JP2000256870A - 耐食性の優れた非クロム型表面処理鋼板 - Google Patents

耐食性の優れた非クロム型表面処理鋼板

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JP2000256870A
JP2000256870A JP37526399A JP37526399A JP2000256870A JP 2000256870 A JP2000256870 A JP 2000256870A JP 37526399 A JP37526399 A JP 37526399A JP 37526399 A JP37526399 A JP 37526399A JP 2000256870 A JP2000256870 A JP 2000256870A
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JP37526399A
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Akira Takahashi
高橋  彰
Yujiro Miyauchi
優二郎 宮内
Atsushi Morishita
敦司 森下
Toshiaki Shimakura
俊明 島倉
Katsuyoshi Yamazoe
勝芳 山添
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Nippon Paint Co Ltd
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Paint Co Ltd
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有害なクロムを含まず、白錆の防止に有効な
処理剤で表面処理した、高耐食性の表面処理鋼板を提供
する。 【解決手段】 下地の鋼材表面に、Znを主成分とし、
Pを0.001〜3重量%、そしてNi、Co、Fe及
びMoのうちの1種又は2種以上を0.001〜20重
量%含有している合金めっき層を有し、更にこの合金め
っき層の上に、固形分として有機樹脂100重量部と
0.1〜50重量部のチオカルボニル基含有化合物を含
み、且つ、0.01〜20重量部のリン酸化合物、0.
1〜20重量部のバナジウム酸化合物及び1〜500重
量部の微粒シリカを1種又は2種以上含有する皮膜によ
り形成された、厚さ0.1〜10.0μmの有機樹脂皮
膜層を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐食性に優れた表
面処理鋼板に関する。より詳しく言えば、本発明は、家
電用、建材用、自動車用等に用いられる、6価クロムを
含有せずに耐食性に優れた表面処理鋼板に関する。
【0002】
【従来の技術】亜鉛めっき鋼板あるいは亜鉛合金めっき
鋼板などの表面処理鋼板は、海水等の塩分を含む雰囲気
又は高温多湿の雰囲気では、表面に白錆が発生して外観
を著しく損ねたり、素地鉄面に対する防錆力が低下した
りする。
【0003】亜鉛系めっき鋼板には様々なものが知られ
ており、その一つとして、主成分の亜鉛(Zn)のほか
に、Pを含有し、且つこのほかにNi、Co、Fe、C
rのうちの少なくとも1種を含有するZn−P系合金め
っきを施した耐食性のめっき鋼板がある(特開昭59−
211590号公報、特開昭60−89593号公
報)。しかしながら、このような耐食性めっき鋼板と言
えども、白錆の発生を免れることはできない。
【0004】白錆の防止には、従来よりクロメート系の
防錆処理剤が利用されており、例えば特開平3−131
370号公報には、オレフィン−α,β−エチレン性不
飽和カルボン酸共重合体樹脂ディスパージョンに水分散
性クロム化合物と水分散性シリカを含有させた樹脂系処
理剤が記載されている。
【0005】このようなクロメート系処理剤による皮膜
は、既知の処理剤の中で耐食性が最も良好なものとして
認識されている。けれども、その白錆防止作用は必ずし
も十分ではなく、クロメート処理を施しためっき鋼板は
塩水や高温多湿の雰囲気下に長時間さらされるとやはり
白錆が発生する。また、クロメート処理による皮膜は有
害元素であることが知られている6価クロムを含有して
おり、そのため6価クロムを含有しない表面処理鋼板へ
の要求が高まっている。
【0006】有害なクロムを含まないノンクロム防錆処
理剤が、特開平8−239776号公報、特開平8−6
7834号公報に記載されており、これらでは硫化物や
イオウを用いている。しかし、イオウはもちろん硫化物
の中には特有な臭気を放つものがあり、これらの処理剤
の取扱いは必ずしも容易でなかった。
【0007】イオウ原子を含むが臭気性も毒性もないト
リアジンチオール化合物を用いた防錆処理剤も提案され
ており、例えば特開昭53−31737号公報には、ジ
チオール−S−トリアジン誘導体を添加した水溶性防食
塗料が開示されている。ところが、この水溶性防食塗料
は、軟鋼、銅、真ちゅうなどの防食を目的としており、
特に基材が銅や真ちゅうの場合により密着しやすいよう
に調製されている。従って、亜鉛等の金属表面に対する
防錆剤としては不十分である。
【0008】特開昭61−223062号公報には、チ
オカルボニル基含有化合物と、水に難溶又は不溶性の有
機化合物を混合して得られる金属との反応性エマルショ
ンが記載されている。しかし、このエマルションも、
銅、ニッケル、スズ、コバルト、アルミニウム等及びそ
れらの合金と反応するものであり、亜鉛等の金属表面に
対する防錆剤としてはやはり不十分である。
【0009】本願の出願人らは、特開平10−1953
45号公報でもって、亜鉛系めっき鋼板の防錆にも有効
なトリアジンチオール含有防錆コーティング剤を開示し
た。しかし、トリアジンチオールは高価な化合物であ
り、そのためもっと安価で有効な防錆処理剤が求められ
ている。
【0010】クロムを含有せず、トリアジンチオールも
使用しない、亜鉛又は亜鉛合金の表面処理方法として、
特開昭54−71734号公報及び特開平3−2265
84号公報に記載されているものがある。特開昭54−
71734号公報に記載の処理法は、ミオ−イノシトー
ルの2〜6個の結合リン酸エステル又はその塩類を0.
