JP3717089B2 - 電動リールのモータ制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、モータ制御装置、特に、釣り糸が巻き付けられるスプールを電動モータで駆動可能な電動リールのモータ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
釣り竿に装着されるリールとして、電動リールが知られている。電動リールは、釣り糸が巻き付けられるスプールをハンドル及びモータで回転させることが可能であり、釣り糸を所定の深さまで繰り出した後にモータオンスイッチを押せば、スプールが糸巻取方向に回転させられる。
【0003】
この種の電動リールでは、対象となる魚によっては高負荷での連続運転が強いられるため、スプール駆動用のモータの焼損を防止するための過負荷対策が重要である。従来、電動リールの過負荷対策として、一般に機械式のブレーカを設置することが多い。機械式のブレーカは安価であるが、作動を正確に設定するのが困難であり、実際に焼損を防止しようとすると通電停止が頻繁に生じやすい。通電停止が生じると、釣り人は、リールを巻きながら釣り竿を支えたりドラグを操作しなければならず、釣り人への負担が重くなる。
【0004】
頻繁な通電停止を防止するために、負荷が所定以上になると、通常の電力より低い制限電力を供給して通電停止回数を減少させる技術が知られている(特開平7−336879号)。この技術では、スプールの回転数により負荷を検出し、負荷が基準負荷以上になると、デューティ比が徐々に減少する制限電力を供給し、検出された負荷が基準負荷以上にならないようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の構成では、モータを停止することなく急激な負荷の上昇による焼損を防止できる。しかし、このような急激な負荷の上昇が生じなくても、基準負荷より少し小さい負荷でモータが長時間連続動作すると、モータの発熱により温度が徐々に上昇する。そして、この状態が続いてモータ内に熱が滞留すると、負荷が基準負荷を超えなくてもモータが焼損するおそれがある。
【0006】
本発明の目的は、急激な負荷の上昇や長期間の熱の滞留によるモータの焼損をモータを可及的に停止させることなく防止することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
発明1に係る電動リールのモータ制御装置は、釣り糸が巻き付けられるスプールを電動モータで駆動可能な装置であって、温度検出手段と、第1モータ制御手段と、負荷検出手段と、第2モータ制御手段とを備えている。温度検出手段は、電動モータが回転することにより生じる発熱に伴う温度を電動モータを駆動するモータ駆動用素子の温度により間接的に検出する。第1モータ制御手段は、温度検出手段で検出された温度に応じた電力により電動モータを制御する。負荷検出手段は、電動モータに供給された電流を検出する電流検出手段を有し、検出された電流値により、電動モータの変動する負荷を検出する。第2モータ制御手段は、負荷検出手段で検出された負荷が所定の上限値を超えた場合、温度に応じた電力に代えて負荷が前記上限値を超えないような電力により電動モータを制御する。
【0008】
このモータ制御装置では、モータ駆動用素子の温度により検出された電動モータの回転により生じる発熱に伴う温度に応じて予め定められた電力で電動モータが制御される。このため、高負荷が連続してモータ温度が徐々に増加してもそれに応じて電力が削減されて長期間の熱の滞留が抑制され、それによる焼損を防止できる。しかし、この制御だけでは、急激な負荷上昇に対応しづらい。そこで、負荷が突発的に所定の上限値を超えると、第1モータ制御手段による温度に応じた電力に代えて第2モータ制御手段により負荷が上限値を超えないような電力によりモータが制御される。このため、負荷が急激に増加することに伴う焼損と、熱の滞留に伴う電動モータの焼損とを、モータを可及的に停止させることなく防止できる。また、電動モータに供給された電流は負荷に反応して瞬時に変化するので、急激に変化する負荷を確実に検出できる。しかも、モータ駆動用素子によりモータの温度を間接的に検出しているので、モータ駆動用素子の温度上昇と電動モータの温度上昇との相関関係を予め確認する必要があるが、モータ駆動用素子はモータと離れて制御装置内に配置されることが多いため、温度検出手段を制御装置内に配置でき、温度検出手段の防水構造や配線が簡素になる。さらに、電動モータが温度上昇するとモータ駆動用素子も直ちに温度上昇するので、モータ駆動用素子の温度上昇と電動モータの温度上昇との相関関係を容易に確認できる。
