JP3296893B2 - 部品実装方法 - Google Patents

部品実装方法

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JP3296893B2
JP3296893B2 JP18139493A JP18139493A JP3296893B2 JP 3296893 B2 JP3296893 B2 JP 3296893B2 JP 18139493 A JP18139493 A JP 18139493A JP 18139493 A JP18139493 A JP 18139493A JP 3296893 B2 JP3296893 B2 JP 3296893B2
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  • Supply And Installment Of Electrical Components (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、吸着ノズルによりIC
等の電子部品のようなチップ部品を吸着してプリント基
板上の所定位置に装着するように構成された実装機の部
品実装方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、実装機としては、互いに直交
するX軸、Y軸を有し、レール等からなるY軸の上にX
軸構成部材をY軸に沿って移動自在に載せ、このX軸構
成部材にノズル部材を備えたヘッドを、X軸に沿って移
動自在に設けることにより、ヘッドをXY平面上(仮想
水平面上)で移動させるようにしたものが公知である。
このような装置において、上記ノズル部材はチップ部品
吸着用の吸着ノズルを有し、ノズル部材全体がヘッドに
対して回転可能に支持されているとともに、上記吸着ノ
ズルが上記ノズル部材の回転軸に沿って昇降自在に設け
られている。
【0003】上記の実装機によりIC等の電子部品のよ
うなチップ部品を基板上の所定位置に装着する際には、
先ず、ヘッドを部品供給部上に移動し、ここで吸着ノズ
ルを下降させて所望のチップ部品を吸着する。その後、
チップ部品を吸着した状態で吸着ノズルを上昇させると
ともに、ヘッドの移動によりチップ部品を部品認識カメ
ラの上方に配置し、ここで、部品認識カメラによるチッ
プ部品の認識を行う。ここでは、部品認識カメラにより
取り込まれた画像から、ノズル部材の回転軸に対するチ
ップ部品の吸着ずれ量を求め、このずれ量を加味して、
実装時における目標位置、すなわちヘッドの位置および
ノズル部材の回転角を設定するとともに、この目標位置
から各駆動手段に対する補正量を求めるようにしてい
る。
【0004】そして、上記のように補正量が求められる
と、ヘッド及びノズル部材がこの補正量を加味して駆動
され、ノズル部材が上記目標位置に到達すると、上記吸
着ノズルが下降してチップ部品が基板上に実装されるよ
うになっている。なお、上記部品認識に基づく補正の代
りに、吸着ノズル上昇位置で開閉可能なチャック部材に
よりチップ部品の吸着ずれを機械的に修正するようにし
たものもある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な実装機においては、通常、吸着ノズルの中心軸と、ノ
ズル部材の回転軸とが一致するか、あるいは平行にされ
るべきであるが、部品精度、あるいは組立て精度等に起
因して、図8(a)に示すように、吸着ノズル51の中
心軸Sが、垂直方向のノズル部材50の回転軸Pに対し
て多少傾斜した状態となっていることがある。この場
合、吸着ノズル51の先端部51aにおいては、吸着ノ
ズル51の中心軸Sがノズル部材50の回転軸Pに対し
て偏心しているため、ノズル部材50を回転させると、
吸着ノズル51の先端部51aが回転軸Pを中心にし
て、同図の軌道Sa1に示すように振れることになる。
しかも、吸着ノズル51の先端部51aにおける中心軸
Sとノズル部材50の回転軸Pとの距離、いわゆる偏心
量は、吸着ノズル51を下降させるに伴い増大し、従っ
て、ノズル部材50を回転させた際には、吸着ノズル5
