JP2000290783A - 溶接可能な非クロム型黒色処理亜鉛系めっき鋼板 - Google Patents

溶接可能な非クロム型黒色処理亜鉛系めっき鋼板

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JP2000290783A
JP2000290783A JP2000022936A JP2000022936A JP2000290783A JP 2000290783 A JP2000290783 A JP 2000290783A JP 2000022936 A JP2000022936 A JP 2000022936A JP 2000022936 A JP2000022936 A JP 2000022936A JP 2000290783 A JP2000290783 A JP 2000290783A
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JP2000022936A
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Yujiro Miyauchi
優二郎 宮内
Akira Takahashi
高橋  彰
Atsushi Morishita
敦司 森下
Toshiaki Shimakura
俊明 島倉
Katsuyoshi Yamazoe
勝芳 山添
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Nippon Paint Co Ltd
Nippon Steel Corp
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Nippon Paint Co Ltd
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クロメート処理に代わる耐食性処理を施し
た、溶接可能な非クロム型黒色処理亜鉛系めっき鋼板を
提供すること。 【解決手段】 亜鉛系めっき鋼板を下地とし、亜鉛系め
っき鋼板の表面に、ニッケルおよび亜鉛の金属とニッケ
ルおよび亜鉛の酸化物および任意に水酸化物を含む金属
/酸化物複合黒色皮膜を形成し、さらにその上に、樹脂
と少なくともチオカルボニル基含有化合物およびバナジ
ウム酸化合物のうちいずれかとを含み任意にりん酸化合
物および微粒シリカのうち少なくとも1種を含む非クロ
ム型防錆皮膜層を形成し、必要によりさらにその上層と
して、任意に黒色顔料及び/又は防錆顔料を含む有機樹
脂層を有する、溶接可能な非クロム型黒色処理亜鉛系め
っき鋼板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は溶接可能な非クロム
型黒色処理亜鉛系めっき鋼板に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真式コピー機などの光学機械で
は、内側に光学的光を反射しない黒色鋼板が必要であ
る。鋼板に黒色塗料を塗装すればよいが、塗膜が約20
μm の厚さになるため、このような黒色塗装した鋼板で
は溶接性がない。溶接後に黒色塗装すると、コストが増
加する。
【0003】そこで、溶接可能な黒色鋼板が求められて
いる。このような溶接可能な黒色鋼板として、亜鉛ニッ
ケル合金めっき鋼板の表面を陽極酸化して一部を酸化物
に変換することで、亜鉛合金めっき鋼板の表面を黒色に
することが開示されている(特開昭58−151491
号及び特開昭62−77482号公報)。この黒色亜鉛
系めっき鋼板は、金属/酸化物複合黒色皮膜層の上にさ
らにクロメート処理を施した後、さらに有機樹脂膜を1
μm 程度の厚さで形成してプレス加工性を付与して使用
されている。この有機樹脂層には黒色顔料を含有させる
ことができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような表面処理黒
色鋼板において、耐食性付与にはクロメート系の防錆処
理が行われている。クロメート処理は、水溶性の6価の
クロムで処理すると、3価クロムの難溶性皮膜を形成し
てバリヤ効果を有するとともに、皮膜に傷が発生すると
6価クロムが溶出してバリヤを補修する性質があり、従
って、耐食性に優れている特徴を有するので、特に亜鉛
系めっき鋼板の防錆用途では今日まで耐食性付与皮膜と
しては専らクロメート処理が行われている。
【0005】しかしながら、クロメート処理といえども
必ずしも十分な耐食性を有していないのみならず、最近
では非クロム防錆処理に対する要望が高まっている。そ
こで、本発明では、このような要望に答え、溶接可能
で、非クロム型の耐食性に優れた黒色亜鉛系めっき鋼板
を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を、
亜鉛系めっき鋼板を下地とし、亜鉛系めっき鋼板の表面
に、ニッケルおよび亜鉛の金属とニッケルおよび亜鉛の
酸化物および任意に水酸化物を含む金属/酸化物複合黒
色皮膜を形成し、その上に樹脂と少なくともチオカルボ
ニル基含有化合物およびバナジウム酸化合物のいずれか
を含みかつ任意にりん酸化合物および微粒シリカのうち
少なくとも1種を含む皮膜層からなる非クロム型防錆皮
膜層を有し、必要によりさらにその上層として、有機樹
脂層を有することを特徴とする溶接可能な非クロム型黒
色処理亜鉛系めっき鋼板を提供することにより、達成す
る。
【0007】上記非クロム型防錆皮膜層が、(1)樹脂
30〜500重量部と少なくともチオカルボニル基含有
