとともに、吸着ノズルがノズル部材の回転軸に沿って昇降自在に設けられている。
【0004】
このような実装機によりIC等の電子部品を基板上の所定位置に装着する際には、先ず、ヘッドを部品供給部上に移動し、ここで吸着ノズルを下降させて所望の電子部品を吸着する。その後、電子部品を吸着した状態で吸着ノズルを上昇させるとともに、ヘッドの移動により電子部品を部品認識カメラの上方に配置し、ここで、部品認識カメラによる電子部品の認識を行う。ここでは、部品認識カメラにより取り込まれた画像から、ノズル部材の回転軸に対する電子部品の吸着ずれ量(部品中心と吸着中心の位置ずれ量並びに吸着角度ずれ量)を求め、このずれ量に基づいて、実装時における実装目標位置、すなわちヘッドの位置およびノズル部材の回転角を設定するとともに、この目標位置から各駆動手段に対する補正量を求めるようにしている(特許文献1)。
【0005】
そして、上記のように補正量が求められると、ヘッド及びノズル部材がこの補正量を補正して駆動され、ノズル部材が上記目標位置に到達すると、吸着ノズルが下降して電子部品が基板上に実装されるようになっている。
【0006】
【特許文献1】
特開平5−10746号公報(図1)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のような実装機においては、通常、吸着ノズルの中心軸と、ノズル部材の回転軸とが一致されるべきであるが、部品精度、あるいは組立て精度等に起因して、図8(a)に示すように、吸着ノズル51の中心軸Sが、垂直方向のノズル部材50の回転軸Pに対して多少傾斜した状態となっていることがある。この場合、吸着ノズル51の先端部51aにおいては、吸着ノズル51の中心軸Sがノズル部材50の回転軸Pに対して偏心しているため、ノズル部材50を回転させると、吸着ノズル51の先端部51aが回転軸Pを中心にして、同図の軌道Saに示すように振れることになる。
【0008】
しかも、吸着ノズル51の先端部51aにおける中心軸Sとノズル部材50の回転軸Pとの距離、いわゆる隔たり量は、吸着ノズル51を下降させるに伴い増大し、従って、ノズル部材50を回転させた際には、吸着ノズル51の振れも図8(b)の軌道Saに示すように拡大することになる。なお、吸着ノズル51を上昇させた状態でその先端部51がノズル部材50の回転軸Pと一致していても(偏心していなくても)、吸着ノズル51の中心軸Sが上記のように傾斜した状態となっていると、ノズル部材50を回転させない場合でも、吸着ノズル51の下降に伴い吸着ノズル51の先端位置が回転軸Pからずれることとなる。
【0009】
さらに、上記のような吸着ノズル51の偏心については、ねじれの要素を含む場合がある。すなわち、吸着ノズル51の中心軸Sが、ノズル部材50の回転軸Pに対してねじれた位置関係を有して傾斜している場合があり、このような場合には、吸着ノズル51の下降に伴い、吸着ノズル51の先端部51aでの偏心量が増大するばかりでなく、上昇位置における吸着ノズル51の先端部51aに対して、下降位置での吸着ノズル51の先端部51aが角度θだけ周方向にずれることになる。
【0010】
従って、吸着ノズルの中心軸とノズル部材の回転軸とが同軸上に存在することを前提とし、吸着ノズルを上昇させた状態で電子部品のずれ量に応じた補正のための処置やずれの補正を行う従来の実装方法では、吸着ノズルの先端中心がノズル部材の回転軸に対して偏心して、あるいは吸着ノズルが傾斜していると、実際に電子部品を基板に実装する際に、吸着ノズルの回転、あるいは下降に伴い吸着ノズル先端位置にずれが生じ、電子部品が基板上の所定の装着位置に実装されないという不都合を招くことになる。
【0011】
そこで、実装機においては、図8(a)、(b)に示すように吸着ノズル中心軸がノズル部材回転軸に対して偏心している場合や傾斜している場合を想定し、あるいは吸着ノズル昇降時の、吸着ノズル先端の平面的な位置ずれをも考慮して実装時の目標位置を設定する必要があるため、上記特許文献1([0004]段落)に示すように、治具部品を治具基板に実装し二次元計測装置で装着誤差を求めている。この方法の利点としては目的位置に対する駆動系による誤差量補正のためのデータ取得もできる総合補正データを取得している。しかし、この方法は工場出荷時に可能であり、納品後の移設では非常に困難であることが欠点である。