【0009】
に係る電動リールのモータ制御装置は、発明1に記載の装置において、前記モータ駆動用素子は、前記モータをデューティ比に応じて駆動するためのPWM(パルス幅変調)駆動回路に用いられるFETである。
【0010】
発明に係る電動リールのモータ制御装置は、発明1又は2に記載の装置において、前記第1モータ制御手段は、温度に応じた電力を設定する電力設定手段と、検出された温度に応じて電力設定手段で設定された電力を供給する電力供給手段とを備える。この場合には、たとえば、電動モータが回転ロック状態で温度上昇が生じない電力を最低電力供給量として予め設定することで、熱の滞留による焼損がより生じにくくなる。
【0011】
発明に係る電動リールのモータ制御装置は、発明1からのいずれかに記載の装置において、電動モータに供給する電力を段階的に制御することでスプール回転速度を複数の変速段に変速可能であり、かつ各変速段毎に最大電力供給量を制限する第3モータ制御手段をさらに備える。この場合には、用途に応じて自由に巻き上げ速度を設定できる。
【0012】
発明に係る電動リールのモータ制御装置は、発明に記載の装置において、前記第3モータ制御手段は、高速段側が低速段側より最大電力供給量が多くなるように各変速段で前記電動モータを制御する。この場合には、高速側の最大電力供給量が低速側より多くなるので、仕掛けに魚が掛かったときによく使用される中低速領域では、口切れ、身切れしにくい必要最小限のパワーで釣り糸を巻き上げることができ、仕掛けを回収するときに使用される高速領域では、最高速最大パワーで運転でき、電動モータや制御素子の不必要な発熱を防止できる。
【0013】
発明に係る電動リールのモータ制御装置は、発明又はに記載の装置において、前記第1、第2及び第3モータ制御手段は、電動モータにパルス電力を供給し、パルス電力のパルス幅の最大デューティ比を検出された発熱、負荷及び各変速段に応じてそれぞれ変更することで電動モータに供給する電力を制御する。この場合には、電動モータを発熱、負荷及び各変速段に応じてPWM制御することで、それぞれの制御を一つの方式で容易に実現できる。
【0014】
発明に係る電動リールのモータ制御装置は、発明1からのいずれかに記載の装置において、前記第2モータ制御手段は、検出された電流値が上限値を超えると、上限値より低い所定の電流値となるように電動モータを制御し、所定の電流値より低い下限値より下がるとその制御を解除する。この場合には、負荷が上限値を超えると、それ以後直ちにそれ以下の電流値になるように制御されるので、急激に負荷が上昇してもそれによる焼損が生じにくくなる。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1に示す本発明の一実施形態を採用した電動リールは、糸繰り出し長さにより水深を表示する水深表示器を有するリールである。電動リールは、リールボディ1と、リールボディ1の側方に配置されたスプール回転用のハンドル2と、ハンドル2のリールボディ1側に配置されたドラグ調整用のスタードラグ3とを主に備えている。リールボディ1の内部にはハンドル2に連結されたスプール10が回転自在に支持されている。スプール10の内部にはスプール10を糸巻き上げ方向に回転駆動する直流駆動のモータ12が配置されている。また、リールボディ1の手前側側面には、ハンドル2及びモータ12とスプール10との駆動伝達をオンオフするクラッチ(図示せず)の操作レバー11が配置されている。このクラッチは、リールボディ1内に配置されたソレノイド27(図3)によってもオン状態(係合状態)にできる。このクラッチをオンすると,仕掛けの自重による糸繰り出し中に、糸繰り出し動作を停止できる。
【0016】
リールボディ1の上部には操作パネル4が固定されている。操作パネル4には、図2に詳しく説明するように、仕掛けの水深や2つの基準で棚位置を表示するための液晶ディスプレイからなる表示部5と、表示部5の周囲に配置された各種の操作キー部6とが設けられている。
【0017】
表示部5には、表示モード(上からモードと底からモード)に応じて異なる水深を表示する水深表示部5aと、各種のモードや動作状態を表示するためのモード表示部5bと、水底の水深Sを表示するための底メモ表示部5cと、表示モードに応じて上棚位置TU又は底棚位置TSを表示するための棚メモ表示部5dと、スプール10の巻き上げの9つの変速段を表示するための速度表示部5eとが含まれている。
