JP3977525B2 - 電動リール - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動リール、特に、数段に巻き上げ速度を切り換えることのできる電動リールに関する。
【0002】
【従来の技術】
糸巻き上げ時のスプールの回転をモータで行う電動リールは、リール本体と、リール本体に回転自在に支持されたスプールと、スプールを回転させるハンドルと、スプールを巻き上げ方向に駆動する電動のモータとを備えている。リール本体の上面には、水深表示用のディスプレイや各種の入力を行うスイッチが設けられた操作パネルが装着されている。
【0003】
電動リールでは、巻き上げ速度を変更できると便利である。たとえば、仕掛けをカラ巻きするときには高速で巻き上げ、シャクリやさそいを行うときには低中域で巻き上げることができると便利である。
【0004】
このような巻き上げ速度の変更を行うために、操作パネルに段を切り換えるスイッチ(ボタン)を設けた電動リールが知られている。通常、電動リールはデューティ比を変更することにより巻き上げ速度を数段階に切り換えることが可能となっており、釣り人は、段の切り換えによって適当な巻き上げ速度を選択することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、従来の電動リールにおいても、段を切り換えることで、巻き上げの目的に合わせて釣り人が巻き上げ速度を選択することが可能である。しかしながら、従来の電動リールにおいては、電動リールのメーカー(生産者)が設定した各段の巻き上げ速度から釣り人が適当な巻き上げ速度(段)を選択するような方式となっており、釣り人が任意の巻き上げ速度を決めることはできない。釣り人の立場からは、特にシャクリやさそい時においては対象魚種に合わせて極め細かい巻き上げ速度の選択ができることが望ましいが、従来の電動リールでは各段の巻き上げ速度の中間に位置するような巻き上げ速度や最低段の巻き上げ速度よりも遅い巻き上げ速度を選択することはできない。
【0006】
これを解消するために、ボリュームやポテンションメーターによって無段階にモータを変速させることで巻き上げ速度の無段階変速を可能とさせることが考えられるが、この場合には、ある巻き上げ速度から異なる巻き上げ速度に切り換えた後に再び元の巻き上げ速度に戻したいときに、レバーやダイヤルの微妙な位相差を合わせて元の巻き上げ速度を再現することが極めて困難となる。すなわち、無段階に巻き上げ速度を変更できるようにしたのでは、シャクリやさそい時等の所定の巻き上げ速度の再現性を保つことが難しくなり釣り人に不便を強いることになる。
【0007】
本発明の課題は、巻き上げ速度をきめ細かく変更することが可能であり、且つ所定の巻き上げ速度の再現性を保つことのできる電動リールを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
発明1に係る電動リールは、リール本体と、スプールと、電動のモータと、手動のハンドルと、制御装置とを備えている。スプールは、リール本体に回転可能に支持されている。ハンドルは、スプールを回転させる。モータは、スプールを回転させる。制御装置は、段切換手段と設定変更手段とを有しており、モータの回転速度を制御する。段切換手段は、複数の段を切り換える。これらの複数の段は、それぞれモータの設定回転速度を有している。また、設定変更手段は、少なくとも1つの段の設定回転速度を変更する。そして、設定変更手段は、段が有する所定の速度域内の最低回転速度でモータを回転させているときに操作者がさらにハンドルによりスプールの回転を増速させたときのスプールの回転速度をハンドルによる増速無しに達成し得るモータの回転速度を、設定回転速度とする。
【0009】
この電動リールでは、段切換手段によって段を切り換えることでモータの回転速度を変えることができる。したがって、シャクリやさそいの動作を行う場合には遅い速度でスプールを回させ、エサの付け替えやコマセの詰め替えを行う場合には速い速度でスプールを回転させること等が可能である。
【0010】
また、ここでは、設定変更手段を設けて所定の段(少なくとも1つの段)が有している設定回転速度を変更することを可能にしている。したがって、電動リールを操作する釣り人が所定の段における回転速度を遅くしたいあるいは速くしたいというような場合に、これが可能である。すなわち、例えばシャクリやさそい時の巻き上げ速度を対象魚種に合わせて変更したい場合に、この所望する速度が所定の段とそれに隣接する段との設定回転速度間に存在するときにも、釣り人がこの速度を所定の段の設定回転速度として割り当てることができる。
【0011】
一方、所定の段の設定回転速度を変更できるようにするとともに、段を切り換えることによって巻き上げ速度を変更する手段も従来どおり残しているため、さそい等で使用する巻き上げ速度からアタリがあったとき等の高速の巻き上げ速度に切り換える場合には、段の切り換えにより巻き上げ速度を高速にすることができる。そして、さそい等で使用する低速の所定の段では釣り人が設定した設定回転速度が段を切り換えた後にも持続しているため、再びさそい等を行うために前記の所定の段に段を切り換えると、釣り人が設定した回転速度が正確に再現されることになる。