【0012】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、電子部品の基板への実装性能をより高めることができ、部品実装誤差を減少させて部品を正確な位置に実装できる部品実装方法および装置を提供することを課題としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明では、
水平面上を移動可能なヘッドに回転並びに昇降可能に装備された吸着ノズルにより部品を吸着し、その吸着姿勢から求められる吸着ずれ量を補正して基板の所定位置に該部品を実装する部品実装方法において、
前記部品の吸着姿勢から位置ずれ量と角度ずれ量を求め、
前記角度ずれ量が所定値以下のときは、部品認識時の吸着角度と同じ角度で部品を実装する構成を採用している。
【0014】
また、本発明では、
水平面上を移動可能なヘッドに回転並びに昇降可能に装備された吸着ノズルにより部品を吸着し、その吸着姿勢から求められる吸着ずれ量を補正して基板の所定位置に該部品を実装する部品実装装置において、
前記吸着された部品を撮像する部品認識カメラと、
前記部品の画像から部品の吸着姿勢を認識し吸着時の位置ずれ量と角度ずれ量を演算する手段とを有し、
前記角度ずれ量が所定値以下のときは、部品認識時の吸着角度と同じ角度で部品を実装する構成も採用している。
【0015】
このような構成では、吸着角度ずれ量が少ないときには、角度補正のために吸着ノズルを回転させることがないので、ノズルを回転したときノズル中心位置の偏心から生じる誤差の影響がなくなることから部品搭載精度を高めることができる。また、部品認識カメラの合焦点を、部品を実装する基板表面とほぼ同一平面に設定することにより、ノズル上昇下降による水平面変化量を吸収でき、搭載精度が向上する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示す実施の形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
【0017】
図1には、電子部品を基板に実装する部品実装装置1が図示されており、図2には、ヘッドユニット5を中心とした部分が、また図3には、制御系の構成がブロック図として図示されている。部品実装装置1には、位置検出器16を備えたX軸サーボモータ15と、位置検出器10を備えたY軸サーボモータ9が設けられている。CPU、RAM、ROMなどで構成される制御装置60の指示によりX軸サーボモータ15が駆動されると、ボールねじ軸13が回転することにより支持体14に支持されたヘッドユニット5がX軸方向に移動され、またY軸サーボモータ9が駆動されると、ボールねじ軸8が回転することによりヘッドユニット5の支持体14がレール7に沿って移動され、それによりヘッドユニット5がXY方向に移動できるように構成されている。
【0018】
また、ヘッドユニット5には、3つのノズル部材が装備されている。以下では、一つのノズル部材20に関して説明するが、他のノズル部材も同様に構成される(図3には一つのノズル部材しか図示されていない)。ノズル部材20は、その中心軸上に位置する吸着ノズル21とその周囲のノズル保持部20aとを有し、ノズル部材全体が、R軸サーボモータ18によりヘッドユニット5のフレームに対して中心軸(R軸)回りの回転が可能とされるとともに、Z軸サーボモータ17により吸着ノズル21がノズル保持部20aに対して昇降(Z軸方向の移動)可能とされている。この場合、吸着ノズル21のZ軸、R軸の移動位置は、各サーボモータ17、18に設けられた位置検出器22、23によって検出でき、またそのX軸、Y軸の移動位置は位置検出器16、10によって検出できるようになっている。
【0019】
更に、部品実装装置1には、電子部品を収納するテープフィーダなどのパーツフィーダ4aが多数並設された部品供給部4が設けられており、ヘッドユニット5は、これらのパーツフィーダ4aの位置に移動して吸着ノズル21により電子部品をピックアップしてコンベア2に沿って搬送されてくる基板3上に実装する。この場合、移動軸などに起因する機構誤差が存在し、各軸に移動指令を出す制御装置60からの移動指令値と実際の移動到達位置とは必ずしも一致せず、基板上の各位置に固有の位置ずれが存在するので、この固有の位置ずれを補正するため、実装装置においては基板上の各位置ごとに固有の位置ずれ量を予め求めるため基板認識カメラ19がヘッドユニット5に搭載されており、以下で説明するように、キャリブレーション作業が行われる。また、この基板認識カメラ19は、基板3に形成された基板マークを撮像し、その画像処理によりマーク位置が認識されて電子部品実装時に基板の位置ずれが補正される。
