JP2004263252A - 耐白錆性に優れたクロムフリー化成処理鋼板 - Google Patents

耐白錆性に優れたクロムフリー化成処理鋼板 Download PDF

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真司 大塚
Yoshiharu Sugimoto
芳春 杉本
Takeshi Matsuda
武士 松田
Kazuhisa Okai
和久 岡井
Akira Matsuzaki
晃 松崎
Naoto Yoshimi
直人 吉見
Masaaki Yamashita
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Abstract

【課題】亜鉛を主体とする亜鉛系めっき鋼板の耐白錆性が良好であり、アルカリ脱脂によってもその耐食性が低下しないクロムフリー化成処理鋼板を提供する
【解決手段】亜鉛めっき鋼板の表面にクロムフリー化成処理皮膜を有するクロムフリー化成処理鋼板であって、前記亜鉛めっき鋼板のめっき層中に、Fe、Co,Ni,Mn、Mg、Al、Ce、Inの1種又は2種以上又はSi,Ti,V,Mo、Zrの酸化物の1種又は2種以上を0.01〜20wt%含有することを特徴とする耐白錆性に優れたクロムフリー化成処理鋼板。またはさらに、亜鉛めっき鋼板の表面より1μm以内のめっき表層部にFe、Co,Ni,Mn、Mg、Al、Ce、Inの1種又は2種以上又はSi,Ti,V,Mo、Zrの酸化物の1種又は2種以上が合計で50〜3000mg/m存在する。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、家電製品、自動車部品、建材用途に最適な表面処理鋼板であって、特に耐白錆性に優れたクロムフリー化成処理鋼板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
防錆鋼板に使用されている亜鉛めっき皮膜は、塩素イオンの存在する湿潤環境で白錆とよばれる腐食を生じやすいため、外観を著しく損ねる場合がある。これを防止するため、従来より、亜鉛めっきの表面を6価クロムイオン含有処理液で処理する、いわゆるクロメート処理が行われてきた。この6価クロムは処理工程においてクローズドシステムで処理され、完全に還元・回収されて自然界に放出されていないこと、また、有機皮膜によるシーリング作用によってクロメート皮膜中からクロム溶出もほぼゼロにできることから、実質的には6価クロムによって環境や人体が汚染されることはほとんどない。しかしながら、最近の地球環境問題から、6価クロムを含めた重金属の使用を削減しようとする動きが高まりつつある。
【0003】
このような背景の中、亜鉛系めっき鋼板の白錆の発生を防止するために、クロメート処理によらない処理技術、所謂クロムフリー化成処理技術が数多く提案されている。例えば、無機化合物、有機化合物、有機高分子材料、あるいはこれらを組み合わせた溶液を用い、浸漬、塗布、電解処理などの方法により薄膜を生成させる方法がある。
【0004】
具体的には、以下のような方法を挙げることができる。
(1)タンニン酸等の多価フェノールカルボン酸とシランカップリング剤を配合した処理液に浸漬、または処理液を塗布することにより皮膜を、Zn又はZn系合金めっき上に形成する方法(例えば、特許文献1、特許文献2)、
(2)特定の官能基を有する分散型又は水溶性の樹脂と多価フェノールカルボン酸及びそのデプシドを含有する物質、クロム以外の2価以上の原子価をもつ金属イオンを含有する処理液で亜鉛めっき鋼板を処理する方法(例えば、特許文献3)、
(3)酸変性エポキシ樹脂を含有する表面処理剤により亜鉛系めっきに皮膜を形成する方法(例えば、特許文献4)、
(4)水性樹脂とチオカルボニル基含有化合物、バナジン酸化合物及びリン酸化合物などに、微粒シリカを含む皮膜を亜鉛系めっき鋼板に形成させる方法(例えば、特許文献5)、
(5)Crを7%以上40%以下含有するZn−Cr系合金めっき表面に難溶性塩形成アニオンを含有する皮膜を施した表面処理鋼板(例えば、特許文献6)、
(6)0.5〜5%のCoと0.5〜5%の有機高分子を含有し残部が実質的に亜鉛からなるめっき皮膜に、シリカを含有する有機被覆層を形成させた方法(例えば、特許文献7)、
が示されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−216268号公報
【0006】
【特許文献2】
登録特許第2968959号公報
【0007】
【特許文献3】
特開平8−325760号公報
【0008】
【特許文献4】
特開2000−199076号公報
【0009】
【特許文献5】
特開2000−248380号公報
【0010】
【特許文献6】
特開平9−228067号公報
【0011】
【特許文献7】
特開平11−285669号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これら技術についてはいずれも以下のような問題点がある。
【0013】
特許文献1〜5では、いずれも皮膜そのもののバリヤー性を高める、あるいは皮膜に金属イオンなどの有効成分を含有させることにより、亜鉛の耐食性を向上させる技術であり、基本的に塩素イオンの存在する腐食環境において生成する白錆と呼ばれるZn腐食生成物の生成を抑制するものである。しかしながら、実際、これら鋼板を使用する場合には、プレス加工時に付着した油を除去するためpH9〜11程度のアルカリ性脱脂液による脱脂処理が行われる。これらの皮膜では、いずれもクロメート処理材に比較し、アルカリ脱脂後の耐食性が大きく低下するという欠点がある。
【0014】
また、特許文献6、7では、亜鉛めっき層の成分を規定しており、特に特許文献6ではCrを7%も含む亜鉛めっき鋼板に皮膜を形成するものであるため、めっき層そのものの耐食性が良好である。従って、通常のクロムフリー皮膜に比較し、すぐれた耐食性を示す。しかしながら、めっき皮膜中にクロムを含有するため、条件によりめっき皮膜中のCrが6価クロムとなり、大気環境汚染につながる可能性がある。
【0015】
さらに、特許文献7では、Znに少量のCoと高分子有機物を含有させた亜鉛系めっき鋼板に、シリカを含有する有機複合被覆を施したものであり、技術の特徴は、亜鉛への添加物であるCo,高分子有機物の作用によりめっき皮膜の腐食電位を制御し、Zn−Ni合金めっきやクロメート処理などのように、亜鉛の初期腐食の抑制を生じさせずに腐食生成物の微細化を実現する点にある。従って、亜鉛が初期に腐食することを前提としており、亜鉛の初期錆抑制能の指標である耐白錆性が劣るという欠点を有している。さらに、めっき腐食生成物の効果により、めっき下地の鋼板に対する耐穴あき性を抑制する点にあるため、耐白錆性が必要とされる用途には不適である。
【0016】
したがって、本発明の目的は、上記課題を解決し、亜鉛を主体とする亜鉛系めっき鋼板の耐白錆性が良好であり、アルカリ脱脂によってもその耐食性が低下しないクロムフリー化成処理鋼板を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決するために、まず、アルカリ脱脂による鋼板の皮膜剥離について検討を行った。
【0018】
通常、アルカリ脱脂では、鋼板はpH9〜11程度の強いアルカリ性の脱脂剤にスプレー処理される。脱脂性を高めるため、さらに脱脂剤の温度も40〜50℃程度と高い。この結果、耐アルカリ性に優れ、バリアー性の高いクロムフリー皮膜を鋼板に被覆しても、クロムフリー層と亜鉛めっき層の界面にアルカリ性の脱脂液が浸透し、局部的な皮膜はく離が生じる場合が多い。そして、これは、亜鉛が高pH領域で溶解しやすいため、亜鉛とクロムフリー層の界面での結合が弱まり、結果的に界面でのはく離が生じることに起因することが新たに明らかとなった。
【0019】
その機構は以下のように推定される。
【0020】
クロムフリー化成処理層とめっき層の界面には極わずかの厚みで、めっき成分と化成処理層中の成分とが反応する層(以下、反応層と称す)が形成されている。この反応層としては、▲1▼化成処理層中の成分(以下、化成処理層成分と称す)とめっきの亜鉛金属とが反応して生成する化合物のみならず、▲2▼めっき金属上に化成処理層成分が化学吸着することにより形成される吸着層、あるいは▲3▼めっき金属上の亜鉛水酸化物などの表面酸化層と化成処理層成分との化合物なども含まれる。そして、この反応層は、化成処理層成分により、その性質、存在形態、組成などを変えるが、めっき層上に形成されるため、かならず亜鉛などのめっき層成分を含む。従来のクロムフリー鋼板では、下地が主に亜鉛系めっき鋼板であるため、めっき層中の亜鉛が主として反応層に含まれる。亜鉛は両性金属であり、アルカリ域でも溶解しやすい。従って、亜鉛を主成分とする以上、従来のクロムフリー化成処理鋼板では、クロムフリー化成処理層とめっき層の界面に形成される反応層が、必然的にアルカリに溶解しやすく、アルカリ脱脂後、皮膜がめっき層ごと脱離し、結果的に脱脂後の耐食性が大きく低下する。この傾向は、特に化成処理層を薄くし、導電性などを高めた皮膜に顕著である。
【0021】
そこで、次に、亜鉛めっき層の表層、反応層の耐アルカリ性を強化するという目的で、アルカリ域での耐溶解性を高める成分について検討した。その結果、亜鉛めっき層中に特定の成分を含有させることによりアルカリ脱脂後も優れた耐白錆性を示すことが明らかとなった。具体的には、▲1▼Fe、Co,Ni,Mn、Mg、Al、Ce、In、▲2▼Si,Ti,V,Mo、Zrの酸化物が特に有効であることが明らかとなった。これらが有効である理由は十分明らかでないが、まず上記▲1▼Fe、Co,Ni,Mn、Mg、Al、Ce、Inについては、これらの金属はいずれも亜鉛が溶解するアルカリ域で難溶性の水酸化物を形成することから、アルカリ域での亜鉛の耐溶解性を高めているものと推定される。さらに、これらの成分が、クロムフリー化成処理層とめっき層の界面に存在することにより、界面層=反応層の耐アルカリ性も強化しているものと推定される。また、アルカリ脱脂を経ることにより、これら金属成分の難溶性の水酸化物がクロムフリー層の微視的な欠損部に充填され、逆にクロムフリー層を強化する働きもあるものと考えられる。
【0022】
▲2▼Si,Ti,V,Mo、Zrの酸化物については、いずれも中性域で安定であり、腐食環境でも安定に存在できる。ここで、酸化物表面に存在する水酸基を介し亜鉛が保持されるため、亜鉛溶解が抑制されるものと考えられる。さらに、アルカリ液との接触によりpHが上昇しても、酸化物微粒子に保持されているため、亜鉛が溶解しがたくなるものと考えられる。また、これらの酸化物微粒子が、クロムフリー化成処理層とめっき層の界面に存在することにより、酸化物表面に存在する水酸基が、クロムフリー化成処理層との密着性を高めることも耐食性向上に寄与するものと推定される。
【0023】
上記成分を亜鉛めっき層に共存させることでその効果が得られるが、特性を十分発現させるには、めっき層中に0.01〜20wt%含有することが必要である。0.01wt%未満であれば、耐アルカリ性向上の効果が十分でない。また、20wt%をこえると逆にアルカリ脱脂をしない状態での耐食性が特に劣化する傾向がある。これは、20wt%を超えることにより、めっき層の特性が亜鉛と大きく変化するため、本来亜鉛上の処理として設計されたクロムフリー化成処理層が十分な特性を発揮しないためであると考えられる。
【0024】
また、本発明では、耐白錆性をめっき層表層と化成処理層との界面層=反応層の制御により向上させるものであるため、これら成分のめっき表層における存在領域を規定することにより、さらに耐白錆性の効果は顕著に表れる。すなわち、亜鉛めっき鋼板の表面より1μm以内のめっき表層部に▲1▼Fe、Co,Ni,Mn、Mg、Al、Ce、Inを、もしくは▲2▼Si,Ti,V,Mo、Zrの酸化物を50〜3000mg/m含有させることが特に有効である。ここで、有効成分の存在量を規定する深さ領域を表面より深さ方向へ1μm以内とするのは、この領域の成分が、化成処理層との界面制御に特に有効に作用するためである。
【0025】
本発明はこのような知見に基づきなされたもので、その特徴は以下の通りである。
【0026】
[1]亜鉛めっき鋼板の表面にクロムフリー化成処理皮膜を有するクロムフリー化成処理鋼板であって、前記亜鉛めっき鋼板のめっき層中に、Fe、Co,Ni,Mn、Mg、Al、Ce、Inの1種又は2種以上を0.01〜20wt%含有することを特徴とする耐白錆性に優れたクロムフリー化成処理鋼板。
【0027】
[2]亜鉛めっき鋼板の表面にクロムフリー化成処理皮膜を有するクロムフリー化成処理鋼板であって、前記亜鉛めっき鋼板のめっき層中に、Si,Ti,V,Mo、Zrの酸化物の1種又は2種以上を0.01〜20wt%含有することを特徴とする耐白錆性に優れたクロムフリー化成処理鋼板。
【0028】
[3]上記[1]において、亜鉛めっき鋼板の表面より1μm以内のめっき表層部にFe、Co,Ni,Mn、Mg、Al、Ce、Inの1種又は2種以上が合計で50〜3000mg/m存在することを特徴とする耐白錆性に優れたクロムフリー化成処理鋼板。
【0029】
[4]上記[2]において、亜鉛めっき鋼板の表面より1μm以内のめっき表層部にSi,Ti,V,Mo、Zrの酸化物の1種又は2種以上が合計で50〜3000mg/m存在することを特徴とする耐白錆性に優れたクロムフリー化成処理鋼板。
【0030】