化合物0.2〜50重量部を含みかつ任意にりん酸化合
物0.1〜5重量部(PO4 として)および微粒シリカ
10〜500重量部のうち少なくとも1種を含む皮膜
層、または(2)樹脂50〜100重量部と少なくとも
バナジウム酸化合物0.1〜10重量部を含みかつ任意
にチオカルボニル基含有化合物0.2〜50重量部、り
ん酸化合物0.1〜5重量部(PO4 として)および微
粒シリカ10〜500重量部のうち少なくとも1種をさ
らに含有する皮膜層であることが好ましい。
【0008】非クロム型防錆皮膜層及び/または有機樹
脂層の少なくとも一方以上に黒色顔料を含有すること、
あるいは前記有機樹脂層に非クロム型防錆剤を含有する
ことができる。この溶接可能な非クロム型黒色処理亜鉛
系めっき鋼板は、従来のクロメート処理した黒色処理亜
鉛系めっき鋼板に劣らない耐食性を有し、かつクロムを
用いない、あるいはクロムの量を減らすことができる利
点を有する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の亜鉛系めっき鋼板は、亜
鉛めっき鋼板または亜鉛合金めっき鋼板、特に亜鉛ニッ
ケル合金系めっき鋼板を下地として用いる。この亜鉛系
めっき鋼板は、湯洗、アルカリ脱脂などの通常の処理を
行うことができる。
【0010】本発明の亜鉛系めっき鋼板は、最初に、亜
鉛系めっきの表面を黒色化処理する。亜鉛系めっき表面
に形成する黒色皮膜は、少なくとも亜鉛とニッケルを含
む金属とこれらの金属の酸化物とを含み、さらにこれら
の金属の水酸化物が含まれてもよい。このような金属/
酸化物複合皮膜を亜鉛系めっき表面に形成することによ
り、亜鉛系めっき鋼板の表面を黒色化することができ
る。
【0011】金属/酸化物複合皮膜中の酸化物あるいは
水酸化物の量は皮膜を黒色化するに必要な量であればよ
く、特に限定されない。この黒色化処理は、特公平3−
52557号公報に開示されているような陽極酸化のほ
か、硝酸系の薬剤を塗布して表面を黒色化する方法、さ
らには、酸化性の酸、例えば、硫酸とりん酸の混液をス
プレーして亜鉛系めっき表面を酸化させる方法、あるい
は、陰極電解法で亜鉛系めっき表面に黒色皮膜を限界析
出させる方法などによってもよい。
【0012】亜鉛系めっき鋼板の表面に、このような黒
色皮膜を形成する具体的な方法としては、陽極酸化によ
る手段として、Zn−Ni合金めっき鋼板に0.3〜3
mol/Lの硝酸塩を含み、且つ正りん酸/硝酸塩の比
がモル比で1.5超〜5.0の正りん酸を含む0.9〜
1.5の酸性水溶液で20A/dm2 ,100C/dm
2 で陽極酸化処理することで得られ(特公平3−525
57号)、また陽極電解による手段としては、12〜6
7g/LのZn2+、硝酸塩換算でNi2+と2g/LのN
- 3 ,0.5g/Lのチオ硫酸を含む酸性水溶液中で
1〜50A/dm2 ,5〜100C/dm2 で陰極電解
することで得られる(特公平3−69993号)。
【0013】また、本発明の非クロム型黒色処理亜鉛系
めっき鋼板における黒色金属/酸化物複合皮膜の被覆量
は、0.1g/m2 〜5g/m2 の範囲内が好適であ
る。0.1g/m2 より薄いと充分な黒色化の効果が得
られず、また5g/m2 を越えると皮膜が剥離するおそ
れがある。本発明の非クロム型黒色処理亜鉛系めっき鋼
板は、黒色金属/酸化物複合皮膜の上に、樹脂をベース
としてチオカルボニル基含有化合物またはバナジウム酸
化合物を含む非クロム型防錆皮膜層を有する。
【0014】非クロム型防錆皮膜層は樹脂をベースとし
た皮膜層である。ここで、樹脂としては、水性樹脂とし
て使用できるものであればよく、水溶性樹脂のほか、本
来水不溶性でありながらエマルジョンやサスペンジョン
のように不溶性樹脂が水中に微分散された状態になり得
るもの(水分散性樹脂)を含めていう。このような水性
樹脂として使用できる樹脂としては、例えば、ポリオレ
フィン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、
ポリカーボネート系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステ
ル系樹脂、アルキド系樹脂、フェノール系樹脂、その他
の加熱硬化型の樹脂などを例示でき、架橋可能な樹脂で
あることがより好ましい。特に好ましい樹脂は、ポリオ
レフィン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、および両者の混
合樹脂である。これらの水性樹脂の2種類以上を混合し
て使用してもよい。
【0015】チオカルボニル基含有化合物は、硫化物で
あって、金属表面に吸着し易く、また酸化力も優れてい
るので、金属表面を不動態化して、防錆効果を奏する。
特に、チオカルボニル基含有化合物におけるチオール基
のイオンは、亜鉛系めっき表面の活性なサイトに吸着さ
れて防錆効果を発揮すると考えられる。また、チオカル
ボニル基含有化合物は、樹脂皮膜の架橋促進剤として作
用し、樹脂皮膜のミクロポアを少なくして、水や塩素イ
オンなどの有害イオンを効率よく遮断する効果も有し、
これも防錆効果に寄与すると考えられる。
【0016】本発明においてチオカルボニル基含有化合
物とは、チオカルボニル基(式1)
【0017】
【化1】
【0018】を有する化合物をいう。代表的には、
【0019】
【化2】
【0020】で表されるチオ尿素およびその誘導体、例
えば、メチルチオ尿素、ジメチルチオ尿素、エチルチオ
尿素、ジエチルチオ尿素、ジフェニルチオ尿素、チオペ
