JP4597435B2 - 部品実装方法および部品実装装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の吸着ノズルが設けられた吸着部を用い、部品供給部に収容された部品を吸着部のそれぞれの吸着ノズルに吸着させ、この部品を高精度に基板へ実装する部品実装方法および部品実装装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリント基板等に電子部品を自動実装する電子部品実装装置には、移動自在となった吸着部に、電子部品を吸着保持するための吸着ノズルを複数備えたものがある。この種の電子部品実装装置では、吸着ノズルが電子部品の部品供給部と等間隔で設置されるため、電子部品を吸着する際に全ての吸着ノズルを昇降動作させて、これら複数の吸着ノズルにより同時に電子部品を吸着して生産性を向上させることが期待できる。
【0003】
図14に示すように、この種の電子部品実装装置1は、吸着部である移載ヘッド3がX−Y平面上を移動自在となっており、この移載ヘッド3に搭載された複数本(例えば8本)の吸着ノズル5が個別に昇降、回転可能に構成される。この移載ヘッド3は、部品部品供給部7へ移動されて、それぞれの吸着ノズル5に電子部品が吸着される。吸着された電子部品は、部品認識部9でその吸着姿勢が認識される。この認識結果に基づいて電子部品の姿勢補正が行われる。一方、電子部品実装装置1には、移送装置11から搬入されたプリント基板が所定位置に位置決めされ、このプリント基板の所定位置に、上記姿勢補正された電子部品が順次実装されていく。
【0004】
吸着ノズル5が、部品供給部における部品収容ピッチと等間隔で設置される場合には、第1の吸着ノズル5が部品吸着を行える位置にあれば、第2〜第4の吸着ノズル5によっても吸着が可能となる。
【0005】
ところが、上記の電子部品実装装置1は、部品吸着時の位置補正が吸着ノズル5毎に行えず、移載ヘッド3単位でしか行えないため、吸着ノズル5の中心と、電子部品の中心とのずれ量の補正を行わない場合は、比較的安定して吸着が可能な大型の電子部品に対してのみ同時吸着が行われていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
近年、電子機器が小型軽量化されることにより、例えば、0603や1005等と呼ばれる微小サイズの抵抗、コンデンサがチップ状電子部品の主流となりつつあり、このような微小電子部品に対しても、生産性向上の目的から同時吸着の要請が高まっている。
しかしながら、従来の電子部品実装装置は、吸着部全体を移動させることで部品吸着時のずれ量を補正している。このため、吸着ノズルの中心と、電子部品の中心とのずれ量を補正する必要のない大型の電子部品に対しては同時吸着が可能であるが、部品供給部やノズルの寸法公差、平行度等に起因するずれ量の補正をそれぞれの吸着ノズル毎に行う必要がある微小電子部品に対しては、ノズル中心が微小電子部品の中心から大きく外れてしまう場合があり、同時吸着が行えなかった。
【0007】
これに対し、それぞれの吸着ノズルにリニアモータ等を備え、吸着ノズルをそれぞれXY方向に動作可能にし、吸着ノズル毎に補正が行えるようにすれば微小電子部品に対する同時吸着も可能になるが、そのような機構を採用すれば吸着部が大型・複雑化し、またコスト的にも高価となって現実的でなくなる。
【0008】
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、それぞれの吸着ノズル毎に補正を行わなければ同時吸着の行えなかった微小部品に対しても、従来と同様の吸着ノズルを用いて同時吸着が可能になる部品実装方法および部品実装装置を提供し、部品実装の生産性向上を図ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明に係る請求項1に記載の部品実装方法は、複数の吸着ノズルが設けられた吸着部を用い、複数の部品が同時吸着可能に収容される部品供給部に前記吸着部を移動させ、前記部品供給部に収容された部品を複数の吸着ノズルそれぞれに同時に吸着させ、吸着した複数の部品を基板に実装する部品実装方法であって、前記吸着ノズルのずれ量が、同時吸着可能な許容範囲内である吸着ノズルの全てを1つのグループとし、同時吸着可能な許容範囲外の吸着ノズルは別グループに分け、前記グループ毎に同時吸着させる部品実装方法としている。
【0010】
この部品実装方法では、吸着ノズルのずれ量が、同時吸着可能な許容範囲内である吸着ノズルの全てを1つのグループとし、同時吸着可能な許容範囲外の吸着ノズルは別グループに分け、グループ毎に同時吸着させている。これにより、それぞれのグループ毎に吸着部の位置補正が行われ、実質的に個々の吸着ノズル単位での位置補正が可能となり、グループ毎で安定した部品吸着が行えるようになる。従って、微小な部品であっても吸着ノズルへの同時吸着が可能となり、部品実装の生産性向上が図られる。
【0011】
請求項2に記載の部品実装方法は、複数の吸着ノズルが設けられた吸着部を用い、複数の部品が同時吸着可能に収容される部品供給部に前記吸着部を移動させ、前記部品供給部に収容された部品を複数の吸着ノズルそれぞれに同時に吸着させ、吸着した複数の部品を基板に実装する部品実装方法であって、前記吸着ノズルにて吸着する部品と前記吸着ノズルとのずれ量が、同時吸着可能な許容範囲内である吸着ノズルの全てを1つのグループとし、同時吸着可能な許容範囲外の吸着ノズルは別グループに分け、前記グループ毎に同時吸着させる部品実装方法としている。
【0012】