[5]上記[1]ないし[4]において、クロムフリー化成処理皮膜がP成分を含むことを特徴とする耐白錆性に優れたクロムフリー化成処理鋼板。
【0031】
[6]上記[1]ないし[4]において、クロムフリー化成処理皮膜におけるクロムフリー化成処理層が、複層の皮膜であり、第1層皮膜として、
(α)酸化物微粒子と、
(β)リン酸及び/又はリン酸化合物と、
(γ)Mg、Mn、Alの中から選ばれる一種以上の金属(但し、化合物および/または複合化合物として含まれる場合を含む)と、
を含有する複合酸化物皮膜を有し、
その上部に第2層皮膜として、基体樹脂としてOH基および/またはCOOH基を有する有機高分子樹脂(A)と下記(a)〜(f)のうちのいずれかの防錆添加成分(B)とを含み、
(a)Caイオン交換シリカおよびリン酸塩
(b)Caイオン交換シリカ、リン酸塩および酸化ケイ素
(c)カルシウム化合物および酸化ケイ素
(d)カルシウム化合物、リン酸塩および酸化ケイ素
(e)モリブデン酸塩
(f)トリアゾール類、チオール類、チアジアゾール類、チアゾール類、チウラム類の中から選ばれる一種以上の有機化合物
前記防錆添加成分(B)の合計の含有量が、前記有機高分子樹脂(A)100重量部(固形分)に対して1〜100重量部(固形分)である有機被膜を有することを特徴とする耐白錆性に優れたクロムフリー化成処理鋼板。
【0032】
[7]上記[1]ないし[4]において、クロムフリー化成処理皮膜におけるクロムフリー化成処理層が、複層の皮膜であり、第1層皮膜として、
(α)酸化物微粒子と、
(β)リン酸及び/又はリン酸化合物と、
(γ)Mg、Mn、Alの中から選ばれる一種以上の金属(但し、化合物および/または複合化合物として含まれる場合を含む)と、
を含有する複合酸化物皮膜を有し、
その上部に第2層皮膜として、皮膜形成有機樹脂(D)と一部または全部の化合物が活性水素を有するヒドラジン誘導体(C)からなる活性水素含有化合物(E)との反応生成物(X)と、下記(a)〜(f)のうちのいずれかの防錆添加成分(Y)とを含み、
(a)Caイオン交換シリカおよびリン酸塩
(b)Caイオン交換シリカ、リン酸塩および酸化ケイ素
(c)カルシウム化合物および酸化ケイ素
(d)カルシウム化合物、リン酸塩および酸化ケイ素
(e)モリブデン酸塩
(f)トリアゾール類、チオール類、チアジアゾール類、チアゾール類、チウラム類の中から選ばれる一種以上の有機化合物
前記防錆添加剤(Y)の合計の含有量が前記反応生成物(X)100重量部(固形分)に対して1〜100重量部(固形分)である有機皮膜を有することを特徴とする耐白錆性に優れたクロムフリー化成処理鋼板。
【0033】
[8]上記[7]に記載の皮膜形成有機樹脂(D)が、エポキシ基含有樹脂であることを特徴とする耐白錆性に優れたクロムフリー化成処理鋼板。
【0034】
[9]上記[7]または[8]において、上記[7]に記載の活性水素を有するヒドラジン誘導体(C)が、活性水素を有するピラゾール化合物及び/または活性水素を有するトリアゾール化合物であることを特徴とする耐白錆性に優れたクロムフリー化成処理鋼板。
【0035】
[10]上記[1]ないし[4]において、クロムフリー化成処理皮膜におけるクロムフリー化成処理層が、下記式(1)で表される樹脂化合物と、第1〜3アミノ基及び第4アンモニウム塩基、から選ばれる少なくとも1種のカチオン性官能基を有するカチオン性ウレタン樹脂と、活性水素含有アミノ基、エポキシ基、ビニル基、メルカプト基及びメタクリロキシ基から選ばれる少なくとも1種の反応性官能基を有する1種以上のシランカップリング剤と、Ti化合物若しくはZr化合物の少なくとも1種と、リン酸、硝酸及び酢酸、若しくはこれらの塩から選ばれる少なくとも1種の酸化合物とを含有し、且つ、前記カチオン性ウレタン樹脂及び前記シランカップリング剤の各々の含有量が前記樹脂化合物と前記カチオン性ウレタン樹脂と前記シランカップリング剤の合計量の全固形分に対して、それぞれ1〜20質量%及び45〜85質量%である表面処理剤を塗布し、乾燥することにより形成された皮膜であることを特徴とする耐白錆性に優れたクロムフリー化成処理鋼板。
【0036】
【化2】
Figure 2004263252
【0037】
[11]上記[10]に記載の表面処理剤が、Ti化合物若しくはZr化合物の少なくとも1種を、樹脂化合物とカチオン性ウレタン樹脂とシランカップリング剤の合計量の全固形分に対して1〜20質量%含有することを特徴とする耐白錆性に優れたクロムフリー化成処理鋼板。
【0038】
[12]上記[10]または[11]において、上記[10]に記載の表面処理剤が、リン酸、硝酸及び酢酸、もしくはこれらの塩から選ばれる少なくとも1種の酸化合物を、樹脂化合物とカチオン性ウレタン樹脂とシランカップリング剤の合計量の全固形分に対して1〜30質量%含有することを特徴とする耐白錆性に優れたクロムフリー化成処理鋼板。
【0039】
[13]上記[1]ないし[4]において、クロムフリー化成処理皮膜におけるクロムフリー化成処理層が、
(g)数平均分子量400〜20,000のポリアルキレングリコール、ビスフェノール型エポキシ樹脂、活性水素含有化合物及びポリイソシアネート化合物を反応させて得られるポリアルキレングリコール変性エポキシ樹脂と、該ポリアルキレングリコール変性エポキシ樹脂以外のエポキシ基含有樹脂と、活性水素を有するヒドラジン誘導体と、必要に応じて該ヒドラジン誘導体以外の活性水素含有化合物とを反応させる事により得られる樹脂を水中に分散してなる水性エポキシ樹脂分散液と、
(h)シランカップリング剤と、
(i)リン酸および/またはヘキサフルオロ金属酸と、
を含有する表面処理組成物を塗布し、乾燥することにより形成された皮膜であることを特徴とする耐白錆性に優れたクロムフリー化成処理鋼板。
【0040】
[14]上記[13]エポキシ基含有樹脂がエポキシ当量150〜5000のビスフェノールA型エポキシ樹脂であり、その数平均分子量が1500〜10000であることを特徴とする耐白錆性に優れたクロムフリー化成処理鋼板。
【0041】
[15]上記[13]または[14]において、上記[13]に記載の水性エポキシ樹脂分散液(g)がさらに、水酸基と架橋する基を有する硬化剤を含有することを特徴とする耐白錆性に優れたクロムフリー化成処理鋼板。
【0042】
[16]上記[13]ないし[15]において、上記[13]に記載の表面処理組成物が、シランカップリング剤(h)を水分散性樹脂の固形分100質量部に対して1〜300質量部、リン酸および/またはヘキサフルオロ金属酸(i)を水分散性樹脂の固形分100質量部に対して、0.1〜80質量部含有することを特徴とする耐白錆性に優れたクロムフリー化成処理鋼板。
【0043】
[17]上記[13]ないし[16]において、上記[13]に記載の表面処理組成物が、さらに、水溶性リン酸塩(j)を、水分散性樹脂の固形分100質量部に対して固形分で0.1〜60質量部含有することを特徴とする耐白錆性に優れたクロムフリー化成処理鋼板。
【0044】
[18]上記[17]に記載の水溶性リン酸塩(j)として、カチオン成分とP成分のモル比[カチオン]/[P]が0.4〜1.0であって、且つカチオン種がMn、Mg、Al、Niの中から選ばれる1種または2種以上である水溶性リン酸塩を含有することを特徴とする耐白錆性に優れたクロムフリー化成処理鋼板。
【0045】
[19]上記[13]ないし[18]において、上記[13]に記載の表面処理組成物が、さらに、非クロム系防錆添加剤(k)を、水分散性樹脂の固形分100質量部に対して固形分で0.1〜50質量部含有することを特徴とする耐白錆性に優れたクロムフリー化成処理鋼板。
【0046】
[20]上記[19]に記載の非クロム系防錆添加剤(k)として、下記(k1)〜(k5)の群の中から選ばれる1または2つ以上の防錆添加剤を含有することを特徴とする耐白錆性に優れたクロムフリー化成処理鋼板。
【0047】
(k1)酸化ケイ素
(k2)カルシウムおよび/またはカルシウム化合物
(k3)難溶性リン酸化合物
(k4)モリブデン酸化合物
(k5)トリアゾール類、チオール類、チアジアゾール類、チアゾール類、チウラム類の中から選ばれる1種または2種以上の、S原子を含有する有機化合物[21]上記[13]ないし[20]において、上記[13]に記載の表面処理組成物が含有するシランカップリング剤(h)が、反応性官能基としてアミノ基を有するシランカップリング剤の少なくとも1種であることを特徴とする耐白錆性に優れたクロムフリー化成処理鋼板。
【0048】
[22]上記[13]ないし[21]において、上記[13]に記載の表面処理組成物が含有するヘキサフルオロ金属酸(i)が、Ti、Si、Zrの中から選ばれる1種または2種以上の元素を含むヘキサフルオロ金属酸の少なくとも1種であることを特徴とする耐白錆性に優れたクロムフリー化成処理鋼板。
【0049】
[23]上記[13]ないし[22]において、上記[13]に記載の表面処理組成物が、(i)の成分としてリン酸を含有し、さらに水溶性リン酸塩として第一リン酸アルミニウムを含有し、非クロム系防錆添加剤としてカルシウムイオン交換シリカを含有することを特徴とする耐白錆性に優れたクロムフリー化成処理鋼板。
【0050】
【発明の実施の形態】
以下、詳細に本発明の特徴について述べる。
【0051】
本発明のベ−スとなる亜鉛めっき鋼板としては、電気めっき鋼板および溶融亜鉛めっき鋼板を用いることができる。
【0052】
そして、この時、母材の鋼板としては、通常の冷延鋼板を用いることが好ましいが、これに限定されること無く、熱延鋼板などでも構わない。鋼板の材質についても特に制限されるものではない。
【0053】
本発明においては、亜鉛めっき鋼板のめっき層中に、▲1▼Fe、Co,Ni,Mn、Mg、Al、Ce、Inの1種又は2種以上、もしくは▲2▼Si,Ti,V,Mo、Zrの酸化物の1種又は2種以上を0.01〜20wt%含有することとする。
【0054】
また、本発明では、めっき表面より深さ方向へ1μm以内の領域に、▲1▼Fe、Co,Ni,Mn、Mg、Al、Ce、Inの1種又は2種以上、もしくはSi,Ti,V,Mo、Zrの酸化物の1種又は2種以上が、50〜3000mg/m存在する場合にさらに耐白錆性の効果が有効となる。この場合のめっき表面とは、クロムフリー化成処理層を施す対象となる層の表面を指し、上記の▲1▼Fe、Co,Ni,Mn、Mg、Al、Ce、Inもしくは▲2▼Si,Ti,V,Mo、Zrの酸化物を含む亜鉛めっき層表面、あるいは、亜鉛めっき層上に、電気めっき、蒸着めっき、浸漬、塗布、スプレー処理などで形成される▲1▼Fe、Co,Ni,Mn、Mg、Al、Ce、Inもしくは▲2▼Si,Ti,V,Mo、Zrの酸化物を含む層の表面を意味する。
【0055】
めっき表面より深さ方向1μm以内の領域に所定量の▲1▼Fe、Co,Ni,Mn、Mg、Al、Ce、Inもしくは▲2▼Si,Ti,V,Mo、Zrの酸化物が存在していれば、さらにそれより深い方向にこれら成分が存在していても良いし、これら成分を含有せず亜鉛のみから構成されても良い。
【0056】
また、本発明の亜鉛めっき層に、上記▲1▼Fe、Co,Ni,Mn、Mg、Al、Ce、Inと▲2▼SiO,TiO、MoOなどの酸化物などは混在して含有されていても良い。
【0057】
めっき層中あるいは、表層より1μm以内のこれら成分の存在形態は、特に規定されない。例えば、▲1▼Fe、Co,Ni,Mn、Mg、Al、Ce、Inの場合は、金属状態、酸化状態であっても良く、例えばリン酸塩などの難溶性塩の状態であっても良い。また、金属状態の場合、亜鉛と合金を形成し、金属間化合物を形成していても良いし、亜鉛に固溶した状態でも良い。▲2▼SiO,TiO、MoOなどの酸化物の場合、めっき層中あるいは、表層より1μm以内のこれら成分の存在形態は特に規定されず、数十ナノメーターの微粒子の凝集体や、ネットワークを形成した無機高分子のような形態であっても良い。そして、これら成分の分布状態は特に規定されないが、数十μmオーダー以下での均一分布がより好ましい。具体的には、表層からEPMA(電子線マイクロアナライザ)等でこれら成分の二次元分布を観察した場合、数十μm四方の範囲で二次元方向の分布に偏りが無いことが好ましい。また、仮に分布に偏りがあったとしても、これが規則的に二次元方向に繰り返されていることが好ましい。
【0058】
母材鋼板上に形成される本発明の亜鉛めっき皮膜としては、電気めっき法、溶融めっき法、蒸着めっき法など如何なる手法により形成されても良い。また、亜鉛めっき層に含有させる、Fe、Co,Ni,Mn、Mg、Al、Ce、Inを導入する方法も特に規定されるものではなく、合金電気めっき法、分散電気めっき法、必要成分を含有する溶融亜鉛への浸漬によるめっき形成、必要成分を亜鉛とともに蒸着させる方法など如何なる方法でも良い。また、亜鉛めっき層に含有させる、Si,Ti,V,Mo、Zrの酸化物を導入する方法も特に規定されるものではなく、分散電気めっき法、酸化物成分を含有する溶融亜鉛への浸漬によるめっき形成、必要成分を亜鉛とともに蒸着させる方法など如何なる方法でも良い。さらには、表層にのみこれら成分を形成させるために、電気めっき法、溶融めっき法、蒸着めっき法などの通常の方法により所定量の亜鉛めっきを鋼板上に形成させた後、引き続きその上層に、電気めっき法、蒸着めっき法を行い、亜鉛+有効成分、亜鉛+酸化物成分、有効成分のみ、あるいは酸化物成分のみを表層に形成させても良い。あるいは有効成分、酸化物成分を含む水性、あるいは溶剤系処理液への浸漬、及び処理液塗布、スプレー処理などの方法により、亜鉛と有効成分、亜鉛と酸化物成分が共存する層を形成させることも可能である。