ンタール、チオカルバジド、チオカルバゾン類、チオシ
アヌル酸類、チオヒダントイン、2−チオウラミル、3
−チオウラゾールなど;
【0021】
【化3】
【0022】で表されるチオアミド化合物、例えば、チ
オホルムアミド、チオアセトアミド、チオプロピオンア
ミド、チオベンズアミド、チオカルボスチリル、チオサ
ッカリンなど;
【0023】
【化4】
【0024】で表されるチオアルデヒド化合物、例え
ば、チオホルムアルデヒド、チオアセトアルデヒドな
ど;
【0025】
【化5】
【0026】で表されるカルボチオ酸類、例えば、チオ
酢酸、チオ安息香酸、ジチオ酢酸など;
【0027】
【化6】
【0028】で表されるチオ炭酸類;その他の式1の構
造を有する化合物、例えば、チオクマゾン、チオクモチ
アゾン、チオニンブルーJ、チオピロン、チオピリン、
チオベンゾフェノンなどが、例示される。チオカルボニ
ル基含有化合物の含有量は、樹脂30〜500重量部に
対して、0.2〜500重量部がよい。チオカルボニル
基含有化合物の含有量がこれより少ないと、防錆効果の
向上がなく、これより多いと上塗り塗膜の密着性に劣る
ことがあり、また経済的でない。
【0029】バナジウム酸化合物も、クロム酸化合物と
同様の防錆作用を奏することを見出した。バナジウム酸
化合物は、クロム酸化合物と同様に、塗布時に亜鉛系め
っき表面に不動態皮膜を形成して防錆効果を奏する。さ
らに、亜鉛系めっき表面に腐食部位が発生する場合に
も、皮膜中に存在するバナジウム酸イオンが腐食部位に
作用して腐食反応を抑制する効果も有すると考えられ
る。
【0030】非クロム型防錆皮膜層に用いるバナジウム
酸化合物としては、例えば、バナジウム酸アンモニウ
ム、バナジン酸ナトリウム、バナジン酸カリウムなどを
用いることができる。バナジウム酸化合物の量は、樹脂
(固形分)50〜100重量部に対して、0.1〜10
重量部の範囲内がよい。これより少ないと防錆効果が十
分でなく、これより多くても防錆効果は飽和して不経済
になる。
【0031】この非クロム型防錆皮膜層は、チオカルボ
ニル基含有化合物あるいはバナジウム酸化合物と共にり
ん酸化合物を含むことにより、その防錆効果が著しく向
上する。先に述べたように、チオカルボニル基含有化合
物あるいはバナジウム酸化合物は亜鉛系めっき表面の活
性なサイトに吸着されて防錆効果を発揮するが、亜鉛系
めっき表面の不活性な面にりん酸が作用して活性な表面
を形成し、そこにチオカルボニル基含有化合物あるいは
バナジウム酸化合物が吸着されるので、亜鉛系めっき表
面全体に防錆効果が発揮され、防錆効果が向上するもの
と考えられる。また、りん酸化合物も樹脂皮膜の架橋促
進剤として作用し、樹脂皮膜のミクロポアを少なくし
て、水や塩素イオンなどの有害イオンを効率よく遮断す
る効果も有し、これも防錆効果に寄与すると考えられ
る。
【0032】りん酸化合物としては、りん酸イオンを含
めばよいが、例えば、りん酸アンモニウム、りん酸ナト
リウム、りん酸カリウム、各種りん酸エステルなどを使
用することができる。非クロム型防錆皮膜層におけるり
ん酸化合物の量は、樹脂30〜500重量部に対して、
りん酸イオンとして0.1〜5重量部の範囲内がよい。
りん酸化合物が0.1重量部未満では防錆効果が十分に
発揮されず、一方5重量部を越えるとかえって防錆効果
が低下したり、コーティング溶液の状態で樹脂がゲル化
したりして不具合があることがある。
【0033】また、チオカルボニル基含有化合物あるい
はバナジウム酸化合物を含む非クロム型防錆皮膜層に微
粒シリカを添加すると、更に防錆作用(耐食性)が促進
される。しかも耐食性に加えて、乾燥性、耐擦傷性、塗
膜密着性も改良できる。本発明において微粒シリカと
は、微細な粒径をもつために水中に分散させた場合に安
定に水分散状態を維持でき半永久的に沈降が認められな
いような特性を有するシリカを総称していうものであ
る。上記微粒シリカとしては、ナトリウムなどの不純物
が少なく、弱アルカリ系のものであれば、特に限定され
ない。例えば、「スノーテックスN」(日産化学工業社
製)、「アデライトAT−20N」(旭電化工業社製)
などの市販のシリカゲル、または市販のアエロジル粉末
シリカなどを用いることができる。
【0034】微粒シリカの含有量は、樹脂30〜500
重量部に対して、10〜500重量部であることが好ま
しい。10重量部未満では添加の効果が少なく、500
重量部以上では耐食性向上の効果が飽和して不経済であ
る。さらに、本発明によれば、チオカルボニル基含有化
合物あるいはバナジウム酸化合物と水分散性シリカが共
存する場合には、りん酸化合物が存在しなくても、十分
な防錆効果が得られることも確認されている。ただし、
この場合の微粒シリカの含有量は、樹脂30〜500重
量部に対して、50〜500重量部であることが好まし
い。
【0035】さらに、本発明の非クロム型防錆皮膜層に
は、他の成分が含まれていてもよい。例えば、顔料、界
面活性剤などを挙げることができる。また、樹脂とシリ
カ粒子、顔料との親和性を向上させ、更に樹脂と亜鉛ま
たは鉄のりん酸化物層との密着性などを向上させるため
にシランカップリング剤もしくはその加水分解縮合物又
はそれらの両方を配合してもよい。ここでの「シランカ
ップリング剤の加水分解縮合物」とは、シランカップリ
ング剤を原料とし、加水分解重合させたシランカップリ
ング剤のオリゴマーのことをいう。顔料としては、例え
ば、酸化チタン(TiO2 )、酸化亜鉛(ZnO)、酸
化ジルコニウム(ZrO)、炭化カルシウム(CaCO