【0012】
このように、本発明の電動リールでは、巻き上げ速度をきめ細かく変更することが可能であり、且つ所定の巻き上げ速度の再現性を保つことができる。
【0013】
さらに、ここでは、操作者は、モータによる巻き上げ速度に、自らがハンドルによってスプールを回すその回転速度を加えることにより、所定の段における設定回転速度を設定することができる。段の設定回転速度を変更しようとするときには、まず設定変更手段は所定の速度域内の最低の速度でモータを回転させてスプールを回す。そして、操作者がこの回転に加えてハンドルによってスプールを回すとスプールの回転数が増加するが、このスプールの回転に対応するようなモータの回転速度を設定変更手段はその段の設定回転速度に設定する。
【0014】
このような段の設定回転速度の設定方法を採用することにより、操作者が自らハンドルを回すことによって速度調整を行いながら所望の設定回転速度を設定することができるようになる。
【0015】
発明2に係る電動リールは、発明1に記載の電動リールにおいて、設定変更手段は、操作者の操作によって、段切換手段により選択された段の設定回転速度を変更する。
【0016】
操作者は、釣りをしながら、その選択されている段において巻き上げられているときのその速度を調整したいという要望はあっても、わざわざ現在使用していない他の段の設定回転速度を変更したいと思うことは稀である。他の段の設定回転速度を変更する場合には、他の段に切り換えてから、そこで設定回転速度を変更すればよい。したがって、ここでは、その時点で段切換手段により選択されている段について、設定変更手段によりその設定回転速度を変更できるようにしている。これにより、設定変更手段によって設定回転速度を変更する際に操作者にどの段の設定回転速度を変更するのかの選択をさせる必要がなくなり、操作が簡易化する。
【0017】
発明3に係る電動リールは、発明1又は2に記載の電動リールにおいて、設定変更手段は、段が有する所定の速度域内においてモータの設定回転速度を変更する。
【0018】
本発明の電動リールでは、段切換手段による段の切り換えによっても巻き上げ速度の変更が可能であり、所定の段における設定回転速度の変更によっても巻き上げ速度の変更が可能である。よって、所定の段の設定回転速度が、隣接する高速段の設定回転速度を上回ったり、隣接する低速段の設定回転速度を下回ったりすることも考えられる。この場合には、高速段に切り換えたときに巻き上げ速度が低下したり、低速段に切り換えたときに巻き上げ速度が速くなったりするという事態が生じ、操作者の速度設定に起因するとはいえ、操作感覚が低下することになる。
【0019】
そこで、ここでは、設定変更手段による設定回転速度の変更は、段が有する所定の速度域内においてのみ変更可能とする制限を設けている。これにより、上記のような不具合を回避することが可能となる。なお、このような制限により所定の段において一定レベル以上(あるいは以下)の速度には設定ができなくなるが、この場合には段を切り換えて隣接する段において設定回転速度を変更させればよい。
【0020】
発明4に係る電動リールは、発明1から3のいずれかに記載の電動リールにおいて、設定変更手段は、段が有する所定の速度域内においてモータの回転速度を変動させ、操作者による設定指令が出された時点のモータの回転速度をその段の設定回転速度とする。
【0021】
ここでは、操作者が段の設定回転速度を変更させようとすると、まず設定変更手段がその段の所定の速度域内においてモータの回転速度を変動させる。ここで、操作者が所望の速度のときにスイッチ等によって合図を送ると、設定変更手段は、その指令(合図)が出された時点でのモータの回転速度をその段の設定回転速度として設定する。したがって、段の設定回転速度の変更を行う際の操作者の操作は、変動する巻き上げ速度から所望のものを選択するだけのものとなり、入力等の複雑な操作は必要とされない。
【0022】
発明5に係る電動リールは、発明1から4のいずれかに記載の電動リールにおいて、複数の段のうち1つの段は、モータの最高速度を不変の設定回転速度として有している。
【0023】
ここでは、複数の段のうち最高速となる1つの段については、モータの最高速度を設定回転速度に設定し、これを不変としている。これにより、最高速の段に段を切り換えてもモータの最高速とならないという不適当な設定がされてしまう不具合が回避される。すなわち、巻き上げ速度が最速となる段において、操作者が段の設定回転速度を遅くしてしまうということがなくなり、モータの最高速度による最高巻き上げ速度が最速の段において確保される。
【0024】
【発明の実施の形態】
[基本的構成]
<電動リールの全体構成>
図1に示す本発明の一実施形態を採用した電動リールは、リール本体1、リール本体1の側方に配置されたスプール回転用のハンドル2、ハンドル2のリール本体1側に配置されたドラグ調整用のスタードラグ3等を備えている。リール本体1の内側には、ハンドル2に連結されたスプール10が回転自在に支持されている。スプール10の内部には、スプール10を糸巻き上げ方向に回転駆動する直流駆動のモータ12(図3)が配置されている。なお、モータ12とスプール10との間には遊星減速機構(図示せず)が配置されている。