【0059】
水性処理液の具体例としては、▲1▼Fe、Co,Ni,Mn、Mg、Al、Ce、Inの場合は、Fe、Co,Ni,Mn、Mg、Al、Ce、Inの硝酸塩、酢酸塩、硫酸塩、塩化物、リン酸塩などと酸化剤成分を含有する水溶液を亜鉛めっき層と接触させた後、酸化剤成分による亜鉛の酸化反応により生成する亜鉛水酸化物層にこれら成分の水酸化物や化合物を取り込ませ、表層に亜鉛と有効成分の複合水酸化物あるいは複合リン酸塩などの化合物を形成させる方法などがあげられる。特に硝酸塩で処理すると、硝酸の酸化作用とアンモニウム生成によるpH上昇作用により、表層に複合酸化物を形成しやすく有効である。▲2▼SiO,TiO、MoOなどの酸化物の場合は、ア)Si,Ti,V,Mo、Zrの酸化物微粒子を水分散性のゾルとして存在させた水溶液、イ)ケイ酸ナトリウム、Liシリケートのような水ガラスの水溶液、3)モリブデン酸、バナジン酸を含む水溶液に、さらに硝酸イオン、過マンガン酸塩などの酸化剤成分を混合させた溶液を、亜鉛めっき層と接触させる方法があげられる。これは、酸化剤成分による亜鉛の酸化反応により生成する亜鉛水酸化物層に酸化物成分を取り込ませ、表層に亜鉛と酸化物成分の複合水酸化物を形成させる方法などがあげられる。特に硝酸イオン含有液で処理すると、硝酸の酸化作用とアンモニウム生成によるpH上昇作用により、表層に複合酸化物を形成しやすく有効である。なお、単純に酸化剤成分を含まない、水ガラス、Liシリケートなどの液を塗布乾燥した場合には、亜鉛を含まない無機皮膜が形成されるため、本発明の効果は得られない。また、酸化物含有水溶液中にリン酸イオンを共存させて、酸化物成分とリン酸成分を含む表面層を形成させることも可能である。
【0060】
なお、表層に有効成分もしくは有効酸化物を形成させる処理の後、引き続き水洗、乾燥などの工程が含まれても良い。さらに、溶融亜鉛めっき表層に処理液を接触させる場合には、(溶融塩)ポットの出側でスプレー処理などにより反応させる方法も適用できる。
【0061】
Fe、Co,Ni,Mn、Mg、Al、Ce、In成分存在量もしくはSi,Ti,V,Mo、Zrの酸化物存在量の測定方法としては、まず、所定面積の本発明のめっき層を2N塩酸水溶液などの酸性溶液で溶解させ、溶解液中のFe、Co,Ni,Mn、Mg、Al、Ce、In成分、Si,Ti,V,Mo、Zr成分をICP(誘導結合プラズマ発光分光分析法)などにより検量線法により定量し、表層部を含むめっき層すべてのこれら成分の単位面積あたりの存在量を測定する。また、表層より1μm以内でのこれら成分の存在量を定量する場合には、以下のようにすると良い。まず、上記のとおりICPにより、全皮膜中のこれら成分量を単位面積あたりの量として測定する。引き続き、GDS(グロー放電発光分析法)により、これら成分の存在割合の深さ方向分布を測定する。また、別にあらかじめ表層より深さ方向の距離とスパッタ時間との関係を測定しておき、スパッタ時間より、表層からの深さ方向への距離のFe、Co,Ni,Mn、Mg、Al、Ce、In成分の存在割合、Si,Ti,V,Mo、Zrの酸化物の存在割合を算出する。この比率を、ICP法により測定した皮膜トータルに含まれるこれら成分に乗じ、深さ方向の1μmの範囲内でのこれら成分の存在量を算出すると良い。
【0062】
次に、亜鉛めっき鋼板の表面に施されるクロムフリー化成処理皮膜について説明する。
【0063】
本発明で使用するクロムフリー化成処理層については特に規定されず、単層又は複層のいずれのクロムフリー化成処理皮膜でも良い。
【0064】
好ましくは、亜鉛めっき層に直接接触する層中にP成分を含む皮膜が良い。これは、P成分が特に亜鉛と反応しやすく、さらに反応により形成されるリン酸亜鉛などの化合物が塩素イオン環境で比較的安定であるため、耐白錆性を向上させる上で有効であるためである。さらに、本発明の特徴であるアルカリ脱脂後の耐白錆性を向上させるという目的においても、化成処理層中にP成分を含む皮膜が好ましい。これは、亜鉛とPより形成される化合物中に、さらにFe、Co,Ni,Mn、Mg、Al、Ce、Inを含有させることにより、これらのリン酸塩などP化合物の耐アルカリ性が向上するためであると推定される。さらにSi,Ti,V,Mo、Zrの酸化物を含有させることにより、化合物の耐アルカリ性が向上するためであると推定される。
【0065】
P成分としては、めっき層に化成処理層を形成する際に塗布、あるいは浸漬、スプレー処理などに用いられる処理液中に含まれる、水溶性リン酸化合物、水分散性のリン酸コロイド、有機リン酸などがあげられる。水溶性リン酸化合物としては、オルトリン酸、縮合リン酸あるいはこれらの塩、亜リン酸、次亜リン酸あるいはこれらの塩などがあげられる。また、水分散性のリン酸コロイドとしては、金属イオンと反応させて形成するリン酸鉄コロイドなどがあげられ、有機リン酸としては、リン酸エステル、亜リン酸エステル、ホスホニウム塩、ジアルキルジチオリン酸などがあげられる。
【0066】
先にも述べたように、Pを含有するものであれば、クロムフリー化成処理層については特に規定されるものではなく、ウレタン系樹脂、エポキシ樹脂、アクリル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンーアクリル酸共重合体などのオレフィン系樹脂、ポリスチレンなどのスチレン系樹脂、ポリエステルあるいはこれらの共重合物や変成物などの有機系樹脂、あるいはこれらの基体樹脂にシリカや、固体潤滑剤、架橋剤などを組み合わせた有機系樹脂皮膜などが挙げられる。水ガラス、リチウムシリケート、ケイ酸塩などを塗布乾燥して得られる、Si含有無機皮膜、さらには上記以外にも、水分散性、あるいは水溶性の樹脂成分及びリン酸、金属イオンなどから構成される水溶液成分を塗布乾燥して得られる皮膜など、如何なるクロムフリー化成処理層も本発明の効果を得ることができる。
【0067】
P成分を含む皮膜の他に好ましいクロムフリー化成処理層として以下の皮膜があげられる。これらの皮膜では、いずれもクロムフリー化成処理層を形成する皮膜組成物が亜鉛と反応し、界面に反応層を形成している。このため、前述した通り、亜鉛めっき皮膜層の表層部に、反応層の耐アルカリ性を向上させる成分が所定量存在していることにより、通常の亜鉛めっき層に皮膜を施すよりも、優れたアルカリ脱脂後の耐食性が得られる。この結果、さらに化成処理層の皮膜を薄くすることができ、耐食性のみならず、導電性などの特性をも向上させることが可能となる。
【0068】
まず、最初の皮膜は、クロムフリー化成処理皮膜におけるクロムフリー化成処理層が、複層の皮膜であり、第1層皮膜として、
(α)酸化物微粒子と、
(β)リン酸及び/又はリン酸化合物と、
(γ)Mg、Mn、Alの中から選ばれる一種以上の金属(但し、化合物および/または複合化合物として含まれる場合を含む)と、
を含有する複合酸化物皮膜を有し、
その上部に第2層皮膜として、基体樹脂としてOH基および/またはCOOH基を有する有機高分子樹脂(A)と下記(a)〜(f)のうちのいずれかの防錆添加成分(B)とを含み、
(a)Caイオン交換シリカおよびリン酸塩
(b)Caイオン交換シリカ、リン酸塩および酸化ケイ素
(c)カルシウム化合物および酸化ケイ素
(d)カルシウム化合物、リン酸塩および酸化ケイ素
(e)モリブデン酸塩
(f)トリアゾール類、チオール類、チアジアゾール類、チアゾール類、チウラム類の中から選ばれる一種以上の有機化合物
前記防錆添加成分(B)の合計の含有量が、前記有機高分子樹脂(A)100重量部(固形分)に対して1〜100重量部(固形分)である有機被膜を有する皮膜である。
【0069】
次の皮膜は、クロムフリー化成処理皮膜におけるクロムフリー化成処理層が、複層の皮膜であり、第1層皮膜として、
(α)酸化物微粒子と、
(β)リン酸及び/又はリン酸化合物と、
(γ)Mg、Mn、Alの中から選ばれる一種以上の金属(但し、化合物および/または複合化合物として含まれる場合を含む)と、
を含有する複合酸化物皮膜を有し、
その上部に第2層皮膜として、皮膜形成有機樹脂(D)と一部または全部の化合物が活性水素を有するヒドラジン誘導体(C)からなる活性水素含有化合物(E)との反応生成物(X)と、下記(a)〜(f)のうちのいずれかの防錆添加成分(Y)とを含み、
(a)Caイオン交換シリカおよびリン酸塩
(b)Caイオン交換シリカ、リン酸塩および酸化ケイ素
(c)カルシウム化合物および酸化ケイ素
(d)カルシウム化合物、リン酸塩および酸化ケイ素
(e)モリブデン酸塩
(f)トリアゾール類、チオール類、チアジアゾール類、チアゾール類、チウラム類の中から選ばれる一種以上の有機化合物
前記防錆添加剤(Y)の合計の含有量が前記反応生成物(X)100重量部(固形分)に対して1〜100重量部(固形分)である有機皮膜を有する皮膜である。
さらには、上記の皮膜形成有機樹脂(D)が、エポキシ基含有樹脂であることが好ましい。また、さらには、前記ヒドラジン誘導体(C)が、活性水素を有するピラゾール化合物及び/または活性水素を有するトリアゾール化合物であることが好ましい。
【0070】
上記二つの皮膜が耐白錆性に有効な理由は、既に特開2002−53980号公報、特開2002−53979号公報で開示されている通りである。上記皮膜を本発明の亜鉛めっき皮膜中の表層部分の成分の規定と組み合わせることにより、前記皮膜の第1層である複合酸化物皮膜層と亜鉛めっき層の界面に形成される化合物の耐アルカリ性がさらに向上する。さらに、表層に存在する有効成分量を適性値とすることにより、界面での反応層を均一に形成させることができる。
【0071】
次の皮膜は、クロムフリー化成処理皮膜におけるクロムフリー化成処理層が、下記式(1)で表される樹脂化合物と、第1〜3アミノ基及び第4アンモニウム塩基、から選ばれる少なくとも1種のカチオン性官能基を有するカチオン性ウレタン樹脂と、活性水素含有アミノ基、エポキシ基、ビニル基、メルカプト基及びメタクリロキシ基から選ばれる少なくとも1種の反応性官能基を有する1種以上のシランカップリング剤と、Ti化合物若しくはZr化合物の少なくとも1種と、リン酸、硝酸及び酢酸、若しくはこれらの塩から選ばれる少なくとも1種の酸化合物とを含有し、且つ、前記カチオン性ウレタン樹脂及び前記シランカップリング剤の各々の含有量が前記樹脂化合物と前記カチオン性ウレタン樹脂と前記シランカップリング剤の合計量の全固形分に対して、それぞれ1〜20質量%及び45〜85質量%である表面処理剤を塗布し、乾燥することにより形成された皮膜である。
【0072】
【化3】
Figure 2004263252
【0073】
式(1)において、ベンゼン環に結合しているY1およびY2は、それぞれ互いに独立に水素、又は上記により表されるZ基であり、1ベンゼン環当たりのZ基の置換数の平均値は0.2〜1.0である。nは2〜50の整数を表す。ここで、Z基の置換数の平均値とは、全Z基導入数を全ベンゼン環数(即ち2n)で除した数値のことである。また、平均重合度nが2未満では耐食性付与効果が不十分で、50を越えると水溶性の低下、増粘などにより、処理剤中での安定性が低下し、保存安定性が不十分である。また、R、R、R、RおよびRは、それぞれお互いに独立に水素原子、炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数1〜10のヒドロキシアルキル基を表す。アルキル基又はヒドロキシアルキル基の炭素数が10を越えると樹脂を十分に水溶化することができず、処理剤中で不安定となり適用できない。R、R、R、RおよびRは、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、ヒドロキシイソブチルなどが挙げることができる。Aは水酸イオン又は酸イオンを表す。酸イオンの具体例としては、例硫酸イオン、硝酸イオン、酢酸イオンなどを挙げることができる。
【0074】
式(1)で示す前記樹脂化合物は、ビスフェノール−ホルマリン縮合物で、その合成方法は特定しないが、例えば、アルカリ触媒存在下、ビスフェノールAにホルマリンとアミンを作用させることで得ることができる。
【0075】
前記カチオン性ウレタン樹脂は、カチオン性官能基として第1〜3アミノ基、又は第4アンモニウム塩基から選ばれる少なくとも1種のカチオン性官能基を有するものであれば、構成されるモノマー成分であるポリオール、イソシアネート成分および重合方法を特に限定されるものではない。カチオン性官能基としては、例えば、アミノ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、トリメチルアミノ基、トリエチルアミノ基などがあげられるが、第1〜3アミノ基、又は第4アンモニウム塩基であれば本発明の性能を損なわない限り限定しない。
【0076】
また、前記表面処理剤は、カチオン性ウレタン樹脂を、樹脂化合物とカチオン性ウレタン樹脂とシランカップリング剤の合計量の全固形分に対して1〜20質量%含有する。好ましくは3〜15質量%、さらに好ましくは4〜10質量%である。このカチオン性ウレタン樹脂を1〜20質量%含有することにより、未添加の場合に発生しやすい、腐食初期のごく薄い白錆を効果的に防ぐことができる。この理由は必ずしも明らかではないが、カチオン性ウレタン樹脂を特定比率、配合することにより造膜性が向上し、腐食初期のごく薄い白錆発生を改善することができると考えられる。しかしながら、1質量%未満では初期の薄錆発生の抑制効果が不十分であり、20質量%を越えると長期の耐食性と耐黒変性が不十分となる。
