JP6849547B2 - 部品保持具の偏心補正方法 - Google Patents

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Description

本発明は、部品を保持する部品保持具を備えた部品実装装置における、前記部品保持具の偏心補正方法に関する。
部品実装装置は、昇降及び回転が可能なシャフト及び該シャフトに装着された吸着ノズル(部品保持具)を有し、前記吸着ノズルにて保持された部品をプリント基板に搭載する実装用ヘッドを備える。部品の実装に際しては高い搭載精度が求められるが、前記吸着ノズルの偏心がこれを阻害する場合がある。前記偏心は、前記シャフトの傾きや曲がり、或いは前記実装用ヘッドが組み付けられるヘッドユニット自体の傾きなどにより、前記吸着ノズルが鉛直軸に沿って下降しないことによって生じる。従って、前記吸着ノズルのXYZ方向の移動制御には、前記偏心に応じた補正が必要となる。特許文献1には、この補正に関する技術が開示されている。
前記偏心の補正のためには、前記吸着ノズルの偏心量を正確に求めることが肝要である。従来は、部品認識カメラにて前記吸着ノズルに吸着された供試部品を撮像させ、所定の認識高さ位置における部品保持位置を認識させ、次いで前記供試部品を部品搭載面に実際に搭載させて部品搭載位置を求めるという搭載測定が行われている。そして、前記部品保持位置と前記部品搭載位置とのズレ量から、補正値が求められている。前記実装用ヘッドにおいて、前記シャフトの回転によって部品搭載角度を変更できるが、その回転角度(例えば0度、90度、180度、−90度)ごとに前記吸着ノズルの偏心に依存するズレが生じる。このため、各々の実装用ヘッドについて、前記搭載測定を前記回転角度ごとに実行する必要があり、多くの時間と手間を要していた。
特開2009−164276号公報
本発明の目的は、部品実装装置が備える部品保持具の偏心補正のために要する作業量を軽減することができる部品保持具の偏心補正方法を提供することにある。
本発明の一局面に係る部品保持具の偏心補正方法は、昇降及び回転が可能なシャフト及び該シャフトに装着された部品保持具を有し、前記部品保持具にて保持された部品を部品搭載面に搭載する実装用ヘッドと、前記実装用ヘッドが搭載されたヘッドユニットと、前記ヘッドユニットを支持するベース部と、前記ヘッドユニットに組付けられ前記部品保持具に保持された部品を撮像する第1カメラと、前記ベース部に組み付けられ前記部品保持具に保持された部品を下方から撮像する第2カメラと、を備える部品実装装置における、前記部品保持具の偏心補正方法であって、予め定められた前記部品保持具の所定位置若しくは前記シャフトの所定位置からなるヘッド基準位置を、前記実装用ヘッドの昇降方向における第1認識高さで前記第1カメラによって撮像させ、撮像された画像に基づき前記第1認識高さにおける前記ヘッド基準位置の標準位置に対する第1偏心量を求めるステップと、前記ヘッド基準位置を、前記第1認識高さとは前記昇降方向の高さ位置が異なる第2認識高さで前記第2カメラによって撮像させ、撮像された画像に基づき前記第2認識高さにおける前記ヘッド基準位置の標準位置に対する第2偏心量を求めるステップと、前記第1偏心量と前記第2偏心量とから、前記部品搭載面における前記ヘッド基準位置の標準位置に対する第3偏心量を算出するステップと、前記第3偏心量に基づいて、前記第1認識高さにおける第1偏心補正値と第2認識高さにおける第2偏心補正値とを求め、これら第1、第2偏心補正値を前記部品実装装置が備える記憶手段に記憶させるステップと、を備える。
この偏心補正方法によれば、実際に前記部品搭載面へ部品を搭載するのではなく、異なる認識高さにおいて得られた前記第1偏心量と前記第2偏心量とから、前記部品搭載面における前記第3偏心量が算出される。このため、部品実装装置を組み立てた後の初期調整時に、手間を要する搭載測定、すなわち部品搭載角度ごとに実際に供試部品を前記部品搭載面へ搭載する工程を省くことができる。従って、前記部品保持具の偏心補正のために要する作業量を軽減することができる。
上記の偏心補正方法において、前記部品保持具に部品を保持させて、前記第1認識高さにおいて前記部品の保持位置を求めると共に、前記保持された部品を前記部品搭載面に搭載させて前記部品の搭載位置を求め、前記保持位置と前記搭載位置とのズレに基づいて、前記第1認識高さにおける第1搭載補正値を求めるステップと、前記第1偏心補正値と前記第1搭載補正値との関係と第2偏心補正値とから、前記第2認識高さに保持された前記部品の保持位置と、前記保持された部品が前記部品搭載面に搭載されたと仮定した場合の前記部品の搭載位置とのズレを推定して、前記第2認識高さにおける第2搭載補正値を求めるステップと、前記第1、第2搭載補正値を前記記憶手段に記憶させるステップと、
をさらに備えることが望ましい。
実際の部品搭載においては、前記部品保持具の偏心に加え、その他の要因によって、前記部品搭載面における部品の搭載位置にズレが発生することがある。前記他の要因を含んだ搭載位置のズレを正確に求めるには、やはり実際に部品を前記部品搭載面に搭載する必要がある。上記の偏心補正方法によれば、前記第1認識高さについては、実際に前記部品保持具に部品を保持させると共に前記部品搭載面に当該部品を搭載することで、第1搭載補正値を実測により求める。一方、前記第2認識高さについては、実測を行わず、前記第1偏心補正値と前記第1搭載補正値との関係、及び、第2偏心補正値から、第2搭載補正値が推定により求められる。つまり、第1認識高さにおける部品搭載精度のキャリブレーション結果を流用して、前記第2認識高さにおける第2搭載補正値が求められる。従って、前記部品保持具の偏心補正を含む誤差補正のために要する作業量を軽減することができる。
上記の偏心補正方法において、前記撮像手段は、前記第1認識高さを焦点位置とする第1カメラと、前記第2認識高さを焦点位置とする第2カメラとを含み、これら第1、第2カメラは、前記部品実装装置に装備されたカメラであって、前記第1偏心量は、前記第1カメラによって前記ヘッド基準位置が撮像された画像から求められ、前記第2偏心量は、前記第2カメラによって前記ヘッド基準位置が撮像された画像から求められることが望ましい。
この偏心補正方法によれば、前記第1カメラで部品の認識が行われた場合の補正値として前記第1偏心補正値を適用し、前記第2カメラで部品の認識が行われた場合の補正値として前記第2偏心補正値を適用することができる。すなわち、前記部品実装装置に各々目的を持って装備された第1、第2カメラについて、適切な第1、第2偏心補正値を作業性良く具備させることができる。
上記の偏心補正方法において、前記撮像手段は、前記第1認識高さを焦点位置とする第1カメラと、前記第2認識高さを焦点位置とする第2カメラと、前記部品搭載面を焦点位置とする第3カメラとを含み、これら第1、第2、第3カメラは、前記部品実装装置に装備されたカメラであって、前記第1偏心量は、前記第1カメラによって前記ヘッド基準位置が撮像された画像から求められ、前記第2偏心量は、前記第2カメラによって前記ヘッド基準位置が撮像された画像から求められ、第1搭載補正値は、前記第1カメラによって前記部品を保持した前記部品保持具が撮像された画像と、前記第3カメラによって前記部品搭載面に搭載された前記部品が撮像された画像とから求められることが望ましい。
この偏心補正方法によれば、前記部品実装装置に装備された第3カメラを利用して、第1、第2カメラについて、適切な第1、第2搭載補正値を作業性良く具備させることができる。
上記の偏心補正方法において、上記偏心補正のための各ステップは、前記部品実装装置の使用前の初期調整時と、使用を開始して一定期間経過後とに実行されることが望ましい。