1の振れも図8(b)の軌道Sa2に示すように拡大す
ることになる。なお、吸着ノズル51を上昇させた状態
でその先端部51がノズル部材50の回転軸Pと一致し
ていても(偏心していなくても)、吸着ノズル51の中
心軸Sが上記のように傾斜した状態となっていると、ノ
ズル部材50を回転させない場合でも、吸着ノズル51
の下降に伴い吸着ノズル51の先端位置が回転軸Pから
ずれることとなる。
【0006】さらに、上記のような吸着ノズル51の偏
心については、ねじれの要素を含む場合がある。すなわ
ち、吸着ノズル51の中心軸Sが、ノズル部材50の回
転軸Pに対してねじれた位置関係を有して傾斜している
場合があり、このような場合には、図9に示すように、
吸着ノズル51の下降に伴い、吸着ノズル51の先端部
51aでの偏心量が増大するばかりでなく、上昇位置に
おける吸着ノズル51の先端部51aに対して、下降位
置での吸着ノズル51の先端部51aが角度θだけ周方
向にずれることになる。
【0007】従って、吸着ノズルの中心軸とノズル部材
の回転軸とが同軸上、あるいは平行な位置に存在するこ
とを前提とし、吸着ノズルを上昇させた状態でチップ部
品のずれ量に応じた補正のための処置やずれの補正を行
う従来の実装方法では、吸着ノズルの先端中心がノズル
部材の回転軸に対して偏心していたり、あるいは吸着ノ
ズルが傾斜していると、実際にチップ部品を基板に実装
する際に、吸着ノズルの回転、あるいは下降に伴い吸着
ノズル先端位置にずれが生じ、チップ部品が基板上の所
定の装着位置に実装されないという不都合を招くことに
なる。
【0008】そこで、実装機においては、吸着ノズル中
心軸がノズル部材回転軸に対して偏心している場合や
斜している場合を想定し、吸着ノズル昇降時の、吸着ノ
ズル先端の平面的な位置ずれをも考慮して実装時の目標
位置を設定する必要がある。
【0009】本発明は、上記問題を解決するためになさ
れたものであり、チップ部品の基板への実装性能をより
高めることができる部品実装方法を提供することを目的
としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に係る発明は、仮想水平面上を移動可能な
ヘッドに回転並びに昇降可能に装備された吸着ノズルに
よりチップ部品を吸着し、吸着ノズルを上昇させた補正
位置でチップ部品の吸着ずれ量を求め、このずれ量を加
味してチップ部品装着時のヘッド等の移動目標位置を設
定する実装機の部品実装方法において、前記補正位置で
の吸着ノズル先端中心とこの補正位置から下降させたチ
ップ部品装着位置での吸着ノズル先端中心との前記水平
面上での位置変化量を予め検出しておき、この位置変化
量をさらに加味して上記移動目標位置を設定するように
したものである。
【0011】また、請求項2に係る発明は、仮想水平面
上を移動可能なヘッドに回転並びに昇降可能に装備され
た吸着ノズルによりチップ部品を吸着し、吸着ノズルを
上昇させた補正位置でチップ部品の吸着ずれを機械的に
補正してから部品を装着する部品実装方法において、前
記補正位置での吸着ノズル先端中心とこの補正位置から
下降させたチップ部品装着位置での吸着ノズル先端中心
との前記水平面上での位置変化量を予め検出しておき、
この位置変化量を加味してチップ部品装着時のヘッドの
移動目標位置を設定するようにしたものである。
【0012】
【作用】請求項1記載の発明によれば、実装動作開始
前、あるいは各チップ部品の吸着前毎に、吸着ノズル昇
降時の、吸着ノズル先端中心の仮想水平面上での位置変
化量が検出され、この位置変化量がデータとして確保さ
れる。そして、移動目標位置設定の際には、チップ部品
の吸着位置ずれ量を加味して基板に対する移動目標位置
の設定が行なわれ、さらに、この設定移動目標位置に上
記位置変化量を加味して移動目標位置の最終的な決定が
なされる。従って、吸着ノズルが上昇した位置、すなわ
ち補正位置において移動目標位置の設定を行っても、上
記のように吸着ノズル先端中心の位置変化量が加味され
た設定値なので、吸着ノズルが偏心、傾斜しているよう
な場合でも正確、かつ確実にチップ部品を基板上の所定
の装着位置に装着することが可能となり、これによりチ