【0025】
また、リール本体1の手前側側面には、ハンドル2及びモータ12とスプール10との駆動伝達をオンオフするクラッチ(図示せず)の操作レバー11が配置されている。このクラッチは、リール本体1内に配置されたソレノイド27(図3)によってもオン状態(係合状態)にできる。このクラッチをオンすると、仕掛けの自重による糸繰り出し中に糸繰り出し動作を停止することができる。
【0026】
リール本体1の手前左側には、図示しないバッテリーからの電源コードが接続される電源コネクター13が配置されている。ここから取り入れられた電力によって、モータ12、後述する制御部20、及び各種機器が作動する。
【0027】
<操作パネルの構成>
リール本体1の上部には操作パネル4が固定されている。操作パネル4には、図2に詳しく示すように、仕掛けの水深等を表示するための液晶ディスプレイからなる表示部5と、表示部5の周囲に配置された各種の操作キー部6とが設けられている。
【0028】
表示部5には、水深を表示する水深表示部5aと、各種のモードや動作状態を表示するためのモード表示部5bと、棚位置を表示するための棚メモ表示部5cと、スプール10の巻き上げの6つの変速段を表示するための速度表示部5dとが含まれている。
【0029】
操作キー部6には、表示部5の右側に上下に並べられた増速ボタンCV1及び減速ボタンCV2と、さらにこれらの右側に上下に並べられた高段切り換えボタンSK1及び低段切り換えボタンSK2と、これらの下側に配置されたモータオンオフボタンPBと、表示部5の下側に並べられたさそいボタンIB、船べりセットボタンHB、及び棚セットボタンTBとが設けられている。
【0030】
高段切り換えボタンSK1は、押すと変速段が徐々に高速側に移行するもので、低段切り換えボタンSK2は、押すと変速段が徐々に低速側に移行するものである。また、これらのボタンSK1,SK2を押すのを止めると、そのときの変速段を維持する。
【0031】
増速ボタンCV1及び減速ボタンCV2は、第0段から第5段までの6つある変速段のうち第1段から第4段までの各段において設定されている巻き上げ速度を、釣り人の操作によって変更するためのボタンである。第1段から第4段までのいずれかの段であるときに増速ボタンCV1が押されると、その段の巻き上げ速度が所定の範囲で増速される。また、減速ボタンCV2が押されると、その段の巻き上げ速度が所定の範囲で減速される。
【0032】
モータオンオフボタンPBは、モータ12のオンオフを行う。
【0033】
さそいボタンIBは、2回連続で押すことにより、仕掛けを棚近傍でさそい上げるさそいモードがセットされる。また、3秒以上連続で押すことにより、さそい学習モードになってさそい学習を行うことができる。また、1回押すことにより、さそいモードを解除することができる。
【0034】
船べりセットボタンHBは、仕掛けが手元にきた位置で3秒以上押すことにより、いわゆる船べりセットができる。
【0035】
棚セットボタンTBは、1回押し離すことによって、棚であるそのときの水深を棚深さとして記憶させることができる。また、仕掛けが水面にあるときに3秒以上連続で押すことにより、水深表示が0セットされる。
【0036】
操作パネル4の左側部は、スプール10に巻き付けられた釣り糸の実際の長さを計測するための糸長測定器(図示せず)の取付面15aとなっている。この糸長測定器は、通常、新たに釣り糸をスプール10に巻き付けるときにのみ装着される。この糸長測定器を使用して実際の糸長とスプール回転数との関係を学習することで、糸巻径により変化する糸長をスプール回転数によって正確に測定でき、この測定結果により仕掛けの水深を正確に表示できる。
【0037】
<制御部の構成>
また、電動リールは、図3に示す制御部20を有している。制御部20は、操作パネル4内に配置されたCPU,RAM,ROM,I/Oインターフェイス等を含むマイクロコンピュータを備えており、制御プログラムに従って後述する各種の制御動作を実行する。制御部20には、操作キー部6の各種のボタンと、スプール10の回転方向及び回転数を検出するための1対のリードスイッチからなるスプール回転センサ21と、中継スイッチ22とが接続されている。
【0038】
また、制御部20には、水深と棚位置との接近を知らせるアラーム7、表示部5、電流のパルス幅を変更してモータ12をデューティ制御するためのPWM駆動回路25、各種の制御データを記憶する不揮発メモリからなる記憶部26、クラッチオン用のソレノイド27、及び他の入出力部が接続されている。PWM駆動回路25にはモータ12が接続されている。ソレノイド27は、投入している仕掛けの水深が棚位置にきたときに、クラッチをオンさせるものである。
【0039】
記憶部26には、図4に示すように、棚位置等の表示データが記憶される表示データ記憶エリア30と、実際の糸長とスプール回転数との関係を示す学習データが記憶される学習データ記憶エリア31と、16種類のスプール10の回転速度データS(1)〜S(16)が記憶される速度データ記憶エリア32と、16種類の回転速度データS(1)〜S(16)から変速段SC毎に選ばれた設定回転速度データSS(0)〜SS(5)が記憶される設定速度データ記憶エリア33と、種々のデータを記憶するデータ記憶エリア34とが設けられている。