この偏心補正方法によれば、初期調整時からの、経年変化による前記部品保持具の偏心量変化に対応した補正値を前記記憶手段に記憶させることができる。従って、部品搭載精度の低下を防ぐことができる。
本発明によれば、部品実装装置が備える部品保持具の偏心補正のために要する作業量を軽減することができる部品保持具の偏心補正方法を提供することができる。
図1は、表面実装機の概略構成を示す平面図である。 図2は、表面実装機のヘッドユニット部分の概略構成を示す側面図である。 図3は、前記表面実装機のブロック図である。 図4は、実装用ヘッドの下降位置を説明するための図である。 図5は、実装用ヘッドの偏心を説明するための図である。 図6(A)〜(C)は、部品の搭載測定の一例を示す図である。 図7は、本発明の第1実施形態に係る偏心補正方法を示す図である。 図8(A)〜(C)は、第1実施形態に係る偏心補正モデルを示す図である。 図9は、第1実施形態における、部品搭載面の偏心量算出の考え方を示す図である。 図10は、第1実施形態に係る偏心補正(初期調整時)の処理を示すフローチャートである。 図11は、第1実施形態に係る偏心補正(一定期間経過後)の処理を示すフローチャートである。 図12(A)〜(C)は、本発明の第2実施形態に係る偏心補正方法を示す図である。 図13(A)、(B)は、第2実施形態に係る偏心補正のモデルを示す図である。 図14は、第2実施形態に係る偏心補正の処理を示すフローチャートである。
[表面実装機の全体構造]
以下、本発明の実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明に係る部品保持具の偏心補正方法が適用される表面実装機1(部品実装装置)の概略構成を示す平面図、図2は、表面実装機1のヘッドユニット4部分の概略構成を示す側面図である。表面実装機1は、各種の電子部品を基板Pに実装する装置である。図1及び図2において、XYZの方向表示が付されている。以下の説明において、X方向を左右方向(基板Pの移動方向)、Y方向を前後方向、Z方向を上下方向という場合がある。
表面実装機1は、ベース部10と、このベース部10に組み込まれたマルチカメラ11(撮像手段/第2カメラ)と、ベース部10上に配置された基板搬送部2、部品供給部3及びヘッドユニット4と、ヘッドユニット4に搭載された一対の基板認識カメラ5(第3カメラ)及びスキャンユニット6とを備えている。基板搬送部2は、電子部品D(図6)が実装される基板Pを搬送する。部品供給部3は、実装される電子部品Dを供給する。ヘッドユニット4は、部品供給部3から電子部品Dを取り出し、これを基板Pに実装する。
基板搬送部2は、ベース部10上において、基板Pを左右方向へ搬送する一対のコンベア21、22を有している。コンベア21、22は、基板Pを図1の右側から表面実装機1の機内に搬入し、所定の作業位置(図1に示す基板Pの位置)まで左方へ搬送して一旦停止させる。この作業位置において、電子部品が基板Pに実装される。前記作業位置の下方領域には、実装作業中に基板Pをバックアップピンにより支持する基板支持装置(図示省略)が配置されている。実装作業後、コンベア21、22は基板Pを左方へ搬送し、表面実装機1の左側から機外へ搬出する。
部品供給部3は、基板搬送部2の前後方向両側に配置されている。各部品供給部3は、左右方向に配列された複数のテープフィーダ31を備えている。各テープフィーダ31は、集積回路(IC)、トランジスタ、抵抗、コンデンサ等の小片状の電子部品を所定間隔で収容、保持したテープが巻回されたリールを保持している。テープフィーダ31は、前記リールからテープを間欠的に繰り出し、フィーダ先端の部品供給位置に電子部品を供給する。
ヘッドユニット4は、ベース部10の上空にXY方向に移動可能に配置され、前記部品供給位置においてテープフィーダ31から電子部品を取り出し、前記作業位置において前記電子部品を基板Pの所定位置に実装する。ベース部10の上方には、X方向に延びる支持ビーム23が立設されている。ヘッドユニット4は、支持ビーム23に固定されたX軸固定レール24に移動可能に支持されている。また、支持ビーム23は、両端部がY方向に延びるY軸固定レール25に支持され、このY軸固定レール25に沿ってY方向に移動可能である。X軸固定レール24に対して、X軸サーボモータ26及びボールねじ軸27が配置され、Y軸固定レール25に対して、Y軸サーボモータ28及びボールねじ軸29が配置されている。ヘッドユニット4は、X軸サーボモータ26によるボールねじ軸27の回転駆動によってX方向に移動し、Y軸サーボモータ28によるボールねじ軸29の回転駆動によってY方向に移動する。
ヘッドユニット4には、部品を保持して搬送するための複数の実装用ヘッド4Hが搭載されている。図1、図2では、合計6本の実装用ヘッド4HがX方向に一列に配置されている例を示している。各ヘッド4Hは、Z方向(上下方向)に延びるシャフト41と、該シャフト41の下端に装着された吸着ノズル42(部品保持具)とを含む。シャフト41は、ヘッドユニット4に対して昇降及びノズル中心軸(R軸)回りの回転が可能とされている。吸着ノズル42は、電子部品を吸着して保持し、これを基板Pの表面(部品搭載面)に搭載することが可能である。吸着ノズル42は、シャフト41の内部通路及び切換弁(図略)等を介して負圧発生装置(図略)に接続され、電子部品を吸着することが可能である。部品吸着時には、前記負圧発生装置から吸着ノズル42に負圧吸引力が与えられ、これにより電子部品の吸着が可能とされている。なお、部品実装時には前記負圧吸引力は解消され、吸着ノズル42に吸着された電子部品がリリースされる。
マルチカメラ11は、ベース部10に組み込まれ、ベース部10の上方(Z方向)を撮像視野とするカメラである。マルチカメラ11の主たる役目は、吸着ノズル42による当該電子部品の吸着状態を画像認識するために、吸着ノズル42に吸着された電子部品を下面側から撮像することにある。マルチカメラ11の撮像により得られた画像データ上で、電子部品の中心位置と吸着ノズル42の基準位置とのズレ量(X軸、Y軸方向の位置ズレ量)、及びR軸方向の回転ズレ量が検知される。これらズレ量が部品実装時に参照され、ヘッドユニット4の移動位置を前記位置ズレ量に応じて補正し、シャフト41の回転移動を前記回転ズレ量に応じて補正することで、電子部品が正確に基板Pの所定の実装位置に実装される。
基板認識カメラ5は、ヘッドユニット4の左右両側に固定的に搭載され、コンベア21、22により表面実装機1の前記作業位置に搬入された基板Pの表面(上面)に付設されている各種マークを撮像する。図1では、前記マークの一例として、矩形の基板Pの対角線上に付設された一対のフィデューシャルマークFMを示している。フィデューシャルマークFMは、搬入された基板Pの前記作業位置の原点座標に対する位置ズレ量を検知するためのマークである。基板認識カメラ5の撮像により得られた画像データ上でフィデューシャルマークFMの位置が特定され、原点座標に対する位置ズレ量が求められる。この位置ズレ量は、部品実装時に参照され、位置ズレが生じないように電子部品が基板Pに実装される。
スキャンユニット6は、ヘッドユニット4に対してX方向(吸着ノズル42の配列方向)に移動可能に、当該ヘッドユニット4の下端付近に搭載され、吸着ノズル42に吸着された電子部品を撮像する。スキャンユニット6は、前記X方向の移動を実現するためのボールねじ軸61と、前記撮像のためのスキャンカメラ62(撮像手段/第1カメラ)とを備える。ボールねじ軸61は、X方向に延び、ヘッドユニット4に付設されている。スキャンカメラ62は、マルチカメラ11と同様に、吸着ノズル42に吸着された電子部品を下面側から撮像するカメラである。スキャンカメラ62は、マルチカメラ11とは異なる認識高さにおいて、電子部品を撮像する(図4に基づき後記で詳述する)。