【0018】
水深表示部5a、底メモ表示部5c及び棚メモ表示部5dは、正負3桁で水深を表示可能である。動作モード表示部5bは、「上 から」と「底から」との2種の文字のいずれかで表示モードを画面上に表示する。ここで、上からモードとは、リールを基準とした水面からの仕掛けの水深を表示するモードであり、底からモードとは水底を基準とした水底から仕掛けまでの距離を表示するモードである。このため、上からモードは、「上もの」と呼ばれる魚を釣るときに好適であり、底からモードは「底もの」と呼ばれる魚を釣るときに好適である。
【0019】
操作キー部6には、表示部5の右側に上下に並べて配置された速度調整キーSK及びモータオンオフボタンPBと、左側に上下に並べて配置されたさそいボタンIB、棚メモボタンTB及び底メモボタンSBとが設けられている。速度調整ボタンSKは、2つのスイッチからなるシーソー型のものであり、上スイッチを押すと変速段が速度が押している時間だけ徐々に高速側に移行し、下スイッチを押すと低速側に移行する。また、押すのを止めると中立位置に復帰してそのときの変速段を維持する。モータオンオフボタンPBは、モータ12のオンオフを行うとともに、それを押し続ける時間に応じてモータ12の変速段を低速側から高速側に移行する。そして、押すのを止めると、オフ位置に復帰してそのときの変速段を維持する。このようなモータオンオフボタンPBまたは速度調整キーSKの操作により変速段が選択されると、変速段に応じた速度までスプール回転数が増加または減少する。
【0020】
さそいボタンIBは、仕掛けを棚近傍でさそい上げるさそいモードをセットしたり、さそい学習を行ったり、さそいモードを解除する際に使用されるボタンである。棚メモボタンTBは、上からモードのときの上棚位置や底からモードのときの底棚位置を設定するためのボタンである。なお、棚メモボタンTBを3秒以上押し続けると、水深表示が0セットされる。底メモボタンSBは、水底の水深を設定するためのボタンである。また、底メモボタンSBを3秒以上押し続けると、表示モードを上からモードと底からモードとの間で切り換えできる。
【0021】
操作パネル4の左側部は、図1に示すように、スプール10に巻き付けられた釣り糸の実際の長さを計測するための糸長測定器15の取付面15aとなっている。リールボディ1の前面及び操作パネル4の後面には、糸長測定器15を装着するための係止部16,17がそれぞれ設けられている。また、取付面15aの裏面側には、糸長計測器15に取り付けられた回転する磁石(図示せず)を感知するリードスイッチからなる中継スイッチ22(図3)と各種警報音を出力するアラーム7(図3)とが設けられている。糸長測定器15は、スプール10に巻き付けられた釣り糸に回転するローラを常に接触させ、そのローラにより磁石を回転させることで、実際の釣り糸の繰り出し長さを計測するためのものであり、通常、新たに釣り糸をスプール10に巻き付けるときにのみ装着される。この糸長測定器15を使用して実際の糸長とスプール回転数との関係を学習することで、糸巻径により変化する糸長をスプール回転数によって正確に測定でき、この測定結果により仕掛けの水深を正確に表示できる。
【0022】
また、電動リールは、図3に示す制御部20を有している。制御部20は、操作パネル4内に配置されたCPU,RAM,ROM,I/Oインターフェイス等を含むマイクロコンピュータを備えており、制御プログラムに従って後で説明する各種の制御動作を実行する。制御部20には、操作キー部6の各種のボタンと、スプール10の回転方向及び回転数を検出するための1対のリードスイッチからなるスプール回転センサ21と、中継スイッチ22と、モータ12に供給された電流値を検出するための電流検出センサ23と、温度センサ24とが接続されている。電流検出センサ23は、後述するPWM駆動回路25に用いられるモータモータ駆動用素子であるFET25aの両端の分圧を検出することでモータ12に供給された電流を検出する。なお、電流検出機能付のFETを用いる場合には、電流検出センサ23は不要である。温度センサ24は、FET25aの温度によりモータ12の温度を間接的に検出する。ここで、電流検出センサ23と温度センサ24は、制御部20とともに操作パネル4内に配置されている。このように、操作パネル内に配置されたFET25aの温度によりモータ12の温度を検出することで、操作パネル4外に配置されたモータ12の温度を直接検出する構成に比べて、配線や防水構造が簡素になる。
【0023】