5〜100g/lと、チタン弗化物及びジルコニウム弗
化物のうちの少なくとも一方を金属換算で0.5〜30
g/lと、チオ尿素又はその誘導体1〜50g/lとを
含有する水溶液で、亜鉛又は亜鉛合金を表面処理するも
のである。この方法は、亜鉛表面に保護層としての不動
態皮膜を形成するためにチタン弗化物又はジルコニウム
弗化物を必要としている。特開平3−226584号公
報では、Ni2+とCo2+の一方又は両方を0.02g/
l以上と、アンモニア及び1級アミン基を有する化合物
のうちの少なくとも1種とを含有しているpH5〜10
の水溶液である表面処理剤が使用されている。この処理
剤は、塗装密着性及び塗装後の耐食性をコバルト又はニ
ッケルの析出によって付与するのに、Ni2+とCo 2+
一方又は両方を必要としている。これらの金属イオンを
含有する処理剤は、廃水処理時の負荷が大きくなる等の
不都合があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】このように、前述のZ
n−P系合金めっきを施した耐食性として知られるめっ
き鋼板と言えども白錆の防止のためには特別の表面処理
を必要としている一方で、クロムを含まないこれまでの
防錆剤は、耐食性の点でクロム含有防錆剤に及ばず、そ
のほかにも上述のように不都合な点があった。
【0012】一方、本願の出願人等は、有機樹脂とイン
ヒビターとして働くチオカルボニル基含有化合物又はバ
ナジウム酸化合物を含有し、かような必須のインヒビタ
ー成分以外に、リン酸化合物又は水分散性シリカを含む
ことができる、めっき鋼板の表面防錆コーティング剤を
開発してきた(特願平10−36264号、特願平10
−36265号、特願平10−36267号)。そして
これらの新しい防錆コーティング剤の開発過程におい
て、前述のZn−P系合金めっき鋼板にそれを適用した
場合に、顕著な白錆防止効果の得られることを確認し
て、クロムを含まずに白錆防止に優れた高耐食性の表面
処理鋼板を発明するに至った。
【0013】従って、有害なクロムを含まず、白錆の防
止に有効な処理剤で表面処理した、高耐食性の表面処理
鋼板を提供するのが、本発明の目的とするところであ
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の非クロム型表面
処理鋼板は、下地の鋼材表面に、Znを主成分とし、P
を0.001〜3重量%、そしてNi、Co、Fe及び
Moのうちの1種又は2種以上を0.001〜20重量
%含有している合金めっき層を有し、更にこの合金めっ
き層の上に、固形分として有機樹脂100重量部と0.
1〜50重量部のチオカルボニル基含有化合物を含み、
且つ、0.01〜20重量部のリン酸化合物、0.1〜
20重量部のバナジウム酸化合物及び1〜500重量部
の微粒シリカを1種又は2種以上含有する皮膜により形
成された、厚さ0.1〜10.0μmの有機樹脂皮膜層
を有することを特徴とする。
【0015】本発明の表面処理鋼板は更に、上記の合金
めっき層と上記の有機樹脂皮膜層との間に、1リットル
中に0.1〜100gのリン酸イオンを含有し、且つ、
0.2〜200gのチオカルボニル基含有化合物、0.