【0040】
速度データ記憶エリア32には、スプール10が釣り糸を約10m/分で巻き上げる回転速度データS(1)、約15m/分で巻き上げる回転速度データS(2)、20m/分で巻き上げる回転速度データS(3)、約30m/分で巻き上げる回転速度データS(4)等の16種類の回転速度データが記憶される。これらの中で最速の回転速度データS(16)は、スプール10が釣り糸を約150m/分で巻き上げるものである。
【0041】
設定速度データ記憶エリア33には、6つの変速段SCに対して、回転速度データS(x)(但し、変数xは1から16の自然数)の中から選ばれた1つのデータが、設定回転速度データSS(SC)として割り当てられ記憶される。初期設定では、第1段の設定回転速度データSS(1)には釣り糸を約50m/分で巻き上げる回転速度データS(6)が、第2段の設定回転速度データSS(2)には釣り糸を約70m/分で巻き上げる回転速度データS(8)が、第3段の設定回転速度データSS(3)には釣り糸を約90m/分で巻き上げる回転速度データS(10)が、第4段の設定回転速度データSS(4)には釣り糸を約110m/分で巻き上げる回転速度データS(12)が、第5段の設定回転速度データSS(5)には釣り糸を約150m/分で巻き上げる回転速度データS(16)が割り当てられ記憶されている。このうち、第5段の設定回転速度データSS(5)は不変であり、増速ボタンCV1や減速ボタンCV2を押しても変化しない。また、変速段SCが「5」にセットされているとき(第5段が選択されているとき)には、後述するデューティ比Dは最大デューティ比Dmaxにセットされる。なお、第0段の設定回転速度データSS(0)には「0」が設定されており、これも不変である。
【0042】
一方、第1段〜第4段の各段の設定回転速度データSS(SC)は、釣り人が増速ボタンCV1や減速ボタンCV2を押すことによって変化する。具体的には、第1段の設定回転速度データSS(1)は、回転速度データS(1)以上で第2段の設定回転速度データSS(2)未満の間で増減可能である。第2段の設定回転速度データSS(2)は、第1段の設定回転速度データSS(1)から第3段の設定回転速度データSS(3)までの間で増減可能である。第3段の設定回転速度データSS(3)は、第2段の設定回転速度データSS(2)から第4段の設定回転速度データSS(4)までの間で増減可能である。第4段の設定回転速度データSS(4)は、第3段の設定回転速度データSS(3)から第5段の設定回転速度データSS(5)までの間で増減可能である。
【0043】
なお、各回転速度データS(x)及び各設定回転速度データSS(SC)は、実際には遊星減速機構の減速比を乗算したモータ12の回転数のデータとして記憶されている。
【0044】
データ記憶エリア34には、実際にセットされたデューティ比Dやセットされた変速段SCやそれに対応して設定速度データ記憶エリア33から読み出された設定回転速度データSS(SC)が記憶される。また、データ記憶エリア34には他の様々なデータも記憶される。
【0045】
<制御部による制御処理>
(メインフロー)
次に、制御部20によって行われる主な制御処理を、図5〜図9に示す制御フローチャートに従って説明する。
【0046】
電動リールの電源コネクター13に図示しないバッテリーからの電源コードが接続されると、図5のステップS1において初期設定を行う。ここでは、水深表示を「0」にして、変速段を示す変数SCを「0」にセットする。
【0047】
ステップS2では、表示処理を行う。表示処理では、表示部5での水深表示等の各種の表示を行う。棚位置がセットされると、棚位置も表示される。
【0048】
ステップS3では、操作キー部6の各種ボタンの押圧によるキー入力がなされているか否かが判断される。キー入力がなされていると、ステップS3からステップS7に移行し、図6に示すキー入力処理(後述)を行う。
【0049】
ステップS4では、モータオンオフボタンPBがオンされているか否かが判断される。モータオンオフボタンPBがオンされていると、ステップS4からステップS8に移行し、図9に示す増減速処理(後述)を行う。
【0050】
ステップS5では、スプール10が回転しているか否かが判断される。この判断は、スプール回転センサ21の出力により判断する。スプール10が回転していると判断すると、ステップS5からステップS9に移行し、中継スイッチ22がオンしているか否かを判断する。中継スイッチ22は、糸長測定器が装着され糸長とスプール10の回転位置との関係を学習するときにのみオンする。中継スイッチ22がオンして場合には、ステップS10に移行し、スプール10の回転と糸長との関係を学習する学習モード処理を行う。この学習モード処理では、糸長(水深)とスプール10の回転データとの関係を示すマップデータを算出して、学習データ記憶エリア31に記憶する。中継スイッチ22がオンしていない場合には、ステップS11に移行して、水深と棚位置との接近や一致を判断してアラーム7からの棚アラームの出力やソレノイド27によるクラッチのオンを行ったり、算出された水深と船べり停止位置との一致を判断してアラーム7から船縁アラームを出力したりする各モード処理を実行する。