【0077】
さらに前記表面処理剤組成物中のシランカップリング剤は、活性水素含有アミノ基、エポキシ基、ビニル基、メルカプト基およびメタクリロキシ基から選ばれる少なくとも1種の反応性官能基を有する1種以上のシランカップリング剤であれば特に限定されるものではないが、具体例を挙げると、N−(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、メトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどが使用できる。
【0078】
前記表面処理剤は、シランカップリング剤を、樹脂化合物とカチオン性ウレタン樹脂とシランカップリング剤の合計量の全固形分に対して45〜85質量%含有する。好ましくは55〜75質量%、さらに好ましくは60〜70質量%である。45質量%未満では耐食性および塗料密着性が不十分であり、85質量%を越えると皮膜の耐指紋性が低下する。
【0079】
前記表面処理組成物中のTi化合物若しくはZr化合物の少なくとも1種は、Tiの供給源となるのもであれば特に対となるアニオンを限定するものではないが、具体例をあげると、酢酸チジルコニウム、硝酸ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、りん酸ジルコニウム、炭酸ジルコニウム、フッ化ジルコニウム水素酸、酢酸チタン、硝酸チタン、硫酸チタン、りん酸チタン、炭酸チタン、チタンフッ化水素酸などが使用できる。
【0080】
前記表面処理剤はTi化合物若しくはZr化合物の少なくとも1種を、樹脂化合物とカチオン性ウレタン樹脂とシランカップリング剤の合計量の全固形分に対して1〜20質量%含有することが望ましい。より好ましくは3〜15質量%、さらに好ましくは5〜10質量%である。1質量%未満では耐食性および耐黒変性が不十分であり、20質量%を越えると表面処理剤の可使時間が短くなる。
【0081】
前記表面処理剤組成物中のリン酸、硝酸及び酢酸、若しくはこれらの塩から選ばれる少なくとも1種の酸化合物は、具体例を挙げると、オルソりん酸、ピロりん酸、トリメタりん酸、テトラメタりん酸、ヘキサメタりん酸、りん酸二水素アンモニウム、りん酸水素二アンモニウム、りん酸三アンモニウム、りん酸二水素ナトリウム、りん酸水素二ナトリウム、りん酸三ナトリウム、硝酸、硝酸アンモニウム、硝酸ナトリウム、酢酸、酢酸アンモニウム、酢酸ナトリウムなどが使用できる。
【0082】
前記表面処理剤は、りん酸、硝酸及び酢酸、もしくはこれらの塩から選ばれる少なくとも1種の酸化合物を、樹脂化合物とカチオン性ウレタン樹脂とシランカップリング剤の合計量の全固形分に対して1〜30質量%含有することが望ましい。より好ましくは3〜20質量%、さらに好ましくは5〜15質量%である。1質量%未満では耐食性が不十分であり、30質量%を越えると塗料密着性が不十分である。
また、前記表面処理剤は、前記樹脂化合物ないしりん酸、硝酸及び酢酸、もしくはこれらの塩から選ばれる少なくとも1種の酸化合物に加え、充填剤や潤滑剤などを含有し得る。
【0083】
また、前記表面処理剤中の、リン酸、硝酸及び酢酸、若しくはこれらの塩から選ばれる少なくとも1種の酸化合物が特に亜鉛めっき層と反応し、界面に難溶性の化合物層を形成する。このとき、亜鉛めっき表層に、有効成分を存在させ、さらにこの有効成分量を適性値とすることにより、界面での反応層を均一に形成させることができる。
【0084】
次の皮膜として、クロムフリー化成処理皮膜におけるクロムフリー化成処理層が、
(g)数平均分子量400〜20,000のポリアルキレングリコール、ビスフェノール型エポキシ樹脂、活性水素含有化合物及びポリイソシアネート化合物を反応させて得られるポリアルキレングリコール変性エポキシ樹脂と、前記ポリアルキレングリコール変性エポキシ樹脂以外のエポキシ基含有樹脂と、活性水素を有するヒドラジン誘導体と、必要に応じて前記ヒドラジン誘導体以外の活性水素含有化合物とを反応させる事により得られる樹脂を水中に分散してなる水性エポキシ樹脂分散液と、
(h)シランカップリング剤と、
(i)リン酸および/またはヘキサフルオロ金属酸と、
を含有する表面処理組成物を塗布し、乾燥することにより形成された皮膜であるまず、前記表面処理組成物の(g)成分である水性エポキシ樹脂分散液について説明する。
【0085】
水性エポキシ樹脂分散液(g)は、ポリアルキレングリコール変性エポキシ樹脂、ポリアルキレングリコール変性エポキシ樹脂以外のエポキシ基含有樹脂、活性水素を有するヒドラジン誘導体及び必要に応じて前記ヒドラジン誘導体以外の活性水素含有化合物を反応させ得られる樹脂(以下、単に「水分散性樹脂」ともいう)を水中に分散してなるものである。
【0086】
さらに、上記ポリアルキレングリコール変性エポキシ樹脂は、数平均分子量400〜20,000のポリアルキレングリコール、ビスフェノール型エポキシ樹脂、活性水素含有化合物及びポリイソシアネート化合物を反応させて得ることができる。前記ポリアルキレングリコールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコールなどがあり、中でもポリエチレングリコールが好適に用いられる。ポリアルキレングリコールの数平均分子量は、得られる樹脂の水分散性、貯蔵性などの点から400〜20,000、好ましくは500〜10,000の範囲内が適している。また、前記ビスフェノール型エポキシ樹脂は、1分子中に少なくとも1個のエポキシ基を有するビスフェノール系化合物であって、特に、ビスフェノール系化合物とエピハロヒドリン、例えばエピクロルヒドリンとの縮合反応によって得られるビスフェノールのジグリシジルエーテルが可撓性及び防食性に優れた塗膜が得やすく好適である。
【0087】
エポキシ樹脂の調製に使用しうるビスフェノール系化合物の代表例としては、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2,2−プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−エタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−メタン、4,4´−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4´−ジヒドロキシジフェニルスルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−イソブタン、ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)−2,2−プロパン等が挙げられる。かかるビスフェノール系化合物を用いて形成されるエポキシ樹脂のうち、ビスフェノールA型エポキシ樹脂は、可撓性、防食性などに優れた塗膜を得られるという点で特に好適である。
また、エポキシ樹脂はポリアルキレングリコール変性エポキシ樹脂製造時の製造安定性などの点から、一般に、約310〜約10,000、特に約320〜約2,000の範囲内の数平均分子量を有していることが好ましく、また、エポキシ当量は約155〜約5,000、特に約160〜約1,000の範囲内にあるのが好ましい。
【0088】
さらに、前記活性水素含有化合物は前記ポリアルキレングリコール変性エポキシ樹脂中のイソシアネート基のブロッキングのために使用されるものである。その代表的なものとしては、例えば、メタノール、エタノール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等の1価アルコール;酢酸、プロピオン酸等の1価カルボン酸;エチルメルカプタン等の1価チオールが挙げられ、それ以外のブロッキング剤(活性水素含有化合物)としては、ジエチルアミン等の第2級アミン;ジエチレントリアミン、モノエタノールアミン等の1個の2級アミノ基又はヒドロキシル基と1個以上の第1級アミノ基を含有するアミン化合物の第1級アミノ基を、ケトン、アルデヒドもしくはカルボン酸と、例えば100〜230℃の温度で加熱反応させることによりアルジミン、ケチミン、オキサゾリンもしくはイミダゾリンに変性した化合物;メチルエチルケトキシムのようなオキシム;フェノール、ノニルフェノール等のフェノール類等が挙げられる。これらの化合物は一般に30〜2,000、特に30〜200の範囲内の分子量を有することが望ましい。
【0089】
前記ポリイソシアネート化合物は、1分子中にイソシアネート基を2個以上、好ましくは2個または3個有する化合物であり、ポリウレタン樹脂の製造に一般に用いられるものが同様に使用できる。そのようなポリイソシアネート化合物としては、脂肪族系、脂環式系、芳香族系などのポリイソシアネート化合物が包含され、代表的には以下のものを例示することができる。ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、HMDIのビウレット化合物、HMDIのイソシアヌレート化合物などの脂肪族系ポリイソシアネート化合物;イソホロンジイソシアネート(IPDI)、IPDIのビウレット化合物、IPDIのイソシアヌレート化合物、水素添加キシリレンジイソシアネート、水素添加4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネートなどの脂環式系ポリイソシアネート化合物;トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなどの芳香族系ポリイソシアネート化合物などである。
【0090】
前記ポリアルキレングリコール変性エポキシ樹脂製造時の各成分の配合割合は一般には下記の範囲内とするのが適当である。ポリアルキレングリコールの水酸基とポリイソシアネート化合物のイソシアネート基との当量比:1/1.2〜1/10、好ましくは1/1.5〜1/5、更に好ましくは1/1.5〜1/3、活性水素含有化合物の水酸基とポリイソシアネート化合物のイソシアネート基との当量比:1/2〜1/100、好ましくは1/3〜1/50、更に好ましくは1/3〜1/20、ポリアルキレングリコール、エポキシ樹脂及び活性水素含有化合物の水酸基の合計量とポリイソシアネート化合物のイソシアネート基との当量比:1/1.5以下、好ましくは1/0.1〜1/1.5、更に好ましくは1/0.1〜1/1.1とするのが適当である。
【0091】
そして、前記ポリアルキレングリコール、ビスフェノール型エポキシ樹脂、活性水素含有化合物及びポリイソシアネート化合物の反応は通常公知の方法により行うことができる。
【0092】
このようにして得られたポリアルキレングリコール変性エポキシ樹脂と、以下に述べるポリアルキレングリコール変性エポキシ樹脂以外のエポキシ基含有樹脂、活性水素を有するヒドラジン誘導体及び必要に応じて前記ヒドラジン誘導体以外の活性水素含有化合物を反応させることにより容易に水中に分散してなる水性エポキシ樹脂分散液を製造することができ、かつ素材との付着性のよいエポキシ樹脂を得ることができる。
【0093】
ポリアルキレングリコール変性エポキシ樹脂以外のエポキシ基含有樹脂としてはビスフェノールA、ビスフェノールF、ノボラック型フェノールなどのポリフェノール類とエピクロルヒドリンなどのエピハロヒドリンとを反応させてグリシジル基を導入してなるか、このグリシジル基導入反応生成物にさらにポリフェノール類を反応させて分子量を増大させてなる芳香族エポキシ樹脂、さらには脂肪族エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂などが挙げられ、これらは1種で、または2種以上混合して使用する事ができる。これらのエポキシ樹脂は、特に低温での皮膜形成性を必要とする場合には数平均分子量が1,500以上であることが好適である。
【0094】
また、ポリアルキレングリコール変性エポキシ樹脂以外のエポキシ基含有樹脂として、上記エポキシ基含有樹脂中のエポキシ基または水酸基に各種変性剤を反応させた樹脂を挙げることができ、例えば、乾性油脂肪酸を反応させたエポキシエステル樹脂;アクリル酸又はメタクリル酸などを含有する重合性不飽和モノマー成分で変性したエポキシアクリレート樹脂;イソシアネート化合物を反応させたウレタン変性エポキシ樹脂などを挙げることができる。
【0095】
さらに、ポリアルキレングリコール変性エポキシ樹脂以外のエポキシ基含有樹脂として、エポキシ基を有する不飽和モノマーとアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルを必須とする重合性不飽和モノマー成分を溶液重合法、エマルション重合法または懸濁重合法などによって合成したエポキシ基含有モノマーと共重合したアクリル系共重合体樹脂を挙げることができ、上記重合性不飽和モノマー成分としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−、iso−もしくはtert―ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレートなどのアクリル酸又はメタクリル酸のC1〜C24のアルキルエステル;アクリル酸、メタクリル酸、スチレン、ビニルトルエン、アクリルアミド、アクリロニトリル、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミドのC1〜4アルキルエーテル化物、N、N−ジエチルアミノエチルメタクリレートなどを挙げることができる。エポキシ基を有する不飽和モノマーとしてはグリシジルメタアクリレート、グリシジルアクリレート、3,4エポキシシクロヘキシル−1−メチル(メタ)アクリレートなど、エポキシ基と重合性不飽和基を持つものであれば、特に制限されるものではない。
