JP2004236566A - 電動リールのモータ制御装置 - Google Patents

電動リールのモータ制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】電動リールのモータ制御装置において、モータの発熱量を抑える。
【解決手段】電動リールのモータ制御装置は、モータ12によりスプールを駆動する電動リールのモータを可変に制御する装置であって、状態変更レバーと、リール制御部30と、PWM駆動回路45とを備えている。状態変更レバーは、モータの回転状態を設定する操作部材である。リール制御部は、状態変更レバーで設定された回転状態に応じてパルス幅が変化する10kHz以上の所定周波数の駆動パルス信号DSを出力する。PWM駆動回路は、モータに接続され、電源からの直流電力をリール制御部から出力された駆動パルス信号DSによりオンオフする電界効果トランジスタ60と、電界効果トランジスタ60でオンオフされた交流電力を平滑化するコンデンサ62とを有し、モータ12をパルス幅変調駆動するものである。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、モータ制御装置、特に、電動モータによりスプールを駆動する電動リールの電動モータを可変に制御する電動リールのモータ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電動リールは、糸巻用のスプールを電動モータで駆動するリールであり、主に釣り船からの釣りに使用される。電動リールは、モータの速度を調整することによりスプール速度を可変に制御できる。電動リールのスプール速度を可変に制御するのにパルス幅変調制御を用いてモータを駆動する技術が従来知られている(特許文献1参照。)。パルス幅変調制御では、所定周波数の駆動パルス信号のパルス幅(デューティ比)を設定されたスプール速度に応じて制御している。
【0003】
前記従来の電動リールの制御装置は、設定された速度に応じたたとえば4kHzの周波数の駆動パルス信号を出力するモータ制御手段と、制御回路から出力された駆動信号に応じてパルス幅を変化させてモータに電力を供給するモータ駆動手段とを備えている。モータ駆動手段は、一般にたとえば電界効果トランジスタ(FET)を有しており、そのゲートに与えられた駆動パルス信号により電源をオンオフして、電圧を変化させてモータに電力を供給する。
【0004】
前記従来の技術では、デューティ比を徐々に大きくして魚がかかった巻き上げ当初のスプール速度を徐々に速くしている。これにより、口が弱い魚の口切れを防止しようとしている。
【0005】
【特許文献1】
特開平3−198733号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、電動リールでは釣れる魚によって負荷の変動が大きいため、モータや制御素子の焼損を防止するための熱対策が重要である。特に、小型の電動リールの場合、モータに流す電流がモータの大きさに比して大きくなり負荷の変動に対して発熱しやすいため熱対策が重要になる。本発明者等は種々の実験を行ったところ、釣り糸に作用する張力及びスプールの回転速度が一定であるという条件のもとでは、駆動パルス信号の周波数を高くするほど、モータの発熱量が減少することを知見した。しかし、モータ駆動手段に用いられるFETやコンデンサなどの電気素子は、駆動パルス信号の周波数が高くなり電力のオンオフの頻度が多くなると、発熱量が多くなったり破損したりするなどの不具合が生じやすくなる。
【0007】
本発明の課題は、電動リールのモータ制御装置において、モータの発熱量を抑えることにある。
本発明の別の課題は、電動リールのモータ制御装置において、モータの発熱量を抑えつつ電気素子の不具合を生じにくくすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
発明1に係る電動リールのモータ制御装置は、電動モータによりスプールを駆動する電動リールの電動モータを可変に制御する装置であって、回転状態設定手段と、モータ制御部と、モータ駆動部とを備えている。回転状態設定手段は、電動モータの回転状態を設定する手段である。モータ制御部は、回転状態設定手段で設定された回転状態に応じてパルス幅が変化する10kHz以上の所定周波数の駆動パルス信号を出力するものである。モータ駆動部は、電動モータに接続され、電源からの直流電力をモータ制御部から出力された駆動パルス信号によりオンオフする電界効果トランジスタと、電界効果トランジスタでオンオフされた交流電力を平滑化するコンデンサとを有し、電動モータをパルス幅変調駆動するものである。
【0009】
このモータ制御装置では、回転状態設定手段で回転状態が設定されると、された回転状態に応じてパルス幅が変更された駆動パルス信号がモータ制御部からモータ駆動部に出力される。これにより、電動モータの回転状態が設定された回転状態に制御される。この駆動パルス信号の周波数は10kHz以上の高周波数であるため、電動モータの発熱量を抑えることができる。
【0010】
発明2に係る電動リールのモータ制御装置は、発明2に記載の装置において、所定周波数は15kHz以上20kHz未満である。この場合には、周波数が15kHz以上20kHz未満であるので、モータの発熱量を抑えてFETやコンデンサなどの電気素子の不具合を抑えることができる。