【0051】
ステップS6では、他の指令がなされたか否かを判断する。他の指令がなされると、ステップS6からステップS12に移行し、指令に応じた他の処理を行う。
【0052】
(キー入力処理)
ステップS7の図6に示すキー入力処理では、ステップS21で、モータオンオフボタンPBが押されているか否かを判断する。ステップS22では、高段切り換えボタンSK1が押されているか否かを判断する。ステップS23では、低段切り換えボタンSK2が押されているか否かを判断する。ステップS24では、増速ボタンCV1が押されているか否かを判断する。ステップS25では、減速ボタンCV2が押されているか否かを判断する。ステップS26では、さそいボタンIB、船べりセットボタンHB、あるいは棚セットボタンTBによるキー入力等の他のキー入力がなされたか否かを判断する。
【0053】
モータオンオフボタンPBが押されていると、ステップS21からステップS31に移行する。ステップS31では、モータオンオフボタンPBの立ち上がりか否か、つまり、モータオンオフボタンPBが押された直後か否かを判断する。モータオンオフボタンPBが押された直後の場合には、ステップP32に移行し、モータ12が既に回転しているか否かを判断する。モータ12が既に回転している場合には、ステップS32からS34に移行し、モータ12を停止させるとともに変速段SCを「0」にセットする。モータ12が回転しておらず停止している場合には、ステップ33に移行し、変速段SCを「1」にセットしてモータ12の回転を開始させる。
【0054】
高段切り換えボタンSK1が押されていると、ステップS22からステップS35に移行し、変速段SCを1段上げる(SC←SC+1)。但し、既に変速段SCが「5」であり最高段である第5段が選択されている場合には、変速段SCを「5」に保持する。ここで、データ記憶エリア34には、変速段SCが増加するごとにその値が記憶される。
【0055】
低段切り換えボタンSK2が押されていると、ステップS23からステップS36に移行し、変速段SCを1段下げる(SC←SC−1)。但し、既に変速段SCが「1」である場合には、変速段SCを「1」に保持する。ここで、データ記憶エリア34には、変速段SCが減少するごとにその値が記憶される。
【0056】
増速ボタンCV1が押されていると、ステップS24からステップS37に移行する。ステップS37では、図7に示す段設定増速処理を行う。
【0057】
減速ボタンCV2が押されていると、ステップS25からステップS38に移行する。ステップS38では、図8に示す段設定減速処理を行う。
【0058】
他のキー入力がなされた場合には、ステップS26からステップS39に移行し、押されたキーに応じた他のキー入力処理を行う。
【0059】
(段設定増速処理)
図7に示す段設定増速処理では、ステップS51で、データ記憶エリア34から読み出した変速段SCが「1」から「4」のいずれかであるか否かを判断する。変速段SCがこれらの中のいずれかであれば、ステップS51からステップS52に移行して、設定回転速度データSS(SC)を読み出す。次に、ステップS53では、設定回転速度データSS(SC)をアップさせる。具体的には、今まで設定回転速度データSS(SC)として記憶されていた回転速度データS(x)に代えて、回転速度データS(x+1)を設定回転速度データSS(SC)に割り当てる。
【0060】
但し、この設定回転速度データSS(SC)が設定回転速度データSS(SC+1)を超える場合には、このような設定の変更は行われない。このフローをステップS54からステップS56に示す。ここでは、設定回転速度データSS(SC+1)を読み出して、これを変更後の設定回転速度データSS(SC)と比較する。そして、設定回転速度データSS(SC)が設定回転速度データSS(SC+1)以上になるときには、設定回転速度データSS(SC)をダウンさせて基の値に戻す。
【0061】
(段設定減速処理)
図8に示す段設定減速処理では、ステップS61で、データ記憶エリア34から読み出した変速段SCが「1」から「4」のいずれかであるか否かを判断する。変速段SCがこれらの中のいずれかであれば、ステップS61からステップS62に移行して、設定回転速度データSS(SC)を読み出す。次に、ステップS63では、設定回転速度データSS(SC)をダウンさせる。具体的には、今まで設定回転速度データSS(SC)として記憶されていた回転速度データS(x)に代えて、回転速度データS(x−1)を設定回転速度データSS(SC)に割り当てる。但し、変速段SCが[1]であり、且つ既に設定回転速度データSS(1)に回転速度データS(1)が割り当てられている場合には、このような設定の変更は行われない。
【0062】
また、設定回転速度データSS(SC)が設定回転速度データSS(SC−1)以下となるような場合にも、このような設定の変更は行われない。このフローをステップS64からステップS66に示す。ここでは、設定回転速度データSS(SC−1)を読み出して、これを変更後の設定回転速度データSS(SC)と比較する。そして、設定回転速度データSS(SC)が設定回転速度データSS(SC−1)以下になるときには、設定回転速度データSS(SC)をアップさせて基の値に戻す。