この部品実装方法では、吸着ノズルにて吸着する部品と吸着ノズルとのずれ量が、同時吸着可能な許容範囲内である吸着ノズルの全てを1つのグループとし、同時吸着可能な許容範囲外の吸着ノズルは別グループに分け、グループ毎に同時吸着させている。これにより、それぞれの吸着ノズル位置のバラツキと、それぞれの部品供給部の部品供給位置のバラツキとが補正されるため、全ての吸着ノズルを同時吸着動作させても安定した部品吸着が行われる。
【0013】
請求項3に記載の部品実装方法は、グループ分けしたグループ毎にずれ量に基づき吸着部の位置補正値を算出し、前記吸着部を前記位置補正値による補正をし前記グループ毎に同時吸着させる請求項2に記載の部品実装方法としている。
【0014】
この部品実装方法では、吸着部を位置補正値によって補正し、グループ毎に同時吸着させることにより、各グループで安定した部品吸着が行えるようになる。
【0015】
請求項4に記載の部品実装方法は、吸着部の位置補正値は、それぞれの吸着ノズルの中心と部品吸着位置における部品の中心位置とのずれ量の最大値と最小値との平均値である請求項3に記載の部品実装方法としている。
【0016】
この部品実装方法では、吸着部の位置補正値を、それぞれの吸着ノズルの中心と部品吸着位置における部品の中心位置とのずれ量の最大値と最小値との平均値とすることで、吸着部の移動量が各吸着ノズルに対して平均化するように補正され、より安定した吸着動作が可能となる。
【0017】
請求項5に記載の部品実装方法は、複数の吸着ノズルのそれぞれの位置を検出し、得られた各吸着ノズルの位置から吸着ノズルの中心と部品吸着位置における部品の中心位置とのずれ量を算出する請求項2に記載の部品実装方法としている。
【0018】
この部品実装方法では、各吸着ノズルの位置を検出することで、吸着ノズルの中心と部品吸着位置における部品の中心位置とのずれ量が算出される。
【0019】
請求項6に記載の部品実装方法は、吸着ノズルの先端面を認識して、吸着ノズルの中心位置を検出する請求項5に記載の部品実装方法としている。
【0020】
この部品実装方法では、吸着ノズルの先端面を確認することで、簡単にして吸着ノズルの中心位置を検出できる。
【0021】
請求項7に記載の部品実装方法は、検査治具を吸着ノズルに装着して、吸着ノズルの中心位置を検出する請求項6に記載の部品実装方法としている。
【0022】
この部品実装方法では、吸着ノズルに装着された検査治具を下方から撮像し、吸着ノズルの中心位置に合致する位置又は中心位置の周囲に設けられた中心マークを検出することにより、吸着ノズルの中心位置が得られる。
【0023】
請求項8に記載の部品実装方法は、吸着ノズルの中心と部品の中心とのずれ量を、吸着ノズルへの部品の吸着状態を認識する部品認識装置により求め、部品認識装置により求めた前記ずれ量に応じて、同時吸着させるグループおよび吸着部の前記グループ毎の位置補正値を変更する請求項3に記載の部品実装方法としている。
【0024】
この部品実装方法では、部品認識装置により吸着ノズルの中心と部品の中心とのずれ量を求め、この求めたずれ量に応じて同時吸着させるグループ、および吸着部のグループ毎の位置補正値がそれぞれ変更されるので、実際の吸着ノズルと部品中心とのずれ量に合った安定した同時吸着が実現できる。
【0025】
請求項9に記載の部品実装方法は、部品吸着ミスが許容回数超えて発生した吸着ノズル、または部品吸着率が許容値以下の吸着ノズルは、特定のグループに分けて吸着させる請求項1に記載の部品実装方法としている。
【0026】
この部品実装方法では、各吸着ノズルに吸着力のバラツキがある場合等に、吸着率の低い吸着ノズルに対して、できるだけ部品中心位置に近い箇所を吸着ノズルで吸着するようにする等、よりきめ細かな位置補正が可能になり、各吸着ノズルに対する安定した吸着動作を実現できる。
【0027】
請求項10に記載の部品実装方法は、同時吸着を行うグループ分けを、生産性を優先するモードから部品の吸着率を優先するモードまでの間で多段階に設定されるように、同時吸着可能な許容範囲を多段階に設定可能にした請求項1に記載の部品実装方法としている。
【0028】
この部品実装方法は、同時吸着を行うグループ分けが、生産性(スループット等)を優先するモードから吸着率を優先するモードまでの間で多段階に設定される。つまり、グループの幅である許容範囲の幅Wを、生産性を優先する場合は広く、吸着率を優先する場合は狭く設定する。従って、ユーザーは、目的に応じて選択した任意のモードで吸着動作を行うことができる。
【0029】
請求項11に記載の部品実装方法は、部品供給部における部品の送り量を変化させることで、部品吸着位置における部品の中心と吸着ノズルの中心とのずれ量を補正する請求項2に記載の部品実装方法としている。
【0030】
この部品実装方法では、部品供給部における部品の送り量を変化させることで、部品吸着位置における部品の中心と、吸着ノズルの中心とのずれ量が補正できる。
【0031】
請求項12に記載の部品実装装置は、複数の吸着ノズルが設けられた吸着部と、複数の部品が同時吸着可能に収容される部品供給部と、前記部品供給部に前記吸着部を移動させ、前記部品供給部に収容された部品を複数の吸着ノズルそれぞれに同時に吸着させ、吸着した複数の部品を基板に実装させるように制御する制御部と、を備えた部品実装装置であって、前記制御部は、前記吸着ノズルにて吸着する部品と前記吸着ノズルとのずれ量が、同時吸着可能な許容範囲内である吸着ノズルの全てを1つのグループとし、同時吸着可能な許容範囲外の吸着ノズルは別グループに分け、前記グループ毎に同時吸着させるように制御する部品実装装置としている。
【0032】