3 )、硫酸バリウム(BaSO4 )、アルミナ(Al2
3 )、カオリンクレー、カーボンブラック、酸化鉄
(Fe2 3 、Fe3 4 )などの無機顔料や、有機顔
料などの各種着色顔料などを用いることができる。これ
らのなかでは黒色外観を得られやすいカーボンブラック
がより好ましい。さらには、つや消しや、潤滑性等の特
性を付与させるために10μm以下の粒径である樹脂粒
子、粉砕シリカ、ワックス粒子などを添加することも有
効である。
【0036】本発明で使用できる上記のシランカップリ
ング剤としては特に制限はないが、好ましいものとして
は、例えば以下のものを挙げることができる:ビニルメ
トキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルエト
キシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−アミノプ
ロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピル
トリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシ
シラン、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−
(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N,
N′−ビス〔3−(トリメトキシシリル)プロピル〕エ
チレンジアミン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミ
ノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミノ
エチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ
−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロ
ピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルト
リメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエト
キシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキ
シシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エ
チルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピル
トリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリ
エトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシ
シラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、
N−〔2−(ビニルベンジルアミノ)エチル〕−3−ア
ミノプロピルトリメトキシシラン。
【0037】特に好ましいシランカップリング剤は、ビ
ニルトリメトキシシラン、ビニルエトキシシラン、3−
アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシ
プロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロ
ピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリ
メトキシシラン、N−(1,3−ジメチルブチリデン)
−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、
N,N′−ビス〔3−(トリメトキシシリル)プロピ
ル〕エチレンジアミンである。これらシランカップリン
グ剤は1種類を単独で使用してもよいし、または2種類
以上を併用してもよい。
【0038】本発明では、上記シラン化合物は、固形分
として、有機樹脂100重量部に対して、0.01〜2
0重量部であることが好ましい。シラン化合物の添加量
が0.01重量部未満になると添加効果の低下が認めら
れ、耐食性、上塗り塗装密着性向上効果が不足し、20
重量部を越えるとコーティング溶液の状態で樹脂がゲル
化したりして不具合が生じることがある。
【0039】このような皮膜を形成するには、水中に所
定の成分(有機樹脂のもとになる水性樹脂、インヒビタ
ー成分、その他の任意成分)を含むコーティング剤組成
物を調整し、予め本発明の黒色処理を施した亜鉛めっき
鋼板に塗布し、塗膜を加熱、乾燥する。コーティング剤
組成物は、任意の濃度で調整して差し支えない。一般に
は、固形分(水以外の成分)を1〜80重量部、水を2
0〜99重量部含有するコーティング剤組成物が、塗布
とその後の加熱・乾燥の観点から好ましい。コーティン
グ剤組成物の塗布方法は、特に限定されず、一般に公知
の塗布方法、例えばロールコート、エアースプレー、エ
アーレススプレー、浸漬などが採用できる。塗膜の加熱
により、硬化性樹脂の場合は樹脂を硬化させ、架橋性樹
脂の場合は樹脂を架橋させる。塗膜の加熱・乾燥(焼付
け)は、熱風炉、誘導加熱炉、近赤外線炉、直火炉など
を用いる公知の方法、又はこれらを組み合わせた方法で
行えばよい。あるいは、これらの強制乾燥を用いずに、
自然乾燥してもよく、金属材料を予熱しておいてこれに