【0063】
(増減速処理)
図9に示す増減速処理では、現在のスプール10の回転数である回転速度データSPと現在の変速段SCの設定回転速度データSS(SC)とを比較して、両者を合わせるようにデューティ比Dを調整してスプール10を回すモータ12の回転を増減速させる。また、変速段SCが「5」のときには、デューティ比Dを最大デューティ比Dmaxにセットする。
【0064】
ステップS71及びステップS72では、変速段SC及びその変速段SCに対応する設定回転速度データSS(SC)を読み出す。そして、ステップS73では、スプール回転センサ21の出力からスプール10の回転速度データSPを読み込む。
【0065】
ステップS74では、読み込んだ回転速度データSPが、読み出した現在の変速段SCの設定回転速度データSS(SC)以上になっているか否かを判断する。回転速度データSPが設定回転速度データSS(SC)未満のときには、ステップS74からステップS81に移行する。ステップS81では、現在のデューティ比Dをデータ記憶エリア34から読み出す。ステップS82では、データ記憶エリア34から読み出した現在のデューティ比Dが最大デューティ比Dmax−DI以上になっているか否かを判断する。この最大デューティ比Dmaxは、通常「100」であるが、変速段SCやモータ12の負荷等に応じて最大デューティ比Dmaxの設定を変更してもよい。また、DIは、予め決められているデューティ比を増減するときの所定の単位量であり、たとえば「5」である。デューティ比Dが最大デューティ比Dmax−DI未満のときには、ステップS82からステップS83に移行し、デューティ比Dを所定量DIだけ増加してセットする。この新たにセットされたデューティ比Dはデータ記憶エリア34に記憶される。ステップS82で、デューティ比Dが最大デューティ比Dmax−DI以上と判断するとステップS84に移行する。ステップS84では、デューティ比Dに最大デューティ比Dmaxをセットする。
【0066】
ステップS75では、読み込んだ回転速度データSPが、読み出した現在の変速段SCの設定回転速度データSS(SC)以下になっているか否かを判断する。回転速度データSPが設定回転速度データSS(SC)よりも大きいときには、ステップS75からステップS85に移行する。ステップS85では、現在のデューティ比Dをデータ記憶エリア34から読み出す。ステップS86では、データ記憶エリア34から読み出した現在のデューティ比Dが最小デューティ比Dmin+DI以下になっているか否かを判断する。この最大デューティ比Dminは、通常「40」である。デューティ比Dが最小デューティ比Dmin+DIよりも大きいときには、ステップS86からステップS87に移行し、デューティ比Dを所定量DIだけ減らしてセットする。この新たにセットされたデューティ比Dはデータ記憶エリア34に記憶される。ステップS86で、デューティ比Dが最小デューティ比Dmin+DI以下であると判断すると、ステップS88に移行する。ステップS88では、デューティ比Dに最小デューティ比Dminをセットする。
【0067】
ステップS76では、変速段SCが「5」であるか否かを判断する。変速段SCが「5」であれば、デューティ比Dを最大デューティ比Dmaxにセットする。
【0068】
<本電動リールの特徴>
(1)
この電動リールでは、高段切り換えボタンSK1及び低段切り換えボタンSK2によって変速段SCを切り換えることで、モータ12の回転速度を変えてスプール10による巻き上げ速度を変更することができる。したがって、シャクリやさそいの動作を行う場合には、低い変速段SCに切り換えて遅い速度でスプール10を回させ、エサの付け替えやコマセの詰め替えを行う場合には、最速の第5段に切り換えて速い速度でスプール10を回転させることができる。
【0069】
また、この電動リールでは、第1段から第4段の各変速段が持つ設定回転速度データSS(SC)を変更させるための増速ボタンCV1及び減速ボタンCV2を設けて、釣り人がこれらのボタンCV1,CV2を操作して所定の変速段の巻き上げ速度を変更することができるようにしている。したがって、電動リールを操作する釣り人が所定の変速段(第1段〜第4段)における巻き上げ速度を遅くしたいあるいは速くしたいというような場合に、これが可能である。これにより、例えばシャクリやさそい時の巻き上げ速度を対象魚種に合わせて変更したい場合に、この所望する速度が第1段から第4段の初期設定されている巻き上げ速度の中にないときにも、釣り人が所定の変速段の巻き上げ速度を変えて所望する速度に設定することができる。
【0070】
一方、所定の変速段の巻き上げ速度を変更できるようにするとともに、変速段SCを切り換えることによって巻き上げ速度を変更する手段も従来どおり残しているため、さそい等で使用する巻き上げ速度からアタリがあったとき等の高速の巻き上げ速度に切り換える場合には、変速段の切り換えにより容易に巻き上げ速度を高速にすることができる。そして、さそい等で使用する低速の所定の変速段では、釣り人が設定した巻き上げ速度、すなわち設定回転速度データSS(SC)が変速段SCを切り換えた後も設定速度データ記憶エリア33に記憶されているため、再びさそい等を行うために前記所定の変速段に段を切り換えると、釣り人が設定した巻き上げ速度が正確に再現されることになる。
