JP2004243912A - 三輪式産業車両における操舵用車軸の揺動機構 - Google Patents
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Abstract
【課題】三輪式産業車両におけるリジットタイプの操舵用車軸を旋回させる操舵回転軸に対して操舵用車軸を揺動可能に連結して乗り心地の向上を図る操舵輪の揺動機構を提供する。
【解決手段】車体フレーム5の前後に、駆動輪1と操舵輪4を備え、操舵輪4を支持する操舵用車軸7には、ハンドル3と連動して回転する操舵回転軸6が取付けられて操舵用車軸7を操舵方向に旋回する三輪式産業車両における前記操舵回転軸6の下端に、センターピン12を前後方向に向けて配設し、そのセンターピン12に、前記操舵用車軸7と一体形成したホルダ部材14を揺動可能に連結した。
【選択図】 図1
【解決手段】車体フレーム5の前後に、駆動輪1と操舵輪4を備え、操舵輪4を支持する操舵用車軸7には、ハンドル3と連動して回転する操舵回転軸6が取付けられて操舵用車軸7を操舵方向に旋回する三輪式産業車両における前記操舵回転軸6の下端に、センターピン12を前後方向に向けて配設し、そのセンターピン12に、前記操舵用車軸7と一体形成したホルダ部材14を揺動可能に連結した。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】
この発明は、操舵輪の操舵用車軸がリジットタイプの三輪式牽引車、三輪式フォークリフト等三輪式産業車両に係り、特に、車体に対する操舵用車軸の縦方向への揺動を可能にした操舵用車軸の揺動機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、例えば前車軸が駆動用車軸で、後車軸がリジットタイプの操舵用車軸2となっている図4に示すような三輪式フォークリフト或いは前車軸がリジットタイプの操舵用車軸で、後車軸が駆動用車軸となっている三輪式牽引車等の産業車両において駆動輪1を支持する駆動用車軸は、通常走行時や荷役作業時においては安定性を確保するためにリジット状態としている。
【0003】
しかし操舵用車軸2には、図5に示すように、ハンドル3と連動して回転する操舵回転軸21の下端が溶接等により直接固定されており、操舵用車軸2は、ハンドル操作に追従して操舵方向に旋回するため、構造上、縦方向に揺動できないリジットタイプの車軸が一般的に用いられている(例えば特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特許第3109280号公報(第2−3頁、第1−4図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように操舵用車軸2が常にリジット状態であると、荷役作業時においては安定性を確保するうえで好適であるが、通常走行時に操舵輪4の片輪のみが木片、小石等障害物に乗り上げた場合あるいは路面の凹凸を拾った場合、両輪が乗り上げた場合と同様に操舵用車軸2全体が持ち上がり、乗り越えると降下する。この上下動は、操舵回転軸21を経て車体フレーム5に直接伝わり、車体のピッチング現象が生起して乗り心地を悪化させる要因となっている。
【0006】
この発明は、上記の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、操舵回転軸に対して操舵用車軸を縦方向に揺動可能に連結して乗り心地の向上を図ることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、請求項1に記載の発明では、操舵輪を支持する操舵用車軸には、ハンドルと連動して回転する操舵回転軸が取付けられて操舵用車軸を操舵方向に旋回する三輪式産業車両における操舵輪揺動機構において、前記操舵回転軸の下端にセンターピンを前後方向に向けて配設し、そのセンターピンに、操舵用車軸に形成したホルダ部材を揺動可能に連結したことを要旨とする。
【0008】
請求項2に記載の発明では、前記センターピンは、前記操舵回転軸の下端に一体結合されたピンホルダブラケットに取付けられていることを要旨とする。
【0009】
請求項1、2に記載の発明によれば、通常走行時に操舵輪4の片輪が木片、石等障害物に乗り上げた場合あるいは路面の凹凸を拾った場合、その片輪は上方へ移動するが他方の車輪は接地状態を維持する。即ち操舵用車軸は、センターピンを軸心として傾くが、この傾きによる縦方向の揺動は、センターピンに対するホルダ部材の回動により操舵回転軸には伝達されず、揺動による振動が車体フレームに及ぶことを回避する。