コーティング剤組成物を塗布後自然乾燥してもよい。ま
た、使用する水性樹脂の種類によっては、紫外線や電子
線などのエネルギー線により硬化させることもできる。
加熱温度としては、50〜250℃がよい。50℃未満
では水分の蒸発速度が遅く十分な成膜性が得られないの
で、防錆力が不足する。一方250℃を超えると、有機
樹脂の熱分解などが生じるので、防錆性、耐水性が低下
し、また外観も黄変する問題がある。70〜200℃が
より好ましい。熱風乾燥では1秒〜5分間の乾燥時間が
好ましい。また、加熱・乾燥後の冷却は水冷、空冷、自
然冷却等の公知の方法、又はこれらを組み合わせた方法
で行えばよい。
【0040】非クロム型防錆皮膜層の膜厚(乾燥)は、
0.1〜3μmが好適である。0.1μm未満では、防
錆力が不足する。一方膜厚が厚すぎると、溶接性が阻害
される一方、非クロム型防錆皮膜層としては不経済であ
り、塗装にも不都合である。そこで、膜厚の上限として
は3.0μmがよい。非クロム型防錆皮膜層の塗布方法
は、特に限定されず、一般に使用されるロールコート、
エアースプレー、エアーレススプレー、浸漬などが採用
できる。
【0041】本発明の非クロム型黒色亜鉛系めっき鋼板
は、上記の非クロム型防錆皮膜層の上に、必要によりさ
らに有機樹脂層を上層として有する。この有機樹脂層
は、主としてプレス加工性を付与するものであるが、そ
のほか潤滑性、耐指紋性、耐擦傷性などを目的とする層
としてもよい。有機樹脂として用いることができる水系
樹脂としては、ポリアクリル系、ポリオレフィン系、ポ
リウレタン系、ポリエポキシ系、ポリエステル系、ポリ
ブチラール系、ポリアミド系、ポリアミノ系およびこれ
らの共重合体や混合物を挙げることができる。
【0042】溶剤系、粉体系の皮膜を形成する樹脂も同
様のものであることができる。この上層の有機樹脂層
は、特に、黒色顔料を含むことが、光学的光の表面反射
をよりよく防止するために好ましい。有機樹脂層はさら
に防錆顔料を含むと、非クロム型防錆皮膜層との相乗効
果で耐食性が顕著に向上する。
【0043】この上層皮膜の防錆顔料は、非クロムに限
定されるわけではないが、本発明の非クロム型防錆皮膜
層が非クロムなので、非クロム防錆顔料であることが好
ましい。上層皮膜に含有される防錆顔料は、本発明では
固形防錆剤の意味であり、着色剤の意味ではない。例え
ば、りん酸亜鉛、りん酸鉄、りん酸アルミニウムなど
のりん酸亜鉛系、モリブデン酸カルシウム、モリブデ
ン酸アルミニウム、モリブデン酸バリウムなどのモリブ
デン酸系、酸化バナジウムなどのバナジウム系、水
分散シリカ、ヒュームシリカなどの微粒シリカ、その
他として微粒酸化チタン、亜燐酸塩など、を挙げること
ができる。
【0044】特に、一次平均粒子径が100nm以下の
微粒シリカが好適である。また、黒色金属/酸化物複合
皮膜層表面に形成した非クロム型防錆皮膜層に用いた防
錆剤も、防錆顔料あるいは追加の防錆剤として用いるこ
とができる。上層皮膜に、潤滑性、耐指紋性、耐擦傷
性、成形加工性などの特性を付与するために、必要に応
じて、皮膜に工夫をし、またワックス、つや消し剤など
の添加剤を添加することができる。
【0045】上層皮膜の形成は、下地処理と同様に行う
ことができるが、加熱温度は皮膜に応じて適当に選択す
る。
【0046】
【実施例】以下の実施例では、図1に示した非クロム型
黒色亜鉛系めっき鋼板を作製した。図1において、1は
鋼板、2は亜鉛系めっき層、3は黒色金属酸化物複合皮
膜層、4は非クロム型防錆処理皮膜層、5は有機樹脂層
を表している。
【0047】〔評価方法〕 1)黒色外観 L値:明度(JIS Z8370)黒色としてはL≦2
0が必要。好ましくは≦15。 G値:60度−60度の角度で光沢を測定、好ましくは
15以下である。 a)皮膜密着性 本発明においての処理した皮膜の密着性は4mmφ18
0度折り曲げ加工後セロテープにて密着、剥離し、その
剥離の程度を以下の評価方法に従い、評価した。 10点:異常なし 9点:剥離した割合が10%以下 8点:剥離した割合が20%以下 7点:剥離した割合が30%以下 6点:剥離した割合が40%以下 5点:剥離した割合が50%以下 4点:剥離した割合が60%以下 3点:剥離した割合が70%以下 2点:剥離した割合が80%以下 1点:剥離した割合が90%以下 0点:剥離した割合が90%より大 b)耐食性(塩水噴霧試験) JIS Z2371に準拠し、噴霧時間240時間後の
白錆の程度を10点満点で評価した。評価は平面部と4
mmφ180度曲げ加工部については116時間後で評
価を行った。また、評価基準は下記のものとした。 10点:異常なし 9点:白錆発生面積が10%以下 8点:白錆発生面積が20%以下 7点:白錆発生面積が30%以下 6点:白錆発生面積が40%以下 5点:白錆発生面積が50%以下 4点:白錆発生面積が60%以下 3点:白錆発生面積が70%以下 2点:白錆発生面積が80%以下 1点:白錆発生面積が80%を超えるあるいは赤錆発生 c)スポット溶接性 鋼板を2枚重ねあわせて、電極先端径4.5mmφ、加
圧力200Kg−f、通電時間10サイクル、保持時間
10サイクルにて3秒間隔で連続100打点交流抵抗溶
接を行い、目視にて溶接性を判定した。
【0048】評価基準は下記のものとした。 ○:安定して溶接可能 △:通電不良による微視的未通電であるスパークが発生 ×:通電不能実施例1〜14 実施例1 亜鉛ニッケル合金めっき鋼板(Ni含有率11%、めっ
き量20g/m2 、平均粗さ1.6μm)をNaNO3