この部品実装装置では、制御部が、吸着ノズルにて吸着する部品と吸着ノズルとのずれ量が、同時吸着可能な許容範囲内である吸着ノズルの全てを1つのグループとし、同時吸着可能な許容範囲外の吸着ノズルは別グループに分け、グループ毎に同時吸着させるように制御することにより、それぞれのグループ毎に吸着部の位置補正が行われ、実質的に個々の吸着ノズル単位での位置補正が可能となり、グループ毎で安定した部品吸着が行えるようになる。従って、微小な部品であっても吸着ノズルへの同時吸着が可能となり、部品実装の生産性向上が図られる。
【0033】
請求項13に記載の部品実装装置は、前記制御部が、グループ分けしたグループ毎にずれ量に基づき吸着部の位置補正値を算出し、前記吸着部を前記位置補正値により補正する請求項12に記載の部品実装装置としている。
【0034】
この部品実装装置では、制御部が、吸着部を位置補正値によって補正し、グループ毎に同時吸着させることにより、各グループで安定した部品吸着が行えるようになる。
【0035】
請求項14に記載の部品実装装置は、前記吸着部の位置補正値が、それぞれの吸着ノズルの中心と部品吸着位置における部品の中心位置とのずれ量の最大値と最小値との平均値である請求項13に記載の部品実装装置としている。
【0036】
この部品実装装置では、制御部が、吸着部の位置補正値を、それぞれの吸着ノズルの中心と部品吸着位置における部品の中心位置とのずれ量の最大値と最小値との平均値とすることで、吸着部の移動量が各吸着ノズルに対して平均化するように補正され、より安定した吸着動作が可能となる。
【0037】
請求項15に記載の部品実装装置は、吸着ノズルの中心と部品吸着位置における部品の中心位置とのずれ量について、吸着ノズルの数と部品吸着位置の数との組み合わせ分を記憶したデータベースを備えた請求項12に記載の部品実装装置としている。
【0038】
この部品実装装置では、吸着ノズルの中心と部品吸着位置における部品の中心位置とのずれ量が、吸着ノズルの数と部品吸着位置の数との組み合わせ分記憶したデータベースを備えることで、吸着ノズル中心と部品吸着位置の部品中心とのずれ量を加味して補正を行うことができる。
【0039】
請求項16に記載の部品実装装置は、吸着ノズルへの部品の吸着状態を認識する部品認識装置を備え、前記制御部は、吸着ノズルの中心と部品の中心とのずれ量を、前記部品認識装置により求め、前記ずれ量に応じて、同時吸着させるグループおよび吸着部の前記グループ毎の位置補正値を変更する請求項13に記載の部品実装装置としている。
【0040】
この部品実装装置では、制御部が吸着ノズルの中心と部品の中心とのずれ量を求め、このずれ量に応じて、同時吸着させるグループおよび吸着部のグループ毎の位置補正値が変更される。これにより、実際の吸着ノズルと部品中心とのずれ量に合った安定した同時吸着が実現できる。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る部品実装方法および部品実装装置の好適な実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
最初に、本発明に係る部品実装方法に用いられる電子部品実装装置を説明する。
図1は本発明に用いられる電子部品実装装置の斜視図、図2は吸着部としての移載ヘッドの拡大斜視図、図3は電子部品実装装置の概略的な平面図、図4は電子部品実装装置の構成を示すブロック図である。
【0042】
電子部品実装装置100は、多面取り基板や異種混合基板等の複数の小基板からなる回路基板に対して、従来のステップリピート方式やパターンリピート方式を改良した展開方式を選択的に切り替えて実装することを可能にし、さらに、一枚取り基板その他の回路基板においても、部品を複数の吸着ノズル34により同時吸着することにより、実装効率を高めて実装時間の短縮化を図っている。
【0043】
図1に示すように、電子部品実装装置100の基台10上面中央のローダ部16、基板保持部18、アンローダ部20には、それぞれ、回路基板12の一対のガイドレール14が設けられ、この各一対のガイドレール14のそれぞれに備えられた搬送ベルトの同期駆動によって、回路基板12は一端側のローダ部16の一対のガイドレール14から部品例えば電子部品を実装する位置に設けた基板保持部18の一対のガイドレール14に、また、基板保持部18の一対のガイドレール14から他端側のアンローダ部20の一対のガイドレール14に搬送される。基板保持部18では、搬送されてきた回路基板12を位置決め保持して部品装着に備える。
【0044】
回路基板12の上方の基台10の上面の両側部にはY軸ロボット22,24がそれぞれ設けられ、これら2つのY軸ロボット22,24の間にはX軸ロボット26が懸架されて、Y軸ロボット22,24の駆動によりX軸ロボット26がY軸方向に進退可能となっている。また、X軸ロボット26には移載ヘッド28が取り付けられて、移載ヘッド28がX軸方向に進退可能となっており、これにより、移載ヘッド28をX−Y平面内で移動可能にしている。各ロボットは、例えば、モータによりボールネジを正逆回転させ、上記ボールネジに螺号したナット部材をそれぞれの軸方向に進退可能とし、上記ナット部材に進退させるべき部材を固定させることにより構成している。
【0045】
上記X軸ロボット26、Y軸ロボット22,24からなるXYロボット(移載ヘッド移動装置の一部)上に載置され、X−Y平面(例えば、水平面又は基台10の上面に大略平行な面)上を自在移動する移載ヘッド28は、例えば抵抗チップやチップコンデンサ等の電子部品が供給される部品供給部の一例としての複数のパーツフィーダ30、又はSOP(「SOP」はSmall Outline Packageの略)やQFP(「QFP」はQuad Flat Packageの略)等のICやコネクタ等の比較的大型の電子部品が供給される部品供給部の別の例としてのパーツトレイ32から、所望の電子部品を吸着ノズル34により吸着して、回路基板12の部品装着位置に装着できるように構成されている。このような電子部品の実装動作は、記憶部1001に記憶され予め設定された実装プログラムに基づいて、図4の制御部52により制御される。
