JP2002127302A - 黒色鋼板 - Google Patents
黒色鋼板Info
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Abstract
の処理工程および得られた表面処理鋼板の使用時に6価
クロムの処理等の特別の廃水処理が不要であるととも
に、耐食性に優れ、かつ白色化等の色調変化および低光
沢化を引き起こさない、耐傷付き性および耐指紋性に優
れた黒色鋼板の提供。 【解決手段】黒色化処理されたZn−Niめっき鋼板の
表面に、金属イオン、 (a)ガラス転移温度:10〜80℃、(b)溶解度パ
ラメータ:9.8以下および(c)屈折率:1.55以
下である水分散性有機樹脂および酸を含む金属表面処理
組成物を塗布して形成された皮膜層を有する黒色鋼板。
Description
り詳しくは、クロムを含有しない組成物を用いて、耐食
性に優れ、かつ白色化等の色調変化および低光沢化を引
き起こさない、耐傷付き性、耐指紋性に優れた黒色鋼板
に関する。
板は、パソコン、複写機等の事務機器、エアコン等の家
電製品、自動車部品、内装建材などに広く使用されてい
る。黒色鋼板は、亜鉛系めっき鋼板の表面に黒色塗料を
塗布したり、Zn−Niめっき鋼板のめっき面を黒色化
処理(例えば、陽極電解、陰極処理、交番電解法、陽極
酸化)して製造される場合がある。
するためには、黒色塗料の塗膜厚を厚くする必要があ
り、また、プレス成形時に塗膜が破壊した場合には耐食
性が劣化する。
失われ、また耐食性が劣化するため、クロメート処理
し、さらにクリヤー皮膜を施したり、あるいは樹脂/ク
ロメート混合型塗料を塗布する必要があった。しかし、
クロメート処理液や樹脂/クロメート混合型塗料は、6
価クロムを含有するため、製造工程からの廃水には、水
質汚染防止法に規定される特別な処理を行う必要があ
り、コストアップの原因となる欠点を有している。さら
に、クロムイオンによって鋼板表面の色調が黄色や緑色
に変化することを防止できなかった。
錆の発生を防止するため、クロムを用いない表面処理技
術が求められ、例えば、下記の各種提案がなされてい
る。 特開平5−195244号公報には、(a)少なくと
も4個のフッ素原子と、チタン、ジルコニウム等の少な
くとも1個の元素とからなる陰イオン成分(例えば、T
iF6 2- で示されるフルオロチタン酸)、(b)コバル
ト、マグネシウム等の陽イオン成分、(c)pH調節の
ための遊離酸および(d)有機樹脂を含有するクロムフ
リー組成物を用いる金属の表面処理方法が提案されてい
る。
(a)水酸基含有共重合体、(b)リン酸、および
(c)銅、コバルト、鉄、マンガンなどの金属のリン酸
塩を含有するクロムフリーの金属表面処理用組成物が提
案されている。
(a)ポリヒドロキシエーテルセグメントと不飽和単量
体の共重合体セグメントを有する樹脂、(b)リン酸お
よび(c)カルシウム、コバルト、鉄、マンガン、亜鉛
などの金属のリン酸塩を含有するクロムフリーの金属表
面処理用組成物が提案されている。
(a)マンガン、コバルト、亜鉛などの多価金属イオ
ン、(b)フルオロ酸、リン酸、酢酸などの酸、(c)
シランカップリング剤および(d)重合単位2〜50の
水溶性重合体を水性媒体に溶解した水溶性表面処理剤が
提案されている。
て、金属板を十分な付着量の表面処理剤(被覆剤、コー
ティング剤)で被覆した場合、すなわち、十分な膜厚の
皮膜を設けた場合には、まずまずの耐食性が得られる。
しかし、例えば、金属板の凸部などの一部が露出するよ
うな皮膜が施されていたり、膜厚が薄過ぎる場合には、
耐食性が極めて不十分であった。つまり、金属板に対す
る表面処理剤の被覆率が100%の場合にのみ、耐食性
が得られるが、被覆率が100%未満の場合には不十分