【0096】
また、このアクリル系共重合体樹脂はポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などによって変性させた樹脂とすることもできる。
【0097】
上記 ポリアルキレングリコール変性エポキシ樹脂以外のエポキシ基含有樹脂として特に好ましいのは、ビスフェノールAとエピパロヒドリンとの反応生成物である式(2)に代表される樹脂であり、耐食性に優れているため特に好適である。
【0098】
【化4】
Figure 2004263252
【0099】
式(2)において、qは0〜50の整数、好ましくは1〜40の整数、特に好ましくは2〜20の整数である。
【0100】
このようなビスフェノールA型エポキシ樹脂は、当業界において広く知られた製造法により得ることができる。
【0101】
上記エポキシ基含有樹脂のエポキシ基と反応する活性水素含有化合物としては下記のものが挙げられる。活性水素を有するヒドラジン誘導体、活性水素を有する第1級または第2級のアミン化合物、アンモニア、カルボン酸などの有機酸、塩化水素等のハロゲン化水素類、アルコール類、チオール類、活性水素を有しないヒドラジン誘導体または第3級アミンと酸との混合物である4級塩化剤である。
【0102】
そして、これらの1種または2種以上を使用できるが、優れた耐食性を得るために、活性水素含有化合物の少なくとも一部(好ましくは全部)は、活性水素を有するヒドラジン誘導体であることが必要である。
【0103】
上記活性化水素を有するアミン化合物の代表例としては、以下のものを挙げることができる。
(1)ジエチレントリアミン、ヒドロキシエチルアミノエチルアミン、エチルアミノエチルアミン、メチルアミノプロピルアミンなどの1個の2級アミノ基と1個以上の1級アミノ基を含有するアミン化合物の1級アミノ基を、ケトン、アルデヒドもしくはカルボン酸と例えば100〜230℃程度の温度で加熱反応させてアルジミン、ケチミン、オキサゾリン、もしくはイミダゾリンに変性した化合物。
(2)ジエチルアミン、ジエタノールアミン、ジ−n−または−iso−プロパノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミンなどの第2級モノアミン。
(3)モノエタノールアミンなどのようなモノアルカノールアミンとジアルキル(メタ)アクリルアミドとをミカエル付加反応により付加させて得られる第2級アミン含有化合物。
(4)モノエタノールアミン、ネオペンタノールアミン、2−アミノプロパノール、3−アミノプロパノール、2−ヒドロキシ−2´(アミノプロポキシ)エチルエーテルなどのアルカノールアミンの1級アミン基をケチミンに変性した化合物。
【0104】
また、活性水素含有化合物の一部として使用できる(すなわち、活性水素を有するヒドラジン誘導体以外の前記活性水素含有化合物としての)上記4級塩化剤は、活性水素を有しないヒドラジン誘導体または第3級アミンはそれ自体ではエポキシ基と反応性を有しないので、これらをエポキシ基と反応可能とするために酸との混合物としたものである。4級塩化剤は、必要に応じて水の存在下でエポキシ基と反応し、エポキシ基含有樹脂と4級塩を形成する。4級塩化剤を得るために使用される酸は、酢酸、乳酸などの有機酸、塩酸などの無機酸のいずれでもよい。また、4級塩化剤を得るために使用される活性水素を有しないヒドラジン誘導体としては、例えば3,6−ジクロロピリダジンなどを、また、第3級アミンとしては、例えば、ジメチルエタノールアミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリイソプロピルアミン、メチルジエタノールアミンなどを挙げることができる。
【0105】
上述のように活性水素含有化合物で最も有用で耐食性に優れた性能を発揮するのが活性水素を有するヒドラジン誘導体であるが、活性水素を有するヒドラジン誘導体の具体例としては、例えば以下のものを挙げることができる。
▲1▼ カルボヒドラジド、プロピオン酸ヒドラジド、サリチル酸ヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、チオカルボヒドラジド、4,4′−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド、ベンゾフェノンヒドラゾン、アミノポリアクリルアミドなどのヒドラジド化合物;
▲2▼ ピラゾール、3,5−ジメチルピラゾール、3−メチル−5−ピラゾロン、3−アミノ−5−メチルピラゾールなどのピラゾール化合物;
▲3▼ 1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、4−アミノ−1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、5−アミノ−3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、2,3−ジヒドロ−3−オキソ−1,2,4−トリアゾール、1H−ベンゾトリアゾール、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(1水和物)、6−メチル−8−ヒドロキシトリアゾロピリダジン、6−フェニル−8−ヒドロキシトリアゾロピリダジン、5−ヒドロキシ−7−メチル−1,3,8−トリアザインドリジンなどのトリアゾール化合物;
▲4▼ 5−フェニル−1,2,3,4−テトラゾール、5−メルカプト−1−フェニル−1,2,3,4−テトラゾールなどのテトラゾール化合物;
▲5▼ 5−アミノ−2−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールなどのチアジアゾール化合物;
▲6▼ マレイン酸ヒドラジド、6−メチル−3−ピリダゾン、4,5−ジクロロ−3−ピリダゾン、4,5−ジブロモ−3−ピリダゾン、6−メチル−4,5−ジヒドロ−3−ピリダゾン等などのピリダジン化合物;
また、これらのなかでも、5員環または6員環の環状構造を有し、環状構造中に窒素原子を有するピラゾール化合物、トリアゾール化合物が特に好適である。これらのヒドラジン誘導体は1種を単独で、または2種以上を混合して使用することができる。
【0106】
以上のように、ポリアルキレングリコール変性エポキシ樹脂、ポリアルキレングリコール変性エポキシ樹脂以外のエポキシ基含有樹脂、活性水素を有するヒドラジン誘導体及び必要に応じて以外の活性水素含有化合物を好ましくは10〜300℃、より好ましくは50〜150℃の温度で約1〜8時間反応させることにより得られる樹脂(すなわち、本発明の水分散性樹脂)を水中に分散させることにより水性エポキシ樹脂分散液(g)を得ることができる。
【0107】
この反応は有機溶剤を加えて行ってもよく、使用する有機溶剤の種類は特に限定されない。例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;エタノール、ブタノール、2−エチルヘキシルアルコール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等の水酸基を含有するアルコール類やエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテートなどのエステル類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素等を例示でき、これらの1種または2種以上を使用することができる。また、これらのなかでエポキシ樹脂との溶解性、塗膜形成性等の面からは、ケトン系またはエーテル系の溶剤が特に好ましい。
【0108】
ポリアルキレングリコール変性エポキシ樹脂及びポリアルキレングリコール変性エポキシ樹脂以外のエポキシ基含有樹脂と活性水素を有するヒドラジン誘導体との配合は、ポリアルキレングリコール変性エポキシ樹脂及びポリアルキレングリコール変性エポキシ樹脂以外のエポキシ基含有樹脂中のエポキシ基に対するヒドラジン誘導体中の活性水素基の当量比が0.01〜10、好ましくは0.1〜8、さらに好ましくは0.2〜4となるようにすることが耐食性、水分散性などの点から適当である。
【0109】
また、ヒドラジン誘導体の一部を活性水素含有化合物に置き換えることもできるが、置き換える量としては90モル%以下、好ましくは70モル%以下、より好ましくは10〜60モル%の範囲内とすることが防食性、付着性の観点から適している。
【0110】
また、本発明では緻密なバリア皮膜を形成するために、水性エポキシ樹脂分散液(g)中に硬化剤を配合し、有機皮膜を加熱硬化させることが望ましい。樹脂組成物皮膜を形成する場合の硬化方法としては、(1)イソシアネートと基体樹脂中の水酸基とのウレタン化反応を利用する硬化方法、(2)メラミン、尿素およびベンゾグアナミンの中から選ばれた1種または2種以上にホルムアルデヒドを反応させてなるメチロール化合物の一部若しくは全部に炭素数1〜5の1価アルコールを反応させてなるアルキルエーテル化アミノ樹脂と基体樹脂中の水酸基との間のエーテル化反応を利用する硬化方法が適当であるが、このうちイソシアネートと基体樹脂中の水酸基とのウレタン化反応を主反応とすることが特に好適である。
【0111】
上記(1)の硬化方法で用い得る硬化剤としてのポリイソシアネート化合物は、1分子中に少なくとも2個のイソシアネート基を有する脂肪族、脂環族(複素環を含む)または芳香族イソシアネート化合物、若しくはそれらの化合物を多価アルコールで部分反応させた化合物である。このようなポリイソシアネート化合物としては、例えば以下のものが例示できる。
▲1▼ m−またはp−フェニレンジイソシアネート、2,4−または2,6−トリレンジイソシアネート、o−またはp−キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート
▲2▼ 上記▲1▼の化合物単独またはそれらの混合物と多価アルコール(エチレングリコール、プロピレングリコールなどの2価アルコール類;グリセリン、トリメチロールプロパンなどの3価アルコール;ペンタエリスリトールなどの4価アルコール;ソルビトール、ジペンタエリスリトールなどの6価アルコールなど)との反応生成物であって、1分子中に少なくとも2個のイソシアネートが残存する化合物
これらのポリイソシアネート化合物は、1種を単独で、または2種以上を混合して使用できる。
【0112】
また、ポリイソシアネート化合物の保護剤(ブロック剤)としては、例えば、
▲1▼メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、オクチルアルコールなどの脂肪族モノアルコール類
▲2▼ エチレングリコールおよび/またはジエチレングリコールのモノエーテル類、例えば、メチル、エチル、プロピル(n−,iso)、ブチル(n−,iso,sec)などのモノエーテル
▲3▼ フェノール、クレゾールなどの芳香族アルコール
▲4▼ アセトオキシム、メチルエチルケトンオキシムなどのオキシム
などが使用でき、これらの1種または2種以上と前記ポリイソシアネート化合物とを反応させることにより、少なくとも常温下で安定に保護された硬化剤としてのポリイソシアネート化合物を得ることができる。
【0113】
このようなポリイソシアネート化合物(g2)は、エポキシ基含有樹脂と上記特定の活性水素含有化合物との反応生成物(g1)(すなわち、上記(g)の成分である水分散性樹脂)に対して、硬化剤として好ましくは(g1)/(g2)=95/5〜55/45(不揮発分の質量比)、好ましくは(g1)/(g2)=90/10〜65/35の割合で配合するのが適当である。ポリイソシアネート化合物には吸水性があり、これを(g1)/(g2)=55/45を超えて配合すると有機皮膜の密着性を劣化させてしまう。さらに、有機皮膜上に上塗り塗装を行った場合、未反応のポリイソシアネート化合物が塗膜中に移動し、塗膜の硬化阻害や密着性不良を起こしてしまう。このような観点から、ポリイソシアネート化合物(g2)の配合量は(g1)/(g2)=55/45以下とすることが好ましい。
【0114】
なお、エポキシ基含有樹脂と上記特定の活性水素含有化合物との反応生成物である水分散性樹脂は以上のような架橋剤(硬化剤)の添加により十分に架橋するが、さらに低温架橋性を増大させるため、公知の硬化促進触媒を使用することが望ましい。この硬化促進触媒としては、例えば、N−エチルモルホリン、ジブチル錫ジラウレート、ナフテン酸コバルト、塩化第1スズ、ナフテン酸亜鉛、硝酸ビスマスなどが使用できる。また、付着性など若干の物性向上を狙いとして、エポキシ基含有樹脂とともに公知のアクリル、アルキッド、ポリエステル等の樹脂を混合して用いることもできる。
【0115】
次に、上記(h)の成分であるシランカップリング剤について説明する。このシランカップリング剤としては、例えば、ビニルメトキシシラン、ビニルエトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメエキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−(ビニルベンジルアミン)−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどを挙げることができ、これらの1種を単独でまたは2種類以上を混合して使用することができる。これらのシランカップリング剤を含む皮膜が耐食性に優れる理由は、水溶液中のシランカップリグ剤が加水分解することにより生じたシラノール基(Si−OH)がめっき皮膜表面と水素結合をし、さらには脱水縮合反応により優れた密着性を付与することと考えられる。