スキャンユニット6は、ヘッドユニット4が吸着ノズル42に吸着された電子部品を前記部品供給位置から前記作業位置まで搬送している間に、所定の撮像動作を行う。この撮像動作では、スキャンカメラ62が、ボールねじ軸61に沿ってスキャンユニット6と共にX方向に移動しながら、吸着ノズル42に吸着された電子部品を下面側から撮像する。撮像により得られた画像データ上で、当該電子部品のX軸、Y軸方向の位置ズレ量、及びR軸方向の回転ズレ量が検知される。
本実施形態では、上記に加えてマルチカメラ11及びスキャンカメラ62は、それぞれ異なる認識高さにおいて、吸着ノズル42の偏心補正のため、予め定められた吸着ノズル42の所定位置(例えば、吸着ノズル42下面のXY中心位置)、若しくは、吸着ノズル42が取り付けられていない状態におけるシャフト41の所定位置(例えばシャフト41の下端部)からなるヘッド基準位置を撮像する。
さらに本実施形態(第2実施形態)では、基板認識カメラ5は、部品搭載精度のキャリブレーションのため、部品搭載面に搭載された電子部品(供試部品)を撮像する。前記部品搭載面は、基板Pの表面又はこれと同じ高さ位置にある供試面である。前記キャリブレーションの動作では、吸着ノズル42に電子部品を吸着させ、これを実際に前記部品搭載面に搭載させる。吸着ノズル42に吸着された電子部品が、マルチカメラ11又はスキャンカメラ62で撮像され、前記部品搭載面に搭載された電子部品が、基板認識カメラ5で撮像される。そして、両者により撮像された画像の対比により、吸着ノズル42に保持された電子部品が、実際に前記部品搭載面にどの様に搭載されたかが把握され、これにより搭載補正値が導出される。
[表面実装機の電気的構成]
続いて、表面実装機1の制御構成について説明する。図3は、表面実装機1の電気的構成を示すブロック図である。表面実装機1は、当該表面実装機1の各部の動作を制御する制御装置7を備える。制御装置7は、所定のプログラムが実行されることで、上述のマルチカメラ11、ヘッドユニット4、基板認識カメラ5、スキャンユニット6(スキャンカメラ62)などの動作を制御する。なお、図3のブロック図には、図1、図2では記載が省かれた、Z軸サーボモータ43、R軸サーボモータ44及びカメラ軸サーボモータ45が記載されている。
Z軸サーボモータ43及びR軸サーボモータ44は、ヘッドユニット4内に組み込まれるモータである。Z軸サーボモータ43は、実装用ヘッド4H(シャフト41)をZ軸に沿って昇降させる駆動源であり、R軸サーボモータ44は、シャフト41(吸着ノズル42)をR軸(当該シャフト41の中心軸)回りに回転させる駆動源である。Z軸サーボモータ43は、電子部品の吸着若しくは実装を行う際の下降位置と、電子部品の搬送や撮像を行う際の上昇位置との間で、実装用ヘッド4Hを昇降させる。R軸サーボモータ44は、シャフト41を部品実装時において必要に応じて回転させ、電子部品をR軸方向に回転させて当該電子部品の姿勢を調整する。カメラ軸サーボモータ45は、スキャンユニット6(スキャンカメラ62)を、ボールねじ軸61に沿ってX方向に移動させる駆動源となるモータである。なお、カメラ軸サーボモータ45に代えて、リニアモータを採用しても良い。
制御装置7は、カメラ制御部71、画像処理部72、補正値算出部73、軸制御部74、主制御部75及び記憶部76(記憶手段)を機能的に備えている。
カメラ制御部71は、マルチカメラ11、基板認識カメラ5及びスキャンカメラ62の撮像動作を制御する。例えばカメラ制御部71は、これらカメラ11、5、62のシャッタータイミング、シャッター速度(露光量)などを制御する。
画像処理部72は、マルチカメラ11、基板認識カメラ5及びスキャンカメラ62により取得された画像に対してエッジ検出処理、特徴量抽出を伴うパターン認識処理などの画像処理技術を適用して、当該画像から各種の情報を抽出する。具体的には、画像処理部72は、基板認識カメラ5が取得した画像に基づき、フィデューシャルマークFMの位置を特定する処理を行う。また、画像処理部72は、マルチカメラ11及びスキャンカメラ62が取得した画像に基づき、吸着ノズル42に保持された電子部品の形状、位置などを特定する処理を行う。
上述の吸着ノズル42の偏心補正の際には、画像処理部72は、マルチカメラ11及びスキャンカメラ62が取得した画像に基づき、前記ヘッド基準位置(吸着ノズル42若しくはシャフト41の所定位置)を特定する処理を行う。また、画像処理部72は、基板認識カメラ5が取得した画像に基づき、前記部品搭載面に搭載された電子部品(供試部品)の位置を特定する処理を行う。
補正値算出部73は、画像処理部72が特定した前記ヘッド基準位置の、予め定められた標準位置に対する偏心量を求める。また、補正値算出部73は、マルチカメラ11及びスキャンカメラ62が取得した画像に基づき各々得られた偏心量から、前記部品搭載面における前記ヘッド基準位置の標準位置に対する偏心量を推定する処理を行う。そして補正値算出部73は、求めた偏心量に応じた、吸着ノズル42のXY方向の移動のための偏心補正値、R方向の回転のための補正値を導出する。この補正値算出部73の処理については、後記で詳述する。
軸制御部74は、X軸サーボモータ26及びY軸サーボモータ28を制御することによって、ヘッドユニット4のXY方向の移動動作を制御する。また、軸制御部74は、ヘッドユニット4が備えるZ軸サーボモータ43及びR軸サーボモータ44を制御することによって、実装用ヘッド4H(シャフト41)の昇降及び回転動作を制御する。さらに、軸制御部74は、カメラ軸サーボモータ45を制御することによって、スキャンユニット6の、ヘッドユニット4の下面に沿ったX方向への移動を制御する。
主制御部75は、表面実装機1に対する各種の動作を統括的に制御する。例えば、スキャンユニット6にて吸着ノズル42に吸着された電子部品の画像をスキャン撮像させる場合、軸制御部74、カメラ制御部71等に制御信号を与え、カメラ軸サーボモータ45にてスキャンユニット6をX方向へ移動させつつ、スキャンカメラ62に当該電子部品の画像を撮像させる。
記憶部76は、基板Pや電子部品に関する各種の情報、吸着ノズル42の移動制御に関するパラメータや、その補正値等を記憶する。電子部品に関する情報は、例えば、電子部品の種別や属性情報などである。前記補正値には、吸着ノズル42の偏心に応じた位置制御の補正値(後述の偏心補正値乃至は搭載補正値)が含まれ、補正値算出部73により導出された補正値が記憶部76に格納される。
[実装用ヘッドの下降とカメラの認識高さ]
図4は、実装用ヘッド4Hの下降位置と、マルチカメラ11及びスキャンカメラ62の認識高さとの関係を説明するための図である。実装用ヘッド4Hは、シャフト41と、該シャフト41の下端に取り付けられた吸着ノズル42とからなり、ヘッドユニット4に対してZ方向に下降及び上昇する動作を行う。
図4では、吸着ノズル42の下端面であるノズル先端42Tの高さ位置を、h0、h1、h2、h3で示し、各高さ位置にある実装用ヘッド4Hを、それぞれ4H(h0)、4H(h1)、4H(h2)、4H(h3)で示している。ノズル先端42Tは、吸着ノズル42の部品吸引口が開口している面であり、吸着ノズル42の偏心補正処理を行う際には、例えば前記部品吸引口のXY中心位置が前記ヘッド基準位置として扱われる。
高さh0は、実装用ヘッド4Hが最も上昇しているときの、ノズル先端42Tの高さ位置である。高さh0は、ヘッドユニット4を長距離移動させる際などに、吸着ノズル42を上方へ退避させるための高さ位置である。高さh3は、実装用ヘッド4Hが最も下降しているときの、ノズル先端42Tの高さ位置であって、部品搭載面Gの高さである。実装作業では、この高さh3に基板Pの実装面が位置することになる。基板認識カメラ5の合焦位置は、高さh3(以下、実装高さh3)である。