また、制御部20には、アラーム7と、表示部5と、FET25aを用いたPWM駆動回路25と、各種の制御データを記憶する不揮発メモリからなる記憶部26と、クラッチオン用のソレノイド27と、他の入出力部とが接続されている。PWM駆動回路25にはモータ12が接続されている。なお、PWM駆動回路25とモータ12との間に機械式ブレーカを設けてもよい。機械式ブレーカを設けると、制御部20の暴走や電力制御だけでは解決しないトラブルが生じたときのためにフェイルセーフ機能を果たすことができる。
【0024】
記憶部26には、棚位置等の表示データを記憶する表示データ記憶エリア30と、実際の糸長とスプール回転数との関係を示す学習データを記憶する学習データ記憶エリア31と、PWM駆動回路25で用いられるモータ12の温度に応じた最大デューティ比DTUを記憶する第1デューティテーブル記憶エリア32と、PWM駆動回路25で用いられる変速段に応じた最大デューティ比DSUを記憶する第2デューティテーブル記憶エリア33と、種々のデータを記憶するデータ記憶エリア34とが設けられている。
【0025】
ここで、第1デューティテーブル記憶エリア32には、図10に示すように、FET25aの温度Tにより異なる最大デューティ比DTUが記憶されている。すなわち、温度Tが80度未満のときにはDTUが100%、80度以上90度未満のときには70%、90度以上のときには40%にそれぞれ設定される。この90度以上のときの最大デューティ比DTU(40%)は、実際にモータ12を回転ロック状態でモータ12(FET25a)の温度上昇がないことを確認して定められたものである。また、各設定温度(80度,90度)は、リールの機種やモータの種類等により設定される。このように、各温度Tで最大デューティ比DTUを変更することで、モータ12の温度が一定温度を超えることが少なくなり、長期間モータ12を駆動しても焼損しにくくなる。
【0026】
第2デューティテーブル記憶エリア33には、図11に示すように、たとえば、低速側の1〜3速では50%、4〜6速では65%、7,8速では80%、最高速の9速では100%の最大デューティ比DSUが記憶されている。このように変速段が高くなるに従い最大デューティ比DSUが大きくなるように設定すると、各速度において最大パワーに差が生じ、中低速では、口切れ、身切れがしにくい必要最小限のパワーで巻き上げることができる。また、仕掛け回収時には、従来のように、最高速最大パワーで巻き上げることができる。このため、モータやその制御素子の不必要な発熱を防止でき、長期間モータを使用しても焼損が生じにくくなり、モータが劣化及び損傷しにくくなる。
【0027】
データ記憶エリア34には、実際にセットされたデューティ比Dや2つのデューティテーブル記憶エリア32,33から読み出された最大デューティ比DTU,DSUやセットされた変速段SC等が記憶される。また、データ記憶エリア34には他の様々なデータが記憶される。
【0028】
次に、制御部20によって行われる制御処理を図5〜図9に示す制御フローチャートに従って説明する。
電動リールに図示しないバッテリーが接続されると、図5のステップS1において初期設定を行う。ここでは、水深表示を「0」にしたり、各種のフラグをリセットしたり、表示モードを上からモードに設定する。
【0029】
ステップS2では、表示処理を行う。表示処理では、表示部5での水深表示等の各種の表示を行う。ここで、上からモードのときには、水深表示部5aに上からの水深LNが、底からモードのときには水底からの距離Sが表示される。また、棚位置がセットされると、上からモードのときには棚メモ表示部5dに上棚位置TUが、底からモードのときには底棚位置TSが表示される。
【0030】
ステップS3では、操作キー部6の各種ボタンの操作によるキー入力がなされたか否かが判断される。ステップS4では、スプール10が回転したか否かが判断される。この判断は、スプール回転センサ21の出力により判断する。ステップS5では、他の指令がなされたか否かを判断する。
【0031】
キー入力がなされるとステップS3からステップS6に移行し、図6に示すキー入力処理を行う。スプール10が回転していると判断するとステップS4からステップS7に移行し、中継スイッチ22がオンしているか否かを判断する。中継スイッチ22は、糸長測定器15が装着され糸長とスプール10の回転位置との関係を学習するときにのみオンする。中継スイッチ22がオンして場合には、ステップS8に移行しスプール10の回転と糸長との関係を学習する学習モード処理に移行する。この学習モード処理では、糸長(水深)LNとスプール10の回転データNとの関係を示すマップデータMAP(N)を算出して学習データ記憶エリア31に記憶する。中継スイッチ22がオンしていない場合には、ステップS9に移行し各モード処理を実行する。他の指令がなされるとステップS5からステップS10に移行し、指令に応じた他の処理を行う。