ップ部品の装着性能を高めることができる。
【0013】また、請求項2記載の発明によれば、吸着
ノズルが上昇した位置である補正位置においてチップ部
品の吸着状態が機械的に補正されることとなるが、移動
目標位置設定に際しては、請求項1記載の発明同様に、
吸着ノズル下降前後のノズル先端中心の位置変化量が加
味されるので、吸着ノズルが偏心、傾斜しているような
場合でも正確、かつ確実にチップ部品を基板上の所定の
装着位置に装着することが可能となる。
【0014】
【実施例】本発明の実装機のノズル偏心補正方法が適用
されるチップ部品実装機について図面を用いて説明す
る。図1及び図2は、チップ部品実装機全体の構造を示
している。同図に示すように、チップ部品実装機(以
下、実装機という)の基台1上には、プリント基板搬送
用のコンベア2が配置され、プリント基板3がこのコン
ベア2上を搬送されて所定の装着作業位置で停止される
ようになっている。
【0015】上記コンベア2の側方には、部品供給部4
が配置されている。この部品供給部4は、多数列のテー
プフィーダ4aを備えており、各テープフィーダ4aは
それぞれ、IC、トランジスタ、コンデンサ等の小片状
のチップ部品を所定間隔おきに収納、保持したテープが
リールから導出されるようにするとともに、テープ繰り
出し端にはラチェット式の送り機構を具備し、後述のヘ
ッドユニット5によりチップ部品がピックアップされる
につれてテープが間欠的に繰り出されるようになってい
る。
【0016】また、上記基台1の上方には、部品装着用
のヘッドユニット5が装備されている。このヘッドユニ
ット5は、X軸方向(コンベア2の方向)及びY軸方向
(水平面上でX軸と直交する方向)に移動可能になって
いる。
【0017】すなわち、上記基台1上には、Y軸方向に
延びる一対の固定レール7と、Y軸サーボモータ9によ
り回転駆動されるボールねじ軸8とが配設され、上記固
定レール7上にヘッドユニット支持部材11が配置され
て、この支持部材11に設けられたナット部分12が上
記ボールねじ軸8に螺合している。また、上記支持部材
11には、X軸方向に延びるガイド部材13と、X軸サ
ーボモータ15により駆動されるボールねじ軸14とが
配設され、上記ガイド部材13にヘッドユニット5が移
動可能に保持され、このヘッドユニット5に設けられた
ナット部分(図示せず)が上記ボールねじ軸14に螺合
している。そして、Y軸サーボモータ9の作動によりボ
ールねじ軸8が回転して上記支持部材11がY軸方向に
移動するとともに、X軸サーボモータ15の作動により
ボールねじ軸14が回転して、ヘッドユニット5が支持
部材11に対してX軸方向に移動するようになってい
る。
【0018】また、上記Y軸サーボモータ9及びX軸サ
ーボモータ15には、それぞれエンコーダからなる位置
検出装置10,16が設けられており、これによって上
記ヘッドユニット5の移動位置検出がなされるようにな
っている。
【0019】上記ヘッドユニット5には、3つのノズル
部材20が装備されている。これらの各ノズル部材20
は、その中心軸上に位置する吸着ノズル21とその周囲
のノズル保持部20aとを有し、ノズル部材全体がヘッ
ドユニット5のフレームに対して中心軸(R軸)回りの
回転が可能とされるとともに、吸着ノズル21がノズル
保持部20aに対して昇降(Z軸方向の移動)可能とさ
れている。この際、上記ノズル部材20及び吸着ノズル
21は、それぞれ、Z軸サーボモータ17及びR軸サー
ボモータ18により作動されるようになっており、各サ
ーボモータ17,18に設けられた位置検出装置22,
23によって吸着ノズル21の移動位置検出がなされる
ようになっている。
【0020】また、各吸着ノズル21には、図外の負圧
発生源からの負圧がバルブ部材等を介して供給されるよ
うになっており、実装時には、供給された負圧が各ノズ
ル先端部にそれぞれ作用してチップ部品を吸着するよう
になっている。
【0021】一方、基台1上で、コンベア2の側方(図
1では上側)には上記部品供給部4との間に、チップ部
品認識用の部品認識カメラ25が配設されており、この
部品認識カメラ25によってチップ部品を撮像し、チッ