【0116】
このようにシランカップリング剤を配合することによりめっき金属と水分散性樹脂および/または水溶性樹脂との密着性を高めることが可能であるが、本発明の場合には表面処理組成物に含まれる酸成分が不活性な金属表面を活性化し、さらにシランカップリング剤が活性化されためっき金属と水分散性樹脂の両方と化学結合することで、めっき金属と水分散性樹脂との密着性を格段に高めることができる。そして、このようにめっき金属と皮膜形成樹脂との密着性を高めることにより、めっき金属の腐食の進行が効果的に抑制され、特に優れた耐食性が得られる。
【0117】
また、上記シランカップリング剤の中でも、上記(g)の水分散性樹脂と反応性が高い官能基を有するという観点から、特に反応性官能基としてアミノ基を有すシランカップリング剤が特に好ましい。このようなシランカップリング剤としては、例えば、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメエキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシランなどが挙げられ、具体的には、信越化学(株)製「KBM−903」、「KBE−903」、「KBM−603」、「KBE−602」、「KBE−603」などを用いることができる。
【0118】
シランカップリング剤の配合量は、上記(g)の成分である水分散性樹脂の固形分100質量部に対して、好ましくは1〜300質量部、より好ましくは5〜100質量部、さらに好ましくは、15〜50質量部とするのが適当である。シランカップリング剤の配合量が1質量部未満では耐食性が劣り、一方300質量部を超えると十分な皮膜が形成できないため、水分散性樹脂との密着性とバリア性を高める効果が発揮できず耐食性が低下する。
【0119】
次に上記(i)の成分であるリン酸および/またはヘキサフルオロ金属酸は、不活性なめっき皮膜表面に作用して金属表面を活性化させる作用を有する。そして、このように活性化されためっき金属表面と皮膜形成樹脂との密着性がシランカップリング剤を介して著しく向上する結果、耐食性が顕著に改善される。このリン酸とヘキサフルオロ金属酸は単独で用いてもよいし、併用してもよい。
【0120】
ヘキサフルオロ金属酸の種類は特に限定されないが、めっき表面層との反応層を効果的に形成させるという観点から、特にフッ化チタン酸、フッ化ジルコン酸、けいフッ酸などのようなTi,Si,Zrの中から選ばれる1種または2種以上の元素を含むヘキサフルオロ金属酸が好ましく、これらの1種または2種以上を用いることができる。
【0121】
リン酸および/またはヘキサフルオロ金属酸の配合量(併用する場合は合計の配合量)は、上記(a)の成分である水分散性樹脂の固形分100質量部に対して、好ましくは0.1〜80質量部、より好ましくは1〜60質量部、さらに好ましくは5〜50質量部とするのが適当である。リン酸および/またはヘキサフルオロ金属酸の配合量が0.1質量部未満では耐食性が劣り、一方、80質量部超では皮膜形成後の外観ムラが生じやすい。
【0122】
表面処理組成物には、耐食性向上を目的として、必要に応じて水溶性リン酸塩(j)を配合することができる。この水溶性リン酸塩としては、例えばとしてはオルトリン酸、ピロリン酸、ポリリン酸、メタリン酸などの金属塩の1種又は2種以上を用いることができる。また、有機リン酸の塩(例えば、フィチン酸、フィチン酸塩、ホスホン酸、ホスホン酸塩およびこれらの金属塩)の1種または2種以上を添加してもよい。また、それらの中でも第一リン酸塩が表面処理組成物の安定性などの面から好適である。
【0123】
皮膜中のリン酸塩の存在形態も特別な限定はなく、また結晶若しくは非結晶であるか否かも問わない。また、リン酸塩のイオン性、溶解度についても特別な制約はない。水溶性リン酸塩を配合することにより耐食性が向上する理由は皮膜形成時に難溶性化合物をけいせいするためであると考えられる。
【0124】
先に述べたようにシランカップリング剤は活性化されためっき金属と皮膜形成樹脂の両方と化学結合することで、めっき金属と皮膜形成樹脂との優れた密着性と耐食性が得られるが、めっき金属表面には不可避的に不活性な部分が存在し、このような不活性なサイトでは上記化学結合が生じにくく防錆効果を十分に発揮できない場合がある。水溶性リン酸塩はこのようなめっき皮膜の部分に対して、皮膜形成時にめっき皮膜表面に緻密な難溶性化合物を形成する。すなわち、水溶性リン酸塩のリン酸イオンによるめっき皮膜の溶解に伴いめっき皮膜/表面処理組成物界面でpHが上昇し、その結果、水溶性リン酸塩の沈殿物皮膜が形成され、これが耐食性の向上に寄与する。
【0125】
また、特に優れた耐食性を得るという観点からは、水溶性リン酸塩のカチオン種としてはAl、Mn、Ni、Mgが特に望ましく、これらの中から選ばれる1種または2種以上の元素を含む水溶性リン酸塩を用いることが好ましい。このような水溶性リン酸塩としては、例えば、第一リン酸アルミニウム、第一リン酸マンガン、第一リン酸ニッケル、第一リン酸マグネシウムが挙げられ、これらのうちでも特に第一リン酸アルミニウムが最も好ましい。また、カチオン成分とP成分のmol比[カチオン]/[P]が0.4〜1.0であることが好ましい。mol比[カチオン]/[P]が0.4未満では可溶性のリン酸によって皮膜の難溶性が損なわれ、耐食性が低下するので好ましくない。一方、1.0を超えると処理液安定性が著しく失われるので好ましくない。
【0126】
この水溶性リン酸塩(j)の配合量は、上記(g)の成分である水分散性樹脂の固形分100質量部に対して、固形分で0.1〜60質量部、好ましくは0.5〜40質量部、さらに好ましくは1〜30質量部とするのが適当である。水溶性リン酸塩の配合量が0.1質量部未満では耐食性の向上効果が十分でなく、一方、60質量部を超えると処理液のpHが低くなるために反応性が強くなり外観ムラを生じやすくなる。
【0127】
表面処理組成物には、耐食性向上を目的として、必要に応じて非クロム系防錆添加剤(k)を配合することができる。表面処理組成物中にこのような非クロム系防錆添加剤(k)を配合することにより、特に優れた耐食性能(自己補修性)を得ることができる。この非クロム系防錆添加剤は、特に下記(k1)〜(k5)の群から選ばれる1つまたは2つ以上を用いることが好ましい。
(k1)酸化ケイ素
(k2)カルシウムまたは/およびカルシウム化合物
(k3)難溶性リン酸化合物
(k4)モリブデン酸化合物
(k5)トリアゾール類、チオール類、チアジアゾール類、チアゾール類、チウラム類の中から選ばれる1種又は2種以上のS原子を含有する有機化合物
これら(k1)〜(k5)の非クロム系防錆添加剤の詳細および防食機構は以下の通りである。
【0128】
まず、上記(k1)の成分としては微粒子シリカであるコロイダルシリカや乾式シリカを使用することができるが、耐食性の観点からは特に、カルシウムをその表面に結合させたカルシウムイオン交換シリカを使用するのが好ましい。コロイダルシリカは、例えば、日産化学(株)製のスノーテックスO、20、30、40、C、Sを用いることができ、ヒュームドシリカとしては、日本アエロジル(株)製のAEROSILR971、R812、R811、R974、R202、R805、130、200、300、300CFを用いることができる。また、カルシウムイオン交換シリカとしてはW.R.Grace&Co.製のSHIELDEX C303、SHIELDEX AC3、SHIELDEX AC5(いずれも商品名)、富士シリシア化学(株)製のSHIELDEX、SHIELDEX SY710(いずれも商品名)などを挙げることができる。これらシリカは、腐食環境下において緻密で安定な亜鉛の腐食生成物の生成に寄与し、この腐食生成物がめっき表面に緻密に形成されることによって、腐食の促進を抑制する。
【0129】
また、上記(k2)、(k3)は沈殿作用によって特に優れた防食性能(自己補修性)を発現する。
【0130】
上記(k2)の成分であるカルシウム化合物は、カルシウム酸化物、カルシウム水酸化物、カルシウム塩のいずれでもよく、これらの1種または2種以上を使用できる。また、カルシウム塩の種類にも特に制限はなく、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムなどのようなカチオンとしてのカルシウムのみを含む単塩のほか、リン酸カルシウム・亜鉛、リン酸カルシウム・マグネシウムなどのようなカルシウム以外のカチオンを含む複塩を使用してもよい。この(k2)成分は腐食環境下においてめっき金属である亜鉛やアルミニウムよりも卑なカルシウムが優先溶解し、これがカソード反応により生成したOHと緻密で難溶性の生成物として欠陥部を封鎖、腐食反応を抑制する。また、上記のようなシリカとともに配合された場合には表面にカルシウムイオンが吸着し、表面電荷を電気的に中和して凝集する。その結果、緻密かつ難溶性の保護皮膜が生成して腐食起点を封鎖し、腐食反応を抑制する。
【0131】
また、上記(k3)である難溶性リン酸化合物としては、難溶性リン酸塩を用いることができる。この難溶性リン酸塩は単塩、複塩などのすべての種類の塩を含む。また、それを構成する金属カチオンに限定はなく、難溶性のリン酸亜鉛、リン酸マグネシウム、リン酸カルシウム、リン酸アルミニウムなどのいずれの金属カチオンでもよい。また、リン酸イオンの骨格や縮合度などにも限定はなく、正塩、二水素塩、一水素塩または亜リン酸塩のいずれでもよく、さらに、正塩はオルトリン酸塩の他、ポリリン酸塩などの全ての縮合リン酸を含む。この難溶性リン化合物は腐食によって溶出しためっき金属の亜鉛やアルミニウムが、加水分解により解離したリン酸イオンと錯形成反応により緻密かつ難溶性の保護皮膜を生成して腐食起点を封鎖し、腐食反応を抑制する。
また、上記(k4)のモリブデン酸化合物としては、例えば、モリブデン酸塩を用いることができる。このモリブデン酸塩は、その骨格、縮合度に限定はなく、例えばオルトモリブデン酸塩、パラモリブデン酸塩、メタモリブデン酸塩などが挙げられる。また、正塩、複塩などのすべての塩を含み、複塩としてはリンモリブデン酸塩などが挙げられる。モリブデン酸化合物は不動態化効果によって自己補修性を発現する。すなわち、腐食環境下で溶存酸素と共にめっき皮膜表面に緻密な酸化物を形成することで腐食起点を封鎖し、腐食反応を抑制する。
【0132】
また、上記(k5)のS原子を有する有機化合物としては、例えば、以下のようなものが挙げることができる。すなわち、トリアゾール類としては1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、5−アミノ−3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、1H−ベンゾトリアゾールなどが、またチオール類としては、1.3.5−トリアジン−2,4,6−トリチオール、2−メルカプトベンツイミダゾールなどが、またチアジアゾール類としては5−アミノ−2−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、などが、またチアゾール類としては2−N,N−ジエチルチオベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール類などが、またチウラム類としては、テトラエチルチウラムジスルフィドなどが、それぞれ挙げられる。これらの有機化合物は吸着効果によって自己補修性を発現する。すなわち、腐食によって溶出した亜鉛やアルミニウムが、これらの有機化合物が有する硫黄を含む極性基に吸着して不活性皮膜を形成、腐食起点を封鎖し、腐食反応を抑制する。
【0133】
非クロム系防錆添加剤(k)の配合量としては、上記(g)の成分である水分散性樹脂の固形分100質量部に対して、固形分で0.1〜50質量部、好ましくは0.5〜30質量部、さらに好ましくは1〜20質量部とするのが適当である。この非クロム系防錆添加剤の配合量が0.1質量部未満では、耐アルカリ脱脂後の耐食性向上効果が十分に得られず、一方、50質量部を超えると塗装性および加工性が低下するだけでなく、耐食性も低下するので好ましくない。
【0134】
なお、上記(k1)〜(k5)の防錆添加剤を2種以上複合添加してもよく、この場合にはそれぞれ固有の防食作用が複合化されるため、より高度の耐食性が得られる。特に上記(k1)の成分としてカルシウム交換シリカを用い、且つこれに(k3)、(k4)、(k5)の成分の1種以上、特に好ましくは(k3)〜(k5)の成分の全部を複合添加した場合に特に優れた耐食性が得られる。
【0135】
表面処理組成物には、皮膜の加工性を向上させる目的で、必要に応じて固形潤滑剤を配合することができる。この固形潤滑剤としては、以下のようなものが挙げられる。
(1)ポリオレフィンワックス,パラフィンワックス:
例えば、ポリエチレンワックス、合成パラフィン、天然パラフィン、マイクロワックス、塩素化炭化水素など。
(2)フッ素樹脂微粒子:
例えば、ポリフルオロエチレン樹脂(ポリ4フッ化エチレン樹脂等)、ポリフッ化ビニル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂など
この他、脂肪酸アミド系化合物(例えば、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスステアロアミド、オレイン酸アミド、エシル酸アミド、アルキレンビス脂肪酸アミドなど)、金属石けん類(例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸鉛、ラウリン酸カルシウム、パルミチン酸カルシウムなど)、金属硫化物(二硫化モリブデン、二硫化タングステンなど)、グラファイト、フッ化黒鉛、窒化ホウ素、ポリアルキレングリコール、アルカリ金属硫酸塩などを用いてもよい。
【0136】
以上の固形潤滑剤の中でも、ポリエチレンワックス、フッ素樹脂系化合物(中でもポリ4フッ化エチレン樹脂微粒子)が好適である。ポリエチレンワックスとしては、ヘキスト社製のセリダスト9615A、3715、3620、3910(いずれも商品名)、三洋化成社製のサンワックス131−P、161−P(いずれも商品名)、三井石油化学(株)製ケミパールW−100、W−200、W−500、W−800、W−950(いずれも商品名)などを用いることができる。
【0137】
フッ素樹脂微粒子としては、テトラフルオロエチレン微粒子が特に好ましく、ダイキン工業株製ルブロンL−2、L−5(いずれも商品名)、三井・デュポン社製のMP1100、1200(いずれも商品名)、旭アイシーアイフロロポリマーズ(株)製のフルオンディスパージョンAD1、AD2、フルオンL140J、L150J、L155Jなどが好適である。
【0138】
また、これらのなかで、ポリオレフィンワックスとテトラフルオロエチレンの併用により優れた潤滑効果が期待できる。
【0139】
固形潤滑剤の配合量は、上記(a)の成分である水分散性樹脂の固形分100質量部に対して、固形分で1〜50質量部、好ましくは3〜30質量部とするのが適当である。固形潤滑剤の配合量が1質量部未満では潤滑効果が乏しく、一方、50質量部超では塗装性が低下する。
【0140】
なお、本発明のめっき層の上層に被覆するクロムフリー化成処理層の形成方法については特に制限されるものではなく、ロールコーターによる塗布、スプレー法、浸漬法による処理、あるいは、スプレー処理、浸漬処理の後リンガーロールによる絞り、など如何なる方法も可能である。さらに、処理液塗布、あるいは処理液との接触に引き続き、水洗、乾燥(又は焼き付け)あるいは、水洗することなく直接乾燥(又は焼き付け)する如何なる方法も可能である。乾燥時の温度も特に制限されることなく、化成処理層が形成できる温度であれば良い。
【0141】
【実施例】
実施例1−1
板厚:0.7mmの冷延鋼板(軟質材)をアルカリ脱脂、酸洗を行い、電気めっき法により、20g/mの亜鉛めっきを施した。引き続き、硝酸第一鉄、硝酸コバルト、硝酸ニッケル、硝酸マンガン、硝酸マグネシウム、硝酸アルミニウム、硝酸セリウム(III)、硝酸インジウムをそれぞれイオン交換水に所定量(1〜5g/l)溶解させ、溶解液を亜鉛めっきに接触させた後、引き続き乾燥した。得られた、亜鉛めっき鋼板のめっき層を2N塩酸水溶液で溶解し、ICP法にてFe、Co,Ni,Mn、Mg、Al、Ce、Inをそれぞれ定量したところ、それぞれの金属換算にて、100〜120mg/m形成された。次に、GDSにより、深さ方向分析を行ったところ、形成された100〜120mg/mは全て表面より1μm以内に存在していた。
引き続き、この亜鉛めっき鋼板上に、クロムフリー化成処理を施した。施した化成処理層は、以下の3種類の方法により処理した。また、比較例として、亜鉛めっきを形成した後、表層酸化物層の形成を行わずに、そのまま化成処理層を同一条件で形成させたサンプルも作成し、これを評価した。
【0142】
実施例1−2
板厚:0.7mmの冷延鋼板(軟質材)をアルカリ脱脂、酸洗を行い、電気めっき法により、20g/mの亜鉛めっきを施した。引き続き、シリカゾル、チアニアゾル、ジルコニアゾル、モリブデン酸アンモニウム、バナジン酸ナトリウムをそれぞれそれぞれイオン交換水に分散あるいは溶解させ、それぞれの溶液に60%硝酸を10g/l添加し、溶解液を亜鉛めっきに接触させた後、引き続き乾燥した。得られた亜鉛めっき鋼板のめっき層を2N塩酸水溶液で溶解し、ICP法にてSi,Ti,Zr、Mo,Vをそれぞれ定量したところ、それぞれの金属換算にて400〜700g/m形成された。次に、GDSにより、深さ方向分析を行ったところ、形成された400〜700mg/mは全て表面より1μm以内に存在していた。
【0143】
引き続き、この亜鉛めっき鋼板上に、クロムフリー化成処理を施した。施した化成処理層は、以下の3種類の方法により処理した。また、比較例として、亜鉛めっきを形成した後、表層酸化物層の形成を行わずに、そのまま化成処理層を同一条件で形成させたサンプルも作成し、これを評価した。
【0144】
クロムフリー化成処理層その1
表1に示す処理液(皮膜組成物)をバーコーターで塗布し、加熱乾燥させて第1層皮膜を形成させた。この第1層皮膜の膜厚は、処理液の固形分(加熱残分)により調整した。次いで、表2に示す樹脂化合物、表3に示防錆添加成分、表4に示す固形潤滑剤からなる塗料組成物を表5に示す割合でバーコーターにより塗布し、加熱乾燥して第2層皮膜を形成させた。第2層皮膜の膜厚は、塗料組成物の固形分(加熱残分)により調整した。なお、表2における樹脂組成物とは以下の通りである。
【0145】
(合成例1:樹脂組成物(1))EP828(油化シェルエポキシ社製、エポキシ当量187)1870部とビスフェノールA912部、テトラエチルアンモニウムブロマイド2部、メチルイソブチルケトン300部を四つ口フラスコに仕込み、140℃まで昇温して4時間反応させ、エポキシ当量1391、固形分90%のエポキシ樹脂を得た。このものに、エチレングリコールモノブチルエーテル1500部を加えてから100℃に冷却し、3,5−ジメチルピラゾール(分子量96)を96部とジブチルアミン(分子量129)を129部加えて、エポキシ基が消失するまで6時間反応させた後、冷却しながらメチルイソブチルケトン205部を加えて、固形分60%のピラゾール変性エポキシ樹脂を得た。これを樹脂組成物(1)とする。この樹脂組成物(1)は、皮膜形成有機樹脂(D)と、活性水素を有するヒドラジン誘導体(C)を50mol%含む活性水素含有化合物との生成物である。
【0146】
【表1】
Figure 2004263252
【0147】
【表2】
Figure 2004263252
【0148】
【表3】
Figure 2004263252
【0149】
【表4】
Figure 2004263252
【0150】
【表5】
Figure 2004263252
【0151】
クロムフリー化成処理層その2
表面処理組成物用の樹脂化合物として式(1)かつ表6に示す水分散性樹脂を用い、これに表7に示すカチオン性ウレタン樹脂、表8に示すシランカップリング剤、表9に示すTiおよびZr化合物、表10に示す酸化合物を表11に示す割合で適宜配合し、攪拌機を用いて所要時間攪拌し、表面処理剤を調製した。
【0152】
そして、表面処理剤をロールコーターにより塗布し、水洗することなく各種温度で加熱乾燥した。皮膜の付着量は、表面処理組成物の固形分(加熱残分)により調整した。
【0153】
【表6】
Figure 2004263252
【0154】
【表7】
Figure 2004263252
【0155】
【表8】
Figure 2004263252
【0156】
【表9】
Figure 2004263252
【0157】
【表10】
Figure 2004263252
【0158】
【表11】
Figure 2004263252
【0159】
クロムフリー化成処理層その3
表面処理組成物用の樹脂組成物として表12に示す水性エポキシ樹脂分散液を用い、これに表13に示すシランカップリング剤、表14に示すリン酸またはヘキサフルオロ金属酸、表15に示す水溶性リン酸塩、表16に示す非クロム系防錆添加剤、表17に示す固形潤滑剤を表18に示す割合で適宜配合し、さらにアンモニア水、硝酸、酢酸、硫酸、リン酸、ヘキサフルオロ金属酸等でpHが0.5〜6にした後、攪拌機を用いて所要時間攪拌し、表面処理剤を調製した。
【0160】
上記表面処理剤をロールコーターにより、前記めっき鋼板に塗布し、水洗することなく各種温度で加熱乾燥した。皮膜の付着量は、表面処理組成物の固形分(加熱残分)により調整した。
【0161】
【表12】
Figure 2004263252
【0162】
【表13】
Figure 2004263252
【0163】
【表14】
Figure 2004263252
【0164】
【表15】
Figure 2004263252
【0165】
【表16】
Figure 2004263252
【0166】
【表17】
Figure 2004263252
【0167】
【表18】
Figure 2004263252
【0168】
ポリアルキレングリコール変性エポキシ樹脂の製造
温度計、撹拌機、冷却管を備えたガラス製4ツ口フラスコに、数平均分子量4,000のポリエチレングリコール1688gとメチルエチルケトン539g加え、60℃で撹拌混合し均一透明になった後、トリレンジイソシアネート171gを加え、2時間反応させた後、エピコート834X90(エポキシ樹脂、シェルジャパン社製、エポキシ当量250) 1121g、ジエチレングリコーリエチルエーテル66g及び1%ジブチルチンジラウレート溶液1.1gを添加しさらに2時間反応させた。その後80℃まで昇温し、3時間反応させてイソシアネート価が0.6以下になったことを確認した。その後90℃まで昇温し、減圧蒸留により固形分濃度が81.7%になるまでメチルエチルケトンを除去した。除去後、プロピレングリコールモノメチルエーテル659g、脱イオン水270gを加えて希釈し、固形分濃度76%のポリアルキレングリコール変性エポキシ樹脂溶液A1を得た。
【0169】
水性エポキシ樹脂分散液の製造
EP1004(エポキシ樹脂、油化シェルエポキシ社製,エポキシ当量1000)2029gとプロピレングリコールモノブチルエーテル697gを四つ口フラスコに仕込み、110℃まで昇温して1時間で完全にエポキシ樹脂を溶解した。このものに、上記のポリアルキレングリコール変性エポキシ樹脂溶液を1180g及び3−アミノ−1,2,4−トリアゾール(分子量84)311.7g加えて100℃で5時間反応させた後、プロピレングリコールモノブチルエーテル719.6gを加えて樹脂溶液D1を得た。
【0170】
該樹脂溶液D1を257.6gにMF−K60X(イソシアネート硬化剤、旭化成工業社製)50g及びScat24(硬化触媒)0.3gを混合しよく攪拌した後、水692.1gを少しずつ滴下・混合撹拌し、水性エポキシ樹脂分散液E1を得た。
【0171】
上記により得られたサンプルについて、塩水噴霧試験(JIS−Z−2371)を施し、所定時間経過後の白錆面積率で評価した(表に時間を記載)。
評価基準は以下の通りである。
【0172】
◎ :白錆面積率5%未満
○ :白錆面積率5%以上、10%未満
○−:白錆面積率10%以上、25%未満
△ :白錆面積率25%以上、50%未満
× :白錆面積率50%以上、100%以下
また、各サンプルを日本パーカライジング(株)製のアルカリ脱脂液CLN364S(60℃、スプレー2分)で処理した後、塩水噴霧試験(JIS−Z−2371)を実施、所定時間経過後の白錆面積率で評価した(表に時間を記載)。評価基準は以下の通りである。
【0173】
◎ :白錆面積率5%未満
○ :白錆面積率5%以上、10%未満
○−:白錆面積率10%以上、25%未満
△ :白錆面積率25%以上、50%未満
× :白錆面積率50%以上、100%以下
得られた実施例1−1の結果を表19に、実施例1−2の結果を表20に示す。
【0174】
【表19】
Figure 2004263252
【0175】
【表20】
Figure 2004263252
【0176】
実施例2−1
板厚:0.7mmの冷延鋼板(軟質材)をアルカリ脱脂、酸洗を行い、電気めっき法により、20g/mの亜鉛めっきを施した。引き続き、硫酸ニッケルあるいは硫酸コバルト、硫酸亜鉛よりなるpH2.0の酸性めっき液を用い、NiまたはCoが5wt%のZn―Ni合金電気めっき、又はZn−Co合金電気めっきを2g/m施した。ICP法にてNiあるいはCoを定量したところ、金属換算にて、Ni、Coとも約100mg/m存在した。次に、GDSにより、深さ方向分析を行ったところ、表面より約0.3μmの範囲でNi、Coの存在が確認されたが、形成された100mg/mは全て表面より1μm以内に存在していた。
【0177】
引き続き、この亜鉛めっき鋼板上に、3種のクロムフリー化成処理を施した。施した化成処理層は、実施例1と同一である。また、比較例として、亜鉛めっきのみを形成させた後、クロムフリー化成処理を引き続き実施したサンプルも作成し、これを評価した。
【0178】
実施例2−2
板厚:0.7mmの冷延鋼板(軟質材)をアルカリ脱脂、酸洗を行い、硫酸亜鉛7水和物300g/l、硫酸ナトリウム30g/l、酢酸ナトリウム12g/l、シリカゾル(日産化学、スノーテックスO、SiOとして20g/l、硝酸ナトリウム3g/l、pH2.0、浴温40℃のめっき液中で、めっき液と鋼板の相対流速を2.0m/sとなるような条件にて、電流密度を80A/dmで、めっき量が20g/mとなるよう時間を調整してめっきをおこなった。得られた皮膜に含有するSiO量は1200mg/mであった。GDSで深さ方向のSi分布を測定したところ、SiO2は若干表層に濃化していたが、表面より1μm以内の範囲に存在するSiO量は、450mg/mであった。