【0020】
一方、コンベア2(図1では上側)と部品供給部4との間に、部品認識用の部品認識カメラ25が配設されており、この部品認識カメラ25によって電子部品を撮像し、その画像が、CPU37a、メモリ37b、A/D変換器37cなどで構成される画像認識装置37(図3)で処理されて、電子部品62の位置(吸着姿勢)が認識できるようになっている。その場合、部品認識カメラ25の合焦点位置25aが基板実装面になるように設定される。具体的には、部品供給部4から供給される電子部品を吸着ノズル21で吸着した後、吸着ノズル21を上昇させるとともに、ヘッドユニット5を移動させて、吸着された電子部品を部品認識カメラ25上方の所定の合焦点位置25a(補正位置)に保持することによって、電子部品が部品認識カメラ25によりピントの合った像として撮像されるようになっている。
【0021】
部品認識カメラ25によって取り込まれた電子部品の画像は、画像認識装置37で画像処理が施され、それによりノズル部材20の中心軸Sに対する電子部品の吸着ずれ量(位置ずれ量と角度ずれ量)を求めるようになっており、この吸着ずれ量に基づいて、実装時におけるノズル部材20の回転軸Pの移動位置、すなわちノズル部材20の目標位置が決定される。
【0022】
また、部品実装装置には、図3に図示したように、基板データや部品データを入力するためのキーボード31、マウス32などの入力装置が設けられ、生成された基板データ並びに部品データは、ハードディスク、フラッシュメモリなどで構成される記憶装置33に格納できるようになっている。また、モニタ34が設けられ、この画面には、部品データ、演算データや基板認識カメラ19、部品認識カメラ25で撮像した画像などが表示できるようになっている。
【0023】
ところで、部品実装装置の制御装置60には、吸着ノズル21の回転姿勢によるノズル中心位置偏心量を格納するための記憶部(RAM)が設けられており、各吸着ノズル21の回転姿勢(0,90,180,270度)によるノズル中心位置偏心量があらかじめデータ化されて格納されている。すなわち、上記部品実装装置の構成では、吸着ノズル21の先端が合焦点位置25aにあって、認識時の部品の高さが、基板3の表面とほぼ同じ高さ位置にあり、かつノズル部材20が基準角度(例えば、回転角0°)にあるときには、図4の鎖線に示すように、吸着ノズル21の中心軸Sとノズル部材20の回転中心Pとは本来一致するべきであるが、部品製造誤差や組付け誤差により、吸着ノズル21の中心軸Sがノズル部材20の回転軸Pに対して傾斜した状態にあると、同図の実線で示すように、吸着ノズル21の中心軸Sがノズル部材20の回転軸Pに対して距離Nax,Nay(第4象限)だけ偏心して位置する。そのため、この偏心による誤差を補正するために、あらかじめ前記高さ位置での偏心量を360度にわたって求め、それが記憶部に格納される。
【0024】
また、本実施形態においては、図5に示すように装置立ち上げ時や保守時に、キャリブレーション用の計測点(マーク)42が複数個格子状に設けられたキャリブレーション用治具基板41を基板認識カメラ19によって撮像し、この撮像によって検出された各計測点42の位置をCADデータ指定の位置データと比較することにより、各実装位置の固有の位置ずれが求められ、制御装置60の記憶部(RAM)に格納するようになっている。計測点の位置認識方法は従来から周知技術として使用されている方法が利用される。
【0025】
そして、上記のようにノズル部材20の中心軸Sに対する電子部品の吸着ずれ量から、実装時におけるノズル部材20の回転軸Pの目標位置が決定され、制御装置60は、決定された最終目標位置に基づいて、各サーボモータ9、15、17、18に対する固有の位置ずれ量を演算するとともに、基板の位置ずれ、吸着ずれを補正する補正量を加味して各サーボモータ9、15、17、18を駆動制御し、電子部品62を所定の基板位置に実装するようになっている。
【0026】
次に、上記実装機における電子部品の吸着、装着動作及び電子部品装着時の位置補正について図7を参照しつつ、図6のフローチャートに基づいて説明する。
【0027】