【0010】
請求項3に記載の発明では、前記操舵回転軸は、ストッパプレート部材を有し、このストッパプレート部材の車幅方向両端部には、前記操舵用車軸と対峙してその車軸の揺動幅を制限するストッパ部材が取付けられていることを要旨とする。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、操舵用車軸の揺動幅は、ストッパ部材により規制され、操舵用車軸の揺動過剰が阻止されてピンホルダブラケットとの干渉を回避する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図1〜図4に基づいて詳述する。
車体フレーム5の前後に、例えば前車軸が駆動用車軸で、後車軸がリジットタイプの操舵用車軸7となっている三輪式フォークリフト或いは前車軸がリジットタイプの操舵用車軸7で、後車軸が駆動用車軸となっている三輪式牽引車等の産業車両において、車体フレーム5における前記操舵用車軸7の車幅方向中央部と対峙する部分には、操舵回転軸6が軸受部材8を介して垂設配置されている。
【0013】
操舵回転軸6の上端側には、操舵連結機構の一部を構成するチエンホイール9等被動部材が取付けられており、このチエンホイール9は、運転席に形成されたハンドル3とチエンを介して連結し、ハンドル3操作に追従して操舵回転軸6を操舵方向に回転させる。
【0014】
なお、この操舵連結機構は、チエン式操舵連結機構に限定されるものではなくチエンホイール9に代えてベルクランク、キングピン軸等を用いるリンク式操舵連結機構であってもよい。
【0015】
前記操舵回転軸6の下端には、矩形状のストッパプレート部材10を介してピンホルダブラケット11が固着されている。このピンホルダブラケット11は、ストッパプレート部材10の裏面側における操舵回転軸6の軸心を挟んだ前後位置(車両の前後方向)にそれぞれ固着されており、両ピンホルダブラケット11の前後間隔は、前記操舵回転軸6の直径より広い方が回転力伝達の面から望ましい。なお、両ピンホルダブラケット11は、断面逆U字形にして頂壁部材をストッパプレート部材10の裏面側に固着してもよい。
【0016】
前後のピンホルダブラケット11にはセンターピン12が、前記操舵回転軸6の真下で、その軸心に対して直交する方向(車両の前後方向)に貫通し架装されている。図中13は、抜け止め部材で、基端が前記センターピン12と嵌合し、他端は前記ピンホルダブラケット11にボルト17で固定され、組み付けや交換を容易としている。
【0017】
両端に操舵輪4を支持する操舵用車軸7の車幅方向中央部には、ホルダ部材14が固着されている。ホルダ部材14は、底部が操舵用車軸7に固定された一対のブラケット部14aと、このブラケット部14aに挟持固着されたピンホルダ部14bとよりなり、ピンホルダ部14bの中央部分には、操舵用車軸7の軸心と直交する方向に向けて前記センターピン12嵌合用の貫通穴14cが穿設されている。
【0018】
このピンホルダ部14bを、前記一対のピンホルダブラケット11間に嵌装した後、センターピン12をピンホルダ部14bの貫通穴14cに挿通することにより、操舵用車軸7は、ホルダ部材14、センターピン12、前記ピンホルダブラケット11を介して前記操舵回転軸6に対してセンターピン12を軸心に揺動可能に連結されるとともに操舵回転軸6の操舵回転に従動して該回転軸6を軸心に同方向に旋回する。
【0019】
図中15は、揺動規制用のストッパ部材で、ストッパプレート部材10の裏面側における車幅方向両端部に、前記操舵用車軸7と対峙して垂設しており、ストッパ部材15の下端面と操舵用車軸7との間に適宜の間隙(揺動幅)が形成されている。操舵用車軸7は、この揺動幅の範囲内でセンターピン12を軸心とした縦方向への揺動が許容される。
【0020】
なお、このストッパ部材15は、鋼材を用いて形成しているが、ゴム材等の弾性部材あるいはダンパー等の緩衝部材を用いて、操舵用車軸7との接触衝撃を緩和する機能をもたせてもよい。また、操舵用車軸7の揺動を許容する揺動幅となる間隙形成手段としては、ストッパ部材15の長さの変更によって可能であるが、下端形状を適宜変更することによっても増減可能である。
【0021】
図中16は、旋回規制用のストッパ部材で、ストッパプレート部材10の上面より立設しており、車体フレーム5の、操舵回転軸6近傍位置より突設した突起部材と干渉して操舵回転軸6の過回転を規制する。