な耐食性しか得られなかった。一方、これらの方法また
は組成物等によって全面に厚い皮膜を形成すると、プレ
ス成形後の外観が白色化するという問題があった。
は、いずれもリン酸塩を用いるが、乾燥後の皮膜中にリ
ン酸化合物が固体として残留した場合、鋼板表面の色
調、特に光沢度や明度が著しく変化するという問題があ
る。
に鑑み、クロムを含有しない組成物を用いるため、鋼板
の処理工程および得られた表面処理鋼板の使用時に6価
クロムの処理等の特別の廃水処理が不要であるととも
に、耐食性に優れ、かつ白色化等の色調変化および低光
沢化を引き起こさない、耐傷付き性および耐指紋性に優
れた黒色鋼板を提供することを目的とする。
を達成するため、鋭意検討した結果、Zn−Niめっき
鋼板の黒色化処理表面に、金属イオン、水分散性有機樹
脂および酸を含む金属表面処理組成物を塗布して極薄い
皮膜を形成すれば、耐食性に優れ、色調と光沢を同時に
確保できることを見出し、本発明を完成するに至ったも
のである。
n−Niめっき鋼板の表面に、金属イオン、水分散性有
機樹脂および酸を含む金属表面処理組成物を塗布して形
成された皮膜層を有する黒色鋼板であって、前記水分散
性有機樹脂が下記(a)、(b)および(c)の条件を
満足することを特徴とする黒色鋼板を提供するものであ
る。 (a)ガラス転移温度:10〜80℃ (b)溶解度パラメータ:9.8以下 (c)屈折率:1.55以下
て、詳細に説明する。本発明の黒色鋼板は、黒色化処理
されたZn−Niめっき鋼板の表面に、金属イオン、水
分散性有機樹脂および酸を含む金属表面処理組成物を塗
布して形成された皮膜層を有するものである。
めっき鋼板は、特に限定されず、通常、Niの質量%が
5〜20質量%の含有割合のZn−Niめっき層を有す
る鋼板である。素地鋼板も特に限定されず、常用される
SPCCや深絞り用冷延鋼板、SPCD、SPCEでよ
い。
極電解、陰極処理、交番電解法、陽極酸化等のいずれの
方法によって黒色化処理されたものでもよい。特に、本
発明は、低コストで、良好な黒色度が得られる点で、陽
極電解処理によって黒色化処理されたZn−Niめっき
鋼板が好ましい。
Niめっき鋼板の表面に皮膜層を形成するために用いら
れる金属表面処理組成物(以下、「塗料組成物」とい
う)の必須成分である金属イオンは、Al,Mg,M
n,Zn,Co,Ti,Su,Ni,Fe,Zr,S
r,Y,Nb,Cu,Ca,V,Ba等が挙げられ、こ
れらの金属イオンは1種または2種以上が塗料組成物に
含まれていてもよい。これらの中でも、アルミニウムイ
オンAl3+、マグネシウムイオンMg2+およびマンガン
イオンMnZ+の3種が、緻密な皮膜が形成されることか
ら薄くても十分な耐食性を有し、飛躍的に黒色鋼板の耐
食性が向上する点で、好ましい。
gイオンおよびMnイオンの3種からなる群から選ばれ
る少なくとも1種の金属イオンに、Zn,Co,Ti,
Sn,Ni,Fe,Zr,Sr,Y,Nb,Cu,C
a,VおよびBaからなる群から選ばれる少なくとも1
種の金属のイオンを、リン酸、硝酸、炭酸、硫酸等の無
機塩、酢酸等の有機塩、または水酸化物の状態で表面処
理組成物に付加して使用するのが好ましい。さらに、Z
nのリン酸塩、酢酸塩等の水溶液を表面処理組成物(以
下「塗料組成物」といもいう)に付加して使用するのが
好ましい。
硝酸塩、炭酸塩、硫酸塩、酢酸塩、フッ酸塩等の塩、ま
たは酸化物、水酸化物、金属を溶解して供給される。好
ましいのは、Al,Mg,Mnのリン酸塩、硝酸塩、炭
酸塩、硫酸塩、酢酸塩、水酸化物の溶液である。これら
の金属塩を構成する酸は、塗料組成物の必須成分の一つ
である酸の供給源ともなり得る。
含有量は0.1〜50質量%が好ましく、0.1〜20
質量%が特に好ましい。0.1質量%未満では、得られ