プ部品を認識するようになっている。具体的には、チッ
プ部品を吸着した後、吸着ノズル21を上昇させるとと
もに、上記ヘッドユニット5を移動させて、吸着された
チップ部品を部品認識カメラ25上方の所定の部品認識
位置(補正位置)に保持することによって、チップ部品
像が部品認識カメラ25により撮像されるようになって
いる。
【0022】ところで、上記のように構成された実装機
は、図示していないが、マイクロコンピュータを構成要
素とする制御装置を備え、上記Y軸及びX軸サーボモー
タ9,15、ヘッドユニット5の各ノズル部材20に対
するR軸サーボモータ18、各吸着ノズル21に対する
Z軸サーボモータ17等の駆動手段及び部品認識カメラ
25等はすべて上記制御装置に電気的に接続され、この
制御装置によって統括制御されるようになっている。ま
た、上記制御装置には画像処理部が備えられている。こ
の画像処理部では、上記部品認識カメラ25によって取
り込まれた吸着チップ部品の画像信号に所定の画像処理
を施すことによりノズル部材20の回転軸に対するチッ
プ部品の吸着ずれ量を求めるようになっており、この吸
着ずれ量に基づいて、上記制御装置では、実装時におけ
るノズル部材20の移動位置、すなわちノズル部材20
の仮目標位置を決定する。
【0023】ところで、上記制御装置には、吸着ノズル
21中心の位置変化量を格納するための記憶部が設けら
れており、各吸着ノズル21毎の位置変化量がデータ化
されて格納されている。すなわち、上記実装機の構成で
は、吸着ノズル21が上昇位置にあり、かつノズル部材
20が基準角度(例えば、回転角0゜)にあるときに
は、図3の鎖線に示すように、吸着ノズル21の先端中
心Sとノズル部材20の回転中心Pとは本来一致するべ
きであるが、同図の実線で示すように、吸着ノズル21
の先端中心Sがノズル部材20の回転中心Pに対して距
離Naだけ偏心している場合がある。これは、部品製造
誤差や組付け誤差により、吸着ノズル21の中心軸がノ
ズル部材20の回転軸に対して傾斜した状態にあるとき
に生じるものである。この場合、吸着ノズル21を上記
の上昇位置から下降させると、これに伴い吸着ノズル2
1の先端中心Sがより一層ノズル部材20の回転中心P
から離れる、すなわち偏心量が増大することになるとと
もに、同図に示すように回転方向にずれるようなことも
生じる。
【0024】そこで、本実施例においては、上記部品認
識カメラ25によるチップ部品の撮像以前に、図外の認
識カメラ等により、吸着ノズル21の上昇位置、すなわ
ちチップ部品認識時の位置にある吸着ノズル21の先端
部と、吸着ノズル21の下降位置、すなわち基板へのチ
ップ部品実装時の位置にある吸着ノズル21の先端部と
を撮像認識し、これに基づいて上昇位置と下降位置とに
おける、吸着ノズル先端中心Sの仮想水平面上での変位
とらえ、この先端中心Sの変化量を、図3に示すよう
に、位置変化量N(X軸方向変化量Nx,Y軸方向変化
量Ny)として、上記制御装置の記憶部に格納するよう
にしている。
【0025】そして、上記のようにノズル部材20の回
転中心Pに対するチップ部品の吸着位置ずれ量から、実
装時におけるノズル部材20の仮目標位置が決定される
と、さらに、上記制御装置では、上記記憶部から、吸着
ノズル21に対する上記位置変化量Nデータを読みだ
し、後述の演算方法により、ノズル部材20の上記仮目
標位置に位置変化量Nを加味して、ノズル部材20の最
終目標位置を決定する。そして、さらに上記制御装置
は、決定された最終目標位置に基づいて、各サーボモー
タ等の駆動手段に対する補正量を演算するとともに、こ
の補正量を加味して各駆動手段を駆動制御するようにな
っている。
【0026】次に、上記実装機におけるチップ部品の
吸、装着動作及びチップ部品装着時の位置補正について
図5及び図6を参照しつつ、図4のフローチャートに基
づいて説明する。
【0027】先ず、実装動作が開始されると、上記制御
装置において、基板に応じた、例えば、装着チップ部品
の種類や実装位置等の予め設定されたデータが選択、読
みだされ、当該基板に応じた実装動作を行うべく各駆動
手段が制御される(ステップS1)。