高さh0よりも所定距離だけ下降した高さh1は、スキャンカメラ62の合焦位置に相当する高さである。つまり、高さh1は、スキャンカメラ62によるノズル先端42Tの認識高さ(以下、第1認識高さh1)である。第1認識高さh1よりも所定距離だけ下降した高さh2は、マルチカメラ11の合焦位置に相当する高さである。つまり、高さh2は、マルチカメラ11によるノズル先端42Tの認識高さ(以下、第2認識高さh2)である。第1認識高さh1は、X方向に移動するスキャンユニット6が装備する部材と、ノズル先端42Tとが干渉しない高さである。第2認識高さh2は、基板Pに実装された部品と、ノズル先端42Tとが干渉しない高さである。
吸着ノズル42の偏心を求める際には、上記第1、第2認識高さh1、h2において、スキャンカメラ62、マルチカメラ11により、ノズル先端42Tの画像が各々撮像される。実装作業では、第1、第2認識高さh1、h2において、スキャンカメラ62、マルチカメラ11により、吸着ノズル42に吸着された電子部品が各々撮像される。これにより、2つの異なる高さ位置にて、吸着された電子部品を認識することが可能となる。一例を挙げると、部品搭載面Gになるべく近い位置で部品認識を行って部品実装に要する時間を短縮することを企図する場合には、マルチカメラ11を用いて、第2認識高さh2において部品認識を行う。また、部品供給位置から基板Pまでのヘッドユニット4の移動時間を有効利用して部品認識を行う場合には、スキャンカメラ62を用いて、第1認識高さh1において部品認識を行う。
[吸着ノズルの偏心]
吸着ノズル42は、最上昇位置の高さh0から最下降位置の高さh3まで、鉛直方向へ下降することが望ましい。しかし、シャフト41の傾きや曲がり、或いは実装用ヘッド4Hが組み付けられるヘッドユニット4自体の傾きなどにより、吸着ノズル42が鉛直軸に沿って下降しない場合がある。電子部品の実装に際しては高い搭載精度が求められるが、吸着ノズル42の偏心が高精度実装を阻害する。
図5は、実装用ヘッド4H(吸着ノズル42)の偏心を説明するための図である。ここでは、部品搭載面Gの鉛直軸Z0(標準位置)に対して、シャフト41が傾きを持っている状態を模式的に示している。シャフト41が単純に鉛直軸Z0に対して傾きを持つモデルでは、実装用ヘッド4Hが下降するに連れて、シャフト41の下端部(吸着ノズル42)と鉛直軸Z0との離間距離は長くなる。電子部品の搭載角度を変更するため、シャフト41(吸着ノズル42)は軸回りに回転することが想定されている。傾きを持つシャフト41を軸回りに回転させると、吸着ノズル42は、第1認識高さh1で偏心軌道Ec1を、第2認識高さh2において偏心軌道Ec2を、実装高さh3で偏心軌道Ec3を、それぞれ描くように移動する。
上記モデルでは、偏心軌道のサイズはEc1<Ec2<Ec3となり、偏心軌道Ec1、Ec2、Ec3の各回転中心O1、O2、O3は、鉛直軸Z0から徐々に遠くなる。そして、例えば、第1認識高さh1と第2認識高さh2とでは、偏心軌道Ec1と偏心軌道Ec2の相違に起因した吸着ノズル42の認識の誤差が生じることが分かる。実際には、このモデルのように単純化はできないが、鉛直軸Z0に対して、シャフト41の回転角度ごとに、吸着ノズル42の偏心に依存する電子部品の搭載位置ズレが実装高さh3で発生する。
このため、スキャンカメラ62にて第1認識高さh1で部品認識を行った場合に、実装高さh3で発生する搭載位置ズレと、マルチカメラ11にて第2認識高さh2で部品認識を行った場合に、実装高さh3で発生する搭載位置ズレとを、シャフト41の回転角度(例えば0度、90度、180度、−90度)ごとに各々把握する必要がある。そして、これら搭載位置ズレを解消できる補正値を、カメラ62、11ごとに予め導出しておく必要がある。
図6(A)〜(C)は、上記の補正値の導出のための、比較例に係る部品の搭載測定の一例を示す図である。ここでは、スキャンカメラ62についての搭載測定を例示している。当該搭載測定では、吸着ノズル42に供試用の電子部品Dを吸着させ、これを実際に部品搭載面Gに搭載させる動作を実行させる。この際に、吸着ノズル42に吸着された電子部品Dをスキャンカメラ62で撮像し、部品搭載面Gに搭載された電子部品Dを基板認識カメラ5で撮像する。
図6(A)は、スキャンカメラ62により、吸着ノズル42のノズル先端42Tに吸着された電子部品Dが撮像されている状態を示している。このときの電子部品Dの高さは、第1認識高さh1である。図6(B)は、実装用ヘッド4Hが下降され、吸着ノズル42から電子部品Dが部品搭載面G(実装高さh3)に搭載される状態を示している。図6(C)は、基板認識カメラ5により、部品搭載面Gに搭載された電子部品Dが撮像されている状態を示している。電子部品Dには予め基準位置が定められている。スキャンカメラ62が撮像した画像から抽出される電子部品Dの前記基準位置の座標と、基板認識カメラ5が撮像した画像から抽出される電子部品Dの前記基準位置の座標とのズレに基づいて、搭載補正値が求められる。
上記のようなスキャンカメラ62を用いて部品認識を行う場合における、搭載補正値を求める搭載測定が、ヘッドユニット4に装備されている複数の実装用ヘッド4Hごとに実行される。また、各実装用ヘッド4Hについて、シャフト41の回転角度(例えば0度、90度、180度、−90度)ごとに、上記搭載測定を実行する必要がある。このような多数回の搭載測定の実行には多くの時間と手間を要し、また、搭載測定用の治具(供試用の電子部品Dや部品搭載面Gに配置される供試用の基板など)が必要となる。この点に鑑み、本実施形態では、上記搭載測定を可及的に実行しないで済む、吸着ノズル42の偏心補正方法を提供する。
[偏心補正方法の第1実施形態]
図7は、本発明の第1実施形態に係る偏心補正方法を示す図である。第1実施形態では、実際に供試用の電子部品Dを吸着ノズル42で吸着させることなく、第1認識高さh1及び第2認識高さh2において吸着ノズル42のノズル先端42Tの偏心度合いを実測し、その実測結果に基づいて実装高さh3における偏心を推定する。
図7(A)は、スキャンカメラ62により、電子部品Dが吸着されていない吸着ノズル42のノズル先端42Tが撮像されている状態を示している。この際、主制御部75の統括制御の下で軸制御部74(図3)は、Z軸サーボモータ43を制御して、ノズル先端42T(吸着ノズル42の下面)の高さが第1認識高さh1となるよう、実装用ヘッド4HをZ方向に移動させる。また、軸制御部74は、カメラ軸サーボモータ45を制御して、撮像対象の吸着ノズル42のノズル先端42Tがスキャンカメラ62の光軸に合致するように、スキャンユニット6をX方向に移動させる。さらに、カメラ制御部71は、上記Z方向及びX方向の各位置決めを終えた後、スキャンカメラ62にノズル先端42Tの撮像動作を実行させる。
上記の第1認識高さh1における撮像動作は、シャフト41の回転角度がデフォルト角度(回転角度=0度)の状態で実行される。ここでは、シャフト41を4つの回転角度=0度、90度、180度、−90度で回転させる例を示す。撮像を終えた後、軸制御部74は、R軸サーボモータ44を制御して、シャフト41を90度だけR軸回りに回転させる。その後、カメラ制御部71が、スキャンカメラ62にノズル先端42Tの撮像動作を実行させる。シャフト41の回転角度=180度、−90度についても、同様にして撮像動作が実行される。画像処理部72は、撮像された画像に基づき、ノズル先端42Tに設定されたヘッド基準位置(例えば部品吸引口のXY中心位置)の座標を特定する処理を行う。これにより、第1認識高さh1の前記4つの回転角度における、ノズル先端42Tの偏心が測定されることになる。