発明3に係る電動リールのモータ制御装置は、発明1又は2に記載の装置において、コンデンサは積層型のセラミックコンデンサである。この場合には、積層型のセラミックコンデンサは電解コンデンサに比べて耐熱性が高く、高周波の駆動パルス信号を用いても電解コンデンサのように熱により損傷するおそれが少ない。
【0011】
発明4に係る電動リールのモータ制御装置は、発明3に記載の装置において、コンデンサの容量は5μF以上50μF以下の範囲である。この場合には、コンデンサの容量が大きくなるので、オンオフされた電力を効率よく平滑化できる。発明5に係る電動リールのモータ制御装置は、発明1から4のいずれかに記載の装置において、回転状態設定手段は、スプールの速度を複数段階に設定するための速度設定手段を有する。この場合には、スプール速度を複数段階に設定する制御において、モータの発熱量を抑えることができる。
【0012】
発明6に係る電動リールのモータ制御装置は、発明1から3のいずれかに記載の装置において、回転状態設定手段は、スプールに巻き付けられる釣り糸の張力を複数段階に設定可能な張力設定手段を有する。この場合には、釣り糸に作用する張力を複数段階に設定する制御において、モータの発熱量を抑えることができる。また、この場合、張力に応じて一定のデューティ比で制御することにより発熱量をさらに抑えることができる。
【0013】
発明7に係る電動リールのモータ制御装置は、発明6に記載の装置において、前記速度設定手段と張力設定手段とのいずれかを選択するための設定選択手段をさらに備える。この場合には、張力一定制御と速度一定制御とを選択できるので、種々の釣法に応じたモータ制御を行える。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態を採用した釣り用リールは、図1に示すように、電動モータによりスプールを回転駆動する電動リールであって、リール本体1と、リール本体1の側方に配置されたスプール回転用のハンドル2と、ハンドル2のリール本体1側に配置されたドラグ調整用のスタードラグ3と、リール本体1の上方に設けられた開閉式の水深表示装置4とを主に備えている。
【0015】
リール本体1は、左右1対の側板7a、7bとそれらを連結する複数の連結部材8とからなるフレーム7と、フレーム7の左右を覆う左右の側カバー9a、9bとを有している。ハンドル2側の側カバー9bには、ハンドル2の回転軸が回転自在に支持されている。リール本体1後方に配置された連結部材8の側カバー9a側後部には、外部電源接続用のコネクタ19が先端に取り付けられたリールコード18が延出されている。
【0016】
リール本体1の内部には、図1に示すように、ハンドル2に連結されたスプール10が回転自在に支持されている。スプール10の内部には、スプール10を糸巻き上げ方向に回転駆動するモータ12が配置されている。また、リール本体1のハンドル2側側面には図示しないクラッチ機構を操作するためのクラッチレバー11が配置されている。リール本体1のハンドル2側側面のクラッチレバー11の前方には、モータ12をオン、オフするためのモータスイッチ31と、モータ12の回転状態を変更する状態変更レバー32とが設けられている。
【0017】
水深表示装置4は、リール本体1の上方にリール本体1と一体で設けられた第1部材4aと、第1部材4aに対して開閉自在に設けられたケース部材である第2部材4bと、第1部材4aと第2部材4bとを揺動自在に連結する連結部材4cとにより構成されている。
第1部材4aは、リール本体1の両側部上方にリール本体1と一体成形されている。第1部材4aの内部に収納空間を有しており、この収納空間には、スプール10の回転速度を検出するためのスプールセンサ41(図3)が収納されている。また、第1部材4aの前端部は連結部材4cを取り付けるために一部が上方に突出した形状となっている。第1部材4aの上面は、両側部とも同一高さの平坦面になっており、連結部材4c取り付け用の突出部分から後方に向かって斜め下方に傾斜している。
【0018】
第2部材4bは、第1部材4aに対して開閉自在に取り付けられている。第2部材4bの取り付け部分は第1部材4aの突出部分に合致する形状になっている。第1部材4a及び第2部材4bの取り付け部分には連結部材4cが装着されている。第2部材4bは、第1部材4aと対向する面に配置された表示部5と、表示部5の近傍に配置され複数のスイッチからなる操作キー部6とを有している。
【0019】
表示部5は、第2部材4bに設けられ第1部材4aと対向する面に配置されたドットマトリックス方式の液晶ディスプレイである。表示部5は、図2に拡大して示すように、通常の釣りを行っているときには、仕掛けの水深や棚位置を水面からと底からとの2つの基準で表示する。この場合、中央に配置された4桁の水深表示領域5aと、その下方に配置された3桁の棚水深表示領域5bと、水深表示領域の右側に配置された速度段数表示領域5cと、最下段の速度/張力モード表示領域5dと、その右方の張力段数表示領域5eとを有している。また、表示部5は、ドットマトリックス方式の液晶ディスプレイであるので、たとえば各種設定のためのメニュー画面や、現在作用しているテンション等の種々の表示に切り換え可能である。
【0020】
操作キー部6は、表示部5の下側の連結部材4cの揺動軸芯X近傍に左右に並べて配置されたメニュースイッチMNと、モードスイッチMDと、底メモスイッチSMとを有している。