る黒色鋼板の耐食性が劣り、50質量%を超えると溶接
性が劣化する傾向がある。金属塩を複数使用する場合
は、各金属塩は0.5〜40質量%の範囲とするのが好
ましい。
樹脂として、例えば、カルボキシル基および水酸基を含
有しない不飽和単量体と、カルボキシル基含有単量体
を、それぞれ1種もしくは2種以上共重合して得られる
共重合体を用いることができる。前記不飽和単量体とし
ては、例えば、スチレン;アクリル酸メチル、アクリル
酸エチル、アクリル酸iso−プロピル、アクリル酸n
−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等のアクリル
酸のアルキルエステル;メタクリル酸メチル、メタクリ
ル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸
n−ブチル、メタクリル酸iso−ブチル、メタクリル
酸n−ヘキシル、メタクリル酸ラウリル等のメタクリル
酸のアルキルエステルなどが挙げられる。カルボキシル
基含有単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリ
ル酸、マレイン酸、イタコン酸、メタクリル酸2−ヒド
ロキシエチル等が挙げられる。
液(pH1〜3)中で安定に均一分散することができる
樹脂を用いることができる。例えば、ポリエステル系、
アクリル系、ウレタン系の従来の金属材料の表面処理に
使用されていたものが挙げられる。これらは2種以上併
用することもできる。
(Tg)が20〜80℃、好ましくは30〜80℃であ
るものである。Tgが20℃未満である水分散性有機樹
脂を用いると、皮膜を乾燥させた後でも耐ブロッキング
性に劣り、Tgが80℃を超えると加工時の鋼板変形に
皮膜が追従せずに皮膜破壊が生じ、加工後耐食性が劣化
する。
ータが9.8以下、好ましくは9.7未満であるもので
ある。本発明において、溶解度パラメータ(SP値)は
(SP)2 =ρ(ΔH−RT)/M(ρ:モノマー密
度、M:分子量、ΔH:蒸発熱、R:気体定数、T:温
度,25℃)で示される親水性および疎水性の指標であ
り、極性が大きい樹脂ほどΔHが大となるため、SPも
大きくなる。すなわち、SPが大であることは親水性を
有する樹脂であることを示す。2種以上の単量体による
水分散性有機樹脂については、各単量体のSPを質量比
換算により算出することができる。水分散性有機樹脂の
SPが9.8を超えた場合、塗料組成物を塗布・乾燥後
の耐食性が低下する。なお、SP値が9.8以下の水溶
性有機樹脂を得るためには、2種以上の単量体の重合比
を考慮し、SP値が9.8を超える単量体を使用する場
合は、必ず9.8未満の単量体を使用する必要がある。
1.55以下、好ましくは1.50未満である。この屈
折率は、2種以上の単量体による水分散性有機樹脂につ
いては、各単量体の屈折率を含有質量比の割合で加算す
ることにより算出できる。水分散性有機樹脂の屈折率が
1.55以上である場合、塗料組成物を塗布・乾燥後の
色調が低下、具体的には白色化してしまう。
合比率(固形分質量比)、すなわち(b)水分散性有機
樹脂/{(a)金属イオン+(b)水分散性有機樹脂+
(c)酸}で示される比率が、50〜98質量%である
ことが好ましい。水分散性有機樹脂の混合比率が50質
量%未満であると塗料組成物の塗布によって色調変化が
生じるおそれがあり、一方、98質量%を超えると耐食
性が低下するおそれがある。混合比率は60〜95質量
%が、さらに好ましく、75〜95質量%が特に好まし
い。また、塗料組成物に上記以外の成分を含有する場合
は、これら成分を合わせた固形分の合計量に対する
(d)水分散性有機樹脂の混合比率が上記範囲であるの
が好ましい。なお、水分散性有機樹脂とは粒子径が0.