【0179】
引き続き、この亜鉛めっき鋼板上に、クロムフリー化成処理を施した。施した化成処理層は、実施例1と同一である。
【0180】
実施例2−3
0.7mmの板厚の冷延鋼板(軟質材)をアルカリ脱脂、酸洗を行い、SiOを含まない硫酸亜鉛7水和物440g/l、pH1.8からなる浴から、電気亜鉛めっきを形成した後、さらに、上記実施例2−1と同一のSiOを含む浴において、SiO含有亜鉛めっきを、2g/m付与した。このとき、めっき皮膜に存在した合計のSiO量は100mg/mであった。GDSで深さ方向のSi分布を測定したところ、SiO2は若干表層に濃化していたが、表面より0.5μm未満の深さでSiO2が確認されたが、それより深い位置でSiOは確認されなかった。
【0181】
引き続き、この亜鉛めっき鋼板上に、クロムフリー化成処理を施した。施した化成処理層は、実施例1と同一である。
【0182】
比較例
また、比較例として、SiOを含まない硫酸亜鉛7水和物440g/l、pH1.8からなる浴から、電気亜鉛めっきを形成した後、そのまま化成処理層を同一条件で形成させたサンプルも作成し、これを評価した。
【0183】
このクロムフリー化成処理鋼板の耐白錆性を以下の様に評価した。
【0184】
各サンプルについて、塩水噴霧試験(JIS−Z−2371)を施し、所定時間経過後の白錆面積率で評価した(表に時間を記載)。
評価基準は以下の通りである。
【0185】
◎ :白錆面積率5%未満
○ :白錆面積率5%以上、10%未満
○−:白錆面積率10%以上、25%未満
△ :白錆面積率25%以上、50%未満
× :白錆面積率50%以上、100%以下
また、各サンプルを日本パーカライジング(株)製のアルカリ脱脂液CLN364S(60℃、スプレー2分)で処理した後、塩水噴霧試験(JIS−Z−2371)を実施、所定時間経過後の白錆面積率で評価した(表に時間を記載)。評価基準は以下の通りである。
【0186】
◎ :白錆面積率5%未満
○ :白錆面積率5%以上、10%未満
○−:白錆面積率10%以上、25%未満
△ :白錆面積率25%以上、50%未満
× :白錆面積率50%以上、100%以下
得られた実施例2−1の結果を表21に、実施例2−2、2−3、比較例の結果を表22に示す。
【0187】
【表21】
Figure 2004263252
【0188】
【表22】
Figure 2004263252
【0189】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、耐白錆性に優れたクロムフリー化成処理鋼板を得ることができる。また、アルカリ脱脂によっても耐食性が低下することがなく、産業上有益な処理鋼板を提供することになる。

Claims (23)

  1. 亜鉛めっき鋼板の表面にクロムフリー化成処理皮膜を有するクロムフリー化成処理鋼板であって、前記亜鉛めっき鋼板のめっき層中に、Fe、Co,Ni,Mn、Mg、Al、Ce、Inの1種又は2種以上を0.01〜20wt%含有することを特徴とする耐白錆性に優れたクロムフリー化成処理鋼板。
  2. 亜鉛めっき鋼板の表面にクロムフリー化成処理皮膜を有するクロムフリー化成処理鋼板であって、前記亜鉛めっき鋼板のめっき層中に、Si,Ti,V,Mo、Zrの酸化物の1種又は2種以上を0.01〜20wt%含有することを特徴とする耐白錆性に優れたクロムフリー化成処理鋼板。
  3. 亜鉛めっき鋼板の表面より1μm以内のめっき表層部にFe、Co,Ni,Mn、Mg、Al、Ce、Inの1種又は2種以上が合計で50〜3000mg/m存在することを特徴とする請求項1に記載の耐白錆性に優れたクロムフリー化成処理鋼板。
  4. 亜鉛めっき鋼板の表面より1μm以内のめっき表層部にSi,Ti,V,Mo、Zrの酸化物の1種又は2種以上が合計で50〜3000mg/m存在することを特徴とする請求項2に記載の耐白錆性に優れたクロムフリー化成処理鋼板。
  5. クロムフリー化成処理皮膜がP成分を含むことを特徴とする請求項1ないし4に記載の耐白錆性に優れたクロムフリー化成処理鋼板。
  6. クロムフリー化成処理皮膜におけるクロムフリー化成処理層が、複層の皮膜であり、第1層皮膜として、
    (α)酸化物微粒子と、
    (β)リン酸及び/又はリン酸化合物と、
    (γ)Mg、Mn、Alの中から選ばれる一種以上の金属(但し、化合物および/または複合化合物として含まれる場合を含む)と、
    を含有する複合酸化物皮膜を有し、
    その上部に第2層皮膜として、基体樹脂としてOH基および/またはCOOH基を有する有機高分子樹脂(A)と下記(a)〜(f)のうちのいずれかの防錆添加成分(B)とを含み、
    (a)Caイオン交換シリカおよびリン酸塩
    (b)Caイオン交換シリカ、リン酸塩および酸化ケイ素
    (c)カルシウム化合物および酸化ケイ素
    (d)カルシウム化合物、リン酸塩および酸化ケイ素
    (e)モリブデン酸塩
    (f)トリアゾール類、チオール類、チアジアゾール類、チアゾール類、チウラム類の中から選ばれる一種以上の有機化合物
    前記防錆添加成分(B)の合計の含有量が、前記有機高分子樹脂(A)100重量部(固形分)に対して1〜100重量部(固形分)である有機被膜を有することを特徴とする請求項1ないし4に記載の耐白錆性に優れたクロムフリー化成処理鋼板。
  7. クロムフリー化成処理皮膜におけるクロムフリー化成処理層が、複層の皮膜であり、第1層皮膜として、
    (α)酸化物微粒子と、
    (β)リン酸及び/又はリン酸化合物と、
    (γ)Mg、Mn、Alの中から選ばれる一種以上の金属(但し、化合物および/または複合化合物として含まれる場合を含む)と、
    を含有する複合酸化物皮膜を有し、
    その上部に第2層皮膜として、皮膜形成有機樹脂(D)と一部または全部の化合物が活性水素を有するヒドラジン誘導体(C)からなる活性水素含有化合物(E)との反応生成物(X)と、下記(a)〜(f)のうちのいずれかの防錆添加成分(Y)とを含み、
    (a)Caイオン交換シリカおよびリン酸塩
    (b)Caイオン交換シリカ、リン酸塩および酸化ケイ素
    (c)カルシウム化合物および酸化ケイ素
    (d)カルシウム化合物、リン酸塩および酸化ケイ素
    (e)モリブデン酸塩
    (f)トリアゾール類、チオール類、チアジアゾール類、チアゾール類、チウラム類の中から選ばれる一種以上の有機化合物
    前記防錆添加剤(Y)の合計の含有量が前記反応生成物(X)100重量部(固形分)に対して1〜100重量部(固形分)である有機皮膜を有することを特徴とする請求項1ないし4に記載の耐白錆性に優れたクロムフリー化成処理鋼板。
  8. 請求項7に記載の皮膜形成有機樹脂(D)が、エポキシ基含有樹脂であることを特徴とする請求項7に記載の耐白錆性に優れたクロムフリー化成処理鋼板。
  9. 請求項7に記載の活性水素を有するヒドラジン誘導体(C)が、活性水素を有するピラゾール化合物及び/または活性水素を有するトリアゾール化合物であることを特徴とする請求項7、8に記載の耐白錆性に優れたクロムフリー化成処理鋼板。
  10. クロムフリー化成処理皮膜におけるクロムフリー化成処理層が、下記式(1)で表される樹脂化合物と、第1〜3アミノ基及び第4アンモニウム塩基、から選ばれる少なくとも1種のカチオン性官能基を有するカチオン性ウレタン樹脂と、活性水素含有アミノ基、エポキシ基、ビニル基、メルカプト基及びメタクリロキシ基から選ばれる少なくとも1種の反応性官能基を有する1種以上のシランカップリング剤と、Ti化合物若しくはZr化合物の少なくとも1種と、リン酸、硝酸及び酢酸、若しくはこれらの塩から選ばれる少なくとも1種の酸化合物とを含有し、且つ、前記カチオン性ウレタン樹脂及び前記シランカップリング剤の各々の含有量が前記樹脂化合物と前記カチオン性ウレタン樹脂と前記シランカップリング剤の合計量の全固形分に対して、それぞれ1〜20質量%及び45〜85質量%である表面処理剤を塗布し、乾燥することにより形成された皮膜であることを特徴とする請求項1ないし4に記載の耐白錆性に優れたクロムフリー化成処理鋼板。
    Figure 2004263252
  11. 請求項10に記載の表面処理剤が、Ti化合物若しくはZr化合物の少なくとも1種を、樹脂化合物とカチオン性ウレタン樹脂とシランカップリング剤の合計量の全固形分に対して1〜20質量%含有することを特徴とする請求項10に記載の耐白錆性に優れたクロムフリー化成処理鋼板。
  12. 請求項10に記載の表面処理剤が、リン酸、硝酸及び酢酸、もしくはこれらの塩から選ばれる少なくとも1種の酸化合物を、樹脂化合物とカチオン性ウレタン樹脂とシランカップリング剤の合計量の全固形分に対して1〜30質量%含有することを特徴とする請求項10、11に記載の耐白錆性に優れたクロムフリー化成処理鋼板。
  13. クロムフリー化成処理皮膜におけるクロムフリー化成処理層が、
    (g)数平均分子量400〜20,000のポリアルキレングリコール、ビスフェノール型エポキシ樹脂、活性水素含有化合物及びポリイソシアネート化合物を反応させて得られるポリアルキレングリコール変性エポキシ樹脂と、該ポリアルキレングリコール変性エポキシ樹脂以外のエポキシ基含有樹脂と、活性水素を有するヒドラジン誘導体と、必要に応じて該ヒドラジン誘導体以外の活性水素含有化合物とを反応させる事により得られる樹脂を水中に分散してなる水性エポキシ樹脂分散液と、
    (h)シランカップリング剤と、
    (i)リン酸および/またはヘキサフルオロ金属酸と、
    を含有する表面処理組成物を塗布し、乾燥することにより形成された皮膜であることを特徴とする請求項1ないし4に記載の耐白錆性に優れたクロムフリー化成処理鋼板。
  14. 請求項13に記載のエポキシ基含有樹脂がエポキシ当量150〜5000のビスフェノールA型エポキシ樹脂であり、その数平均分子量が1500〜10000であることを特徴とする請求項13に記載の耐白錆性に優れたクロムフリー化成処理鋼板。
  15. 請求項13に記載の水性エポキシ樹脂分散液(g)がさらに、水酸基と架橋する基を有する硬化剤を含有することを特徴とする請求項13、14に記載の耐白錆性に優れたクロムフリー化成処理鋼板。
  16. 請求項13に記載の表面処理組成物が、シランカップリング剤(h)を水分散性樹脂の固形分100質量部に対して1〜300質量部、リン酸および/またはヘキサフルオロ金属酸(i)を水分散性樹脂の固形分100質量部に対して、0.1〜80質量部含有することを特徴とする請求項13ないし15に記載の耐白錆性に優れたクロムフリー化成処理鋼板。
  17. 請求項13に記載の表面処理組成物が、さらに、水溶性リン酸塩(j)を、水分散性樹脂の固形分100質量部に対して固形分で0.1〜60質量部含有することを特徴とする請求項13ないし16に記載の耐白錆性に優れたクロムフリー化成処理鋼板。
  18. 請求項17に記載の水溶性リン酸塩(j)として、カチオン成分とP成分のモル比[カチオン]/[P]が0.4〜1.0であって、且つカチオン種がMn、Mg、Al、Niの中から選ばれる1種または2種以上である水溶性リン酸塩を含有することを特徴とする請求項17に記載の耐白錆性に優れたクロムフリー化成処理鋼板。
  19. 請求項13に記載の表面処理組成物が、さらに、非クロム系防錆添加剤(k)を、水分散性樹脂の固形分100質量部に対して固形分で0.1〜50質量部含有することを特徴とする請求項13ないし18に記載の耐白錆性に優れたクロムフリー化成処理鋼板。
  20. 請求項19に記載の非クロム系防錆添加剤(k)として、下記(k1)〜(k5)の群の中から選ばれる1または2つ以上の防錆添加剤を含有することを特徴とする請求項19に記載の耐白錆性に優れたクロムフリー化成処理鋼板。
    (k1)酸化ケイ素
    (k2)カルシウムおよび/またはカルシウム化合物
    (k3)難溶性リン酸化合物
    (k4)モリブデン酸化合物
    (k5)トリアゾール類、チオール類、チアジアゾール類、チアゾール類、チウラム類の中から選ばれる1種または2種以上の、S原子を含有する有機化合物
  21. 請求項13に記載の表面処理組成物が含有するシランカップリング剤(h)が、反応性官能基としてアミノ基を有するシランカップリング剤の少なくとも1種であることを特徴とする請求項13ないし20に記載の耐白錆性に優れたクロムフリー化成処理鋼板。
  22. 請求項13に記載の表面処理組成物が含有するヘキサフルオロ金属酸(i)が、Ti、Si、Zrの中から選ばれる1種または2種以上の元素を含むヘキサフルオロ金属酸の少なくとも1種であることを特徴とする請求項13ないし21に記載の耐白錆性に優れたクロムフリー化成処理鋼板。
  23. 請求項13に記載の表面処理組成物が、(i)の成分としてリン酸を含有し、さらに水溶性リン酸塩として第一リン酸アルミニウムを含有し、非クロム系防錆添加剤としてカルシウムイオン交換シリカを含有することを特徴とする請求項13ないし22に記載の耐白錆性に優れたクロムフリー化成処理鋼板。
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