メニュースイッチMNは各種のメニューを設定するためのスイッチである。モードスイッチMDは各種のモードを設定するためのスイッチであり、たとえばモータ12の回転制御としてテンション一定モードとスピード一定モードとが切り換えられる。底メモスイッチSMは、仕掛けが底に到達したときに押されるスイッチであり、そのときの水深が底として設定される。
【0021】
モータスイッチ31は、状態変更レバー32近傍に設けられ、状態変更レバー32の揺動軸芯に沿って下方向への押圧操作(移動操作)を行うことによって、モータ12のオン、オフを行っている。
状態変更レバー32は、駆動されたモータ12の速度又はトルクを増減するための2つのスイッチを有しており、前後方向に揺動自在に設けられ、前方の増加位置に揺動させると一方のスイッチがオンしてモータ12の回転速度又はトルクが増加し、後方の減少位置に揺動させると他方のスイッチがオンしてモータ12の回転速度又はトルクが減少する。状態変更レバー32は、増加方向及び減少方向のいずれかに揺動していても、常に中立位置に向けて付勢されている。
【0022】
また、電動リールは、図3に示すように、第2部材4b内に収納され、表示部5やモータ12の制御を行うリール制御部30を有している。リール制御部30は、CPU、RAM、ROM、I/Oインターフェイス等を含むマイクロコンピュータを含んでいる。リール制御部30は、制御プログラムに従って表示部5の表示制御やモータ駆動制御等の各種の制御動作を実行する。リール制御部30には、操作キー部6やモータスイッチ31や状態変更レバー32のスイッチなどの各種のスイッチと、スプールセンサ41と、スプールカウンタ42とが接続されている。また、リール制御部30には、ブザー44と、PWM(パルス幅変調)駆動回路45と、表示部5と、記憶部46と、他の入出力部とが接続されている。
【0023】
スプールセンサ41は、第1部材4aの内部に前後に並べて配置された2つのリードスイッチから構成されており、いずれのリードスイッチが先に検出パルスを発したかによりスプール10の回転方向を検出できる。スプールカウンタ42は、スプールセンサ41のオンオフ回数を計数するカウンタであり、この計数値によりスプール回転数に関する回転位置データが得られる。スプールカウンタ42は、スプール10が正転(糸繰り出し方向の回転)すると計数値が減少し、逆転すると増加する。ブザー44は、警報音を鳴らすために使用される。
【0024】
PWM駆動回路45は、モータ12をPWM駆動するものであり、リール制御部30から出力されたたとえば17kHzの周波数FQのパルス幅が変化する駆動パルス信号DSによりデューティ比が制御されてモータ12を速度又はトルク可変に駆動する。
PWM駆動回路45は、図4に示すように、モータ12のマイナス端子にドレインが接続されたパワーMOS型の電界効果トランジスタ(MOSFET)60と、電界効果トランジスタ60のソースにソースが接続されたパワーMOS型の電界効果トランジスタ61と、コンデンサ62とを有している。モータ12のブラス端子は電源のプラス電極に接続されている。モータ12のプラス端子とマイナス端子との間には、逆流防止用のダイオード63及びノイズ防止用の1対の三端子コンデンサ64が並列接続されている。1対の三端子コンデンサ64の接地端子はともに接地されている。
【0025】
電界効果トランジスタ60のゲートは、制御部30に接続されており、そこにはリール制御部30から、たとえば17kHzの周波数FQの駆動パルス信号DSが与えられている。駆動パルス信号DSの周波数FQは、10kHz以上、好ましくは15kHz以上20kHz未満である。電界効果コンデンサ60は、パルス幅(すなわち、駆動パルス信号のオン時間)が0から100%の間に制御された駆動パルス信号DSによりモータ12に供給される電圧を変化させる。電界効果トランジスタ61は、電源コード18を正負逆に接続した場合のトラブルを防止するために設けられている。コンデンサ62は、一端が電源のプラス電極に接続されており、他端が接地されている。コンデンサ62は、たとえば積層型のセラミックコンデンサであり、その容量は、たとえば30μFである。電解コンデンサの場合、損傷しない程度に発熱量を抑えようとすると、大きな容量が必要になり回路・装置の大型化を招くおそれがあるが、積層型のセラミックコンデンサの場合、小さいな容量のものを用いて発熱しても損傷しにくいので回路・装置の大型化を防ぐことができる。コンデンサ62の容量は、一般の電動リールのモータ12では、5〜50μFの範囲が平滑化を効率よく行う上で好ましい。コンデンサ62は、電界効果トランジスタ60によりオンオフされたモータ12への供給電圧を平滑化してモータ12への無駄な電力供給を抑えて発熱を少なくするために設けられている。
【0026】
なお、駆動パルス信号DSの周波数FQは、10kHz以上、このましくは、15kHz以上20kHz未満が望ましい。駆動パルス信号DSの周波数FQが15kHz未満であると、発熱量の変化があまり顕著に表れない。また、20kHz以上になると、電界効果トランジスタ60,61の発熱量が多くなるとともに、コンデンサ62が電解コンデンサの場合には損傷するおそれがある。
【0027】