【0028】また、上記実装動作が開始されると、上記
制御装置においては、チップ部品の装着毎にカウントア
ップされるチップ部品用カウンタをリセットするととも
に、基板を搬送するべくコンベア2の駆動を開始し、こ
れによって被装着基板が搬入されて所定の作業位置に位
置決めされる(ステップS1〜ステップS3)。
【0029】そして、上記のように基板が所定の作業位
置に位置決めされると、上記ヘッドユニット5がXY方
向に移動するとともに、吸着ノズル21が部品供給部4
の所望のチップ部品供給位置に位置決めされ、その後、
吸着ノズル21が下降することにより、部品供給部4か
らチップ部品がピックアップされることになる(ステッ
プS4〜ステップS5)。
【0030】上記のように、吸着ノズル21によりチッ
プ部品が吸着されると、吸着ノズル21がチップ部品を
吸着した状態で上昇するとともに、上記ヘッドユニット
5が移動し、チップ部品が上記部品認識カメラ25上方
の所定の認識位置に配置され、チップ部品像が部品認識
カメラ25により撮像されることになる。
【0031】部品認識カメラ25は、撮像したチップ部
品像を、その画像に応じた信号として上記制御装置に出
力する。そして、制御装置に入力された画像信号は、上
記画像処理部におて所定の画像処理が施され、これによ
ってチップ部品像が認識される。
【0032】ところで、上記制御装置においては、基板
に対するチップ部品の実装位置Eaがノズル部材20の
回転中心Pを基準として設定されている。つまり、チッ
プ部品吸着の際にノズル部材20が基準角度に保持さ
れ、かつノズル部材20の回転中心Pとチップ部品の中
心とが一致するように吸着されたことを前提として実装
時のノズル部材20の回転中心位置座標及び回転角度で
実装位置Eaが設定されている。
【0033】従って、チップ部品が吸着された際に、図
5(a)の鎖線で示すように、ノズル部材20の回転中
心Pとチップ部品30の中心Qとが一致し、かつ基準角
度でチップ部品が吸着された場合には、上記実装位置E
aと実装時におけるノズル部材20の移動位置(ノズル
部材20の回転角度を含む意味での移動位置)とは一致
することになる。しかし、例えば図5(a)の実線で示
すように、ノズル部材20の回転中心Pとチップ部品3
0の中心Qが一致せず、さらに回転方向に傾いた状態で
吸着されたような場合には、チップ部品30を基板上の
所定の実装位置Eaに装着するべく、ノズル部材20の
移動位置に対する補正を行う必要がある。そこで、上記
制御装置では、このチップ部品認識結果と、予め設定さ
れている適正データとを比較し、この比較結果からノズ
ル部材20の回転中心Pに対するチップ部品30の吸着
位置ずれ量を演算するとともに、このずれ量に基づいて
吸着ノズル21の移動位置を補正することで、仮目標位
置の設定を行う。
【0034】この際、チップ部品の装着位置Ea(すな
わちノズル部材20の当初の移動位置)を、 Ea=(Mx,My,Mr) Mx:X軸座標 My:Y軸座標 Mr:回転角度 とし、上記仮目標位置Ebを、 Eb=(Ox,Oy,Or) Ox:X軸座標 Oy:Y軸座標 Or:回転角度 とし、上記ノズル部材20の回転中心Pに対するチップ
部品30のX軸方向のずれ量をΔx、Y軸方向のずれ量
をΔY、回転ずれ量をΔrとすると、上記仮目標位置E
bは、以下に示す従来周知の演算方法に基づいて求める
ことができる。
【0035】 Ox=Δx・cosOr−Δy・sinOr+Mx …(1) Oy=Δx・sinOr+Δy・cosOr+My …(2) Or=−Δr+Mr …(3) そして、上記演算式(1)〜(3)から、仮目標位置E
bが求められると(ステップS6)、次いで、制御装置
においては、上記記憶部から、吸着ノズル21における
位置変化量Nが読みだされ、上記のようにして求められ
た仮目標位置Ebにこの位置変化量Nが加味されること
により最終目標位置Ecが求められる。
【0036】つまり、図5(b)に示すように、チップ
部品30が実線で示される所定の装着位置Eaに装着さ
れるように、ノズル部材20の回転中心Pの仮目標位置
Ebが同図に示されるように設定されても、上述のよう
に、吸着ノズル21の先端中心Sがノズル部材20の回