1〜100gのバナジウム酸化合物、及び10〜300
gの水分散性シリカのうちの1種又は2種以上を含有す
る水溶液からなる防錆コーティング剤で処理して形成さ
れた付着量0.001〜1g/m2 の中間皮膜層を含む
こともできる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明における下地鋼材は、特に
限定されず、冷延鋼板、熱延鋼板、厚板、棒鋼、鋼管等
の各種鋼材を使用することができる。
【0017】下地鋼材の表面(片面でも両面でもよい)
には、Znを主成分とし、Pを0.001〜3重量%、
そしてNi、Co、Fe及びMoのうちの1種又は2種
以上を0.001〜20重量%含有しているZn−P系
合金めっき層が形成される。Pが0.001重量%に満
たない場合、Pの添加によるめっき層の耐食性改善効果
を期待できず、3重量%を超えるとめっきの下地鋼材へ
の密着性が低下する傾向にある。P以外の添加成分であ
るNi、Co、Fe及びMoのうちの1種又は2種以上
は、合計で0.001〜20重量%の含有量を占める
が、0.001重量%に満たない場合はやはりめっき層
の耐食性改善効果を期待できず、20重量%を超えると
効果が飽和し、不経済となる。めっき付着量は、一般に
0.1〜200g/m2 である。0.1g/m2 未満で
は思いどおりの耐食性向上の効果が得られず、200g
/m2 を超えるとめっき表面が荒れて耐食性向上効果が
飽和したり、製造コストが増大し経済的でない。好まし
いめっき付着量は1〜100g/m2 である。
【0018】本発明の表面処理鋼板は、このようなめっ
き層の上に、白錆の防止に有効な防錆皮膜層を設けたも
のであり、この防錆被膜層は、固形分として有機樹脂1
00重量部と0.1〜50重量部のチオカルボニル基含
有化合物を含み、且つ、0.01〜20重量部のリン酸
化合物、0.1〜20重量部のバナジウム酸化合物及び
1〜500重量部の微粒シリカを1種又は2種以上含有
する皮膜により形成された、厚さが0.1〜10.0μ
mの有機樹脂皮膜層である。
【0019】一般に、防錆皮膜を形成するための防錆処
理コーティング剤として有効であるためには、(1)腐
食液の浸透を防止すること、(2)防錆膜の金属素地へ
の密着性を有すること、(3)防錆イオン等による金属
表面の不動態化を図ること、(4)防錆膜が耐水性、耐
酸性、耐アルカリ性を有すること等を満たす必要があ
る。これらのいずれかが不十分な場合には、防錆性を発
揮することができない。従来の防錆剤のクロム化合物
は、主に不動態化に優れていた。ここで不動態化とは、
金属または合金が、化学的もしくは電気化学的に活性状
態になりうる環境であるにもかかわらず、不活性を保持
する状態になることを言う。
【0020】硫化物は、クロム酸と同様、金属表面に吸
着しやすく、また酸化能力にも優れているために、金属
表面を不動態化させることができる。従って、硫化物の
一つであるチオカルボニル基含有化合物は、亜鉛めっき
の白錆防止効果を有する。
【0021】このようなチオカルボニル基含有化合物を
含む防錆コーティング剤中にバナジウム酸化合物が添加
されると、次のようなバナジウム酸イオンの防錆作用が
加わって一層防錆効果が促進される。すなわち、バナジ
ウム酸化合物は、イオンとなって防錆剤中に溶解してい
る場合と、化合物や添加量によってはイオンとしての溶
解量が飽和して固体として防錆剤中に分散して防錆顔料
となっている場合とがある。いずれにしても、バナジウ
ム酸イオンは、塗布時に亜鉛表面に不動態皮膜を形成す
る。これがバナジウム酸化合物による防錆作用発現の理
由である。また、防錆皮膜中に腐食因子である水が浸透
し、亜鉛表面に腐食部位が形成されると、皮膜中に存在
するバナジウム酸イオンや浸透してきた水によってバナ
ジウム酸化合物から溶出したバナジウム酸イオンが腐食
部位に作用して腐食反応を抑制すると考えれる。
【0022】バナジウム酸イオンがチオカルボニル基含
有化合物またはリン酸イオンと共存するとこれらとの相
乗作用が発現する。この相乗作用の理由は必ずしも明確
ではないが、リン酸イオンやチオカルボニル基含有化合
物が吸着できないような部位にはバナジウム酸イオンが
不動態皮膜を形成するか、あるいは逆にバナジウム酸イ
オンによる不動態皮膜の欠陥部にリン酸イオンやチオカ
ルボニル基が吸着することでバナジウム酸イオンの作用
を補い防食作用の相乗効果が得られるものと考えられ
る。
【0023】更に、チオカルボニル基含有化合物は、リ
ン酸イオンとともに添加されると、その防錆効果が著し
く向上し、従来のクロム含有樹脂系防錆剤より優れた防
錆コーティング剤が得られる。これは、チオカルボニル
基含有化合物とリン酸イオンとの相乗作用により防錆効
果が発揮されるからであると推定される。すなわち、
(1)チオカルボニル基含有化合物におけるチオール基
のイオンは、防錆コーティング剤塗布時に亜鉛表面のサ
イトに吸着されて、防錆効果を発揮すると推定される。
本来硫黄原子は亜鉛と配位結合を形成しやすいが、チオ
カルボニル基(式1)
【0024】
【化1】
【0025】を有する化合物は、式(2)
【0026】
【化2】
【0027】のように窒素原子や酸素原子を同時に有す
るものの方が好ましい。これらの化合物では窒素原子や
酸素原子も亜鉛と配位結合を形成することができるた