【0071】
(2)
この電動リールにおいては、図7及び図8に示すように、増速ボタンCV1あるいは減速ボタンCV2を押すと、そのときの変速段SCに対してその設定回転速度データSS(SC)をアップあるいはダウンさせるような制御を行っている。これにより、所定の変速段の巻き上げ速度を変更する際に、釣り人がどの変速段の巻き上げ速度を変更するのかの選択をすることなく、自動的に現在の変速段の巻き上げ速度を変更できるようになっている。
【0072】
(3)
この電動リールは、上記のように、変速段SCの切り換えによっても巻き上げ速度の変更が可能であり、第1段から第4段の各変速段における設定回転速度データSS(SC)の変更によっても巻き上げ速度の変更が可能である。よって、所定の変速段の巻き上げ速度が、隣接する高速段の巻き上げ速度を上回ったり、隣接する低速段の巻き上げ速度を下回ったりすることも考えられる。この場合には、高速段に切り換えたときに巻き上げ速度が低下したり、低速段に切り換えたときに巻き上げ速度が速くなったりするという事態が生じ、操作感覚が低下する。
【0073】
これを防ぐために、この電動リールでは、第1段から第4段の設定回転速度データSS(SC)を、下の変速段の設定回転速度データSS(SC−1)から上の変速段の設定回転速度データSS(SC+1)までの間でのみ変更でき、それ以上あるいは以下となるような変更をできないように制御している。これにより、上記の不具合が回避されている。
【0074】
なお、このような制限により所定の変速段において一定レベル以上(あるいは以下)の速度設定ができなくなるが、この場合には変速段SCを切り換えて隣接する変速段において巻き上げ速度を変更すればよい。
【0075】
(4)
この電動リールでは、変速段SCが「5」であれば、デューティ比Dを最大デューティ比Dmaxにセットするように制御している。これにより、最高速の段である第5段に切り換えても、巻き上げ速度が最高速とならないという不具合が回避されている。
【0076】
[基本的構成の変形例]
上記の例においては、増速ボタンCV1及び減速ボタンCV2を設けて、釣り人がこれらのボタンCV1,CV2を操作することで所定の変速段の巻き上げ速度を変更することができるようにしているが、必ずしもこのように2つのボタンを設ける必要はない。
【0077】
ここでの電動リールは、上記例の図2に示す増速ボタンCV1及び減速ボタンCV2を有する操作パネル4の代わりに、図10に示す段変速ボタンCVを有する操作パネル4を備えている。
【0078】
この電動リールの制御においては、釣り人が所定の変速段の巻き上げ速度、すなわち設定回転速度データSS(SC)を変更させようと段変速ボタンCVを1回押すと、デューティ比Dが段々に変えられて巻き上げ速度が所定の速度域内において変動する。この所定の速度域とは、隣接する低速段及び高速段の巻き上げ速度により挟まれた速度域である。ここで、釣り人が巻き上げ速度が所望の速度であると判断したときにもう一度段変速ボタンCVを押すと、その時点での巻き上げ速度に相当する回転速度データS(x)がその変速段SCの設定回転速度データSS(SC)として設定速度データ記憶エリア33に記憶される。
【0079】
ここでは、変速段の巻き上げ速度の変更を行う際の釣り人の操作は、変動する巻き上げ速度から所望のものを選択して段変速ボタンCVを押すだけのものとなり、操作がシンプルなものとなっている。また、第1段から第4段に設定されている各巻き上げ速度を変更するためのボタンが段変速ボタンCVの1つだけであり、構成もシンプルとなる。
【0080】
[実施形態]
上記の例では、段変速ボタンCVの操作により変動する巻き上げ速度から釣り人が所望の巻き上げ速度を選んで設定するという制御を行っているが、この実施形態では、ハンドル2を使用して所定の変速段の巻き上げ速度を所望の値に設定するように制御させている。
【0081】
本実施形態の電動リールの制御においては、釣り人が変速段の巻き上げ速度、すなわち設定回転速度データSS(SC)を変更させようと段変速ボタンCVを1回押すと、所定の速度域内のうち最低の速度で巻き上げられるようにモータ12が回転させられる。ここで、釣り人は、ハンドル2を回してスプール10を増速させ、巻き上げ速度を所望の速度まで速くする。すると、これに伴い、ハンドル2の回転を止めても巻き上げ速度が低下しないように、デューティ比Dが上げられモータ12の回転速度が増加する。そして、釣り人が所望の巻き上げ速度になったと判断したときに再度段変速ボタンCVを押すことにより、そのときの巻き上げ速度がその変速段の巻き上げ速度としてセットされる。
【0082】
ここでは、釣り人は、モータ12による巻き上げ速度を、自らがハンドル2を回すことによって増速させて、所定の変速段における巻き上げ速度を設定することができる。このような設定方法を採用した場合は、釣り人が自らハンドル2を回すことによって、設定する巻き上げ速度の調整を行うことができる。
【0083】
[変形例]