先ず、実装動作が開始されると、制御装置60において、基板に応じた、例えば、装着すべき電子部品の種類や実装位置等の予め設定されたデータが記憶装置33から読み出され(ステップS1)、当該基板に応じた実装動作が開始される。このとき、制御装置60は、電子部品の装着毎にカウントアップされるカウンタをリセットするとともに(ステップS2)、基板を搬送するべくコンベア2の駆動を開始し、これによって被装着基板3が搬入されて所定の作業位置に位置決めされると、ヘッドユニット5がXY方向に移動し、基板認識カメラ19を所定の基板マーク上に位置決めし、マーク位置認識を行い基板位置認識を行う(ステップS3)。
【0028】
次にヘッドユニット5がXY方向に移動するとともに、吸着ノズル21が部品供給部4の所望の電子部品供給位置に位置決めされ、その後、吸着ノズル21が下降することにより、部品供給部4から電子部品62が吸着される(ステップS4、S5)。続いて、吸着ノズル21が電子部品を吸着した状態で上昇するとともに、ヘッドユニット5が部品認識カメラ25上方に移動し、電子部品62が部品認識カメラ25の認識位置(合焦点位置)25aに配置され、電子部品は基板装着時の姿勢を保ち、合焦点位置で部品認識カメラ25により撮像される。その撮像された電子部品の画像は、画像認識装置37において画像処理が施され、吸着ずれ量、すなわち部品中心と吸着中心の位置ずれ量と基準角度に対する角度ずれ量が求められる(ステップS6)。
【0029】
ところで、制御装置60は、基板3に対する電子部品の実装位置をノズル部材20の回転軸Pを基準にして設定する。つまり、電子部品吸着の際にノズル部材20が基準角度に保持され、かつノズル部材20の回転軸Pと中心軸Sと電子部品の中心とが一致するように吸着されたことを前提として実装時のノズル部材20の回転軸P及び回転角度で実装位置が設定されている。
【0030】
従って、電子部品が吸着された際に、ノズル部材20の回転軸Pとノズル21の中心軸Sと電子部品の中心Qとが一致し、かつ基準角度で電子部品が吸着された場合には、上記実装位置と実装時におけるノズル部材20の移動位置(ノズル部材20の回転角度を含む意味での移動位置)とは一致することになる。しかし、例えば、図7(a)に示すようにノズル部材20の回転軸Pとノズル中心軸Sと電子部品62の中心Qが一致せず、さらに回転方向に傾いた状態で吸着されたような場合に、ステップS6で求めた角度ずれ量θを補正するために吸着ノズルを回転軸Pを中心に回転させて角度補正を行うと、吸着ノズルの回転軸Pと中心軸Sの偏心により回転中心Pと部品中心Q間の位置がステップS6における認識で求めたものとずれてくる。
【0031】
すなわち、部品認識カメラ原点と吸着中心(S)が同一である場合、部品中心(Q)から吸着中心(S)へのベクトルをA=(Ax、Ay)、回転中心(P)から吸着中心(S)へのベクトルをB=(Bx、By)、回転中心(P)から部品中心(Q)へのベクトルをC=(Cx、Cy)とすると、Aは部品認識から、Bは既知であるから、回転中心(P)を中心にして吸着角度ずれ(−θ)を吸着ノズルを回転させて補正すると、補正後の回転中心(P)から部品中心(Q)へのベクトルC’は、
C’=(cos(−θ)・(Ax+Bx)−sin(−θ)・(Ay+By)、
sin(−θ)・(Ax+Bx)+cos(−θ)・(Ay+By))
となる。また、部品認識カメラの原点と回転中心Pが同一である場合には、Cは部品認識結果となり、C=(Cx、Cy)とすると、
C’=(cos(−θ)・Cx−sin(−θ)・Cy、sin(−θ)・Cx+cos(−θ)・Cy)
となり、角度補正後、回転中心PをC’オフセットした位置に移動させることになる。
【0032】
吸着角度ずれ量が小さく、補正角度θが充分小さい値であるならば、角度補正によって吸着中心Sが回転中心Pに対してずれる量は充分小さいと考えられる。そこで、ステップS7で角度ずれ量θが所定値より小さいかどうかを判断する。所定値以下の場合には、上述した角度補正による位置ずれ量の変動を避けるために、ステップS6で求めた角度ずれ量を補正せず、位置ずれ量だけ補正して最終目標位置設定を行う(ステップS8)。この場合には、角度補正のために吸着ノズルを回転させることがないので、部品認識時の部品吸着角度、すなわち基準角度に対する傾き角度と同じ角度で部品が実装されることになり、ノズル回転位置によるノズル中心位置の偏心による誤差の影響をなくすことができる。また、部品認識時、吸着ノズル21の先端が部品認識カメラ25の合焦点位置25aにあって、部品の高さが、基板3の表面とほぼ同じ高さ位置にあるので、ノズル上昇下降による水平面変化量も吸収することができる。