記憶部46はたとえばEEPROM等の不揮発メモリから構成されている。記憶部46には、図5に示すように、棚位置等の表示データを記憶する表示データ記憶エリア50と、実際の糸長とスプール回転数との関係を示す学習データを記憶する学習データ記憶エリア51と、速度の段数SCに応じたスプール10の巻き上げ速度(rpm)の上限値を記憶する速度データ記憶エリア52と、5段階の張力毎にたとえば10段階の糸巻径に応じたモータ12のデューティ比を記憶する張力データ記憶エリア53と、種々のデータを記憶するデータ記憶エリア54とが設けられている。
【0028】
速度データ記憶エリア52には、たとえば、段数SCが1速の場合に上限の速度データSS=257rpm,2速の場合にSS=369rpm,3速の場合にSS=503rpm,4速の場合にSS=665rpm,5速の場合にSS=1000rpmがそれぞれ記憶されている。また、張力データ記憶エリア53には、スプール胴径と最大糸巻径との間で張力段数ごとに複数段階の糸巻径に対応したデューティ比のデータが格納されており、たとえば張力段数TCが1段の場合にデューティ比(%)TS=17〜25,2段の場合にTS=27〜40,3段の場合にTS=40〜60,4段の場合にTS=53〜80,5段の場合にTS=67〜100の範囲でそれぞれスプール胴径から最大糸巻径の間で10段階の値が記憶されている。
【0029】
これらのデューティ比の値は、スプール10に、たとえば5段階の張力をそれぞれ作用させたときに停止する寸前のスプール胴径と最大糸巻径とでのデューティ比を測定し、得られた測定結果に基づき決定されている。具体的には、同じ段階の張力を作用させたときのスプール胴径と最大糸巻径とでの2つのデューティ比のデータにより、デューティ比と糸巻径との関係を一次直線に近似し、近似して得られた一次直線からその中間の複数の糸巻径でのデューティ比を算出し、得られた各段階の糸巻径に応じたデューティ比が格納されている。
【0030】
データ記憶エリア54には、設定された速度段数SC又は張力段数TC等の各種の一時的なデータが格納されている。
次に本実施形態における糸長算出方法の概略を説明する。
本発明では、スプール1回転当たりの糸長Yとスプール回転数Xとの関係を一次直線に近似させることができることを利用して糸長Lを算出している。
【0031】
太さと全長が不明な釣り糸を糸巻径Bmmからスプール10に層状に巻き付けていき、c回転で全ての釣り糸を巻き終わったとする。次に、その状態からSmm釣り糸を繰り出したとき、スプール10がd回転したとする。
いま、スプール回転数Xとスプール1回転当たりの糸長Yとの関係を、横軸にスプール回転数Xを、縦軸にスプール1回転当たりの糸長をとると、一次直線で定義できるので、傾きをAとすると、下記式で表せる。
【0032】
Y=AX+Bπ (1)
したがって、スプール回転数Xとスプール1回転当たりの糸長Yとの関係を示すグラフは、図6に示すようになる。
いま、スプール10がc回転したときのスプール1回転当たりの糸長をY(c),c回転の巻き取り後、所定長さS繰り出してd回転したときのスプール1回転当たりの糸長をY(c−d)とすると、これらは以下のように表せる。
【0033】
Y(c)=A・c+Bπ (2)
Y(c−d)=A・(c−d)+Bπ (3)
図5に示すグラフでは、ハッチングで示す台形の面積が巻き付け終了後の糸繰り出し長さSに相当しているので、糸繰り出し長さSは以下のように表せる。
S=d・{Y(c)+Y(c−d)}/2 (4)
(4)式に(2),(3)式を代入すると、
Figure 2004236566
(5)式を傾きAについて解くと以下のようになる。
【0034】
A=2(S−Bπd)/d(2c−d) (6)
したがって、4つのデータS,B,c,dを(6)式に代入することにより一次直線の傾きAを求めることができることがわかる。
たとえば、スプール10が巻き初めから2000回転で巻終わり、そこから10m繰り出したときにスプールが60回転した場合、スプール10の胴径(糸巻径)が30mmであったとすると、一次直線の傾きAは下記のようになる。
【0035】
Figure 2004236566
そして、傾きA,切片Bπの近似の一次直線が決定できれば、一次直線をスプール1回転毎に積分処理(面積算出処理)することで巻き初めから巻終わりまでのたとえばスプール1回転毎の糸長L1〜LNを求める。そして、巻終わり時のスプール回転数cのときの水深LXを「0」にセットしてそれから巻き初めまでの水深LX(=LN)とスプール回転数Xとの関係を算出して記憶部46の学習データ記憶エリア51にたとえばマップ形式(LX=MAP(X))で記憶する。
【0036】
実釣り時にスプール10が回転すると、そのときにスプールセンサ41が検出したスプール回転数Xに基づき、記憶部46のマップから糸長LXを読み出し、読み出した糸長LXに基づいて仕掛けの水深(釣り糸先端の水深)を表示部5に表示する。
次に、リール制御部30によって行われる具体的な制御処理を、図7以降の制御フローチャートに従って説明する。
【0037】
電動リールが電源コードを介して外部電源に接続されると、図7のステップS1において初期設定を行う。この初期設定ではスプールカウンタ42の計数値をリセットしたり、各種の変数やフラグをリセットしたり、モータ制御モードを速度モードにし、表示モードを上からモードにする。