05μm以上の樹脂骨格中の極性基により水に分散して
いる樹脂であり、界面活性剤を少量含有していてもよ
い。
は、黒色化処理後の鋼板の表面をエッチングし、塗料組
成物によって形成される皮膜の鋼板との密着性をさらに
向上させ、皮膜剥離を防止し、耐食性を向上させる作用
とともに、塗料組成物のpHを1.0〜3.0に調整す
る作用をする。用いられる酸は、リン酸、酢酸、硝酸お
よびフッ酸から選ばれる少なくとも1種であるのが好ま
しい。酸は、前記したように、金属イオンとの金属塩と
して供給してもよい。
である有機酸も使用できる。特に前記例示した4種の酸
に、該有機酸の少なくとも1種を、さらに併用させる
と、耐食性がさらに向上する。有機酸は、黒色化処理後
の鋼板のエッチングを促進するとともに、金属イオンに
配位し、皮膜をより緻密にするために有効である。用い
られる有機酸としては、例えば、オキサル酢酸、トリカ
ルバリル酸、クエン酸、イソクエン酸、コハク酸、リン
ゴ酸、グルタル酸等が挙げられる。
その含有量は特に限定されないが、塗料組成物の固形分
に対して1〜10質量%であるのが好ましい。1質量%
未満であると、その効果が十分でなく、未架橋点が増大
し、かえって皮膜の緻密化を妨げるおそれがある。逆
に、10質量%を超えると、塗料組成物としての安定性
が保持できない。
特に限定されないが、1〜20質量%が好ましく、さら
に好ましくは5〜15質量%である。1質量%未満であ
ると、pHを前記範囲に調整することができず、黒色化
処理後の鋼板のエッチングが不十分になり、耐食性が低
下する。一方、20質量%を超えると、黒色化処理後の
鋼板の溶解が早過ぎ、表面に外観むらが生じる傾向があ
る。
塗布時のハジキ防止、塗料組成物の安定性の点から、水
分散性有機樹脂の重合時に使用する以外に、さらに界面
活性剤を配合してもよい。界面活性剤としては、pH1
〜3の環境下で安定なものであればよい。
ボン酸を配合するのが好ましい。これにより耐食性をさ
らに改善できる。多価フェノールカルボン酸としては、
タンニン酸没食子酸などが好適であり、塗料組成物の固
形分の0.1〜20質量%の割合で配合するのがよい。
溶性樹脂を含有しないことが好ましい。水溶性樹脂は骨
格中の極性基により水中でイオン化し、水溶化する樹脂
であるが、この水溶性樹脂は前述の多価フェノールカル
ボン酸等との相互作用により塗料安定性が低下させる傾
向がある。
グ剤を含有させると、得られる黒色鋼板の表面の耐指紋
性を向上させることができる点で、好ましい。
基、エポキシ基、ビニル基、メルカプト基およびメタア
クリロキシ基から選ばれた少なくとも1種の反応性官能
基を有するカップリング剤であることが好ましい。特に
好ましいのは、シランカップリング剤、チタンカップリ
ング剤、ジルコニウムカップリング剤であり、これらか
ら選ばれる少なくとも1種である。
γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、N−β−アミノエチル−γ
−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−アミノ
エチル−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グ
リシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシド
キシプロピルメチルジメトキシシラン、β−3,4−エ
ポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、γ−
メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリ
ロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキ
シプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキ
シプロピルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、ビ
ニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、
ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニル
トリアセトキシシラン、N−〔2−(ビニルベンジルア
ミノ)エチル〕−3−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等
が挙げられる。
ジ−イソプロポキシビス(アセチルアセトナトチタン、
ジヒドロキシビス(ラクタト)チタン、ジイソプロポキ
シ−ビス−(2,4−ペンタジオネート)チタニウム、
イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネー
ト等が挙げられる。
えば、アセチルアセトンジルコニウムブチレート、ジル
コニウムラクテート、ジルコニウムアセテート等が挙げ
られる。
合、そのカップリング剤の含有量は、従来、金属材料を
表面処理する際に、表面処理剤(組成物)、塗料に添加
される量と同程度であれば、十分である。
成物に金属酸化物を含有させることができる。金属酸化
物は、シリカ(SiO2 )、MgO,ZrO2 ,Al2
O3,SnO2 ,Sb2 O3 ,Fe2 O3 およびFe3
O4 からなる群より選ばれる少なくとも1種である。
する際の表面処理剤(組成物)、塗料に添加されている
量と同程度使用すれば十分な効果を発揮することができ
る。
溶解ないし分散して使用される。溶液ないし分散液は、
好ましくは固形分濃度が5〜40質量%、さらに好まし
くは10〜30質量%に調整される。
溶剤または無機溶剤との混合媒体である。混合媒体の混
合比率は特に制限されないが、固形分濃度は5〜40質
量%、好ましくは10〜30質量%に調整される。有機
溶剤としては、ブチルセロソルブが好ましい。
めにワックスやその他の通常使用される各種添加剤を含
有させてもよい。
っき鋼板の表面を黒色化処理した後、鋼板の上に、前記
した塗料組成物を、塗布または接触させ、リンガーロー
ルで押圧し、乾燥して、硬化皮膜を形成させる。該塗料
組成物を塗布するには、ロールコート、スプレー塗装、
刷毛塗り、浸漬塗装、カーテンフローなどの方法を用い
ることもできる。
mが好ましく、より好ましくは0.5〜1.5μmであ
る。0.1μm未満であると、皮膜が黒色化処理後の鋼
板を被覆しきれず、耐食性が劣化する。逆に3.0μm
を超えると、プレス成形後、外観が白色化する。また曲
げ部に塗膜クラックが発生しやすくなる場合がある。
塗布して形成される皮膜は、塗料組成物が含有する特定
の金属イオンがZn−Niめっき層と反応し、緻密な皮
膜層を形成し、その緻密な皮膜層の表面に水分散性有機
樹脂による皮膜層が形成されたものである。
する。 (実施例1〜14、比較例1〜4)Zn−Niめっき鋼
板を、それぞれ異なる方法で黒色化処理した下記鋼板A
〜Cに、下記の水分散性有機樹脂A〜F、4種の金属塩
A、P、CおよびN、ならびに水酸化物H(金属イオン
の配合比:パターンA〜D)、酸A〜D、有機酸A〜
C、多価フェノールカルボン酸A〜B、およびシランカ
ップリング剤A〜C、金属酸化物A〜Cを表1に記載し
た割合で混合して得られた塗料組成物をロールコートし
た。15秒で鋼板温度が170℃となるように加熱して
乾燥・硬化させ、所定の膜厚の皮膜を形成させ、黒色鋼
板の試験片を作成した。
SP:9.77、計算屈折率:1.52、Tg:60
℃、粒子径:0.1μm) 樹脂B:エチレンメタクリレートブチルアクリレート重
合体(計算SP:9.69、計算屈折率:1.43、T
g:60℃、粒子径:0.2μm) 樹脂C:スチレン−エチルメタアクリレート重合体(計
算SP:9.72、計算屈折率:1.48)、Tg:6
0℃、粒子径:0.3μm) 樹脂D:スチレン−2エチルヘキシルアクリレート−メ
タアクリレート(計算SP:9.62、計算屈折率:
1.55、Tg:60℃、粒子径:0.1μm) 樹脂E:メチルメタクリレート−エチルアクリレート重
合体(計算SP:10.5、計算屈折率:1.43、T
g:60℃、粒子径:0.2μm) 樹脂F:ポリスチレン(計算SP:9.90、計算屈折
率:1.60、Tg:100℃)
/1/0 パターンB:Mg2+/Mn2+/Al3+/Men+=1/1
/1/1 パターンC:Mg2+/Mn2+/Al3+/Men+=2/1
/1/1 パターンD:Mg2+/Mn2+/Al3+/Meln+/Me
2n+=1/1/1/1/1
ン(KBM403:信越化学工業社製) シランB:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン(KBM402:信越化学工業社製)
化、光沢値、ブロッキング性、耐曲げ性、耐指紋性およ
び耐傷つき性を、下記の試験方法に従って評価した。結
果を表3に示す。
0mmの大きさに剪断後、端面部をシールし、塩水噴霧
試験(JIS Z−2371)を行った。120時間後
の白錆発生面積率を測定し、下記の評価基準に従って評
価した。 ◎:5%以下 ○:5%超 10%以下 △:10%超 20%以下 ×:20%超
物を塗布する前後の色調(L*)の変化(ΔL*)を分
光式色差計(“SQ2000”:日本電色社製)を用い
て測定し、下記の評価基準に従って評価した。 ◎:ΔL*が20未満 △:ΔL*が20以上 25以下 ×:ΔL*が25超
塗布後の光沢(G値)を分光式色差計(“SQ200
0”:日本電色社製)を用いて測定し、下記の評価基準
に従って評価した。 ◎:光沢 10超 30以下 △:光沢 5超 10以下 ×:光沢 5以下
て重ね合わせた2枚の試験片を、2.94×105 N・
mのトルクで締めつけた状態で、40℃の恒温槽に6時
間浸漬した。その後、2枚の試験片を剥がし、剥がした
際の粘着状況により耐ブロッキング性を下記の3段階の
基準で評価した。 ◎:粘着なし(試験片の自重により剥離) △:若干粘着あり(試験片の自重により剥離しないが、
容易に引き剥がし可能) ×:粘着あり(剥離困難)
mに剪断後、OT曲げを実施し、曲げ部を実体顕微鏡
(倍率20倍)で観察し、皮膜のクラックの有無を写真
撮影して観察し、下記の基準で評価した。 ◎:クラックなし △:クラック若干あり(幅方向でクラック面積20%未
満) ×:クラック発生大(幅方向でクラック面積20%以
上)
し、塗布前後の色調(L値、a値、b値)の変化を分光
式色差計(“SQ2000”:日本電色社製)を用いて
測定し、下記式で示されるΔEを求め、下記の基準で評
価した。 ΔE=(ΔL2 +Δa2 +Δb2 )1/2
mm)について、荷重9.8MPa、摺動速度20mm
/秒、摺動温度25℃の条件で摺動試験を行った後、表
面を実体顕微鏡(倍率:10倍)で観察し、下記の基準
で評価した。 ◎:傷つきなし(巾方向で傷つき面積5%未満) △:傷つき多め(巾方向で傷つき面積5%以上 20%
未満) ×:傷つき多い(巾方向で傷つき面積20%以上)
い組成物を用いるため、クロムを含有しない、いわゆる
無公害のノンクロメート表面処理鋼板であり、鋼板の処
理工程および得られた表面処理鋼板の使用時に6価クロ
ムの処理等の特別の廃水処理が不要である。また、特に
耐食性に優れ、かつ白色化等の色調変化および低光沢化
を引き起こさない、耐傷付き性および耐指紋性に優れた
ものである。
Claims (1)
- 【請求項1】黒色化処理されたZn−Niめっき鋼板の
表面に、金属イオン、水分散性有機樹脂および酸を含む
金属表面処理組成物を塗布して形成された皮膜層を有す
る黒色鋼板であって、前記水分散性有機樹脂が下記
(a)、(b)および(c)の条件を満足することを特
徴とする黒色鋼板。 (a)ガラス転移温度:10〜80℃ (b)溶解度パラメータ:9.8以下 (c)屈折率:1.55以下
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