め、特にこれらの原子を同時に有するチオカルボニル基
化合物では亜鉛表面にキレート結合を形成しやすくな
り、チオカルボニル基含有化合物が亜鉛表面に強固に吸
着することが可能である。不活性な亜鉛表面のサイト
(例えば酸化物の表面)にはチオカルボニル基含有化合
物は吸着されないが、このような不活性な面に対して
は、リン酸イオンが作用して、リン酸亜鉛を形成し、活
性な面を形成する。このように活性化された面にチオカ
ルボニル基含有化合物が吸着するので、亜鉛表面全体に
防錆効果を発揮するものと推定される。また、(2)チ
オカルボニル基含有化合物も、リン酸イオンも、樹脂皮
膜の架橋促進剤として作用する。両者の相乗作用によ
り、樹脂皮膜のミクロボアを少なくして水や塩素イオン
等の有害イオンを効率よく遮断することができると推定
される。
【0028】注目すべきことに、上記のチオカルボニル
基含有化合物とリン酸イオン、バナジウム酸イオンによ
る優れた防錆作用に加えて、これに水分散性シリカを添
加すると更に防錆作用が促進することが発見された。
【0029】水分散性シリカは、リン酸イオンやチオカ
ルボニル基含有化合物、バナジウム酸イオン等の防錆イ
オンや分子をシリカ表面に吸着させ、腐食反応が生じて
いる亜鉛メッキ表面の部位に適宜防錆イオンや分子を放
出させることで防錆作用を高めていると考えられる。
【0030】以上述べてきたように、本発明で用いる防
錆剤は防錆イオン等により金属表面を不動態化し、白錆
の防止を図る上できわめて有効である。
【0031】より詳しく言えば、本発明におけるめっき
層を構成している上述のZn−P系合金めっきは、表面
が活性な状態となっており、防錆皮膜中の防錆剤(チオ
カルボニル基含有化合物、バナジウム酸化合物、リン酸
イオン)のめっき層表面への吸着性が向上する。こうし
て、めっき層中のP,Ni等による耐白錆抑制作用と、
防錆皮膜中の防錆剤の耐白錆抑制作用とが相乗的にきく
(めっき層のカソード反応とアノード反応の両方を抑制
する)ことで、優れた白錆防止効果が得られる。
【0032】ところで、防錆処理皮膜として十分な性能
を得るためには防錆膜が金属素地への密着性を有するこ
とと、防錆膜に傷等の皮膜欠陥が生じた際に、傷部の金
属素地へ不動態化イオンが有効に供給されることが重要
である。しかし、本発明における防錆剤であるチオカル
ボニル基含有化合物、バナジウム酸化合物、リン酸イオ
ンを水性樹脂に含有させ、金属素地に塗布・乾燥させた
場合には、素地表面の防錆剤濃度を意識的に高めること
ができないために、場合によっては防錆剤の作用を高め
るのに限界のあることがある。そこで、樹脂を含むコー
ティング剤の塗布に先立って、防錆剤のみからなる水溶
液を塗布することで、防錆剤が素地表面と十分に反応し
て不動態層が形成され、更に乾燥・焼き付けることによ
り防錆剤が素地表面に十分な量で固着し、引き続いて塗
布する水性樹脂層と素地金属との密着性を飛躍的に高め
ることが可能となる。防錆膜に傷等の皮膜欠陥が導入さ
れた場合にも、素地表面には防錆剤が固着していること
から、水の浸透等によりイオン化し素地表面の傷を速や
かに不動態化することが可能となり耐食性が更に向上す
る。
【0033】以下、本発明における防錆皮膜層を形成す
る各成分を詳細に説明する。まず、有機樹脂防錆皮膜層
は、有機樹脂をベースとしている。この有機樹脂は、水
中に水性樹脂と防錆皮膜層のその他の成分とを含む組成
物からなる防錆コーティング剤を塗布後に乾燥すること
で、水性樹脂から得られるものである。ここでの水性樹
脂とは、水溶性樹脂のほか、本来不水溶性でありながら
エマルジョンやサスペンジョンのように不溶性樹脂が水
中に微分散された状態になり得るもの(水分散性樹脂)
を含めていう。
【0034】本発明において水性樹脂として使用できる
樹脂としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂、アクリ
ルオレフィン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系
樹脂、ポリカーボネート系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリ
エステル系樹脂、アルキド系樹脂、フェノール系樹脂、
その他の加熱硬化型の樹脂などを例示でき、架橋可能な
樹脂であることがより好ましい。特に好ましい樹脂は、
ポリオレフィン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、及び両者
の混合樹脂である。水性樹脂は2種類以上を混合してあ
るいは共重合して使用してもよい。
【0035】本発明においてチオカルボニル基含有化合
物とは、下式で表されるチオカルボニル基
【0036】
【化3】
【0037】を有する化合物をいうが、更に、水溶液中
や酸又はアルカリの存在下の条件においてチオカルボニ
ル基含有化合物を放出することのできる化合物をも含む
ことができる。代表的には、
【化4】
【0038】で表されるチオ尿素及びその誘導体、例え
ば、メチルチオ尿素、ジメチルチオ尿素、エチルチオ尿
素、ジエチルチオ尿素、ジフェニルチオ尿素、チオペン
タール、チオカルバジド、チオカルバゾン類、チオシア
ヌル酸類、チオヒダントイン、2−チオウラミル、3−
チオウラゾールなどや、下式