転中心Pに対して偏心していると、実装時の吸着ノズル
21の下降に伴い、上記位置変化量N分だけ吸着ノズル
21が平面的にずれ、これによって吸着ノズル21に吸
着されているチップ部品30も同様にずれることになる
ので、仮目標位置Ebに更に上記位置変化量Nを加味す
ることで最終目標位置Ecを求めるようにしている。
【0037】具体的には、上記のように予め検出されて
記憶部に格納されている位置変化量N(X軸方向変化量
Nx,Y軸方向変化量Ny)を、上記仮目標位置Ebの
X軸方向座標Mx,Y軸方向座標Myにそれぞれ加える
ことによって最終目標位置のX軸座標及びY軸座標を求
めるのであるが、この際、上記仮目標位置Ebでは、上
記ノズル部材20が回転角度Orだけ回転されているの
で、ノズル部材20の基準角度において検出されている
上記位置変化量Nからノズル部材20が回転角度Orだ
け回転したときの位置変化量を演算する必要がある。こ
れを図6を用いて説明すると、ノズル部材20が回転角
度Orだけ回転すると、これ応じて吸着ノズル21の先
端が同図の破線位置から実線に示す位置へと移動する。
そして、この実線位置でチップ部品を基板上に実装すべ
く吸着ノズル21を上昇位置から下降させると、吸着ノ
ズル21先端の偏心量が増大して吸着ノズル21先端が
実線位置から一点鎖線に示す位置に移動する。従って、
この際の吸着ノズル21の中心位置Sの位置変化量N´
(X軸方向変化量Nx´,Y軸方向変化量Ny´)を、
上記位置変化量N(X軸方向変化量Nx,Y軸方向変化
量Ny)から求めると、同図にも示すように、 Nx´=Nx・cosOr−Ny・sinOr Ny´=Nx・sinOr+Ny・cosOr とすることができる。従って、最終目標位置Ecを Ec=(Ex,Ey,Er) Ex:X軸座標 Ey:Y軸座標 Er:回転角度 とすると、最終目標位置Ecは、上記位置変化量N及び
上記仮目標位置Ebとから、 Ex=Nx´+Ox=Nx・cosEr−Ny・sinEr+Ox …(4) Ey=Ny´+Oy=Nx・sinEr+Ny・cosEr+Oy …(5) Er=Or …(6) とすることができる。
【0038】これによって、吸着ノズル21を下降させ
た場合でも、図5(c)に示されるように、チップ部品
30が所定の装着位置Ea(二点鎖線で示す位置)に装
着されるように吸着ノズル21の最終目標位置Ec(実
線で示す位置)が設定されることになる(ステップS
7)。
【0039】そして、上記のようにステップS7で、ノ
ズル部材20の回転中心Pの最終目標位置Ecが決定さ
れると、上記制御装置により各駆動手段が駆動されて、
上記ヘッドユニット5がXY方向に移動するとともに、
上記ノズル部材20が回転しつつ上記最終目標位置Ec
に移動する。そして、この最終目標位置Ecに到達する
と、その位置で吸着ノズル21が下降してチップ部品を
基板上に実装し、チップ部品装着後、所定のタイミング
で上記制御装置のチップ部品用カウンタがカウントアッ
プされる(ステップS8〜ステップS9)。
【0040】そして、順次上記ステップS4〜ステップ
S9の動作を繰り返す(ステップS10でNO)ことに
より、基板に対する所定数のチップ部品の装着が終了す
ると(ステップS10でYES)、上記コンベア2が再
度駆動され、所定の作業位置で位置決めされている基板
がコンベア2によって例えば次工程に搬出されて(ステ
ップS11)、本フローチャートが終了する。
【0041】以上説明したように、上記実装機において
は、先ず、部品認識カメラ25の撮像に基づきノズル部
材20の回転中心Pに対するチップ部品の吸着ずれ量を
求め、この吸着ずれ量に基づいて、チップ部品実装時に
おけるノズル部材20の移動位置、すなわち仮目標位置
Ebを設定した後、更に、吸着ノズル21に対する位置
変化量Nを上記仮目標位置Ebに加味することで最終目
標位置Ecを設定し、この最終目標位置Ecにノズル部
材20を移動させることによってチップ部品を実装する
ようにしているので、吸着ノズル21がノズル部材20
に対して偏心している場合に生じる、吸着ノズル21昇
降時の吸着ノズル21先端の水平方向の位置ずれを好適
に補正することができ、これによって基板に対するチッ