【0022】
以上のような構成の操舵用車軸における揺動機構の作動について説明する。
走行時、ハンドル3操作によりチエンホイール9等操舵連結機構を介して操舵回転軸6を回転させると、この回転力は、操舵回転軸6と一体結合したストッパプレート部材10、ピンホルダブラケット11、センターピン12を経てセンターピン12と連結する操舵用車軸7側のホルダ部材14に伝達され、操舵用車軸7が、操舵回転軸6を軸心にしてハンドル3の操舵方向に旋回し舵取りが行なわれる。
【0023】
走行時に操舵輪4の片輪のみが木片、小石等障害物に乗り上げた場合あるいは路面の凹凸を拾った場合等においては、操舵輪4自身がもつ弾性変形許容範囲を超えた場合に、操舵用車軸7は、センターピン12を軸心にして縦方向に揺動し、操舵用車軸7全体による上下動は抑制される。
この操舵用車軸7の揺動は、操舵用車軸7がストッパ部材15と干渉した時点(揺動幅を越える時点)で阻止され、操舵用車軸7と車体フレーム5側のピンホルダブラケット11等との干渉は回避される。
【0024】
この実施形態によれば以下の効果が得られる。
操舵用車軸7は、操舵回転軸6と一体に旋回するリジットタイプの操舵用車軸7でありながら操舵回転軸6に取付けられたセンターピン12を軸心にして揺動可能であることから、操舵用車軸7の片輪が路面の小石等障害物に乗り上げても、操舵用車軸7が揺動するのみで、その揺動作用に伴なう操舵回転軸6への上下動伝達は抑止され、車体フレーム5は、平衡状態を維持してリジットタイプの操舵用車軸を有する三輪式産業車両の乗り心地を良好にした。
【0025】
また、操舵用車軸7の片輪が路面の連続した凹凸を拾った場合でも、操舵用車軸7の揺動幅を超えない範囲内であれば操舵用車軸7の揺動運動で吸収され、上下方向の移動が操舵回転軸6に及ぶことはなく、乗り心地は良好となる。
【0026】
更に、操舵用車軸7の揺動は、ストッパ部材15によって過剰な揺動が阻止されるため、操舵用車軸7の揺動過剰による操舵回転軸6、ピンホルダブラケット11等との干渉が回避されて各部材の損傷が阻止される。
【0027】
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく発明の趣旨の範囲内で種々の変更が可能であり、例えば次の様に変更してもよい。
○操舵回転軸6とピンホルダブラケット11は、ストッパプレート部材10を介して一体形成されているが、ピンホルダブラケット11を操舵回転軸6に直接固着してもよい。
【0028】
○ピンホルダブラケット11は必ずしも必要とするものではなく、センターピン12を操舵回転軸6に一体結合してもよい。
この場合、操舵用車軸7側のホルダ部材14のピンホルダ部14aは、センターピン12と嵌合可能な貫通穴14cを有する2枚の板状部材を前後に間隔を持たせて配設する必要がある。
【0029】
【発明の効果】
操舵用車軸と、車体フレームの車幅方向中央部に垂設した操舵回転軸とを、操舵回転軸に取付けられたセンターピンを軸心にして揺動可能に連結し、操舵用車軸を、操舵回転軸に対して回転運動と揺動運動可能にしたことにより、操舵用車軸の片輪が路面の小石等障害物に乗り上げた場合でも操舵用車軸が揺動して振動を緩和し、操舵回転軸には、操舵用車軸全体の上下動の伝達が抑止され、車体フレームは常に平衡状態を維持する。従って操舵回転軸と一体に旋回するリジットタイプの操舵用車軸を有する三輪式産業車両でありながら操舵用車軸の旋回と揺動とが可能でかつ乗り心地が良好となった。
【0030】
また、操舵用車軸の片輪が路面の凹凸を拾った場合でも揺動運動で吸収され、上下方向の移動が操舵回転軸に及ぶことはなく、乗り心地は良好となった。
【0031】
更に、操舵用車軸の揺動は、ストッパ部材によって過剰な揺動が阻止されるため、操舵用車軸の揺動過剰による周辺部材等との干渉が回避されて各部材の損傷が阻止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態を適用した三輪式産業車両における操舵用車軸の揺動機構を示す平面図。
【図2】同実施形態における操舵用車軸の揺動機構を示す一部分解斜視図。
【図3】同実施形態における操舵用車軸の揺動機構の揺動作動状態を示す説明図。
【図4】従来の三輪式フォークリフトの概略斜視図。
【図5】従来のリジットタイプの操舵用車軸機構を示す説明図。
【符号の説明】
1 駆動輪
3 ハンドル
4 操舵輪
5 車体フレーム
6 操舵回転軸
7 操舵用車軸
10 ストッパプレート部材
11 ピンホルダブラケット