次にステップS2では表示処理を行う。表示処理では、水深表示等の各種の表示処理を行う。ここで、速度モードのときには、速度段数表示領域5cに状態変更レバー32により操作された速度段数が、張力モードのときには張力段数表示領域5eに張力段数が表示される。また、速度モードと張力モードとのいずれかの制御モードが表示される。
【0038】
ステップS3では、操作キー部6のいずれかのスイッチやモータスイッチ31や状態変更レバー32が操作されたか否かを判断する。またステップS4ではスプール10が回転しているか否かを判断する。この判断は、スプールセンサ41の出力により判断する。ステップS5ではその他の指令や入力がなされたか否かを判断する。
【0039】
スイッチが押された場合にはステップS3からステップS6に移行してキー入力処理を実行する。またスプール10の回転が検出された場合にはステップS4からステップS7に移行する。ステップS7では各動作モード処理を実行する。その他の指令あるいは入力がなされた場合にはステップS5からステップS8に移行してその他の処理を実行する。
【0040】
ステップS6のキー入力処理では図8のステップS11でモードスイッチMDが押されたか否かを判断する。ステップS12では、モータスイッチ31が押された否かを判断する。ステップS13では、状態変更レバー32が増加側に操作されたか否かを判断する。ステップS14では、状態変更レバー32の減少側に操作されたか否かを判断する。ステップS15では、その他のスイッチが操作されたか否かを判断する。その他のスイッチの操作にはメニューモードにおける各種の操作を含んでいる。
【0041】
モードスイッチMDが押されるとステップS11からステップS17に移行する。ステップS17では、モータ制御モードが速度モードか否かを判断する。速度モード中にモードスイッチMDが押されるということは釣り人が張力モードにしようとするためであるので、ステップS19に移行して制御モードを張力モードにセットする。これにより、変更スイッチSKの操作に応じてトルク制御が行われる。速度モードではなく張力モードの時にはステップS17からステップS18に移行し、モータ制御モードを速度モードにセットする。
【0042】
モータスイッチ31が押されると、ステップS12からステップS20に移行する。ステップS20では、モータ12がすでにオンしている(回転している)か否かを判断する。モータ回転中にモータスイッチ31が押されるということは釣り人がモータ12を停止しようとするためであるので、ステップS22に移行してモータ12をオフする。モータ停止中の場合にはステップS20からステップS21に移行してモータ12をオンする。
【0043】
状態変更レバー32が増速側に操作されると、ステップS13からステップS23に移行する。ステップS23では、制御モードが速度モードか否かを判断する。速度モードのときには、ステップS25に移行し、後述する速度増加処理を行う。張力モードのときには、ステップS23からステップS24に移行し、後述する張力増加処理を行う。ここでは、状態変更レバー32を増加側に操作されていると速度増加又は張力増加処理を行うので、結果として増加側に操作されている時間だけこれらの増加処理が行われる。
【0044】
状態変更レバー32が減少側に操作されると、ステップS14からステップS26に移行する。ステップS26では、制御モードが速度モードか否かを判断する。速度モードのときには、ステップS28に移行し、後述する速度減少処理を行う。張力モードのときには、ステップS26からステップS27に移行し、後述する張力減少処理を行う。ここでも、状態変更レバー32が減少側に操作されると速度減少又は張力減少処理を行うので、結果として減少側に操作されている時間だけこれらの減少処理が行われる。
【0045】
他のスイッチ入力がなされると、ステップS15からステップS29に移行し、たとえば、現在の水深の底棚値にセットするなどの操作されたスイッチ入力に応じた他のキー入力処理を行う。
ステップS25の速度増加処理では、図8のステップS51で、前にセットされた速度段数SCをデータ記憶エリア54から読み出す。ここで、データ記憶エリア54には、速度段数SCが増加又は減少するごとにその値が記憶される。また、電源が投入されたとき及びモータスイッチ31が押されてモータ12が停止したときに、速度段数SCが「0」にセットされ、データ記憶エリア54に記憶される。
【0046】
ステップS52では、読み出した速度段数SCを1段アップする。このときの増加した速度段数SCは、表示処理において速度段数表示領域5cに表示されるとともに、データ記憶エリア54に記憶される。なお、モータスイッチ31が押された直後は、速度段数SCが1段アップして「1」にセットされる。また、速度段数SCが「5」にセットされるとそれ以上増加することはない。
【0047】
ステップS53では、速度データ記憶エリア52から増加した速度段数SCに応じた速度データSSを読み出しセットする。ステップS54では、スプールセンサ41の出力からスプール10の速度データSPを読み込む。
ステップS55では、読み込んだ速度データSPが、セットされた速度段数SCに応じた速度データSS以上になったか否かを判断する。速度データSPが速度データSS未満のときには、ステップS55からステップS56に移行する。ステップS56では、現在のデューティ比Dをデータ記憶エリア54から読み出す。データ記憶エリア54には、デューティ比Dがセットされる都度、セットされたデューティ比Dが記憶される。