上記の各例では、増速及び減速ボタンCV1,CV2あるいは段変速ボタンCVを高段及び低段切り換えボタンSK1,SK2とは別に設けて、これにより第1段から第4段の巻き上げ速度を変更できるようにしているが、巻き上げ速度の変更が可能な変速段を第1段だけに限定して、低段切り換えボタンSK2により第1段の巻き上げ速度を変更させるようにしても良い。
【0084】
ここでの電動リールは、図2に示す増速ボタンCV1及び減速ボタンCV2を有する操作パネル4の代わりに、図11に示すこれらのボタンCV1,CV2を有しない操作パネル4を備えている。
【0085】
この電動リールの制御においては、釣り人が第1段の巻き上げ速度を変更しようとするときには、変速段として第1段が選択され電動巻き上げが為されているときに、低段切り換えボタンSK2を所定時間以上、例えば3秒以上押し続ける。すると、速度表示部5dに表示されている第1段(操作パネル4には「低1段」と印字されている)左方の第1段を表す液晶表示が点滅して、設定されている巻き上げ速度を変更するモードに入ったことを釣り人に知らせる。ここでは、デューティ比Dが段々に変えられて巻き上げ速度が所定の速度の範囲において変動する。ここで、巻き上げ速度が釣り人の所望する速度になったときに、押し続けていた低段切り換えボタンSK2を離すと、そのときの巻き上げ速度が第1段の巻き上げ速度としてセットされ記憶される。この釣り人によりセットされ記憶された第1段の巻き上げ速度は、新たに釣り人により別の巻き上げ速度がセットされるまで、あるいはバッテリーからの電力供給がとぎれるまでは保持される。
【0086】
このように簡易な構成及び制御であっても、巻き上げ速度の最低速をさらにきめ細かく調整して、シャクリやさそいの効果を高めたいという釣り人の要求を満足させることが可能である。
【0087】
[他の実施形態]
上記実施形態では、16種類の回転速度データS(x)から適当なものを設定回転速度データSS(SC)に割り当てる方式を採っているが、回転速度データS(x)をさらに細分化してより極め細かい巻き上げ速度設定を可能にすることもできる。また、釣り人が所望の巻き上げ速度であると判断したときのスプール10の回転速度データSPをスプール回転センサ21の出力から読み込み、これを設定回転速度データSS(SC)としてセットさせることも可能である。
【0088】
【発明の効果】
本発明に係る電動リールでは、設定変更手段を設けて所定の段が有している設定回転速度を変更することを可能とするとともに、段の切り換えによる巻き上げ速度の変更という手段も残しているため、巻き上げ速度をきめ細かく変更することができ、且つ所定の巻き上げ速度の再現性を保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態が採用された電動リールの斜視図。
【図2】 操作パネルの平面拡大図。
【図3】 電動リールの制御ブロック図。
【図4】 記憶部のエリア構成図。
【図5】 メインルーチンの処理内容を示すフローチャート。
【図6】 キー入力処理の内容を示すフローチャート。
【図7】 段設定増速処理の内容を示すフローチャート。
【図8】 段設定減速処理の内容を示すフローチャート。
【図9】 増減速処理の内容を示すフローチャート。
【図10】 操作パネルの平面拡大図。
【図11】 別の操作パネルの平面拡大図。
【符号の説明】
1 リール本体
2 ハンドル
10 スプール
12 モータ
20 制御部(制御装置)
CV1 増速ボタン(設定変更手段)
CV2 減速ボタン(設定変更手段)
CV 段変速ボタン(設定変更手段)
SC 変速段(段)
SK1 高段切り換えボタン(段切換手段)
SK2 低段切り換えボタン(段切換手段,設定変更手段)
SS(SC) 設定回転速度データ(設定回転速度)
Claims (5)
- リール本体と、
リール本体に回転可能に支持されるスプールと、
前記スプールを回転させる電動のモータと、
前記スプールを回転させる手動のハンドルと、
それぞれ前記モータの設定回転速度を有する複数の段を切り換える段切換手段と、少なくとも1つの前記段の設定回転速度を変更する設定変更手段とを有し、前記モータの回転速度を制御する制御装置と、
を備え、
前記設定変更手段は、前記段が有する所定の速度域内の最低回転速度で前記モータを回転させているときに操作者がさらに前記ハンドルにより前記スプールの回転を増速させたときの前記スプールの回転速度を前記ハンドルによる増速無しに達成し得るモータの回転速度を、設定回転速度とする、
電動リール。 - 前記設定変更手段は、操作者の操作によって、前記段切換手段により選択された段の設定回転速度を変更する、請求項1に記載の電動リール。
- 前記設定変更手段は、前記段が有する所定の速度域内において前記モータの設定回転速度を変更する、請求項1又は2に記載の電動リール。
- 前記設定変更手段は、前記段が有する所定の速度域内において前記モータの回転速度を変動させ、操作者による設定指令が出された時点の前記モータの回転速度をその段の設定回転速度とする、請求項1から3のいずれかに記載の電動リール。
- 前記複数の段のうち1つの段は、前記モータの最高速度を不変の設定回転速度として有している、請求項1から4のいずれかに記載の電動リール。
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