【0032】
ステップS6のキー入力処理では、図6のステップS21でモータオンオフボタンPBが押されたか否かを判断する。ステップS22では速度調整ボタンSKの上スイッチが押されたか否かを判断する。ステップS23では速度調整ボタンSKの下スイッチが押されたか否かを判断する。ステップS24では棚メモボタンTBが押されたか否かを判断する。ステップS25では底メモボタンSBが押されたか否かを判断する。ステップS26では、底メモボタンSBの長時間(たとえば3秒以上)のキー入力や底メモボタンSBと棚メモボタンTBとの同時操作やさそいボタンIBのキー入力等の他のキー入力がなされたか否かを判断する。
【0033】
モータオンオフボタンPBが押されるとステップS21からステップS30に移行する。ステップS30ではモータ12が既にオンしているか否かを判断する。モータ12が既にオンしている場合にはステップS31に移行しモータ12を停止する。モータ12がオフの場合にはステップS32に移行しモータ12をオンする。ステップS33では、変速段を押している時間だけアップする。このときの変速段SCは表示処理において速度表示部5eに表示されるとともに、データ記憶エリア34に記憶される。ステップS34では、図7に示すモータ増速処理を行う。
【0034】
速度調整ボタンSKの上スイッチが押されるとステップS22からステップS35に移行する。ステップS35では、変速段を押している時間だけアップする。このときの変速段SCは表示処理において速度表示部5eに表示されるとともに、データ記憶エリア34に記憶される。ステップS36では、前述のモータ増速処理を行う。
【0035】
速度調整ボタンSKの下スイッチが押されるとステップS23からステップS37に移行する。ステップS37では、変速段を押している時間だけダウンする。このときの変速段SCも表示処理において速度表示部5eに表示されるとともに、データ記憶エリア34に記憶される。ステップS38では、図8に示すモータ減速処理を行う。
【0036】
棚メモボタンTBが押されるとステップS24からステップS39に移行する。ステップS39では、この時の水深LNを上棚位置TUとして棚位置データ記憶エリア30に記憶する。ステップS40では、水底の水深Sからそのときの水深LNを引いた値を底棚位置SUとして棚位置データ記憶エリア30に記憶する。
【0037】
底メモボタンSBが押されるとステップS25からステップS41に移行する。ステップS41では、この時の水深LNを水底の水深Sとして棚位置データ記憶エリア30に記憶する。
【0038】
他のキー入力がなされた場合にはステップS26からステップS42に移行し、押されたキーに応じた他のキー入力処理を行う。たとえば、底メモボタンSBが3秒以上押されると、表示モードが上からと底からとで切り換えられる。また、さそいボタンIBが押されると動作モードがさそいモードに切り換えられる。
【0039】
モータ増速処理では、図7のステップS51で温度センサ24によりFET25aの温度Tを読み込む。ステップS52では、第1デューティテーブル記憶エリア32から検出された温度Tでの温度最大デューティ比を読み出し、データ記憶エリア34にセットする。ステップS53では、変速段SCを読み出す。ステップS54では、読み出した変速段SCに応じた変速段最大デューティ比を第2デューティテーブル記憶エリア33から読み出し、データ記憶エリア34にセットする。ステップS55では、セットされた変速段最大デューティ比DSUが温度最大デューティ比DTUより大きいか否かを判断する。変速段最大デューティ比DSUが温度最大デューティ比DTUより小さいときには、ステップS56に移行し、実最大デューティ比Dを変速段により求めた変速段最大デューティ比DSUにセットする。大きいときには、ステップS57に移行し、実最大デューティ比DUを温度により求めた温度最大デューティ比DTUにセットする。
【0040】