【0046】
これらパーツフィーダ30及びパーツトレイ32が部品供給部の例に相当する。また、部品供給部の部品の配列間隔とは、パーツフィーダ30では隣接するパーツフィーダ30の部品供給口間の間隔を意味し、パーツトレイ32ではパーツトレイ32内の各部品を収納する収納凹部間の間隔を意味する。
パーツフィーダ30は、一対のガイドレール14の搬送方向における両側(図1の右上側と左下側)に多数個並設されており、各パーツフィーダ30には、例えば多数の抵抗チップやチップコンデンサ等の電子部品が収容されたテープ状の部品ロールがそれぞれ取り付けられている。
また、パーツトレイ32は、一対のガイドレール14の基板搬送方向と直交する方向が長尺となるトレイ32aが計2個載置可能で、各トレイ32aは部品の供給個数に応じて一対のガイドレール14側にスライドして、Y方向の部品取り出し位置を一定位置に保つ構成となっている。このトレイ32a上には、多数のQFP等の電子部品が載置される。
【0047】
一対のガイドレール14に位置決めされた回路基板12の側方には、吸着ノズル34に吸着された電子部品の二次元的な位置ずれ(吸着姿勢)を検出して、この位置ずれをキャンセルするように移載ヘッド28側で補正させるための部品認識装置36が設けられている。
【0048】
移載ヘッド28は、図2に示すように、部品保持装置の一例としての複数個(本実施形態では4個)の装着ヘッド(第1装着ヘッド38a、第2装着ヘッド38b、第3装着ヘッド38c、第4装着ヘッド38d)を横並びに連結した多連式ヘッドとして構成している。4個の装着ヘッド38a、38b、38c、38dは同一構造であって、各装着ヘッドは、吸着ノズル34と、吸着ノズル34に上下動作を行わせるためのアクチュエータ40と、プーリ46とを備える。第1装着ヘッド38aのプーリ46及び第3装着ヘッド38cのプーリ46にはタイミングベルト44によりθ回転用モータ42aの正逆回転駆動力が伝達されて、両方の吸着ノズル34に同時的にθ回転(吸着ノズル34の軸芯回りの回転)を行わせるようにしている。また、第2装着ヘッド38bのプーリ46及び第4装着ヘッド38dのプーリ46にはタイミングベルト44によりθ回転用モータ42bの正逆回転駆動力が伝達されて、両方の吸着ノズル34に同時的にθ回転を行わせるようにしている。
【0049】
各アクチュエータ40は、例えばエアシリンダにより構成し、エアシリンダのオン・オフにより吸着ノズルを上下動させて、選択的に部品保持又は部品装着動作を行えるようにする。なお、図2に示す通り、θ回転用モータ42aの動力がタイミングベルト44で伝達され、装着ヘッド38a,38cの吸着ノズル34をそれぞれθ回転させ、θ回転用モータ42bの動力がタイミングベルト44で伝達され、装着ヘッド38b,38dの吸着ノズル34をθ回転させるように構成しているが、このような構成は一例であって、各装着ヘッド38a,38b,38c,38d、それぞれに個別にθ回転させるθ回転用駆動モータが備えられた構成であっても構わない。しかし、移載ヘッド28の重量を小さくするためには、θ回転させるθ回転用駆動モータの数が少ない方が好適である。
【0050】
各装着ヘッドの吸着ノズル34は交換可能であり、交換する予備の吸着ノズルは電子部品実装装置100の基台10上のノズルストッカ48に予め収容されている。吸着ノズル34には、例えば1.0×0.5mm程度の微小チップ部品を吸着するSサイズノズル、18mm角のQFPを吸着するMサイズノズル等があり、装着する電子部品の種類に応じて使用される。
【0051】
上記構成の電子部品実装装置の動作を以下に説明する。
図3に示すように、一対のガイドレール14のローダ部16から搬入された回路基板12が基板保持部18に搬送されると、移載ヘッド28はXYロボットにより横方向言い換えればX−Y平面内で移動して、パーツフィーダ30又はパーツトレイ32から所望の電子部品を吸着し、部品認識装置36の姿勢認識カメラ上に移動して電子部品の吸着姿勢を確認し、認識結果に基づきθ回転用モータを駆動して吸着ノズル34をθ回転させて吸着姿勢の補正動作を行う。その後、回路基板12の部品装着位置に電子部品を装着する。
【0052】
各装着ヘッド38a,38b,38c,38dは、パーツフィーダ30又はパーツトレイ32から吸着ノズル34により電子部品を吸着するとき、及び、回路基板12の部品装着位置に電子部品を装着するとき、吸着ノズル34をアクチュエータ40の作動によりX−Y平面上から上下方向(Z方向)に下降させる。また、電子部品の種類に応じて、吸着ノズル34を適宜交換して装着動作が行われる。
上記の電子部品の吸着、回路基板12への装着動作の繰り返しにより、回路基板12に対する電子部品の実装を完了させる。実装が完了した回路基板12は基板保持部18からアンローダ部20へ搬出される一方、新たな回路基板がローダ部16から基板保持部18に搬入され、上記動作が繰り返される。
【0053】
このような回路基板12に対する電子部品の基本実装動作中において、複数の吸着ノズル34のそれぞれに電子部品を吸着して回路基板12に実装する本実施の形態の電子部品実装方法が実施される。
ここで、吸着部を構成する複数個の吸着ノズルが部品供給部の供給位置と等間隔又は部品供給位置の間隔の倍数で設置された場合には、複数の吸着ノズルにより電子部品を同時に吸着することができる。しかし、それぞれの吸着ノズル34に対する位置のバラツキと、部品供給部30,32に起因する部品供給位置のずれによる電子部品62の中心62aのバラツキとのために、双方の間に位置ずれが生じることになる。