を0.35mol/L、りん酸1.0mol/LのpH
1.2の水溶液中で電流密度20A/dm2 ,100C
/dm2 で陽極電解して黒色皮膜層を1.2g/m2
成させた。これを流水にて水洗し、エアーブローにて乾
燥させた後、L値15の黒色外観が得られた。その上に
クロムを含まない防錆コーティングを乾燥皮膜1μmに
なる様に塗布した後、400℃の熱風循環焼き付け炉で
板温150℃となる様に焼き付け、その後空冷にて室温
まで冷却した。
【0049】クロムを含まない防錆コーティング剤とし
ては、固形分として東邦化学社製オレフィン樹脂(商品
名:ハイテックS−7024)50重量部と旭電化社製
ウレタン樹脂(商品名:ポンタイターHUX−320)
50重量部の合計樹脂固形分100重量部に対し、チオ
カルボニル基含有化合物としてチオ尿素を固形分として
2.5重量部、微粒シリカとして日産化学社製シリカ
(商品名:スノーテックス−N)を固形分として20重
量部、りん酸アンモニウムをPO4 として1.0重量
部、カーボンブラック15重量部、つや消し剤として3
μm粒径のアクリル樹脂ビーズを7重量部、シラン化合
物としてγ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン
「KBE−403」(信越化学社)を1重量部になる様
に純水に薄め、全固形分濃度が20%になるように調整
し、pHを8.0に調整したものを用いた。
【0050】いずれも優れた性能を示した。 実施例2 実施例2は上記クロムを含まない防錆コーティング剤の
成分より艶消し剤を除いた本発明例であるが、性能は優
れた特性を示したが、光沢(G値)があがった。
【0051】比較例1 比較例1は実施例1の黒色皮膜形成後に35%還元クロ
ム酸の塗布型クロメートをCrとして30mg/m2
布し、板温80℃で乾燥後、実施例1の防錆コーティン
グ剤中のりん酸化合物およびチオカルボニル基含有化合
物を含まないものを同じく1μm塗布した比較例であ
る。
【0052】耐食性は優れていたが、皮膜密着性が若干
劣っていた。またこの比較例を沸騰水中で30分煮沸し
たところ、鋼板表面よりCrが12mg/m2 溶出し
た。この様にクロメートを用いると使用環境によっては
有害な6価Crが溶出する事が判明した。 比較例2〜3 比較例2は実施例1のクロムを含まない防錆コーティン
グ剤より、チオ尿素を除いたものであり、比較例3はさ
らにりん酸アンモニウムをも含まない比較例であるが、
本発明例に比較して、皮膜の密着性および耐食性が低下
していた。
【0053】実施例3〜31 実施例3〜31は亜鉛ニッケル合金めっき鋼板(Ni含
有率11%、めっき量20g/m2 、平均粗さ1.2μ
m)をZnSO4 ・7H2 O 130g/L,NiSO
4 ・6H2 O 150g/L,NaNO3 2g/Lの
水溶液をpH2.0に調整後40℃で電流密度40A/
dm2 、通電量30C/dm2 で黒色皮膜を2.2g/
2 析出させ、L値18の鋼板を得た。その上に実施例
1と同じく構成のクロムを含まない防錆コーティング剤
を厚み1.2g/m2 で形成させた。
【0054】ただし、防錆コーティング剤中の微粒シリ
カの薬剤とりん酸化合物薬剤との添加量を変化させた本
発明実施例である。なお、表1中のりん酸化合物薬剤は
以下にあらわす。 記号A りん酸1水素アンモニウム 記号B りん酸2水素アンモニウム 記号C りん酸 記号D りん酸ナトリウム+りん酸1水素アンモニウム
=1:1 記号E ピロりん酸アンモニウム また、表1中のシリカ薬剤は以下に表する。 記号A 日産化学社製スノーテックス−N 記号B 日産化学社製スノーテックス−NS 記号C 日産化学社製スノーテックス−C 記号D 日産化学社製スノーテックス−NXS 記号E 旭電化社製 アテライトAT−20N 記号F 旭電化社製 アテライトAT−20A りん酸化合物濃度が高いほどやや皮膜の密着性が低下す
る傾向であった。また、シリカ濃度が高いほど皮膜の密
着性が低下し、G値も低下する傾向があった。さらにい
ずれの成分も耐食性に寄与しており、添加により向上す
るが、添加量が増大すると、かえって皮膜の溶解性を高
めてしまい、耐食性が低下する傾向も伺えた。
【0055】比較例4〜10 比較例4はりん酸が30重量部でと本発明実施例よりも
高く、シリカを含まないものであるが、耐食性も、皮膜
の密着性も低いものであった。比較例5,6は本発明実
施例よりもりん酸が高く、かつシリカを含むものである
が、特にシリカが本発明実施例よりも高い。比較例5は
すべての性能が劣化している。また、これらの2例のコ
ーティング剤は1ケ月の放置により、いずれもゲル化現
象を生じたが、他はそのような現象は認められなかっ
た。
【0056】比較例7はシリカ、りん酸化合物ともに含
み、シリカの範囲が本発明実施例よりも高いものである
が、皮膜の密着性が低下している。比較例8はシリカも
りん酸化合物も含まれない比較例であるが、耐食性が非
常に劣位のものであった。比較例9はりん酸化合物を含
むが、本発明例の範囲以下の濃度でかつシリカが含まれ
ない比較例であり、比較例10はシリカを含むが、本発
明実施例の範囲以下の濃度でかつりん酸化合物が含まれ
ない比較例であるがともに耐食性が劣位であった。
【0057】実施例32〜45 本発明実施例3と同じ手法で黒色皮膜を得た鋼板表面に
クロムを含まない防錆コーティングを乾燥皮膜1μmに
なる様に塗布した後、400℃の熱風循環焼き付け炉で
板温150℃となる様に焼き付け、その後水冷し、エア
ーブローにて乾燥した。