12 センターピン
14 ホルダ部材
14a ブラケット部
14b ピンホルダ部
14c 貫通穴
15 揺動用のストッパ部材
【発明が属する技術分野】
この発明は、操舵輪の操舵用車軸がリジットタイプの三輪式牽引車、三輪式フォークリフト等三輪式産業車両に係り、特に、車体に対する操舵用車軸の縦方向への揺動を可能にした操舵用車軸の揺動機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、例えば前車軸が駆動用車軸で、後車軸がリジットタイプの操舵用車軸2となっている図4に示すような三輪式フォークリフト或いは前車軸がリジットタイプの操舵用車軸で、後車軸が駆動用車軸となっている三輪式牽引車等の産業車両において駆動輪1を支持する駆動用車軸は、通常走行時や荷役作業時においては安定性を確保するためにリジット状態としている。
【0003】
しかし操舵用車軸2には、図5に示すように、ハンドル3と連動して回転する操舵回転軸21の下端が溶接等により直接固定されており、操舵用車軸2は、ハンドル操作に追従して操舵方向に旋回するため、構造上、縦方向に揺動できないリジットタイプの車軸が一般的に用いられている(例えば特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特許第3109280号公報(第2−3頁、第1−4図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように操舵用車軸2が常にリジット状態であると、荷役作業時においては安定性を確保するうえで好適であるが、通常走行時に操舵輪4の片輪のみが木片、小石等障害物に乗り上げた場合あるいは路面の凹凸を拾った場合、両輪が乗り上げた場合と同様に操舵用車軸2全体が持ち上がり、乗り越えると降下する。この上下動は、操舵回転軸21を経て車体フレーム5に直接伝わり、車体のピッチング現象が生起して乗り心地を悪化させる要因となっている。
【0006】
この発明は、上記の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、操舵回転軸に対して操舵用車軸を縦方向に揺動可能に連結して乗り心地の向上を図ることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、請求項1に記載の発明では、操舵輪を支持する操舵用車軸には、ハンドルと連動して回転する操舵回転軸が取付けられて操舵用車軸を操舵方向に旋回する三輪式産業車両における操舵輪揺動機構において、前記操舵回転軸の下端にセンターピンを前後方向に向けて配設し、そのセンターピンに、操舵用車軸に形成したホルダ部材を揺動可能に連結したことを要旨とする。
【0008】
請求項2に記載の発明では、前記センターピンは、前記操舵回転軸の下端に一体結合されたピンホルダブラケットに取付けられていることを要旨とする。
【0009】
請求項1、2に記載の発明によれば、通常走行時に操舵輪4の片輪が木片、石等障害物に乗り上げた場合あるいは路面の凹凸を拾った場合、その片輪は上方へ移動するが他方の車輪は接地状態を維持する。即ち操舵用車軸は、センターピンを軸心として傾くが、この傾きによる縦方向の揺動は、センターピンに対するホルダ部材の回動により操舵回転軸には伝達されず、揺動による振動が車体フレームに及ぶことを回避する。
【0010】
請求項3に記載の発明では、前記操舵回転軸は、ストッパプレート部材を有し、このストッパプレート部材の車幅方向両端部には、前記操舵用車軸と対峙してその車軸の揺動幅を制限するストッパ部材が取付けられていることを要旨とする。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、操舵用車軸の揺動幅は、ストッパ部材により規制され、操舵用車軸の揺動過剰が阻止されてピンホルダブラケットとの干渉を回避する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図1〜図4に基づいて詳述する。
車体フレーム5の前後に、例えば前車軸が駆動用車軸で、後車軸がリジットタイプの操舵用車軸7となっている三輪式フォークリフト或いは前車軸がリジットタイプの操舵用車軸7で、後車軸が駆動用車軸となっている三輪式牽引車等の産業車両において、車体フレーム5における前記操舵用車軸7の車幅方向中央部と対峙する部分には、操舵回転軸6が軸受部材8を介して垂設配置されている。
【0013】