【0054】
具体的には、まず、各吸着ノズル34の中心位置のバラツキは、各吸着ノズル34に検査治具を取り付けた後、この検査治具を下方の部品認識装置36により認識し、その認識結果に基づいて算出する。検査治具は、部品認識装置36で撮像した結果、吸着ノズル34の中心位置を認識できるものであればどのようなものでも構わない。図5に検査治具80の一例を示した。即ち、図5(a)は検査治具80を吸着ノズルの先端に仮装着した様子を示す図であり、図5(b)〜(d)は、これを下方から見た図である。検査治具80には、吸着ノズル34の中心位置に合致する位置、若しくはその周囲に中心マーク81が設けられている。部品認識装置36は、この中心マーク81を識別することにより、吸着ノズル34の中心位置を算出することができる。中心マーク81は丸状、クロスライン、輪状など様々なものを用いても構わない。なお、検査治具80は、検査治具80を吸着ノズル34に装着した時の誤差はない精密なものとし、検査治具80により検出された吸着ノズル34の中心位置が本来の吸着ノズル34の中心位置からずれることはないものとする。
【0055】
また、吸着ノズル34の中心位置を求めるために、上記した検査治具を用いずに、吸着ノズル34の先端面を下方から撮像し、吸着ノズル34の先端面を画像処理することにより、その中心位置を算出するものでも構わない。
また、吸着ノズル34の中心位置を上記のように一定の吸着ノズル34の回転角度の状態で認識して求めるのではなく、吸着ノズル34を単独で又は検査治具80で装着した吸着ノズル34を0゜,90゜,180゜,270゜と回転させたそれぞれの角度の状態で求めた吸着ノズル34の中心位置から吸着ノズル34の回転中心を算出し、その回転中心を吸着ノズル34の中心位置とするものとすると更に好適である。こうすることにより、吸着ノズル34の軸心の偏心をも考慮した吸着ノズル34のずれ量を求めることができる。
また、更に検査治具80を吸着ノズル34の先端に装着するのではなく、吸着ノズル34に代わって先端に中心マーク81を付した検査治具を移載ヘッド28に装着させ、部品認識装置36により中心位置を認識するものでも構わない。
【0056】
ここで、図6に一例を示すように、検査治具を付けて測定した各吸着ノズル34の中心位置34a,34b,34c,34dはバラツキを有しており、これら中心位置の平均値によって真のノズル中心63を求める。
【0057】
また、図7は、図6の各吸着ノズルの中心位置34a,34b,34c,34dを示した図に、それぞれの吸着ノズルが吸着する部品62の中心62aのバラツキ状況を重ねた事例を示し、真のノズル中心63に部品62の中心62aの平均ラインを重ねたものである。そして、この電子部品の中心62aを基準として各吸着ノズルのバラツキを図示すると図8のようになる。即ち、図7に示す電子部品の中心62aを一直線上にシフトして部品62を整列させたときの各吸着ノズルとの相対的なずれ量は、図8に示す電子部品と吸着ノズルとの位置関係に示すように、ある任意の値の範囲を示しているエリアWの範囲内に含まれている。ここで、ある任意の値とは、同時吸着が可能としたずれ量の許容範囲を示し、チップ部品の短辺の10〜30%の値が設定され、例えば1005部品においては、その部品サイズから0.1mm、0603部品においては0.05mmが用いられる。
【0058】
図8に示す状態では、それぞれの吸着ノズル34の中心34a,34b,34c,34dがエリアWの範囲内に含まれているので、全ての吸着ノズル34を同一のグループ(Aグループ)として扱い、全ての吸着ノズル34に同時に電子部品を吸着する。なお、ここでは、電子部品の中心62aと吸着ノズルの中心34a,34b,34c,34dのずれ量の最大値A1と最小値A2との平均値(A1+A2)/2を位置補正値として用い、吸着ノズル34の吸着位置の位置補正を行う。
つまり、真のノズル中心63のラインが部品62の中心62aの平均ラインに対して、この位置補正値分ずらして位置させるように補正を行う。
なお、図8において、図の上方にある程ずれが大きいものとし、下方にある程ずれ量が小さいものとする。部品中心62aより上方がプラス値、下方がマイナス値になる。この例では、34dが最大値で34aが最小値となる。
【0059】
一方、図9に示した状態の場合には、それぞれの吸着ノズル34の中心位置のバラツキと、部品供給部30,32に対する電子部品位置のバラツキとによる電子部品中心62aと吸着ノズル中心34a,34b,34c,34dとのずれ量の範囲が、ある任意の値の範囲であるエリアW1(上記Wと同一の幅とする)の範囲を超えてしまっている。この場合には、各吸着ノズル34に対して1回だけの同時吸着動作では安定して電子部品を吸着することができない。このため、同時に安定して吸着できる吸着ノズル34をグループに分けし、グループ毎に同時吸着動作を行うことにより安定した吸着動作を実現する。即ち、図9に示す例では、吸着ノズルの中心34a,34b(左側2つの吸着ノズルからなるBグループ)と、吸着ノズルの中心34c,34d(右側2つの吸着ノズルからなるCグループ)とにグループ分けを行う。そして、各グループに対してそれぞれ同様に位置補正値を求め吸着位置の補正を行う。
【0060】
次に、上記した電子部品実装方法を、図10に示す電子部品実装方法の手順を示すフローチャートに基づいて、より詳細に説明する。
まず、各吸着ノズル34に検査治具を取り付け、部品認識装置36によってこの検査治具を認識することで各吸着ノズル34の中心位置を測定する。得られた各吸着ノズル34の中心位置の平均位置(真のノズル中心63、図6参照)を求め、この真のノズル中心63からのずれ量を初期値として取得する(ステップ1、以降はS1と略記する)。