【0039】
【化5】
【0040】で表されるチオアミド化合物(式中のR
は、例えば−H、−CH3 、−CH2 CH3 、−C6
5 等を表す)、例として、チオホルムアミド、チオアセ
トアミド、チオプロピオンアミド、チオベンズアミド、
チオカルボスチリル、チオサッカリンなどや、下式
【0041】
【化6】
【0042】で表されるチオアルデヒド化合物(式中の
Rは、例えば−H、−CH3 等を表す)、例として、チ
オホルムアルデヒド、チオアセトアルデヒドなどや、下
【0043】
【化7】
【0044】で表されるカルボチオ酸類(式中のRは、
例えば−CH3 、−C6 5 等を表す)、例として、チ
オ酢酸、チオ安息香酸、ジチオ酢酸などや、下式
【0045】
【化8】
【0046】で表されるチオ炭酸類や、その他式(1)
の構造を有する化合物、例えば、チオクマゾン、チオク
モチアゾン、チオニンブルーJ、チオピロン、チオピリ
ン、チオベンゾフェノンなど、が例示される。これらの
化合物の中で直接水に溶解しないものは、アルカリ溶液
中で一旦溶解させた後防錆コーティング剤中に配合す
る。
【0047】ここで、防錆コーティング中のチオカルボ
ニル基含有化合物は、樹脂を含まない系では0.2g/
l未満の場合に、耐食性は不十分となり、一方、200
g/lを超えると耐食性が飽和して不経済となる。樹脂
を含む系では、有機樹脂100重量部に対して0.1重
量部未満の場合には、耐食性は不十分となり、50重量
部を超えると使用する樹脂によっては樹脂がゲル化し塗
布不能となる。
【0048】バナジウム酸化合物は、樹脂を含まない系
では、0.1g/l未満の場合に、耐食性は不十分とな
り、一方、100g/lを超えると耐食性が飽和して不
経済となる。樹脂を含む系では、20重量部を超えると
使用する樹脂によっては樹脂がゲル化し塗布不能となる
ため好ましくは20重量部以下がよい。
【0049】バナジウム酸化合物はバナジウム酸、バナ
ジウム酸アンモニウム、バナジウム酸ナトリウム、バナ
ジウム酸カリウム、バナジウム酸ストロンチウム、バナ
ジウム酸水素ナトリウム等のバナジウム酸塩、またリン
バナジウム酸、リンバナジウム酸アンモニウム等のリン
バナジウム酸塩等の形で供給することができる。
【0050】また、リン酸イオンは、金属素地にリン酸
塩層を形成させ、不動態化させるとともに樹脂層と素地
との密着性を著しく向上させ、更に水性樹脂由来の樹脂
皮膜の架橋反応を促進させ、緻密な防錆膜を形成するこ
とにより、防錆性を更に向上させる。リン酸イオンの含
有量は、樹脂を含まない系では、0.1g/l未満の場
合に、防錆効果が十分に発揮されず、一方、100g/
lを超えると耐食性が飽和して不経済となる。また、樹
脂を含む系では、0.01重量部未満の場合には防錆効
果が十分に発揮されず、20重量部を超えると使用する
樹脂によつて樹脂がゲル化し塗布不能となる。
【0051】リン酸イオンを供給するリン酸イオン源と
しては、オルトリン酸、縮合リン、種々の金属のオルト
リン酸塩または縮合リン酸塩、五酸化リン、リン酸塩鉱
物、市販の複合リン酸塩顔料、またはこれらの混合物が
挙げられる。ここで言うオルトリン酸塩の中には、その
一水素塩(HPO4 2- の塩)、二水素塩(H2 PO 4
- の塩)も含むものとする。また縮合リン酸塩の中にも
水素塩を含むこととする。また縮合リン酸塩にはメタリ
ン酸塩も含み、通常のポリリン酸塩、ポリメタリン酸塩
も含むものとする。これらのリン化合物の具体例として
はリン酸塩鉱物、例えばモネタイト、トルフィル石、ウ
ィトロック石、ゼノタイム、スターコライト、ストルー
ブ石、ラン鉄鉱等や、市販の複合リン酸塩顔料、例えば
ポリリン酸シリカ等や、複合リン酸、例えばピロリン
酸、メタリン酸や、複合リン酸塩、例えばメタリン酸
塩、テトラメタリン酸塩、ヘキサメタリン酸塩、ピロリ
ン酸塩、酸性ピロリン酸塩、トリポリリン酸塩や、ある
いはこれらの混合物が挙げられる。リン酸塩を形成する
金属種は特に限定的でなく、アルカリ金属、アルカリ土
類金属、その他の典型元素の金属種および遷移金属が挙
げられる。好ましい金属種の例としては、マグネシウ
ム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、チタン、
ジルコニウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、亜
鉛、アルミニウム、鉛、スズ等が挙げられる。この他に
バナジル、チタニル、ジルコニル等、オキソカチオンも
含まれる。特に好ましいのはカルシウム、マグネシウム
である。
【0052】本発明に係わる防錆コーティング層に更
に、微粒シリカを添加することにより耐食性が一層向上
する。しかも耐食性に加えて乾燥性、耐擦傷性、塗膜密
着性をも改良することができる。
【0053】本発明において水分散性シリカとは、微細
な粒径を有するため水中に分散させた場合に安定な状態
を保持でき半永久的に沈降が認められないような特性を
有するシリカを総称していうものである。上記水分散性
シリカとしては、ナトリウム等の不純物が少なく弱アル
カリ系のものであれば特に限定されない。例えば、「ス
ノーテックスN」(日産化学工業製)、「アデライトA
T−20N」(旭電化工業社製)等の市販シリカゲル、
または市販のアエロジル粉末シリカ粒子等を用いること