プ部品の実装をより正確、かつ確実に行うことが可能と
なる。従って、従来例のように、ノズル部材に対するチ
ップ部品の吸着位置ずれのみを加味して吸着ノズルの移
動位置を決定するものでは、昇降に伴う吸着ノズル先端
の位置ずれにより、チップ部品の実装を正確に行うこと
が出来ないこともあるが、上記装置ではこのような不都
合がなく、実装機におけるチップ部品装着性能をより高
めることが可能となる。
【0042】なお、吸着ノズル21の軸回りの吸着ずれ
がなく回転方向の補正が不要な場合でも、吸着ノズル2
1が傾斜していると、チップ部品装着のための昇降時に
吸着ノズル先端中心が水平方向(X軸,Y軸方向)に変
位することになるが、このような場合でも、上記最終目
標位置Ecは仮目標位置Ebに位置変化量Nを加味して
求められているので、チップ部品を正しく装着すること
が可能となる。
【0043】また、上記のような部品実装方法を適用し
た実装機においては、実装時に吸着ノズル21に何らか
の力が作用し、これによりノズル部材20、あるいは吸
着ノズル21に変形が生じた場合であっても、上記位置
変化量Nの値を適宜変更するだけで好適に実装作業に対
応することができるという利点もある。つまり、従来装
置であれば、吸着ノズル21、あるいはノズル部材20
に変形が生じた場合には、その変形が生じた部品の交換
等を行わなければ、正確なチップ部品の実装は望めなか
った。しかし、上記のような部品実装方法を適用した実
装機では、上記のようにソフト的な対応で、正確な実装
作業を行うことができるので、交換部品の到着までに時
間を要するような場合でも、実装作業を継続することが
可能となる。
【0044】なお、上記実施例では、部品認識カメラ2
5の撮像に基づきノズル部材20の回転中心Pに対する
チップ部品の吸着ずれ量を求め、この吸着ずれ量を加味
して仮目標位置Ebを設定することにより、チップ部品
の吸着ずれを補正する場合について説明しているが、例
えば、図7に示すように、吸着されたチップ部品30の
吸着ずれを、ノズル部材20のノズル保持部20aに設
けられた開閉自在な複数のチャック部材31により機械
的に補正するように構成された実装機にも適用可能であ
る。この場合には、上記実施例のフローチャート(図
4)のステップS6に代えて、吸着ノズル21により部
品供給部4からピックアップされたチップ部品の吸着ず
れを、チャック部材31により機械的に補正する動作を
行い、その後、上記実施例同様、ステップS7において
最終目標位置Ecを設定するようにすればよい。
【0045】この際、チップ部品の装着位置Ea(すな
わち、ノズル部材20の当初の移動位置)及び最終目標
位置Ecをそれぞれ、 Ea=(Mx,My,Mr) Mx:X軸座標 My:Y軸座標 Mr:回転角度 Ec=(Ex,Ey,Er) Ex:X軸座標 Ey:Y軸座標 Er:回転角度 とし、吸着ノズルの位置変化量N(X軸方向変化量N
x,Y軸方向変化量Ny)とすると、チップ部品の吸着
ノズル21に対する吸着ずれは既に補正されているの
で、上記実施例のように仮目標位置Ebを求める必要が
なく、従って、 Ex=Nx・cosMr−Ny・sinMr+Mx …(7) Ey=Nx・sinMr+Ny・cosMr+My …(8) Er=Mr …(9) とすることができる。
【0046】そして、上記のように最終目標位置Ecが
設定されると、チップ部品を装着すべくノズル部材20
を上記最終目標位置Ecに移動するようにする。
【0047】このように、チップ部品の吸着ずれを機械
的に補正するような構成の実装機においても、本発明の
部品実装方法を適用することが可能である。また、これ
ら以外にも、レーザ等の光学的手段により吸着ノズルに
対するチップ部品の吸着ずれを検出するような構成の実
装機にも適用可能である。
【0048】また、上記実施例においては、吸着ノズル
21の上昇位置、すなわちチップ部品認識時の位置にあ
る吸着ノズル21先端と、吸着ノズル21の下降位置、
すなわちチップ部品実装時の位置にある吸着ノズル21
先端とにおける、吸着ノズル21の先端中心Sの位置変
化量Nに基づいて吸着ノズル21の最終目標位置Ecを