その後、軸制御部74は、カメラ軸サーボモータ45を制御して、次の撮像対象となる吸着ノズル42のノズル先端42Tがスキャンカメラ62の光軸に合致するように、スキャンユニット6をX方向に移動させる。そして、上記と同様にして、当該ノズル先端42Tについての偏心が測定される。かかる偏心測定動作が、ヘッドユニット4が具備する実装用ヘッド4Hの全てについて実行される。
図7(B)は、マルチカメラ11により、吸着ノズル42のノズル先端42Tが撮像されている状態を示している。この際、軸制御部74は、Z軸サーボモータ43を制御して、ノズル先端42Tの高さが第2認識高さh2となるよう、実装用ヘッド4HをZ方向に移動させる。また、軸制御部74は、X軸、Y軸サーボモータ26、28を制御して、撮像対象の吸着ノズル42のノズル先端42Tがマルチカメラ11の光軸に合致するように、ヘッドユニット4をXY方向に移動させる。さらに、カメラ制御部71は、上記Z方向及びXY方向の各位置決めを終えた後、マルチカメラ11にノズル先端42Tの撮像動作を実行させる。
上記の第2認識高さh2における撮像動作は、シャフト41の4つの回転角度=0度、90度、180度、−90度について実行される。すなわち、軸制御部74が、R軸サーボモータ44を制御してシャフト41を90度ずつR軸回りに回転させ、その都度、カメラ制御部71が、マルチカメラ11にノズル先端42Tの撮像動作を実行させる。画像処理部72は、撮像された画像に基づき、ノズル先端42Tに設定された前記ヘッド基準位置の座標を特定する処理を行う。これにより、第2認識高さh2の前記4つの回転角度における、ノズル先端42Tの偏心が測定されることになる。
その後、軸制御部74は、X軸、Y軸サーボモータ26、28を制御して、次の撮像対象となる吸着ノズル42のノズル先端42Tがマルチカメラ11の光軸に合致するように、ヘッドユニット4をXY方向に移動させる。そして、上記と同様にして、当該ノズル先端42Tについての偏心が測定される。かかる偏心測定動作が、ヘッドユニット4が具備する実装用ヘッド4Hの全てについて実行される。
実装高さh3においては、第1実施形態では特に測定動作は実行されない。これは、第1認識高さh1及び第2認識高さh2におけるノズル先端42Tの偏心量が判明すれば、つまり、高さの異なる2つの位置におけるノズル先端42Tの偏心量が判明すれば、それら偏心量の変化傾向から、実装高さh3におけるノズル先端42Tの偏心量が推定できるからである。
<偏心補正のモデル>
図8(A)〜(C)は、第1実施形態に係る偏心補正モデルを示す図である。ここでは、ノズル先端42Tの偏心度合いの理解を容易とするために、実際には吸引させない電子部品Dを、シャフト41の4つの回転角度=0度、90度、180度、−90度ごとに記載している。
図8(A)は、第1認識高さh1(高さZs(mm)と表記)において、スキャンカメラ62にて前記ヘッド基準位置を撮像して得られた偏心モデルである。図中の電子部品D11(0)、D11(90)、D11(180)及びD11(−90)は、前記ヘッド基準位置が所定の標準位置にある場合の、回転角度=0度、90度、180度、−90度の各々における電子部品の搭載状態を示している。つまり、吸着ノズル42に偏心が全く存在しないとした場合の、各角度における電子部品D11の部品搭載面Gへの搭載姿勢を示している。偏心が全く存在しない場合、シャフト41を回転させても電子部品D11のXY位置は変動しないが、図8(A)では図示簡略化のため、前記回転角度を円軌道で表し、各角度における電子部品D11の姿勢を前記円軌道上に描いている。実際は、シャフト41が回転しても、電子部品D11の部品搭載面Gへの搭載位置が、前記回転角度によって前記円軌道のように変動するわけではない。
これに対し、図中の電子部品D12(0)、D12(90)、D12(180)及びD12(−90)は、Zs(mm)において、スキャンカメラ62で実際に撮像された前記ヘッド基準位置の画像に基づいた、回転角度=0度、90度、180度、−90度の各々における電子部品の搭載状態を示している。0度の電子部品D12(0)は、標準位置にある0度の電子部品D11(0)に対して偏心している。また、90度、180度、−90度の電子部品D12(90、180、−90)も、標準位置にある0度の電子部品D11(90、180、−90)に対して偏心している。このため、D12(0、90、180、−90)と繋ぐと、円軌道ではなく、偏心軌道Ec1となる。補正値算出部73(図3)は、Zs(mm)の、各々の角度における標準位置に対する前記ヘッド基準位置の偏心量(第1偏心量という)を、XY方向の偏心成分Xs、Ysとして導出する。
図8(B)は、第2認識高さh2(高さZm(mm)と表記)において、マルチカメラ11にて前記ヘッド基準位置を撮像して得られた偏心モデルである。図中の電子部品D21(0)、D21(90)、D21(180)及びD21(−90)は、偏心なく、前記ヘッド基準位置が標準位置にある場合の、回転角度=0度、90度、180度、−90度の各々における電子部品の搭載状態を示している。
これに対し、図中の電子部品D22(0)、D22(90)、D22(180)及びD22(−90)は、Zm(mm)において、スキャンカメラ62で実際に撮像された前記ヘッド基準位置の画像に基づいた、回転角度=0度、90度、180度、−90度の各々における電子部品の搭載状態を示している。電子部品D22(0、90、180、−90)は、標準位置にある電子部品D21(0、90、180、−90)に対して偏心している。このため、D22(0、90、180、−90)と繋ぐと、偏心軌道Ec2となる。同様に、補正値算出部73は、Zm(mm)の、各々の角度における標準位置に対する前記ヘッド基準位置の偏心量(第2偏心量という)を、XY方向の偏心成分Xm、Ymとして導出する。
図8(C)は、部品搭載面Gの高さに相当する実装高さh3(高さZt(mm)と表記)における、前記第1偏心量Xs、Ysと前記第2偏心量Xm、Ymとから算出される前記ヘッド基準位置の偏心モデルである。図中の電子部品D31(0)、D31(90)、D31(180)及びD31(−90)は、偏心なく、前記ヘッド基準位置が標準位置にある場合の、回転角度=0度、90度、180度、−90度の各々における電子部品の搭載状態を示している。
これに対し、図中の電子部品D32(0)、D32(90)、D32(180)及びD32(−90)は、Zt(mm)において、第1偏心量Xs、Ysと第2偏心量Xm、Ymとから求められた、回転角度=0度、90度、180度、−90度の各々における電子部品の搭載状態を示している。電子部品D32(0、90、180、−90)は、標準位置にある電子部品D31(0、90、180、−90)に対して偏心している。このため、D32(0、90、180、−90)と繋ぐと、偏心軌道Ec3となる。補正値算出部73は、Zt(mm)の、各々の角度における標準位置に対する前記ヘッド基準位置の偏心量(第3偏心量という)を、第1偏心量Xs、Ysに対する第2偏心量Xm、Ymの変化度合いより、偏心成分Xt、Ytとして算出する。
図9は、補正値算出部73による第3偏心量(部品搭載面の偏心量)の算出の考え方を示す図である。図9において、Z1は、図5の鉛直軸Z0に相当する、標準位置をZ方向に延伸した標準ラインである。Z2は、吸着ノズル42に偏心が存在する場合の、前記ヘッド基準位置のZ方向における変位を示す偏心ラインである。