ステップS58では、現在のデューティ比Dが実最大デューティ比DU以上になったか否かを判断する。デューティ比Dが実最大デューティ比DU以上になった場合には、ステップS59に移行し、デューティ比Dを実最大デューティ比DU にセットする。また、デューティ比Dが実最大デューティ比DU未満の場合には、ステップS60に移行し、デューティ比Dを所定の増分DI増加させる。この増分DIは、たとえば「5」である。なお、このとき、セットされた変速段SCに応じたスプール回転数に到達すると、デューティ比Dが実最大デューティ比DU未満であってもデューティ比Dを増加しない。逆にセットされた変速段SCに応じたスプール回転数に到達しなくても、デューティ比Dが実最大デューティ比DUを超えるとデューティ比Dを増加しない。
【0041】
ステップS61では電流検出センサ23の電流値Iを読み込む。ステップS62では、読み込んだ電流値Iが上限電流値IUを超えたか否かを判断する。ステップS63では、読み込んだ電流値Iが下限電流値ILより低下したか否かを判断する。電流値Iが上限電流値IUを超えた場合にはステップS62からステップS64に移行し、モータ12に16Aの電流値が流れるようなデューティ比DE をデューティ比Dにセットする。電流値Iが下限電流値ILより低下した場合には処理を終了し、低下していない場合には、ステップS63からステップS65に移行し、デューティ比DEをデューティ比Dにセットする。ここでは、図12に示すように、電流値Iが上限電流値IUを超えると、所定の時定数τの後それより低い電流値(たとえば16A)に電流値Iを維持するように供給電流を制御し、下限電流値IL以下になると、その制御を解除する。このように、電流値Iが上限電流値ILを超えると、それより低い電流値を維持するようにモータ12への供給電流を制御することで、急激な負荷の上昇によるモータ12や制御素子の劣化・損傷を抑えることができ、温度による制御では追いつけないような急激な負荷上昇にも対応できる。
【0042】
モータ減速制御では、図8のステップS71で現在のデューティ比Dが実最小デューティ比DL以下になったか否かを判断する。デューティ比Dが実最小デューティ比DL以下になった場合には、ステップS72に移行し、デューティ比Dを実最小デューティ比DLにセットする。また、デューティ比Dが実最小デューティ比DLを超える場合には、ステップS73に移行し、デューティ比Dを所定の減分DD減少させる。この減分DDは、たとえば「5」である。なお、ここでも、負荷が大きくなって、セットされた変速段SCに応じたスプール回転数に到達した場合には、デューティ比Dが実最小デューティ比DLを超えていてもデューティ比Dを減少しない。
【0043】
各モード処理では、図9のステップS81でスプール10の回転が糸繰り出し方向の回転か否かを判断する。この判断はスプール回転センサ21のいずれのリードスイッチが先にオンしたかにより行う。スプール10の回転方向が糸繰り出し方向と判断するとステップS82に移行する。ステップS82では、回転データNを増加する。ステップS83では、増加された回転データNからマップデータMAPにより水深LNを求める。これにより表示処理で水深表示が更新される。ステップS84では、算出された水深LNが上棚位置TUと一致するか否かを判断する。ステップS85では、他のモードか否かを判断する。他のモードではない場合には、各モード処理を終わりメインルーチンに戻る。
【0044】
水深LNが上棚位置TUに一致するとステップS84からステップS86に移行する。ステップS86ではアラーム7から棚アラームを出力する。ステップS87では、ソレノイド27をオンしてクラッチをオンする。他のモードの場合にはステップS85からステップS88に移行し、他のモード処理を実行する。
【0045】
スプール10の回転方向が糸巻き上げ方向と判断するとステップS81からステップS90に移行する。ステップS90では、回転データNを減少する。ステップS91では、増加された回転データNからマップデータMAPにより水深LNを求める。これにより表示処理で水深表示が更新される。ステップS92では、水底の水深Sから算出された水深LNを引いた減算値が底棚位置TSと一致するか否かを判断する。ステップS93では、算出された水深LNが船縁停止位置FBと一致するか否かを判断する。この船縁停止位置FBは、仕掛けが手元に戻るようにセットされた位置である。
【0046】
減算値が底棚位置TSに一致するとステップS92からステップS94に移行する。ステップS94ではアラーム7から棚アラームを出力する。ステップS95ではモータ12をオフする。水深LNが船縁停止位置FBに一致するとステップS93からステップS96に移行する。ステップS96ではアラーム7から船縁アラームを出力する。ステップS97ではモータ12をオフする。
【0047】
〔他の実施形態〕