【0048】
ステップS57では、データ記憶エリア54から読み出した現在のデューティ比Dが最大デューティ比D以上になったか否かを判断する。この最大デューティ比Dは、通常「100」であるが、速度段数SCやモータ12の負荷等に応じて最大デューティ比Dの設定を変更してもよい。デューティ比Dが最大デューティ比D未満のときには、ステップS57からステップS58に移行し、デューティ比Dを所定の増分DI増加してセットする。このセットされたデューティ比に応じた駆動パルス信号DSがPWM駆動回路45に出力される。この新たにセットされたデューティ比Dはデータ記憶エリア54に記憶される。なお、この増分DIは、たとえば「5」である。ステップS57で、デューティ比Dが最大デューティ比D以上と判断するとステップS59に移行する。ステップS59では、デューティ比Dを最大デューティ比Dにセットする。そしてステップS58又はステップS59でセットされたデューティ比に応じた駆動パルス信号DSがPWM駆動回路45に出力される。
【0049】
一方、ステップS55で、速度データSPが速度データSS以上と判断したときには、何も処理せずキー入力処理に戻る。また、ステップS58又はS59の処理が終わるとキー入力処理に戻る。
この速度増加処理では、状態変更レバー32を増加側に操作している時間だけ速度段数SCをアップし、アップした速度段数SCに応じた巻き上げ速度までスプール10の速度を増加させる。また、状態変更レバー32を操作するのをやめると、再度、状態変更レハー32が操作されるまで速度増加処理や速度減少処理は行われないので、速度増加結果の速度段数SCが維持され、その巻き上げ速度が維持される。
【0050】
ステップS24の張力増加処理では、速度モードのように速度を検出してその速度になるようにデューティ比を変更するクローズドループ制御を行うのではなく、設定された張力段階TC毎にさらに糸巻径SD毎にデューティ比TSを設定し、そのデューティ比TSによりオープンループ制御を行う。張力増加処理では、図10のステップS61で、前にセットされた張力段数TCをデータ記憶エリア54から読み出す。ここで、データ記憶エリア54には、張力段数TCが増加又は減少するごとにその値が記憶される。また、電源が投入されたとき及びモータスイッチPWが押されてモータ12が停止したときに、張力段数TCが「0」にセットされ、データ記憶エリア54に記憶される。
【0051】
ステップS62では、読み出した張力段数TCを1段アップする。このときの増加した張力段数TCは、表示処理において張力段数表示領域5eに表示されるとともに、データ記憶エリア54に記憶される。なお、モータスイッチ31が押された直後は、張力段数TCが1段アップして「1」にセットされる。また、張力段数TCが「5」にセットされるとそれ以上増加することはない。
【0052】
ステップS63では、糸巻径SDの算出処理を行う。糸巻径算出処理では、図11のステップS71でスプール回転数Xを読み込む。ステップS72では、スプール回転数Xをともに、学習処理により得られたスプール1回転長さYとスプール回転数Xとの関係を示す一次式からスプール1回転長さYを算出する。ステップS73では、得られたスプール1回転長さYをπで除算して糸巻径SDを算出する。
【0053】
ステップS64では、算出した糸巻径SDと増加した張力段数TCとに応じたデューティ比TSを張力データ記憶エリア53から読み出しセットする。そしてセットされたデューティ比TSに応じた駆動パルス信号DSをPWM駆動回路45に出力する。これにより、設定されるデューティ比TSが糸巻径SDにより補正されたものになり、釣り糸に作用する張力が常に設定された張力に近くなる。
【0054】
この張力増加処理では、状態変更レバー32を増加側に操作している時間だけ張力段数TCをアップし、アップした張力段数TCに応じた張力になるように糸巻径に応じたデューティ比TSが読み出されセットされる。また、状態変更レバー32の操作をやめると、再度、状態変更レバー32が操作されるまで張力増加処理や張力減少処理は行われないので、張力増加結果の張力段数TCが維持され、その張力が維持される。この結果、負荷が大きくなると速度は遅くなり、負荷が小さくなると速度は速くなる。このため、負荷が小さい仕掛けの回収時などに仕掛けを高速で回収でき、手返しが速くなる。しかも糸巻径に応じてデューティ比TSが設定されているので、釣り糸に作用する張力が一定になる。このため、巻き上げ時にハリス切れや口切れを生じにくくなるとともにドラグの調整を行う必要がなくなる。
【0055】
ステップS28の速度減少処理では、図12のステップS81で、前にセットされた速度段数SCをデータ記憶エリア54から読み出す。ステップS82では、読み出した速度段数SCを1段ダウンする。このときの減少した速度段数SCは、表示処理において速度段数表示領域5cに表示されるとともに、データ記憶エリア54に記憶される。なお、速度段数SCが「1」にダウンされるとそれ以上減少することはない。ステップS83では、速度データ記憶エリア52から減少した速度段数SCに応じた速度データSSを読み出す。ステップS84では、スプールセンサ41の出力からスプール10の速度データSPを読み込む。
【0056】