第1認識高さh1(Zs)における第1偏心量Xs、Ysと、第2認識高さh2(Zm)における第2偏心量Xm、Ymとが判明すれば、次の比率を示す式により、第3偏心量Xt、Ytを算出することができる。
Xm−Xs:Xt−Xm=Zm−Zs:Zt−Zm
∴Xt=(Xm−Xs)(Zt−Zm)/(Zm−Zs)+Xm
Ym−Ys:Yt−Ym=Zm−Zs:Zt−Zm
∴Yt=(Ym−Ys)(Zt−Zm)/(Zm−Zs)+Ym
補正値算出部73は、上記の比例計算式に基づいて、回転角度=0度、90度、180度、−90度の各々における第3偏心量Xt、Ytを算出する。
<動作フロー>
図10は、表面実装機1の初期調整時に実行される、第1実施形態に係る偏心補正の処理を示すフローチャートである。表面実装機1の組立が完了すると、各種の初期調整処理が実行される(ステップS1)。そのうちの一つの処理として、主制御部75(図3)は、吸着ノズル42の偏心補正処理を実行する。
まず主制御部75は、第1認識高さh1(Zs)において、吸着ノズル42のノズル先端42Tを認識させる動作を実行させる(ステップS2)。具体的には、スキャンカメラ62を用いて吸着ノズル42のノズル先端42Tを、シャフト41の回転角度=0度、90度、180度、−90度の各々において撮像させる。この際のカメラ制御部71及び軸制御部74の動作は、上記で説明した通りである。取得された各画像に基づき、画像処理部72が、それぞれの回転角度における、ノズル先端42Tのヘッド基準位置の座標を求める処理を行う。そして、補正値算出部73が、前記ヘッド基準位置の座標と予め定められた標準位置の座標との差異に基づき、第1認識高さh1(Zs)における各回転角度の第1偏心量Xs、Ysを導出する(ステップS3)。
次いで主制御部75は、実装用ヘッド4Hを下降させ、第2認識高さh2(Zm)において、ノズル先端42Tを認識させる動作を実行させる(ステップS4)。具体的には、マルチカメラ11を用いてノズル先端42Tを、シャフト41の回転角度=0度、90度、180度、−90度の各々において撮像させる。取得された各画像に基づき、画像処理部72が、それぞれの回転角度における、ノズル先端42Tのヘッド基準位置の座標を求める処理を行う。そして、補正値算出部73が、前記ヘッド基準位置の座標と予め定められた標準位置の座標との差異に基づき、第2認識高さh2(Zm)における各回転角度の第2偏心量Xm、Ymを導出する(ステップS5)。
続いて、補正値算出部73が、ステップS3、S5で導出された第1偏心量Xs、Ys及び第2偏心量Xm、Ymに、上記の比例計算式を適用して、実装高さh3(Zt)における第3偏心量Xt、Ytを、シャフト41の回転角度ごとに算出する(ステップS6)。
第3偏心量Xt、Ytが判明すると、第1認識高さh1における第1偏心補正値と、第2認識高さh2における第2偏心補正値とが導出できる。第1偏心補正値は、スキャンカメラ62にて第1認識高さh1で部品認識を行った場合に、実装高さh3で発生する搭載位置ズレを補正する補正値である。第2偏心補正値は、マルチカメラ11にて第2認識高さh2で部品認識を行った場合に、実装高さh3で発生する搭載位置ズレを補正する補正値である。第1偏心量Xs、Ysと第3偏心量Xt、Ytとが分かれば、第1認識高さh1で認識した電子部品が、実装高さh3でどの位置に位置ズレして実装されるかが推定できる。そして、その位置ズレを発生させないように、第1偏心補正値が選定される。第2認識高さh2の第2偏心補正値についても同様である。
補正値算出部73は、第1偏心量Xs、Ysと第3偏心量Xt、Ytとの相違に基づいて、前記第1偏心補正値を算出する。また、補正値算出部73は、第2偏心量Xm、Ymと第3偏心量Xt、Ytとの相違に基づいて、前記第2偏心補正値を算出する(ステップS7)。しかる後、補正値算出部73は、実装用ヘッド4Hの識別番号、シャフト41の回転角度などに関連付けて、それぞれの前記第1偏心補正値及び前記第2偏心補正値を記憶部76に格納し(ステップS8)、処理を終える。
図11は、表面実装機1の使用を開始してから一定期間経過後に実行される、第1実施形態に係る偏心補正の処理を示すフローチャートである。初期調整時から一定期間経過すると、経年変化によって吸着ノズル42の偏心量に変化が生じ得る。従って、初期調整時だけでなく、一定期間経過後にも、上記と同様な偏心補正を行い、部品搭載精度の低下を防ぐことが望ましい。
主制御部75は、表面実装機1の使用期間について、予め定められた一定期間が経過したか否かを確認する(ステップS11)。前記一定期間は、単純な年月の経過期間、表面実装機1の積算稼働時間、実装用ヘッド4Hの部品打設数などによって定めることができる。前記一定期間が経過していない場合(ステップS11でNO)、主制御部75は偏心補正処理の実行を保留する。
一方、前記一定期間が経過している場合(ステップS11でYES)、主制御部75は、ステップS12〜S17からなる偏心補正の処理を実行する。ステップS12〜S17の処理は、先に図10に基づき説明したステップS2〜S7の処理と同じであるので、ここでは説明を省略する。ステップS17において、第1認識高さh1における第1偏心補正値と、第2認識高さh2における第2偏心補正値とが算出されたなら、補正値算出部73は、記憶部76に格納されている第1、第2偏心補正値を、新たに算出された値に更新する(ステップS18)。その後、ステップS11に戻って処理が継続される。
以上説明した第1実施形態の偏心補正方法によれば、実際に部品搭載面Gへ電子部品Dを搭載するのではなく、異なる認識高さにおいて得られた前記第1偏心量と前記第2偏心量とから、部品搭載面G(実装高さh3)における第3偏心量が算出される。このため、表面実装機1を組み立てた後の初期調整時や経時後に、手間を要する搭載測定、すなわち部品搭載角度ごとに実際に供試電子部品Dを部品搭載面Gへ搭載する工程を省くことができる。従って、吸着ノズル42の偏心補正のために要する作業量を大幅に軽減することができる。
[偏心補正方法の第2実施形態]
上掲の第1実施形態では、実際に供試用の電子部品Dを吸着ノズル42で吸着させ、部品搭載面Gにこれを搭載させることなく、つまり図6(A)〜(C)で説明したような搭載測定に基づく部品搭載精度のキャリブレーションを実施することなく、第1、第2偏心補正値を求める例を示した。部品搭載の位置ズレが、専ら吸着ノズル42の偏心によって発生している場合は、上記第1実施形態に係る偏心補正方法によって、前記位置ズレを解消できる補正値が得られる。しかし、実際は吸着ノズル42の偏心以外の誤差が、前記位置ズレの発生要因となっている場合もある。この場合、前記搭載測定を組み入れることが望ましい。
第2実施形態では、上記に鑑み、第1認識高さh1については、スキャンカメラ62を用いた吸着ノズル42の偏心測定だけでなく、実際に電子部品Dを吸着ノズル42で吸着及び実装する搭載測定を実行し、搭載補正値を求める。一方、第2認識高さh2については、偏心測定を実行して前記搭載測定は行わず、搭載補正値を推定にて求める。
図12は、本発明の第2実施形態に係る偏心補正方法を示す図である。図12(A)は、スキャンカメラ62により、電子部品Dが吸着されていない吸着ノズル42のノズル先端42T、並びに、ノズル先端42Tに吸着された電子部品Dが撮像されている状態を示している。第1認識高さh1において、シャフト41の4つの回転角度=0度、90度、180度、−90度においてスキャンカメラ62でノズル先端42Tを撮像させ、ノズル先端42Tの偏心が実測される点は、第1実施形態と同じである。これにより、第1認識高さh1における第1偏心補正値が求められる。