操舵回転軸6の上端側には、操舵連結機構の一部を構成するチエンホイール9等被動部材が取付けられており、このチエンホイール9は、運転席に形成されたハンドル3とチエンを介して連結し、ハンドル3操作に追従して操舵回転軸6を操舵方向に回転させる。
【0014】
なお、この操舵連結機構は、チエン式操舵連結機構に限定されるものではなくチエンホイール9に代えてベルクランク、キングピン軸等を用いるリンク式操舵連結機構であってもよい。
【0015】
前記操舵回転軸6の下端には、矩形状のストッパプレート部材10を介してピンホルダブラケット11が固着されている。このピンホルダブラケット11は、ストッパプレート部材10の裏面側における操舵回転軸6の軸心を挟んだ前後位置(車両の前後方向)にそれぞれ固着されており、両ピンホルダブラケット11の前後間隔は、前記操舵回転軸6の直径より広い方が回転力伝達の面から望ましい。なお、両ピンホルダブラケット11は、断面逆U字形にして頂壁部材をストッパプレート部材10の裏面側に固着してもよい。
【0016】
前後のピンホルダブラケット11にはセンターピン12が、前記操舵回転軸6の真下で、その軸心に対して直交する方向(車両の前後方向)に貫通し架装されている。図中13は、抜け止め部材で、基端が前記センターピン12と嵌合し、他端は前記ピンホルダブラケット11にボルト17で固定され、組み付けや交換を容易としている。
【0017】
両端に操舵輪4を支持する操舵用車軸7の車幅方向中央部には、ホルダ部材14が固着されている。ホルダ部材14は、底部が操舵用車軸7に固定された一対のブラケット部14aと、このブラケット部14aに挟持固着されたピンホルダ部14bとよりなり、ピンホルダ部14bの中央部分には、操舵用車軸7の軸心と直交する方向に向けて前記センターピン12嵌合用の貫通穴14cが穿設されている。
【0018】
このピンホルダ部14bを、前記一対のピンホルダブラケット11間に嵌装した後、センターピン12をピンホルダ部14bの貫通穴14cに挿通することにより、操舵用車軸7は、ホルダ部材14、センターピン12、前記ピンホルダブラケット11を介して前記操舵回転軸6に対してセンターピン12を軸心に揺動可能に連結されるとともに操舵回転軸6の操舵回転に従動して該回転軸6を軸心に同方向に旋回する。
【0019】
図中15は、揺動規制用のストッパ部材で、ストッパプレート部材10の裏面側における車幅方向両端部に、前記操舵用車軸7と対峙して垂設しており、ストッパ部材15の下端面と操舵用車軸7との間に適宜の間隙(揺動幅)が形成されている。操舵用車軸7は、この揺動幅の範囲内でセンターピン12を軸心とした縦方向への揺動が許容される。
【0020】
なお、このストッパ部材15は、鋼材を用いて形成しているが、ゴム材等の弾性部材あるいはダンパー等の緩衝部材を用いて、操舵用車軸7との接触衝撃を緩和する機能をもたせてもよい。また、操舵用車軸7の揺動を許容する揺動幅となる間隙形成手段としては、ストッパ部材15の長さの変更によって可能であるが、下端形状を適宜変更することによっても増減可能である。
【0021】
図中16は、旋回規制用のストッパ部材で、ストッパプレート部材10の上面より立設しており、車体フレーム5の、操舵回転軸6近傍位置より突設した突起部材と干渉して操舵回転軸6の過回転を規制する。
【0022】
以上のような構成の操舵用車軸における揺動機構の作動について説明する。
走行時、ハンドル3操作によりチエンホイール9等操舵連結機構を介して操舵回転軸6を回転させると、この回転力は、操舵回転軸6と一体結合したストッパプレート部材10、ピンホルダブラケット11、センターピン12を経てセンターピン12と連結する操舵用車軸7側のホルダ部材14に伝達され、操舵用車軸7が、操舵回転軸6を軸心にしてハンドル3の操舵方向に旋回し舵取りが行なわれる。
【0023】
走行時に操舵輪4の片輪のみが木片、小石等障害物に乗り上げた場合あるいは路面の凹凸を拾った場合等においては、操舵輪4自身がもつ弾性変形許容範囲を超えた場合に、操舵用車軸7は、センターピン12を軸心にして縦方向に揺動し、操舵用車軸7全体による上下動は抑制される。
この操舵用車軸7の揺動は、操舵用車軸7がストッパ部材15と干渉した時点(揺動幅を越える時点)で阻止され、操舵用車軸7と車体フレーム5側のピンホルダブラケット11等との干渉は回避される。
【0024】
この実施形態によれば以下の効果が得られる。