ができる。
【0054】水分散性シリカの含有量は、上記防錆コー
ティング剤1リットル中に樹脂を含まないコーティング
剤では10〜300g、樹脂を含む処理層では50〜5
00重量部であることが好ましく、含有量が10g(樹
脂含有系は50重量部)未満の場合には耐食性の向上効
果が不十分であり、一方300g(樹脂含有系は500
重量部)を超えると耐食性が飽和して不経済となる。
【0055】本発明の樹脂を含有する系の防錆コーティ
ング層は、固形分として、有機樹脂100重量部と0.
1〜50重量部のチオカルボニル基含有化合物を含み、
且つ、0.1〜20重量部のバナジウム酸化合物、0.
01〜20重量部のリン酸化合物、そして1〜500重
量部の微粒シリカのうちの1種又は2種以上を含有す
る。
【0056】また、本発明の樹脂を含む系のコーティン
グ層は、更に他の成分が配合されていてもよい。例え
ば、顔料、界面活性剤等を挙げることができる。また、
水性樹脂とシリカ粒子、顔料との親和性を向上させ、更
に水性樹脂と亜鉛または鉄のリン酸化物層との密着性等
を向上させるためにシランカップリング剤もしくはその
加水分解縮合物あるいはそれらの両方を配合してもよ
い。ここでの「シランカップリング剤の加水分解縮合
物」とは、シランカップリング剤を原料とし、加水分解
重合させたシランカップリング剤のオリゴマーのことを
いう。
【0057】顔料としては、例えば酸化チタン(TiO
2 )、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ジルコニウム(Zr
O)、炭酸カルシウム(CaCO3 )、硫酸バリウム
(BaSO4 )、アルミナ(Al2 3 )、カオリンク
レー、カーボンブラック、酸化鉄(Fe2 3 ,Fe3
4 )等の無機顔料や、有機顔料等を用いることができ
る。
【0058】本発明で使用できる上記のシランカップリ
ング剤としては特に制限はないが、好ましいものとして
は、例えば以下のものを挙げることができる:ビニルメ
トキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルエト
キシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−アミノプ
ロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピル
トリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシ
シラン、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−
(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N,
N′−ビス〔3−(トリメトキシシリル)プロピル〕エ
チレンジアミン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミ
ノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミノ
エチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ
−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロ
ピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルト
リメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエト
キシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキ
シシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エ
チルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピル
トリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリ
エトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシ
シラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、
N−〔2−(ビニルベンジルアミノ)エチル〕−3−ア
ミノプロピルトリメトキシシラン。
【0059】特に好ましいシランカップリング剤は、ビ
ニルトリメトキシシラン、ビニルエトキシシラン、3−
アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシ
プロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロ
ピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリ
メトキシシラン、N−(1,3−ジメチルブチリデン)
−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、
N,N′−ビス〔3−(トリメトキシシリル)プロピ