【0058】クロムを含まない防錆コーティング剤とし
ては、固形分として東邦化学社製オレフィン樹脂(商品
名:ハイテックS−7024)50重量部と旭電化社製
ウレタン樹脂(商品名:ポンタイターHUX−320)
50重量部の合計樹脂固形分100重量部に対し、チオ
カルボニル基含有化合物を種々変化させ、微粒シリカと
して日産化学社製シリカ(商品名:スノーテックス−
N)を固形分として25重量部、りん酸2水素アンモニ
ウムをPO4 として1.5重量部、カーボンブラックを
7重量部になる様に純水に薄め、全固形分濃度が20%
になるように調整し、pHを7.5に調整したものを用
いた。
【0059】また、表2中のチオカルボニル基含有化合
物は以下に表わすものである。 記号A チオ尿素 記号B 1,3ジエチル−2−チオ尿素 記号C 1,3ジフェニール−2−チオ尿素 記号D ジブチルチオ尿素 記号E テトラメチルチウラムモノスルフィド 記号F テトラメチルチウラムジスルフィド 記号G チオアセトアミド 記号H チオアセトアルデヒド これらの性能評価結果を表2に示す。
【0060】比較例11〜12 実施例32〜45に対し比較例11はチオカルボニル基
含有化合物濃度が本発明実施例の範囲以下の比較例をま
た、比較例12はチオカルボニル基含有化合物を含まな
い比較例であるが、いずれも耐食性が劣っていた。 実施例46〜60 本発明実施例3と同じ手法で黒色皮膜を得た鋼板表面に
クロムを含まない防錆コーティングを乾燥皮膜0.7μ
mになる様に塗布した後、400℃の熱風循環焼き付け
炉で板温120℃となる様に焼き付け、エアーブローに
て室温まで冷却した。
【0061】クロムを含まない防錆コーティング剤とし
ては、固形分として東邦化学社製オレフィン樹脂(商品
名:ハイテックS−7024)50重量部と旭電化社製
ウレタン樹脂(商品名:ポンタイターHUX−320)
50重量部の合計樹脂固形分100重量部に対し、バナ
ジウム酸化合物を種々変化させ、微粒シリカ、りん酸化
合物、チオカルボニル基含有化合物は表1〜2の記号に
従い、表3の様に調整し純水に薄め、全固形分濃度が2
5%になるようにさらに調整し、pHを6.8に調整し
たものを用いた。
【0062】また、表3中のバナジウム酸化合物は以下
に表わすものである。 記号A バナジウム酸アンモニウム 記号B バナジウム酸 記号C バナジウム酸ストロンチウム 記号D リンバナジウム酸アンモニウム 記号E バナジウム酸カリウム 比較例13〜14 比較例13はチオカルボニル基含有化合物濃度が本発明
例の範囲以下の比較例をまた、比較例14はチオカルボ
ニル基含有化合物を含まない比較例であるが、いずれも
耐食性が劣っていた。
【0063】実施例61〜83 鋼板の種類として板厚0.8mmの 記号A 溶融亜鉛めっき鋼板(浴中アルミニウム:0.
22%)メッキ付着量140g/m2 記号B 5%アルミニウム−亜鉛合金溶融亜鉛めっき鋼
板 メッキ付着量80g/m2 記号C 5%アルミニウム−亜鉛合金溶融亜鉛めっき鋼
板 メッキ付着量60g/m2 記号D 蒸着亜鉛めっき鋼板 メッキ付着量10g/m
2 記号E 電気11%ニッケル−亜鉛合金めっき鋼板 メ
ッキ付着量20g/m2 記号F 電気亜鉛めっき鋼板 メッキ付着量20g/m
2 記号G 合金化溶融亜鉛−10%鉄合金メッキ鋼板 メ
ッキ付着量45g/m2 を用いて、本発明実施例3と同じ手法を用いて黒色皮膜
を得、その上にクロムを含まない防錆コーティング剤と
しては、樹脂として 記号A 東邦化学社製オレフィン樹脂(商品名:ハイテ
ックS−7024)50重量部と旭電化社製ウレタン樹
脂(商品名:ポンタイターHUX−320)50重量部
の混合樹脂 記号B 東邦化学社製オレフィン樹脂(商品名:ハイテ
ックS−7024)100重量部 記号C 東亜合成社製アクリル樹脂(商品名:AP−1
058(12))100重量部 記号D 昭和高分子社製エポキシ樹脂(商品名:ポリゾ
ール8500)100重量部 記号E 高松油脂社製ポリエステル樹脂(商品名:ペス
レジンA−124G)100重量部 に対し、チオカルボニル基含有化合物としてチオ尿素を
固形分として2.5重量部、微粒シリカとして日産化学
社製シリカ(商品名:スノーテックス−N)を固形分と
して15重量部、りん酸アンモニウムをPO4 として
1.0重量部、カーボンブラックを10重量部、つや消
し剤として4μm粒径のアクリル樹脂ビーズを5重量
部、さらにシラン化合物として、下記の記号で表わせる
化合物 A:γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン「K
BE−403」(信越化学社製) B:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン「K
BM−403」(信越化学社製) C:ビニルトリメトキシシラン「KBM−1003」
(信越化学社製) D:N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエ
トキシシラン「KBE−603」(信越化学社製) E:γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン「KB
M−803」(信越化学社製) を表4に示す重量部になる様に純水に薄め、全固形分濃
度が20%になるように調整し、pHを8.0に調整し
たものを用いた。
【0064】比較例15〜16 合金化溶融亜鉛−10%鉄合金メッキ鋼板を下地に用い
たものは皮膜付着量が低いと白錆や赤錆が出やすく、耐