ステップS85では、読み込んだ速度データSPが、セットされた速度段数SCに応じた速度データSS以下になったか否かを判断する。速度データSPが速度データSSを超えるときには、ステップS85からステップS86に移行する。ステップS86では、現在のデューティ比Dをデータ記憶エリア84から読み出す。
【0057】
ステップS87では、データ記憶エリア54から読み出した現在のデューティ比Dが最小デューティ比D以上になったか否かを判断する。この最小デューティ比Dは、通常「40」である。デューティ比Dが最小デューティ比Dを超えるときには、ステップS57からステップS88に移行し、デューティ比Dを所定の減分DI減少させてセットする。このセットされたデューティ比Dはデータ記憶エリア54に記憶される。なお、この減分DIは、たとえば「5」である。ステップS88で、デューティ比Dが最小デューティ比D以下と判断するとステップS89に移行する。ステップS89では、デューティ比Dを最小デューティ比Dにセットする。そしてステップS88又はステップS89でセットされたデューティ比に応じた駆動パルス信号DSがPWM駆動回路45に出力される。
【0058】
一方、ステップS85で、読み込んだ速度データSPがセットされた速度段数SCに応じた速度データSS以下になったかと判断すると何も処理せずキー入力処理に戻る。また、ステップS88又はS89の処理が終わるとキー入力処理に戻る。
この減速処理でも、状態変更レバー32を減速側に操作している時間だけ速度段数SCをダウンし、ダウンした速度段数SCに応じた巻き上げ速度までスプール10の巻き上げ速度を減少させる。また、状態変更レバー32の操作をやめると、再度、状態変更レバー32が操作されるまで速度増加処理や速度減少処理は行われないので、速度減少結果の速度段数SCが維持され、その巻き上げ速度が維持される。
【0059】
ステップS27の張力減少処理では、図13のステップS91で、前にセットされた張力段数TCをデータ記憶エリア54から読み出す。ここで、データ記憶エリア54には、張力段数TCが増加又は減少するごとにその値が記憶される。また、電源が投入されたとき及びモータスイッチPWが押されてモータ12が停止したときに、張力段数TCが「0」にセットされ、データ記憶エリア54に記憶される。
【0060】
ステップS92では、読み出した張力段数TCを1段ダウンする。このときの減少した張力段数TCは、表示処理において張力段数表示領域5eに表示されるとともに、データ記憶エリア54に記憶される。なお、モータスイッチPWが押された直後は、張力段数TCが1段アップして「1」にセットされる。また、張力段数TCが「1」にセットされるとそれ以上減少することはない。
【0061】
ステップS93では、糸巻径SDの算出処理を行う。図11に示す糸巻径算出処理は、張力増加処理と同様であるで説明を省略する。ステップS94では、算出した糸巻径SDと減少した張力段数TCとに応じたデューティ比TSを張力データ記憶エリア53から読み出しセットする。そしてセットされたデューティ比TSに応じた駆動パルス信号DSをPWM駆動回路45に出力する。これにより、設定されるデューティ比TSが糸巻径SDにより補正されたものになり、釣り糸に作用する張力が常に設定された張力に近くなる。
【0062】
この張力減少処理でも、状態変更レバー32を減少側に操作している時間だけ張力段数TCをダウンし、ダウンした張力段数TCに応じた張力になるように糸巻径に応じたデューティ比TSが読み出されセットされる。また、状態変更レバー32の操作をやめると、再度、状態変更レバー32が操作されるまで張力増加処理や張力減少処理は行われないので、張力減少結果の張力段数TCが維持され、その張力が維持される。この結果、負荷が大きくなると速度は遅くなり、負荷が小さくなると速度は速くなる。このため、負荷が小さい仕掛けの回収時などに仕掛けを高速で回収でき、手返しが速くなる。しかも糸巻径に応じてデューティ比TSが設定されているので、釣り糸に作用する張力が一定になる。このため、巻き上げ時にハリス切れや口切れを生じにくくなるとともにドラグの調整を行う必要がなくなる。
【0063】
ステップS7の各動作モード処理では、図14のステップS101でスプール10の回転方向が糸繰り出し方向か否かを判断する。この判断は、スプールセンサ41のいずれのリードスイッチが先にパルスを発したか否かにより判断する。スプール10の回転方向が糸繰り出し方向と判断するとステップS101からステップS102に移行する。ステップS102では、スプール回転数が減少する毎にスプール回転数から記憶部46に記憶されたデータを読み出し水深を算出する。この水深がステップS2の表示処理で表示される。ステップS103では、得られた水深が底位置に一致したか、つまり、仕掛けけが底に到達したか否かを判断する。底位置は、仕掛けけが底に到達したときにメモスイッチTBを押すことで記憶部46にセットされる。ステップS104では、他のモードか否かを判断する。他のモードではない場合には、各動作モード処理を終わりメインルーチンに戻る。
【0064】
水深が底位置に一致するとステップS103からステップS105に移行し、仕掛けけが底に到達したことを報知するためにブザー44を鳴らす。他のモードの場合には、ステップS104からステップS106に移行し、指定された他のモードを実行する。