【0061】
この値は、吸着ノズル34毎のずれ量となる。これに対し、部品供給部30,32における電子部品吸着位置で吸着した電子部品中心62aと吸着ノズル中心34a,34b,34c,34dとのずれ量は、部品供給部30,32の真の位置からのずれ量も含むことになる。つまり、具体的に図7の吸着ノズル中心34dの例で示すと、電子部品吸着位置における吸着ノズル中心34dと部品中心62aとのずれ量d0は、真のノズル中心63に対する吸着ノズル中心34dのずれ量d1と、真の部品供給部中心に対する部品供給部30,32の電子部品位置のずれ量d2とを合算したものとなる(図7において吸着ノズル中心34の真のノズル中心63からのずれ量は図の上方をプラスに、部品中心62aの真のノズル中心63(真の部品中心)からのずれ量は、図の下方をプラスに設定している。このためd2は負の値となる。)。そのため、電子部品実装装置100は、[部品供給部における部品収容部数(パーツフィーダ30やパーツトレイ32の搭載個数に相当)]と[吸着ノズルの数]との組み合わせ分のノズルずれ量データをデータベース部1003(図4)に保有するようになっている。なお、初期値の入力は、部品供給部30,32のずれ量を0として吸着ノズル34のずれ量のみ入力することにより行う。但し、予め部品の中心位置62aの定常的なずれ量がわかっているときは、ここでそのずれ量も入力する。
【0062】
次に、S1で得られた各吸着ノズル34のずれ量の最大値と最小値を求め、この差がある任意の値W1以下であるか判定する(S2)。なお、W1はWの中で1回目のグループを設定するための任意の値を意味する。後述するW2は同様に2回目のグループを設定するための任意の値である。差がW1以下である場合は、全ての吸着ノズル34を同時吸着動作させても安定吸着が行えるので、全ての吸着ノズル34を1つのグループに設定する(S3)。一方、差がW1より大きい場合は、安定して吸着できるように各吸着ノズル34に対してグループ分けを行う。
【0063】
このグループ化処理は、図9に示すように、まず、部品中心62aからのずれ量が最大の吸着ノズル34aから任意の値である範囲W1内のノズルずれ量となる吸着ノズルを抽出し、これらをグループ化する(S4)。即ち、吸着ノズル34aと34bが範囲W1内に含まれるため同一のグループ(Bグループ)となる。
次いで、全ての吸着ノズル34がグループ化されたか判定を行い(S5)、グループ化されていない吸着ノズルが残っている場合は、S4に戻りグループ化処理を繰り返す。即ち、範囲W1に続いて設定されW1と同幅の範囲W2内のノズルずれ量となる吸着ノズルを抽出し、これらをグループ化する。すると、吸着ノズル34c,34dが範囲W2に含まれるため同一のグループ(Cグループ)となる。
【0064】
このようにしてグループ化を終了した後に、グループ毎に位置補正値の算出を行う(S6)。この位置補正値は、各グループのノズルずれ量の最大値と最小値の平均値を用いる。即ち、Bグループ(最大値B1,最小値B2)の位置補正値には(B1+B2)/2を用い、Cグループ(最大値C1,最小値C2)の位置補正値には(C1+C2)/2を用いる。
次いで、位置補正値に応じて移載ヘッド28の位置補正を行い、設定したグループ毎に同時吸着動作により電子部品を吸着ノズル34に吸着させる(S7)。
グループ毎に同時吸着し、全ての吸着ノズル34に部品を吸着させると、移載ヘッド28を部品認識装置36上へ移動させ、吸着した全ての部品の認識を行う(S8)。そして、S8で各部品の認識した結果により、それぞれ部品中心62aと吸着ノズル中心とのずれ量を補正して実装位置への部品の実装を行う(S9)。
【0065】
そして、全ての実装が正常に終了したか否かの判断を行い(S10)、終了した場合は処理を終了する。正常に部品を吸着できなかった吸着ノズル34があった、又はS8の認識結果で移載ヘッドの位置補正したにもかかわらず、部品中心と吸着ノズル中心とのずれ量が許容値Wを超えていた等の理由で、全ての実装を正常に終了できない場合は、部品認識装置36から得られた画像データより算出した、吸着ノズル中心34a,34b,34c,34dと電子部品中心62aとのずれ量について、それぞれの吸着ノズル34と部品供給部30,32における部品中心とのずれ量をデータとしてデータベース部1003への更新を行う(S11)。データへの登録を行った後は、S2に戻りS11で更新したずれ量に基づき上記S2〜S10の処理を繰り返す。
なお、S10の全て実装が終了したか否かの判断は、実装プログラムの最後まで終了(回路基板1枚分の実装が終了)したか否かという判断でも構わない。その場合、S8の認識結果を実装プログラムの1スキャン分記憶しておき、S11のずれ量の更新した結果が次の回路基板への実装に反映されるものとなる。
【0066】
上記の例では、部品供給部30,32における電子部品62の送り出し方向に対する補正について説明を行ったが、電子部品62の送り出し方向に対して直交する方向に対しても同様にして補正を行う。この時にグループ分けに用いる任意の値としては、例えば1005の部品では0.2mm、0603の部品では0.1mmが用いられる。
【0067】
このように、本実施形態の電子部品実装方法においては、それぞれの吸着ノズル34位置のバラツキと、それぞれの部品供給部30,32の部品供給位置のバラツキとを補正するため、部品中心に対する各吸着ノズル34のずれ量の最大値と最小値との差が所定の値以下の場合には、吸着ノズル34と電子部品62とが許容範囲内の位置精度で配置されていると判断され、全ての吸着ノズル34を同時吸着動作させても安定した部品吸着が行われる。