第2実施形態では、これに加えて、第1認識高さh1において前記搭載測定が実行される。すなわち、ノズル先端42Tに供試用の電子部品Dを保持させた状態の吸着ノズル42を、第1認識高さh1においてスキャンカメラ62で撮像させる。そして、画像処理部72が、スキャンカメラ62が取得した画像に基づき、吸着ノズル42に吸着された電子部品Dの、第1認識高さh1における保持位置を求める処理を行う。
続いて、図12(B)に示すように、吸着ノズル42に保持された電子部品Dを、実際に部品搭載面Gに搭載させる。その後、先に図6(C)に示したように、ヘッドユニット4を移動させて基板認識カメラ5の光軸を部品搭載面G上の電子部品Dに一致させ、当該電子部品Dを撮像させる。そして、画像処理部72が、基板認識カメラ5が取得した画像に基づき、部品搭載面G(実装高さh3)における電子部品Dの搭載位置を求める処理を行う。その後、補正値算出部73が、図12(A)の前記保持位置と図12(B)の前記搭載位置とのズレから搭載誤差(ノズル偏心及び偏心以外の諸々の誤差に起因して発生する部品搭載時の誤差)を求め、この搭載誤差を消去できるような第1認識高さh1における第1搭載補正値を導出する。
図12(C)は、マルチカメラ11により、吸着ノズル42のノズル先端42Tが撮像されている状態を示している。第1実施形態の図7(B)と同様に、第2認識高さh2において、シャフト41の4つの回転角度=0度、90度、180度、−90度においてマルチカメラ11でノズル先端42Tを撮像させ、ノズル先端42Tの偏心が実測される。これにより、第2認識高さh2における第2偏心補正値が求められる。この第2認識高さh2においては、図12(A)及び(B)に示したような搭載測定は実行されない。
第2認識高さh2における第2搭載補正値は、第1認識高さh1において実測により求められた第1偏心補正値と第1搭載補正値との関係と、実測により求められた第2偏心補正値とから推定によって求められる。第1偏心補正値と第1搭載補正値との関係から、実際に電子部品Dを部品搭載面Gへ搭載したときの位置ズレに対する、吸着ノズル42の偏心の貢献度(乃至は偏心以外の誤差の貢献度)を把握することができる。このため、第2偏心補正値が判明すれば、第1認識高さh1における吸着ノズル42の偏心貢献度を参照して、第2搭載補正値を推定することが可能となる。すなわち、第2認識高さh2において吸着ノズル42に保持された電子部品Dの保持位置と、前記保持された電子部品Dが部品搭載面Gに搭載されたと仮定した場合の電子部品Dの搭載位置とのズレを推定して、第2認識高さh2における第2搭載補正値を求めることができる。
<偏心補正のモデル>
図13(A)、(B)は、第2実施形態に係る偏心補正のモデルを示す図であって、図8(A)、(B)と同様な方式で作図している。図13(A)は、第1認識高さh1(Zs(mm))において、スキャンカメラ62にてノズル先端42Tの前記ヘッド基準位置を撮像して得られた偏心モデルである。図中の電子部品D11(0)、D11(90)、D11(180)及びD11(−90)は、前記ヘッド基準位置が所定の標準位置にある場合の、回転角度=0度、90度、180度、−90度の各々における電子部品の搭載状態を示している。
これに対し、図中の電子部品D12(0+α)、D12(90+α)、D12(180+α)及びD12(−90+α)は、Zs(mm)において、スキャンカメラ62で実際に撮像された前記ヘッド基準位置の画像に基づいた、回転角度=0度、90度、180度、−90度の各々における電子部品の搭載状態を示している。これらは、D11(0、90、180、−90)に対して位置ズレしている。図8(A)と異なり、D12に「+α」が追加されているのは、吸着ノズル42の偏心以外の誤差が、前記位置ズレの発生要因として含まれていることを示す。
第1認識高さh1について、補正値算出部73(図3)は、Zs(mm)の、各々のシャフト41の回転角度における標準位置に対する前記ヘッド基準位置の第1偏心量を、XY方向の偏心成分Xs、Ysとして導出する。以下では、このXs、Ysを第1偏心補正値Xs、Ysと扱う。さらに、補正値算出部73は、図12(B)の搭載測定の実測結果(キャリブレーション)に基づき、各回転角度について第1搭載補正値dXs、dYsを導出する。
図13(B)は、第2認識高さh2(Zm(mm))において、マルチカメラ11にて前記ヘッド基準位置を撮像して得られた偏心モデルである。図中の電子部品D21(0)、D21(90)、D21(180)及びD21(−90)は、偏心なく、前記ヘッド基準位置が標準位置にある場合の、回転角度=0度、90度、180度、−90度の各々における電子部品の搭載状態を示している。これに対し、図中の電子部品D22(0+α)、D22(90+α)、D22(180+α)及びD22(−90+α)は、Zm(mm)において、マルチカメラ11で実際に撮像された前記ヘッド基準位置の画像に基づいた、回転角度=0度、90度、180度、−90度の各々における電子部品の搭載状態を示している。これらは、D21(0、90、180、−90)に対して位置ズレしている。
第2認識高さh2について、補正値算出部73は、Zm(mm)の、各々のシャフト41の回転角度における標準位置に対する前記ヘッド基準位置の第2偏心量を、XY方向の偏心成分Xm、Ymとして導出する。以下では、このXm、Ymを第2偏心補正値Xm、Ymと扱う。さらに、補正値算出部73は、第1認識高さh1について得られた、第1偏心補正値Xs、Ysに対する第1搭載補正値dXs、dYsの関係を、第2偏心補正値Xm、Ymに当て嵌め、各回転角度について第2搭載補正値dXm、dYmを導出するものである。なお、これとは逆に、第2搭載補正値dXm、dYmを実測により求め、第1搭載補正値dXs、dYsを推定により求めるようにしても良い。
<動作フロー>
図10は、第2実施形態に係る偏心補正の処理を示すフローチャートである。例えば表面実装機1の組立が完了した後の初期調整時において、主制御部75(図3)は、第1認識高さh1(Zs)において、図12(A)及び(B)に示したような、吸着ノズル42に電子部品を実際に保持させて実装する搭載測定を実行させる(ステップS21)。そして、補正値算出部73は、前記搭載測定の結果から、第1搭載補正値dXs、dYsを導出し(ステップS22)、これを記憶部76に格納する(ステップS23)。
次いで、主制御部75は、第1認識高さh1(Zs)において、吸着ノズル42のノズル先端42Tの偏心測定を行う(ステップS24)。具体的には、吸着ノズル42のノズル先端42Tを第1認識高さh1に位置させ、スキャンカメラ62でノズル先端42Tを、シャフト41の回転角度=0度、90度、180度、−90度の各々において撮像させる。この偏心測定の結果に基づき、補正値算出部73は、第1認識高さh1についての第1偏心補正値Xs、Ysを、各回転角度について導出する(ステップS25)。なお、これらステップS24、S24を、ステップS21〜S23に先行して実行させても良い。
続いて、主制御部75は、第2認識高さh2(Zm)において、ノズル先端42Tの偏心測定を行う(ステップS26)。具体的には、ノズル先端42Tを第2認識高さh2に位置させ、マルチカメラ11でノズル先端42Tを、シャフト41の回転角度=0度、90度、180度、−90度の各々において撮像させる。この偏心測定の結果に基づき、補正値算出部73は、第2認識高さh2についての第2偏心補正値Xm、Ymを、各回転角度について導出する(ステップS27)。
しかる後、補正値算出部73は、第1偏心補正値Xs、Ysと第1搭載補正値dXs、dYsとの関係と、第2偏心補正値Xm、Ymとから、各回転角度について第2搭載補正値dXm、dYmを算出する(ステップS28)。そして、補正値算出部73は、得られた第2搭載補正値dXm、dYmを記憶部76に格納し(ステップS29)、処理を終える。