ル〕エチレンジアミンである。これらシランカップリン
グ剤は1種類を単独で使用してもよいし、または2種類
以上を併用してもよい。
【0060】本発明では、上記シラン化合物は、有機樹
脂100重量部に対して0.01〜20重量部添加す
る。シラン化合物の添加量が0.01重量部未満になる
と添加効果の低下が認められ、耐食性、上塗り塗装密着
性向上効果が不足し、20重量部を越えると貯蔵安定性
が低下し、好ましくない。
【0061】本発明の樹脂を含有する系の防錆コーティ
ング層には水性樹脂の造膜性を向上させ、より均一で平
滑な塗膜を形成するために、溶剤を用いてもよい。溶剤
としては、塗料に一般的に用いられているものであれば
特に限定されず、例えば、アルコール等、ケトン系、エ
ステル系、エーテル系のもの等を挙げることができる。
【0062】本発明の表面処理鋼板は、表面にZn−P
系合金めっき層を形成した下地鋼材を上記防錆コーティ
ング剤で防錆処理して得ることができる。この防錆処理
は、樹脂を含有する防錆コーティング剤をZn−P系合
金めっき層を備えた被塗物に直接塗布し、次いでコーテ
ィング剤を加熱・乾燥させて行うことができる。樹脂を
含有しない防錆コーティング剤を使用する場合は、これ
を被塗物に塗布後に加熱し乾燥させてから、その上に樹
脂を含有する防錆コーティング剤を塗布し、加熱して乾
燥させればよい。
【0063】上記加熱の温度は、樹脂を含有する系と含
有しない系のいずれにおいても50〜250℃が適当で
ある。50℃未満であると水分の蒸発速度が遅く十分な
成膜性が得られないので防錆力が不足する。一方、25
0℃を超えると、特に樹脂を含む系の場合、水性樹脂の
熱分解が生じるので、耐塩水噴霧試験性、耐水性が低下
し、また外観も黄変するので、上記範囲に限定される。
塗布後に被塗物を熱風で加熱し、乾燥させる場合の乾燥
時間は、1秒〜5分が好ましい。
【0064】上記防錆処理において、防錆コーティング
剤の付着量は、樹脂を含有しない層は5mg/m2 以上が
望ましい。5mg/m2 未満であると、樹脂を含有する層
の密着力や耐食性が不足する。一方、上限は望ましくは
100mg/m2 がよい。付着量が多すぎると塗装下地処
理としての効果が飽和する上に不経済であり、より好ま
しくは、5mg/m2 〜50mg/m2 である。塗布方法
は、特に限定されず、浸せき法やコーター塗布法、スプ
レー塗布法等で塗布される。塗布後に被塗物を熱風炉や
直火炉、IH炉等で加熱し、乾燥させる。
【0065】樹脂を含有する層の防錆コーティング剤の
塗装膜厚は、乾燥膜厚が0.1μm以上であることが望
ましい。0.1μm未満であると、防錆力が不足する。
一方、乾燥膜厚が厚すぎると、加工時の割れ等の不具合
が発生し、不経済であるので20μm以下がよく、より
好ましくは0.1〜10μmである。塗布方法は、特に
限定されず、一般に使用されるロールコート、エアース
プレー、エアーレススプレー、浸せき等によって塗布す
ることができる。塗布後に被塗物を熱風炉や直火炉、I
H炉等で加熱し、乾燥させる。
【0066】
【実施例】次に、実施例により本発明を更に説明する。
なお、以下の実施例及び比較例において、g/lで表し
た濃度は、防錆コーティング組成物の1リットル中に含
有される各成分の含有量(g)を意味する。また、以下
の各例において耐食性(1次防錆性)の評価は次に説明
する塩水噴霧試験により行った。
【0067】JIS Z 2371に準拠した試験法
(5%の食塩水を35℃で被塗物面に噴霧し、240時
間後の白錆の程度を10点満点で評価した。評価は平面
部とエリクセン7mm押し出し加工部の両方について行っ
た。また、評価基準は下記のものとした。 10点:異常なし 9点:10点と8点の間 8点:僅かに白錆発生 7点〜6点:8点と5点の間 5点:面積の半分に白錆発生 4〜2点:5点と1点の間 1点:全面に白錆発生
【0068】〔実施例1〕純水にポリオレフィン系樹脂
「ハイテックS−7024」(商品名;東邦化学(株)
製)とポリウレタン樹脂「ボンタイターHUX−32
0」(商品名;旭電化(株)製)を樹脂固形分の合計の
濃度が20重量%となるように固形分で1:1(重量
比)の割合で混合して添加し、更に、チオ尿素を0.2
g/l、リン酸アンモニウムをリン酸イオンが2.5g
/lとなるように溶かし、最後に水分散性シリカ「スノ
ーテックス−N」(商品名;日産化学製)を200g/
l添加した後、ディスパーで30分間攪拌分散させ、pH
8.0となるように調整して表層の防錆コーティング剤
を得た。得られた防錆コーティング剤を、1次防錆性に
ついて評価するため、市販の冷延鋼板(70×150×
0.8mm)にZn−P系の電気めっきを施したものに塗
布し乾燥させた。電気めっきは、硫酸亜鉛を300g/
l含むpH=2.0の浴を基本浴として、更に次亜リン酸
ナトリウム、硫酸コバルト、ニッケル、鉄、モリブデン
酸ナトリウムを1種又は2種以上加えて所定の浴とし、
Pt板を陽極として、電流密度1〜200A/dm2 で行
った。使用しためっき層及び防錆コーティング剤の組成
と付着量、そして評価結果を表1および表2に示した。
【0069】〔実施例2〜14〕実施例1において、表
層のチオカルボニル基含有化合物の添加量、リン酸イオ
ンの添加量、スノーテックス−Nの添加量、バナジウム
酸化合物の添加量を表2に記載のようにそれぞれ変えた