【0068】
一方、ずれ量の最大値と最小値との差が所定の値より大きい場合には、ずれ量が所定の値以下となる吸着ノズル34のグループ、即ち、許容範囲内で配置された吸着ノズルのグループと、許容範囲外に配置された他のグループとに分けられ、それぞれのグループ毎に移載ヘッド28の位置補正が行われる。従って、実質的に個々の吸着ノズル単位での位置補正が可能になり、グループ毎で安定した部品吸着が行え、例えば0603、1005等の微小な抵抗、コンデンサに対しても高精度な安定吸着が可能となる。
【0069】
また、各吸着ノズル34の中心34a,34b,34c,34dが許容範囲内に含まれている状態では、そのままの状態であってもグループ内全ての吸着ノズル34による同時吸着が可能となるが、上述のずれ量の最大値と最小値との平均値を用いて移載ヘッド28が位置補正されることで、移載ヘッド28の移動量が各吸着ノズル34a,34b,34c,34dに対して平均化するように補正され、より安定した吸着が可能となる。
【0070】
さらに、本実施形態の電子部品の実装方法では、電子部品の実装時に部品吸着の度に得られる部品認識装置36からの画像データに基づいて、吸着ノズル34の中心と電子部品62の中心62aとのずれ量を検出し(S8,S11)、このずれ量に応じて吸着部の位置補正値及び同時吸着動作させるグループを変更することもできる。これによれば、寸法交差等に起因する定常的なずれ以外のずれ、即ち、各吸着時に発生する変動的なずれに対しても、この変化に追従したフレキシブルな位置補正が可能となる。なお、位置補正値やグループの変更は、部品吸着の度に行う他にも、所定回数、所定時間経過後に行ったり、ずれ量が所定値以上となったときに行ってもよい。
また、本実施の形態では、図10のS1にて、部品中心位置62aのバラツキを0とする、又は、予めわかっている値を入力するものとしたが、移載ヘッド28に設けたカメラにより部品吸着前に部品吸着位置にある部品を撮像し、部品中心位置62aのずれ量を求めるものでも構わない。
【0071】
次に、本発明に係る電子部品実装方法の第2の実施の形態を図11のフローチャートに基づき説明する。
この実施の形態による電子部品実装方法は、部品吸着ミスが所定の回数発生した吸着ノズル34又は電子部品の吸着率が所定の値以下の吸着ノズル34に対しては、上述したグループとは異なる特定のグループに分けて吸着動作させる(S22)。ここで、特定のグループとは、例えば、許容範囲内の幅Wを通常のグループより狭く設定して得られるグループである(S27のWs)。
【0072】
この電子部品実装方法によれば、部品吸着ミスが所定の回数発生した吸着ノズル34、又は電子部品の吸着率が所定の値以下の吸着ノズル34が特定のグループに分けられ、この特定のグループで移載ヘッド28が位置補正される。このため、各吸着ノズルに吸着力のバラツキがある場合等に、吸着率の低い吸着ノズル34に対して、できるだけ部品中心位置に近い箇所を吸着ノズル34で吸着するようにする等、よりきめ細かな位置補正が可能になり、各吸着ノズル34に対する安定した吸着動作を実現できる。
なお、吸着率が所定の値以下の吸着ノズル34を特定のグループでなく通常のグループ(許容範囲内の幅W)に含めて、この吸着率が低い吸着ノズルを幅Wの中心に位置させるものであっても構わない。
【0073】
次に、本発明に係る電子部品実装方法の第3の実施の形態を図12のフローチャートに基づき説明する。
この実施の形態による電子部品実装方法は、同時吸着を行うグループ分けが、生産性(スループット等)を優先するモードから吸着率を優先するモードまでの間で多段階に設定される。具体的には、グループの幅である許容範囲の幅Wを多段階に設定する。生産性を優先する場合はWを広く(S43)、吸着率を優先する場合はWを狭く(S44)設定する。従って、ユーザーは、目的に応じて選択した任意のモードで吸着動作を行うことができる(S42)。
【0074】
この電子部品実装方法によれば、上記したグループ分けに使用される吸着ノズル34の中心と、電子部品吸着位置における電子部品62の中心62aとのずれ量の値が、ユーザーによって選択可能になり、電子部品62、又は吸着ノズル34に適したモードでのグループ分けが可能となる。また、この際の選択は、段階的に設定されたモードを選択するだけでよいので、操作性も高めることができる。
例えば、生産性を優先する段階から吸着率を優先する段階を予め5段階等に設定して準備しておき、ユーザーは、これら予め準備された段階のうち、いずれかの段階を選択的に設定することで、目的に応じた適切な吸着動作を容易に得ることができる。
【0075】
次に、本発明に係る電子部品実装方法の第4の実施の形態を説明する。
この実施の形態による電子部品実装方法は、それぞれの部品供給部30,32における電子部品62の送り量を変化させることで、電子部品吸着位置における電子部品62の中心62aと、吸着ノズル34の中心とのずれ量を補正する。
【0076】
本実施形態においては、それぞれの部品供給部30,32に電子部品62の送り量を任意に換えられる部品送り機構が設置される。これにより、電子部品62を吸着する際に、吸着する電子部品62の中心と吸着ノズルの中心とのずれ量を、部品送り量を変化させることにより補正する。
【0077】
図13に部品送り機構の制御ブロック図を示した。図13に示す部品送り機構71は、部品供給部30,32において収容された電子部品62を部品送り方向へ移動させる部品送り機75を有している。部品送り機75は、例えばコンベアを駆動させることによりコンベア上に載置された電子部品62を送り方向の上流・下流側へ移動させる。この部品送り機75は、電子部品実装装置100の制御部77によって駆動制御される。