設定するようにしているが、例えば、吸着ノズル21の
昇降高さに応じて上記位置変化量Nを比例配分するよう
にしてもよい。これによれば、例えば、厚さの異なるチ
ップ部品の実装に際しても有効な最終目標位置Ecの設
定を行うことが可能となりより実装性能を高めることが
可能となる。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
実装動作開始前、あるいは各チップ部品の吸着前毎に、
吸着ノズル昇降時の、吸着ノズル先端中心の仮想平面上
での位置変化量が検出され、この位置変化量がデータと
して確保される。そして、移動目標位置設定の際には、
チップ部品の吸着位置ずれ量を加味して基板に対する移
動目標位置の設定が行なわれ、さらにこの設定移動目標
位置に上記位置変化量を加味して移動目標位置の最終的
な決定がなされることとなる。従って、吸着ノズルが上
昇した位置、すなわち補正位置において移動目標位置の
設定を行っても、上記のように吸着ノズル先端中心の位
置変化量が加味された設定値なので、吸着ノズルが仮想
水平面に対して傾斜、あるいは回転軸に対して偏心して
いるような場合でも正確、かつ確実にチップ部品を基板
上の所定の位置に装着することが可能となり、これによ
りチップ部品の装着性能を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のノズル偏心補正方法が適用される実装
機の一例を示す平面図である。
【図2】同正面図である。
【図3】ノズル部材の回転中心に対する、吸着ノズル上
昇位置での吸着ノズル先端と、これを下降させた際の吸
着ノズル先端とをそれぞれ平面的に表した図である。
【図4】本発明のノズル偏心補正方法が適用される実装
機における実装動作を示すフローチャートである。
【図5】(a)はチップ部品吸着時を示す概略図、
(b)は仮目標位置にチップ部品を移動した際の想定
図、(c)最終目標位置にチップ部品を移動した状態を
示す概略図である。
【図6】ノズル部材が回転れた際の位置変化量を求める
ための論理図である。
【図7】本発明のノズル偏心補正方法が適用される別の
実装機のノズル部分を示す正面図である。
【図8】(a)は、偏心が生じた吸着ノズルの上昇時の
一例を示す斜視略図、(b)は(a)の吸着ノズルが下
降時を示す斜視略図である。
【図9】ノズル部材の回転中心に対する、吸着ノズル上
昇位置での吸着ノズル先端と、これを下降させた際の吸
着ノズル先端とをそれぞれ平面的に表した図である。
【符号の説明】
20 ノズル部材 21 吸着ノズル S 先端中心 P 回転中心

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 仮想水平面上を移動可能なヘッドに回
    並びに昇降可能に装備された吸着ノズルによりチップ部
    品を吸着し、吸着ノズルを上昇させた補正位置でチップ
    部品の吸着ずれ量を求め、このずれ量を加味してチップ
    部品装着時のヘッド等の移動目標位置を設定する実装機
    の部品実装方法において、前記補正位置での吸着ノズル
    先端中心とこの補正位置から下降させたチップ部品装着
    位置での吸着ノズル先端中心との前記水平面上での位置
    変化量を予め検出しておき、この位置変化量をさらに
    味して上記移動目標位置を設定することを特徴とする
    品実装方法
  2. 【請求項2】 仮想水平面上を移動可能なヘッドに回転
    並びに昇降可能に装備された吸着ノズルによりチップ部
    品を吸着し、吸着ノズルを上昇させた補正位置でチップ
    部品の吸着ずれを機械的に補正してから部品を装着する
    部品実装方法において、前記補正位置での吸着ノズル先
    端中心とこの補正位置から下降させたチップ部品装着位
    置での吸着ノズル先端中心との前記水平面上での位置変
    化量を予め検出しておき、この位置変化量を加味してチ
    ップ部品装着時のヘッドの移動目標位置を設定すること
    を特徴とする部品実装方法。
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