以外は実施例1と同様にして防錆処理した電気亜鉛−P
メッキ鋼板を得、同様にして防錆性の評価を行った。使
用しためっき層および防錆コーティング剤の組成と付着
量、そして評価結果を表1および表2に示した。
【0070】〔実施例15〜21〕実施例1において、
更に中間層として、純水にバナジウム酸アンモニウムを
0.1g/l溶かし、チオ尿素を0.2g/l、リン酸
アンモニウムを50g/l、スノーテックスNを100
g/l添加した後、ディスパーで30分攪拌分散させ、
pH8.0になるように調整して得た防錆コーティング剤
を、めっき材にバーコート#3で付着量を0.5〜1g
/m2 となるように塗布した後、到達板温度(PMT)
70℃となるように乾燥させ、空冷後樹脂を含有する防
錆コーティング剤(表層用)を塗布した。但し、各例に
おいて、中間層の防錆コーティング剤中のチオカルボニ
ル基含有化合物の量と種類、リン酸イオンの量、スノー
テックス−Nの量、バナジウム酸化合物の種類と量を変
化させた。使用しためっき層、中間層および表層の組成
と付着量、そして評価結果を表3および表4に示した。
【0071】〔実施例22〜38〕実施例2において、
めっき層の組成、付着量を変化させた以外は同様とし
て、実施例2を反復した(実施例22〜30)。さら
に、表層においてシランカップリング剤を使用して、同
じように実施例2を反復した(実施例31〜38)。使
用しためっき層、中間層および表層の組成と付着量、そ
して評価結果を表5および表6に示した。
【0072】〔比較例1〜9〕表7および表8に示した
ように、実施例15におけるめっき層の組成、中間層の
防錆コーティング剤の組成、表層の防錆コーティング剤
の組成を変化させて、上述の1次防錆性の評価を行っ
た。評価結果は表8に示したとおりであった。
【0073】
【表1】
【0074】
【表2】
【0075】
【表3】
【0076】
【表4】
【0077】
【表5】
【0078】
【表6】
【0079】
【表7】
【0080】
【表8】
【0081】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、従来の
クロメート含有水性樹脂系防錆剤で処理したものよりも
優れた防錆性を発揮する表面処理鋼板の利用が可能にな
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮内 優二郎 千葉県君津市君津1番地 新日本製鐵株式 会社君津製鐵所内 (72)発明者 森下 敦司 千葉県君津市君津1番地 新日本製鐵株式 会社君津製鐵所内 (72)発明者 島倉 俊明 東京都品川区南品川4丁目1番15号 日本 ペイント株式会社内 (72)発明者 山添 勝芳 東京都品川区南品川4丁目1番15号 日本 ペイント株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下地の鋼材表面に、Znを主成分とし、
    Pを0.001〜3重量%、そしてNi、Co、Fe及
    びMoのうちの1種又は2種以上を0.001〜20重
    量%含有している合金めっき層を有し、更にこの合金め
    っき層の上に、固形分として有機樹脂100重量部と
    0.1〜50重量部のチオカルボニル基含有化合物を含
    み、且つ、0.01〜20重量部のリン酸化合物、0.
    1〜20重量部のバナジウム酸化合物及び1〜500重
    量部の微粒シリカを1種又は2種以上含有する皮膜によ
    り形成された、厚さ0.1〜10.0μmの有機樹脂皮
    膜層を有することを特徴とする非クロム型表面処理鋼
    板。
  2. 【請求項2】 前記合金めっき層と前記有機樹脂皮膜層
    との間に、1リットル中に0.1〜100gのリン酸イ
    オンを含有し、且つ、0.2〜200gのチオカルボニ
    ル基含有化合物、0.1〜100gのバナジウム酸化合
    物、及び10〜300gの水分散性シリカのうちの1種
    又は2種以上を含有する水溶液からなる防錆コーティン
    グ剤で処理して形成された付着量0.001〜1g/m
    2 の皮膜層を含む、請求項1記載の非クロム型表面処理
    鋼板。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004263252A (ja) * 2003-03-03 2004-09-24 Jfe Steel Kk 耐白錆性に優れたクロムフリー化成処理鋼板
JP2005194627A (ja) * 2003-12-10 2005-07-21 Sumitomo Metal Ind Ltd 金属表面の水系処理薬剤
CN101988194A (zh) * 2010-11-18 2011-03-23 平湖市供电局 电力系统钢铁件的现场除锈防腐方法
KR101546157B1 (ko) * 2013-11-28 2015-08-21 현대제철 주식회사 도금 밀착성 및 내식성이 우수한 전기아연도금강판용 도금액 및 그 제조 방법
CN116547405A (zh) * 2021-12-03 2023-08-04 日本制铁株式会社 Zn系镀层钢板

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