【0078】
この部品送り機構によれば、吸着ノズルに吸着された電子部品の姿勢を部品認識装置36により撮像した画像データが制御部77に送られると、制御部77がこの画像データによって吸着ノズルに吸着されている電子部品62の中心とノズル中心のずれ量を算出し、ずれ量のフィードバック制御を行う。即ち、制御部77は、部品送り機75へ算出したずれ量に基づく指令を送り、各部品供給部毎にずれ量の補正を行う。なお、送り方向と直交方向の補正については、上述した電子部品実装方法に基づいて補正量を算出し、移載ヘッド28の動作モータ79に指令を送り、移載ヘッド28側で補正を行う。
【0079】
この実施の形態による電子部品実装方法によれば、それぞれの部品供給部30,32における電子部品62の送り量が任意に変えられることにより、電子部品62を吸着した際、この吸着された電子部品62の中心と吸着ノズルの中心とのずれが、各部品供給部30,32の部品送り量を変化させることにより補正可能となるため、ずれ量が補正されてより安定した状態で同時吸着動作が可能となる。
【0080】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明に係る部品実装方法および部品実装装置によれば、複数の部品が同時吸着可能に収容される部品供給部に吸着部を移動させ、部品供給部に収容された部品を複数の吸着ノズルそれぞれに同時に吸着させ、吸着した複数の部品を基板に実装する際に、吸着ノズルのずれ量が、同時吸着可能な許容範囲内である吸着ノズルの全てを1つのグループとし、同時吸着可能な許容範囲外の吸着ノズルは別グループに分け、これらグループ毎に同時吸着させることにより、それぞれのグループ毎に吸着部の位置補正が行われ、実質的に個々の吸着ノズル単位での位置補正が可能となり、グループ毎で安定した部品吸着が行えるようになる。従って、従来と同様の吸着部単位での位置補正がなされる吸着ノズルを用いても、微小な部品を吸着ノズルへ同時吸着させることが可能となり、部品実装の生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いられる電子部品実装装置の斜視図である。
【図2】移載ヘッドの拡大斜視図である。
【図3】部品実装装置の概略的な平面図である。
【図4】電子部品実装装置の構成を示すブロック図である。
【図5】検査治具を吸着ノズルの先端に仮装着した様子と検査治具を下方から見た様子を示す図である。
【図6】実際の吸着ノズル中心と真の吸着ノズル中心との位置関係を示す図である。
【図7】実際の吸着ノズル中心と電子部品中心との位置関係を示す図である。
【図8】部品供給部にセットされた電子部品と吸着ノズルとの位置関係が1グループとなる場合の説明図である。
【図9】部品供給部にセットされた電子部品と吸着ノズルとの位置関係が複数グループとなる場合の説明図である。
【図10】本発明の第1の実施の形態における電子部品実装方法の手順を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第2の実施の形態における電子部品実装方法の手順を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第3の実施の形態における電子部品実装方法の手順を示すフローチャートである。
【図13】本発明の第4の実施の形態における部品送り機構の制御ブロック図である。
【図14】従来の電子部品実装方法に用いられる電子部品実装装置の概略構成図である。
【符号の説明】
12 回路基板
28 移載ヘッド(吸着部)
30 パーツフィーダ(部品供給部)
32 パーツトレイ(部品供給部)
34 吸着ノズル
47a 吸着ノズルの中心
36 部品認識装置
62 電子部品
62a 電子部品の中心
100 電子部品実装装置
Claims (2)
- 複数の吸着ノズルが設けられた吸着部を用い、複数の部品が同時吸着可能に収容される部品供給部に前記吸着部を移動させ、前記部品供給部に収容された部品を複数の吸着ノズルそれぞれに同時に吸着させ、吸着した複数の部品を基板に実装する部品実装方法であって、
前記吸着ノズルにて吸着する部品と前記吸着ノズルとのずれ量が、同時吸着可能な許容範囲内である吸着ノズルの全てを1つのグループとし、同時吸着可能な許容範囲外の吸着ノズルは別グループに分け、前記グループ毎に同時吸着させ、
グループ分けしたグループ毎にずれ量に基づき吸着部の位置補正値を算出し、前記吸着部を前記位置補正値による補正をし、
前記吸着部の位置補正値は、それぞれの吸着ノズルの中心と部品吸着位置における部品の中心位置とのずれ量の最大値と最小値との平均値である、
部品実装方法。 - 複数の吸着ノズルが設けられた吸着部と、複数の部品が同時吸着可能に収容される部品供給部と、前記部品供給部に前記吸着部を移動させ、前記部品供給部に収容された部品を複数の吸着ノズルそれぞれに同時に吸着させ、吸着した複数の部品を基板に実装させるように制御する制御部と、を備えた部品実装装置であって、
前記制御部は、
前記吸着ノズルにて吸着する部品と前記吸着ノズルとのずれ量が、同時吸着可能な許容範囲内である吸着ノズルの全てを1つのグループとし、同時吸着可能な許容範囲外の吸着ノズルは別グループに分け、前記グループ毎に同時吸着させるように制御し、
前記制御部は、
グループ分けしたグループ毎にずれ量に基づき吸着部の位置補正値を算出し、前記吸着部を前記位置補正値により補正し、
前記吸着部の位置補正値は、それぞれの吸着ノズルの中心と部品吸着位置における部品の中心位置とのずれ量の最大値と最小値との平均値である、
部品実装装置。
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