) 電流によりモータを制御する構成にかえて、電圧によりモータを制御してもよい。たとえば、モータと制御部との間にFETを用いたDC−DCコンバータを配置し、DC−DCコンバータから負荷に応じた電圧をモータに供給してもよい。
(b) モータは直流モータに限定されず、交流モータやステッピングモータを使用することもできる。
【0048】
【発明の効果】
本発明に係る電動リールのモータ制御装置では、モータ駆動用素子の温度により検出された電動モータの回転により生じる発熱に伴う温度に応じて予め定められた電力で電動モータが制御されるため、高負荷が連続してモータ温度が徐々に増加してもそれに応じて電力が削減されて長期間の熱の滞留が抑制され、それによる焼損を防止できる。また、負荷が突発的に所定の上限値を超えると、第1制御手段による温度制御より優先して、以後それを超えないように電動モータに供給される電力が制御され制御された電力を供給し続ける。このため、負荷が急激に増加することに伴う焼損と、熱の滞留に伴う電動モータの焼損とを、モータを可及的に停止させることなく防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態が採用された電動リールの平面図。
【図2】 その操作パネルの平面拡大図。
【図3】 リールの制御ブロック図。
【図4】 記憶部のエリア構成を示す模式図。
【図5】 メインルーチンの処理内容を示すフローチャート。
【図6】 キー入力処理の内容を示すフローチャート。
【図7】 モータ増速処理の内容を示すフローチャート。
【図8】 モータ減速処理の内容を示すフローチャート。
【図9】 各モード処理の内容を示すフローチャート。
【図10】 温度と最大デューティ比との関係を示すグラフ。
【図11】 変速段と最大デューティ比との関係を示すグラフ。
【図12】 電流制御時の電流の変化を示すグラフ。
【符号の説明】
10 スプール
12 モータ
20 制御部
23 電流検出センサ
24 温度センサ
25 PWM駆動回路
25a FET
26 記憶部

Claims (7)

  1. 釣り糸が巻き付けられるスプールを電動モータで駆動可能な電動リールのモータ制御装置であって、
    前記電動モータが回転することにより生じる発熱に伴う温度を前記電動モータを駆動するモータ駆動用素子の温度により間接的に検出する温度検出手段と、
    前記温度検出手段で検出された温度に応じた電力により前記電動モータを制御する第1モータ制御手段と、
    前記電動モータに供給された電流を検出する電流検出手段を有し、検出された電流値により、前記電動モータの変動する負荷を検出する負荷検出手段と、
    前記負荷検出手段で検出された負荷が所定の上限値を超えた場合、前記温度に応じた電力に代えて前記負荷が前記上限値を超えないような電力により前記電動モータを制御する第2モータ制御手段と、
    を備えた電動リールのモータ制御装置。
  2. 前記モータ駆動用素子は、前記モータをデューティ比に応じて駆動するためのPWM(パルス幅変調)駆動回路に用いられるFETである、請求項1に記載の電動リールのモータ制御装置。
  3. 前記第1モータ制御手段は、温度に応じた電力を設定する電力設定手段と、前記検出された温度に応じて前記電力設定手段で設定された電力を供給する電力供給手段とを備える、請求項1又は2に記載の電動リールのモータ制御装置。
  4. 前記電動モータに供給する電力を段階的に制御することで、スプール回転速度を複数の変速段に変速可能な第3モータ制御手段をさらに備える、請求項1から3のいずれかに記載の電動リールのモータ制御装置。
  5. 前記第3モータ制御手段は、高速段側が低速段側より最大電力供給量が多くなるように各変速段で前記電動モータを制御する、請求項4に記載の電動リールのモータ制御装置。
  6. 前記第1、第2及び第3モータ制御手段は、前記電動モータにパルス電力を供給し、前記パルス電力のパルス幅の最大デューティ比を前記検出された温度、負荷及び前記各変速段に応じてそれぞれ変更することで前記電動モータに供給する電力を制御する、請求項4又は5に記載の電動リールのモータ制御装置。
  7. 前記第2モータ制御手段は、前記検出された電流値が上限値を超えると、前記上限値より低い前記所定の電流値となるように前記電動モータを制御し、前記所定の電流値より低い下限値より下がるとその制御を解除する、請求項1から6のいずれかに記載の電動リールのモータ制御装置。
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