食性が劣る傾向であったが、他のメッキ材では良好な特
性を示した。また、皮膜付着量が本発明例の範囲以下の
比較例15や本発明例の皮膜がまったく無い比較例16
は耐食性がやや劣っていた。
【0065】実施例84〜95 実施例3と同じ手法で黒色皮膜を得た鋼板表面にクロム
を含まない防錆コーティング剤として、固形分として東
邦化学社製オレフィン樹脂(商品名:ハイテックS−7
024)50重量部と旭電化社製ウレタン樹脂(商品
名:ボンタイターHUX−320)50重量部の合計樹
脂固形分100重量部に対し、チオカルボニル基含有化
合物としてチオ尿素を固形分として2.5重量部、微粒
シリカとして日産化学社製シリカ(商品名:スノーテッ
クス−N)を固形分として20重量部、りん酸2水素ア
ンモニウムをPO4 として1.0重量部、シラン化合物
としてγ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン
「KBE−403」(信越化学社製)を1重量部、にな
る様に純水を薄め、全固形分濃度が20%になるように
調整し、pHを8.0に調整したものを用いクロムを含
まない防錆コーティング剤乾燥皮膜厚みを表5に示す様
に塗布した後、600℃の熱風乾燥炉にて板温150℃
となるように焼き付け、その後風冷し乾燥した。
【0066】さらにその上層に固形分として東邦化学社
製オレフィン樹脂(商品名:ハイテックS−7024)
100重量部に対し、日産化学社製シリカ(商品名:ス
ノーテックス−N)を固形分として15重量部、チオカ
ルボニル基含有化合物としてチオ尿素を固形分として
2.5重量部、りん酸2水素アンモニウムをPO4 とし
て1.0重量部、カーボンブラックを10重量部、つや
消し剤として粒径3μmのアクリル樹脂ビーズを3重量
部、潤滑剤として粒径3μmのポリエチレンワックスを
5重量部添加した樹脂塗料を全固形分濃度が25%にな
る様に希釈し、有機樹脂層として表5に示す乾燥皮膜付
着量塗布し、400℃の熱風乾燥炉にて板温120℃に
なるように焼き付け、その後水冷し、エアーブローで乾
燥させた。
【0067】実施例はいずれも耐食性が良好であった。
また総合の膜厚が厚くなればスポット溶接性が低下する
傾向が、逆に総合の膜厚が薄くなれば耐食性が低下する
傾向も認められた。
【0068】
【表1】
【0069】
【表2】
【0070】
【表3】
【0071】
【表4】
【0072】
【表5】
【0073】
【発明の効果】本発明によれば、溶接可能な、耐食性に
優れた非クロム型黒色亜鉛系めっき鋼板が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の非クロム型黒色亜鉛系めっき鋼板を示
す断面図である。
【符号の説明】
1…鋼板 2…亜鉛系めっき層 3…黒色金属/酸化物複合皮膜層 4…非クロム型防錆処理皮膜層 5…有機樹脂層
フロントページの続き (72)発明者 高橋 彰 千葉県君津市君津1番地 新日本製鐵株式 会社君津製鐵所内 (72)発明者 森下 敦司 千葉県君津市君津1番地 新日本製鐵株式 会社君津製鐵所内 (72)発明者 島倉 俊明 東京都品川区南品川4丁目1番15号 日本 ペイント株式会社内 (72)発明者 山添 勝芳 東京都品川区南品川4丁目1番15号 日本 ペイント株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 亜鉛系めっき鋼板を下地とし、 亜鉛系めっき鋼板の表面に、ニッケルおよび亜鉛の金属
    とニッケルおよび亜鉛の酸化物および任意に水酸化物を
    含む金属/酸化物複合黒色皮膜を形成し、 その上に、樹脂と少なくともチオカルボニル基含有化合
    物およびバナジウム酸化合物のいずれかを含みかつ任意
    にりん酸化合物および微粒シリカのうち少なくとも1種
    を含む皮膜層からなる非クロム型防錆皮膜層を有するこ
    とを特徴とする溶接可能な非クロム型黒色処理亜鉛系め
    っき鋼板。
  2. 【請求項2】 前記非クロム型防錆皮膜層が、(1)樹
    脂30〜500重量部と少なくともチオカルボニル基含
    有化合物0.2〜50重量部を含みかつ任意にりん酸化
    合物0.1〜5重量部(PO4 として)および微粒シリ
    カ10〜500重量部のうち少なくとも1種を含む皮膜
    層、または(2)樹脂50〜100重量部と少なくとも
    バナジウム酸化合物0.1〜10重量部を含みかつ任意
    にチオカルボニル基含有化合物0.2〜50重量部、り
    ん酸化合物0.1〜5重量部(PO4 として)および微
    粒シリカ10〜500重量部のうち少なくとも1種をさ
    らに含有する皮膜層である請求項1記載の溶接可能な非
    クロム型黒色処理亜鉛系めっき鋼板。
  3. 【請求項3】 非クロム型防錆皮膜層の上層にさらに有
    機樹脂層を有することを特徴とする請求項1または2記
    載の溶接可能な非クロム型黒色処理亜鉛系めっき鋼板。
  4. 【請求項4】 非クロム型防錆皮膜層及び/または有機
    樹脂層の少なくとも一方以上に黒色顔料を含有すること
    を特徴とする請求項1,2または3に記載の溶接可能な
    非クロム型黒色処理亜鉛系めっき鋼板。
  5. 【請求項5】 前記有機樹脂層に非クロム型防錆剤を含
    有することを特徴とする請求項3または4記載の溶接可
    能な非クロム型黒色処理亜鉛系めっき鋼板。
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