操舵用車軸7は、操舵回転軸6と一体に旋回するリジットタイプの操舵用車軸7でありながら操舵回転軸6に取付けられたセンターピン12を軸心にして揺動可能であることから、操舵用車軸7の片輪が路面の小石等障害物に乗り上げても、操舵用車軸7が揺動するのみで、その揺動作用に伴なう操舵回転軸6への上下動伝達は抑止され、車体フレーム5は、平衡状態を維持してリジットタイプの操舵用車軸を有する三輪式産業車両の乗り心地を良好にした。
【0025】
また、操舵用車軸7の片輪が路面の連続した凹凸を拾った場合でも、操舵用車軸7の揺動幅を超えない範囲内であれば操舵用車軸7の揺動運動で吸収され、上下方向の移動が操舵回転軸6に及ぶことはなく、乗り心地は良好となる。
【0026】
更に、操舵用車軸7の揺動は、ストッパ部材15によって過剰な揺動が阻止されるため、操舵用車軸7の揺動過剰による操舵回転軸6、ピンホルダブラケット11等との干渉が回避されて各部材の損傷が阻止される。
【0027】
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく発明の趣旨の範囲内で種々の変更が可能であり、例えば次の様に変更してもよい。
○操舵回転軸6とピンホルダブラケット11は、ストッパプレート部材10を介して一体形成されているが、ピンホルダブラケット11を操舵回転軸6に直接固着してもよい。
【0028】
○ピンホルダブラケット11は必ずしも必要とするものではなく、センターピン12を操舵回転軸6に一体結合してもよい。
この場合、操舵用車軸7側のホルダ部材14のピンホルダ部14aは、センターピン12と嵌合可能な貫通穴14cを有する2枚の板状部材を前後に間隔を持たせて配設する必要がある。
【0029】
【発明の効果】
操舵用車軸と、車体フレームの車幅方向中央部に垂設した操舵回転軸とを、操舵回転軸に取付けられたセンターピンを軸心にして揺動可能に連結し、操舵用車軸を、操舵回転軸に対して回転運動と揺動運動可能にしたことにより、操舵用車軸の片輪が路面の小石等障害物に乗り上げた場合でも操舵用車軸が揺動して振動を緩和し、操舵回転軸には、操舵用車軸全体の上下動の伝達が抑止され、車体フレームは常に平衡状態を維持する。従って操舵回転軸と一体に旋回するリジットタイプの操舵用車軸を有する三輪式産業車両でありながら操舵用車軸の旋回と揺動とが可能でかつ乗り心地が良好となった。
【0030】
また、操舵用車軸の片輪が路面の凹凸を拾った場合でも揺動運動で吸収され、上下方向の移動が操舵回転軸に及ぶことはなく、乗り心地は良好となった。
【0031】
更に、操舵用車軸の揺動は、ストッパ部材によって過剰な揺動が阻止されるため、操舵用車軸の揺動過剰による周辺部材等との干渉が回避されて各部材の損傷が阻止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態を適用した三輪式産業車両における操舵用車軸の揺動機構を示す平面図。
【図2】同実施形態における操舵用車軸の揺動機構を示す一部分解斜視図。
【図3】同実施形態における操舵用車軸の揺動機構の揺動作動状態を示す説明図。
【図4】従来の三輪式フォークリフトの概略斜視図。
【図5】従来のリジットタイプの操舵用車軸機構を示す説明図。
【符号の説明】
1 駆動輪
3 ハンドル
4 操舵輪
5 車体フレーム
6 操舵回転軸
7 操舵用車軸
10 ストッパプレート部材
11 ピンホルダブラケット
12 センターピン
14 ホルダ部材
14a ブラケット部
14b ピンホルダ部
14c 貫通穴
15 揺動用のストッパ部材
Claims (3)
- 操舵輪を支持する操舵用車軸には、ハンドルと連動して回転する操舵回転軸が取付けられて操舵用車軸を操舵方向に旋回する三輪式産業車両における操舵用車軸の揺動機構において、前記操舵回転軸の下端にセンターピンを前後方向に向けて配設し、そのセンターピンに、操舵用車軸に形成したホルダ部材を揺動可能に連結したことを特徴とする三輪式産業車両における操舵用車軸の揺動機構。
- 前記センターピンは、前記操舵回転軸の下端に一体結合されたピンホルダブラケットに取付けられていることを特徴とする請求項1に記載の三輪式産業車両における操舵用車軸の揺動機構。
- 前記操舵回転軸は、ストッパプレート部材を有し、このストッパプレート部材の車幅方向両端部には、前記操舵用車軸と対峙してその車軸の揺動幅を制限するストッパ部材が取付けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の三輪式産業車両における操舵用車軸の揺動機構。
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