【0033】
一方、角度ずれ量が所定値より大きい場合には、角度ずれ量θ補正後、上記C’の位置ずれ量を補正して、最終目標位置を設定する(ステップS9)。このようにして、ノズル部材20の回転軸Pの最終目標位置が決定されると、駆動系の固有の位置ずれ量が補正される(ステップS10)。図7(b)、(c)には、それぞれ角度補正後の各座標値、並びに回転中心の最終目標座標(位置)、固有の位置ずれ補正後の目標座標、論理目標座標が示されている。
【0034】
このように目標位置が設定されると、制御装置60により各駆動手段が駆動されて、ヘッドユニット5がXY方向に移動するとともに、角度補正を行う場合にはノズル部材20が回転しつつ最終目標位置に移動する。そして、この最終目標位置に到達すると、その位置で吸着ノズル21が下降して電子部品を基板上に実装し、電子部品装着後、所定のタイミングで制御装置の電子部品用カウンタがカウントアップされる(ステップS11、S12)。
【0035】
まだ全部品装着が終了しない場合には、ステップS4に戻って同じ処理が行われ(ステップS13)、一方部品がすべて装着された場合には、コンベア2が駆動され、所定の作業位置で位置決めされている基板が、例えば次工程に搬出され(ステップS14)、本フローチャートが終了する。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、吸着角度ずれ量が少ないときには、角度補正のために吸着ノズルを回転させることがないので、ノズルを回転したときノズル中心位置の偏心から生じる誤差の影響がなくなることから部品搭載精度を高めることができる。また、部品認識カメラの合焦点を、部品を実装する基板表面と同一平面に設定することにより、ノズル上昇下降による水平面変化量を吸収でき、搭載精度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】部品実装装置の構成を示す平面図である。
【図2】部品実装装置の構成を示す正面図である。
【図3】部品実装装置の制御系の構成を示すブロック図である。
【図4】ノズル部材の回転軸Pに対する、吸着ノズル下降位置での吸着ノズル先端の中心軸Sの各角度における中心軸を平面的に表した説明図である。
【図5】格子状にマークを設けた治具基板を示す平面図である。
【図6】部品実装の流れを示すフローチャートである。
【図7】(a)は電子部品吸着時を示す説明図、(b)は先端の中心軸Sによる電子部品を回転移動したときの各座標位置を示す説明図、(c)は最終目標位置に電子部品を移動したときの概略図である。
【図8】(a)は、偏心が生じたときの吸着ノズルの上昇時の状態を示す説明図、(b)は(a)の吸着ノズルが下降した時の状態を示す説明図である。
【符号の説明】
3 基板
4 部品供給部
5 ヘッドユニット
9 Y軸サーボモータ
15 X軸サーボモータ
17 Z軸サーボモータ
18 R軸サーボモータ
19 基板認識カメラ
25 部品認識カメラ
37 画像認識装置
Claims (4)
- 水平面上を移動可能なヘッドに回転並びに昇降可能に装備された吸着ノズルにより部品を吸着し、その吸着姿勢から求められる吸着ずれ量を補正して基板の所定位置に該部品を実装する部品実装方法において、
前記部品の吸着姿勢から位置ずれ量と角度ずれ量を求め、
前記角度ずれ量が所定値以下のときは、部品認識時の吸着角度と同じ角度で部品を実装することを特徴とする部品実装方法。 - 部品の吸着姿勢を認識するときの部品の高さが、基板表面とほぼ同じ高さであることを特徴とする請求項1に記載の部品実装方法。
- 水平面上を移動可能なヘッドに回転並びに昇降可能に装備された吸着ノズルにより部品を吸着し、その吸着姿勢から求められる吸着ずれ量を補正して基板の所定位置に該部品を実装する部品実装装置において、
前記吸着された部品を撮像する部品認識カメラと、
前記部品の画像から部品の吸着姿勢を認識し吸着時の位置ずれ量と角度ずれ量を演算する手段とを有し、
前記角度ずれ量が所定値以下のときは、部品認識時の吸着角度と同じ角度で部品を実装することを特徴とする部品実装装置。 - 部品の吸着姿勢を認識するときの部品の高さが、基板表面とほぼ同じ高さであることを特徴とする請求項3に記載の部品実装装置。
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