以上説明した第2実施形態の偏心補正方法によれば、第1認識高さh1については、実際に吸着ノズル42に電子部品Dを保持させると共に部品搭載面Gに当該電子部品Dを搭載することで、第1搭載補正値dXs、dYsを実測により求める。一方、第2認識高さh2については、実測を行わず、第1偏心補正値Xs、Ysと第1搭載補正値dXs、dYsとの関係、及び、第2偏心補正値Xm、Ymから、第2搭載補正値dXm、dYmが推定により求められる。つまり、第1認識高さh1における部品搭載精度のキャリブレーション結果を流用して、第2認識高さh2における第2搭載補正値dXm、dYmが求められる。このため、第2認識高さh2についてのキャリブレーションを省くことができる。従って、吸着ノズル42の偏心補正を含む誤差補正のために要する作業量を軽減することができる。
[変形実施形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。例えば、次のような変形実施形態を取ることができる。
(1)上記実施形態では、偏心補正のために撮像されるヘッド基準位置の例として、吸着ノズル42のノズル先端42Tを例示した。前記ヘッド基準位置は、吸着ノズル42が装着されていないシャフト41の下端部であっても良い。また、シャフト41に部品保持具としてチップ部品の保持用のコレットが装着されている場合は、前記コレットの所定位置を前記ヘッド基準位置としても良い。
(2)上記実施形態では、第1認識高さh1をスキャンカメラ62で撮像し、第2認識高さh2をマルチカメラ11で撮像する例、つまり第1、第2認識高さh1、h2を異なるカメラで撮像する例を示した。これに代えて、同一のカメラで、第1、第2認識高さh1、h2を撮像する装置構成にて、本発明に係る偏心補正方法が実現されても良い。
(3)上記実施形態では、第1カメラがスキャンカメラ62、第2カメラがマルチカメラ11、第3カメラが基板認識カメラ5である例を示した。これらとは他の目的で表面実装機1に備えられているカメラや、新たに外付けしたカメラを、前記第1〜第3カメラとして用いても良い。
1 表面実装機(部品実装装置)
11 マルチカメラ(撮像手段/第2カメラ)
4 ヘッドユニット
4H 実装用ヘッド
41 シャフト
42 吸着ノズル(部品保持具)
42T ノズル先端(ヘッド基準位置)
5 基板認識カメラ(第3カメラ)
6 スキャンユニット
62 スキャンカメラ(撮像手段/第1カメラ)
7 制御装置
71 カメラ制御部71
72 画像処理部72
73 補正値算出部73
74 軸制御部74
75 主制御部75
76 記憶部76
h1 第1認識高さ
h2 第2認識高さ
h3 実装高さ
D 電子部品(部品)
G 部品搭載面

Claims (4)

  1. 昇降及び回転が可能なシャフト及び該シャフトに装着された部品保持具を有し、前記部品保持具にて保持された部品を部品搭載面に搭載する実装用ヘッドと、前記実装用ヘッドが搭載されたヘッドユニットと、前記ヘッドユニットを支持するベース部と、前記ヘッドユニットに組付けられ前記部品保持具に保持された部品を撮像する第1カメラと、前記ベース部に組み付けられ前記部品保持具に保持された部品を下方から撮像する第2カメラと、を備える部品実装装置における、前記部品保持具の偏心補正方法であって、
    予め定められた前記部品保持具の所定位置若しくは前記シャフトの所定位置からなるヘッド基準位置を、前記実装用ヘッドの昇降方向における第1認識高さで前記第1カメラによって撮像させ、撮像された画像に基づき前記第1認識高さにおける前記ヘッド基準位置の標準位置に対する第1偏心量を求めるステップと、
    前記ヘッド基準位置を、前記第1認識高さとは前記昇降方向の高さ位置が異なる第2認識高さで前記第2カメラによって撮像させ、撮像された画像に基づき前記第2認識高さにおける前記ヘッド基準位置の標準位置に対する第2偏心量を求めるステップと、
    前記第1偏心量と前記第2偏心量とから、前記部品搭載面における前記ヘッド基準位置の標準位置に対する第3偏心量を算出するステップと、
    前記第3偏心量に基づいて、前記第1認識高さにおける第1偏心補正値と第2認識高さにおける第2偏心補正値とを求め、これら第1、第2偏心補正値を前記部品実装装置が備える記憶手段に記憶させるステップと、
    を備える部品保持具の偏心補正方法。
  2. 昇降及び回転が可能なシャフト及び該シャフトに装着された部品保持具を有し、前記部品保持具にて保持された部品を部品搭載面に搭載する実装用ヘッドを備える部品実装装置における、前記部品保持具の偏心補正方法であって、
    予め定められた前記部品保持具の所定位置若しくは前記シャフトの所定位置からなるヘッド基準位置を、前記実装用ヘッドの昇降方向における第1認識高さで撮像手段によって撮像させ、撮像された画像に基づき前記第1認識高さにおける前記ヘッド基準位置の標準位置に対する第1偏心量を求めるステップと、
    前記ヘッド基準位置を、前記第1認識高さとは前記昇降方向の高さ位置が異なる第2認識高さで前記撮像手段によって撮像させ、撮像された画像に基づき前記第2認識高さにおける前記ヘッド基準位置の標準位置に対する第2偏心量を求めるステップと、
    前記第1偏心量と前記第2偏心量とから、前記部品搭載面における前記ヘッド基準位置の標準位置に対する第3偏心量を算出するステップと、
    前記第3偏心量に基づいて、前記第1認識高さにおける第1偏心補正値と第2認識高さにおける第2偏心補正値とを求め、これら第1、第2偏心補正値を前記部品実装装置が備える記憶手段に記憶させるステップと、
    を備える部品保持具の偏心補正方法において、
    前記部品保持具に部品を保持させて、前記第1認識高さにおいて前記部品の保持位置を求めると共に、前記保持された部品を前記部品搭載面に搭載させて前記部品の搭載位置を求め、前記保持位置と前記搭載位置とのズレに基づいて、前記第1認識高さにおける第1搭載補正値を求めるステップと、
    前記第1偏心補正値と前記第1搭載補正値との関係と第2偏心補正値とから、前記第2認識高さに保持された前記部品の保持位置と、前記保持された部品が前記部品搭載面に搭載されたと仮定した場合の前記部品の搭載位置とのズレを推定して、前記第2認識高さにおける第2搭載補正値を求めるステップと、
    前記第1、第2搭載補正値を前記記憶手段に記憶させるステップと、
    をさらに備える、部品保持具の偏心補正方法。
  3. 請求項2に記載の部品保持具の偏心補正方法において、
    前記撮像手段は、前記第1認識高さを焦点位置とする第1カメラと、前記第2認識高さを焦点位置とする第2カメラと、前記部品搭載面を焦点位置とする第3カメラとを含み、これら第1、第2、第3カメラは、前記部品実装装置に装備されたカメラであって、
    前記第1偏心量は、前記第1カメラによって前記ヘッド基準位置が撮像された画像から求められ、
    前記第2偏心量は、前記第2カメラによって前記ヘッド基準位置が撮像された画像から求められ、
    第1搭載補正値は、前記第1カメラによって前記部品を保持した前記部品保持具が撮像された画像と、前記第3カメラによって前記部品搭載面に搭載された前記部品が撮像された画像とから求められる、部品保持具の偏心補正方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の部品保持具の偏心補正方法において、
    上記偏心補正のための各ステップは、前記部品実装装置の使用前の初期調整時と、使用を開始して一定期間経過後とに実行される、部品保持具の偏心補正方法。
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