スプール10の回転が糸巻き取り方向と判断するとステップS101からステップS107に移行する。ステップS107では、スプール回転数から記憶部46に記憶されたデータを読み出し水深を算出する。この水深がステップS2の表示処理で表示される。ステップS108では、水深が船縁停止位置に一致したか否かを判断する。船縁停止位置まで巻き取っていない場合にはメインルーチンに戻る。船縁停止位置に到達するとステップS108からステップS109に移行する。ステップS109では、仕掛けが船縁にあることを報知するためにブザー44を鳴らす。ステップS110では、モータ12をオフする。これにより魚が釣れたときに取り込みやすい位置に魚が配置される。この船縁停止位置は、たとえば水深6m以内で所定時間以上スプール10が停止しているとセットされる。
【0065】
この電動リールでは、モードスイッチMDにより張力モードが選択されると、張力段数毎に張力一定にモータ12が制御される。このため、巻き上げ時にハリス切れや口切れを生じにくくなる。しかも、オープンループ制御により張力を一定に制御しているので、制御中にデューティ比が上下に変動せずに糸巻径に応じてデューティ比が徐々に増えるだけになる。このため、張力一定制御時のスプールの回転速度の上下の変動を抑えることができ、ワウリング音を抑えて消費電力の増加を抑えることができる。しかも、現在の張力をたとえばトルク等で検出する必要がないので制御系の構成も簡素になる。
【0066】
また、駆動パルス信号DSの周波数FQは10kHz以上の高周波数であるため、電動モータの発熱量を抑えることができる。
〔他の実施形態〕
(a)前記実施形態では状態変更レバーの増加位置と減少位置との揺動によりモータの回転状態を設定したが、状態変更レバーの揺動量に応じてモータの回転状態を設定するようにしてもよい。このとき、モータの停止状態からの回転状態を設定するようにしてもよい。また、状態変更レバーに変えて単独のスイッチ渡等の操作回数や操作時間で速度又はトルクの段数の増減を設定するように構成してもよい。
【0067】
(b)前記実施形態では、速度制御とトルクによる張力制御とを選択できるように構成したが、いずれか一方の制御のみを行うようにしてもよい。
【0068】
【発明の効果】
本発明によれば、駆動パルス信号の周波数は10kHz以上の高周波数であるため、電動モータの発熱量を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を採用した電動リールの平面図。
【図2】その電動リールの表示部周辺の平面図。
【図3】その電動リールの制御ブロック図。
【図4】記憶部の格納内容を示す図。
【図5】PWM駆動回路の回路図。
【図6】スプール回転数とスプール1回転当たりの糸長との関係を示すグラフ。
【図7】その電動リールのメインルーチンを示すフローチャート。
【図8】キー入力処理サブルーチンを示すフローチャート。
【図9】速度増加処理サブルーチンを示すフローチャート。
【図10】張力増加処理サブルーチンを示すフローチャート。
【図11】糸巻径算出処理サブルーチンを示すフローチャート。
【図12】速度減少処理サブルーチンを示すフローチャート。
【図13】張力減少処理サブルーチンを示すフローチャート。
【図14】各動作モード処理サブルーチンを示すフローチャート。
【符号の説明】
1 リール本体
10 スプール
12 モータ
30 リール制御部
32 状態変更レバー
45 PWM駆動回路
60 電界効果トランジスタ
62 コンデンサ
DS 駆動パルス信号
FQ 周波数

Claims (7)

  1. 電動モータによりスプールを駆動する電動リールの前記電動モータを可変に制御する電動リールのモータ制御装置であって、
    前記電動モータの回転状態を設定する回転状態設定手段と、
    前記回転状態設定手段で設定された回転状態に応じてパルス幅が変化する10kHz以上の所定周波数の駆動パルス信号を出力するモータ制御部と、
    前記電動モータに接続され、電源からの直流電力を前記モータ制御部から出力された前記駆動パルス信号によりオンオフする電界効果トランジスタと、前記電界効果トランジスタでオンオフされた交流電力を平滑化するコンデンサとを有し、前記電動モータをパルス幅変調駆動するモータ駆動部と、
    を備えた電動リールのモータ制御装置。
  2. 前記所定周波数は15kHz以上20kHz未満である、請求項1に記載の電動リールのモータ制御装置。
  3. 前記コンデンサは積層型のセラミックコンデンサである、請求項1又は2に記載の電動リールのモータ制御装置。
  4. 前記コンデンサの容量は5μF以上50μF以下の範囲である、請求項3に記載の電動リールのモータ制御装置。
  5. 前記回転状態設定手段は、前記スプールの速度を複数段階に設定するための速度設定手段を有する、請求項1から4のいずれかに記載の電動リールのモータ制御装置。
  6. 前記回転状態設定手段は、前記スプールに巻き付けられる釣り糸の張力を複数段階に設定可能な張力設定手段を有する、請求項1から5のいずれかに記載の電動リールのモータ制御装置。
  7. 前記速度設定手段と張力設定手段とのいずれかを選択するための設定選択手段をさらに備える、請求項6に記載の電動リールのモータ制御装置。
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